JP7020020B2 - 描画データ生成装置、描画データ生成方法及びプログラム - Google Patents
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Description
また、描画対象面である爪の表面には、縦皺や凹みなど、爪によってさまざまな凹凸がある。
こうした爪の様々な形状や表面の状態を考慮せずに描画を行うと、描画した画像が不自然に伸びてしまったり、凹凸部分で画像が歪んでしまう等、美しい画像を描画することができない。
例えば、爪の表面に描画を施す場合には、ユーザが自ら爪の表面の凹凸がなくなるまで専用のやすり等で研磨する前処理を行っている。
また、描画対象の表面に凹凸がある場合に、これを除去する前処理を行うことは手間と時間を要する。
このため、ネイルプリントを行うことが面倒になり、ユーザがネイルプリントを敬遠しがちになってしまう。
また、描画対象が爪である場合、表面の凹凸を除去するために爪を研磨すると、爪の厚みが薄くなって割れやすくなったり爪の病気にかかりやすくなったりするおそれもある。
また、本発明に係る描画データ生成方法は、描画データ生成装置が実行する描画データ生成方法であって、画像投影手段により元画像を爪の表面に投影する画像投影工程と、前記画像投影工程において前記元画像が投影された状態の前記爪の表面を撮影手段により撮影して投影画像を取得する撮影工程と、前記元画像を基準としたときの前記投影画像の変形度合を取得する変形取得工程と、前記変形取得工程において取得された変形度合に基づいて、前記爪の表面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する描画データ生成工程と、を含み、前記画像投影手段は、前記撮影手段に対して前記爪に対応する指に沿った方向に並ぶように配置されていることを特徴としている。
また、本発明に係るプログラムは、描画データ生成装置のコンピュータに、画像投影手段により元画像を爪の表面に投影する画像投影処理、前記画像投影処理で前記元画像が投影された状態の前記爪の表面を撮影手段により撮影して投影画像を取得する撮影処理、前記元画像を基準としたときの前記投影画像の変形度合を取得する変形取得処理、及び、前記変形取得処理で取得された変形度合に基づいて、前記爪の表面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する描画データ生成処理、を実行させ、前記画像投影手段は、前記撮影手段に対して前記爪に対応する指に沿った方向に並ぶように配置されていることを特徴としている。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、描画データ生成装置が手の指の爪を描画対象としてこれに描画するネイルプリント装置である場合を例に説明するが、本発明における描画データ生成装置の描画データの生成対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを対象としてもよい。
筐体11の上面(天板)には操作部12が設置されている。
操作部12は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための操作釦が配置されている。
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部13には、例えば、指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに後述する元画像を投影した状態の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部13の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、タッチパネルが操作部12として機能する。
開口部14の内側には、爪T(爪Tを含む指U1)を固定する指固定部3が配置されている。
図2に示すように、筐体11内には、天面板21とこれを支持する一対の脚部22で構成された基台2が設けられている。
天面板21の上面であって、筐体11の開口部14に対応する位置には、指固定部3が配置されている。
指固定部3は装置手前側に開口部31を有する箱状の部材であり、指固定部3内部には指U1を固定する指固定部材32が配置されている。
指固定部材32は、指U1を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。なお、指固定部材32は、指U1を下側から支持し得るものであればよく、その構成は特に限定されない。例えば、ばね等の弾性部材によって下方から付勢されていてもよい。また、例えば、指固定部材32は、内圧を変化させることにより膨縮可能に構成されており、膨張状態において指U1を押し上げ、その位置を固定する構成としてもよい。
また、指固定部3の天面手前側は指U1の浮き上がりを防止して指U1の上方向の位置を規制する指押え34となっている。指U1及びその爪Tは、下側から指固定部材32によって支持され、指U1の上側が指押え34によって押さえられることで、高さ方向の位置が所定の位置に位置決めされる。
