JP7017869B2 - セパレータの捲回体 - Google Patents
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Description
[1]
セパレータの捲回体であって、上記セパレータは、基材の少なくとも片面に塗工された熱可塑性ポリマー塗工層を有し、捲回された上記セパレータの最内層から1cm以下の領域における上記捲回体の側面の突刺強度が10N以上100N以下である、捲回体。
[2]
捲回された上記セパレータの最も内側のセパレータと上記最も内側のセパレータの上に捲回されたセパレータとの間における上記捲回体の圧力が0.3MPa以上2.5MPa以下である、項目1に記載の捲回体。
[3]
上記熱可塑性ポリマー塗工層の塗工目付が0.05g/m2以上2g/m2以下である、項目1又は2に記載の捲回体。
[4]
上記熱可塑性ポリマーが共役ジエン系ポリマー、アクリル系ポリマー、及びフッ素系ポリマーの少なくとも一つを含む項目1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの捲回体。
[5]
上記熱可塑性ポリマー塗工層の面積占有率が10%以上80%以下である、項目1~4のいずれか1項に記載の捲回体。
[6]
上記基材上に、上記熱可塑性ポリマー塗工層が存在する部分と、上記熱可塑性ポリマー塗工層が存在しない部分とが海島状に存在し、
上記熱可塑性ポリマー塗工層は、少なくとも2種の熱可塑性ポリマーを含み、全体としてガラス転移温度を少なくとも2つ有しており、
上記ガラス転移温度のうち少なくとも一つは40℃未満の領域に存在し、
上記ガラス転移温度のうち少なくとも一つは40℃以上の領域に存在する、
項目1~5のいずれか1項に記載の捲回体。
[7]
上記熱可塑性ポリマー塗工層の塗工パターンがドットパターンである、項目1~6のいずれか1項に記載の捲回体。
〈最内層の突刺強度又は圧力〉
本実施形態のセパレータの捲回体は、基材の少なくとも片面に塗工された熱可塑性ポリマー塗工層を有するセパレータの捲回体であって、捲回されたセパレータの最内層から1cm以下の領域(以下、本願明細書において「内層領域」ともいう。)における捲回体の側面の突刺強度が10N以上100N以下である。一実施形態において、セパレータを電極と共に捲回した後に捲回体がプレスバックすることを抑制するために、セパレータは、基材の両面に熱可塑性ポリマー塗工層を有してもよい。熱可塑性ポリマー塗工層は、基材の片面又は両面の全体に形成してもよく、セパレータが高いイオン透過性を有するように、片面又は両面の一部のみに形成してもよい。
熱可塑性ポリマー塗工層の塗工目付は、好ましくは0.05g/m2以上2g/m2以下、より好ましくは0.1g/m2以上1.5g/m2以下、更に好ましくは0.2g/m2以上1.0g/m2以下である。熱可塑性ポリマー塗工層の塗工目付が0.05g/m2以上であると、電極等との接着性が良好になる。熱可塑性ポリマー塗工層の塗工目付が2.0g/m2以下であると、ブロッキングをより効果的に抑制することができ、また、レート特性がより良好になる。
本実施形態の捲回体において、捲回されているセパレータの捲回数は、好ましくは500回以上10000回以下、より好ましくは1000回以上8000回以下、更に好ましくは1500回以上5000回以下である。捲回数が500回以上であれば、捲回体を輸送する際の体積を低減することができ、また、蓄電デバイスの製造において、捲回体を交換する頻度が少なくなる、といった経済的利点を有する。捲回数が10000回以下であれば、捲回体の内層にかかる圧力が低減するため、ブロッキングを効果的に低減することができる。
本実施形態の捲回体において、捲回されているセパレータの幅(本願明細書において、「巻幅」ともいう。)は、限定されないが、典型的には10mm以上2000mm以下、より典型的には20mm以上1500mm以下である。
セパレータの捲回体は、典型的にはコア(「芯材」とも呼ばれる)の周りに捲回されている。セパレータの捲回体のコアの材質としては、限定されないが、紙製、樹脂製等が挙げられ、典型的には樹脂製である。
熱可塑性ポリマー塗工層は、所望のパターンを有するパターン塗工であってもよい。パターン塗工の形状としては、限定されないが、例えば、線状、斜線状、ストライプ状、ドット状、格子目状、縞状、及び亀甲模様状等のパターンが挙げられる。パターン塗工は、好ましくは斜線パターン、ストライプパターン、及びドットパターンであり、より好ましくはドットパターンである。本願明細書において、「ストライプパターン」又は「ストライプ状」とは、ポリオレフィン基材のMD方向(機械方向)に対してほぼ平行な、複数の線を有するパターンを意味する。本願明細書において、「斜線パターン」又は「斜線状」とは、ポリオレフィン基材のMD方向以外の方向に対してほぼ平行な、複数の線を有するパターンを意味する。本願明細書において、「ドットパターン」又は「ドット状」とは、ポリオレフィン多孔性基材上に、熱可塑性ポリマーが存在しない部分と、熱可塑性ポリマーが存在する部分とが海島状である(海:熱可塑性ポリマーが存在しない部分、島:熱可塑性ポリマーが存在する部分である。)ことを意味する。
