JP7019834B2 - レーザー転写印刷による少なくとも1つのシリコーン層の塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー転写印刷によって少なくとも1つのシリコーン層を塗布する方法に関し、この方法は、センサー、アクチュエーターおよび他のEAP層システムを製造するのに適している。
これらのシステムのシリコーン層は、導電性電極層として、または誘電体層として機能することができる。この方法は、連続的であるように構成することができ、かつさまざまな他のコーティング技術と組み合わせることができる。
シリコーン層および/またはシリコーンをベースとする層システムを製造するためのさまざまな方法は、先行技術において公知である。
独国特許出願公開第19644112A1号には、シリコーンゴムキャストフィルムを製造するための連続的な方法が記載されている。この方法では、二成分シリコーン化合物が、対応する厚さおよび幅で循環ベルト上にキャストされる。加熱システムからの熱の導入は、循環ベルト上に熱的に活性化された加硫を生じさせる。フィルムが硬化すると、循環ベルトから取り出され、さらに熱処理され、最後にロールアップされる。
国際公開第2014/090506A1号には、均一な膜厚の薄いシリコーンフィルムを連続的に製造する方法が記載されており、また、この方法によって製造されたシリコーンフィルムおよびそれらの使用が記載されている。この場合には、シリコーン化合物は、スロットダイを通してキャリアベルト上に押し出され、硬化される。フィルムが硬化したら、キャリアベルトから取り出すことができ、またはキャリアベルトで巻き取ることができる。
国際公開第2015/113911A1号には、均一な層厚さの少なくとも2層の薄いシリコーン層を有する多層複合体を製造する方法が記載されている。
米国特許出願公開第2016/0057835A1号には、電気活性層システムおよび構成要素の製造が記載されている。これに関連して、非導電層上にシート状電極(導電層)を製造する方法および工程が記載されている。さらに、電気化学的フィラーまたは層との使用について言及している。
米国特許出願公開第2016/156066A1号には、さまざまなドーパントを用いた蒸着(i-CVD)によって薄いポリマー層を変性する方法が記載されている。ここで、真空操作では、ポリマーは、任意の所望の表面または幾何学的形状の上に、可変ドーパントを用いて、均一かつ非常に薄く堆積される。
国際公開第2014/187976A1号には、連続積層方法(ロール・ツー・ロール法における乾式堆積)によってエラストマーをベースとするフィルム積層アクチュエーターを製造する方法が記載されている。積層体は、キャリアおよび積層フィルムからエラストマーフィルムを予め剥離し、電極材料で印刷された別のエラストマーフィルム上にそのエラストマーフィルムを堆積し、これらの工程を複数回繰り返すことによって製造される。
独国特許出願公開第10 2014 005 851 A1号には、エラストマー積層アクチュエーターを製造するための装置および連続積層方法が記載されている。この方法は、供給される、既にコーティングされた電極-エラストマーフィルム複合体の精密な積層に限定される。循環キャリアベルトまたは連続供給を用いて、積層手順を複数回繰り返すことにより、多層構造を構築する。積層精度は、調整ユニットによって、ならびに光学的および電気的センサー技術によって達成される。電極は、各積層工程の後、接触材料で充填されたスルーホールを形成することによって接触される。
国際公開第2014/074554A2号には、循環操作で多層の積層された電気活性変換器を製造するための方法が記載されている。2つの独立したロールが、キャリアベルトから予め離された電気活性ポリマーの超薄フィルムを連続的な積層工程に供給する。全体的な操作はまた、電極用の印刷ステーション、およびそれぞれの積層工程の前の接着剤の塗布を含む。
独国特許出願公開第10 2014 003 357 A1号には、表面変性シリコーン層を製造する方法が記載されている。この方法では、導電性粒子(カーボンブラック、CNT、銀ナノ粒子)を非架橋シリコーン層に塗布し、続いて複合システム内で硬化させる。粒子を塗布する方法は、シリコーン表面への部分的浸透を含む機械的塗布に関する。
シリコーン層を塗布するための既知の方法、特にアクチュエーター、センサー、および他の電気活性ポリマー層システムの電極層および/または誘電体層を製造するのに適したものは、その可変性、塗布の精度、スループット、ならびに後に達成されるロバスト性および構成要素の有効性に限界がある。
層を塗布するための、先行技術で公知の方法の1つは、レーザー転写印刷と呼ばれるものである。しかし、この方法の使用は、これまで、低粘度の液体インクおよび分散液ならびに金属に限定されてきた。
例えば、国際公開第2009/153192A2号には、金属粉末分散液がキャリアに塗布され、レーザビームによってそのキャリアから剥離され標的上に移行される、半導体構造上に導電層を製造する方法が記載されている。
国際公開第2010/069900A1号には、インクのレーザー転写印刷が記載されている。
国際公開第2015/181810A1号には、金属構造を印刷するためのレーザー転写法が記載されている。透明キャリア上の金属膜を局所的に加熱し、滴の形態で位置決めする。
したがって、本発明の目的は、シリコーン層の効果的な塗布を可能にする柔軟な方法を開発することであり、その方法は、センサー、アクチュエーター、または電気活性ポリマー(EAP)をベースとする他の構成要素のための誘電体層および電極層としてのシリコーン層またはシリコーン層システムの製造を可能にすることを意図している。
その目的は、驚くべきことに、本発明によって達成される。レーザー転写印刷によるシリコーン層の塗布により、施設内でEAP層またはEAP層システムの効率的な製造が可能になり、また、導体トラック、加熱システムおよび抵抗器などの電子素子の印刷も可能になる。印刷されたシステムは、少ない操作工程および/または最適化された操作工程の結果として、より良い品質を示す。この方法は、例えば、シリコーンエラストマーエレクトロニクスの連続生産を可能にし、また、帯電表面および可撓性に関して最適な電極も可能にする。
図1は、多層シリコーンエラストマーシステムの製造のためのロール・ツー・ロール法の工程図を示す。 図2は、循環ベルトを用いた、多層シリコーンエラストマーシステムの製造の工程図を示す。 図3は、レーザー転写操作の図を示す。 図4は、シリコーン組成物をレーザー転写印刷に適した印刷化合物キャリアに塗布することに関連する図を示す。 図5は、液体を用いてフィルムキャリアからシリコーンフィルムを剥離する機序の図を示す。 図6は、複合電極の構成を示す。
本発明は、レーザー転写印刷によって少なくとも1つのシリコーン層を塗布する(applying)方法に関し、該方法は、以下の工程:
(i)レーザー光源を用意すること、
(ii)印刷化合物キャリアをレーザー光源の下に設けること、ここで、印刷化合物キャリアは、レーザー光に対して透光性があり、架橋性シリコーン組成物でその下側がコーティングされており、架橋性シリコーン組成物の少なくとも表面が電位phi_1に帯電しており、
(iii)印刷化合物キャリアの下に堆積キャリアを設けること、
(iv)電極を堆積キャリアの下に設けること、ここで、電極は電位phi_3に帯電しており、phi_1とphi_3とは反対の極性を有し、
(v)架橋性シリコーン組成物の少なくとも一部が剥離され、堆積キャリアに転写されるように、印刷化合物キャリアにレーザー光を照射すること、ならびに
(vi)堆積キャリアに転写されたシリコーン組成物を完全にまたは部分的に架橋することによってシリコーン層を形成すること
を含む。
本発明の文脈において、phiはΦを意味する。
シリコーン層に用いることができる原料物質は、原則として先行技術で公知のすべてのシリコーン組成物を含む。シリコーン組成物は、その架橋が、レーザー転写印刷に使用されるレーザー照射によって既に引き起こされないように好ましくは選択される。組成物は、好ましくはシリコーンエラストマー組成物である。
使用されるシリコーンエラストマー組成物は、例えば付加架橋性、過酸化物架橋性、縮合架橋性または放射線架橋性組成物でありうる。過酸化物架橋性または付加架橋性組成物が好ましい。付加架橋性組成物が特に好ましい。
シリコーンエラストマー組成物は、一成分または二成分配合物(one- or two-component formulations)を有することができる。シリコーンエラストマー組成物は、熱の供給、UV光および/または水分によって架橋される。好適な例は、以下のシリコーンエラストマー組成物である:HTV(付加架橋)、HTV(放射線架橋)、LSR、RTV2(付加架橋)、RTV2(縮合架橋)、RTV1、TPSE(熱可塑性シリコーンエラストマー)、チオール-エンおよびシアノアセトアミド架橋系。
付加架橋性シリコーン組成物は、最も単純なものとして、
(A)脂肪族炭素-炭素多重結合を有する基を含む、少なくとも1つの直鎖状化合物、
(B)Si結合した水素原子を有する、少なくとも1つの直鎖状オルガノポリシロキサン化合物、
または(A)および(B)の代わりに、または(A)および(B)に加えて、
(C)脂肪族炭素-炭素多重結合を有するSiC結合した基、およびSi結合した水素原子を含む、少なくとも1つの直鎖状オルガノポリシロキサン化合物、ならびに
(D)少なくとも1つのヒドロシリル化触媒
を含む。
1つの特定の実施形態では、シリコーン組成物は、例えば国際公開第2018/177523A1号に記載のフッ素化された側基を有するシリコーンエラストマー組成物である。その実施形態では、成分(A)、(B)および/または(C)は、好ましくは少なくとも2.5モル%、より好ましくは少なくとも5モル%のフッ素化された側基、例えば、3,3,3-トリフルオロプロピルメチルシロキシおよび/またはビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキシ基を含む。
シリコーン組成物は、一成分シリコーン組成物および二成分シリコーン組成物であることができる。後者の場合、本発明の組成物の二つの成分は、一般に、一つの成分が脂肪族多重結合をもつシロキサン、Si結合した水素をもつシロキサンおよび触媒を同時に含有しないこと、すなわち、言い換えれば、本質的に、構成成分(A)、(B)および(D)、または(C)および(D)を同時に含有しないことを条件として、任意の所望の組合せですべての構成成分を含むことができる。
本発明の組成物で使用される化合物(A)および(B)および/または(C)は、架橋が可能であるように従来通り選択される。例えば、化合物(A)が少なくとも2つの脂肪族不飽和基を含み、化合物(B)が少なくとも3つのSi結合した水素原子を含むか、または化合物(A)が少なくとも3つの脂肪族不飽和基を含み、シロキサン(B)が少なくとも2つのSi結合した水素原子を含むか、あるいは化合物(A)および(B)の代わりに、脂肪族不飽和基およびSi結合した水素原子を上記割合で含むシロキサン(C)が使用される。また、脂肪族不飽和基およびSi結合した水素原子を上記割合で有する、(A)、(B)および(C)の混合物も好適である。
本発明により使用される化合物(A)は、好ましくは少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する、ケイ素を含まない有機化合物、また、好ましくは少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する有機ケイ素化合物、またはそれらの混合物を含むことができる。
