JP7020057B2 - 通信装置及び通信方法 - Google Patents

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本発明は、通信装置や通信方法等に関し、主として車車間、路車間、路路間、又は歩車間の通信に用いるものである。
移動や物流を円滑かつ安全に実現するため、道路交通の安全を図ることは極めて重要である。近年、交通事故等を防止するため、安全運転支援システムの高度化に対する技術開発やルール作りが活発になっている。
通信を用いた安全運転支援システムでは、事故を未然に防ぐために、自動車、歩行者、及び道路設備との間で様々な情報を送受信している。さらに今後、自動車の自動運転技術及びIoTの発展に伴い、安全運転支援システムによって送受信される情報量の増加が想定されている。
しかしながら、V2X(Vehicle to X)の規格である「700MHz帯高度道路交通システム標準規格(ARIB STD-T109)」(以下、T109規格とする。)では、信号の送信時間制限があることから、送信情報を追加するために1パケットあたりの時間を延ばすことはできない。具体的には、同規格の3.2.3.3(送信時間制御機能)では、送信頻度は100msに1回、送信バースト長は0.33ms以下と規定されており、送信できるデータサイズは100byteに制限されている。さらに、そのうち自由にデータを格納できる自由アプリデータ領域は最大60byteしかなく、画像データを含むデータを周辺車両に送るには通信容量が不足している。これに対し、16QAM等の多値変調や、MIMOといった技術を利用することで、1パケットあたりの時間を延ばすことなく、送信情報を追加することは可能であるが、これらの技術を利用すると、通信可能範囲が狭くなる、あるいは、従来製品との互換性がないといった問題が生じる。
ここで、例えば、特許文献1には、車車間で送受信する情報に優先度を与え、優先度の高いものを低階層ビットに割り当てるとともに、優先度の低いものを高階層ビットに割り当てることで、情報を階層変調して送信する技術が開示されている。
特開2009-033340号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、低階層と高階層の受信エリアの違いに基づく対策は取られていない。この結果、低階層ビットのみが受信できる場合に、高階層ビットに割り当てられた情報の内容を知ることができない(第1の課題)。
また、低階層ビットのみが受信できる場合に、高階層ビットを受信するために必要な情報を得ることはできない(第2の課題)。
そこで、本発明の目的は、従来のV2X規格に基づいた従来製品との互換を確保しつつ、階層伝送を用いることで送信できるデータ量を増加させるとともに、低階層である第1階層のみが受信できる状況でも、高階層である第2階層にどのような内容の情報が存在するかを知ることができる通信装置等を実現することにある(第1の目的)。
また、本発明の目的は、従来のV2X規格に基づいた従来製品との互換を確保しつつ、階層伝送を用いることで送信できるデータ量を増加させるとともに、低階層である第1階層のみが受信できる状況でも、高階層である第2階層が受信できる環境についての情報を得ることができる通信装置等を実現することにある(第2の目的)。
上記課題(第1の課題)を解決するために、本発明の通信装置は、
第1のデータを第1階層にマッピングし、第1変調信号を生成する第1変調部(101)と、
前記第1のデータとは異なる第2のデータを第2階層にマッピングし、第2変調信号を生成する第2変調部(102)と、
前記第1変調信号と前記第2変調信号を加算して階層変調信号を生成する加算部(104)と、
前記階層変調信号を他の通信装置に送信する送信部(108)と、
前記他の通信装置から送信された信号を受信する受信部(201)と、
を有し、
前記第2のデータは、画像情報、音声情報、テキスト情報、の少なくとも何れか一つを含み、
前記第1のデータは、当該通信装置が保有する前記第2のデータの内容を示すリスト情報を含む。
本発明の通信装置によれば、リスト情報を用いることにより、従来のV2X規格に基づいた従来製品との互換を確保しつつ、階層伝送を用いることで送信できるデータ量を増加させるとともに、低階層である第1階層のみが受信できる状況でも、高階層である第2階層にどのような内容の情報が存在するかを知ることができる(第1の効果)。
また、本発明の通信装置によれば、エリア情報を用いることにより、従来のV2X規格に基づいた従来製品との互換を確保しつつ、階層伝送を用いることで送信できるデータ量を増加させるとともに、低階層である第1階層のみが受信できる状況でも、高階層である第2階層が受信できる環境についての情報を得ることができる(第2の効果)。
本発明の通信装置の送信信号処理部の構成を説明するブロック図 本発明の通信装置によりマッピングされた第1階層及び第2階層の信号点配置を説明する図 本発明の通信装置から送信される階層変調信号のパケットフォーマットを説明する図 本発明の階層変調信号のうち、シグナル部のフォーマットを説明する図 本発明の通信装置の受信信号処理部の構成を説明するブロック図 本発明の通信装置の構成を説明するブロック図 本発明の通信装置と他の通信装置との関係を説明するブロック図 本発明の情報送信側の通信装置から送信される階層変調信号の第1階層及び第2階層のパケットフォーマットを説明する図 本発明の情報送信側の通信装置から送信されるエリア情報を説明する図 本発明の情報送信側の通信装置から送信されるリスト情報及び種別情報を説明する図 本発明の情報受信側の通信装置から送信される階層変調信号の第1階層及び第2階層のパケットフォーマットを説明する図 本発明の第1の実施形態における通信装置の動作を説明する説明図 本発明の通信装置の表示部の動作を説明する説明図 本発明の第2の実施形態における通信装置の動作を説明する説明図 本発明の第3の実施形態における通信装置の動作を説明する説明図 本発明の第4の実施形態における通信装置の動作を説明する説明図 本発明の第5の実施形態における通信装置の動作を説明する説明図 本発明の第1の応用例を説明する説明図 本発明の第2の応用例を説明する説明図 本発明の第3の応用例を説明する説明図 本発明の第4の応用例を説明する説明図
以下、まず各実施形態に共通の通信装置10の構成について、それぞれ(1)送信側の構成(送信信号処理部)、(2)受信側の構成(受信信号処理部)に分けて説明する。次に、(3)送信側の構成(送信信号処理部)及び受信側の構成(受信信号処理部)を備えた通信装置10の全体構成、及び(4)情報送信側の通信装置10と情報受信側の通信装置20との関係を説明する。さらに、(5)情報送信側の通信装置10、および情報受信側の通信装置20との間で送受信される第1のデータ及び第2のデータの内容について説明する。
なお、本発明とは、特許請求の範囲又は課題を解決するための手段の項に記載された発明を意味するものであり、以下の発明を実施するための形態(以下、実施形態等とする。)に限定されるものではない。
明細書中の鉤括弧内の語は、特許請求の範囲又は課題を解決するための手段の項に記載された語を意味し、同じく以下の実施形態等に限定されるものではない。
特許請求の範囲の従属項に記載の構成及び方法、従属項に記載の構成及び方法に対応する実施形態等の構成及び方法、及び特許請求の範囲に記載がなく実施形態等のみに記載の構成及び方法は、本発明においては任意の構成及び方法である。
発明が解決しようとする課題に記載した課題は公知の課題ではなく、本発明者が独自に知見したものであり、本発明の手段と共に発明の進歩性を肯定する事実である。
(共通の構成)
(1)送信側の構成(送信信号処理部100)
図1は、通信装置10の送信側の構成である送信信号処理部100の構成を示したものである。送信信号処理部100は、第1変調部101、第2変調部102、電力比調整部103、加算部104、パイロット信号付加部105、高速逆フーリエ変換/ガードインターバル付加部(以下、IFFT/GI付加部)106、プリアンブル付加部107、RF部108を有する。
第1変調部101は、畳み込み符号化処理部111、インターリーブ処理部112、マッピング部113を有する。また、第2変調部102は、第1変調部101と同様に、畳み込み符号化処理部121、インターリーブ処理部122、マッピング部123を有し、さらにIQ変換部124を有する。
第1変調部101(本発明の「第1変調部」に相当)には、送信対象データである第1のデータ(本発明の「第1のデータ」に相当)が、第2変調部102(本発明の「第2変調部」に相当)には、第1のデータとは異なる送信対象データである第2のデータ(本発明の「第2のデータ」に相当)が入力される。第1のデータ及び第2のデータの具体例は、後に説明する。