基材としては、捲回体として製造しうる程度の可撓性を有する基材であれば特に限定されず、典型的には多孔性基材、例えば、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔性基材であってよく、ポリオレフィン樹脂から構成される多孔性基材であることが好ましい。「主成分として含む」とは、特定の成分又は部材を、50質量%を超えて含むことを意味する。「から構成される」とは、不可避成分及び混入等を除いて、特定の成分又は部材から成ることを意味する。
ポリエチレン:[η]=6.77×10-4Mv0.67(Chiangの式)
ポリプロピレン:[η]=1.10×10-4Mv0.80
気孔率=(体積-質量/膜密度)/体積×100
により求めることができる。例えば、ポリエチレンから構成されるポリオレフィン多孔性基材の場合、膜密度を0.95(g/cm3)と仮定して気孔率を計算することができる。気孔率は、基材の延伸倍率を変更すること等により調節可能である。
(イオン透過性)
セパレータのイオン透過性は、実施例の欄に記載するように、セパレータの透気度によって評価することができる。セパレータの透気度は、好ましくは10~10,000秒/100ccであり、より好ましくは10~1,000秒/100ccであり、更に好ましくは50~500秒/100ccである。透気度が上記範囲内であることにより、セパレータをリチウムイオン二次電池に適用したときには、大きなイオン透過性を示す。
上記セパレータの最終的な膜厚は、2μm以上200μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上100μm以下、更に好ましくは7μm以上30μm以下である。膜厚が2μm以上であると、機械強度が十分となる傾向にある。また、200μm以下であると、セパレータの占有体積が減るため、電池の高容量化の点において有利となる傾向にある。
蓄電デバイス用セパレータの接着性は、実施例の欄に記載するように、セパレータと電極との間の剥離強度により評価することができる。蓄電デバイス用セパレータは、セパレータの熱可塑性ポリマーを含有する層側を正極に、100℃において1MPaの圧力で5秒間加圧した場合の剥離強度(以下、「加熱剥離強度」ともいう。)として測定される。上記セパレータの剥離強度としては、前記加熱剥離強度の値が2mN/mm以上であることが好ましい。加熱剥離強度が上記範囲にあるセパレータは、後述の蓄電デバイスに適用する際に、電極とセパレータとの密着性に優れる点で好ましい。上記の加熱剥離強度の測定方法については、後述の実施例において具体的に記載される。
セパレータの捲回体の製造方法は:
基材の少なくとも片面に、熱可塑性ポリマー及び分散媒を含む塗工用スラリーをパターン塗工することと;
上記塗工用スラリーから分散媒を乾燥させて、基材の少なくとも片面に、熱可塑性ポリマー塗工層を形成することと;
熱可塑性ポリマー塗工層が形成されたセパレータを所定の巻取張力にて捲回することと
を含み、
捲回された上記セパレータの最内層から1cm以下の領域における上記捲回体の側面の突刺強度が10N以上100N以下である、方法であることが好ましい。捲回は、セパレータのみを捲回してもよく、セパレータを任意のコア上に捲回してもよい。
熱可塑性ポリマー塗工層の塗工方法は、特に限定されず、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、及びスプレー塗布法等が挙げられる。パターン塗工を行う場合、熱可塑性ポリマーの塗工形状の自由度が高く、所望の面積割合を容易に得ることができること等から、好ましくはグラビアコーター法である。
分散媒を乾燥させる方法は、塗布後の熱可塑性ポリマー塗工層から分散媒を実質的に除去して多孔性基材上に、熱可塑性ポリマー塗工層を残すことができれば限定されない。乾燥後の熱可塑性ポリマー塗工層に許容量の分散媒が残留してもよい。分散媒を乾燥させる方法としては、例えば、多孔性基材を固定しながらその融点以下の温度で乾燥させる方法、及び低温で減圧乾燥させる方法等が挙げられる。多孔性基材のMD方向(多孔性基材の機械方向)の収縮応力を制御する観点から、乾燥温度、及び巻取り張力等を調整することが好ましい。
乾燥させた熱可塑性ポリマー塗工層を有するセパレータを捲回する方法としては、限定されず、あらゆる公知の方法を用いることができる。