また、本実施形態では、指挿入方向の奥側には、爪Tを載置する爪載置部35が設けられている。
この爪載置部35に爪Tの先を載置させることにより、爪Tの水平方向(すなわち、X方向及びY方向)の位置が規定されるとともに、その高さ方向の位置も規制される。
描画部40は、描画部本体である描画ヘッド41、描画ヘッド41を支持するユニット支持部材42、描画ヘッド41をX方向(図1等におけるX方向、ネイルプリント装置2の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、描画ヘッド41をY方向(図1等におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。本実施形態では、X方向移動モータ46とY方向移動モータ48等により、描画ヘッド41を移動させるヘッド移動部49(図5参照)が構成されている。
描画ヘッド41は、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する図示しないインクカートリッジと各インクカートリッジにおける描画対象(爪Tの表面)に対向する面(本実施形態では、図1及び図2における下面)に設けられた図示しないインク吐出部とが一体に形成されたインクカートリッジ一体型のヘッドである。インク吐出部は、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルからなるノズルアレイを備えており、描画ヘッド41は、インクを微滴化し、インク吐出部から描画対象の描画対象面(すなわち、爪Tの表面)に対して直接にインクを吹き付けて描画を行う。なお、描画ヘッド41は、上記3色のインクを吐出させるものに限定されない。その他のインクを貯留するインクカートリッジ及びインク吐出部を備えていてもよい。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材42に取り付けられている描画ヘッド41が、Y方向(図2におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動するようになっている。
なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、描画ヘッド41をX方向及びY方向に駆動するXY駆動部としてのヘッド移動部49が構成されている。
描画部40における描画ヘッド41、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部816(図5参照)に接続され、該描画制御部816によって制御される。
図2では、描画ヘッド41の側部(図2におけるX方向右側)に撮影部50が配置され、この撮影部50よりも装置奥側(図2におけるY方向奥側)に画像投影部60が配置されている例を示している。
なお、撮影部50及び画像投影部60は、描画動作時に描画ヘッド41の描画動作に影響を及ぼさない位置に配置されていればよく、具体的な配置は図示例に限定されない。
また、本実施形態では、後述する画像投影部60によって元画像が投影された状態の爪Tの表面(描画対象面)を撮影して投影画像を取得する。
撮影部50は、撮影装置51と、照明装置52とを備えている。
撮影装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮影素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。
照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。本実施形態では、撮影装置51を囲むように複数の照明装置52が配置されている。なお、照明装置52の数や配置は図示例に限定されない。
なお、撮影装置51及び照明装置52の位置は図示例に限定されない。本図示例のように撮影部50が移動手段によって移動可能に構成されている場合には、爪Tの上方位置に移動することが可能な位置に配置されていればよい。また、例えば、撮影部50の撮影装置51及び照明装置52は、爪Tの上方位置に固定配置されていてもよい。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
なお、撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する爪画像記憶領域821等に記憶される。
本実施形態において、画像投影部60は、元画像のデータに基づき元画像を表示させる表示パネルユニット61と、表示パネルユニット61に後方から光を照射する光源62と、光源62から照射される光の光軸上に配置された投射レンズ63と、表示パネルユニット61と投射レンズ63との間に配置されたミラー64等を備えて構成されている。ミラー64は、後述する角度調整部65(図5参照)により、角度調整が可能となっている。
