JP7019183B2 - 地中構造物の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は地下式立体駐輪場、地下式立体駐車場、又は有害物質埋設施設等の地中構造物に適用可能な地中構造物の構築方法に関するものである。
出願人は閉鎖形状を呈する地中構造物の底部の直下地盤を掘削しながら地中構造物を沈下させる工程と、地中構造物の躯体を増築する工程とを繰り返しながら所定の高さの地中構造物を構築する方法と、地中構造物の底部の直下地盤を掘削するための自走式の掘削装置を先に提案した(特許文献1~3)。
一般的にコンクリート構造物の増築方法として場所打ち工法とプレキャスト工法が知られている。
場所打ち工法は型枠を用いて現場で躯体を増築する方法であり、鉄筋組立工、型枠の組立工、型枠の支保工を経て型枠内にコンクリートを充填してコンクリート構造物の躯体を増築する。
プレキャスト工法はコンクリート構造物を複数に分割したセグメントを用いる方法であり、予め工場で製作した矩形のセグメントを現場に搬入して組付けると共に、隣り合うセグメントの4つの端面を複数の連結ボルトで連結している。
特許文献4には場所打ち工法で用いられる型枠装置が開示されている。
この型枠装置は足場板付きの足場枠ユニットに内型枠パネルと外型枠パネルをそれぞれ一体に結合した構造になっていて、型枠パネルと足場とを同時に組付け、または解体できる構造になっている。
特開2011-17161号公報 特開2011-52484号公報 特許第6043006号公報 特開平6-136938号公報
従来の地中構造物の増築技術にはつぎのような改善すべき点がある。
<1>場所打ち工法では多く作業工程を経なければならず、地中構造物の躯体を1スパン増築するために多くの労力と時間がかかる。
さらに場所打ち工法では、コンクリートの養生に数日を要し、コンクリートの養生期間中は直下地盤の掘削作業を中断しなければならず、効率よく施工することが難しい。
<2>特許文献4に開示された型枠装置を地中構造物の構築にそのまま適用することは困難である。
仮に適用できたとしても、型枠装置を常設した状態で掘削作業や排土作業をしなければならず、地中構造物の内側に位置させた足場枠ユニットが内方地盤の掘削作業や排土作業の障害となる。
<3>プレキャスト工法は連結ボルトの強度のみで持たせる構造であるため、連結ボルトとして高価なハイテンションボルトを使用したり、多数の連結ボルトを使用したりしなければならない。そのため、セグメントの連結コストが高くつくだけでなく、連結作業に多くの時間と労力を要する。
<4>場所打ち工法だけでなくプレキャスト工法の場合も多くの作業員を必要とする。
その一方で、作業員の高齢化と作業員不足の問題が深刻化していることから、少人数で施工できる地中構造物の増築技術の提案が望まれている。
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、大幅な省力化を図りつつ、効率よく施工できる、地中構造物の構築方法を提供することにある。
本発明は、地中構造物の底部の直下地盤を均等に掘削しながら地中構造物の上部に地中構造物の躯体を増設する、地中構造物の構築方法である。
地中構造物を複数の環体で構成し、各環体を複数のプレキャスト製の分割ブロックの集合体で構成する。
本発明では複数の分割ブロックを横列して環体を組み立てる際における左右に隣り合う分割ブロックの連結構造と、複数の分割ブロックを積み重ねて上下に環体を接合する際における上下に隣り合う分割ブロックの連結構造に改良を加えたものである。
すなわち、分割ブロックはその上面にその上面の全長に亘って凹溝が形成されていると共に、凹溝の溝底の一部に分割ブロックの躯体を縦断して貫通する複数の連結縦孔が所定の間隔を隔てて開設されていて、さらに前記分割ブロックの端面には分割ブロックの延長方向に向けて連結板が横向きに突設されている。
間隔を隔てて横列した複数の分割ブロックの両端部の連結板間をボルト連結手段で連結すると共に、連結板が露出した分割ブロックの両端部間の空間内にコンクリートを打設して連結しながら環体を組み立てる工程と、複数の分割ブロックの上下面を互いに当接させて積み重ね、連結縦孔内にコンクリートを充填して上下の分割ブロック間に跨って形成された縦向きの充填補強材と、前記連結縦孔と連通する凹溝内にコンクリートを充填して上下の分割ブロックの上下面の間に形成された横向きの充填補強材とにより、上下の環体を分離不能に連結する工程とを繰り返し行うことで、地中構造物を増設する。
