JP5716697B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両同士が無線通信により情報の授受を行う車車間通信システムに用いられる無線通信装置に関する。
従来、車車間通信システムでは、無線通信装置が搭載された車両に関する車両情報を表す無線信号を、送信側の無線通信装置(送信側装置)がブロードキャストした場合、マルチパスフェージングや大型車・建物等のシャドーウイングによる受信電力の低下や、隠れ端末問題による信号の衝突などが原因で、通信エリア内に位置する受信側の無線通信装置(受信側装置)であっても、車両情報を受信できない装置が存在していた。
これに対し、なるべく多くの受信側装置が車両情報を受信できるように、車両情報を受信できた受信側装置がACK信号をブロードキャストし、このACK信号を受信した他の受信側装置が車両情報を受信していな場合にNACK信号をブロードキャストする。そして、このNACK信号を受信した送信側装置が同じ車両情報を再送するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、送信側装置として、自車両に関する自車両情報を優先度の高い第1自車両情報と優先度の低い第2自車両情報とに区分し、第1自車両情報を表す符号列が第1階層、第2自車両情報を表す符号列が第2階層となるように階層変調し、その変調後の無線信号を送信する装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。なお、第1階層の情報は、例えば、信号点がどの象限に位置するかによって、第2階層の情報は、信号点が象限内のどこに位置するかによって、それぞれ伝送される。これにより、階層の重要性に応じた信頼性においては第1階層が第2階層よりも高くなることから、優先度の高い自車両情報をなるべく多くの受信側装置に受信させることが期待される。
特開2007−266876号公報 特開2009−033340号公報
しかしながら、特許文献1記載の車車間通信システムでは、送信側装置が車両情報を送信した後に、NACK信号を受信すると同じ車両情報を再送しなければならないため、車両情報の送信回数が増加したり、受信側装置が車両情報を受信できた場合にACK信号を、車両情報を受信できなかった場合にNACK信号をそれぞれ送信しなければならないため、これらの受信成否に関する信号の送信回数が増加したりする。その結果、送信効率が低下する虞があった。
また、特許文献2記載の送信側装置では、自車両情報を階層変調して送信するだけであるため、例えば移動中の車両がたまたま劣悪な受信環境下に位置して、受信側装置が第1階層の情報を受信できなかった場合に、その車両が良好な受信環境下に移動しても、再度その情報を受信するための機会が得られず、その結果、受信確度が低下する虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するために、送信回数を増加させることなく受信機会を増加させ、なお且つ、自車両情報をなるべく多くの受信側装置に受信させ易くすることが可能な車車間通信システムを構築することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の無線通信装置は、車両同士が無線通信により情報の授受を行う車車間通信システムに用いられる装置であって、当該無線通信装置が搭載された車両である自車両に関する自車両情報を他の無線通信装置に伝送する送信手段と、他の無線通信装置が搭載された車両である他車両に関する他車両情報を受信する受信手段と、少なくとも送信手段に自車両情報を送信させる送信制御を行う通信制御手段とを備える。
このうち、送信手段は、異なる符号列を階層化して変調する第1階層変調部および第2階層変調部と、第1階層変調部および第2階層変調部にて変調された各シンボルを合成する加算部とを有し、加算部にて合成されたシンボルに基づく無線信号をブロードキャストすることにより、自車両情報を伝送する。
通信制御手段は、送信制御を行う際に、自車両情報を表す符号列を第1階層変調部に変調させると共に、受信手段にて受信した他車両情報を表す符号列を第2階層変調部に変調させることにより、他車両情報を他の無線通信装置に転送する。
このように構成された無線通信装置が自車両情報を送信する際には、その自車両情報を表す符号列が第1階層、他車両情報を表す符号列が第2階層となるように階層変調された無線信号が送信されることになる。
一方、受信手段は、他の無線通信装置の加算部による合成後にブロードキャストされた無線信号から、他の無線通信装置の第1階層変調部による変調前の符号列が表す第1階層情報を取り出すための復調を行う第1階層復調部と、他の無線通信装置の第2階層変調部による変調前の符号列が表す第2階層情報を取り出すための復調を行う第2階層復調部とを有し、これら第1階層復調部および第2階層復調部を介して他車両情報を受信する。
このように構成された無線通信装置が他車両情報を受信する際には、その他車両情報の送信元の車両に関する情報が第1階層情報として、送信元とは異なる車両に関する情報(送信元から転送された情報)が第2階層情報として、各階層復調部による復調後にそれぞれ取り出されることになる。
このため、例えば移動中の車両がたまたま劣悪な受信環境下に位置して、受信側装置が第1階層の情報を受信できなかった場合であっても、他の送信側装置が第2階層を使って同じ情報を送信元とは異なる地点から転送してくれるので、その車両が良好な受信環境下に移動しなくても、再度その情報を受信するための機会を得ることができる。
また、階層変調により自車両情報とともに他車両情報を伝送するため、他車両情報を転送するために送信側装置の送信回数が増加することもない。しかも自車両情報を第1階層の情報として伝送することから、階層間の電力比を適切に制御することにより、自車両情報をなるべく多くの受信側装置に受信させ易くすることができる。なお、階層間の電力比については後述する。