本実施形態では、蓄電デバイス用セパレータは、ポリオレフィン多孔性基材と熱可塑性ポリマー塗工層に加えて、無機フィラー又は有機フィラーと樹脂製バインダを含む多孔層を備えていてもよい。多孔層の位置は、ポリオレフィン多孔性基材表面の少なくとも一部、熱可塑性ポリマー塗工層表面の少なくとも一部、及び/又はポリオレフィン多孔性基材と熱可塑性ポリマー塗工層との間が挙げられる。前記多孔層はポリオレフィン多孔性基材の片面であっても両面に備えていてもよい。
多孔層に使用する無機フィラーとしては、特に限定されないが、200℃以上の融点を持ち、電気絶縁性が高く、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定であるものが好ましい。
有機フィラーとしては、例えば、架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸、架橋ポリメタクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリシリコーン(ポリメチルシルセスキオキサン等)、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、ポリアミドイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド縮合物等の各種架橋高分子微粒子;ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド等の耐熱性高分子微粒子等が例示できる。また、これらの有機微粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(前記の耐熱性高分子の場合)であってもよい。
これらの中でも、架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸、架橋ポリメタクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、および架橋ポリシリコーン(ポリメチルシルセスキオキサン等)、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミドから成る群より選ばれる1種以上の樹脂であることが好ましい。
樹脂製バインダの種類としては、特に限定されないが、本実施形態において蓄電デバイス用セパレータをリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用する場合には、リチウムイオン二次電池の電解液に対して不溶であり、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定なものを用いることが好ましい。
多孔層の形成方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔性基材の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂製バインダとを含む塗布液を塗布して多孔層を形成する方法を挙げることができる。
本実施形態において、熱可塑性ポリマー塗工層を塗工するための塗工用スラリーは、熱可塑性ポリマー及び分散媒を含み、上記塗工用スラリーから上記分散媒を乾燥させることにより、基材上に熱可塑性ポリマー塗工層を形成することができる。
熱可塑性ポリマーとしては、限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びα-ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニリデン、及びポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂、及びこれらを含むコポリマー;ブタジエン、及びイソプレン等の共役ジエンをモノマー単位として含むジエン系ポリマー、これらを含むコポリマー、及びこれらの水素化物;アクリル酸エステル、及びメタアクリル酸エステル等をモノマー単位として含むアクリル系ポリマー、これらを含むコポリマー、これらの水素化物;エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、及びポリ酢酸ビニル等のゴム類;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、及びポリエステル等の、融点及び/又はガラス転移点が180℃以上の樹脂、並びにこれらの混合物等が挙げられる。電極との接着性、強度、及び柔軟性に優れることから、ジエン系ポリマー、アクリル系ポリマー、及びフッ素系ポリマーからなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性ポリマーが好ましい。