JP7020679B2 - 同位体標識化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、同位体標識化合物の製造方法に関する。
慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は、肺気腫と慢性気管支炎が合併した症状の総称であり、気流閉塞を特徴とする疾患である。この気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変(肺胞壁の破壊)が様々な割合で複合的に作用することで起こる。
COPD患者の痰・血液・尿を加水分解処理し、高速液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry:LC-MS/MS)で分析すると、肺胞の伸縮を司る弾性線維エラスチンの架橋アミノ酸であり下記式に示されるデスモシンおよびその異性体であり下記式に示されるイソデスモシンが観測される。健常者と比べて、COPD患者におけるそれらの存在量が異なることから、デスモシン類はCOPDのバイオマーカーとして有望視されている。
Figure 0007020679000001
Toyonobu Usuki他7名、「Total synthesis of COPD biomarker desmosine that crosslinks elastin」、Chem. Commun.、2012年、48号、3233-3235ページ Hiroto Yanuma他1名、「Total synthesis of the COPD biomarker desmosine via Sonogashira and Negishi cross-coupling reactions」、Tetrahedron Lett.、2012年、53号、5920-5922ページ
しかし、生体内に含まれるデスモシン類の絶対量が微量であるため、LC-MS/MS(Liquid Chromatography-tandem Mass Spectrometry)等による厳密な定量分析のためには、内部標準物質の添加が必要となっている。このため、デスモシン類の標準物質として用いられる化合物が容易に合成できるとよい。デスモシンの全合成に関する技術として、非特許文献1および2に記載のものがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、デスモシン類の同位体標識化合物の新規な製造方法を提供するものである。
本発明によれば、
下記一般式(1)に示される同位体標識化合物を製造する方法であって、
Figure 0007020679000002
(上記一般式(1)中、Zは水素原子または重水素原子である。上記一般式(1)における10個のZのうち、5個以上10個以下のZが重水素原子である。)
下記一般式(4)に示される化合物を下記一般式(3)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 0007020679000003
(上記一般式(4)中、R1は、独立して、水素原子または重水素原子であり、複数のR1は同じであっても異なってもよい。R5は、独立して、アミノ保護基であり、複数のR5は同じであっても異なってもよい。R6は、独立して、カルボキシ保護基であり、複数のR6は同じであっても異なってもよい。)
Figure 0007020679000004
(上記一般式(3)中、Zは、前記一般式(1)におけるZと同じであり、R5およびR6は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR5およびR6と同じである。)
前記一般式(3)に示した化合物を前記一般式(1)に示した化合物に変換する工程と、
を含み、
一般式(3)に示した化合物を一般式(1)に示した化合物に変換する前記工程が、前記一般式(3)に示した化合物と下記一般式(5)に示す化合物とを反応させて、下記一般式(2)に示した化合物を得る工程と、
Figure 0007020679000005
(上記一般式(5)中、R 3 は、独立して、水素原子またはアミノ保護基であり、複数のR 3 は同じであっても異なってもよく、R 4 は水素原子またはカルボキシ保護基であり、X 1 はハロゲンである。)
Figure 0007020679000006
(上記一般式(2)中、Zは、前記一般式(1)におけるZと同じであり、R 3 およびR 4 は、それぞれ、前記一般式(5)におけるR 3 およびR 4 と同じである。R 5 およびR 6 は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR 5 およびR 6 と同じである。)
前記一般式(2)に示した化合物を前記一般式(1)に示した化合物に変換する工程と、
を含む、同位体標識化合物の製造方法が提供される
本発明によれば、