第1変調部101の畳み込み符号化処理部111は、第1変調部101に入力された第1のデータに対し、予め設定された符号化率で畳み込み符号化を行い、符号列を生成する。
インターリーブ処理部112は、畳み込み符号化処理部111にて生成した符号列の順番を所定の規則に従って並べ替えることによりインターリーブ処理を行なう。
マッピング部113は、インターリーブ処理が施された符号列を第1階層の信号点にマッピングすることによりサブキャリア変調を行う。本実施形態では、後述の通り第1のデータをQPSKにより変調しているが、BPSK,16QAM,64QAM等任意の変調方式を採ることができる。マッピング部113によりサブキャリア変調されて生成した信号(以下、第1変調信号)は、後述する第2変調部102のIQ変換部124及び加算部104に入力される。
第2変調部102は、第1変調部101と同様、第2のデータを、畳み込み符号化処理部121、インターリーブ処理部122、マッピング部123で処理を行ない、第2階層の信号点にマッピングする。本実施形態では、マッピング部123の変調方式は、第1階層と同様にQPSKによるが、マッピング部113と同様、BPSK,16QAM,64QAM等任意の変調方式を採ることができる。なお、マッピング部113の変調方式とマッピング部123の変調方式は同じでも異なっていてもよい。マッピング部123によりサブキャリア変調されて生成した信号(以下、第2変調信号)は、IQ変換部124に入力される。
IQ変換部124は、マッピング部113から入力された第1のデータの信号点のI軸及びQ軸の値と、マッピング部123から入力された第2のデータの信号点のI軸及びQ軸の値とをI、Q毎に乗算する。これにより、後述する加算部104の出力がグレイ符号化された16QAMと同様なビット列となり、IQ変換部124なしに単純に加算する場合よりも第2階層が誤りにくくなる。なお、IQ変換部124は任意の構成である。
電力比調整部103は、第1階層に変調された第1変調信号の信号電力と、第2階層に変調された第2変調信号の信号電力の比である階層間電力比に基づいて、IQ変換部124にてIQ平面上に配置した第2のデータに関する信号点の電力を調整する。具体的には、電力比調整部103は、第2のデータを含む第2変調信号を、後述する階層間電力比で除することによって第2のデータの信号点の電力を調整する。なお、電力比調整部103はさらに、階層間電力比λの値を適宜調整してもよい。これにより、第2階層での通信エリアを適宜調整することができる。そして、電力比調整部103は、電力調整後の第2変調信号を加算部104へと出力する。
なお、本実施形態では、電力比調整部103で第2変調信号の電力を調整したが、これに代えて第1変調信号の電力を調整してもよく、あるいは第1変調信号及び第2変調信号の両方の電力を調整してもよい。
加算部104は、第1変調部101から出力された第1変調信号の第1のデータの信号点と、電力比調整部103から出力された第2変調信号の第2のデータの信号点とを「加算して」、第1階層及び第2階層の2つの階層を含む変調信号(本発明の「階層変調信号」に対応)を生成する。以上のとおり、本発明では、第1変調部101、第2変調部102、及び加算部104を合わせた処理によって、第1階層及び第2階層の2つの階層に変調された変調信号を生成する。
ここで、本発明の「加算して」とは、第1変調信号と第2変調信号とを加算することをいう。加算とは重畳を含む概念である。第1変調信号と第2変調信号とを直接ベクトル加算する場合の他、第1変調信号及び/又は第2変調信号に演算を施した後に加算する場合も含む。
図2は、加算部104から出力される変調信号を図示したものである。×(バツ)印は第1階層にマッピングされた第1のデータの信号点、●(黒丸)印は第2階層にマッピングされた第2のデータの信号点である。そして、IQ軸の原点と第1のデータの信号点の間の距離が第1階層の信号点の電力P1st、第1のデータの信号点と第2のデータの信号点の間の距離が第2階層の信号点の電力P2ndに相当する。ここで、第1階層と第2階層の信号点の電力の比、すなわち階層間電力比をλとすると、λ[dB]=P1st/P2ndで表される。すなわち、階層間電力比に基づいて第2のデータの信号点の電力を調整するとは、第1階層の信号点と第2階層の信号点の距離を調整するとも言える。なお、階層間電力比λは10dB程度が望ましい。10dB以上であれば、現行の第1階層での通信の劣化を最小限にすることが可能である。また、階層間電力比λを可変とすることにより、第2階層の通信エリアを適宜調整することができるが、階層間電力比λは一定値であってもよい。
図1に戻り、パイロット信号付加部105は、加算部104から出力された階層変調信号にパイロット信号を付加する。すなわち、所定のパイロットサブキャリアにパイロット信号を割り当てる。この結果、パイロット信号付加部105から出力される信号は、データサブキャリアに割り当てられた混合変調信号と、パイロットサブキャリアに割り当てられたパイロッ信号とを有する複数のサブキャリア信号となる。そして、パイロット信号付加部105は、サブキャリア信号をIFFT/GI付加部106に入力する。
IFFT/GI付加部106は、パイロット信号付加部105から出力された複数のサブキャリア信号を、高速逆フーリエ変換によって周波数軸上の信号を時間軸上の信号に変換した後、ガードインターバルを付加し、プリアンブル付加部107に出力する。
プリアンブル付加部107は、入力されたガードインターバルを付加された信号の先頭にプリアンブル信号を付加する。
RF部108(本発明の「送信部」に相当)は、プリアンブル信号を付加された階層変調信号を中間周波数又はベースバンド周波数から高周波に変換し、アンテナAを介して送信信号として「他の通信装置に送信する」。
ここで、本発明の「他の通信装置に送信する」とは、他の通信装置に向けて送信する場合(ユニキャスト送信)の他、他の通信装置が結果的に受信する場合(ブロードキャスト送信)も含む。
図3は送信信号のパケットフォーマットである。本実施形態のパケットは、ショートプリアンブル(SP)、ロングプリアンブル(LP1、LP2)(合わせて以下、プリアンブル部)、シグナルフィールド(SIGNAL)(以下、シグナル部)、データフィールド(D1~Dn)(以下、データ部)を含んでいる。このうち、ショートプリアンブル及びロングプリアンブルは、復調時に時間や周波数同期を確立したり、伝搬路歪推定をするために用いられる。シグナル部は、パケット長、変調方式などに関する情報を含むフィールドである。
なお、先の構成により生成した送信信号は、シグナルフィールド及びデータフィールドが階層化されているが、階層化される領域はこれに限られない。例えば、第1階層のデータ部にのみシグナル部を付加してもよい。
図4は、IEEE802.11-2007「17.3.4 SIGNAL field」に規定されているシグナル部の構成の一例を示す。このシグナル部は、データの伝送速度すなわち変調方式を示すレートフィールド(RATE)、リザーブドフィールド(Reserved)、パケット長を示すレングスフィールド(LENGTH)、パリティフィールド(Parity)、及び畳み込み符号化を終端するためのテイルフィールド(Tail)から構成されている。
なお、シグナル部に含まれるリザーブドフィールドは、将来の使用のためにリザーブされているフィールドであり、特定の情報が格納されていない空のフィールドである。
(2)受信側の構成(受信信号処理部200)
図5は、通信装置10の受信側の構成である受信信号処理部200の構成を示したものである。
通信装置10の受信信号処理部200は、RF部201、同期/自動周波数制御回路(以下、Sync/AFC回路)202、ガードインターバル除去/高速フーリエ変換部(以下、GI除去/FFT部)203、チャネル等化回路204、位相トラッキング回路205、第1復調部206、第2復調部207、及びシフト部208を有する。
第1復調部206は、デマッピング部211、軟判定/デインターリーブ処理部212、及びビタビ復号部213を有する。第2復調部207は、第1復調部206と同様、デマッピング部221、軟判定/デインターリーブ処理部222、及びビタビ復号部223を有する。
RF部201(本発明の「受信部」に相当)は、他の通信装置で階層変調された階層変調信号を受信信号としてアンテナAを介して受信し、高周波から中間周波数又はベースバンド周波数に変換して、Sync/AFC回路202に出力する。
Sync/AFC回路202は、受信信号に対し、FFT部の時間同期及びキャリア周波数誤差の補正処理を行う。そして、GI除去/FFT部203で、受信信号からガードインターバルを除去し、フーリエ変換を行うことにより時間軸上の信号から周波数軸上の信号に変換して複数のサブキャリア信号に分波する。分波されたサブキャリア信号はチャネル等化回路204に入力される。チャネル等化回路204は、信号の伝送路にて歪んだ各サブキャリア信号の位相と振幅を推定し、その推定された伝送路歪みを用いて補正処理を行う。さらに、位相トラッキング回路205は、受信信号に対しOFDMシンボル毎に位相補正を行う。そして、位相トラッキング回路205は、位相補正した信号を、第1復調部206、及びシフト部208に入力する。