本実施形態では、後述のように、全体的に均一な網目状の模様があるパターン画像(図6(a)参照)を元画像として用いている。なお、元画像は図示例に限定されず、例えば縦又は横のストライプ柄の画像等でもよい。
また、爪Tに描画するネイルデザインの画像をそのまま元画像として用いてもよい。
なお、爪Tに描画するネイルデザインの画像をそのまま元画像として用いる場合には、これを爪Tに投影した画像から得られる投影画像は当該ネイルデザインを描画する場合に限り補正情報として用いることが好ましい。ネイルデザインによっては、全面に絵柄が施されていないワンポイントデザインのもの等もあり、絵柄のない部分については正確な補正情報を得ることができない。このため、他のネイルデザインを描画する場合にこれを補正情報として用いると、補正しきれない部分が生じて画像全体を適切に補正できない可能性があるためである。
図3に示すように、指固定部3内に指U1を挿入した際に爪Tが配置される位置の上方に、撮影部50が配置される。また、この撮影部50よりも装置奥側(爪Tの先端側)に画像投影部60が配置される。
元画像を投影した状態の爪Tの表面を撮影する際には、画像投影部60の表示パネルユニット61に光源62から光を照射し、投射レンズ63を介して描画対象面である爪Tの表面に元画像を結像させる。このとき、角度調整部65によってミラー64の角度を調整することで、爪Tの位置が多少ずれている場合等でも、描画対象面である爪Tの表面に正確に元画像を投影させることができる。
図3に示す例では、撮影部50よりも装置奥側に配置された画像投影部60から爪Tの表面に元画像を投影し、爪Tの真上に配置された撮影部50により爪Tの表面を撮影し、投影画像を取得する。
なお、画像投影部60は、元画像を爪Tの表面(描画対象面)に投影させることができるものであればよく、ここに例示した構成に限定されない。
例えば、ここでは、画像投影部60が元画像のデータに基づき元画像を表示させる表示パネルユニット61を備え、表示パネルユニット61に表示された元画像を描画対象面に投影するデータ方式の画像投影部を例示したが、例えば、元画像の描かれたシート等を画像投影部60内に保持させ、これに光源62からの光を照射してシート等に描かれた元画像を爪Tの表面(描画対象面)に投影させてもよい。
このように、ヘッド移動部49により移動可能とすることにより、描画対象である爪Tを撮影する際には、指固定部3の窓部33から露出する爪Tの上方に撮影部50が配置されるようにし、描画時には指固定部3の上方に描画ヘッド41が配置されるように、適宜移動させることができる。
図4(a)及び図4(b)に示すように、本実施形態の爪Tは、幅方向の中央部が高く、両端部に近づくほど高さが低くなる湾曲形状となっている、
また、爪Tの表面には、縦方向に複数の筋が刻まれており、この筋部分が図4(b)に示すように複数の凹凸部Taとなっている。
図5は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図5に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
具体的には、記憶部82のうち、ROM等で構成されるプログラム記憶領域820には、爪画像から爪Tの形状や爪Tの輪郭、爪の幅、爪の面積等の各種の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、補正情報を得るための変形取得プログラム、描画用データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部813によって検出された爪情報(爪Tの輪郭や爪Tの傾斜角度等)が記憶される爪情報記憶領域822、補正情報記憶領域823及び爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域824等が設けられている。
本実施形態において、記憶部82は、描画対象(爪T)を特定する情報と、当該描画対象の形状を示す情報とを登録する登録部として機能する(例えば、記憶部82の爪画像記憶領域821、爪情報記憶領域822、補正情報記憶領域823)。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
また、本実施形態では、撮影制御部811は、画像投影部60によって元画像が投影された爪Tの表面を撮影装置51により撮影して、投影画像を取得する。以下では、元画像が投影された爪Tの表面を撮影した画像から爪Tの部分を除去したものを投影画像(例えば、図7(a)参照)とする。投影画像は、補正情報記憶領域823に記憶されてもよい。
例えば、投影制御部812は、描画対象面に投影する元画像を設定し、元画像データに基づく画像を表示パネルユニット61に表示させる。そして、光源62を点灯させ、元画像を描画対象面に投影する。このとき、投影制御部812は、角度調整部65を制御してミラー64の角度を調整し、撮影部50の斜め後方からでも元画像が適切に爪Tの表面に投影されるようにする。