前述した本発明における同位体標識化合物の製造方法により、前記一般式(1)に示した同位体標識化合物を得る工程と、
前記同位体標識化合物を含む定量分析用標準物質を準備する工程と、
を含む、定量分析用標準物質の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
前述した本発明における定量分析用標準物質の製造方法により定量分析用標準物質を得る工程と、
測定対象の試料に、前記定量分析用標準物質を添加する工程と
を含む、デスモシン類の定量方法が提供される。
本発明によれば、デスモシン類の同位体標識化合物の新規な製造方法が提供される。
実施例で得られた化合物3-d71H-NMRスペクトルを示す図である。 実施例で得られた化合物2-d71H-NMRスペクトルを示す図である。 実施例で得られた化合物1-d71H-NMRスペクトルを示す図である。 実施例で得られた化合物3-d7のESI-HRMSクロマトグラムを示す図である。 実施例で得られた化合物2-d7のESI-HRMSクロマトグラムを示す図である。 実施例で得られた化合物1-d7のESI-HRMSクロマトグラムを示す図である。
以下、本発明の実施形態を具体例に基づいて説明する。複数の実施形態に記載の態様を組み合わせて用いることもできる。
本明細書において、一般式中の「Z」は、水素原子Hまたは重水素原子Dを示す。
本実施形態において、同位体標識化合物は、下記一般式(1)に示される。
Figure 0007020679000007
(上記一般式(1)中、Zは水素原子または重水素原子である。上記一般式(1)における10個のZのうち、5個以上10個以下のZが重水素原子である。)
一般式(1)に示した化合物1-dnは、デスモシン分子中のn個(nは5以上10以下の整数である。)の水素原子、具体的には5個以上10個以下の水素原子が重水素原子に置換された化合物である。すなわち、上記一般式(1)中、10個のZのうち、5個以上10個以下のZが重水素原子である。
同位体標識化合物の安定性を高める観点から、重水素原子であるZの数は、好ましくは6以上であり、また、好ましくは9以下であり、より好ましくは8以下である。
また、重水素置換の位置については、同位体標識化合物の安定性を高める観点から、一般式(1)において、ピリジン環の4位の側鎖中の4つのZがいずれも重水素原子であることが好ましい。また、一般式(1)において、ピリジン環の2位および5位の炭素原子に直接結合するZがいずれも重水素原子であることも好ましい。
より好ましくは、一般式(1)において、ピリジン環の4位の側鎖中の4つのZならびにピリジン環の2位および5位の炭素原子に直接結合するZがいずれも重水素原子である。
また、一般式(1)に示した化合物は、さらに好ましくは、下記式に示される化合物1-d7である。化合物1-d7においては、デスモシン中の7つの水素原子が重水素置換されている。
Figure 0007020679000008
次に、一般式(1)に示した同位体標識化合物の製造方法を説明する。
本実施形態における製造方法は、以下の工程10および工程20を含む。
(工程10)下記一般式(4)に示される化合物を下記一般式(3)に示される化合物に変換する工程
(工程20)下記一般式(3)に示される化合物を一般式(1)に示した化合物に変換する工程
Figure 0007020679000009
(上記一般式(4)中、R1は、独立して、水素原子または重水素原子であり、複数のR1は同じであっても異なってもよい。R5は、独立して、アミノ保護基であり、複数のR5は同じであっても異なってもよい。R6は、独立して、カルボキシ保護基であり、複数のR6は同じであっても異なってもよい。)
Figure 0007020679000010
(上記一般式(3)中、Zは、一般式(1)におけるZと同じであり、R5およびR6は、それぞれ、一般式(4)におけるR5およびR6と同じである。)
一般式(3)および一般式(4)中、R5はアミノ保護基であり、その具体例として、t-ブトキシカルボニル(Boc)基およびベンジルオキシカルボニル基からなる群から選ばれる基が挙げられる。R6はカルボキシ保護基であり、その具体例として、t-ブチル(tBu)基、ベンジル基、メチル基およびエチル基からなる群から選ばれる基が挙げられる。
5およびR6は、好ましくは、工程22において、同一工程で脱保護できる基であり、このようなR5およびR6の具体例として、R5がBoc基であり、R6がtBu基である組み合わせが挙げられる。
工程10において、一般式(4)に示した化合物は、たとえば薗頭クロスカップリングおよび根岸クロスカップリングにより、さらに具体的には非特許文献1または2あるいは特開2015-178957号公報に記載の方法を用いて得ることができる。一般式(3)に示した化合物中のZを安定的に重水素化する高める観点から、一般式(4)に示した化合物は、好ましくは一般式(4)中の1以上のR1が水素原子である化合物である。