本発明の他の形態において、前記分割ブロックの上面と下面に位置決め用の突起体と位置決め孔がそれぞれ対応する位置に形成されていて、複数の分割ブロックの上下面を互いに当接させて積み重ねたたときに前記突起体と位置決め孔が嵌合して上下の分割ブロックを位置決めするようにしてもよい。
本発明の他の形態において、前記複数の連結縦孔は、分割ブロックを上下に積み重ねたときに上下の各連結縦孔が同一の鉛直線上に位置するように関係づけられている。
本発明の他の形態において、前記ボルト連結手段が隣り合う連結板の間に架け渡した添接板と、連結板と添接板との間を締結する複数の連結ボルトの組み合せである。
本発明の他の形態において、前記地中構造物の平面形状が矩形を呈していて、環体の直線部を構成する平板タイプの分割ブロックと、環体の角部を構成する屈曲タイプの分割ブロックの二種類を用いて環体を組み立てる。
本発明は少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>本発明では縦横方向に組み増した複数の分割ブロックを簡易な連結手段により連結して地中構造物を増設できるから、少ない作業員で地中構造物を増設することができて、大幅な省力化を図りつつ、効率よく施工できる。
<2>上下の分割ブロック間に跨って構築された縦向きの充填補強材や、上下の分割ブロックの上下面の間に構築された横向きの充填補強材は、単なる分割ブロックの連結材としての機能だけでなく、地中構造物の補強材としても機能するため、地中構造物の全体の強度が高くなる。
<3>大型の型枠や大規模な足場設備が不要であるため、掘削作業や排土作業に悪影響を与えずに施工できる。
地中構造物の全体の斜視図 施工時における地中構造物の縦断面図 平板タイプの分割ブロックの説明図で、(A)は分割ブロックの全体の斜視図、(B)は分割ブロックの端部の斜視図 一部を省略した屈曲タイプの分割ブロックと平板タイプの分割ブロックの斜視図 分割ブロックの左右端部間の連結方法の説明図で、(A)は連結前における分割ブロックの全体の平面図、(B)は連結後における分割ブロックの全体の平面図 分割ブロックの左右端部間の連結方法の説明図で、コンクリート充填時における分割ブロックの左右端部間の側面図 分割ブロックの上下部の連結方法の説明図で、(A)は連結前における分割ブロックの縦断面図、(B)は連結後における分割ブロックの縦断面図 図7におけるVIII-VIIIの断面図
以下に図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
<1>地中構造物の概要
図1,2を参照して説明すると、地中構造物10は上下を開放したコンクリート製の函体であり、多段的に積み重ねたられた複数の環体20からなる。
最下位の環体20の下面には地中構造物10の底部の直下地盤を均等に掘削可能な複数の掘削装置40が自走可能に配備されている。
地中構造物10の平面形状は本例で例示した矩形に限定されず、多角形、円形、楕円形等の任意の形状を含む。さらに地中構造物10の躯体厚や全体寸法は使途に応じて適宜選択可能である。
<2>環体
環体20は構築予定の地中構造物10を水平の分割面で複数に分割した無端形状の函体であり、矩形を呈する複数の分割ブロック30の集合体で構成されている。
環体20を構成する左右に隣り合う分割ブロック30の両端部は、ボルト連結手段と場所打ちコンクリートによる固結手段の併用により連結されている。
各環体20は水平に形成された上下の接合面を当接して積み重ねられていて、後述する凹凸嵌合による位置決め手段と場所打ちコンクリートによる固結手段の併用により分離不能に連結されている。
<3>分割ブロック
分割ブロック30は上面30a、下面30b、一対の側面30c,30c、および左右の端面30d,30dを有する均一厚で矩形を呈するプレキャスト製のコンクリートブロックである。
<3.1>分割ブロックの分割平面形状
図3,4を参照して分割ブロック30の分割形状について説明する。
本例では環体20の平面形状が矩形を呈することから、環体20の直線部を構成する平板タイプの分割ブロック30A(図3)と、環体20の角部を構成する屈曲タイプの分割ブロック30B(図4)の二種類を用いて組み立てる場合について説明する。