第1復調部206(本発明の「第1復調部」に相当)では、まずデマッピング部211において、階層変調信号の第1階層に含まれる第1変調信号をデマッピング(復調)する。次いで、軟判定/デインターリーブ処理部212において、デマッピング部211から出力された信号に対して軟判定及びデインターリーブ処理を施す。軟判定及びデインターリーブ処理がされた信号は、ビタビ復号部213に入力される。ビタビ復号部213では、信号の誤り訂正復号を行う。以上の第1復調部206における各処理により、階層変調信号の第1階層に含まれる第1のデータを取得する。
シフト部208は、他の通信装置の送信側で第1階層の信号点分IQ平面上にシフトして配置された第2階層の信号点を、第1階層の振幅分だけ原点にシフトさせる。ここで、送信側でIQ変換部124がある場合は、シフトさせる前にIQ信号の絶対値をとった後にシフトする必要があるが、IQ変換部124がない場合はシフトさせるだけでよい。
第2復調部207(本発明の「第2復調部」に相当)では、第1復調部206と同様に、デマッピング部221、軟判定/デインターリーブ処理部222、ビタビ復号部223における各処理を行う。これにより、階層変調信号の第2階層に含まれる第2のデータを取得する。
(3)通信装置10の全体構成
図6は、通信装置10の全体構成を示す図である。通信装置10は、(1)で説明した送信信号処理部100、および(2)で説明した受信信号処理部200に加え、制御部301、記憶部302、及び表示部303を有する。
制御部301は、送信信号処理部100、受信信号処理部200、記憶部302、及び表示部303の制御を行う。具体的には、後述の実施形態1から5までの処理や、後述の応用例の処理を実現する制御を行う。制御部301としては、専用又は汎用の中央演算装置(CPU)が用いられるが、その形態は問わない。
記憶部302は、通信装置10の動作に必要な情報を記憶し、制御部301を通じて読み出され、送信信号処理部100や受信信号処理部200の処理に供される。また、送信信号処理部100で送信される第1のデータ及び第2のデータや受信信号処理部200で受信される第1のデータ及び第2のデータを記憶するためにも用いられる。後述のエリア情報、リスト情報、種別情報、等も記憶部302に記憶されている。
表示部303は、通信装置10の受信信号処理部200で受信した第1のデータ及び第2のデータに基づき表示を行う。表示内容は後述の実施形態1から5、および応用例で説明する。
(4)通信装置10及びこれと通信する通信装置20との関係
通信装置10は、(3)で説明したものと同様の構成を備えた通信装置20との間で通信を行う。すなわち、図7の通り、それぞれの通信装置は、送信信号処理部100及び受信信号処理部200を備え、相互に必要な情報の送受信を行う。以下、画像情報、音声情報、又はテキスト情報(以下、画像情報等とする。)を送信する通信装置10を情報送信側の通信装置、画像情報等を受信する通信装置20を情報受信側の通信装置として説明する。
なお、通信装置10から見た通信装置20は本発明の「他の通信装置」に相当し、通信装置20から見た通信装置10も本発明の「他の通信装置」に相当する。
また、本実施形態では通信装置10はもちろん通信装置20も送受信共に階層伝送に対応しているが、情報送信側の通信装置10は階層伝送に対応した送信信号処理部100を備えていれば足り、情報受信側の通信装置20は階層伝送に対応した受信信号処理部200を備えていれば足りる。そして、情報送信側の通信装置10の受信側の構成、及び情報受信側の通信装置20の送信側の構成は、従来のV2X規格に対応していれば足りる。
(5)第1のデータ及び第2のデータの内容
情報送信側の通信装置10が送信する第1のデータ及び第2のデータを説明する。図8は、通信装置10が送信する第1のデータ及び第2のデータのフォーマットである。
第1階層にマッピングされた第1のデータは、ヘッダ領域301、現行情報領域302、自由領域303、及びFCS領域304からなる。第1階層の変調方式をQPSKとし、符号化率rを1/2とした場合、第1階層の容量は188byteとなる。なお、自由領域303の容量は60byteである。
ヘッダ領域301には、T109規格の管理情報が格納されている。
現行情報領域302には、時刻情報、車両状態情報、車両属性情報等のT109規格で定められた情報が格納されており、ここに通信装置10を搭載している自動車等、あるいは通信装置10を所持している人等の位置情報も格納されている。
自由領域303は、ユーザが自由にデータを格納できる領域であり、本発明の「リスト情報」、「種別情報」、「エリア情報」の少なくとも1つが格納されている。これらの情報の詳細は後述する。なお、情報送信側の通信装置10から送信される第1階層の自由領域303の全てにこれらの情報が常に格納されている必要はなく、必要に応じ適時に格納されていればよい。
FCS領域304は、データの誤り検出及び訂正を行うために付加されるチェックサム符号を格納する領域である。
第2階層にマッピングされた第2のデータは、フラグメント情報領域305、自由領域306、及びFCS領域307からなる。第2階層の変調方式をQPSKとし、符号化率rを1/2とした場合、第2階層の容量は第1階層と同じ188byteとなる。第2階層の変調方式を16QAMとした場合は、第2階層の容量は376byteとなる。
フラグメント領域305には、復調時に分割送信されたデータを結合するために必要な情報が格納されている。自由領域306に格納されるデータのサイズが大きい場合には分割して送信する必要がある。この場合、分割送信されたデータを互いに関連付けるための情報も送信する必要があり、この情報がフラグメント領域305に格納されている。
自由領域306は、ユーザが自由にデータを格納できる領域であり、画像情報、音声情報、テキスト情報等の少なくとも1つが格納されている。なお、本発明の「種別情報」を自由領域303に代えて自由領域306に格納してもよい。なお、通信装置10から送信される第2階層の自由領域306の全てにこれらの情報が常に格納されている必要はなく、必要に応じ適時に格納されていればよい。
FCS領域307は、FCS領域304と同じく、データの誤り検出及び訂正を行うために付加されるチェックサム符号を格納する領域である。
次に本発明のエリア情報について説明する。図9は、情報送信側の通信装置10が送信するエリア情報を示したものである。
通信装置10から送信される変調信号のうち第2変調信号は、信号点間隔が第1変調信号のそれに比べて狭いため送信中に誤りが発生しやすい。また、階層間電力比λの値や、第2階層の変調方式の種類によって、第1変調信号と第2変調信号の通信可能エリアに差が生じる。そこで、本発明では、通信装置10は、第1変調信号で送信される第1のデータ中に、第2変調信号で通信可能なエリアを示す「エリア情報」を含めて送信する。
ここで、本発明の「エリア情報」とは、第2変調信号で通信可能なエリアを直接示した情報の他、通信可能なエリアを演算やテーブル等を用いて求めることができるような情報等、第2変調信号で通信可能なエリアを間接的に示した情報も含む。
エリア情報の例として、第2階層変調パラメータ、すなわち第2変調部で実行される「変調方式」や、第1変調信号と第2変調信号の信号電力の比を示す「階層間電力比」λが挙げられる。なお、変調方式が固定の場合は階層間電力比λのみをエリア情報として送信してもよい。また、階層間電力比λが一定の場合は変調方式のみをエリア情報として送信してもよい。
ここで、本発明の「変調方式」とは、変調方式を直接示した情報の他、各変調方式に対応づけた符号や、他の通信装置の側で変調方式を特定できる情報など、変調方式を間接的に示した情報も含む。誤り訂正符号の符号化率rと組合せて示す情報も含む。
また、本発明の「階層間電力比」とは、階層間電力比の値を直接示した情報の他、階層間電力比を一定の幅で量子化した場合の値や、他の通信装置の側で階層間電力比を特定できる情報など、階層間電力比を間接的に示した情報も含む。
エリア情報の別の例として、第2変調信号で通信可能な「距離」が挙げられる。距離を送信する場合は、図9のようなテーブルを用いて、第2変調部の変調方式や階層間電力比λから、第2変調信号で通信可能な距離を求め、それを送信するようにしてもよい。この場合、図6の記憶部302にこのようなテーブルが記憶されている。
ここで、本発明の「距離」とは、距離の値を直接示した情報の他、距離を一定の幅で量子化した場合の値や、他の通信装置の側で距離を特定できる情報など、距離を間接的に示した情報も含む。
