JP7020999B2 - 機能材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維集合体に機能性物質を保持させた機能材及びその製造方法に関する。
従来、繊維集合体に機能性物質を保持させることで、様々な機能を付与することが行われてきた。例えば、特許文献1には、0~100℃の範囲内で可逆的に固液相転移する撥水剤を含有する被膜で繊維表面が被覆された撥水性繊維集合体が記載されている。
特開2012-1849号公報
一方、使用する際に機能性物質を放出することで機能性を発揮し得る機能材が求められていた。
本発明は、上記問題を解決するため、使用する際に機能性物質を放出して機能性を発揮することができる機能材及びその製造方法を提供する。
本発明は、繊維集合体、温度応答性相転移物質、及び機能性物質を含む機能材であって、前記温度応答性相転移物質は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下であり、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度で機能性物質を放出することを特徴とする機能材に関する。
本発明は、また、繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着し、前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込み、前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得ることを特徴とする機能材の製造方法に関する。
本発明は、また、繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着し、前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込み、前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得ることを特徴とする機能材の製造方法に関する。
本発明は、また、繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む分散液を適用した後電子線照射させ、その後、前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、或いは、繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液を適用した後電子線照射させ、その後、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着し、前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込み、前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得ることを特徴とする機能材の製造方法に関する。
本発明は、使用する際に機能性物質を放出して機能性を発揮することができる機能材及びその製造方法を提供することができる。
発明者らは、繊維集合体に機能性物質を保持させ、使用する際に機能性物質を放出して機能性を発揮し得る機能材を得るため、鋭意検討した。その結果、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を用い、繊維集合体に該温度応答性相転移物質を固着し、温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度で機能性物質を繊維集合体に取り込み、温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度で機能性物質を繊維集合体に保持させて得た機能材は、使用時に機能材の温度を温度応答性相転移物質の相転移温度以より高い温度にすることで機能性物質を放出することを見出した。本発明において、相転移温度とは、該温度で、結晶相からアモルファス相への相転移を起こす、すなわち、該温度より高い温度ではアモルファス相として存在し、該温度より低い温度では結晶相と存在することを意味する。本発明において、相転移温度は、機能材を測定サンプルとして用い、示差走査熱量測定によって吸熱ピークの温度を測定することで求めることができる。本発明において、機能性物質とは、機能性、例えば、温感付与、冷感付与、忌避効果、防腐効果、抗菌性、保湿性、保湿性、pH緩衝性等のいずれの効果を発揮することができる物質を意味する。本発明において、「~モノマーを含む重合体」とは、重合体が該モノマー由来の構成単位を含むこと、すなわち、該モノマーが重合して重合体を構成することを意味する。
前記温度応答性相転移物質の相転移温度は、0℃以上100℃以下であればよく、特に限定されず、機能性物質の種類、及び機能材の用途等に応じて適宜決めればよい。例えば、実用性の観点から、0℃以上60℃以下であることが好ましい。例えば、機能材が人の皮膚に接する状態で使用される場合は、前記温度応答性相転移物質の相転移温度は40℃以下であることが好ましく、38℃以下であることがより好ましく、36℃以下であることがさらに好ましく、33℃以下であることがさらにより好ましく、30℃以下であることがさらにより好ましい。また、室温保存性に優れる観点から、前記温度応答性相転移物質の相転移温度は、26℃以上であることが好ましく、28℃以上であることがより好ましい。なお、前記温度応答性相転移物質の相転移温度は、機能性物質の種類によっては、機能性物質を保持させた後、低下する場合があり、適切な機能性物質を選択して温度応答性相転移物質に保持させることで、温度応答性相転移物質の相転移温度を低下させることが可能である。
本発明において、「ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー」とは、一つのモノマー分子中にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基が存在するモノマーを意味する。本発明において、長鎖アルキル基とは、炭素数が12以上のアルキル基を意味し、該アルキル基は直鎖でもよく、分枝鎖でもよい。前記ラジカル重合性基は、特に限定されず、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等からなる群から選ばれる1種以上のラジカル重合性基であってもよい。