分割ブロック30の分割形状は図示した形態に限定されず、環体20の平面形状と分割数等に応じて適宜選択が可能である。
<3.2>分割ブロックの縦の接合位置
この場合、分割ブロック30の左右の端部の接合位置が千鳥状に位置するようにしてもよいし、同一の鉛直線上に揃えて位置するようにしてもよい。
<3.3>左右の分割ブロック間の連結手段
分割ブロック30の左右の各端部は、ボルト連結と場所打ちコンクリートによる固結が可能な構造になっている。
本例で例示した分割ブロック30の端部の連結手段について説明すると、分割ブロック30の端面30dには分割ブロック30の延長方向に向けて上下一対の連結板35,35と鉄筋36が横向きに突設されている。
分割ブロック30の両端の各連結板35,35は同一の高さに取付けられており、分割ブロック30,30の両端の各鉄筋36は突き合せたときに互いに干渉しない位置に取り付けられている。
連結板35の板面には複数のボルト孔35aと開口部35bが開設されている(図3(B))。
複数のボルト孔35aは突き合せた連結板35,35の間に跨って配設した添接板37をボルト連結するために機能し、開口部35bは左右に隣り合う分割ブロック30,30の突合せ端部空間内にコンクリートを充填するために機能する。
添接板37にも複数のボルト孔37aと開口部37bが開設されている(図4)。
本例では上下一対の連結板35,35を水平に向けた形態について説明するが、縦向きに配置してもよし、連結板35,35をH形鋼で代用してもよい。連結板35は単数(1枚)でもよい。
<3.4>上下の分割ブロック間の連結手段
分割ブロック30の上下間は、凹凸嵌合による位置決めと、場所打ちコンクリートによる固結が可能な構造になっている。
本例で例示した上下の分割ブロック30間の位置決め手段について説明する。
分割ブロック30の上面30aと下面30bには、位置決め用の突起体31と位置決め孔32がそれぞれ対応する位置に形成されていて、突起体31と位置決め孔32を嵌合することで、上下の分割ブロック30,30間を位置決めできるようになっている。
突起体31と位置決め孔32は必須ではなく省略される場合もある。
本例で例示した上下の分割ブロック30間の場所打ちコンクリートによる固結手段について説明する。
分割ブロック30の上面30aには、その上面30aの全長に亘って凹溝33が形成されていると共に、凹溝33の溝底の一部には分割ブロック30の躯体を縦断して貫通する複数の連結縦孔34が所定の間隔を隔てて開設されている。
凹溝33および連結縦孔34はコンクリート充填用の空間として機能するものである。
複数の連結縦孔34は、分割ブロック30,30を上下に積み重ねたときに上下の各連結縦孔34,34が同一の鉛直線上に位置するように関係づけられている。
<4>掘削装置
図2を参照して説明すると、最下位の環体20の下面にはH形鋼の底部フレーム11が設けられていて、この底部フレーム11に複数の掘削装置40が自走可能に配備されている。
地中構造物10は底部フレーム11を介して直下地盤に接面して支持される。
地中構造物10の底部の直下地盤を掘削する掘削装置40は公知であり、底部フレーム11に係合して走行可能な走行体41と、走行体41の走行手段と、走行体41に搭載した回転カッタ42と、回転カッタ42の回転手段とを具備する。
複数の掘削装置40は地中構造物10の直線部を水平走行しながら地中構造物10の直下地盤を連続して掘削し、地中構造物10の角部の掘削を終えると走行方向を反転し、同一周期で往復走行を繰り返す。
[地中構造物の構築方法]
主に図2を参照しながら地中構造物10の構築方法について説明する。
<1>準備工1(底部フレームの組立てと掘削装置の組付け)
図2は地中構造物10を増設しながらある程度の深さまで沈設した状態を示している。
この状態に至るまで準備段階について説明する。
平らに成形した地面50に底部フレーム11を載置して閉鎖形状に組み立てると共に、底部フレーム11の内側に間隔を隔てて複数の掘削装置40を組み付ける。
<2>準備工2(最下位の環体の構築)
底部フレーム11の上部に地中構造物10を構成する最下位の環体20を構築する。
最下位の環体20は場所打ちコンクリートで構築してもよいし、横列させた複数の分割ブロック30を繋ぎ合わせて構築してもよい。
<3>均等掘削
複数の掘削装置40を往復移動させながら最下位の環体20の底部の直下地盤を均等に掘削すると共に、内方地盤51を公知の掘削機材を用いて掘削する。