ケイ素を含まない有機化合物(A)の例は、1,3,5-トリビニルシクロヘキサン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、7-メチル-3-メチレン-1,6-オクタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、4,7-メチレン-4,7,8,9-テトラヒドロインデン、メチルシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、ビニル基含有ポリブタジエン、1,4-ジビニルシクロヘキサン、1,3,5-トリアリールベンゼン、1,3,5-トリビニルベンゼン、1,2,4-トリビニルシクロヘキサン、1,3,5-トリイソプロペニルベンゼン、1,4-ジビニルベンゼン、3-メチルヘプタ-1,5-ジエン、3-フェニルヘキサ-1,5-ジエン、3-ビニルヘキサ-1,5-ジエン、および4,5-ジメチル-4,5-ジエチルオクタ-1,7-ジエン、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパントリアクリレート、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパントリメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジアリルエーテル、ジアリルアミン、炭酸ジアリル、N,N’-ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリス(2-メチルアリル)アミン、2,4,6-トリアリールオキシ-1,3,5-トリアジン、トリアリル-s-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)トリオン、マロン酸ジアリル、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸ポリプロピレングリコールである。
構成成分(A)として、本発明のシリコーン組成物は、少なくとも1つの脂肪族不飽和有機ケイ素化合物を好ましくは含み、その場合、付加架橋性組成物で現在までに使用されているすべての脂肪族不飽和有機ケイ素化合物を使用することができる。例えば、尿素セグメントを有するシリコーンブロックコポリマー、アミドセグメント、および/またはイミドセグメント、および/またはエステルアミドセグメント、および/またはポリスチレンセグメント、および/またはシラリレンセグメント、および/またはカルボランセグメントを有するシリコーンブロックコポリマー、ならびにエーテル基を有するシリコーングラフトコポリマーなどである。
脂肪族炭素-炭素多重結合をもつSiC結合した基を有する、使用される有機ケイ素化合物(A)は、一般式(I)の単位を含む、直鎖状または分岐状オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
SiO(4-a-b)/2 (I)
式(I)中、Rは、出現毎に独立して、同一または異なって、脂肪族炭素-炭素多重結合を含まない有機基または無機基であり、
は、出現毎に独立して、同一または異なって、少なくとも1つの脂肪族炭素-炭素多重結合を有する、置換または非置換の、SiC結合した、一価の炭化水素基であり、
aは、0、1、2、または3であり、
bは、0、1、または2であり、
ただし、和a+bは3以下であり、1分子当たり少なくとも2つの基Rが存在する。
基Rは、一価または多価の基を含むことができる。この場合、二価、三価および四価の基などの多価の基は、例えば2つ、3つまたは4つなどの2つ以上の、例えば式(I)のシロキシ単位を互いに結合する。
の更なる例は、一価の基である、-F、-Cl、-Br、-OR、-CN、-SCN、-NCO、および酸素原子または-C(O)-基によって中断されうる、SiC結合した、置換または非置換の炭化水素基、ならびにまた、式(I)に従って、両側にSi結合した二価の基である。基RがSiC結合した置換炭化水素基を含む場合、好ましい置換基は、ハロゲン原子、リン含有基、シアノ基、-OR、-NR-、-NR 、-NR-C(O)-NR 、-C(O)-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-SO-Phおよび-Cである。その場合は、Rは、出現毎に独立して、同一または異なって、水素原子または炭素数1~20の一価の炭化水素基を示し、Phはフェニル基である。
基Rの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基などのヘキシル基、n-ヘプチル基などのヘプチル基、n-オクチル基、および2,2,4-トリメチルペンチル基などのイソオクチル基などのオクチル基、n-ノニル基などのノニル基、n-デシル基などのデシル基、n-ドデシル基などのドデシル基、ならびにn-オクタデシル基などのオクタデシル基などのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリル基などのアリール基;o-、m-、p-トリル基、キシリル基、およびエチルフェニル基などのアルカリール基;ならびにベンジル基、α-およびβ-フェニルエチル基などのアラルキル基である。
置換された基Rの例は、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル基、2,2,2,2’,2’,2‘-ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基などのハロアルキル基;o-、m-およびp-クロロフェニル基、-(CH)-N(R)C(O)NR 、-(CH-C(O)NR 、-(CH-C(O)R、-(CH-C(O)OR、-(CH-C(O)NR 、-(CH)-C(O)-(CHC(O)CH、-(CH)-O-CO-R、-(CH)-NR-(CH-NR 、-(CH-O-(CHCH(OH)CHOH、-(CH(OCHCHOR、-(CH-SO-Phおよび-(CH-O-C、などのハロアリール基であり、ここで、RおよびPhは上記の定義に一致し、oおよびpは0~10の同一または異なる整数である。
式(I)に従って、両側にSi結合した二価の基としてのRの例は、水素原子の置換を通して生じる追加の結合に基づいて、上述の基Rの一価の例に由来する基であり、そのような基の例は、以下の通りである。-(CH)-、-CH(CH)-、-C(CH-、-CH(CH)-CH-、-C-、-CH(Ph)-CH-、-C(CF-、-(CH-C-(CH-、-(CH-C-C-(CH-、-(CHO)、(CHCHO)、-(CH-O-C-SO-C-O-(CH-。ここで、xは0または1であり、Ph、oおよびpは上述の定義を有する。
基Rは、好ましくは、1~18個の炭素原子を有し、脂肪族炭素-炭素多重結合を含まない、SiC結合した、任意選択で置換された一価の炭化水素基、より好ましくは、1~6個の炭素原子を有し、脂肪族炭素-炭素多重結合を含まない、SiC結合した、一価の炭化水素基、より具体的にはメチル基またはフェニル基、を含む。
式(I)中の基Rは、SiH官能性化合物との付加反応(ヒドロシリル化)に適している任意の所望の基を含むことができる。
基RがSiC結合した、置換炭化水素基を含む場合、好ましい置換基はハロゲン原子、シアノ基および-ORであり、ここで、Rは上述の定義を有する。
好ましくは、基Rは、ビニル、アリル、メタリル、1-プロペニル、5-ヘキセニル、エチニル、ブタジエニル、ヘキサジエニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、ビニルシクロヘキシルエチル、ジビニルシクロヘキシルエチル、ノルボルネニル、ビニルフェニルおよびスチリル基などの炭素数が2~16のアルケニル基およびアルキニル基を含み、ビニル、アリルおよびヘキセニル基が特に使用に好ましい。
構成成分(A)の分子量は、例えば10~10g/molのように広い範囲内でさまざまでありうる。したがって、例えば、構成成分(A)は、1,2-ジビニルテトラメチル-ジシロキサンなどの比較的低い分子量のアルケニル官能性オリゴシロキサンを含むことができるが、鎖内または末端Si結合ビニル基を有する、例えば、10g/mol(NMRによって求めた数平均)の分子量を有する高分子ポリジメチルシロキサンであることもできる。構成成分(A)を形成する分子の構造も固定されず、特に、比較的高い分子量のシロキサンの構造、言い換えればオリゴマーまたはポリマーのシロキサンは、直鎖状、環状、分岐状、あるいは樹脂状、ネットワーク状であることができる。好ましくは、直鎖状および環状ポリシロキサンは、式R SiO1/2、R SiO1/2、RSiO1/2、およびR SiO2/2の単位から構成され、ここで、RおよびRは上記の定義を有する。分岐状およびネットワーク状ポリシロキサンは、3官能性および/または4官能性単位をさらに含み、式RSiO3/2、RSiO3/2およびSiO4/2のものが好ましい。構成成分(A)の基準を満たす異なるシロキサンの混合物も使用できることが理解される。
成分(A)としては、粘度が0.01~500000Pa・s、より好ましくは0.1~100000Pa・sである、ビニル官能性の、実質的に直鎖状のポリジオルガノシロキサンの使用が特に好ましい。粘度は、いずれの場合も、25℃で、DIN EN ISO3219:1994およびDIN53019に従って、コーンプレートシステム、開口角2°のコーンCP50-2を有する較正済みレオメーターを使用して、剪断速度1s-1で測定される。
有機ケイ素化合物(B)として、現在まで付加架橋可能な組成物に用いられてきた水素官能性有機ケイ素化合物をすべて使用することができる。
Si結合した水素原子を有する、使用されるオルガノポリシロキサン(B)は、好ましくは、一般式(III)の単位から構成される、直鎖状、環状または分岐状のオルガノポリシロキサンである。
SiO(4-c-d)/2 (III)
式(III)中、Rは、上述の定義を有し、
cは、0、1、2または3であり、
dは、0、1または2であり、
ただし、和c+dは3以下であり、1分子当たり少なくとも2個のSi結合した水素原子が存在する。
本発明において使用されるオルガノポリシロキサン(B)は、Si結合した水素を、オルガノポリシロキサン(B)の総重量に対して0.04~1.7重量%の範囲で含むことが好ましい。
構成成分(B)の分子量も同様に、例えば10~10g/molのように広い範囲内でさまざまでありうる。したがって、構成成分(B)は、例えば、テトラメチルジシロキサンなどの比較的低い分子量のSiH官能性オリゴシロキサンを含むことができ、または代替的にSiH基を有するシリコーン樹脂もしくは鎖内または末端にSiH基を有する高分子ポリジメチルシロキサンを含むことができる。
構成成分(B)を形成する分子の構造も特に固定されず、特に、比較的高い分子量のSiH含有シロキサンの構造、言い換えればオリゴマーまたはポリマーのシロキサンは、直鎖状、環状、分岐状、あるいは樹脂状、ネットワーク状であることができる。直鎖状および環状ポリシロキサン(B)は、好ましくは式R SiO1/2、HR SiO1/2、HRSiO2/2、およびR SiO2/2の単位で構成され、Rは上記の定義を有する。さらに、分岐およびネットワーク状ポリシロキサンは、三官能性および/または四官能性単位をさらに含み、式RSiO3/2、HSiO3/2、およびSiO4/2のものが好ましく、ここで、Rは上記の定義を有する。
構成成分(B)の基準を満たす異なるシロキサンの混合物も使用できることが理解される。特に、構成要素(B)を形成する分子は、必須のSiH基に加えて、任意選択で同時に、脂肪族不飽和基を含むことができる。テトラキス(ジメチルシロキシ)シランやテトラメチルシクロ-テトラシロキサンなどの低分子量のSiH官能性化合物、および25℃で10~20000mPa・sの粘度をもつポリ(ハイドロジェンメチル)シロキサンやポリ(ジメチルハイドロジェンメチル)シロキサンなどのより高い分子量のSiH含有シロキサン、またはメチル基の一部が3,3,3-トリフルオロプロピルもしくはフェニル基で置換された同様のSiH含有化合物の使用が特に好ましい。粘度は、DIN EN ISO3219:1994およびDIN53019に従って、コーンプレートシステム、開口角2°のコーンCP50-2を有する較正済みレオメーターを使用して、剪断速度1s-1で測定される。
本発明の架橋性シリコーン組成物の構成成分(B)の量は、(A)からの脂肪族不飽和基に対するSiH基のモル比が、好ましくは0.1~20、より好ましくは0.3~2.0となるものである。
本発明に従って使用される成分(A)および(B)は、市販品であり、および/または一般的な方法で調製することができる。
成分(A)および(B)の代わりに、本発明のシリコーン組成物は、脂肪族炭素-炭素多重結合とSi結合した水素原子とを同時に有するオルガノポリシロキサン(C)を含むことができる。また、本発明のシリコーン組成物は、成分(A)、(B)および(C)の3成分すべてを含むことができる。
シロキサン(C)が使用される場合、該シロキサン(C)は、一般式(IV)、(V)および(VI)の単位から構成されることが好ましい。
SiO4/2 (IV)
SiO3-g/2 (V)