なお、角度調整部65の調整は、撮影部50による撮影を行いながら、当該画像の位置や角度から元画像が正しく投影されているか否かを判断して自動的に行ってもよいし、撮影部50による撮影を行いながら当該画像を表示部13等に表示させ、ユーザが表示部13等に表示された画像を目視にて確認し、操作部12等から手動で調整を行ってもよい。
ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置のXY座標等)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)等である。
変形取得部814は、撮影部50によって投影画像が取得されたときに、元画像を基準としたときの投影画像の変形度合を取得する。
図6(a)に示すように、本実施形態における元画像は、繰り返し柄である網目状の模様が全面に形成されたパターン画像である。
この網目状の模様の元画像を、凹凸部Taを有し幅方向に湾曲した図4(a)及び図4(b)に示すような爪Tの表面に投影すると、その投影画像は、図6(b)に示すように、爪Tの形状に応じて網目模様が歪み変形したものとなる。
図7(a)は、撮影部50によって撮影された画像(爪Tに投影画像が重畳された画像)から爪Tの画像を取り除いて、元画像に対応する変形後の画像である投影画像を抽出した例を示したものである。
図7(a)に示すように、元画像を表面に凹凸部Taのある爪Tに投影すると、図6(a)に示す元画像の網目模様が爪Tの表面形状に応じて線の一部が伸長又は収縮し、歪みが生じる。
なお、本実施形態では、元画像を爪Tの表面に投影して撮影を行い、投影画像を取得したのち、変形取得部814が両者を比較して変形(変位)を検出できなかった場合には、画像投影部60は、元画像を、その面内方向の角度を変えながら爪Tの表面に投影させ、撮影部50は、角度の異なる複数の投影画像を取得し、変形取得部814は、複数の投影画像について、それぞれ元画像を基準としたときの変形度合を取得するようになっている。
具体的には、表示パネルユニット61に表示させる元画像を面内方向に所定角度回転させ、回転後の元画像を再度爪Tの表面に投影して撮影を行って投影画像を取得し、変形取得部814による変形(変位)の検出を行う。
なお、変形取得部814が元画像と投影画像とを比較して変形(変位)を検出することができた場合でも、元画像を所定角度ずつ複数回回転させて、異なる角度で撮影された複数の投影画像を取得してもよい。これにより、例えば、目の粗い格子柄や、ストライプ柄等の元画像を用いる場合でも、補正情報を得ることのできない空白部分を極力減らすことができ、より詳細で正確性の高い補正情報を取得することができる。
なお、元画像を面内方向に回転させながら複数の投影画像を取得することは必須ではなく、1つの投影画像から補正情報を取得してもよい。
また、元画像を回転させる場合、回転させる角度、何回回転させるかは特に限定されず、任意に設定可能である。
また、元画像を構成する全画素についてその座標値の変位を取得するのではなく、例えば、図6(a)に示す元画像の網目模様の網の交差している点等、所定の点について、それぞれ座標値の変位を取得し、これを変形度合のデータとしてもよい。
そして、変形取得部814は、この変形度合を取得すると、元画像から投影画像への変形を解消させるような逆変換データを生成する。
図7(b)に示すように、逆変換データに基づく画像(図7(b)に示す画像)は、元画像(図6(a)に示す画像)を基準としたときに、投影画像(図7(a)に示す画像)において変位(変形)した部分について、投影画像とは逆方向に変位(変形)させたものである。
図7(c)は、図7(b)に示す逆変換データに基づく画像を仮に爪Tの表面に投影した場合の画像の見え方を例示したものである。
図7(c)に示すように、逆変換データに基づく画像を爪Tの表面に投影すると、元画像(図6(a)に示す画像)における網目模様がそのまま歪まずに爪Tの表面に映し出される。このように、爪Tの表面に投影したときに見かけ上歪みのない画像となるような画像データであれば、これに基づいて爪Tの表面に描画を行った場合にも見かけ上歪みのない画像を描画することができる。
また、変形取得部814によって取得された、元画像から投影画像への変形度合のデータや、逆変換データは、補正情報として補正情報記憶領域823等に記憶される。
爪情報記憶領域822に記憶された爪情報や補正情報記憶領域823に記憶された補正情報は、後述する描画データ生成部815が描画用データを生成する際の補正用のデータとして参照される。
この場合、一旦登録された補正情報はリセットや更新がなされるまで保存され、2回目以降の描画処理においては、既に登録されている情報がある場合、この既登録の補正情報がデフォルトとして参照されるようにしてもよい。 このようにすれば、描画処理を行う度に補正情報を得るための撮影等を行う必要がなく、これに要する手間と時間を省いて、描画処理をより迅速に行うことが可能となる。