また、工程10は、たとえば、以下の工程11および工程12を含んでもよい。
(工程11)一般式(4)において1以上のR1が水素原子である化合物を準備する工程
(工程12)1以上のR1が水素原子である上記化合物中の、水素原子である1以上のR1を重水素原子に置換する工程
工程12においては、具体的には、一般式(4)中の1個、2個または3個の水素原子が重水素置換される。
一般式(3)に示した化合物の安定性を高める観点から、工程12は、好ましくは、一般式(4)において1以上のR1が水素原子である化合物を、下記一般式(4')に示す化合物に変換する工程(工程12a)を含む。
Figure 0007020679000011
(上記一般式(4')中、R5およびR6は、それぞれ、一般式(4)におけるR5およびR6と同じである。)
一般式(4')においては、一般式(4)中の3つのR1が重水素原子に置換されている。一般式(4')に示した化合物を安定的に得る観点から、工程12、さらに具体的には工程12aは、好ましくは、一般式(4)に示した化合物と重水素化プロトン性極性溶媒とを混合した後、溶媒を除去する工程を含み、より好ましくはこの工程を2サイクル以上含み、さらに好ましくはこの工程を5サイクル以上含む。
重水素化プロトン性極性溶媒の具体例として、重水(D2O);重水素化メタノール(CD3OD)、重水素化エタノール、重水素化イソプロパノール等の重水素化アルコールが挙げられる。重水素置換を安定的におこなう観点から、重水素化プロトン性極性溶媒は、好ましくは重水素化メタノールを含み、より好ましくは重水素化メタノールである。
また、工程10、さらに具体的には工程12は、上記工程12aの後、一般式(4')に示した化合物の接触重水素還元により、一般式(3)に示した化合物を得る工程(工程12b)をさらに含んでもよい。
接触重水素還元は、たとえば重水素(D2)およびパラジウム炭素(Pd/C)を用いるとともに、重水素化溶媒中でおこなう。
このとき、Pd/Cの仕込み量は、たとえば、一般式(4')に示した化合物に対して1当量以上20当量以下とする。
反応温度は、たとえば室温(25℃)とし、反応時間はたとえば反応温度に応じて設定できるが、一般式(3)に示した化合物の収率を高める観点から、好ましくは0.1時間以上7日以下とする。
また、重水素化溶媒の具体例としては、重水素化メタノール、重水素化エタノール、重水素化イソプロパノール等の重水素化アルコールが挙げられ、一般式(3)に示した化合物の収率を高める観点から、好ましくは重水素化メタノールである。
次に、工程20について説明する。
工程20は、一般式(3)に示した化合物を一般式(1)に示した化合物に変換する工程であり、好ましくは、以下の工程21および工程22を含む。
(工程21)一般式(3)に示した化合物と下記一般式(5)に示す化合物とを反応させて、下記一般式(2)に示した化合物を得る工程
(工程22)下記一般式(2)に示す化合物を一般式(1)に示した化合物に変換する工程
Figure 0007020679000012
(上記一般式(5)中、R3は、独立して、水素原子またはアミノ保護基であり、複数のR3は同じであっても異なってもよく、R4は水素原子またはカルボキシ保護基であり、X1はハロゲンである。)
Figure 0007020679000013
(上記一般式(2)中、Zは、前記一般式(1)におけるZと同じであり、R3およびR4は、それぞれ、前記一般式(5)におけるR3およびR4と同じである。R5およびR6は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR5およびR6と同じである。)
工程21では、一般式(3)に示した化合物におけるピリジン環の1位に、一般式(5)に示した化合物の-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(N(R32)-CO24基を導入する。
一般式(5)中、R3は、独立して、水素原子またはアミノ保護基であり、アミノ保護基の具体例として、t-ブトキシカルボニル(Boc)基およびベンジルオキシカルボニル基からなる群から選ばれる基が挙げられる。R4は水素原子またはカルボキシ保護基であり、カルボキシ保護基の具体例として、t-ブチル(tBu)基、ベンジル基、メチル基およびエチル基からなる群から選ばれる基が挙げられる。
3およびR4は、好ましくは、工程22において、同一工程で脱保護できる基であり、このようなR3およびR4の具体例として、R3がBoc基であり、R4がtBu基である組み合わせが挙げられる。
より好ましくは、R3およびR4は、一般式(3)中のR5およびR6と同一工程で脱保護できる基であり、さらにより好ましくはR3、R4、R5およびR6がすべて同一工程で脱保護できる基である。これにより、工程22において、R3~R6の脱保護を一段階でおこなうことができる。このようなR3~R6の具体例として、R3がBoc基であり、R4がtBu基であり、R5がBoc基であり、R6がtBu基である組み合わせが挙げられる。