ここで、情報送信側の送信装置10において、第2階層変調パラメータ(変調方式及び階層間電力比λ)を決定する方法の一例を示す。変調方式はQPSKと16QAMが選択可能として説明する。
第1に、通信装置10から送信する情報量によって第2階層変調パラメータを決定する。送信する情報量が多ければ16QAMを選択し、少なければQPSKを選択する。
第2に通信装置10と通信装置20の相対距離によって第2階層変調パラメータを決定する。相対距離は、例えばお互いの位置情報に基づき算出することができる。相対距離が遠ければQPSKを選択し、及び/又はλを小さくし、相対距離が近ければ16QAMを選択し、及び/又はλを大きくする。
第3に、通信装置20から送信されるパケットの受信強度(RSSI)によって第2階層変調パラメータを決定する。RSSIが低ければQPSKを選択し、及び/又はλを小さくし、RSSIが高ければ16QAMを選択し、及び/又はλを大きくする。
第4に、通信装置20から送信されるパケットの信号品質、例えばEVM(Error Vector Magnitude)によって第2階層変調パラメータを決定する。信号品質が悪ければQPSKを選択し、及び/又はλを小さくし、信号品質が良ければ16QAMを選択し、及び/又はλを大きくする。
これら第1から第4の基準は、単独で用いても、あるいは任意の組み合わせで用いてもよい。また、これら以外の基準を用いても、あるいは併用してもよい。
次に、リスト情報について説明する。図10は、情報送信側の通信装置10が送信するリスト情報の例を示したものである。
通信装置10から送信される変調信号のうち第2変調信号で通信可能なエリアは、第1変調信号で通信可能なエリアよりも狭い。そして、通信装置10が第2変調信号で第2のデータである画像情報、音声情報、テキスト情報等の情報を送信する場合は、通信装置20は通信装置10の送信した第2変調信号が受信できるエリアに入らないと具体的にどのような情報を得ることができるのかが分からない。そこで、本発明では、通信装置10は、第1変調信号で送信される第1のデータ中に、通信装置10が保有する第2のデータである画像情報等の内容を示す「リスト情報」を含めて送信する。
ここで、本発明の「リスト情報」とは、当該通信装置が保有する第2のデータの内容を示すものであり、例えば、画像情報、音声情報、テキスト情報等の第2のデータの種類を示す場合の他、写真、映像、クーポン等の画像情報の種類、音楽、音声等の音声情報の種類、クーポン、広告、交通情報、商品情報等のテキスト情報の種類等、各情報の種類を示す場合、さらにはこれら各情報が有する意味内容を示す場合も含む。
図10の通り、リスト情報を構成する要素の例として、カテゴリー、種類1、種類2を挙げている。カテゴリーとして、例えば、画像情報、音声情報、テキスト情報が挙げられる。種類1として、カテゴリーを細分化したもの、例えば、画像情報における写真、前方画像、後方画像、クーポン等、音声情報として、音声、音楽等、テキスト情報として、クーポン、広告、交通情報、商品情報等が挙げられる。さらに、種類2として種類1を細分化したもの、例えば、前方画像における走行画像や停止画像、音楽における具体的なタイトルや歌手名、クーポンにおける具体的な店名、広告における具体的な商品名等が挙げられる。
そして、通信装置10は、保有する第2のデータを全て検出して、対応するIDをリスト情報として送信する。例えば、カテゴリーのみをリスト情報として送信する場合は、カテゴリーに割り振られた2ビット(xx)からなるIDを送信する。カテゴリーと種類1とをリスト情報として送信する場合は、カテゴリ―及び種類1に割り振られた合計5ビット(xxyyy)のからなるIDを送信する。種類2まで全てをリスト情報として送信する場合は、種類2までに割り振られた合計9ビット(xxyyyzzzzz)からなるIDを送信する。IDを送信する場合は、通信装置20側にも図10と同じリスト情報を格納しておけば、通信装置20の側でIDの示す内容を復号することができる。なお、IDの代わりにあるいはIDと共に一部テキストデータを送信してもよい。例えば、種類2のIDを送信する代わりに、種類2を表現したテキストデータを送信することが考えられる。
次に、種別情報について説明する。同じく図10は、情報送信側の通信装置10が送信する種別情報の例を示したものである。
通信装置10が、具体的な内容を示して第2のデータの送信を要求するリクエスト信号を通信装置20から受信した場合、通信装置10は、要求された内容の第2のデータを送信する。ここで、通信装置20が複数ある場合、通信装置10から送信された第2のデータが、自ら要求したものであるかどうかが判別できない。そこで、本発明では、通信装置10は、第1変調信号で送信される第1のデータ中に、通信装置10が第2変調信号で同時に送信中の第2のデータの内容を示す「種別情報」を含めて送信する。
ここで、「種別情報」とは、第1のデータと同時に送信中の第2のデータの内容を示すものであり、「リスト情報」と同様、例えば、画像情報、音声情報、テキスト情報等の第2のデータの種類を示す場合の他、写真、映像、クーポン等の画像情報の種類、音楽、音声等の音声情報の種類、クーポン、広告、交通情報、商品情報等のテキスト情報の種類等、各情報の種類を示す場合、さらにはこれら各情報が有する意味内容を示す場合も含む。「リスト情報」と「種別情報」とは、必ずしも同じレベルの内容である必要はない。
図10は、種別情報を構成する要素の例として、カテゴリー、種類1、種類2を挙げている。内容は、リスト情報として説明したものと同じである。
そして、通信装置10は、現在第2変調信号で同時に送信中の第2のデータに対応するIDを種別情報として送信する。もっとも、種別情報とリスト情報とは必ずしも同じレベルの内容である必要はない。例えば、リスト情報はカテゴリー及び種類1からなるID(xxyyy)とし、種別情報はカテゴリー、種類1、及び種類2からなるID(xxyyyzzzzz)としてもよい。
次に、情報受信側の通信装置20が送信する第1のデータ及び第2のデータを説明する。図11は、通信装置20が送信する第1のデータ及び第2のデータのフォーマットである。なお、図8で通信装置10が送信する第1のデータ及び第2のデータのフォーマットを説明したが、共通する部分には同じ符号を用い、説明は省略する。
第1階層にマッピングされた第1のデータの自由領域401には、通信装置10に対して画像情報等からなる第2のデータの送信を要求する「リクエスト信号」、そして通信装置10から送信された画像情報等からなる第2のデータの受信を完了したことを示す受信完了信号が格納される。なお、リクエスト信号は、第2のデータの要求に加え、具体的な第2のデータの内容を示す情報が含まれていてもよい。
ここで、本発明の「リクエスト信号」とは、リクエスト(要求)を示す信号である場合の他、それ自体はリクエストを示す場合でなくても受信した当該通信装置でリクエストと解釈すべきと判断した信号も含む。また、送信してほしい第2のデータの内容や種別を特定する信号である場合も含む。
第2階層にマッピングされた第2のデータの自由領域402には、本発明に関係する情報は格納されていない。また、通信装置20の送信側の構成は、上述の通り階層変調に対応している必要はない。
通信装置20は、通信装置10から送信したエリア情報、リスト情報、種別情報を受信する。ただし、エリア情報については、通信装置10から送信されたエリア情報が、第2階層変調パラメータ、すなわち第2変調部で実行される変調方式、及び/又は第1変調信号と第2変調信号の信号電力の比を示す階層間電力比λである場合は、図9のようなテーブルを用いて、第2変調信号で通信可能な距離を求めてもよい。この場合、通信装置20の記憶部302に、このようなテーブルが記憶されている。
次に、情報送信側の通信装置10及び情報受信側の通信装置20での処理について、実施形態1から5で説明する。なお、かかる開示は通信装置の動作、すなわち方法の発明としての開示でもある。
(実施形態1)
以下の実施形態は、情報送信側の通信装置10及び情報受信側の通信装置20の動作、すなわち通信装置10と通信装置20との間の通信を示したものである。これらの実施形態では、通信装置10と通信装置20はそれぞれ自動車に搭載されていることを想定しているが、これに限らず、例えば人が所持していたり、あるいは一方が移動しないもの、例えば路側機に搭載されていてもよい。
実施形態1は、1対1の通信の例を示している。
図12において、通信装置10は、第1階層の第1変調信号を用いて、自身が搭載されている自動車の位置を示す位置情報と、リスト情報とを定期的に送信する(S501)。