疎水性を有する機能性物質を保持しやすい観点から、前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーは、炭素数12~22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。本発明において、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸及びアクリル酸の一方、又は両方を意味する。炭素数12~22の直鎖アルキルを有するアクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ノナデシル、アクリル酸エイコシル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘプタデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ノナデシル、メタクリル酸エイコシル、メタクリル酸ベヘニル等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
前記温度応答性相転移物質は、室温(20±5℃)での機能性物質の安定性の観点から、アクリル酸ミリスチル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタアクリル酸ステアリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニルから群から選ばれる一種以上のモノマーを含む重合体で構成されていることが好ましく、メタアクリル酸ステアリル及びアクリル酸ステアリルから群から選ばれる一種以上のモノマーを含む重合体で構成されていることがより好ましい。前記温度応答性相転移物質は、アクリル酸ステアリル及びメタクリ酸ステアリルからなる群から選ばれる一種以上のモノマーと、アクリル酸ラウリル及びメタクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる一種以上のモノマーで構成された重合体であってもよい。該重合体における(メタ)アクリル酸ステアリルの含有量を調整することで、温度応答性相転移物質の相転移温度を調整することができる。例えば、(メタ)アクリル酸ステアリルの含有量は50重量%以上であってもよく、(メタ)60重量%以上であってもよく、(メタ)70重量%以上であってもよく、(メタ)80重量%以上であってもよい。室温での機能性物質の安定性を高める観点から、アクリル酸ステアリルとアクリル酸ラウリルの共重合体において、アクリル酸ステアリルの含有量は60重量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
前記温度応答性相転移物質を構成する重合体は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーに加えて他のモノマーを含んでもよい。親水性を有する機能性物質を保持しやすい観点から、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む重合体で構成されていることが好ましく、炭素数12~22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、それと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む重合体で構成されていることがより好ましい。
前記温度応答性相転移物質を構成する重合体において、繊維集合体との固着性を高める観点から、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーの含有量は55重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、65重量%以上であることがさらに好ましく、70重量%以上であることがさらにより好ましく、80重量%以上であることがさらにより好ましく、90重量%以上であることがさらにより好ましく、95重量%以上であることがさらにより好ましい。
前記温度応答性相転移物質を構成する重合体において、前記極性基を有するモノマーの含有量は、機能性物質の種類や機能材の用途等に応じて適宜決めればよく、例えば、10重量%以上45重量%以下であってもよく、20重量%以上45重量%以下であってもよく、30重量%以上45重量%以下であってもよく、40重量%以上45重量%以下であってもよい。
前記極性基を有するモノマーは、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、例えば、炭素数12~22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な極性モノマーであればよく、特に限定されない。例えば、水酸基含有モノマー(アルコール系モノマー)、カルボニル基含有モノマー、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを含有するモノマー、アミノ結合又はアミノ基を含有するモノマー、グリシジル基を含有するモノマー等が挙げられる。
前記水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシルメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられる。本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及びアクリレートの一方、又は両方を意味する。
カルボニル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の塩、(メタ)アクリル酸メチル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸の塩としては、例えば、アクリル酸ナトリウム等を用いることができる。
エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを含有するモノマーとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#550(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート等が挙げられる。
アミノ結合又はアミノ基を含有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド4級塩等が挙げられる。
グリシジル基を含有するモノマーとしては、例えば、グリシジルメタアクリレート(GMA)等が挙げられる。ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーとGMAを共重合した後、亜硫酸ナトリウムを用いてエポキシ部の一部をスルホン酸基に転化させても良く、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーとGMAを共重合した後、イミノジ酢酸ナトリウムを用いてエポキシ部の一部をイミノジ酢酸基に転化させても良い。