熱可塑性ポリマーは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ジエン系ポリマーとしては、限定されないが、例えば、ブタジエン、及びイソプレンなどの共役の二重結合を2つ有する共役ジエンをモノマー単位として含むポリマーが挙げられる。共役ジエンモノマーとしては、限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、及び3-ブチル-1,3-オクタジエン等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で重合しても共重合してもよい。
アクリル系ポリマーとしては、限定されないが、好ましくは(メタ)アクリレートモノマーをモノマー単位として含むポリマーである。本願明細書において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
フッ素系ポリマーとしては、限定されないが、例えば、フッ化ビニリデンモノマーのホモポリマー、及びフッ化ビニリデンモノマーと共重合可能なモノマーとのコポリマーが挙げられる。フッ素系ポリマーは、電気化学的安定性の観点から好ましい。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ガラス転移点(Tg)又は融点(Tm)が20℃以上100℃以下、より好ましくは25℃以上90℃以下、より好ましくは30℃以上80℃以下、更に好ましくは35℃以上70℃以下である熱可塑性ポリマーを含む。ガラス転移点又は融点が上記範囲内であることにより、熱プレス時に多孔性基材上の熱可塑性ポリマーが変形し易くなり、被着体である電極への接着面積が増加する。それによって、多孔性基材と熱可塑性層の接着性又はセパレータと電極との接着性がより良好になる。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+…+Wi/Tgi+…Wn/Tgn (1)
{式中、Tg(K)は、コポリマーのTgを示し、Tgi(K)は、各モノマーiのホモポリマーのTgを示し、Wiは、各モノマーの質量分率を示す}。
分散媒は、熱可塑性ポリマーに対して貧溶媒であることが好ましい。分散媒としては、限定されないが、例えば、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、水、エタノール、メタノール、トルエン、熱キシレン、塩化メチレン、ヘキサン等が挙げられる。
本実施形態において、塗工用スラリーは、熱可塑性ポリマー及び分散媒から成ってもよく、熱可塑性ポリマー及び分散媒以外の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤(「分散剤」とも呼ばれる。)、増粘剤、及びpH調整剤等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば低分子量分散剤、例えば、カルボン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩を複数有するモノマー(Cii)、及びカルボン酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩を複数有する非重合性化合物(例えば、アルギン酸ソーダ、及びヒアルロン酸ソーダ)等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばイオン解離性の酸基、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ酸基、及びマレイン酸基等、またはイオン解離性の酸塩基、例えばカルボン酸塩基、スルホン酸塩基、及びマレイン酸塩基等を複数含有するものが好ましい。具体的には、イオン解離性有機分散剤としては、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩がより好ましい。イオン解離性有機分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ウレタン変性ポリエーテル、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、及びビニルメチルエーテル-無水マレイン酸共重合体などの合成高分子;カルボメトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体;キサンタンガム、ダイユータンガム、ウェランガム、ジェランガム、グアーガム、及びカラギーナンガムなどの天然多糖類;並びにデキストリン、及びアルファー化でんぷんなどのでんぷん類が挙げられる。増粘剤は、スラリーの粘度、ポットライフ及び粒度分布の観点から適宜選択される。添加剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせても用いられる。