通信装置20は、通信装置10から送信された位置情報とリスト情報を受信する(S502)。そして、通信装置20を搭載する自動車のユーザが、リスト情報に含まれる情報を欲する場合は、通信装置20の、第1階層の第1変調信号を用いて、リスト情報に含まれる情報を要求するリクエスト信号を通信装置10に送信する(S503)。
また、通信装置10から送信される第2階層の第2変調信号の受信に備えて、自身の第2復調部207の「動作を開始する」(S504)。
通信装置10は、通信装置20から送信されたリクエスト信号を受信する(S505)。また、リクエスト信号を受信した場合に、自身の第2変調部102の「動作を開始する」(S506)。
ここで、本発明の「動作を開始する」とは、第2変調部や第2復調部への電力供給を開始することの他、第2変調部を加算部や送信部に接続したり、第2復調部を受信部に接続するなど、第2変調部や第2復調部の動作の結果を享受することができる状態に遷移することをいう。
そして、通信装置10は、第1階層の第1変調信号を用いて、位置情報、及びリスト情報に加え、エリア情報を送信する。また、同時に第2階層の第2変調信号を用いて、リクエスト信号に基づき保有する画像情報、音声情報、テキスト情報等(以下、画像情報等とする。)を送信する(S507)。保有する画像情報等のサイズが大きい場合は、分割して送信する。図12の例では、1/3に分割して順次送信している。なお、図中の実線の矢印は相手方に受信された信号、破線の矢印は相手方に受信されなかった信号を表す。
通信装置20は、通信装置10から送信された位置情報及びエリア情報を用いて、通信装置10が第2変調信号で通信可能なエリア、つまり通信装置20から見た場合の、通信装置10から送信される第2変調信号を受信可能なエリア(以下、受信可能エリアとする)を表示部303に表示する(S508)。
図13は、表示部303での表示例である。表示部303は、自車の現在位置である通信装置20の位置を地図上に表示するとともに、通信装置10の位置を表示する。また、通信装置10の位置を中心に、受信可能エリアを円状に表示する。なお、前述したエリア情報を段階的に分け、複数の円を同心円状に表示してもよい。
図12に戻り、通信装置20が当該受信可能エリアに入っていない場合は、通信装置10から第2変調信号で送信された画像情報等を受信できない。しかし、当該受信可能エリアに入った場合、通信装置10から第2変調信号で送信された画像情報等の受信を開始する(S509)。そして、1/3から3/3の全ての画像情報等の受信が完了した場合、第1階層の第1変調信号を用いて、受信完了信号を送信するとともに(S510)、第2復調部207の「動作を終了する」(S511)。
通信装置10は、通信装置20から送信された受信完了信号を受信した場合は、第2階層の第2変調信号を用いた画像情報等の送信を終了するとともに(S512)、第2変調部102の「動作を終了する」(S513)。なお、画像情報等を送信してから一定時間経過した場合に、第2変調部102の「動作を終了」してもよい。
ここで、本発明の「動作を終了する」とは、第2変調部や第2復調部への電力供給を停止・遮断することの他、第2変調部の加算部や送信部への接続を解除したり、第2復調部の受信部への接続を解除するなど、第2変調部や第2復調部の動作の結果を享受することができない状態に遷移することをいう。
なお、本実施形態では、通信装置10が第2階層の第2変調信号で送信した画像情報等を通信装置20で全て受信した時に受信完了信号を送信しているが、これに加え、あるいはこれに代えて、分割送信された信号を受信するたびに受領信号(Ack信号)を送信するようにしてもよい。
以上、本実施形態によれば、リスト情報を用いることにより、第1階層の第1変調信号のみが受信できる状況でも、第2階層の第2変調信号にどのような内容の情報が存在するかを知ることができる。また、エリア情報を用いることにより、第1階層の第1変調信号のみが受信できる状況でも、第2階層の第2変調信号が受信できる範囲についての情報を得ることができる。さらに、リクエストを受けるまで階層伝送の動作を開始しないため、消費電力を抑える効果もあり、加えて複数の情報の中から要求された情報のみ送信することで第2階層の自由領域を効率的に使用することが可能となる。
(実施形態2)
実施形態2は、情報受信側の通信装置が複数存在する場合において、複数の通信装置が同じ情報を要求する場合を示している。通信装置20及び通信装置30は情報受信側の通信装置である。なお、情報受信側の通信装置は3台以上でもよい。
図14において、通信装置10は、第1階層の第1変調信号を用いて、自身が搭載されている自動車の位置を示す位置情報と、リスト情報とを定期的に送信する(S601)。
通信装置20は、通信装置10から送信された位置情報とリスト情報を受信する(S602)。そして、通信装置20を搭載する自動車のユーザが、リスト情報に含まれる情報を欲する場合は、通信装置20の第1階層の第1変調信号を用いて、リスト情報に含まれる情報を要求するリクエスト信号を通信装置10に送信する(S603)。
なお、この時点ではまだ通信装置30は、通信装置10から送信される第1変調信号を受信可能なエリアには入っていない。
なお、第1の実施形態と同様、通信装置20は、通信装置10から送信される第2階層の第2変調信号の受信に備えて、自身の第2復調部207の動作を開始するようにしてもよい。
通信装置10は、通信装置20から送信されたリクエスト信号を受信する(S604)。また、リクエスト信号を受信した場合に、自身の第2変調部102の動作を開始する(S605)。
そして、通信装置10は、第1階層の第1変調信号を用いて、位置情報、及びリスト情報に加え、エリア情報を送信する。また、同時に第2階層の第2変調信号を用いて、通信装置20からのリクエスト信号に基づいて保有する画像情報等を送信する(S606)。保有する画像情報等のサイズが大きい場合は、分割して送信する。図14の例では、1/3に分割して順次送信している。
通信装置30は、通信装置10から送信される第1変調信号を受信可能なエリアに入った場合、通信装置10から送信された位置情報とリスト情報を受信する(S607)。そして、通信装置30を搭載した自動車のユーザが、かかるリスト情報に含まれる情報を欲する場合は、通信装置30の第1階層の第1変調信号を用いて、リスト情報に含まれる情報を要求するリクエスト信号を通信装置10に送信する(S608)。
通信装置10は、通信装置30から送信されたリクエスト信号を受信する(S609)。ただし、既にS605で通信装置20からリクエスト信号を受信して自身の第2変調部102の動作を開始しているので、改めて第2変調部102の動作を開始することはない。
通信装置20は、通信装置10から送信される第2変調信号を受信可能なエリアに入った場合、通信装置10から第2変調信号で送信された画像情報等の受信を開始する(S610)。そして、1/3から3/3の全ての画像情報等の受信が完了した場合、第1階層の第1変調信号を用いて、受信完了信号を送信する(S611)。
通信装置10は、通信装置20から送信された受信完了信号を受信した場合、まだ通信装置30からの受信完了信号を受信していないので、引き通き第2階層の第2変調信号を用いた画像情報等の送信を継続する(S606)
また、通信装置30についても、通信装置10から送信される第2変調信号を受信可能なエリアに入った場合、通信装置10から第2変調信号で送信された画像情報等の受信を開始する(S612)。そして、1/3から3/3の全ての画像情報等の受信が完了した場合、第1階層の第1変調信号を用いて、受信完了信号を送信する(S613)。
通信装置10は、通信装置30から送信された受信完了信号を受信した場合は、全ての情報受信側の通信装置からの要求に対して送信を完了したと判断し、第2階層の第2変調信号を用いた画像情報等の送信を終了するとともに(S614)、第2変調部102の動作を終了する(S615)。
以上、本実施形態によれば、情報受信側の通信装置が複数存在する場合において、全ての通信装置に対して完全な情報を送信することができる。
(実施形態3)
実施形態3は、情報受信側の通信装置が複数存在する場合において、複数の通信装置が異なる情報を要求する場合を示している。実施形態2と同様、通信装置20及び通信装置30は情報受信側の通信装置である。なお、情報受信側の通信装置は3台以上でもよい。
図15において、通信装置10は、第1階層の第1変調信号を用いて、自身が搭載されている自動車の位置を示す位置情報と、リスト情報とを定期的に送信する(S701)。
通信装置20は、通信装置10から送信された位置情報とリスト情報を受信する(S702)。そして、通信装置20を搭載する自動車のユーザが、かかるリスト情報に含まれる情報のうち前方画像を欲する場合は、通信装置20の第1階層の第1変調信号を用いて、前方画像を要求するリクエスト信号を通信装置10に送信する(S703)。