したがって、本発明の無線通信装置によれば、送信回数を増加させることなく受信機会を増加させ、なお且つ、自車両情報をなるべく多くの受信側装置に受信させ易くすることが可能な車車間通信システムを構築することができる。
また、本発明では、請求項2に記載のように、通信制御手段が、第1階層変調部による変調後のシンボルのパケット長を第1パケット長、第2階層変調部による変調後のシンボルのパケット長を第2パケット長として、第1パケット長と第2パケット長との差分値を示すパケット差分値が、予め設定された空白閾値以下となるように第2パケット長を調整する構成を採用してもよい。
このような構成によれば、第2パケット長が第1パケット長を超えることなく、第1パケット長と同じかそれに近い長さになるため、第2パケット(他車両情報)を効率的に転送させることができる。なお、ここでは、便宜的に、第1階層の情報を第1パケットとし、第2階層の情報を第2パケットと称したが、以下でも適宜これらの用語を使用して説明する。
また、このように第1パケットの伝送効率を低下させることなく、第2パケットを有効利用する(換言すれば、無駄な空白時間をなくす)には、各種の方法が考えられる。
具体的には、請求項2に記載の無線通信装置では、請求項3に記載のように、受信手段にて受信した他車両情報を記憶する記憶手段を備え、通信制御手段は、パケット差分値が空白閾値以下となるように、第2階層変調部による変調前の符号列が表す1ないし複数の他車両情報を記憶手段から選択する構成を採用してもよい。
この場合、第1パケット長を超えない範囲でなるべく多くの他車両情報を転送することができる。
また、請求項4に記載のように、通信制御手段は、パケット差分値が空白閾値となるように、第2階層変調部における変調多値数を可変設定する構成を採用してもよい。
この場合、例えば、同じ変調多値数では第2パケットのデータ量が第1パケットのデータ量よりも多くなっても、第2階層変調部における変調多値数を上げることによって、第2パケットを時間的に圧縮することができるため、第2パケットによる無駄な空白時間をより多く削減することができる。
あるいは、請求項5に記載のように、第2階層変調部が、他車両情報を符号化することで符号列を生成する構成のもと、通信制御手段は、パケット差分値が空白閾値以下となるように、第2階層変調部における符号化率を可変設定する構成を採用してもよい。
この場合も、例えば、同じ符号化率では第2パケットのデータ量が第1パケットのデータ量よりも多くなっても、第2階層変調部における符号化率を上げることによって、第2パケットを時間的に圧縮することができるため、第2パケットにおける無駄な空白時間をより多く削減することができる。
なお、請求項6に記載のように、通信制御手段は、パケット差分値が空白閾値以下となるように、第2階層変調部における変調多値数を大きくした場合、第2階層変調部における信号点間距離を大きく設定してもよい。このように信号点間距離を大きく設定することで、受信側装置に第2パケットを復調させ易くすることができる。
ところで、車車間通信システムにおいて、第2パケットとしてどのような他車両情報を優先的に転送するかについては、各種の考え方が存在する。
例えば、本発明の無線通信装置では、請求項7に記載のように、受信手段にて受信した他車両情報を記憶する記憶手段を備え、受信手段が、他の無線通信装置の加算部による合成後にブロードキャストされた無線信号から、他の無線通信装置の第2階層変調部による変調前の符号列が表す他車両情報を取り出すための復調を行う第2階層復調部をさらに有する構成のもと、以下のような構成を採用してもよい。
即ち、通信制御手段は、第1階層復調部を介して受信した他車両情報である第1他車両情報と、第2階層復調部を介して受信した他車両情報である第2他車両情報とを識別可能に記憶手段に記憶するとともに、送信制御を行う際に、第2階層変調部による変調前の符号列が表す他車両情報を記憶手段から選択するための候補のなかから、第1他車両情報のうち第2階層変調部を介して転送した情報と、第2他車両情報とを除外する。
このような構成によれば、車車間通信システムにおいて、いずれかの無線通信装置が転送した他車両情報が再転送されずに済むので、一つの他車両情報に対する重複転送を防ぐことが可能となり、その結果、異なる他車両情報をより多く転送することができる。
さらに、請求項8に記載のように、他車両情報には他車両の現在位置を示す情報が少なくとも含まれている前提のもと、通信制御手段は、送信制御を行う際に、第2階層変調部による変調前の符号列が表す他車両情報を記憶手段から選択するための候補のなかから、自車両との相対距離が大きい他車両に関する第1他車両情報を優先的に選択する構成を採用してもよい。
この場合、自車両から遠くに位置する他車両に関する情報が優先的に転送されるため、ひいては、車車間通信システムにおいて、無線通信装置が自車両情報を伝送可能なエリアを積極的に広げることができ、しかも第1他車両情報の転送を行う自車両の周囲に位置する無線通信装置にとっては情報の受信品質が高くなるという効果を奏する。
あるいは、請求項9に記載のように、受信手段にて受信した他車両情報の受信品質を推定する受信品質推定手段を備える構成のもと、通信制御手段は、受信手段にて受信した他車両情報を、受信品質推定手段にて推定した受信品質に対応づけて記憶手段に記憶するとともに、送信制御を行う際に、第2階層変調部による変調前の他車両情報を記憶手段から選択するための候補のなかから、受信品質が悪い第1他車両情報を優先的に選択する構成を採用してもよい。
この場合、車車間通信システムにおいて、第1他車両情報の転送を行う自車両の周囲に位置する無線通信装置も劣悪な受信環境下に位置する可能性が高いため、このような無線通信装置にとっては、近くの無線通信装置から第1他車両情報が送信されてくることから、この情報の受信品質が高くなる効果を奏する。