HSiO3-h/2 (VI)
上記式中、RおよびRは、上記で示した定義を有し、
fは、0、1、2または3であり、
gは、0、1または2であり、
hは、0、1または2であり、
ただし、1分子当たり少なくとも2個の基Rおよび少なくとも2個のSi結合した水素原子が存在する。
オルガノポリシロキサン(C)の例は、MP樹脂として知られている、SiO4/2、R SiO1/2、R SiO1/2およびR HSiO1/2単位を含むものであって、該樹脂は、RSiO3/2およびR SiO単位をさらに含みことができ、また、実質的にR SiO1/2、R SiOおよびRHSiO単位からなる直鎖状オルガノポリシロキサンであり、RおよびRは上記定義を満たす。
オルガノポリシロキサン(C)は、いずれの場合も、25℃で、DIN EN ISO3219:1994およびDIN53019に従って、コーンプレートシステム、開口角2°のコーンCP50-2を有する較正済みレオメーターを使用して、剪断速度1s-1で測定して、好ましくは0.01~500000Pa・s、より好ましくは0.1~100000Pa・sの平均粘度をもつ。
オルガノポリシロキサン(C)は市販されている、または一般的な方法で調製可能である。
本発明の付加架橋性シリコーン組成物は、
・化合物(A)、(B)および(D)のそれぞれ少なくとも1つ、
・化合物(C)および(D)のそれぞれ少なくとも1つ、ならびに
・化合物(A)、(B)、(C)および(D)のそれぞれ少なくとも1つ
を含む群より選択することができる。
ここで、定義は、以下の通りである。
(A)脂肪族炭素-炭素多重結合を有する基を少なくとも2つ含む、有機化合物または有機ケイ素化合物、
(B)Si結合した水素原子を少なくとも2つ含む有機ケイ素化合物、
(C)脂肪族炭素-炭素多重結合を有するSiC結合した基、およびSi結合した水素原子を含む有機ケイ素化合物、ならびに
(D)ヒドロシリル化触媒。
シリコーン組成物は、シリコーン組成物の総質量に対して、典型的には30~95重量%、好ましくは30~80重量%、より好ましくは40~70重量%の(A)を含む。
シリコーン組成物は、シリコーン組成物の総質量に対して、典型的には0.1~60重量%、好ましくは0.5~50重量%、より好ましくは1~30重量%の(B)を含む。
シリコーン組成物が実際に成分(C)を含む場合、配合物中に、シリコーン組成物の総質量に対して、典型的には30~95重量%、好ましくは30~80重量%、より好ましくは40~70重量%の(C)が存在する。
成分(D)の量は、成分の総重量に応じて、0.1~1000百万分率(ppm)、0.5~100ppm、または1~25ppmの白金族金属であることができる。
シリコーン組成物中に存在するすべての成分の量は、シリコーン組成物の総質量に対して、合計で100重量%を超えないように選択される。
ヒドロシリル化触媒(D)として、当業者に公知のすべての触媒を使用することが可能である。成分(D)は、例えば白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウムまたはイリジウムなどの白金族金属、または有機金属化合物、またはそれらの組合せであることができる。成分(D)の例は、ヘキサクロロ白金(IV)酸、二塩化白金、白金アセチルアセトネート、およびマトリックスまたはコア/シェル様構造に封入された前記化合物の錯体などの化合物である。オルガノポリシロキサンの低分子量白金錯体としては、白金との1,3-ジエテニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。他の例は、白金-ホスファイト錯体、白金-ホスフィン錯体またはアルキル白金錯体である。これらの化合物は、樹脂マトリックス内に封入することができる。
暴露時の成分(A)および(B)のヒドロシリル化反応を触媒するための成分(D)の濃度は、本明細書に記載の方法で必要とされる熱を発生させるために充分である。成分(D)の量は、成分の総重量に応じて、0.1~1000百万分率(ppm)、0.5~100ppm、または1~25ppmの白金族金属であることができる。白金族金属の構成成分が1ppm未満である場合、硬化速度が遅い可能性がある。100ppmを超える白金族金属の使用は、非経済的であるか、または接着配合物の安定性を低下させうる。
好ましくは、シリコーン組成物は一般式(VII)の白金錯体を含む。
Pt{CpR 5-r-t[(CRSiR [SiR 3-s} (VII)
式(VII)中、
Cpは、シクロペンタジエニル基を示し、
nは、1~8の整数であり、
oは、0、1、2または3であり、
pは、0、1、2または3であり、ただし、o+p=3であり、
rは、1、2、3、4または5、好ましくは1、2または3、より好ましくは1または2、より具体的には1であり、
tは、0、1、2、3または4、好ましくは0または1、より好ましくは1であり、ただし、r+t≦5、好ましくは3である。
sは、0、1または2、好ましくは2であり、
Rは、同じでも異なってもよく、水素原子、または置換もしくは非置換の一価の炭化水素基を示し、
は、同じでも異なってもよく、ヘテロ原子で中断されうる、非置換または置換の一価の炭化水素基を示し、
は、同じでも異なってもよく、加水分解性基または酸素を介して結合したシロキシ基を示し、
は、同じでも異なってもよく、ヘテロ原子で中断されうる、非置換もしくは置換の一価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、または酸素を介して結合したシロキシ基を示し、
は、同じでも異なってもよく、脂肪族不飽和で、任意選択で置換された基であり、
は、同じでも異なってもよく、非置換または置換の一価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、
は、同じでも異なってもよく、水素原子、SiC結合したシリル基、またはヘテロ原子で中断されうる、非置換もしくは置換の炭化水素基を示す。
そのような式(VII)の白金錯体の例は、以下の通りである。
・トリメチル[(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[((2-メチルアリル)ジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(トリメトキシシリル)メチル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(2-トリメトキシシリル)エチル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(3-トリメトキシシリル)プロピル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(3-ジメトキシメチルシリル)プロピル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(4-トリメトキシシリル)ブチル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(2-トリメトキシシリル)-1-メチルエチル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(3-トリメトキシシリル)-2-メチル-2-プロピル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[ビス(2-メチルアリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(トリメトキシシリル)メチルビス(アリルジメチル-シリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(2-トリメトキシシリル)エチル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(3-トリメトキシシリル)プロピル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(4-トリメトキシシリル)ブチル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(2-トリメトキシシリル)-1-メチルエチル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(3-トリメトキシシリル)-2-メチル-2-プロピル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[トリス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(トリエトキシシリル)メチル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(トリアセトキシシリル)メチル-(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(3-ビス-トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル](アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル白金(IV)、
・トリメチル[(3-トリエトキシシリル)プロピル-(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(トリエトキシシリル)メチル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(3-トリエトキシシリル)プロピル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリメチル[(トリエトキシシリル)メチル-トリス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリエチル[(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリス(トリメチルシリルメチル)[(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリエチル[(トリメトキシシリル)メチル(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリエチル[(トリメトキシシリル)メチル-ビス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、
・トリエチル[トリス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)および
・トリエチル[(トリメトキシシリル)メチルトリス(アリルジメチルシリル)シクロペンタジエニル]白金(IV)
これらの白金錯体は、例えば国際公開第2016/030325A1号に記載されている。
別の実施形態では、シリコーン組成物は、過酸化物架橋可能なシリコーン材料である。これらのシリコーン材料は、(成分Dとしての)有機過酸化物の添加を通して有機的に架橋することができる。この場合、シリコーン組成物は、少なくとも成分(A)および(D)からなる。その場合、好ましくは0.1~20重量%の成分(D)が本発明のシリコーンゴム材料中に存在する。使用できる成分(D)という意味での架橋剤は、先行技術に適合するすべての典型的な過酸化物を含む。成分(D)の例は、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、α-ヒドロキシペルオキシ-α’-ヒドロキシジシクロヘキシルペルオキシド、3,6-ジシクロヘキシリデン-1,2,4,5-テトロキサン、ジ-tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルtert-トリプチルペルオキシドおよびtert-ブチルトリエチル-5-メチルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシド;ジクミルペルオキシドなどのジアラルキルペルオキシド;tert-ブチルクミルペルオキシドおよびα,α’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-m/p-ジイソプロピルベンゼンなどのアルキルアラルキルペルオキシド;t-ブチルペルベンゾエートなどのアルキルアシルペルオキシド;ならびにジベンゾイルペルオキシド、ビス(2-メチルベンゾイルペルオキシド)、ビス(4-メチルベンゾイルペルオキシド)およびビス(2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド)などのジアシルペルオキシドである。ビニル特異的な過酸化物を使用することが好ましく、これらの主な代表的なものはジアルキルおよびジアラルキルペルオキシドである。2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサンおよびジクミルペルオキシドの使用が特に好ましい。個々の過酸化物または異なる過酸化物の混合物を使用することができる。過酸化物架橋性シリコーンゴム材料の構成成分(D)の量は、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.5~1.5重量%である。したがって、いずれの場合もシリコーン組成物の全質量に対して、架橋剤(D)が0.1~5.0重量%存在し、有機過酸化物または有機過酸化物の混合物を表すことを特徴とする本発明の架橋性シリコーンゴム材料が好ましい。