また、X1はハロゲンであり、具体的にはI、Br、ClおよびFからなる群から選ばれるものが挙げられ、一般式(2)に示した化合物の収率を高める観点から、好ましくはIまたはBrであり、より好ましくはIである。
一般式(3)に示した化合物と一般式(5)に示した化合物との反応は、たとえばこれらの化合物を所定の溶媒中で所定の時間加熱することによりおこなわれる。
一般式(5)に示した化合物の仕込み量は、たとえば一般式(3)に示した化合物の仕込み量に対して1当量以上20当量以下とする。
溶媒として、たとえばニトロメタン(MeNO2)、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル(MeCN)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)等の極性溶媒が挙げられる。
また、反応温度は、たとえば0℃以上100℃以下とする。反応時間は、反応温度等に応じて設定できるが、たとえば0.1時間以上7日以下とする。
工程21において得られる一般式(2)に示した化合物は、5個以上10個以下の重水素原子を含む同位体標識デスモシンの保護体である。一般式(2)中、重水素原子であるZの数は、好ましくは一般式(3)中の重水素原子であるZの数に等しい。また、一般式(2)中、重水素原子であるZの位置は、好ましくは一般式(3)中の重水素原子であるZの位置に等しい。
次に、工程22においては、一般式(2)に示した化合物の各側鎖のアミノ基およびカルボキシル基を脱保護する。脱保護反応は、各側鎖の保護基の種類に応じて選択することができる。
たとえば、一般式(2)中、R3がBoc基であり、R4がtBu基であり、R5がBoc基であり、R6がtBu基であるとき、たとえばトリフルオロ酢酸(TFA)水溶液等を用いた酸処理により、Boc基およびtBu基を除去することができる。酸処理の条件は、たとえばTFA/水=95/5、室温(25℃)、2~3時間とする。
以上の工程により、一般式(1)に示した化合物が得られる。一般式(1)に示した化合物において、重水素原子であるZの数は、好ましくは一般式(2)中の重水素原子であるZの数に等しい。また、一般式(1)中、重水素原子であるZの位置は、好ましくは一般式(2)中の重水素原子であるZの位置に等しい。
また、本実施形態における製造方法により得られる生成物は、一般式(1)において、Zが特定の整数値である1種の化合物であってもよいし、Zが異なる複数の化合物の混合物であってもよい。
生成物が、Zの異なる複数の化合物の混合物であるとき、本実施形態における製造方法は、混合物を分離して各Z値を有する化合物を得る工程をさらに含んでもよい。また、本実施形態における製造方法は、混合物から、特定のZ値を有する化合物を単離する工程をさらに含んでもよい。
本実施形態の製造方法においては、デスモシン分子に含まれる5個以上10個以下の水素原子が重水素原子置換された同位体標識化合物を安定的に得ることができる。
本実施形態において得られる化合物は、たとえばCOPDバイオマーカー分析における内部標準物質として用いることができる。
たとえば、本実施形態において、前述した製造方法により一般式(1)に示した同位体標識化合物を得る工程と、同位体標識化合物を含む定量分析用標準物質を準備する工程と、を含む製造方法により、定量分析用標準物質を得ることができる。
また、本実施形態において得られる定量分析用標準物質は、たとえばデスモシン類の定量方法に好適に用いられる。たとえば、デスモシン類の定量方法が、上述した製造方法により定量分析用標準物質を得る工程と、測定対象の試料に、得られた定量分析用標準物質を添加する工程と、を含んでもよい。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 下記一般式(1)に示される同位体標識化合物を製造する方法であって、
Figure 0007020679000014
(上記一般式(1)中、Zは水素原子または重水素原子である。上記一般式(1)における10個のZのうち、5個以上10個以下のZが重水素原子である。)
下記一般式(4)に示される化合物を下記一般式(3)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 0007020679000015
(上記一般式(4)中、R 1 は、独立して、水素原子または重水素原子であり、複数のR 1 は同じであっても異なってもよい。R 5 は、独立して、アミノ保護基であり、複数のR 5 は同じであっても異なってもよい。R 6 は、独立して、カルボキシ保護基であり、複数のR 6 は同じであっても異なってもよい。)
Figure 0007020679000016
(上記一般式(3)中、Zは、前記一般式(1)におけるZと同じであり、R 5 およびR 6 は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR 5 およびR 6 と同じである。)