ところで、車車間通信システムにおいて、各無線通信装置が、さらに路側に設けられた路側機から送信される各種情報を受信できると便利である。
具体的には、本発明に適用する場合、請求項10に記載のように、第1階層復調部が、路側機によってブロードキャストされた無線信号から路側機にて生成された路側機情報を取り出すための復調を行う構成のもと、通信制御手段は、送信制御を行う際に、自車両情報を表す符号列を第1階層変調部に変調させると共に、受信手段にて受信した路側機情報が表す符号列を第2階層変調部に変調させることにより、その路側機情報を他の無線通信装置に転送する構成を採用すればよい。
このような構成によれば、自車両情報の送信回数を増加させることなく路側機情報の受信機会を増加させ、これらの情報をなるべく多くの無線通信装置に受信させることが可能な車車間通信システムを構築することができる。
さらに、請求項11に記載のように、路側機情報が他車両情報よりもデータ量が多い情報である前提のもと、通信制御手段は、第1階層復調部を介して受信した路側機情報を、他車両情報と識別可能に記憶手段に記憶するとともに、第2階層変調部による変調前の符号列が表す他車両情報および路側機情報の少なくとも一方を記憶手段から選択するための候補のなかから、路側機情報を優先的に選択する構成を採用してもよい。
この場合、路側機情報を受信可能な車車間通信システムにおいて、路側機が路側機情報を伝送可能なエリアを積極的に広げることができ、しかもデータ量が多い路側機情報の転送を行う自車両の周囲に位置する無線通信装置にとっては情報の受信品質が高くなるという効果を奏する。
第1実施形態における車載器の構成を示すブロック図であり、(a)は全体構成図、(b)は送信部の構成図、(c)は受信部の構成図、(d)は通信制御部の構成図である。 第1実施形態における送信制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態における運転支援処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるITSシステムの全体構成を示す説明図である。 第2実施形態における車載器の構成を示すブロック図であり、(a)は通信制御部の構成図、(b)は受信部の構成図である。 第2実施形態における記憶部の識別テーブルを示すマトリックス図である。 第2実施形態における送信制御処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態における他車両情報等選択処理の一例を示すフローチャートである。 (a)は第1階層の信号点配置、(b)は第2階層の信号点配置をそれぞれ示す説明図である。
[第1実施形態]
以下に、本発明が適用された第1実施形態の無線通信装置としての車載器について図面と共に説明する。なお、本実施形態の車載器は、車両に搭載される装置であって、他の車両に搭載された車載器との間で無線通信を行うことにより、車両同士が各種情報の授受を行う車車間通信システムに用いられる。
図1(a)に示すように、本実施形態の車載器1は、パケットデータをブロードキャストする送信部10と、パケットデータを受信する受信部20と、これら送信部10および受信部20に対して各種データの授受等を行う通信制御部30と、所定の周波数帯の無線信号を送受信するためのアンテナ8と、アンテナ8と送信部10並びに受信部20との間で送信信号と受信信号とを分離するためのサーキュレータ4と、RF部6とを備えている。
RF部6は、送信部10が生成した無線信号を予め設定された周波数帯(RF帯)の信号にアップコンバートして、サーキュレータ4へ出力すると共に、サーキュレータ4から入力されたRF帯の信号を復調可能な信号にダウンコンバートして、受信部20に出力する。
[送信部の構成]
送信部10は、図1(b)に示すように、通信制御部30によって区分された2種類の送信データ(第1送信データ、第2送信データ)のうち、第1送信データが第1階層、第2送信データが第2階層となるように階層変調する第1階層変調部11および第2階層変調部12と、第1階層変調部11および第2階層変調部12にてそれぞれ変調された各シンボルを合成する加算部14とを備えている。
このうち、第1階層変調部11は、通信制御部30から入力された第1送信データに、予め設定された符号化率の畳み込み符号(誤り訂正符号)を用いて符号化処理を施すことで符号列を生成して、この符号列の順番を所定の規則に従って並べ替えるインターリーブ処理を施した符号列を生成する。そして、さらに送信データの先頭(始まり)を示すプリアンブルを付加した符号列ついて単位ビット(Lビット)毎に、送信マッピング上で予め設定された複数の象限のうち信号点が配置される象限を設定することにより、符号列を2LQAMのシンボル点にマッピングして、変調されたシンボルを出力する。
一方、第2階層変調部12は、通信制御部30から入力された第2送信データに、上記符号化処理およびインターリーブ処理を施すことで符号列を生成し、この符号列について単位ビット(Lビット)毎に、送信マッピング上の象限内における信号点の位置を設定することにより、符号列を2LQAMのシンボル点にマッピングして、変調されたシンボルを出力する。
例えば、第1階層変調部11では、図9(a)に示すように、I軸とQ軸のそれぞれの軸で2値の振幅変調を行うことにより、4個のシンボル点をIQ平面上で異なる位置に配置する。これにより、多値化を行うことができ1シンボルで2ビットの情報を伝送することができる。また、第2階層変調部12では、図9(b)に示すように、I軸とQ軸のそれぞれの軸で4値の振幅変調を行うことにより、16個のシンボル点をIQ平面上で異なる位置に配置する。これにより、第1階層と第2階層とを合わせると、1シンボルで4ビットの情報を伝送することができる。なお、多値変調として知られる16QAMは、同様に1シンボルで4ビットの情報を伝送できる方式であり、通常、IQ平面上における信号点間距離が予め固定されているが、階層変調は、第1階層と第2階層の電力比を変えることで任意の信号点間距離に変更することができる点で異なる。また、上記は第1階層をQPSKで変調した信号に、第2階層をQPSKで変調した信号を加算した場合を説明したが、各階層の変調方式はBPSKや16QAMでも同様に階層化可能である。