具体的には、描画データ生成部815は、爪情報検出部813により検出された爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することにより爪Tの形状に合わせ込む合せ込み処理を行う。
具体的には、描画データ生成部815は、変形取得部814によって取得された変形度合に基づいて、描画対象面である爪Tの表面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する。
本実施形態では、描画データ生成部815は、変形取得部814により生成された逆変換データを用いて描画像のデータを補正する。
例えば、投影画像のサイズと描画像のサイズとが同じである場合には、投影画像の各画素及びこれを逆変換した逆変換データの画像の各画素の座標値と、描画像のデータの各画素の座標値は一致する。
このため、描画像の各画素の座標値を、逆変換データの画像の対応する各画素の座標値に合せて変換することにより、湾曲したり凹凸部Taを有する爪Tの表面に描画した場合に、見かけ上、元のネイルデザインと同じに見えるような描画用データを生成することができる。
なお、投影画像の角度を変えながら複数回の撮影が行われ、複数の投影画像が取得された場合には、描画データ生成部815は、これら複数の投影画像の変形度合に基づいて、描画対象面である爪Tの表面に描画する描画像のデータを補正する。
本実施形態において、描画制御部816は、撮影部50による撮影が行われるときは、撮影装置51が爪Tの上方(真上)に配置されるようにヘッド移動部49を制御する。
ネイルプリント装置1によりネイルプリントを行う場合には、表示制御部817は、ネイルデザイン記憶領域824からネイルデザインを読み出して、ユーザにネイルデザインの選択を求める画面を表示部13に表示させる(ステップS1)。ユーザが表示部13に表示された中からユーザがいずれかのネイルデザインをタッチ操作等の入力操作を行うことにより選択すると、所望のネイルデザインが爪Tに描画するデザインとして選択される。
さらに、表示制御部817は、描画対象となる爪Tを指固定部3にセットするよう指示する指示画面を表示させる(ステップS2)。
指U1指固定部3にセットされると、撮影制御部811が撮影部50を制御して爪Tを撮影し、爪画像を取得する(ステップS3)。そして、爪情報検出部813により爪Tの輪郭等の爪情報が検出される(ステップS4)。
既登録の爪Tでない場合(ステップS5;NO)には、投影制御部812が画像投影部60を制御することにより、指固定部3内の爪Tの表面に図6(a)に示すような元画像を投影させ、この状態で撮影部50により爪Tを撮影して、図7(a)に示すような投影画像を取得する(ステップS6)。
投影画像が取得されると、変形取得部814が元画像と投影画像とを比較して変形度合を検出する(ステップS7)。そして、変形取得部814は、変形度合が検出できたか否かを判断し(ステップS8)、変形が検出できない場合(ステップS8;NO)には、画像投影部60により爪Tに投影する画像を所定角度回転させてから(ステップS9)、ステップS6に戻って処理を繰り返す。
また、指固定部3にセットされた爪Tが既登録の爪Tであった場合(ステップS5;YES)には、描画データ生成部815は、補正情報記憶領域823に登録されている当該爪Tの補正情報を読み出す(ステップS12)。
そして、描画データ生成部815は、ユーザによって選択されたネイルデザインの描画像のデータを読み込み(ステップS13)、当該描画像のデータを、当該爪Tに対応する補正情報及びこれを含む爪情報に基づいて補正し、描画用データを生成する(ステップS14)。
描画データ生成部815により生成された描画用データは、描画制御部816に送られ、描画制御部816がこの描画用データを描画部40に出力して、描画処理を開始させる(ステップS15)。
描画制御部816は、描画処理が終了したか否かを判断し(ステップS16)、描画処理が終了していない場合(ステップS16;NO)には、ステップS15に戻って描画処理を続行する。
他方、当該爪Tについてのネイルデザインの描画が終了すると(ステップS16;YES)、本実施形態における描画処理が終了する。
描画処理が終了した際には、表示部13等にその旨を表示させるようにしてもよい。
描画処理が終了すると、ユーザは、装置内から指U1を取り外し、描画部分の乾燥やオーバーコート剤の塗布等の後処理を行う。
これにより、爪Tの表面に皺や窪み等の凹凸部Taがある場合でも、爪Tを削って表面を整える事前処理を行うことなく、歪みや変形のない美しい仕上がりのネイルプリントを行うことができる。
このため、ユーザがネイルプリント前に事前処理を行う時間や手間を省くことができ、手軽にネイルプリントを楽しむことができる。また、事前処理として爪Tを削る等を行う必要がないため、爪Tの厚みが薄くなることがなく、爪を削ることに伴う爪Tの割れや病気の発生のリスクを回避することができる。