前記一般式(3)に示した化合物を前記一般式(1)に示した化合物に変換する工程と、
を含む、同位体標識化合物の製造方法。
2. 一般式(4)に示した化合物を一般式(3)に示される化合物に変換する前記工程が、
前記一般式(4)において1以上のR 1 が水素原子である化合物を準備する工程と、
1以上のR 1 が水素原子である前記化合物中の、水素原子である1以上のR 1 を重水素原子に置換する工程を含む、1.に記載の製造方法。
3. 水素原子である1以上のR 1 を重水素原子に置換する前記工程が、一般式(4)において1以上のR 1 が水素原子である前記化合物を、下記一般式(4')に示す化合物に変換する工程を含む、2.に記載の製造方法。
Figure 0007020679000017
(上記一般式(4')中、R 5 およびR 6 は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR 5 およびR 6 と同じである。)
4. 一般式(4)に示した化合物を一般式(3)に示される化合物に変換する前記工程が、
一般式(4')に示した前記化合物に変換する前記工程の後、前記一般式(4')に示した化合物の接触重水素還元により、前記一般式(3)に示した化合物を得る工程をさらに含む、3.に記載の製造方法。
5. 水素原子である1以上のR 1 を重水素原子に置換する前記工程が、前記一般式(4)に示した化合物と重水素化プロトン性極性溶媒とを混合した後、溶媒を除去する工程を含む、2.ないし4.いずれか1つに記載の製造方法。
6. 一般式(3)に示した化合物を一般式(1)に示した化合物に変換する前記工程が、前記一般式(3)に示した化合物と下記一般式(5)に示す化合物とを反応させて、下記一般式(2)に示した化合物を得る工程と、
Figure 0007020679000018
(上記一般式(5)中、R 3 は、独立して、水素原子またはアミノ保護基であり、複数のR 3 は同じであっても異なってもよく、R 4 は水素原子またはカルボキシ保護基であり、X 1 はハロゲンである。)
Figure 0007020679000019
(上記一般式(2)中、Zは、前記一般式(1)におけるZと同じであり、R 3 およびR 4 は、それぞれ、前記一般式(5)におけるR 3 およびR 4 と同じである。R 5 およびR 6 は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR 5 およびR 6 と同じである。)
前記一般式(2)に示した化合物を前記一般式(1)に示した化合物に変換する工程と、
を含む、1.ないし5.いずれか1つに記載の製造方法。
7. 前記一般式(1)に示した化合物が、下記式(1-d 7 )に示す化合物である、1.ないし6.いずれか1つに記載の製造方法。
Figure 0007020679000020
8. 1.ないし7.いずれか一つに記載の製造方法により、前記一般式(1)に示した同位体標識化合物を得る工程と、
前記同位体標識化合物を含む定量分析用標準物質を準備する工程と、
を含む、定量分析用標準物質の製造方法。
9. 8.に記載の定量分析用標準物質の製造方法により定量分析用標準物質を得る工程と、
測定対象の試料に、前記定量分析用標準物質を添加する工程と
を含む、デスモシン類の定量方法。
(実施例1)
(重水素添加反応)
本例では、一般式(4)に示した化合物から、一般式(4')に示した化合物を経て、一般式(3)に示した化合物を得た。
ここで、一般式(4)に示した化合物として、R5がBoc基であり、R6がtBu基であり、R1が水素原子である化合物4を用いた。化合物4は、特開2015-178957号公報に記載の方法を用いて製造した。そして、Scheme 1に示す反応スキームに従い、化合物3-d7を主生成物とする化合物3-dnを得た。なお、Scheme 1中、生成物の構造は、n=7である場合を例に示した。
Figure 0007020679000021
化合物4(25mg、29μmol、1eq.)を重メタノール(166μL)に溶解した後、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。このサイクルを5回繰り返すことにより、化合物4において水素原子であるR1が重水素原子に置換された化合物4'を得た。
重メタノール(1.21mL)溶媒中、得られた化合物4'および10%Pd/C(59.5mg、56.1μmol、2eq.)を室温(25℃)にて12時間攪拌した。反応混合物をカラム(ヘキサン/酢酸エチル=1:1)により精製し、72%の収率で化合物3-dn(n=5~9)を得た(17.9mg、20.6μmol)。化合物3-dnは、化合物3-d5、化合物3-d6、化合物3-d7、化合物3-d8および化合物3-d9を含み、主生成物が化合物3-d7であった(Scheme 1)。