複数の掘削装置40を通じて最下位の環体20の内方に排出される掘削土砂は、内方地盤51の掘削土砂と共にクラムシェルバケット55等により地上へ排出する。
このように複数の掘削装置40による最下位の環体20の直下地盤を掘削する作業と並行して内方地盤51を掘削する。
最下位の環体20の底部の直下地盤を均等に掘削することで、環体20が高い水平性を保ちながら自重で沈降する。
<4>環体の増設
最下位の環体20が所定の深さまで沈下したら、環体20の上面に複数の分割ブロック30を環状に組み立てて二段目以降の環体20を順次増設する。
図4~8を参照しながら、二段目以降の環体20を増設する際における各分割ブロック30の左右端部間及び上下部間の連結方法について説明する。
<4.1>分割ブロックの左右端部間の連結方法
図4~6を参照して隣り合う分割ブロック30,30の左右端部間の連結方法について説明する。
図4,5において、分割ブロック30,30の各連結板35,35を突き合せる。
つぎに隣り合う連結板35,35の間に添接板37を架け渡して複数の連結ボルト38で剛結して分割ブロック30,30の左右の端部間をボルト連結する。
さらに左右に隣り合う分割ブロック30,30の側面30c,30c間に跨って簡易な型枠60を取り付けて型枠空間を形成し(図5(B))、この型枠空間内にコンクリートを充填する。型枠60は型枠空間が小さいことから簡易な型枠で対応することができる。
図6は型枠空間内にコンクリート61を充填して分割ブロック30,30の左右の端部間を一体に連結した状態を示している。
コンクリート61は添接板37と連結板35に開設された開口部37b,35bを通じて型枠空間の全域に充填される。
以上説明したように、ボルト連結と少量のコンクリートの打設を行うだけの簡単な作業で以て、短時間のうちに環体20を構築することができる。
環体20を構成する各分割ブロック30,30の左右の端部間を連結する手段としては、ボルト連結手段または場所打ちコンクリートによる連結手段の何れかの手段を単独で行うことも可能であるが、本発明ではこれら二つの連結手段を併用した。
これら二つの連結手段を併用するのは、連結強度を高めるだけでなく、ボルト連結で使用する連結ボルト38の荷重負担を軽減するためである。そのため、連結ボルト38として安価な通常ボルトを用いることでき、さらに連結ボルト38の使用本数も少なくできる。
<4.2>分割ブロックの上下部の連結方法
図7を参照して上下に隣接する分割ブロック30,30の上下部間の連結方法について説明する。
<4.2.1>分割ブロックの位置決め
下段の分割ブロック30の上面30aに上段の分割ブロック30を積み重ねたる際、突起体31と位置決め孔32を嵌合させて位置決めする。
上下下段の分割ブロック30,30を位置決めすることで、各分割ブロック30の水平変位を拘束できる。
<4.2.2>凹溝と連結縦孔の連通
上下の分割ブロック30,30を突起体31と位置決め孔32とにより位置決めすることで、上下の連結縦孔34,34が同一の鉛直線上に揃う。
同一の鉛直線上に位置する上下の連結縦孔34,34は下段の分割ブロック30の上面30aに形成された凹溝33とも連通している。
<4.2.3>コンクリートの充填
本発明では分割ブロック30,30の上下間の連結手段として連結ボルトを用いない。
本発明では以下に説明するように連結ボルトに代わってコンクリート製の充填補強材を用いて分割ブロック30,30の上下間を連結するものである。
図7(B)と図8を参照して説明すると、上段の分割ブロック30に形成された連結縦孔34内へコンクリート62を充填する。コンクリート62は上下の連結縦孔34,34内に充填されると共に、連結縦孔34に連通した横向きの凹溝33内にも充填される。
上下の連結縦孔34,34に跨って充填されたコンクリート62は、縦向きの充填補強材として機能することから、上下に隣接する分割ブロック30,30の間を強固に連結する。
必要に応じて連結縦孔34内に縦筋63を配筋すれば、上下に隣接した分割ブロック30,30間の連結強度をさらに高くできる。
凹溝33内に充填されたコンクリート62は、横向きの充填補強材として機能することから、上下に隣接する分割ブロック30,30の上面30aおよび下面30bの間を強固に連結する。
以上説明したように、現場で少量のコンクリートを充填するだけの簡単な作業で以て、上下に隣接させた分割ブロック30,30の間を強固に連結することができる。