前記極性基を有するモノマーは、親水性の機能性物質を保持しやすい観点から、親水性モノマーであることが好ましく、カルボニル基含有モノマーであることがより好ましく、アクリル酸ナトリウムであることがさらに好ましい。
前記温度応答性相転移物質を構成する重合体は、繊維集合体に対する固着性を高める観点から、架橋性モノマーを含んでも良い。架橋性モノマーは、1分子あたり2個以上の反応性部位、例えば2個以上のラジカル重合性基を有する有機化合物である。架橋性モノマーとして、例えば、メチロールメラミン、グリオキザール、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリグリセリンアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が使用できる。
前記温度応答性相転移物質の含有量は、温度応答性相転移物質の種類、機能性物質の種類、及び機能材の用途等に応じて適宜きめればよく、特に限定されない。例えば、前記機能材において、繊維集合体を100質量%とした場合、温度応答性相転移物質は、5重量%以上90重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上50重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以上35重量%以下である。
前記機能性物質は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、例えば、炭素数12~22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと相溶性の高い機能性物質、例えば、疎水性を有する機能性物質であってもよく、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーと相溶性の高い、例えば親水性を有する機能性物質であってもよい。また、前記機能性物質としては、疎水性を有する機能性物質及び親水性を有する機能性物質を組み合わせて用いても良い。
疎水性を有する機能性物質としては、特に限定されず、例えば、非極性有機溶媒、脂肪酸、脂溶性の物質等が挙げられる。非極性有機溶媒としては、香料等に配合されるオクタノール、ドデカノール等が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、肌表面に被膜をつくり、水分の蒸散を抑制することができるオレイン酸、ラウリン酸、スクアレン等が挙げられる。脂溶性の物質としては、例えば、肌の受容体を刺激して温感を付与することができるカプサイシン、肌の受容体を刺激して冷感を付与することができるメントール等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。機能性物質として脂肪酸や脂溶性の物質を含む機能材は、下巻材や貼布材等として用いることができる。また、カプサイシン及びメントール等は忌避効果も有するため、機能性物質としてカプサイシンやメントールを含む機能材は、忌避ネット等の農業資材として用いることができる。また、疎水性を有する機能性物質がオクタノール等の非極性有機溶媒の場合、例えば該溶媒に様々な香料を溶解させ、香料を含むオクタノールを機能性物質として温度応答性相転移物質を含有する機能材に保持させ、該機能材を温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度にすることで、該香料を放出させることができる。
親水性を有する機能性物質としては、例えば、ポリフェノール、アルコール類、ポリエチレングリコール等の水酸基を持つ化合物、グルコマンナン、フコイダン等の多糖類、グリセリン、キシリトール等の糖アルコール、リンゴ酸等のヒドロキシ酸、ナトリウム、カルシウム等のカチオン系物質、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等が挙げられる。ポリフェノール、アルコール類等は、抗菌性や防腐効果等を発揮することができ、ポリエチレングリコール、グルコマンナン、フコイダン、グリセリン、キシリトール等は保湿性や保水性有し、リンゴ酸はpH緩衝性を有し、ナトリウム、カルシウム等は土壌改質性を有する。これらの機能性物質を含む機能材は、保水マット等の農業用資材、保湿やpH緩衝のための下巻材、防腐のための青果鮮度保持材、肥料等として用いることができる。
前記機能性物質の含有量は、機能性物質の種類、及び機能材の用途等に応じて適宜きめればよく、特に限定されない。例えば、前記機能材において、温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体を100質量%とした場合、機能性物質の量は、5重量%以90重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上50重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以上35重量%以下である。
前記繊維集合体を構成する繊維は特に制限されず、例えば、セルロース系繊維、獣毛
繊維、ポリアミド繊維(ナイロン繊維とも称される)、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維及びポリアクリル系繊維等が挙げられる。これらの繊維は、一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中でも、温度応答性相転移物質の固着性を高める観点から、繊維集合体は、電子線照射処理によってラジカルが発生するラジカル形成性繊維を含むことが好ましい。ラジカル形成性繊維を含む繊維集合体を用いて、後述する電子線照射処理を行うことにより、温度応答性相転移物質とラジカル形成性繊維とが化学結合、例えば共有結合することで、温度応答性相転移物質の固着性が向上する。ラジカル形成性繊維として、例えば、セルロース系繊維、獣毛繊維、ポリアミド繊維等が挙げられ、セルロース系繊維であることが好ましい。繊維集合体におけるラジカル形成性繊維の含有量は20重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上である、さらに好ましくは100重量%である。
セルロース系繊維としては、例えば、綿、リネン、ラミー、及びその他の植物繊維等の天然セルロース繊維、レーヨン、ポリノジック、モダール、キュプラ及びテンセル等の再生セルロース繊維、トリアセテート及びジアセテートの等のセルルース誘導体を含む半合成セルロース繊維等が挙げられる。特に、天然セルロース繊維が好ましい。天然セルロースには天然のままのもののほか、晒加工したもの、シルケット加工されたもの及び液体アンモニア処理されたものが含まれる。セルロース系繊維に生じるラジカルはセルロース分子の構造単位における5位の炭素、次に4位や1位の炭素に生成しやすく、さらには2,3,6位の炭素にも生成するものと考えられる。