加算部14は、第1階層変調部11により出力されたシンボルと、第2階層変調部12により出力されたシンボルとを表す二つのベースバンド信号を混合して無線信号を生成し、この無線信号をRF部6に出力する。
[受信部の構成]
次に、受信部20は、図1(c)に示すように、アンテナ8、サーキュレータ4、RF部6を介して受信した無線信号から、第1階層の受信データ(第1受信データ)および第2階層の受信データ(第2受信データ)を取り出すための階層復調を行う第1階層復調部21および第2階層復調部22を備えている。なお、第1受信データは、他の車両に搭載された車載器1(以下「他車載器」という)から送信されてくる第1送信データに相当し、第2受信データは、他車載器から送信されてくる第2送信データに相当する。
第1階層復調部21は、予め設定された変調多値数(本実施形態では2値)の受信信号を振幅復調してI成分及びQ成分を表すベースバンド信号を生成し、そのベースバンド信号に付加されているプリアンブルを検出して、そのプリアンブルに続く第1送信データを復元するのに要する同期タイミングを設定し、この同期タイミングで復調されたシンボルに復号化処理を施して、第1受信データを復元する。
なお、復号化処理では、復調されたシンボルに基づいて軟判定値を生成すると共に、その軟判定値からなる符号列の順番をデインターリーブ処理により元の順番に並べ替えて、誤り訂正による復号(最尤復号)を行い、予め設定された符号率に基づいて冗長さを取り除くことで、他車載器からの第1送信データを復元し、第2受信データとして通信制御部30に出力するように構成されている。
第2階層復調部22は、予め設定された変調多値数(本実施形態では4値)の受信信号を振幅復調してI成分及びQ成分を表すベースバンド信号を生成して、復調されたシンボルに基づいて軟判定値を生成すると共に、その軟判定値からなる符号列の順番をデインターリーブ処理により元の順番に並べ替えて、誤り訂正による復号(最尤復号)を行い、予め設定された符号率に基づいて冗長さを取り除くことで、他車載器からの第2送信データを復元し、第2受信データとして通信制御部30に出力するように構成されている。
[通信制御部の構成]
通信制御部30は、CPUやメモリ等からなる周知のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)と、受信部20により受信した他車載器からの各種データ(以下「他車両情報」という)を記憶する記憶部34(図1(d)参照)とを中心に構成され、各種の車両制御を行う車両制御部40(図1(a)参照)に車内LANを介して接続されている。
そして、通信制御部30をマイコンが行う処理として機能的に表すと、図1(d)に示すように、車両制御部40から第1送信データを入力すると、記憶部34から第2送信データを選択して出力する送信情報選択部36と、送信情報選択部36から第2送信データが入力されると、車両制御部40から入力された第1送信データを第1階層変調部11に出力すると共に、第2送信データを第2階層変調部に出力することで、これら送信データの送信タイミングを調整する送信タイミング調整部38とを備えている。
また、通信制御部30は、第1階層復調部21から入力した第1受信データと、第2階層復調部22から入力した第2受信データとを選別し、これら受信データを識別できるように、記憶部34においてそれぞれ異なる領域に格納する受信情報選別部32を備えている。つまり、第1受信データは、他車載器の第1階層変調部11による変調前の符号列が表す他車両情報(以下「第1他車両情報」という)に相当し、第2受信データは、他車載器の第2階層変調部12による変調前の符号列が表す他車両情報(以下「第2他車両情報」という)に相当する。
そして、通信制御部30のマイコンでは、図2に示すように、送信情報選択部36が、車両制御部40から送信要求を受けると(S110;YES)、車載器1が搭載された自車両に関する情報(自車両情報)を第1送信データとして車両制御部40から読み込み、この読み込んだ自車両情報を、送信タイミング調整部38を介して第1階層変調部11に受け渡す(S120)。さらに、自車両の通信エリア内に位置する他車両に転送するための他車両情報を第2送信データとして記憶部34から選択し、この他車両情報を第2変調部に受け渡すように構成されている(S130)。なお、このように通信制御部30のマイコンが行う送信制御に係る各種処理(送信制御処理)の詳細については、第2実施形態以降で後述する。
[車両制御部40の構成]
車両制御部40は、マイコンを中心に構成され、自車両の現在位置を表す位置情報をGPS受信機等から取得すると共に、自車両の速度を表す車速情報をセンサ等によって検出し、これらの位置情報および車速情報を含む情報を自車両情報(第1送信データ)として通信制御部30に出力するように構成されている。
また、車両制御部40のマイコンは、音声を出力するスピーカや画像を表示するディスプレイに接続されており、例えば以下のような運転支援処理を実行する。
即ち、運転支援処理の一例としては、図3に示すように、記憶部34にアクセスして他車両情報を取得し(S210)、この他車両情報と自車両情報とにそれぞれ含まれる位置情報に基づいて、自車とその周囲の他車両(周囲車両)との相対距離を算出する(S230)。そして、この相対距離と、他車両情報と自車両情報とにそれぞれ含まれる車速情報とに基づいて、自車と周囲車両との衝突可能性を判断し(S240)、衝突可能性が高いと判断した場合には(S240;YES)、スピーカに警告音を出力させたりディスプレイに警告画像を表示させたりするなど、自車両の乗員(ドライバー)に警告する(S250)ことが挙げられる。