上記材料は、任意選択で、過酸化物および付加架橋性組成物を製造するために現在まで使用されてきたすべての更なるアジュバントを含むことができる。
これらのアジュバントは、先行技術で公知のすべての縮合架橋性シリコーンエラストマー組成物に添加することもできる。架橋の種類のより詳細な説明は、例えば欧州特許出願公開第0787766A1号に記載されている。
任意選択の成分の例としては、特に(E)フィラーが挙げられる。
本発明のシリコーン組成物中の成分として使用できる補強フィラーの例は、少なくとも50m/gのBET表面積を有する、ヒュームドシリカまたは沈降シリカであり、また、ファーネスブラックやアセチレンブラックなどのカーボンブラックおよび活性炭であり、少なくとも50m/gのBET表面積を有する、ヒュームドシリカおよび沈降シリカが好ましい。既述のシリカフィラーは、親水性を有していてもよく、または既知の方法で疎水性にしたものであってもよい。架橋性組成物中の積極的に補強するフィラーの量は、シリコーン組成物の全質量に基づいて、0~70重量%、好ましくは0~50重量%の範囲内である。
特に好ましくは、架橋性シリコーンゴム材料は、フィラー(E)が表面処理されていることを特徴とする。表面処理は、微粉化フィラーを疎水化するための先行技術で公知の方法によって得られる。疎水化は、例えば、ポリオルガノシロキサンに組み込む前に、またはポリオルガノシロキサンの存在下で、現場法(in-situ method)によって行うことができる。どちらの方法も、バッチ法としても、連続的にも行うことができる。使用が好ましい疎水化剤は、フィラー表面と反応して共有結合を形成できる、またはフィラー表面に恒久的に物理吸着されている有機ケイ素化合物である。疎水化剤の例は、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシランおよびtert-ブチルジメチルクロロシランなどのアルキルクロロシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシランおよびトリメチルエトキシシランなどのアルキルアルコキシシラン;トリメチルシラノール;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状ジオルガノ(ポリ)シロキサン;トリメチルシロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサンおよびシラノール末端基またはアルコキシ末端基を有するジメチルポリシロキサンなどの直鎖状ジオルガノポリシロキサン;ヘキサアルキルジシラザン、とりわけヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ビス(トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザンなどのジシラザン;ヘキサメチルシクロトリシラザンなどの環状ジメチルシラザンである。上述の疎水化剤の混合物も使用することができる。疎水化を促進するために、例えばアミン、金属水酸化物および水などの触媒活性添加剤の添加も任意選択で行う。
疎水化は、例えば、1つの工程で、1つの疎水化剤もしくは2つ以上の疎水化剤の混合物を使用して、または2つ以上の工程で、1つもしくは複数の疎水化剤を使用して達成することができる。
表面処理の結果として、好ましいフィラー(E)は、シリコーン組成物の総質量に対して、少なくとも0.01から最大で20重量%まで、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%の炭素含有量を有する。フィラー(E)が、フィラーの総質量に対して0.01~2重量%のSi結合した脂肪族不飽和基を有する表面処理シリカであることを特徴とする架橋性シリコーンゴム材料が特に好ましい。例えば、これらの基はSi結合したビニル基である。本発明のシリコーンゴム材料では、構成成分(E)は、好ましくは単独でも、同様に、好ましくは2つ以上の微粉化フィラーの混合物としても使用される。
代替的に、本発明のシリコーン組成物は、シリコーン組成物の総質量に対して、最大70重量%まで、好ましくは0.0001~40重量%の割合で更なる添加物を構成成分として含んでもよい。これらの添加物は、例えば、不活性充填剤、シロキサン(A)、(B)および(C)とは異なる樹脂性ポリオルガノシロキサン、補強および非補強フィラー、殺菌剤、香料、レオロジー添加剤、防錆剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、電気的特性に影響を与えるための薬剤、分散補助剤、溶媒、接着促進剤、顔料、染料、可塑剤、有機ポリマー、熱安定剤でありうる。これらには、微粉砕石英、珪藻土、粘土、チョーク、リトポン、カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、カルボン酸の金属塩、金属粉塵、繊維、ガラス繊維などのナノ繊維、高分子繊維、高分子粉末、染料、顔料などの添加物が含まれる。
さらに、これらのフィラーは、熱伝導性または導電性であってもよい。導電性フィラーは、例えば導電性シリコーン層を作り出すのに使用でき、該層は、センサー、アクチュエーターまたは他のEAPシステムの電極層として機能することができる。熱伝導性フィラーの例は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、ダイヤモンド、グラファイト、酸化マグネシウム、例えば銅や、金、ニッケル、銀などの微粒子金属、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化亜鉛、および/またはそれらの混合物である。熱伝導性フィラー先行技術で公知であり、市販されている。例えば、CB-A20SおよびAl-43-Meは、昭和電工から市販されているさまざまな粒径の酸化アルミニウムフィラーであり、AA-04、AA-2およびAAl 8は、住友化学から市販されている酸化アルミニウムフィラーである。銀フィラーは、米国マサチューセッツ州アトルボロのMetalor Technologies U.S.A. Corp.から市販されている。窒化ホウ素フィラーは、米国オハイオ州クリーブランドのAdvanced Ceramics Corporationから市販されている。
補強フィラーとしては、例えば、シリカ、およびKevlar(登録商標)チョップドファイバーなどのチョップドファイバーが挙げられる。異なる粒径および異なる粒度分布をもつフィラーの組合せを使用することができる。
シリコーン組成物は、1つまたは複数の任意選択の成分をさらに含むことができる。任意選択の成分の例としては、とりわけ、(F)1つまたは複数の溶媒、および(G)1つまたは複数の阻害剤が挙げられる。
シリコーン組成物は、任意選択で(F)1つまたは複数の溶媒をさらに含むことができる。しかし、溶媒が系全体に悪影響を及ぼさないことが確実にされるべきである。好適な溶媒は、先行技術で公知であり、市販されている。例えば、溶媒は、炭素数3~20の有機溶媒であることができる。溶媒の例としては、例えばノナン、デカリンおよびドデカンなどの脂肪族炭化水素;例えばメシチレン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素;例えば酢酸エチルおよびブチロラクトンなどのエステル;例えばn-ブチルエーテルおよびポリエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;例えばメチルイソブチルケトンおよびメチルペンチルケトンなどのケトン;例えば直鎖状、分枝状および環状ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン液体;ならびにこれらの溶媒の組合せが挙げられる。接着配合物中の特定の溶媒の至適濃度は、ルーティーンの実験によって容易に決定することができる。化合物の重量に応じて、溶媒の量は、シリコーン組成物の総重量に対して0~95%または1~95%であることができる。
阻害剤(G)および安定剤は、本発明のシリコーン組成物の可使時間、開始温度および架橋速度の目標設定に役立つ。これらの阻害剤および安定剤は、付加架橋性組成物の分野において非常によく知られている。一般的な阻害剤の例は、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2-メチル-3-ブチン-2-オールや3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、3-メチル-1-ドデシン-3-オールなどのアセチレンアルコール、1,3,5,7-テトラビニルテトラメチルテトラシクロシロキサンなどのポリメチルビニルシクロシロキサン、ジビニルテトラメチルジシロキサン、ジビニルテトラメチジシロキサン(divinyltetramethydisiloxane)、テトラビニルジメチルジシロキサン、トリアルキルシアヌレートなどのメチルビニル-SiO1/2基および/またはRビニルSiO1/2末端基をもつ低分子量シリコーンオイル、マレイン酸ジアリルや、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどのマレイン酸アルキル、フマル酸ジアリルやフマル酸ジエチルなどのフマル酸アルキル、クメンヒドロペルオキシドや、tert-ブチルヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシドなどの有機ヒドロペルオキシド、有機過酸化物、有機スルホキシド、有機アミン、ジアミンおよびアミド、ホスファンおよびホスファイト、ニトリル、トリアゾール、ジアジリジン、ならびにオキシムである。これらの阻害剤添加物(E)の活性はその化学構造に依存し、したがって、その濃度は個々に決定しなければならない。阻害剤および阻害剤混合物は、好ましくは混合物の総重量に対して、0.00001%~5%、好ましくは0.00005~2%、より好ましくは0.0001~1%の定量的割合で添加される。
シリコーン組成物のすべての成分を混合した後、剪断速度1s-1における動粘度(dynamic viscosity)は、10mPa・s~1000Pa・s、好ましくは100mPa・s~100Pa・s、より好ましくは200mPa・s~50Pa・sである。動粘度は、DIN EN ISO3219:1994およびDIN53019に従って、コーンプレートシステム、開口角2°のコーンCP50-2を有する較正済みレオメーターを使用して、25℃および剪断速度1s-1で測定される。
好適な機器は、例えば、オーストリア、Anton Paar GmbHから入手可能なMCR302レオメーター機器(寸法105μm)である。
本発明の架橋性シリコーン組成物は、容易に入手可能な出発物質を使用して簡単な方法で製造できるという利点があり、したがって経済的に有利である。本発明の架橋性組成物は、一成分配合物として、25℃および環境気圧で高い保存安定性を示し、高温でのみ急速に架橋するという更なる利点を有する。本発明のシリコーン組成物は、二成分配合物の場合、二成分の混合後、25℃および環境気圧で長期間にわたって作業性が持続する架橋性シリコーン材料をもたらし、したがって、高温でのみ急速に架橋し、極めて長いポットライフを示すという利点を有する。