獣毛繊維としては、例えば、羊毛、モヘア及びカシミヤ等が挙げられる。
繊維集合体はいかなる形態であってもよい。例えば、糸、綿(ワタ)、スライバー、布帛、布帛からなる繊維製品等が挙げられる。布帛は、例えば、織物、編物、不織布等のいずれの形態であってもよい。繊維集合体(布帛)の目付は特に限定されず、例えば、50g/m2以上400g/m2以下であってもよく、100g/m2以上350g/m2以下であってもよい。
前記機能材は、特に限定されないが、例えば、下記のように作製することができる。
(1)繊維集合体に温度応答性相転移物質を固着する。
(2)前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込む。
(3)前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得る。
繊維集合体への温度応答性相転移物質の固着は、具体的には、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のいずれかの方法で行うことができる。
(a)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を繊維集合体に適用することで、該溶液又は分散液が繊維集合体の繊維間に浸透し、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体、すなわち温度応答性相転移物質が形成されて繊維集合体に固着する。繊維集合体が、セルロース系繊維等のラジカル形成性繊維を含む場合、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体が繊維集合体に化学結合、例えば、共有結合することで、温度応答性相転移物質の固着性がより高まる。
(b)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を繊維集合体に適用することで、該溶液又は分散液が繊維集合体の繊維間に浸透し、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体、すなわち温度応答性相転移物質が形成されて繊維集合体に固着する。繊維集合体が、セルロース系繊維等のラジカル形成性繊維を含む場合、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体が繊維集合体に化学結合、例えば、共有結合することで、温度応答性相転移物質の固着性がより高まる。
(c)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後電子線照射させ、その後、前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を繊維集合体に適用することで、該溶液又は分散液が繊維集合体の繊維間に浸透し、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体が形成され、その後、前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を繊維集合体に適用することで、該溶液又は分散液が繊維集合体の繊維間に浸透し、乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体、すなわち温度応答性相転移物質が形成されて繊維集合体に固着する。繊維集合体が、セルロース系繊維等のラジカル形成性繊維を含む場合、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体が繊維集合体に化学結合、例えば、共有結合することで、温度応答性相転移物質の固着性がより高まる。
(d)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後、電子線照射させ、その後、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を繊維集合体に適用することで、該溶液又は分散液が繊維集合体の繊維間に浸透し、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む重合体が形成され、その後、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を繊維集合体に適用することで、該溶液又は分散液が繊維集合体の繊維間に浸透し、乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体、すなわち温度応答性相転移物質が形成されて繊維集合体に固着する。繊維集合体が、セルロース系繊維等のラジカル形成性繊維を含む場合、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体が繊維集合体に化学結合、例えば、共有結合することで、温度応答性相転移物質の固着性がより高まる。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液、少なくともラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを溶解し得る有機溶媒でラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを溶解することで得ることができる。そのような有機溶媒として、例えば、エタノール、イソプロパノール、トルエン、メチルエチルケトン、3-メトキシ-3メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3メチル-1-ブチルアセテート等が挙げられる。
前記極性基を有するモノマーを含む溶液は、少なくとも極性基を有するモノマーモノマーを溶解し得る有機溶媒で極性基を有するモノマーを溶解することで得ることができる。そのような有機溶媒として、例えば、エタノール、イソプロパノール、3-メトキシ-3メチル-1-ブタノール等が挙げられる。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液は、例えば、エタノール、イソプロパノール、3-メトキシ-3メチル-1-ブタノール等の有機溶媒で、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー及び前記極性基を有するモノマーを溶解することで得ることができる。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーの分散液は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを水に分散させることで得ることができる。分散性を高める観点から、該分散液は乳化剤を含んでも良い。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液は、極性基を有するモノマーを水に分散させて得ることができる。分散性を高める観点から、該分散液は乳化剤を含んでも良い。
ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー及び前記極性基を有するモノマーを水に分散させて得ることができる。分散性を高める観点から、該分散液は乳化剤を含んでも良い。
上述したラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びに/或いはそれと共重合可能な極性基を有するノマーを含む溶液又は分散液は、架橋性モノマーを含んでも良い。架橋性モノマーの濃度は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば、15重量%以下であってもよく、2重量%以上12重量%以下であってもよい。
機能性物質が疎水性を有する場合は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液を用いることが好ましい。まず、繊維集合体をラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液に浸漬した後、所定の絞り率、例えば、20重量%以上200重量%以下になるようにマングルで絞る。その後、通常乾燥を行う。乾燥は、例えば、70℃以上150℃以下の温度で0.5分以上5分以下行う。
次いで、電子線照射処理を行う。電子線照射処理は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。電子線の加速電圧は、特に限定されないが、例えば、100kV以上1000kV以下の範囲のものとすればよい。電子線の照射線量は通常、1kGy以上300kGy以下であり、好ましくは10kGy以上200kGy以下であり、より好ましくは10kGy以上100kGy以下である。
電子線照射処理は、繊維集合体の一方の面に実施されてもよいし、または両方の面に実
施されてもよい。電子線照射処理を一方の面に実施する場合であっても、両方の面に実施
する場合であっても、それぞれの面に対する照射線量はそれぞれ独立して上記範囲内であ
ればよい。
電子線照射装置は、特に限定されず、カーテン方式、スキャン方式またはダブルスキャン方式のものとすればよい。電子線照射装置としては、例えば、市販のものが使用可能であり、例えば、エレクトロカーテン型電子線照射装置としてEC250/15/180L(岩崎電気株式会社製)、EC300/165/800(岩崎電気株式会社製)、EPS300(株式会社NHVコーポレーション製)等が使用される。
電子線照射処理後は、通常、水洗し、乾燥を行う。水洗は、例えば、40℃以上90℃以下の温水で行うことができる。乾燥は、例えば、100℃以上150℃以下の温度で0.5分以上5分以下行うことができる。その後、必要に応じて、未反応のラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを除去するために、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを溶解し得る有機溶媒で洗浄し、100℃以上150℃以下の温度で0.5分以上5分以下乾燥を行う。
次に、温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込む。機能性物質が前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度で液体の場合は、そのまま用いることができる。機能性物質が前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度で固体の場合は、適切な溶媒で機能性物質を溶解した溶液或いは適切な分散媒に機能性物質を分散した分散液を用いることができる。液体の機能性物質、機能性物質の溶液又は分散液の適用方法は、特に限定されず、浸漬方法、塗布方法、噴霧方法のいずれであってもよい。繊維集合体全体への含浸性が高い観点から、浸漬方法を用いることが好ましい。浸漬時間は、特に限定されず、機能性物質の種類等に応じて適宜に設定することができる。
次いで、機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得る。好ましくは、機能性物質が取り込まれた繊維集合体を、温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度の機能性物質を溶解し得る有機溶媒に浸漬し、その後温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度で乾燥することで、機能性物質が保持された機能材を得ることができる。
機能性物質が親水性を有する場合は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びに/或いはそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む水分散液を用いることが好ましい。まず、繊維集合体を前記水分散液に浸漬した後、所定の絞り率、例えば、20重量%以上200重量%以下になるようにマングルで絞る。その後、通常乾燥を行う。乾燥は、例えば、70℃以上150℃以下の温度で0.5分以上5分以下行うことができる。
次いで、上述した機能性物質が疎水性を有する場合と同様に電子線照射処理を行う。
電子線照射処理後は、通常、水洗し、乾燥を行う。水洗は、例えば、40℃以上90℃以下の温水で行うことができる。乾燥は、例えば、100℃以上150℃以下の温度で0.5分以上5分以下行うことができる。
次に、温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込む。好ましくは、温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質の水溶液を用いる。機能性物質の水溶液の適用方法は、特に限定されず、浸漬方法、塗布方法、噴霧方法のいずれであってもよい。繊維集合体全体への含浸性が高い観点から、浸漬方法を用いることが好ましい。浸漬時間は、特に限定されず、機能性物質の種類等に応じて適宜に設定することができる。