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車載器1は、送信制御処理によって、自車両情報を表す符号列を第1階層変調部11に変調させると共に、受信部20にて受信した他車両情報を表す符号列を第2階層変調部12に変調させることにより、他車両情報を自車両の通信エリアに位置する他車載器に転送する。
このため、本実施形態の車車間通信システムでは、例えば移動中の他車両がたまたま劣悪な受信環境下に位置して、他車載器が自車両情報を受信できなかった場合であっても、他の送信側装置が第2階層を使って同じ情報を送信元とは異なる地点から転送してくれるので、その他車両が良好な受信環境下に移動しなくても、再度その情報を受信するための機会を得ることができる。
また、階層変調により自車両情報とともに他車両情報を伝送するため、他車両情報を転送するために車載器1の送信回数が増加することもない。しかも自車両情報を第1階層の情報(第1送信データ)として伝送することから、階層間の電力比を適切に制御する(例えば大きくする)ことにより、自車両情報をなるべく多くの他車載器に受信させ易くすることができる。
したがって、本実施形態の車載器1によれば、送信回数を増加させることなく受信機会を増加させ、なお且つ、自車両情報をなるべく多くの他車載器に受信させ易くすることが可能な車車間通信システムを構築することができる。
[変形例]
なお、第1実施形態の送信部10では、第1階層変調部11および第2階層変調部12がそれぞれ、第1送信データを第1階層、第2送信データを第2階層に変調するように構成されているが、これに加えて、第2送信データをさらに第3階層に変調する第3階層変調部を備えてもよい。
この場合、第3階層変調部は、送信マッピング上の第2階層の信号点を原点とみなした象限内における信号点の位置を設定することにより、符号列をマッピングして変調されたシンボルを出力するように構成される。つまり、本発明において、第2階層変調部という概念は、第2階層変調部12に限らず、第3階層変調部やその下の階層を使って変調する部位を含み、第2階層以下の階層を使って変調する1ないし複数の部位であることを表す。
[第2実施形態]
次に、本発明が適用された第2実施形態の無線通信装置としての車載器について図面と共に説明する。なお、本実施形態の車載器は、他車載器との間で無線通信を行うことに加えて、路側に設けられた路側機によってブロードキャストされた情報(以下「路側機情報」という)も受信するITSシステムに用いられる点で第1実施形態と大きく異なる。しかしながら、本実施形態の車載器は、第1実施形態の車載器と共通する構成が多いため、これらの共通する構成については、同じ図面番号を付すことによりその説明を省略する。
本実施形態の路側機2は、図4(a)に示すように、交差点付近に設置され、センサ等によって検出した車両に関する情報(位置情報や速度情報など)や、図4(b)に示すように、交通センタから送られてくる交通情報などを路側機情報として、当該路側機2の通信エリア内に位置する車載器1に伝送するように構成されている。路側機情報を受信した車載器1は、交差道路に他車両が来ていることをドライバーに報知することから、例えば無線号交差点における出会い頭事故を削減できると考えられている。なお、路側機情報には、路側機2を識別すると共に例えば同一日における何回目の送信情報であるかが識別可能な送信IDが付与されている。また、自車両情報および他車両情報にも、同様に車載器1を識別すると共に何回目の送信情報であるかが識別できるように送信IDが付与されている。
本実施形態の車載器1は、図5(a)に示すように、車両制御部40が記憶部34を備える。そして、通信制御部30の受信情報選別部32が、第1階層復調部21から入力した第1受信データとしての第1他車両情報並びに第1路側機情報(以下「第1他車両情報等」という)と、第2階層復調部22から入力した第2受信データとしての第2他車両情報並びに第2路側機情報(以下「第2他車両情報等」という)とを選別すると共に、他車両情報と路側機情報とを選別し、これらの情報を識別できるように、記憶部34における各領域に格納するように構成されている。
また、通信制御部30は、車両制御部40から第1送信データとしての自車両情報を入力すると、送信情報選択部36に第2送信データとしての他車両情報等(他車両情報または路側機情報)を選択させるための指示を送り、送信情報選択部36から他車両情報等が入力されると、第1送信データのパケット長(第1パケット長)に基づいて第2送信データのパケット長(第2パケット長)を調整するパケット長調整部37を備えている。
なお、送信タイミング調整部38は、送信情報選択部36からパケット長調整部37を介して第2送信データが入力されると、車両制御部40から入力された第1送信データ(自車両情報)を第1階層変調部11に出力すると共に、第2送信データ(他車両情報等)を第2階層変調部12に出力することで、これら送信データの送信タイミングを調整する。また、パケット長調整部37は、第2階層変調部12における変調多値数や符号化率を可変設定するように構成されている。
本実施形態の受信部20は、図5(b)に示すように、RF部6を介して受信した無線信号に基づいて受信データの品質(受信品質)を推定し、その推定結果を受信情報選別部に出力する受信品質推定部24を備えている。なお、受信品質推定部24は、無線信号の信号レベルやIQ平面上における理想信号点と測定信号点の位置ずれ等によって受信信号(受信データ)の品質尺度を表す品質情報を生成するように構成されている。
また、受信品質推定部24から品質情報を入力した受信情報選別部32は、第1階層復調部21および第2階層復調部22から入力された他車両情報等から、送信ID、位置情報、速度情報、品質情報(RSSI)を対応づけて、記憶部34に予め用意された識別テーブル34a(図6参照)にこれらの情報を書き込むようになっている。このとき、受信情報選別部32は、第2階層復調部22から入力された他車両情報等(第2他車両情報等)に対して、その転送を禁止するためのフラグ(転送禁止フラグ)をセットする。