主生成物である化合物3-d7の構造を1H-NMR(Nuclear Magnetic Resonance)により決定した:1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 5.25-5.20 (3H, m, NH16/20/20'), 4.19-4.10 (3H, m, H16/20/20'), 2.60-2.47 (3H, m, H18/18'), 2.02-1.74 (6H, m, H15/19/19'), 1.42 (27H, s, Boc), 1.40 (27H, s, tBu)。測定結果を図1に示す。また、化合物3-d7の重水素化率はESI-HRMS(Electrospray Ionization - High Resolution Mass Spectrometry)分析により決定した:ESI-HRMS (m/z) calcd for C45H69D7N4NaO12 + [M+Na]+ 894.5790, found 894.5744(図4)。
(N-アルキル化)
本例では、上述の方法で得られた化合物3-dnおよび一般式(5)に示した化合物を一般式(2)に示した化合物に変換した。
ここで、一般式(5)に示した化合物として、2つのR3がそれぞれHおよびBoc基であり、R4がtBu基であり、X1がIである化合物32を用いた。そして、Scheme 2に示す反応スキームに従い、化合物2-d7を主生成物とする化合物2-dnを得た。なお、Scheme 2中、反応物および生成物の構造は、n=7である場合を例に示した。
Figure 0007020679000022
MeNO(519μL)溶媒中、化合物3-dn(16.6mg、20.6μmol、1eq.)および化合物32(18.0mg、43.6μmol、2eq.)を70℃にて8時間攪拌した。反応混合物をカラム(ヘキサン/酢酸エチル=5:1→0:1→ジクロロメタン/メタノール=10:1)により精製し、70%の収率で化合物2-dn(n=5~9)を黄色オイルとして得た(18.6mg、13.5μmol)。化合物2-dnは、化合物2-d5、化合物2-d6、化合物2-d7、化合物2-d8および化合物2-d9を含み、主生成物が化合物2-d7であった(Scheme 2)。
主生成物である化合物2-d7の構造を1H-NMR(Nuclear Magnetic Resonance)により決定した。測定結果を図2に示す:1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 5.56 (2H, s, NH20/20'), 5.30 (1H, s, NH16), 4.83 (1H, m, H11), 4.64 (4H, m, H11/16/20/20'), 4.18-4.14 (4H, m, H19/19'), 2.93-2.84 (3H, m, H18/18'), 2.17-2.00 (8H, m, H8/9/10/15), 1.51-1.48 (27H, m, Boc), 1.45-1.43 (27H, m, tBu)。また、化合物2-d7の重水素化率はESI-HRMS(Electrospray Ionization - High Resolution Mass Spectrometry)分析により決定した:ESI-HRMS (m/z) calcd for C65H106D7N5O18 [M+H] 1258.8513, found 1258.8365(図5)。
(Boc基およびtBu基の脱保護)
本例では、上述の方法で得られた化合物2-dnを脱保護し、一般式(1)に示した化合物として、化合物1-d7を主生成物とする化合物1-dnを得た。反応スキームをScheme 3に示す。なお、Scheme 3中、反応物および生成物の構造は、n=7である場合を例に示した。
Figure 0007020679000023
TFA/H2O(95:5、1.8mL)溶媒中、上述の方法で得られた化合物2-dnを室温(25℃)下3時間攪拌した。その後、逆相カラム(0.1%TFA)による精製を経て、化合物1-dn(n=5~9)を定量的に得た(7.3mg、11.3μmol)。化合物1-dnは、化合物1-d5、化合物1-d6、化合物1-d7、化合物1-d8および化合物1-d9を含み、主生成物が化合物1-d7であった(Scheme 3)。
主生成物である化合物1-d7の構造を1H-NMR(Nuclear Magnetic Resonance)により決定した。測定結果を図3に示す:1H NMR (500 MHz, D2O) δ 4.52-4.49 (2H, t, J = 7.02, H7), 3.98-3.86 (4H, m, H11/16/20/20'), 3.04-2.88 (3H, m, H18/18'), 2.20-2.17 (4H, m, H19/19'), 2.08-2.01 (6H, m, H8/10/15), 1.48-1.37 (2H, m, H9)。また、化合物1-d7の重水素化率はESI-HRMS(Electrospray Ionization - High Resolution Mass Spectrometry)分析により決定した:ESI-HRMS (m/z) calcd for C24H33D7N5O8 [M]+ 533.3309, found 533.3308(図6)。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)に示される同位体標識化合物を製造する方法であって、