市場で入手可能なシリコーン組成物の例は、以下のものである(材料の粘度に応じて、作業性を向上させるために溶媒を加えることができる)。
WACKER Chemie AG製の材料:ELASTOSIL(登録商標)Pシリーズ(7010、7600、7613、7161-160、7616-195、7618、7619、7622、7623、7624、7628、7629、7630、7633、7636、7642-220、7670、671、7676、7682、7683/15、7683/25、7683/47、7683/50、7683/55、7684/60、7685、7686、7687、7688、7700、7710、7720、7731、7742、7770、7707US、7915など)、ELASTOSIL(登録商標)Mシリーズ(4115、4125、4370、4400、4440、4441、4470、4600、4601、4615、4630、4635、4640、4645、4641、4643、4644、4670、4647、4648、4670)、ELASTOSIL(登録商標)RTシリーズ(601、602、604、607、615、617、619、620、622、623、624、625、626、627、628、629、630、633、646、670、672、675、678、685など)、ELASTOSIL(登録商標)SOLARシリーズ(2000、2200、2202、3210など)、ELASTOSIL(登録商標)LRシリーズ(3003/03、3003/05、3003/10、3003/20、3070/20、3844/20、3846/20、3856/20、3003/30、3004/30、3005/30、3040/30、3044/30、3065/30、3070/30、3071/30、3072/30、3843/30、3844/30、3846/30、3856/30、3003/40、3003/50、3003/60、3003/70、3003/80、3003/85、3004/40、3004/50、3004/60、3004/70、3005/40、3005/50、3005/60、3040/40、3040/50、3040/60、3043/40、3043/50、3043/60、3043/70、3015/70、3023/60、3092/65、3094/60、3065/50、3066/40、3066/60、3066/80、3070/40、3070/50、3070/60、3071/40、3071/50、3071/60、3072/40、3074/60、3076/70、3170/40、3841/50、3842/40、3842/50、3842/60、3842/70、3162など)、ELASTOSIL(登録商標)FLRシリーズ(3900/40、3900/60、3905/40、3905/60など)、ELASTOSIL(登録商標)Rシリーズ、WACKER SILGEL(登録商標)シリーズ(610、611、612、613、616、619など)、SEMICOSIL(登録商標)シリーズ、POWERSIL(登録商標)シリーズ、LUMISIL(登録商標)シリーズ、GENIOMER(登録商標)シリーズ、SILPURAN(登録商標)シリーズ、DEHESIVE(登録商標)シリーズ。
上述の架橋性シリコーン組成物に加えて、追加の層を塗布するために、例えばシリコーン油などの非硬化性シリコーン組成物を使用することがさらに可能である。これに関連して、ドイツのWACKER Chemie AGの以下の製品を使用することができる:WACKER(登録商標)AK SILICONOELシリーズ、POWERSIL(登録商標)FLUID TRシリーズ、SILFAR(登録商標)シリーズ。
シリコーンをベースとするPSA(感圧接着剤)を用いることは一般的に可能である。
また、さまざまな用途において有利なのは、支持体材料または剥離層としての非硬化性印刷化合物の使用である。これらの材料は、後に、フラッシングおよび/または加熱によって、残留物なしに、印刷された本体から、または印刷された本体の外に除去することができる。ここで一般的な印刷化合物は、ポリエチレングリコール(PEG)である。適切な支持体材料は、例えば、国際公開第2017/020971A1号および国際公開第2018/036640A1号に記載されている。
本開示に記載されているシリコーン層、シリコーンフィルム、およびシリコーン多層複合体の個々の層は、好ましくは0.1~400μm、より好ましくは1~200μm、非常に好ましくは1~150μm、とりわけ好ましくは5~100μmの厚さを有し、それぞれは、200cmの面積で測定して、±5%の厚さ精度を有し、好ましい厚さ精度は、いずれの場合も±3%である。
絶対層厚さの決定は、SEM分析(走査型電子顕微鏡分析)によって行うことができ、凍結切片を用いて行われる。表面品質および粗さは、例えば共焦点顕微鏡を用いて確かめられる。
好ましくは、印刷化合物キャリア(33)またはシリコーン材料(35)に対向する堆積キャリア(36)の少なくとも表面は、電位phi_2に帯電しており、ここで、phi_2とphi_1とは反対の極性を有し、phi_2およびphi_1は、工程(v)で堆積キャリア(36)上に転写されたシリコーン組成物の帯電量の少なくとも一部が、堆積キャリア(36)の表面で中和されるように選択される。
好ましくは、レーザー光での照射で熱くなる不透明な剥離層が、印刷化合物キャリアとシリコーン組成物との間に配置される。この不透明な剥離層は、印刷化合物キャリアに恒久的に接合されてもよく、剥離層または溶解層として構成されてもよい。
好ましくは、レーザー光の焦点は、印刷化合物キャリアの上方に位置する。
シリコーン組成物は、好ましくは10mPa・s以上1000Pa・s以下、より好ましくは1~100Pa・sの動粘度を有する。動粘度は、DIN EN ISO3219:1994およびDIN53019に従って、コーンプレートシステム、開口角2°のコーンCP50-2を有する較正済みレオメーターにより、25℃および剪断速度1s-1にて測定される。
好ましくは、シリコーン組成物は、付加架橋性シリコーン組成物であり、以下の成分:
(A)脂肪族炭素-炭素多重結合を有する基を少なくとも2つ含む、有機化合物もしくは有機ケイ素化合物、
(B)Si結合した水素原子を少なくとも2つ含む有機ケイ素化合物、
または(A)および/もしくは(B)の代わりに、または(A)および(B)に加えて、
(C)脂肪族炭素-炭素多重結合を有するSiC結合した基、およびSi結合した水素原子を含む有機ケイ素化合物、ならびに
(D)ヒドロシリル化触媒
を含む。
好ましくは、付加架橋性シリコーン組成物は、以下の更なる成分:
(E)少なくとも50m/gのBET表面積を有する、ヒュームドシリカまたは沈降シリカ、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、グラフェン、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、微粒子金属、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化亜鉛、二酸化チタン、フェライト、NIR吸収体、MIR吸収体、およびこれらのフィラーの組合せからなる群より選択される1つまたは複数のフィラー
を含む。
シリコーン層は、好ましくは誘電性シリコーン層または導電性シリコーン層である。
シリコーン層は、好ましくは、走査型電子顕微鏡分析で測定される、0.1μm~200μmの層厚さを有する。
印刷化合物キャリアは、好ましくは、レーザー光に対して高度に透光性があり、ガラス、石英ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびセレン化亜鉛ガラスからなる群より選択される。
堆積キャリアは、好ましくは、PET、ガラス、極薄フレキシブルガラス、および金属からなる群より選択される。循環において、または上流の操作工程から、架橋シリコーン層、架橋性シリコーン組成物の層、少なくとも2層の硬化シリコーンを有するシリコーン多層複合体、および/または金属層を、堆積キャリア上に配置することが可能である。
堆積キャリア上に配置された先行層は、いずれの場合も走査型電子顕微鏡分析で測定して、好ましくは、0.1μm~200μmのフィルム厚さを有するシリコーンフィルム、または0.1μm~200μmの層厚さを各々有する少なくとも2層の硬化シリコーンを有するシリコーン多層複合体である。
好ましくは、転写されたシリコーン組成物は、いずれの場合も走査型電子顕微鏡分析によって測定して、0.1μm~200μmのフィルム厚さを有するシリコーンフィルム、または0.1μm~200μmの層厚さを各々有する少なくとも2層の硬化シリコーンを有するシリコーン多層複合体と積層されている。
好ましくは、堆積キャリア上に積層されている、または堆積キャリア上に準備されているシリコーンフィルムは、フィルムキャリアから剥離することによって得られ、
該剥離は、以下の工程:
シリコーンフィルムがその上に配置されたフィルムキャリアを液浴に浸漬すること、および/または既にシリコーンフィルムから剥離されたフィルムキャリアの内部に、まだ剥離されていないシリコーンフィルムの方向に噴霧ユニットを用いて液体を噴霧すること、ならびに
フィルムキャリアからシリコーンフィルムを剥離すること
を含む。
剥離されたシリコーンフィルムは、好ましくは、規定の穿孔試験機によって損傷について試験される。ここで用いられるイオン化電圧は、100~40000V、好ましくは2000~20000Vの範囲である。
好ましくは、上述のレーザー転写印刷法の工程(i)~(vi)の繰返しによって、転写されたシリコーン組成物に、1つまたは複数の更なるシリコーン層が塗布される。
好ましくは、堆積キャリアは、堆積キャリアロール(2)から供給され、コーティング後に、貯蔵用ロール(18a)に回収される移動キャリアベルトとして構成される。
代替的な実施形態では、堆積キャリアは、移動循環ベルトとして構成され、1つまたは複数のシリコーン層によるコーティングおよび更なるフィルムによる任意選択の積層が終わるまで、ベルト貯蔵部(18b)を介して循環される。
レーザー光源は、好ましくは、堆積キャリアまたはその上に塗布されたシリコーン層を粗面化、削摩、構造化および/または切断するように設定される。
本発明の方法は、複合電極の製造に使用することができる。
シリコーン層は、好ましくは導電性シリコーン層であり、
この方法は、好ましくは以下の工程:
誘電体層、好ましくは誘電性シリコーン層を設けること、
導電性金属層を誘電体層に塗布すること、
導電性シリコーン層を導電性金属層に塗布すること、
更なる導電性金属層を導電性シリコーン層に塗布すること、
更なる誘電体層、好ましくは誘電性シリコーン層を、更なる導電性金属層に塗布すること
を含む。
好ましくは、走査型電子顕微鏡分析で測定して、誘電体層は5μm~100μmの層厚さを有し、導電性金属層は0.01μm~5μmの層厚さを有し、導電性シリコーン層は5μm~100μmの層厚さを有する。
好ましくは、工程(v)で生じた、未転写の架橋性シリコーン組成物をもつ印刷化合物キャリアは、架橋性シリコーン組成物で再度完全にコーティングされ、レーザー転写印刷による1つまたは複数の更なるシリコーン層の塗布に使用される。
完全なコーティングは、好ましくは以下の工程:
キャリーオフシステムによって、未転写のシリコーン組成物を印刷化合物キャリアから剥離すること(これはまた、先に転写されたシリコーン組成物の領域からの、残存する未架橋および/または架橋シリコーン組成物の剥離を包含する)、
剥離されたシリコーン組成物を処理システムで処理すること、ならびに
キャリーオンシステムによって、処理済みシリコーン組成物を印刷化合物キャリア上に運ぶこと
を含む。
一般的なレーザー転写印刷法(LIFT=レーザー誘起前方転写(Laser Induced Forward Transfer))は、文献に適切に記載されており、先行技術である。
シリコーン組成物とともに使用する場合には、定義された帯電および静電場の追加の使用により方法を拡張することが有利であることがわかっている(EF LIFT=電場レーザー誘起前方転写(Electric Field Laser Induced Forward Transfer))。
以下の本文において、本発明の多くの実施形態が、図1~6を参照して例として記載される。しかし、それらは、本発明の構成の形態に関して決定的であると理解されるべきではない。