さらに、元画像を基準としたときの投影画像の変形度合から爪Tの立体的な形状を把握して、これに基づき描画用データを生成することができるため、幅方向に湾曲している爪Tに描画する際にも爪Tの高さ方向の形状を別途計測する必要がない。また、当該爪Tの立体形状を描画用データに反映させることができるため、爪Tの湾曲形状を既成のパターンに分類して補正値を決める場合等に比べて、より爪Tの形状に合った正確な曲面補正を行うことができる。
これにより、逆変換データを当てはめるだけで正確な補正を行うことができる。
このため、未登録の指の爪Tが対象となる場合には、元画像を投影することで爪Tの表面形状に対応した正確な補正情報を取得することができるとともに、爪Tが既に登録されたものである場合には、既に登録されている情報を利用することにより、補正情報を得るための処理を省略することができ、迅速な描画処理を実現することができる。
このため、未登録の爪Tも次回からは既登録の爪Tとして、各種処理を省略して簡易・迅速に正確な爪Tの領域内に描画を施すことが可能となる。
例えば、変形取得部814により取得された変形度合のデータそのものに基づき、描画データ生成部815において元画像から投影画像への変形を解消させるような補正を描画像データに対して掛けることで描画用データを生成してもよい。
例えば、ネットワーク回線等を介して接続可能なサーバ装置等にネイルデザインの画像データを記憶させておき、サーバ装置等にアクセスしてネイルデザインの画像データを参照可能に構成してもよい。
このようにすることで、より多くのネイルデザインの中から描画するデザインを選択することが可能となる。
例えば、爪Tの表面にペン先を付けて描画を行う描画用のペンを保持するペンホルダを備え、ペンを用いて描画を行うようにしてもよい。また、本実施形態のようなインクジェット方式の描画ヘッドと描画用のペンを保持するペンホルダとを両方備えて、複数の描画手段を用いて描画を行う構成としてもよい。
例えば、爪Tに貼り付けて用いられる爪チップ等、爪様の形状のものであっても、描画システムにおいて描画可能な「爪」とすることができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
元画像を描画対象の描画対象面に投影する画像投影部と、
前記画像投影部によって前記元画像が投影された状態の前記描画対象面を撮影して投影画像を取得する撮影部と、
前記元画像を基準としたときの前記投影画像の変形度合を取得する変形取得部と、
前記変形取得部によって取得された変形度合に基づいて、前記描画対象面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する描画データ生成部と、
を備える描画データ生成装置。
<請求項2>
前記変形取得部は、前記元画像から前記投影画像への変形を解消させるような逆変換データを生成し、
前記描画データ生成部は、この逆変換データを用いて前記描画像のデータを補正する請求項1に記載の描画データ生成装置。
<請求項3>
前記画像投影部によって投影される前記元画像は、全面に繰り返し柄が形成されたパターン画像である請求項1又は請求項2に記載の描画データ生成装置。
<請求項4>
前記画像投影部は、前記元画像を、その面内方向の角度を変えながら前記描画対象面に投影し、
前記撮影部は、角度の異なる複数の前記投影画像を取得し、
前記変形取得部は、複数の前記投影画像について、それぞれ前記元画像を基準としたときの変形度合を取得するものであり、
前記描画データ生成部は、複数の前記投影画像の変形度合に基づいて、前記描画対象面に描画する描画像のデータを補正する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画データ生成装置。
<請求項5>
前記描画データ生成部により生成された描画用データに基づいて前記描画対象面に描画を施す描画部を更に備えた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画データ生成装置。
<請求項6>
前記描画対象を特定する情報と、当該描画対象の形状を示す情報とを登録する登録部と、
前記描画部によって描画用データの描画を施す前記描画対象が、前記登録部に登録されている描画対象であるか否かを判断する判断部と、を更に備え、
前記画像投影部は、前記判断部によって前記登録部に登録されている描画対象ではないと判断した場合に、前記元画像を前記描画対象面に投影する請求項5に記載の描画データ生成装置。
<請求項7>
前記登録部は、前記判断部によって前記登録部に登録されている描画対象でないと判断された場合に、前記描画部によって描画対象面に描画が施された前記描画対象について、当該描画対象を特定する情報と、当該描画対象の形状を示す情報とを登録する請求項5又は請求項6に記載の描画データ生成装置。
<請求項8>
元画像を描画対象面に投影する画像投影工程と、
前記画像投影工程において前記元画像が投影された状態の前記描画対象面を撮影して投影画像を取得する撮影工程と、
前記元画像を基準としたときの前記投影画像の変形度合を取得する変形取得工程と、
前記変形取得工程において取得された変形度合に基づいて、前記描画対象面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する描画データ生成工程と、