既述したように地中構造物10は複数の分割ブロック10を組み増しするだけであるから、掘削作業と排土作業に支障をきたすことがない。
特に、地中構造物の増設分の躯体を場所打ちコンクリート工法のみで製作する場合と比べて、本発明では大型の型枠や大規模な作業足場が不要であるため、作業に要する人数と作業員の労力負担を大幅に軽減することができる。
また従来のプレキャスト工法のみで地中構造物を増設する場合はセグメントの上下左右の4面を多数の連結ボルトを使って連結しなければならなかったが、本発明では分割ブロック30,30の上下間の連結手段として連結ボルトを一切用いないので分割ブロックの連結コストを低減することができる。
また湧水地盤を通過する際は地中構造物の沈設速度を速めて湧水による影響を小さくする必要があるが、本発明では地中構造物を短時間に増築できるので、地中構造物の沈設速度に追従させて地中構造物を増築することができる。
10・・・・・地中構造物
11・・・・・底部フレーム
20・・・・・環体
30・・・・・分割ブロック
30a・・・・分割ブロックの上面
30b・・・・分割ブロックの下面
30c・・・・分割ブロックの側面
30d・・・・分割ブロックの端面
31・・・・・突起体
32・・・・・位置決め孔
33・・・・・凹溝
34・・・・・連結縦孔
35・・・・・連結板
36・・・・・鉄筋
37・・・・・添接板
38・・・・・連結ボルト
40・・・・・掘削装置
41・・・・・走行体
42・・・・・回転カッタ
50・・・・・地盤
51・・・・・内方地盤
50・・・・・鉄筋
60・・・・・型枠
61・・・・・コンクリート
62・・・・・コンクリート
63・・・・・縦筋

Claims (5)

  1. 閉鎖形状を呈するコンクリート製の地中構造物の底部フレームに係合して自走可能な複数の掘削装置を具備し、前記複数の掘削装置が底部フレームに沿って走行することで地中構造物の底部の直下地盤を均等に掘削する工程と並行して地中構造物の上部に地中構造物の躯体を増設する、地中構造物の構築方法であって、
    前記地中構造物が多段的に積み重ねられ、上下を開放した複数の環体からなり、
    前記環体は矩形を呈する複数のプレキャスト製の分割ブロックの集合体からなり、
    前記分割ブロックはその上面にその上面の全長に亘って凹溝が形成されていると共に、凹溝の溝底の一部に分割ブロックの躯体を縦断して貫通する複数の連結縦孔が所定の間隔を隔てて開設されていて、
    前記分割ブロックの端面には分割ブロックの延長方向に向けて連結板が横向きに突設されており、
    間隔を隔てて横列した複数の分割ブロックの両端部の連結板間をボルト連結手段で連結すると共に、連結板が露出した分割ブロックの両端部間の空間内にコンクリートを打設して連結しながら環体を組み立てる工程と、
    複数の分割ブロックの上下面を互いに当接させて積み重ね、連結縦孔内にコンクリートを充填して上下の分割ブロック間に跨って形成された縦向きの充填補強材と、前記連結縦孔と連通する凹溝内にコンクリートを充填して上下の分割ブロックの上下面の間に形成された横向きの充填補強材とにより、上下の環体を分離不能に連結する工程とを繰り返し行うことを特徴とする、
    地中構造物の構築方法。
  2. 前記分割ブロックの上面と下面に位置決め用の突起体と位置決め孔がそれぞれ対応する位置に形成されていて、複数の分割ブロックの上下面を互いに当接させて積み重ねたたときに前記突起体と位置決め孔が嵌合して上下の分割ブロックが位置決めされることを特徴とする、請求項1に記載の地中構造物の構築方法。
  3. 前記複数の連結縦孔は、分割ブロックを上下に積み重ねたときに上下の各連結縦孔が同一の鉛直線上に位置するように関係づけられていることを特徴とする、請求項1に記載の地中構造物の構築方法。
  4. 前記ボルト連結手段が隣り合う連結板の間に架け渡した添接板と、連結板と添接板との間を締結する複数の連結ボルトの組み合せであることを特徴とする、請求項1に記載の地中構造物の構築方法。
  5. 前記地中構造物の平面形状が矩形を呈していて、環体の直線部を構成する平板タイプの分割ブロックと、環体の角部を構成する屈曲タイプの分割ブロックの二種類を用いて環体を組み立てることを特徴とする、請求項1に記載の地中構造物の構築方法。
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