図3は、この種のEF LIFT法を、図(30)とともに示す。この場合、レーザー光源(31)を用いて、レーザー光(32)により、レーザー光に対して透光性がある印刷化合物キャリア(33)からシリコーン組成物(35)を剥離する。剥離は剥離領域(38)で起こる。ここで、レーザー光(32)は加熱を誘起し、該加熱はガス形成を(例えば、シリコーン組成物(35)に存在する少なくとも1つの成分の蒸発、昇華または分解によって)もたらす。更なる実施形態では、レーザー光の熱への転換は、追加の不透明な剥離層(34)によって行うことができる。これは、光学的に透明なシリコーンエラストマーの場合に特に有利である。典型的なLIFT法では、シリコーン組成物(35)の剥離は、剥離された印刷化合物(39)を堆積キャリア(36)上に配置するのに充分である。シリコーンエラストマーを用いたLIFT法の特定の場合には、この剥離および配置の改善は、印刷化合物およびキャリア領域の更なる帯電によって達成することができる。その場合、シリコーン組成物(35)は電位(phi_1)に帯電し、堆積キャリア(36)の表面は電位(phi_2)に帯電し、電極(37)は電位(phi_3)に帯電する。これらの電位の極性は、反対の電荷をもたらすように選択されるべきである。互いの距離(h)における層の電荷は、電場(E)を生じさせる。それを受けて、これらは、堆積キャリア(36)の方向に力をシリコーン組成物(35)上に発生させる。したがって、剥離された印刷化合物(39)は、静電気力により加速されて、堆積キャリア(36)の方向に移動する。剥離中および衝突時に、剥離されたシリコーン組成物(39)は、大きな機械的剪断力を受ける。材料の有利な組成(例えば剪断減粘性シリコーン)は、ここでは不浸透層(42)の形成に有利である。
シリコーン組成物の剪断減粘挙動は、例えば、バリスティック(ballistic)印刷法に関連して、国際公開第2017/081028A1号に記載されている。
さらに、配置された層(42)の残留電荷の静電気力は、電極(37)の方向に作用する。堆積キャリア(36)の表面を電位(phi_2)に帯電させることは、配置されたシリコーン組成物(39)の帯電量よりも低いレベルで、緩和に有利になる。材料(42)の残留電荷は、フィールド(場)(E)への影響が可能な限り小さく、それでもなお層(42)の緩和が向上または加速されるように選択されるべきである。
既知のLIFT法の多くのバージョンでは、印刷化合物と印刷化合物キャリア(33)との間の界面上にレーザー光を集束させることに関する言及がある。シリコーンを用いたバージョンでは、印刷化合物キャリアの上方に焦点を合わせることによって、より良好な印刷パターンが得られる。ここでの焦点(40)は、印刷化合物キャリア(33)の上方、数マイクロメートルから数ミリメートルの範囲にある。界面内または界面の下にレーザー光の焦点を合わせると、最初にシリコーン組成物(39)の剥離が生じるが、これは続いて、堆積キャリア(36)上でかなりの二次加熱をもたらし、したがって、塗布されたシリコーン組成物(42)の燃焼または熱変性に至る。
例えば、慣用的なレーザー光源(31)は、NIR範囲(近赤外、約0.78~3μm)のレーザー光を発するNd:YAGレーザー(ネオジム添加イットリウムアルミニウムガーネットレーザー)である。大部分のレーザーシステムでは、これらの波長は、金属などの不透明な媒体に結合させるために使用される。本発明に記載の塗布では、印刷化合物キャリア(33)に、ガラス、石英ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのキャリア材料を用いることが有利である。透明なシリコーンの場合、不透明なコーティング(34)または吸収添加剤の存在が、シリコーン組成物中に必要であり、例えば、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)である。例えば、非導電性吸収体は、ドイツのFEW Chemicals GmbHから市販されている。
EF LIFT法の更なるバージョンは、MIR領域(中赤外、約3~50μm)におけるレーザー(31)の波長の変化の形をとることができる。慣用的なレーザー光源は、この場合、10.6μmの波長範囲(CO2レーザー)である。この特定の構成では、EF LIFT法において、吸収剤を添加することなく、不透明な剥離層(34)なしに、透明なシリコーンエラストマーを使用することができる。印刷化合物キャリア(33)は、この構成において、関連する波長に対して光学的に透過するようにする。10.6μmの波長には、ここではZnSeガラス(セレン化亜鉛)を使用すること好ましい。ここで特に使用されるのは、ZnSeキャリアの界面における反射防止コーティングである。この場合の慣用的な供給元は、ドイツのLASER COMPONENTS GmbHである。
本発明の方法では、レーザーの波長は、0.78μm~20μm、より好ましくは0.9μm~12μmの範囲、非常に好ましくは0.9μm~1.1μmの範囲である。
剥離層(34)は当業者に公知であり、例えば、CVD(化学蒸着)もしくはPVD(物理蒸着)によって蒸着された層、または他の不透明な物質からなることができる。この層は、好ましくは、レーザー(31)による加熱時に、印刷化合物キャリア(33)からの剥離層(34)の剥離がないように、印刷化合物キャリア(33)に付けることができる。
図4では、工程図(49)において、印刷化合物(35)用の塗布システムが示されている。この場合、未転写の印刷化合物(35)は、キャリーオフおよびキャリーオンシステム(43)により印刷化合物キャリア(33)および/または剥離層(34)から剥離され、再度、印刷化合物キャリア(33)および/または剥離層(34)の全面に印刷化合物がコーティングされる。キャリーオフ部(44)は、未転写の印刷化合物(35)および部分的に未剥離の印刷化合物を印刷化合物キャリア(33、34)から領域(41)に引き込む。ここで、印刷化合物キャリアは、剥離ユニットに向かって正のX方向に移動する。PTFEストリッパーおよび軟質材料からできている剥離エッジ(removing edges)は、キャリーオフユニット(44)として有利であることがわかっている。剥離された古い印刷化合物は、処理ユニット(45)によってキャリーオフユニット(44)から搬出され、混合されて、規定の機械的剪断に供される。発生する剪断速度は、好ましくは0.1~1000s-1の範囲、より具体的には0.1~100s-1の範囲で選択されるべきである。高すぎる剪断速度は、混合および印刷化合物のフィラーの特性に悪影響を及ぼす可能性がある。低すぎる剪断速度は、混合が不充分になり、および/または新しい層の塗布が不充分になる。印刷材料は、リザーバー容器(47)からキャリーオンシステムのオーバープリント領域(46)に印刷化合物の供給によって供給され、充填される。供給は、容器(47)から領域(46)への点線(point line)の形態、または2つの間の材料の恒久的な流れをもつリング線(ring line)の形態を取ることができる。印刷化合物には、好ましくは、2つの領域間の印刷化合物の循環によって、容器(47)および領域(46)内において、剪断力が恒久的にかけられる。特に、剪断に加えて、容器(47)または塗布システム全体が加熱される。この場合、搬出された印刷化合物は、(47)と(46)との間の材料の循環によって再加熱される。存在する材料の温度は、-10℃~150℃の範囲であり、より好ましくは20℃~100℃の範囲であり、特に好ましくは50℃~80℃の範囲である。
リザーバー容器(47)への材料の供給は、ベント付きの慣習的な計量システムによって行われる。そのようなシステムは、例えばドイツのViscoTec Pumpen- u. Dosiertechnik GmbHから入手可能である。
領域(46)における圧力増加および剪断の結果、気泡がない均質なシリコーン層が、1~400μm、好ましくは10~50μm、より具体的には10~20μmの厚さで印刷化合物キャリア上に塗布される。精密厚さリムーバー(48)を用いて、印刷化合物の更新された層(35)は、層厚さ偏差±5%に再び絞り込まれ、任意選択で、電位(phi_1)で帯電させることができる。この場合、精密厚さリムーバーは導電性がある。ここでは、硬化金属からできた、少なくとも1つのラップ付きの(lapped)精密ドクターブレードの使用が好ましい。ここでは特に、材料の削摩を示さず、腐食および溶媒に耐性があり、医療用途で認可されているドクターブレード/材料の使用が特に好ましい。
更なる形態では、電位(phi_1)への印刷化合物の帯電は、イオン化(22)によって非接触で達成することができる。これは、個別でも、または厚さリムーバー(48)での帯電と組み合わせても行うことができる。慣用的な調節されたイオン化システムは、当業者に公知であり、例えばオランダのSimco-Ionから入手可能である。
図1は、さまざまな実施形態による、多層シリコーンエラストマーシステムを製造するためのロール・ツー・ロール法を示す。
工程図(1)では、非伸縮性キャリアベルト(36)からなるロール(2)および(3)は、前記ベルト(36)上に任意選択で配置された、エラストマーまたはエラストマー積層体(14)の極薄電気活性フィルム(55)、および任意に積層フィルム(4)をプロセス(1)に供給する。積層フィルム(4)は巻き戻し手順の間に除去される。
原理(30)によれば、コーティングシステム(5)および(6)は、非架橋形態の印刷化合物(電極材料および/または非導電性材料)を堆積キャリア(36)または積層体(14)上にもたらす。塗布される層の幾何学的形状は、要件に応じて変えることができる。これらの層の幾何学的に定められる位置調整を確実にするために、アクティブカメラシステム(16)を使用することができる。その場合、カメラシステム(16)は、積層体(14)に既に塗布されている層の形状および位置を確認する。上位の制御調節ユニットは、カメラシステム(16)からの情報およびさらに例えばウェブ速度などの変数の調節に従って、塗布システム(5)および(6)を制御および位置調整し、または例えばphi_1、phi_2およびphi_3などの電位を設定する。
次に、塗布された層は、層間剥離ユニット(7)においてフィルムキャリア(19)から剥離されたエラストマーのフィルム(55)で積層される。
図5は、詳細図(50)において、超薄エラストマーフィルム(好ましくは1~200μm)のための緩やかで欠陥のない剥離機序を示す。エラストマーの超薄フィルム(55)は、好ましくは液浴(51)に浸漬した状態で、または特に噴霧ユニット(54)によって生成された液体湿潤(52)の影響下で、非伸縮性フィルムキャリアベルト(19)から連続的に剥離される。続いて、遊離フィルムキャリアベルト(19)は、巻き取りユニット(9)に回収される。
エラストマーのフィルムの緩やかな剥離の原理は、エラストマーの疎水性フィルムとフィルムキャリアとの剥離領域に液体親水性中間層(57)が存在する結果、化学的および物理的な付着力が減少することに基づいている。剥離に際して、浴中の液体界面は、フィルムキャリア上に接触線を形成し、これは、エラストマーのフィルム(55)の縁部に毛細管誘発性の除去力を及ぼす。装置は、エラストマーのフィルムとフィルムキャリアとの間の剥離角度を画定する位置調整可能なガイドロール(56)を任意選択で含むことができる。
フィルムキャリア(19)が、例えば、浴(8)内の液体(51)に可溶な離型剤成分で前処理される場合、ここで必要とされる剥離力は、この層を液体槽で溶解させることによって、エラストマーの完全に架橋したフィルムとフィルムキャリアとの間で、意図的に減少させることができる。本発明の剥離機序の更なる利点は、液体の層の存在下で、静電気が中和され、さらに、付着した汚れ粒子も連続的に除去されることである。それに続いて、エラストマーのフィルム(55)上に付着した液体の滴は、エアジェットユニット(10)-例えばエアロール、エアジェットまたはファン-によって、エラストマーのフィルム(55)から除去される。
ロール(53)の回転速度は、エラストマーの遊離フィルム(55)の定義された規定の予備的な延伸をもたらすために、任意選択で異なることができる。
特に超純水で行われるエラストマーフィルムの液体を利用した剥離の場合、表面活性添加剤(例えば界面活性剤)の添加によって支援することができる。フィルムキャリア(19)の一般的な表面修飾は、ここでは付着力を最小限に抑え、したがって剥離過程を改善することができる。一般的なやり方および方法は、先行技術で公知である。