次いで、機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得る。好ましくは、機能性物質が取り込まれた繊維集合体を、温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度の水に浸漬し、その後温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度で風乾することで、機能性物質が保持された機能材を得ることができる。
前記機能材は冷感付与材、温感付与材、防臭材、下巻材、貼布材、衛生材、フェイスマスク、保湿マット、鮮度保持材等として用いることができる。
前記機能材は、機能性物質を放出するのに用いることができる。具体的には、下記のように機能性物質の放出方法を提供することができる。
(1)下記(a)、(b)、(c)及び(d)のいずれかの方法で、繊維集合体に温度応答性相転移物質を固着する。
(a)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
(b)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
(c)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後電子線照射させ、その後、前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
(d)繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後電子線照射させ、その後、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又は分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着する。
(2)前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込む。
(3)前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得る。
(4)機能性物質が保持された機能材の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度にすることで、機能性物質を放出する。
機能性物質が保持された機能材の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度にするとは、機能性物質を必要とする対象物の温度が前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高く、該対象物に機能材が接触することを含む。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<温度応答性相転移物質の固着>
綿100%の織物(目付け270g/m2)を、室温(20±5℃)で、アクリル酸ステアリル(和光純薬工業株式会社製、分子量325、以下において、単に「SA」とも記す。)をエタノールに溶解して得られたアクリル酸ステアリルの溶液(アクリル酸ステアリル30重量%)に浸漬した後、絞り率が約40重量%になるまでマングルで絞り、80℃で90秒間乾燥した。その後、織物の一方の面に対して、エレクトロカーテン型電子線照射装置(EC250/30/90L;株式会社アイ・エレクトロンビーム製)により、窒素ガス雰囲気下で加速電圧250kV、照射線量80kGyの条件で電子線を照射した。電子線照射した織物を60℃の温水で洗浄し、150℃で90秒間乾燥した。次いで、60℃のエタノールで洗浄し、150℃で90秒間乾燥し、温度応答性相転移物質(SAの単独重合体)が固着された織物を得た。織物を100質量%とした場合、温度応答性相転移物質の固着量は12.0重量%であった。電子線照射により、アクリル酸ステアリルは互いに重合するとともに、織物を構成する綿(セルロース繊維)と共有結合することになる。温度応答性相転移物質を含む織物を用いてDSC測定を行ったところ、温度応答性相転移物質(SAの単独重合体)の相転移温度(DSCにおける吸熱ピーク温度)は、48.7℃であった。
<機能性物質の保持>
上記で得られた織物を60℃のオクタノール中に浸漬し(浴比1:30)、30分間静置した。その後、織物を引き上げて垂直に30秒間放置した。その後、織物を20℃のエタノール中に180秒間浸漬した(浴比1:30)。その後、織物を引き上げて室温で風乾し、オクタノール(機能性物質)が保持された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、オクタノールの保持量は17.3重量%であった。得られた機能性物質が保持された織物を用いてDSC測定を行ったところ、機能性物質(オクタノール)が保持された温度応答性相転移物質(SAの単独重合体)の相転移温度(DSCにおける吸熱ピーク温度)は、39.6℃であり、オクタノールを保持することによって、SAの単独重合体の相転移温度が低下していた。
<機能性物質の放出>
上記で得られた機能性物質が保持された織物を、60℃のエタノール中に180秒間浸漬した(浴比1:30)。その後、織物を引き上げて室温で風乾し、機能性物質が放出された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、オクタノールの残余量は1.1重量%であった。
(実施例2)
<温度応答性相転移物質の固着>
アクリル酸ステアリルの溶液に代えて、アクリル酸ステアリル24重量%、アクリル酸ラウリル(東京化成工業株式会社製、分子量240、以下において、単に「DA」とも記す。)6重量%、及びエタノール70重量%を含む溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして温度応答性相転移物質(SAとDAの共重合体)が固着された織物を得た。織物を100質量%とした場合、温度応答性相転移物質の固着量は11.0重量%であった。電子線照射により、アクリル酸ステアリル及びアクリル酸ラウリルは共重合するとともに、織物を構成する綿(セルロース繊維)と共有結合することになる。温度応答性相転移物質を含む織物を用いてDSC測定を行ったところ、温度応答性相転移物質(SAとDAの共重合体)の相転移温度(DSCにおける吸熱ピーク温度)は、39.2℃であった。
<機能性物質の保持>
実施例1と同様にしてオクタノール(機能性物質)が保持された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、オクタノールの保持量は18.2重量%であった。得られた機能性物質が保持された織物を用いてDSC測定を行ったところ、機能性物質(オクタノール)が保持された温度応答性相転移物質(SAとDAの共重合体)の相転移温度(DSCにおける吸熱ピーク温度)は、31.4℃であり、オクタノールを保持することによって、SAとDAの共重合体の相転移温度が低下していた。