本実施形態の塗工用スラリーの製造方法は限定されない。例えば、塗工用スラリーは、熱可塑性ポリマー及び分散媒等の成分を任意の手段で混合して、分散媒中に成分を分散させることによって製造することができる。分散方法は、限定されないが、例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌等が挙げられる。
本実施形態の蓄電デバイスは、正極と、負極と、電解質と、本実施形態の蓄電デバイス用セパレータとを有する。蓄電デバイスは、典型的には、正極と、本実施形態の蓄電デバイス用セパレータと、負極とが、この順に積層した電極積層体、又は電極積層体を捲回した電極捲回体を有する。
〈塗工用スラリーの固形分(トルエン不溶分)〉
塗工用スラリーをアルミ皿上に約1g精秤し、このとき量り取った試料の質量をa(g)とした。これを、130℃の熱風乾燥機で1時間乾燥し、乾燥後の試料の乾燥質量をb(g)とした。下記式により塗工用スラリーの固形分を算出した。
固形分=(b/a)×100(%)
熱可塑性ポリマーの平均粒径は、粒子径測定装置(日機装株式会社製、Microtrac UPA150)を使用して測定した。測定条件は、ローディングインデックス=0.15~0.3、測定時間300秒であった。得られたデータにおける50%粒子径の数値(D50)を平均粒径として記載した。
熱可塑性ポリマーのガラス転移点及び融点は、示差走査熱量測定(DSC)で得られるDSC曲線から決定した。
熱可塑性ポリマーを含む水分散体(固形分=38~42質量%、pH=9.0)を、アルミ皿に適量取り、130℃の熱風乾燥機で30分間乾燥した。乾燥後の乾燥皮膜約17mgを測定用アルミ容器に詰め、DSC測定装置(島津製作所社製、DSC6220)にて窒素雰囲気下におけるDSC曲線及びDDSC曲線を得た。測定条件は下記のとおりとした。
1段目昇温プログラム:70℃スタート、毎分15℃の割合で昇温。110℃に到達後5分間維持。
2段目降温プログラム:110℃から毎分40℃の割合で降温。-50℃に到達後5分間維持。
3段目昇温プログラム:-50℃から毎分15℃の割合で130℃まで昇温。この3段目の昇温時にDSC及びDDSCのデータを取得。
融点は、DSC曲線におけるベースラインと融解吸熱ピークの傾きの接線との交点により決定した。ガラス転移点は、DSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の変曲点における接線との交点により決定した。
熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーを分散させた溶液を130℃のオーブン中に1時間静置した後、乾燥させた熱可塑性ポリマーを0.5gになるように切り取り、エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒10gと一緒に50mLのバイアル瓶に入れ、3時間浸透させた後、サンプルを取り出し、上記混合溶媒にて洗浄し、重量(Wa)を測定した。その後、150℃のオーブン中に1時間静置したあと重量(Wb)を測定し、以下の式より熱可塑性ポリマーの電解液に対する膨潤度を測定した。
熱可塑性ポリマーの電解液に対する膨潤度(倍)=(Wa-Wb)÷(Wb)
熱可塑性ポリマーについて、ASRM-D4020に準拠して、デカリン溶剤中、135℃における極限粘度[η]を求めた。この[η]値を用いて、下記数式の関係から熱可塑性ポリマーの粘度平均分子量(Mv)を算出した。
ポリエチレンの場合:[η]=0.00068×Mv0.67
ポリプロピレンの場合:[η]=1.10×Mv0.80
基材から10cm×10cm角の試料を切り取り、格子状に9箇所(3点×3点)の測定箇所を選んで、微小測厚器(株式会社東洋精機製作所 タイプKBM)を用いて、室温23±2℃で、各測定箇所の膜厚を測定した。得られた9個の測定値の平均値を、基材の膜厚として算出した。
基材から10cm×10cm角の試料を切り取り、その体積(cm3)及び質量(g)を求めた。これらの値を用い、基材の密度を0.95(g/cm3)として、以下の式により気孔率を計算した:
気孔率(%)=(1-質量/体積/0.95)×100
基材の透気度は、一般的な多孔性基材の透気度と同様に、JIS P-8117に準拠して測定される透気抵抗度である。透気抵抗度は、単位面積及び単位圧力差当たり、規定された体積の空気が透過するのに要する時間であり、100mL当たりの時間(秒)で表される。東洋精器(株)製のガーレー式透気度計G-B2(商標)により測定した透気抵抗度を透気度(s-1)とした。