放電設備(20)によって、堆積キャリアロール(2)から展開した後の堆積キャリア(36)は、その上に位置するすべてのシリコーン材料、シリコーン層および/または積層体(14)とともに放電される。
非接触帯電(21)は、堆積キャリア表面(印刷される堆積キャリア(36)のその表面)を電位(phi_2)に帯電させる。ここで、堆積キャリア表面は、印刷システム(5)および(6)で印刷が行われる最上段の領域である。
印刷システムでは、印刷化合物は、電位(phi_1)に帯電される。印刷システム(5)および(6)の下に、堆積キャリア(36)の直下に、電位(phi_3)のフィールド電極(37)が配置される。
放電設備(20)によって、堆積キャリア(36)は、その上に位置するすべてのシリコーン材料、シリコーン層および/または積層体(14)とともに放電される。帯電ユニット(23)は、堆積キャリア(36)上の最上層および/または塗布された印刷化合物(42)を、定義された方法で電位(A)に帯電させる。
帯電設備(25)によって、遊離エラストマーフィルム(55)を、塗布された印刷化合物(42)に対向する側で電位(B)に局所的に帯電する。電位(A)と電位(B)は極性が異なり、シリコーンのフィルム(55)が印刷化合物(42)上に堆積されたとき、引力および付着の効果を有する。
静電積層の操作は、先行技術で公知であり、非常に幅広い積層手順にわたって使用されている。
ロール(11)は、堆積および積層体(14)に必要とされる堆積角度および任意の機械的圧力を設定する。そのように製造された積層体(14)は、磁場および/または電場が未硬化シリコーン層に影響を与えるフィールドユニット(26)を通って導かれる。これは、誘導加熱から磁性フィラーの整列まで、エラストマー層に任意の可変効果を発生させうる。
積層体は、硬化ステーション(12)で架橋される。積層体は、冷却ステーション(13)で冷却される。次いで、硬化されて冷却された積層体は、積層フィルム(4)を挿入した状態で、ロール(18a)上に回収される(巻き取られる)。
エラー検出のために、穿孔試験機(24)は、自立懸架エラストマーフィルム(55)に損傷および弱点があるかどうかの非接触試験を行う。試験後、放電が放電設備(20)によって行われる。弱点および欠陥は電気的破壊によって認識され、穿孔試験機(24)によって信号が送られる。欠陥で生じたアークは、燃焼および破壊部位での認識可能な着色または変質を引き起こす。認識され、信号が送られた欠陥は、上位の制御調節ユニットで評価され、ウェブの位置に応じて割り当てられ、任意選択で印付けされる。欠陥の下や周囲の領域は、制御調節ユニットのソフトウェアに記録され、後に不合格品として示される。
別個の実施形態では、欠陥の位置が記録され、それに続く新たな印刷および/または積層過程の間に、欠陥表面がレーザーによって除去され、印刷ユニット(6)によって絶縁シリコーンエラストマーで再び充填される。
ここで、剥離および剥離角度、プリテンション、延伸、堆積角度、および空気含有物などの重要な問題は、後に続くEAPシステムの精度および機能にかなりの影響を与える。例えば、フィルムのあまり理想的とはいえない堆積、および追加層の塗布中の可能性のある空気含有物は、硬化操作中に後続の膨れをもたらす。
単純な機械的剥離は、シリコーンのフィルムの一部または全部の損傷を引き起こす。EAPシステムでのその後の使用では、これは電気的な故障および部品不良につながる。
フィルムがフィルムキャリアから乾いて剥離する結果として、スパイクが形成され、フィルムは部分的に過剰に伸ばされ、亀裂または穴が発生する。これらの部分的な過剰曝露は、空気中でのすべての剥離プロセスの場合に生じる。水の膜を使用した剥離でのみ、付着力、したがってシリコーンフィルムの機械的負荷は、損傷が回避できる程度に低減される。水中での剥離、または単に剥離エッジを濡らすだけで、付着力の大幅な減少およびフィルムの機械的負荷の減少をもたらす。
図2に、工程図(29)を用いた方法の特定の実施形態を示す。この場合、硬化シリコーン層の塗布/積層ではなく、代わりに塗布システムによる湿式法で塗布される。その方法の特徴は、上述した堆積キャリア(36)が非伸縮性循環ベルトの形態で実現されることである。この循環ベルトは、複数のシリコーンエラストマー層を既に担持していてもよい。循環ベルト上の電気的に中性な層は、ループ貯蔵部(18b)から取り出され、帯電ユニット(27)によって電位(C)に帯電される。アプリケーター(15)は、堆積キャリア上およびその上に位置する層上の全領域にわたってシリコーン層を堆積させる。帯電ユニット(28)は、アプリケーター(15)のシリコーン材料を電位(D)に帯電させる。電位(C)と電位(D)は、それらの極性が異なるので、静電気力を生じさせる。この場合、塗布の過程は、静電気力の効果によって支援される。アプリケーター(15)による層の堆積または塗布の後、硬化ステーション(12)は、塗布された層の部分的な硬化から完全な硬化を行う。放電ステーション(20)によって、堆積キャリアは、その上に位置するすべての層とともに電気的に中和される。
印刷操作(5、6)は、上記のように、硬化ステーション(12)まで再び行われる。その後に、上記のように、任意選択でシリコーン層の更なる塗布が存在してもよい。フィールドによる全体的な硬化および影響は、その後、フィールドユニット(26)、硬化ステーション(12)、および冷却ステーション(13)での冷却においても起こる。
ウェブガイド(17)は、循環ベルトおよび堆積キャリア(36)をそれぞれウェブ位置およびウェブ張力に関して調節する。ループ貯蔵部(18b)は、所望のバッチサイズに従って必要な処理量またはバッチ量の中間貯蔵を行う。所望の層の数に達したら、シリコーンエラストマー積層体は循環ベルトから取り外される。慣用的な取出装置は当技術分野で公知である。
上記方法の1つの特定の構成では、コーティングされる表面は、EF LIFT法の前に、それぞれ、粗面化および/または削摩または構造化される。加えて、レーザーシステムは、堆積キャリアベルト(36)上で個片化(singularization)を行うように設定されてもよい。この手順では、堆積キャリアベルト(36)は損なわれていない。
10.6μmの波長を用いたレーザー彫刻を、例えば、シリコーン層の切断および標的化削摩のために使用することができる。また、例えば9.3μmのレーザーで切断精度の向上を達成することができる。したがって、相異なるレーザー光源(例えば波長:1.06μm、10.6μm)の設置は、切断およびLIFT印刷に使用されるシステムに適している。
上記方法の1つの特定のバージョンでは、電極は、多層システム(複合電極)として構成されている。図6は、この種の電極の配置を断面図(60)の形で示す。金属、CNT、導電性カーボンブラックなどの非常に良好な導電性がある物質を含む薄いシリコーン層(62)が、非常に柔軟な導電層(63)と組み合わされて電極を形成する。この電極では、層(63)は、電極帯電表面(62)に電荷を輸送する機能を担う。高導電性層(62)は、通常、長期的な弾性を欠き、EAPシステムの塑性ストレスの途中で脆くなり、個々の領域の絶縁体全体に至るまで、電荷輸送を損なう傾向がある。帯電表面の機能と電荷輸送の機能を分けることは、この問題を解決する。
方法について言えば、金属層の塗布は、LIFT法によって、EF LIFT法によって、および更なる異なる方法によって実施することができる。
上記の方法での塗布は、ベルトを金属印刷化合物および/または印刷層で印刷することによって行うことができる。バインダー成分は、未硬化のシリコーンエラストマー材料への直接塗布では不要である。
例えば、電極表面は、カーボンブラックフィラーを含むエラストマーで形成することができる。その場合、充分な導電率を得るために、フィラー割合は、通常、電極全体の質量に対して、50重量%を超えなければならないことに留意しなければならない。機械的負荷(引張伸び)時に、伝導率の低下が観察されうる。
EAPシステムはすべて、互いに引き合う、および/または反発する電荷の物理的背景を有する。構造は、常に層の形態をとり、したがって、電荷は、帯電領域(areas)または帯電領域(regions)で順序付けられることになる。これらの領域は電極間の有効距離を決め、それは有効性の要因となる。導電性材料、好ましくはCNTで充填されたシリコーン層は、電極表面への電荷輸送に利用される。電極表面は、非常に薄い金属層、好ましくはアルミニウムによって作られる。
弾性伝導層がアクチュエーターに存在しない場合、機械的負荷領域の加熱が増加し、さらに、変質した電極表面上に高温の箇所が存在する。これは、層の結合不良、亀裂の形成、および弾性の欠如に帰せられる。弾性伝導層への結合はこの問題を解決する。
好ましくは、本発明の方法は、少なくとも2つの電極および電極間に配置された少なくとも1つの誘電性シリコーン層を含む、センサー、アクチュエーターまたは他のEAPシステムを製造するためのものである。
この場合のシリコーン層は、センサー、アクチュエーターまたは他のEAPシステムにおける、電極層であることができ、および/または誘電体層であることができる。
EF LIFT法を、TROTEC Laser Deutschland GmbHからの慣用的なレーザグラビアシステムを用いて実施した。ここで用いたシステムは、デュアルレーザ光源(60W 10.6μm CO2レーザー;20W 1.06μmファイバーレーザー)をもつSpeedy 100flexx 60/20システムである。キャリアおよび印刷化合物キャリアとして、ドイツ、グラスにあるGVB GmbH Solution製の慣用的な石英ガラス板(300×300×3mm)を使用した。印刷化合物のフィルムは、スイスのZehntner GmbH製のZUA2000ユニバーサルアプリケーターを備えたZAA2300自動フィルム延伸ユニットを使用して塗布される。使用した印刷化合物は、ドイツのWACKER Chemie AG製の、PT15架橋剤を含み、0.5m%CNTおよび5m%導電性カーボンブラックを含むRTV-2シリコーンである。
ドクターシステムは、石英ガラスシートの片側を、厚さ60μm、寸法200×200mmの均一な層で、中央にナイフコーティングする。シートの縁部領域は、印刷化合物が存在しないままである。コーティングされていないクリーンなシートを、印刷用の表面として、レーザーの切断チャンバーに挿入する。コーティングされたシートは、第1のシートから200μmの距離に置かれ、コーティングされていないシートと対向し、その側面がコーティングされる。ここで距離は、例えば100μmの顕微鏡スライドのなどのスペーサーによって調節される。レーザーシステムの制御ソフトウェアで選択された印刷原稿(print original)は、グレーの領域およびシェーディングのない2次元的に充填された形状(two-dimensionally filled geometry)である。さらに、20Wレーザーの場合には、40~60%のファイバーレーザー切断モードのレーザーパワーで充分である。選択されるレーザースピードは50%~70%である。焦点は、コーティングと石英ガラス板との間の界面の約4~4.5mm上方にあるべきである。このようにして、選択した形をレーザーによって転写することに成功した。
更なる実施形態では、シリコーンフィルム(ELASTOSIL(登録商標)フィルム、厚さ100μm、WACKER Chemie AGから入手可能)は、コーティングされていないガラスシート上に水の膜によって固定される。次に、シリコーンフィルムの上面を、HDR帯電電極を備えたCM LITE高電圧帯電ユニットからなるSimco-Ion製の帯電システムによって-300Vに帯電させる。帯電量はSK050静電計を使用して測定し、キーエンス製のSK1000評価ユニットで確認する。+100Vに匹敵する帯電を印刷化合物層で行う。次に、両方のプレートをレーザーの切断チャンバーに再度置く。印刷化合物とシリコーンフィルムとの距離は、スペーサーを用いて100~400μmの範囲で選択することができる。上記の記載に似たLIFT操作を行うことになる。既述の帯電なしでは、剥離された印刷化合物は、不完全におよび/または標的を外れて転写される。さらにまた、帯電は、転写された層のより均一な堆積およびより良い統合をもたらす。
1 工程図 方法1
2 堆積キャリアロール
3 フィルムキャリアロール
4 積層フィルム