<機能性物質の放出>
実施例1と同様にして機能性物質が放出された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、オクタノールの残余量は1.9重量%であった。
(実施例3)
<温度応答性相転移物質の固着>
綿100%の織物(目付け270g/m2)を、室温(20±5℃)で、アクリル酸ステアリルの乳化物(大原パラジウム化学株式会社製、品名「TQ-10」、アクリル酸ステアリルを45重量%)に浸漬した後、絞り率が約60重量%になるまでマングルで絞り、80℃で90秒間乾燥した。その後、織物の一方の面に対して、エレクトロカーテン型電子線照射装置(EC250/30/90L;株式会社アイ・エレクトロンビーム製)により、窒素ガス雰囲気下で加速電圧250kV、照射線量80kGyの条件で電子線を照射した。電子線照射した織物を60℃の温水で洗浄し、150℃で90秒間乾燥し、温度応答性相転移物質(SAの単独重合体)が固着された織物を得た。織物を100質量%とした場合、温度応答性相転移物質の固着量は20.8重量%であった。電子線照射により、アクリル酸ステアリルは互いに重合するとともに、織物を構成する綿(セルロース繊維)と共有結合することになる。温度応答性相転移物質を含む織物を用いてDSC測定を行ったところ、温度応答性相転移物質(アクリル酸ステアリルの重合体)の相転移温度(DSCにおける吸熱ピーク温度)は、46.3℃であった。
<機能性物質の保持>
オクタノールに代えて、ポリエチレングリコール(PEG-400、分子量380~420、ナカライテスク株式会社製)を50重量%含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエチレングリコール(機能性物質)が保持された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、ポリエチレングリコールの保持量は22.4重量%であった。
<機能性物質の放出>
実施例1と同様にして機能性物質が放出された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、ポリエチレングリコールの残余量は6.3重量%であった。
(実施例4)
<温度応答性相転移物質の固着>
綿100%の織物(目付け270g/m2)を、室温(20±5℃)で、アクリル酸ステアリルの乳化物(大原パラジウム化学株式会社製、品名「TQ-10」、アクリル酸ステアリルを45重量%)50重量部、アクリル酸ナトリウム(アクリル酸中和物、センカ株式会社製、品名「CI-05K」、アクリル酸ナトリウムの含有量28重量%、以下において、単に「AAcNA」とも記す。)36重量部、及び水14重量部を混合して調製した混合液(アクリル酸ステアリルの含有量22.5重量%、アクリル酸ナトリウムの含有量10.1重量%)に浸漬した後、絞り率が約60重量%になるまでマングルで絞り、80℃で90秒間乾燥した。その後、織物の一方の面に対して、エレクトロカーテン型電子線照射装置(EC250/30/90L;株式会社アイ・エレクトロンビーム製)により、窒素ガス雰囲気下で加速電圧250kV、照射線量80kGyの条件で電子線を照射した。電子線照射した織物を60℃の温水で洗浄し、150℃で90秒間乾燥し、温度応答性相転移物質(SAとAAcNAの共重合体)が固着された織物を得た。織物を100質量%とした場合、温度応答性相転移物質の固着量は19.8重量%であった。電子線照射により、アクリル酸ステアリルとアクリル酸ナトリウムは共重合するとともに、織物を構成する綿(セルロース繊維)と共有結合することになる。温度応答性相転移物質を含む織物を用いてDSC測定を行ったところ、温度応答性相転移物質(SAとAAcNAの共重合体)の相転移温度(DSCにおける吸熱ピーク温度)は、46.0℃であった。
<機能性物質の保持>
実施例3と同様にしてポリエチレングリコール(機能性物質)が付与された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、ポリエチレングリコールの保持量は28.3重量%であった。
<機能性物質の放出>
実施例3と同様にして機能性物質が放出された織物を得た。温度応答性相転移物質が固着された織物を100質量%とした場合、ポリエチレングリコールの残余量は2.1重量%であった。
(比較例1)
アクリル酸ステアリルの溶液に代えて、エタノールを用いた以外は、実施例1と同様にして、温度応答性相転移物質が固着されていない織物を得た。また、該織物を用いた以外は、実施例1と同様にして機能性物質(オクタノール)の付与を行ったところ、オクタノールの保持量は6.6重量%であった。また、実施例1と同様にして機能性物質の放出を行ったところ、オクタノールの保持量は1.0重量%であった。
(比較例2)
アクリル酸ステアリルの乳化物に代えて、水を用いた以外は、実施例3と同様にして、温度応答性相転移物質が付与されていない織物を得た。また、該織物を用いた以外は、実施例3と同様にして機能性物質(ポリエチレングリコール)の付与を行ったところ、ポリエチレングリコールの保持量は9.0重量%であった。また、実施例3と同様にして機能性物質の放出を行ったところ、ポリエチレングリコールの残余量は2.5重量%であった。
(比較例3)
アクリル酸ステアリルの乳化物に代えて、アクリル酸ナトリウム(アクリル酸中和物、センカ株式会社製、品名「CI-05K」、アクリル酸ナトリウムの含有量28重量%)を用いた以外は、実施例3と同様にして、アクリル酸ナトリウムが付与された織物を得た。織物を100質量%とした場合、アクリル酸ナトリウムの固着量は12.2重量%であった。また、該織物を用いた以外は、実施例3と同様にして機能性物質(ポリエチレングリコール)の付与を行ったところ、ポリエチレングリコールの保持量は13.3重量%であった。また、実施例3と同様にして機能性物質の放出を行ったところ、ポリエチレングリコールの残余量は8.0重量%であった。
実施例及び比較例において、絞り率、温度応答性相転移物質の固着量、機能性物質の保持量及び機能性物質の残余量は、下記のように算出した。温度応答性相転移物質の固着量、機能性物質の保持量及び機能性物質の残余量の結果を下記表1にまとめた。比較例3においては、温度応答性相転移物質ではなく、アクリル酸ナトリウムの固着量となる。
絞り率(重量%)=(W1-W0)/W0×100 (1)
上記数式(1)で、W1はマングルで絞った後の織物の重量であり、W0はアクリル酸ステアリルを含む溶液に浸漬する前の織物の重量である。
温度応答性相転移物質の含有量(重量%)=(W2-W0)/W0×100 (2)