を含んでいる描画データ生成方法。
40 描画部
41 描画ヘッド
50 撮影部
60 画像投影部
81 制御部
82 記憶部
811 撮影制御部
812 投影制御部
813 爪情報検出部
814 変形取得部
T 爪
U1 指
Claims (9)
- 元画像を描画対象としての爪の表面に投影する画像投影部と、
前記画像投影部によって前記元画像が投影された状態の前記爪の表面を撮影して投影画像を取得する撮影部と、
前記元画像を基準としたときの前記投影画像の変形度合を取得する変形取得部と、
前記変形取得部によって取得された変形度合に基づいて、前記爪の表面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する描画データ生成部と、
を備え、
前記画像投影部は、前記撮影部に対して前記爪に対応する指に沿った方向に並ぶように配置されている描画データ生成装置。 - 前記変形取得部は、前記元画像から前記投影画像への変形を解消させるような逆変換データを生成し、
前記描画データ生成部は、この逆変換データを用いて前記描画像のデータを補正する請求項1に記載の描画データ生成装置。 - 前記画像投影部によって投影される前記元画像は、全面に繰り返し柄が形成されたパターン画像である請求項1又は請求項2に記載の描画データ生成装置。
- 前記画像投影部は、前記元画像を、その面内方向の角度を変えながら前記爪の表面に投影し、
前記撮影部は、角度の異なる複数の前記投影画像を取得し、
前記変形取得部は、複数の前記投影画像について、それぞれ前記元画像を基準としたときの変形度合を取得するものであり、
前記描画データ生成部は、複数の前記投影画像の変形度合に基づいて、前記爪の表面に描画する描画像のデータを補正する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画データ生成装置。 - 前記描画データ生成部により生成された描画用データに基づいて前記爪の表面に描画を施す描画部を更に備えた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画データ生成装置。
- 前記描画対象を特定する情報と、当該描画対象の形状を示す情報とを登録する登録部と、
前記描画部によって描画用データの描画を施す前記描画対象が、前記登録部に登録されている描画対象であるか否かを判断する判断部と、
を更に備え、
前記画像投影部は、前記判断部によって前記登録部に登録されている描画対象ではないと判断した場合に、前記元画像を前記爪の表面に投影する請求項5に記載の描画データ生成装置。 - 前記登録部は、前記判断部によって前記登録部に登録されている描画対象でないと判断された場合に、前記描画部によって描画対象面に描画が施された前記描画対象について、当該描画対象を特定する情報と、当該描画対象の形状を示す情報とを登録する請求項6に記載の描画データ生成装置。
- 描画データ生成装置が実行する描画データ生成方法であって、
画像投影手段により元画像を爪の表面に投影する画像投影工程と、
前記画像投影工程において前記元画像が投影された状態の前記爪の表面を撮影手段により撮影して投影画像を取得する撮影工程と、
前記元画像を基準としたときの前記投影画像の変形度合を取得する変形取得工程と、
前記変形取得工程において取得された変形度合に基づいて、前記爪の表面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する描画データ生成工程と、
を含み、
前記画像投影手段は、前記撮影手段に対して前記爪に対応する指に沿った方向に並ぶように配置されている描画データ生成方法。 - 描画データ生成装置のコンピュータに、
画像投影手段により元画像を爪の表面に投影する画像投影処理、
前記画像投影処理で前記元画像が投影された状態の前記爪の表面を撮影手段により撮影して投影画像を取得する撮影処理、
前記元画像を基準としたときの前記投影画像の変形度合を取得する変形取得処理、及び、
前記変形取得処理で取得された変形度合に基づいて、前記爪の表面に描画する描画像のデータを補正して描画用データを生成する描画データ生成処理、
を実行させ、
前記画像投影手段は、前記撮影手段に対して前記爪に対応する指に沿った方向に並ぶように配置されているプログラム。
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JP2012231824A (ja) | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Casio Computer Co Ltd | ネイルプリント装置及び印刷制御方法 |
WO2016086761A1 (zh) | 2014-12-03 | 2016-06-09 | 曹乃承 | 美甲装置和美甲、健康管理、信息推送方法 |
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