通信装置10は、通信装置20から送信されたリクエスト信号を受信する(S704)。また、リクエスト信号を受信した場合に、自身の第2変調部102の動作を開始する(S705)。
そして、通信装置10は、第1階層の第1変調信号を用いて、位置情報、及びリスト情報に加え、エリア情報、及び種別情報を送信する(S706)。また、第2階層の第2変調信号を用いて、保有する前方画像を送信する(S706)
なお、第2変調信号で同時に送信中の情報は前方画像であるので、種別情報は“前方画像”となる。
通信装置30は、通信装置10から送信される第1変調信号を受信可能なエリアに入った場合、通信装置10から送信された位置情報とリスト情報を受信する(S707)。そして、通信装置30を搭載する自動車のユーザが、かかるリスト情報に含まれる情報のうちクーポンを欲する場合は、通信装置30の第1階層の第1変調信号を用いて、クーポンを要求するリクエスト信号を通信装置10に送信する(S708)。
通信装置10は、通信装置30から送信されたリクエスト信号を受信する(S709)。ただし、既にS704で通信装置20からリクエスト信号を受信して自身の第2変調部102の動作を開始しているので、改めて第2変調部102の動作を開始することはない。
通信装置20は、通信装置10から送信される第2変調信号を受信可能なエリアに入った場合、通信装置10から第2変調信号で送信された前方画像の受信を開始する(S710)。そして、1/3から3/3の全ての前方画像の受信が完了した場合、第1階層の第1変調信号を用いて、受信完了信号を送信する(S711)。
なお、この場合、通信装置30も通信装置100から送信された種別情報を受信するが、受信した種別情報が“前方画像”であり、リクエスト信号で要求した“クーポン”とは異なるので、第2階層の第2変調信号で受信した前方画像は廃棄する(S712)。
通信装置10は、通信装置20から送信された受信完了信号を受信した場合、まだ通信装置30からの受信完了信号を受信していないので、第1階層の第1変調信号を用いて、位置情報、及びリスト情報に加え、エリア情報、及び種別情報を送信する(S713)。また、第2階層の第2変調信号を用いて、保有するクーポンを送信する(S713)
なお、第2変調信号で同時に送信中の情報はクーポンであるので、種別情報は“クーポン”となる。
通信装置30は、第1階層の第1変調信号で種別情報を受信するとともに、第2階層の第2変調信号でクーポンを受信する(S714)。この場合、受信した種別情報が“クーポン”であり、リクエスト信号で要求した“クーポン”と一致するので、第2階層の第2変調信号で受信したクーポンは廃棄しない。そして、クーポンの受信が完了した場合、第1階層の第1変調信号を用いて、受信完了信号を送信する(S715)。
通信装置10は、通信装置30から送信された受信完了信号を受信した場合は、全ての情報受信側の通信装置からの要求に対して送信を完了したと判断し、第2階層の第2変調信号を用いた画像情報等の送信を終了するとともに(S716)、第2変調部102の動作を終了する(S717)。
以上、本実施形態によれば、情報受信側の通信装置が複数存在する場合において、全ての通信装置に対して完全な情報を送信することができる。ただし、このように異なる情報を要求された場合は欲しい情報が送られるまで待ち時間が生じるため、通信装置10においてリクエスト信号を受信したら応答を返すようにしても良い。応答には予想待ち時間や、応答不可を入れる。これに伴い、リクエスト取消信号を通信装置30から送信するようにしても良い。これにより通信装置10から不要な第2階層の送信を抑えることが可能となる。
(実施形態4)
実施形態4は、実施形態1と同様1対1の通信において、情報送信側の通信装置10が第2階層変調パラメータを設定して送信するとともに、情報受信側の通信装置20が通信装置10の第2階層の第2変調信号の受信エリアに入ったことを確認後、第2変調信号で画像情報等を送信する場合を示している。
図16において、通信装置10は、第1階層の第1変調信号を用いて、自身が搭載されている自動車の位置を示す位置情報と、リスト情報とを定期的に送信する(S801)。
通信装置20は、通信装置10から送信された位置情報とリスト情報を受信する(S802)。そして、通信装置20を搭載する自動車のユーザが、かかるリスト情報に含まれる情報を欲する場合は、通信装置20の第1階層の第1変調信号を用いて、リスト情報に含まれる情報を要求するリクエスト信号を通信装置10に送信する(S803)。
通信装置10は、通信装置20から送信されたリクエスト信号を受信する(S804)。また、リクエスト信号を受信した場合に、要求を受諾するかどうかの判定を行う。
そして、通信装置10は、要求を受諾すると判定した場合、第2階層変調パラメータを決定し、第1階層で許可通知及びエリア情報を送信する(S805)。第2階層変調パラメータの決定方法は、(5)および図9で説明した通りである。
通信装置20は、通信装置10から送信されるエリア情報に基づき、受信可能エリアを表示部303に表示するとともに(S806)、エリア検知用信号を一定周期で通信装置10に送信する(S807)。エリア検知用信号は、通信装置10側で、通信装置20が当該受信可能エリアに入ったかどうかを検知するために用いられる。エリア検知信号は第2階層で送信すれば、この信号が通信装置10側で受信できたとき、通信装置20が受信可能エリアに入ったと判断することができる。エリア検知信号を第1階層で送信する場合は、エリア検知信号の強度(RSSI)、又は/及び通信装置20の位置情報等を用いて、通信装置20が受信可能エリアに入ったと判断することができる。この場合、エリア検知用信号は周期的に送信している現行情報の信号で代用できる。
通信装置10は、エリア検知用信号を用いて、通信装置20が当該受信可能エリアに入ったことを確認した場合、第2階層の第2変調信号を用いて画像情報等を送信する(S808)。かかる送信は、通信装置20から受信完了信号を受信するまで繰り返し送信する。以降の処理は、実施形態1と同様である。
以上、本実施形態によれば、通信装置20が受信可能エリアに入ったことを確認して第2変調部で画像情報等を送信できるので、消費電力を低減できるとともに、他の通信装置にとって干渉信号となる信号の送信を抑えることができる。
(実施形態5)
実施形態5は、情報受信側の通信装置20からのトリガーで情報送信側の通信装置10が動作を開始する場合を示している。
図17において、通信装置20は、情報送信側の通信装置10が保有している情報を通知するよう要求する保有情報リクエスト信号を送信する(S901)。
通信装置10は、通信装置20から送信された保有情報リクエスト信号を受信した場合(S902)、第1階層の第1変調信号を用いて、自身が搭載されている自動車の位置を示す位置情報及びリスト情報の送信を開始するとともに、これらを定期的に送信する(S903)。以降は、実施形態1と同様である。
以上、本実施形態によれば、通信装置20から保有情報リクエスト信号を受信したことを確認して、第1変調部で位置情報及びリスト情報を定期的に送信できるので、消費電力を低減できるとともに、他の通信装置にとって干渉信号となる信号の送信を抑えることができる。
以上、実施形態1から実施形態5を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、これら実施形態に開示のステップを適宜組み合わせてもよい。また、通信装置10、及び通信装置20から送信する第1階層の第1変調信号はブロードキャスト送信され、第2階層の第2変調信号はブロードキャスト送信又はユニキャスト送信されるが、必ずしもこれに限られるものではない。
最後に、本発明の通信装置を用いた応用例(アプリケーション)を説明する。カッコ書きのステップは、図12で示した実施形態1のステップを例として記載している。
以下の応用例は、情報受信側の通信装置20のユーザの視点で、情報送信側の通信装置10から送信される画像情報等の利用方法を説明するものである。
(応用例1)駐車場での空きスペースの探索、駐車場の混雑状況の確認
駐車場の満空情報は様々な手段で入手できるが、どの程度の混み具合かや、具体的にどこに空きスペースがあるかは、実際にその駐車場に行ってみないとわからない。そして、わざわざ行ったとしても空きスペースを探すのに周回を繰り返すことがあり、時間と燃料が無駄になる。本発明の通信装置を用いれば、目的の駐車場に行かなくても混み具合や空きスペースの場所を細かく把握することが可能となる。
図18は、駐車場スペースの有無を確認する手順を示す図である。
情報送信側の通信装置10は、その位置、並びに保有情報の有無及び種類が情報受信側の通信装置20の表示部303に表示される(S501、S502)。例えば、図18(a)のように、通信装置10は、その位置が地図上にポインタ(黒丸)で表示される。また、通信装置が保有する保有情報の有無、及び保有情報の種類は、テキスト、あるいはポインタの色や形状で表示することができる。テキストは、常時表示されてもいいし、ポインタを選択した時にポップアップ又はプルダウン形式で表示されてもいい。