さらに、通信制御部30の送信情報選択部36は、パケット長調整部37からの指示に従って記憶部34から他車両情報等を選択する毎に、その他車両情報等の再転送を防止するために、識別テーブル34aにおける転送禁止フラグをセットするようになっている。
[送信制御処理]
次に、通信制御部30のマイコンが実行する送信制御処理を、図7のフローチャートに沿って説明する。なお、本処理は、車載器1の本体の電源が投入(オン)されると起動し、その電源がオフされるまで繰り返し実行される。
本処理が起動されると、S310では、パケット長調整部37が車両制御部40から送信要求を受けたか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS320に移行し、否定判断した場合には送信要求を受けるまで待機する。
S320では、パケット長調整部37が自車両情報を第1送信データとして車両制御部40から読み込み、この読み込んだ自車両情報を、送信タイミング調整部38を介して第1階層変調部11に受け渡して、S330に移行する。
S330では、パケット長調整部37からの指示に従って、送信情報選択部36が、自車両の通信エリア内に位置する他車両に転送するための他車両情報等を第2送信データとして記憶部34から選択するための他車両情報等選択処理(後述する)を実行し、S340に移行する。
S340では、パケット長調整部37が、S320にて読み込んだ自車両情報のパケット長(第1パケット長)と、S330にて選択された1ないし複数の他車両情報等の全パケット長(第2パケット長)との差分値を表すパケット差分値が、階層変調後のパケットデータにおける両者の時間的な空白を削減するために予め設定された空白閾値以下であるか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS390に移行し、否定判断した場合にはS350に移行する。
S350では、パケット長調整部37が、S340における第2パケット長が第1パケット長よりも大きいか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS360に移行し、否定判断した場合にはS330に戻る。なお、このときに移行したS330では、再度、送信情報選択部36が後述する他車両情報等選択処理を実行することで、選択される他車両情報等が追加され、これにより、第2パケット長が増加することになる。
S360では、パケット長調整部37が、続くS370で変調多値数を既に設定したか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS380に移行し、否定判断した場合にはS380に移行する。
S370では、パケット長調整部37が、第2送信データに対する変調多値数を大きくするように設定し、この設定情報を第2階層変調部12に出力する。例えば、第1階層変調部11における変調多値数が2、第1送信データが100ビット、第2階層変調部における変調多値数が2、第2送信データが200ビットであった場合に、第2階層変調部における変調多値数を2倍に設定変更することで、変調後の第1パケット長と第2パケット長とが等しくなる。なお、ここで設定変更された変調多値数を表す設定情報は、例えば第1階層変調部によってパケットデータのプリアンブルに追加される。このため、このパケットデータを受信した受信部20が第2階層復調部22における変調多値数を復調前に予め設定することができる。
続くS375では、パケット長調整部37が、第2階層変調部12における信号点間距離を大きくするように設定し、この設定情報を第2階層変調部12に出力して、S330に戻る。これは、S370にて第2階層変調部12における変調多値数が増加するに伴い、パケットデータを受信する他車載器の受信部20が第2受信データを復調するのが難しくなるため、第2パケットデータを復調し易くするための措置である。具体的には、図9(b)に示すように、第1階層の信号点配置に対する第2階層の信号点配置が、電力比λ=D1 2/D2 2の関係にあり、予め計算された許容範囲内でD2を大きくすることで電力比λを小さくすることになる。但し、電力比λを小さくし過ぎると、他車載器の受信部20が第1受信データを復調するのが難しくなるため、電力比λを小さくできる許容範囲は実験やシミュレーション等によって予め計算されている。なお、第1受信データの復調できる範囲をできるだけ広げたい場合には、λを大きく設定した方が望ましい。
一方、S360にて既に変調多値数を設定変更したと判断した場合に移行するS380では、パケット長調整部37が、第2送信データに対する符号化率を大きくするように設定し、この設定情報を第2階層変調部12に出力して、S310に戻る。例えば、第1階層変調部11における符号化率が1/4、第1送信データが100ビット、第2階層変調部における符号化率が1/4、第2送信データが200ビットであった場合に、第2階層変調部における符号化率を2倍に設定変更する(冗長さを減らす)ことで、変調後の第1パケット長と第2パケット長とが等しくなる。なお、ここで設定変更された符号化率を表す設定情報は、例えば第1階層変調部によってパケットデータのプリアンブルに追加される。このため、このパケットデータを受信した受信部20が第2階層復調部22における符号化率を復調前に予め設定することができる。
また、S340にてパケット差分値が空白閾値以下であると判断した場合に移行するS390では、パケット長調整部37が、S330にて選択された1ないし複数の他車両情報等を、送信タイミング調整部38を介して第2階層変調部12に受け渡して、S310に戻る。これにより、送信部10によって階層変調された自車両情報と他車両情報等とを表すパケットデータ(無線信号)が自車両の通信エリア内にブロードキャストされることになる。