上記数式(2)で、W2は温度応答性相転移物質が固着された織物の重量であり、W0はアクリル酸ステアリルを含む溶液に浸漬する前の織物の重量である。
機能性物質の保持量(重量%)=(W3-W2)/W2×100 (3)
上記数式(3)で、W3は機能性物質が保持された織物の重量であり、W2は温度応答性相転移物質が固着された織物の重量である。
機能性物質の残余量(重量%)=(W4-W2)/W2×100 (4)
上記数式(4)で、W4は機能性物質を放出した後の織物の重量であり、W2は温度応答性相転移物質が固着された織物の重量である。
Figure 0007020999000001
表1の結果から分かるように、温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の条件下で、機能性物質を取り込んだ後、温度を温度応答性相転移物質の相転移温度より低くすると、機能性物質が保持された機能材を得ることができる。そして、機能材の温度を、温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度に上げることで、機能性物質が放出されることになる。温度応答性相転移物質が相転移温度より高い温度ではアモルファス相となり、相転移温度より低い温度では結晶相となる可逆的相転移をする性質を有することで、相転移温度より高い温度において、アモルファス相となった際、機能性物質と接触して機能性物質を取り込み、相転移温度より低い温度において、結晶相になることで、機能性物質を保持することになる。そして、再度、相転移温度より高い温度になると、温度応答性相転移物質がアモルファス相となり、機能性物質が放出される。

Claims (13)

  1. 繊維集合体、温度応答性相転移物質、及び機能性物質を含む機能材であって、
    前記温度応答性相転移物質は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下であり、
    前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度で機能性物質を放出することを特徴とする機能材。
  2. 前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーは、炭素数12~22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1に記載の機能材。
  3. 前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーは、(メタ)アクリル酸ステアリルである請求項1又は2に記載の機能材。
  4. 前記温度応答性相転移物質は、アクリル酸ステアリル及びメタクリ酸ステアリルからなる群から選ばれる一種以上のモノマーで構成された重合体である請求項1~3のいずれか1項に記載の機能材。
  5. 前記温度応答性相転移物質は、アクリル酸ステアリル及びメタクリ酸ステアリルからなる群から選ばれる一種以上のモノマーと、アクリル酸ラウリル及びメタクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる一種以上のモノマーで構成された重合体である請求項1~3のいずれか1項に記載の機能材。
  6. 前記温度応答性相転移物質は、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む重合体で構成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の機能材。
  7. 前記極性基を有するモノマーは、親水性モノマーである請求項6に記載の機能剤。
  8. 前記極性基を有するモノマーは、カルボニル基含有モノマーである請求項6又は7に記載の機能材。
  9. 前記カルボニル基含有モノマーは、アクリル酸ナトリウムである請求項8に記載の機能材。
  10. 前記繊維集合体は、セルロース系繊維を含む請求項1~9のいずれか1項に記載の機能材。
  11. 繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着し、
    前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込み、
    前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得ることを特徴とする機能材の製造方法。
  12. 繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液を適用した後、電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着し、
    前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込み、
    前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得ることを特徴とする機能材の製造方法。
  13. 繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む分散液を適用した後電子線照射させ、その後、前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又は前記ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、或いは、繊維集合体にラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーと共重合可能な極性基を有するモノマーを含む分散液を適用した後電子線照射させ、その後、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む溶液又はラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマーを含む分散液を適用した後乾燥してから電子線照射することで、ラジカル重合性基及び長鎖アルキル基を有するモノマー、並びにそれと共重合可能な極性基を含むモノマーを含む重合体で構成され、相転移温度が0℃以上100℃以下である温度応答性相転移物質を繊維集合体に固着し、
    前記温度応答性相転移物質が固着された繊維集合体に、前記温度応答性相転移物質の相転移温度より高い温度の機能性物質を適用することで機能性物質を取り込み、
    前記機能性物質を取り込んだ繊維集合体の温度を前記温度応答性相転移物質の相転移温度より低い温度にすることで、機能性物質が保持された機能材を得ることを特徴とする機能材の製造方法。
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