    Figure 0007020679000024
    (上記一般式(1)中、Zは水素原子または重水素原子である。上記一般式(1)における10個のZのうち、5個以上10個以下のZが重水素原子である。)
    下記一般式(4)に示される化合物を下記一般式(3)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 0007020679000025
    (上記一般式(4)中、R1は、独立して、水素原子または重水素原子であり、複数のR1は同じであっても異なってもよい。R5は、独立して、アミノ保護基であり、複数のR5は同じであっても異なってもよい。R6は、独立して、カルボキシ保護基であり、複数のR6は同じであっても異なってもよい。)
    Figure 0007020679000026
    (上記一般式(3)中、Zは、前記一般式(1)におけるZと同じであり、R5およびR6は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR5およびR6と同じである。)
    前記一般式(3)に示した化合物を前記一般式(1)に示した化合物に変換する工程と、
    を含み、
    一般式(3)に示した化合物を一般式(1)に示した化合物に変換する前記工程が、前記一般式(3)に示した化合物と下記一般式(5)に示す化合物とを反応させて、下記一般式(2)に示した化合物を得る工程と、
    Figure 0007020679000027
    (上記一般式(5)中、R 3 は、独立して、水素原子またはアミノ保護基であり、複数のR 3 は同じであっても異なってもよく、R 4 は水素原子またはカルボキシ保護基であり、X 1 はハロゲンである。)
    Figure 0007020679000028
    (上記一般式(2)中、Zは、前記一般式(1)におけるZと同じであり、R 3 およびR 4 は、それぞれ、前記一般式(5)におけるR 3 およびR 4 と同じである。R 5 およびR 6 は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR 5 およびR 6 と同じである。)
    前記一般式(2)に示した化合物を前記一般式(1)に示した化合物に変換する工程と、
    を含む、同位体標識化合物の製造方法。
  2. 前記一般式(4)において1以上のR 1 が水素原子であり、
    一般式(4)に示した化合物を一般式(3)に示される化合物に変換する前記工程が、
    前記一般式(4)に示した化合物を、下記一般式(4')に示す化合物に変換する工程と、
    Figure 0007020679000029
    (上記一般式(4')中、R 5 およびR 6 は、それぞれ、前記一般式(4)におけるR 5 およびR 6 と同じである。)
    一般式(4')に示した前記化合物に変換する前記工程の後、前記一般式(4')に示した化合物の接触重水素還元により、前記一般式(3)に示した化合物を得る工程と、
    を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 一般式(4)に示した化合物を、一般式(4')に示す化合物に変換する前記工程が、前記一般式(4)に示した化合物と重水素化プロトン性極性溶媒とを混合した後、溶媒を除去する工程を含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記一般式(1)に示した化合物が、下記式(1-d7)に示す化合物である、請求項1ないしいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 0007020679000030
  5. 請求項1ないしいずれか一項に記載の製造方法により、前記一般式(1)に示した同位体標識化合物を得る工程と、
    前記同位体標識化合物を含む定量分析用標準物質を準備する工程と、
    を含む、定量分析用標準物質の製造方法。
  6. 請求項に記載の定量分析用標準物質の製造方法により定量分析用標準物質を得る工程と、
    測定対象の試料に、前記定量分析用標準物質を添加する工程と
    を含む、デスモシン類の定量方法。
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