通信装置20を搭載する自動車のユーザは、駐車を希望する駐車場に表示されており、かつ前方画像が送信可能である通信端末10を表すポインタを押す(S503)。その結果、図18(b)のように、ポインタが黒丸から白丸に変わるとともに、通信装置10が前方画像を送信可能なエリア、すなわち通信装置20が通信装置10から前方画像を受信可能なエリアが当該ポインタを中心に円状に表示される(S507、S508)。
当該ユーザは、地図上の受信可能エリアの表示を参照して受信可能エリア内に自動車を移動させる。そして、受信可能エリア内に到達したとき、図18(c)のように通信装置10の前方を撮影した前方画像が、表示部303に表示される(S509、S510)。
このように、当該ユーザは、駐車場に空きスペースがあるかどうかを、その駐車場に行かなくても確認することができる。
なお、本実施形態は、駐車場に表示されている自動車を選択したが、表示されている場所に応じて様々な情報が取得できる。例えば、ショッピングセンターやスーパーマーケットの駐車場に駐車している自動車の前方画像を選択した場合は、駐車場の空きだけでなく、ショッピングセンター等の混雑度合いを知ることができる。また、ショッピングセンター等に立ち寄るか否かを事前に判断、決定することができる。
あるいは、渋滞車列中の自動車の前方画像や後方画像を選択した場合は、その自動車の周囲の渋滞状況をより詳細に知ることができる。
(応用例2)自車のブレーキランプ状態の確認
自動車を点検する場合、ブレーキランプの点検は他人にブレーキペダルを踏んでもらい、自分は自動車の後方に回ってブレーキランプが点灯するかどうかを確認しなければならず、一人で点検することは難しい。しかし、本発明の通信装置を用いれば、一人で運転する場合においても簡単にブレーキランプが点灯するかどうかの点検を行うことができる。
図19は、ブレーキランプを確認する手順を示す図である。
図19(a)のように、自車両の直後に前方画像を送信できる車両が表示されたとき(S501、S502)、当該車両のポインタを押すことにより(S503)、図19(b)のように、ポインタが黒丸から白丸に変わるとともに、当該車両の前方画像を受信し、表示部303に表示される(S509、S510)。
本実施形態の場合、自車両の直後に位置する車両は、通常受信可能エリア内に存在するので、応用例1のように受信可能エリアを表示する必要は必ずしもなく、当該車両のポインタを押すことによりすぐに当該車両から送られてきた前方画像を表示している。もちろん受信可能エリアを表示してもよい。
このように、当該ユーザは、自車両の直後に位置する車両から送信された前方画像で、自車両のブレーキランプが点灯しているかどうかを確認、点検することができる。
(応用例3)自車両の進行方向状況の確認
渋滞中の車列に突入した場合、自車両からの視界では渋滞の原因を把握することは困難である。また、前方に大型の車両が走行している場合は、信号器の見通しが悪く、信号器の直前にならないと信号が認識できない場合がある。しかし、本発明の通信装置を用いれば、自車両からは確認できない進行方向の状況を詳細に確認することができる。
図20は、自車両からは見えない進行方向の状況を確認する手順を示す図である。
図20(a)のように、自車両の前方に前方画像を送信できる車両が表示されたとき(S501、S502)、当該車両のポインタを押すことにより(S503)、図20(b)のように、ポインタが黒丸から白丸に変わるとともに、当該車両の前方画像を受信し、表示部303に表示される(S509、S510)。本実施形態の場合も、自車両の前方に位置する車両は、通常受信可能エリア内に存在するので、応用例1のように受信可能エリアを表示する必要は必ずしもなく、当該車両のポインタを押すことによりすぐに当該車両から送られてきた前方画像を表示している。もちろん、受信可能なエリアを表示してもよい。
このように、当該ユーザは、自車両の前方に位置する車両から送信された前方画像で、自車両の前方の様子、例えば信号器を確認することができる。
(応用例4)店舗広告/クーポンの入手
自動車は広い範囲を移動するという特質があるので、広告を運ぶ広告媒体としての価値は高い。例えば、ドライブスルー等で商品を販売した際に、商品を購入したユーザの自動車の通信装置に広告やクーポンをWiFi(登録商標)やbluetooth(登録商標)等を用いて送信する。その自動車の通信装置が情報送信側の通信装置10として広告やクーポンを配信する。こうすることで、その商品や店舗に興味を持つ者が連鎖的に広告やクーポンを拡散することになり、優れた広告宣伝効果を発揮することになる。
図21は、広告やクーポンを入手及び送信する手順を示す図である。まず前提として、ドライブスルー等で商品を購入した者の自動車の通信装置10に、広告やクーポンが転送される。そして、図21(a)のように、情報受信側の通信装置20のユーザの表示部303に広告やクーポンを送信することができる車両が表示されたとき(S501,S502)、当該車両のポインタを押すことにより(S503)、ポインタが黒丸から白丸に変わるとともに、当該車両が広告やクーポンを受信可能なエリアが、当該ポインタを中心に円状に表示される(S507、S508)。
情報受信側の通信端末20を搭載する自動車のユーザは、地図上の受信通信可能エリアの表示を参照して受信可能エリア内に自動車を移動させる。そして、受信可能エリア内に到達したとき、図21(b)のように通信端末20はクーポンを受信し、表示部303に表示される(S509、S510)。このようなクーポンの受渡しは、例えば同じ道路をお互い逆方向に送信している場合に行うことができる。なお、クーポンを受信した通信端末20は、今度は情報送信側の通信装置10として広告やクーポンを送信することができるようになる。
このように、ある商品に興味のある者に対して、その商品の広告やクーポンを連鎖的に拡散することができるので、優れた広告宣伝効果を発揮することができる。
(その他の発明)
本明細書は複数の発明を開示するものであり、以下の発明も独立した発明として開示するものである。
(1)エリア情報関連
第1のデータを第1階層にマッピングし、第1変調信号を生成する第1変調部(101)と、
前記第1のデータとは異なる第2のデータを第2階層にマッピングし、第2変調信号を生成する第2変調部(102)と、
前記第1変調信号と前記第2変調信号を加算して階層変調信号を生成する加算部(104)と、
前記階層変調信号を他の通信装置に送信する送信部(108)と、
前記他の通信装置から送信された信号を受信する受信部(201)と、
を有する通信装置(10)であり、
前記第1のデータは、当該通信装置の位置情報、及び前記第2変調信号で通信可能なエリアを示すエリア情報を含む、
通信装置。
(2)リクエスト信号及び第2変調部の動作関連
第1のデータを第1階層にマッピングし、第1変調信号を生成する第1変調部(101)と、
前記第1のデータとは異なる第2のデータを第2階層にマッピングし、第2変調信号を生成する第2変調部(102)と、
前記第1変調信号と前記第2変調信号を加算して階層変調信号を生成する加算部(104)と、
前記階層変調信号を他の通信装置に送信する送信部(108)と、
前記他の通信装置から送信された信号を受信する受信部(201)と、
を有する通信装置(10)であり、
前記受信部が、リスト情報を受信した前記他の通信装置から、前記第2のデータの送信を要求するリクエスト信号を受信した場合に、前記第2変調部の動作を開始する、
通信装置。
(総括)
以上、通信装置10及び通信装置20等の特徴について説明した。なお、以上の説明は、OFDMを用いたマルチキャリア変調方式を基にしているが、本発明はこれに限られず、その他のマルチキャリア変調方式、又はシングルキャリア変調方式を用いてもよい。
通信装置10、通信装置20の例として車載機が挙げられるが、車載機は様々な形態をとることができる。例えば、半導体、電子回路、モジュール、あるいはECU(エレクトロニックコントロールユニット)等、部品又は半完成品の形態が挙げられる。さらに、カーナビゲーションシステム、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等の完成品の形態が挙げられる。
また、通信装置10の例として路側機が挙げられるが、その形態として、半導体、電子回路、モジュール等、部品又は半完成品の形態が挙げられる。さらに、信号機に搭載されアンテナ等と接続された状態や、交通整理に用いる停止車両に搭載されアンテナ等と接続された状態、などの完成品の形態が挙げられる。
さらに、通信装置10、通信装置20は人が所持してもよく、その形態として、車載機と同様の形態が挙げられる。