[他車両情報等選択処理]
最後に、送信制御処理におけるS330にてマイコンの一機能である送信情報選択部36が実行する他車両情報等選択処理を、図8のフローチャートに沿って説明する。なお、他車両情報等選択処理は、記憶部34に記憶されている複数の他車両情報等のなかから一つの情報を、他車載器に転送するための第2送信データとして選択する処理である。
本処理が開始されると、まず、S510では、送信情報選択部36が、記憶部34に格納されている識別テーブル34aに基づいて、転送禁止フラグがセットされた他車両情報等(即ち、転送済みの情報)を本処理における選択候補から除外する。
続くS520では、S510にて転送済みの情報が除外された選択候補(以下「第1選択候補」という)のなかに、路側機情報が含まれているか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS530に移行し、否定判断した場合にはS540に移行する。
なお、S530では、第1選択候補のなかから、さらに他車両情報を除外して、S540に移行する。
S540では、S520から移行した場合には第1候補、S530から移行した場合には他車両情報が除外された選択候補(以下「第2選択候補」という)のなかから、識別テーブル34aの位置情報に基づいて、自車両との相対距離が予め設定された閾値距離を上回る位置の他車両または路側機から受信した他車両情報等(即ち、第1他車両情報等)が存在するか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS550に移行し、否定判断した場合にはS560に移行する。
S550では、S540にて存在すると判断した第1他車両情報等(以下「第3候補」という)のなかから、識別テーブル34aの位置情報に基づいて、自車両との相対距離が最も大きい第1他車両情報等を一つ選択し、その選択した情報をパケット長調整部37に出力して、本処理を終了する。
一方、S550では、第3候補のなかから、識別テーブル34aの位置情報に基づいて、受信品質が最も悪い(例えばRSSIが最も小さい)第1他車両情報等を一つ選択し、その選択した情報をパケット長調整部37に出力して、本処理を終了する。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車載器1は、送信制御処理を実行することによって、第1パケット長と第2パケット長との差分値(パケット差分値)が空白閾値以下となるように階層変調したパケットデータを送信する。
したがって、車載器1によれば、第1パケット長が第2パケット長よりも大きくなり過ぎることによるパケットデータの空白部分をできるだけなくすことができ、ひいては自車両情報(第1送信データ)の伝送効率を低下させることなく、他車両情報等(第2送信データ)を効率よく転送することができる。
また、車載器1は、送信制御処理を実行することによって、パケット差分値が空白閾値以下となるように、第2階層で変調する他車両情報等の数を調整して第2パケット長が第1パケット長を超えると、第2階層の変調多値数や符号化率を調整したパケットデータを送信する。
このため、車載器1によれば、むやみに変調多値数や符号化率を上げることなく(他車載器の受信能力を劣化させることなく)、なるべく多くの他車両情報等を送信することができ、ひいては他車両情報等(第2送信データ)を効率よく転送することができる。
さらに、車載器1は、他車両情報等選択処理を実行することによって、他車両情報等の再転送を防止すると共に、他車両情報よりも路側機情報を優先し、さらに自車両から遠い位置の他車両または路側機2から受信した他車両情報等や、受信品質が悪い他車両情報等を優先して、パケットデータを送信する。
よって、車載器1によれば、他車両情報よりも情報量や重要度の高い路側機情報を優先的に他車載器に伝送でき、しかも他車両情報の転送エリア(ひいては自車両情報の転送エリア)を積極的に広げることができ、さらに車載器1の周囲に位置する他車載器にとっての受信品質を上げることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記第2実施形態の送信制御処理では、パケット差分値が空白閾値以下となるように、第2階層で変調する他車両情報等の数や、第2階層の変調多値数、符号化率を調整しているが、これらを全て行う必要はなく、例えばいずれか一つを行うようにしてもよい。
また、上記第2実施形態の他車両情報等選択処理では、他車両情報等の再転送を防止したり、他車両情報よりも路側機情報を優先したり、自車両から遠い位置の他車両または路側機2から受信した他車両情報等を優先したり、受信品質が悪い他車両情報等を優先したりしているが、これらを全て行う必要はなく、例えばいずれか一つを行うようにしてもよい。
1…車載器、2…路側機、4…サーキュレータ、6…RF部、8…アンテナ、10…送信部、11…第1階層変調部、12…第2階層変調部、14…加算部、20…受信部、21…第1階層復調部、22…第2階層復調部、24…受信品質推定部、30…通信制御部、32…受信情報選別部、34…記憶部、34a…識別テーブル、36…送信情報選択部、37…パケット長調整部、38…送信タイミング調整部、40…車両制御部。

Claims (11)

  1. 車両同士が無線通信により情報の授受を行う車車間通信システムに用いられる無線通信装置であって、
    異なる符号列を階層化して変調する第1階層変調部および第2階層変調部と、前記第1階層変調部および第2階層変調部にて変調された各シンボルを合成する加算部とを有し、該加算部にて合成されたシンボルに基づく無線信号をブロードキャストすることにより、当該無線通信装置が搭載された車両である自車両に関する自車両情報を他の無線通信装置に伝送する送信手段と、