5 電極材料用のコーティングシステム
6 電気絶縁材料用のコーティングシステム
7 フィルム層間剥離ユニット(エラストマー-キャリア)
8 液体槽/湿潤
9 キャリアフィルム用巻き取りユニット
10 エアジェットユニット(エラストマーフィルムから滴/液体を除去)
11 積層ロール
12 硬化ステーション
13 冷却ステーション
14 積層体(少なくともキャリア、エラストマー、電極、エラストマー)
15 アプリケーター
16 アクティブカメラシステム
17 ウェブガイド循環ベルト
18a 貯蔵用ロール
18b ベルト貯蔵部
19 フィルムキャリア
20 静電気放電
21 電位φ_2に帯電
22 電位φ_1に帯電
23 電位Aに帯電
24 穿孔試験
25 電位Bに帯電
26 フィールドユニット(電場、磁場)
27 電位Cに帯電
28 コーティングを電位Dに帯電
29 工程図 方法2
30 図EF LIFT
31 レーザー光源
32 レーザー光
33 印刷化合物キャリア
34 剥離層
35 シリコーン組成物/電極材料/印刷化合物/支持体材料
36 シリコーンエラストマーフィルムまたは積層体を有するか、または有さない堆積キャリア
37 フィールド電極 EF LIFT
38 剥離領域
39 剥離された印刷化合物/電極材料
40 レーザー光の焦点
41 空領域キャリア/剥離された印刷化合物の領域
42 塗布印刷化合物/印刷層アプリケーター
43 キャリーオフおよびキャリーオンシステム
44 未転写の印刷化合物用キャリーオフシステム
45 印刷化合物の処理および剪断
46 過剰印刷領域、塗布印刷化合物
47 リザーバー容器
48 精密厚さリムーバーおよび帯電エッジ
49 工程図 アプリケーター印刷層
50 詳細図 剥離機序 液体剥離
51 液体
52 液体のフィルム
53 回転ロール
54 液体噴霧ユニット
55 エラストマーフィルム
56 ガイドロール
57 誘起力(剥離)-液体メニスカス
60 断面図 複合電極
61 EAP層(非導電性シリコーンエラストマー)
62 電極帯電面
63 伝導層

Claims (26)

  1. レーザー転写印刷によって少なくとも1つのシリコーン層を塗布する方法であって、
    以下の工程:
    (i)レーザー光源(31)を用意すること、
    (ii)印刷化合物キャリア(33)を前記レーザー光源(31)の下に設けること、ここで、前記印刷化合物キャリア(33)は、レーザー光に対して透光性があり、架橋性シリコーン組成物(35)でその下側がコーティングされており、前記架橋性シリコーン組成物の少なくとも表面が電位phi_1に帯電しており、
    (iii)前記印刷化合物キャリア(33)の下に堆積キャリア(36)を設けること、(iv)電極(37)を前記堆積キャリア(36)の下に設けること、ここで、前記電極(37)は電位phi_3に帯電しており、phi_1とphi_3とは反対の極性を有し、
    (v)前記架橋性シリコーン組成物(35)の少なくとも一部が剥離され、前記堆積キャリア(36)に転写されるように、前記印刷化合物キャリア(33)にレーザー光(32)を照射すること、ならびに
    (vi)前記堆積キャリア(36)に転写された前記シリコーン組成物(35)を完全にまたは部分的に架橋することによってシリコーン層を形成すること
    を含む、方法。
  2. 前記架橋性シリコーン組成物(35)に対向する前記堆積キャリア(36)の少なくとも表面が、電位phi_2に帯電しており、phi_2およびphi_1は反対の極性を有し、phi_2は、工程(v)で前記堆積キャリア(36)に転写された前記シリコーン組成物(35)の帯電量の少なくとも一部が、前記堆積キャリア(36)の表面で中和されるように選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記印刷化合物キャリア(33)と前記シリコーン組成物(35)との間に、レーザー光(32)での照射で熱くなる不透明な剥離層(34)が配置される、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記レーザー光(32)の焦点(40)が、前記印刷化合物キャリア(33)の上方に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記シリコーン組成物が、DIN EN ISO3219:1994およびDIN53019に従って、コーンプレートシステム、開口角2°のコーンCP50-2を有する較正済みレオメーターを使用して、25℃および剪断速度1s-1で測定される、10mPa・s以上1000Pa・s以下の動粘度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記シリコーン組成物が、付加架橋性シリコーン組成物であり、以下の成分:
    (A)脂肪族炭素-炭素多重結合を有する基を少なくとも2つ含む、有機化合物もしくは有機ケイ素化合物、
    (B)Si結合した水素原子を少なくとも2つ含む有機ケイ素化合物、
    または(A)および/もしくは(B)の代わりに、または(A)および(B)に加えて、(C)脂肪族炭素-炭素多重結合を有するSiC結合した基、およびSi結合した水素原子を含む有機ケイ素化合物、ならびに
    (D)ヒドロシリル化触媒
    を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記付加架橋性シリコーン組成物が、以下の更なる成分:
    (E)少なくとも50m/gのBET表面積を有する、ヒュームドシリカまたは沈降シリカ、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、グラフェン、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、微粒子金属、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化亜鉛、二酸化チタン、フェライト、NIR吸収体、MIR吸収体、およびこれらのフィラーの組合せからなる群より選択される1つまたは複数のフィラー
    を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記シリコーン層が、誘電性シリコーン層または導電性シリコーン層である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記シリコーン層が、走査型電子顕微鏡分析で測定される、0.1μm~200μmの層厚さを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記印刷化合物キャリア(33)が、ガラス、石英ガラス、PET、ポリカーボネート、PMMA、およびセレン化亜鉛ガラスからなる群より選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記堆積キャリア(36)が、PETフィルム、金属箔、およびガラスからなる群より選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記堆積キャリア(36)が、1つまたは複数の架橋シリコーン層、架橋性シリコーン組成物の1つまたは複数の層、少なくとも2層の硬化シリコーンを有するシリコーン多層複合体、および金属層をさらに有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 個々の層の厚さが、いずれの場合も走査型電子顕微鏡分析で測定して、0.1μm以上200μm以下である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記転写されたシリコーン組成物が、いずれの場合も走査型電子顕微鏡分析で測定して、0.1μm~200μmのフィルム厚さを有するシリコーンフィルム、または0.1μm~200μmの層厚さを各々有する少なくとも2層の硬化シリコーンを有するシリコーン多層複合体と積層されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記シリコーンフィルム(55)が、フィルムキャリア(19)から剥離することによって得られ、
    前記剥離が、以下の工程:
    キャリアフィルム(19)上に塗布された前記シリコーンフィルム(55)を液浴(51)に浸漬すること、および/または既に前記シリコーンフィルムから剥離されたキャリアフィルム(19)の内部に、まだ剥離されていないシリコーンフィルムの方向に噴霧ユニット(54)を用いて液体を噴霧すること、ならびに
    前記積層フィルムから前記シリコーンフィルムを剥離すること
    を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記剥離されたシリコーンフィルム(55)、穿孔試験機(24)により欠陥の有無が試験される、請求項15に記載の方法。
  17. 1つまたは複数の更なるシリコーン層が、工程(i)~(vi)の繰返しによって前記転写されたシリコーン組成物に塗布される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記堆積キャリア(36)が、堆積キャリアロール(2)から供給され、コーティング後に、貯蔵用ロール(3)に回収される移動キャリアベルトとして構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記堆積キャリア(36)が、移動循環ベルトとして構成され、1つまたは複数のシリコーン層によるコーティングが終わるまで、ベルト貯蔵部(18b)を介して循環される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記レーザー光源(31)が、前記堆積キャリア(36)の表面またはその上に塗布された前記シリコーン層の表面を粗面化、削摩および/または切断するように設定される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記シリコーン層が、導電性シリコーン層であり、
    前記方法が、以下の工程:
    誘電体層(61)を設けること、
    導電性金属層(62)を前記誘電体層(61)に塗布すること、
    電性シリコーン層(63)を前記導電性金属層(62)に塗布すること、
    更なる導電性金属層(62)を前記導電性シリコーン層(63)に塗布すること、
    更なる誘電体層(61)を前記更なる導電性金属層(62)に塗布すること
    を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. いずれの場合も走査型電子顕微鏡分析で測定して、前記誘電体層(61)が、各々、5μm~200μmの層厚さを有し、前記導電性金属層(62)が、各々、10nm~100μmの層厚さを有し、前記導電性シリコーン層(63)が、5μm~200μmの層厚さを有する、請求項21に記載の方法。
  23. 工程(v)で生じた、未転写の架橋性シリコーン組成物(35)をもつ前記印刷化合物キャリア(33)が、架橋性シリコーン組成物(35)で再度完全にコーティングされ、レーザー転写印刷による1つまたは複数の更なるシリコーン層の塗布に使用される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記完全なコーティングが、以下の工程:
    キャリーオフシステム(44)によって、前記未転写のシリコーン組成物(35)を前記印刷化合物キャリア(33)から剥離すること、
    前記剥離されたシリコーン組成物(35)を処理システム(45)で処理すること、および
    キャリーオンシステム(43)によって、前記処理済みシリコーン組成物(35)を前記印刷化合物キャリア(33)上に運ぶこと
    を含む、請求項23に記載の方法。
  25. センサー、アクチュエーターまたはEAP層システムを製造するための方法である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記シリコーン層が、前記センサー、アクチュエーターまたはEAP層システムにおける、電極層として、および/または誘電体層として機能する、請求項25に記載の方法。
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