また、ブロック図を記載した図面により各ブロックでの動作を説明したが、それぞれが方法の特徴としても把握できることは言うまでもない。すなわち、本明細書は、本発明を方法の発明としても開示するものである。
加えて、かかる方法は上述の物で実現できるだけでなく、メモリやハードディスク等の記録媒体に記録したプログラム、及びこれを実行する専用又は汎用CPU及びメモリ等を有するマイクロコンピュータとの組み合わせとしても実現できる。プログラムは、記録媒体を介さずにサーバから通信回線を経由して提供することもできる。これにより、プログラムのアップグレードを通じて常に最新の機能を提供することができる。
本発明にかかる通信装置は、主として自動車間の通信(車車間通信)、路側機と自動車間の通信(路車間通信)、及び路側機間の通信(路路間通信)に用いられるものであるが、自動車と歩行者間の通信(歩車間通信)、あるいは歩行者間の通信(歩歩間通信)に用いてもよい。さらに、本発明はこれらの用途に限られるものではない。
10 通信装置、101 第1変調部、102 第2変調部、104 加算部、108 送信部、201 受信部

Claims (17)

  1. 第1のデータを第1階層にマッピングし、第1変調信号を生成する第1変調部(101)と、
    前記第1のデータとは異なる第2のデータを第2階層にマッピングし、第2変調信号を生成する第2変調部(102)と、
    前記第1変調信号と前記第2変調信号を加算して階層変調信号を生成する加算部(104)と、
    前記階層変調信号を他の通信装置に送信する送信部(108)と、
    前記他の通信装置から送信された信号を受信する受信部(201)と、
    を有する通信装置(10)であり、
    前記第2のデータは、画像情報、音声情報、テキスト情報、の少なくとも何れか一つを含み、
    前記第1のデータは、当該通信装置が保有する前記第2のデータの内容を示すリスト情報を含む、
    通信装置(10)。
  2. 前記第1のデータは、さらに前記第2変調信号で同時に送信中の前記第2のデータの内容を示す種別情報を含む、
    請求項1記載の通信装置。
  3. 前記受信部が、前記リスト情報を受信した前記他の通信装置から、前記第2のデータの送信を要求するリクエスト信号を受信した場合に、前記第2変調部の動作を開始する、
    請求項1記載の通信装置。
  4. 前記受信部が、前記第2のデータを受信した前記他の通信装置から、前記第2のデータの受信を完了したことを示す受信完了信号を受信した場合、或いは前記送信部から前記第2のデータを送信してから一定時間経過した場合に、前記第2変調部の動作を終了する、
    請求項3記載の通信装置。
  5. 前記第1のデータは、さらに、当該通信装置の位置情報、及び前記第2変調信号で通信可能なエリアを示すエリア情報を含む、
    請求項1記載の通信装置。
  6. 前記エリア情報は、前記第2変調部の変調方式、及び前記第1変調信号と前記第2変調信号の信号電力の比を示す階層間電力比のうち少なくとも一つを含む、
    請求項5記載の通信装置。
  7. 前記エリア情報は、前記第2変調信号で通信可能な距離である、
    請求項5記載の通信装置。
  8. 前記送信部は、
    前記第1変調信号をブロードキャスト送信し、
    前記第2変調信号をブロードキャスト送信、またはユニキャスト送信する、
    請求項1記載の通信装置。
  9. 他の通信装置から階層変調信号を受信する受信部(201)と、
    前記階層変調信号の第1階層に含まれる第1変調信号から第1のデータをデマッピングする第1復調部(206)と、
    前記階層変調信号の第2階層に含まれる第2変調信号から第2のデータをデマッピングする第2復調部(207)と、
    前記第1のデータに含まれる、前記他の通信装置が保有する前記第2のデータの内容を示すリスト情報を受信した場合に、前記第2のデータの送信を要求するリクエスト信号を前記他の通信装置に送信する送信部(108)と、
    を有する通信装置(20)。
  10. 前記第1のデータに含まれる、前記第2変調信号で同時に送信中の前記第2のデータの内容を示す種別情報を受信した場合に、前記種別情報で示された前記第2のデータの内容が前記リクエスト信号で要求した前記第2のデータの内容と異なるときは、受信した前記第2のデータを破棄する、
    請求項9記載の通信装置。
  11. 前記受信部が、前記第1のデータに含まれる、前記他の通信装置の位置情報、及び前記他の通信装置が前記第2変調信号で通信可能なエリアを示すエリア情報を受信した場合に、前記位置情報及び前記エリア情報に基づき、前記他の通信装置が前記第2変調信号で通信可能なエリアを表示する表示部(303)、
    を有する請求項9記載の通信装置。
  12. 前記エリア情報は、前記他の通信装置が前記第2変調信号の生成に用いた変調方式、及び前記第1変調信号と前記第2変調信号の信号電力の比を示す階層間電力比のうち少なくとも一つを含み、
    記変調方式、及び/又は前記階層間電力比と、前記他の通信装置が前記第2変調信号で通信可能な距離とが対応付けられたテーブルを記憶する記憶部(302)、
    を有する請求項11記載の通信装置。
  13. 前記表示部は、前記他の通信装置の位置を中心に、前記通信可能なエリアを円状に表示する、
    請求項11記載の通信装置。
  14. 第1のデータを第1階層にマッピングし、第1変調信号を生成する第1変調部(101)と、
    前記第1のデータとは異なる第2のデータを第2階層にマッピングし、第2変調信号を生成する第2変調部(102)と、
    前記第1変調信号と前記第2変調信号を加算して階層変調信号を生成する加算部(104)と、
    前記階層変調信号を他の通信装置に送信する送信部(108)と、
    前記他の通信装置から送信された信号を受信する受信部(201)と、
    を有する通信装置(10)で実行する通信方法であり、
    前記第1のデータとして、当該通信装置が保有する前記第2のデータの内容を示すリスト情報を送信するステップと、
    前記第2のデータとして、画像情報、音声情報、テキスト情報、の少なくとも何れか一つを送信するステップと、
    を有する、通信方法。
  15. 他の通信装置から階層変調信号を受信する受信部(201)と、
    前記階層変調信号の第1階層に含まれる第1変調信号から第1のデータをデマッピングする第1復調部(206)と、
    前記階層変調信号の第2階層に含まれる第2変調信号から第2のデータをデマッピングする第2復調部(207)と、
    前記他の通信装置に送信信号を送信する送信部(108)と、
    を有する通信装置(20)で実行する通信方法であり、
    前記第1のデータに含まれる、前記他の通信装置が保有する前記第2のデータの内容を示すリスト情報を受信した場合に、前記第2のデータの送信を要求するリクエスト信号を前記送信信号として前記他の通信装置に送信するステップ、
    を有する、通信方法。
  16. 第1のデータを第1階層にマッピングし、第1変調信号を生成する第1変調部(101)と、
    前記第1のデータとは異なる第2のデータを第2階層にマッピングし、第2変調信号を生成する第2変調部(102)と、
    前記第1変調信号と前記第2変調信号を加算して階層変調信号を生成する加算部(104)と、
    前記階層変調信号を他の通信装置に送信する送信部(108)と、
    前記他の通信装置から送信された信号を受信する受信部(201)と、
    を有する通信装置(10)で実行するプログラムであり、
    前記第1のデータとして、当該通信装置が保有する前記第2のデータの内容を示すリスト情報を送信するステップと、
    前記第2のデータとして、画像情報、音声情報、テキスト情報、の少なくとも何れか一つを送信するステップと、
    を実行する、プログラム。
  17. 他の通信装置から階層変調信号を受信する受信部(201)と、
    前記階層変調信号の第1階層に含まれる第1変調信号から第1のデータをデマッピングする第1復調部(206)と、
    前記階層変調信号の第2階層に含まれる第2変調信号から第2のデータをデマッピングする第2復調部(207)と、
    前記他の通信装置に送信信号を送信する送信部(108)と、
    を有する通信装置(20)で実行するプログラムであり、
    前記第1のデータに含まれる、前記他の通信装置が保有する前記第2のデータの内容を示すリスト情報を受信した場合に、前記第2のデータの送信を要求するリクエスト信号を前記送信信号として前記他の通信装置に送信するステップ、
    を実行する、プログラム。
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