    他の無線通信装置の前記加算部による合成後にブロードキャストされた無線信号から、他の無線通信装置の前記第1階層変調部による変調前の符号列が表す第1階層情報を取り出すための復調を行う第1階層復調部と、他の無線通信装置の前記第2階層変調部による変調前の符号列が表す第2階層情報を取り出すための復調を行う第2階層復調部とを有し、前記第1階層復調部および前記第2階層復調部を介して、他の無線通信装置が搭載された車両である他車両に関する他車両情報を受信する受信手段と、
    少なくとも前記送信手段に前記自車両情報を送信させる送信制御を行う通信制御手段と、
    を備え、
    前記通信制御手段は、前記送信制御を行う際に、前記自車両情報を表す符号列を前記第1階層変調部に変調させると共に、前記受信手段にて受信した他車両情報を表す符号列を前記第2階層変調部に変調させることにより、該他車両情報を他の無線通信装置に転送することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記通信制御手段は、前記第1階層変調部による変調後のシンボルのパケット長を第1パケット長、前記第2階層変調部による変調後のシンボルのパケット長を第2パケット長として、前記第1パケット長と前記第2パケット長との差分値を表すパケット差分値が、予め設定された空白閾値以下となるように前記第2パケット長を調整することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記受信手段にて受信した他車両情報を記憶する記憶手段を備え、
    前記通信制御手段は、前記パケット差分値が前記空白閾値以下となるように、前記第2階層変調部による変調前の符号列が表す1ないし複数の前記他車両情報を前記記憶手段から選択することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記通信制御手段は、前記パケット差分値が前記空白閾値以下となるように、前記第2階層変調部における変調多値数を可変設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記第2階層変調部は、前記他車両情報を符号化することで符号列を生成し、
    前記通信制御手段は、前記パケット差分値が前記空白閾値以下となるように、前記第2階層変調部における符号化率を可変設定することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  6. 前記通信制御手段は、前記パケット差分値が前記空白閾値以下となるように、前記第2階層変調部における変調多値数を大きくした場合、前記第2階層変調部における信号点間距離を大きく設定することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  7. 前記受信手段にて受信した他車両情報を記憶する記憶手段を備え、
    前記通信制御手段は、前記第1階層復調部を介して受信した前記他車両情報である第1他車両情報と、前記第2階層復調部を介して受信した前記他車両情報である第2他車両情報とを識別可能に前記記憶手段に記憶するとともに、前記送信制御を行う際に、前記第2階層変調部による変調前の符号列が表す前記他車両情報を前記記憶手段から選択するための候補のなかから、前記第1他車両情報のうち前記第2階層変調部を介して転送した情報と、前記第2他車両情報とを除外することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  8. 前記他車両情報には、前記他車両の現在位置を示す情報が少なくとも含まれており、
    前記通信制御手段は、前記送信制御を行う際に、前記第2階層変調部による変調前の符号列が表す前記他車両情報を前記記憶手段から選択するための候補のなかから、前記自車両との相対距離が大きい他車両に関する前記第1他車両情報を優先的に選択することを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 前記受信手段にて受信した他車両情報の受信品質を推定する受信品質推定手段を備え、
    前記通信制御手段は、前記受信手段にて受信した他車両情報を、前記受信品質推定手段にて推定した受信品質に対応づけて前記記憶手段に記憶するとともに、前記送信制御を行う際に、前記第2階層変調部による変調前の前記他車両情報を前記記憶手段から選択するための候補のなかから、前記受信品質が悪い前記第1他車両情報を優先的に選択することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 前記第1階層復調部は、路側に設けられた路側機によってブロードキャストされた無線信号から路側機にて生成された路側機情報を取り出すための復調を行い、
    前記通信制御手段は、前記送信制御を行う際に、前記自車両情報を表す符号列を前記第1階層変調部に変調させると共に、前記受信手段にて受信した路側機情報が表す符号列を前記第2階層変調部に変調させることにより、該路側機情報を他の無線通信装置に転送することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  11. 前記路側機情報は、前記他車両情報よりもデータ量が多い情報であり、
    前記通信制御手段は、前記第1階層復調部を介して受信した前記路側機情報を、前記他車両情報と識別可能に前記記憶手段に記憶するとともに、前記第2階層変調部よる変調前の符号列が表す前記他車両情報および前記路側機情報の少なくとも一方を前記記憶手段から選択するための候補のなかから、前記路側機情報を優先的に選択することを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
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