カトーテック製のハンディー圧縮試験器KES-G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで基材(ポリオレフィン微多孔膜)を固定した。次に固定されたポリオレフィン微多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として生の突刺強度(g)を得た。
10cm×10cm角の試料を基材(ポリオレフィン微多孔膜又は、ポリオレフィン微多孔膜+無機フィラー多孔層)から切り取り、(株)島津製作所製の電子天秤AEL-200を用いて重量を測定した。得られた重量を100倍することで1m2当りの基材膜の目付け(g/m2)を算出した。次に、10cm×10cm角の試料をセパレータ(熱可塑性ポリマー層+基材)から切り取り、(株)島津製作所製の電子天秤AEL-200を用いて質量を測定した。得られた質量を100倍することにより、1m2当りのセパレータの目付(g/m2)を算出した。1m2当りのセパレータの目付(g/m2)から1m2当りの基材の目付(g/m2)を減算することにより、1m2当りの熱可塑性ポリマー層の目付(熱可塑性ポリマー層の基材に対する担持量、g/m2)を算出した。
IMADA製ZTSを用いて、捲回したセパレータの側面が上になるように設置し、固定した。次に、固定されたセパレータのコア側から10mm以内の部分を、針先端の曲路率0.75mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、針の先端が10mm刺さるまでの最大突刺荷重を突刺強度として得た。
最内層となるセパレータの上面に感圧素子(TEKSCAN社製 型番A201-25)を取り付け、その後セパレータを捲回し、捲回体を作製した。その後、23±1℃の環境下にて、抵抗測定機(三和電気計器株式会社 型番:デジタルマルチメータCD771型)にて抵抗値を測定した。
抵抗値から圧力への換算については、プレス機を用いて、上記感圧素子を異なる圧力でプレスして得られた抵抗値から検量線を作成し、その検量線を用いて算出した。
熱可塑性ポリマー被覆層によって被覆されるポリオレフィン微多孔膜の面積割合は、走査型電子顕微鏡(SEM)「型式S-4800、HITACHI社製」を用いて測定した。蓄電デバイス用セパレータをオスミウム蒸着し、加速電圧1.0kV、50倍にて観察して得られた面積を用いて、以下の式から面積割合を算出した。なお、SEM画像にてポリオレフィン微多孔膜表面が見えない領域を熱可塑性ポリマー領域とした。上記測定を3回行い、その平均値を各サンプルの面積割合とした。
熱可塑性ポリマーの面積割合(%)=熱可塑性ポリマーの面積÷画像全体の面積×100
捲回体のハンドリング性は、最内層の剥離強度で評価した。捲回体をコアに固着していない最内層まで繰出していき、最も内側のセパレータと、この最も内側のセパレータの上に捲回されたセパレータとが重なった状態で切り出してサンプルを得た。得られたサンプルは、MD方向に75mm、TD方向に20mmに切り出して測定用サンプルを作製した。測定用サンプルはセパレータ間の90°剥離強度を、(株)イマダ製のフォースゲージZP5N及びMX2-500N(製品名)を用いて、引張速度50mm/分で測定し、以下の基準で評価した。
◎:最内層の剥離強度が3.0mN/mm未満
○:最内層の剥離強度が3.0mN/mm以上7.0mN/mm未満
△:最内層の剥離強度が7.0mN/mm以上10.0mN/mm未満
×:最内層の剥離強度が10.0mN/mm以上
(電池の作製)
本評価では、下記のとおりに円筒型リチウムイオン電池を作製し、それを用いて評価を行った。
厚み15μmのアルミニウム箔集電体に、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合剤をほぼ均等に塗工し、これを幅51mm、長さ約750mmの帯状に切断し、正極を作製した。
厚み10μmの銅箔集電体に、負極活物質としてリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出可能な黒鉛等から成る炭素粉末材料を含む負極合剤をほぼ均等に塗工し、これを幅54mm、長さ約800mmの帯状に切断し、負極を作製した。
これら帯状の正極および負極には、捲回後に所定の位置に導電リードが来るように、電極端部の電極合剤(正極合剤又は負極合剤)を塗っていない集電体に、電流を流すための導電リードを超音波溶接機で取り付けた。
実施例及び比較例のセパレータを、幅57mm、長さ約900mmの帯状に切断して用いた。
(電池初期不良率の評価)
実施例又は比較例で得られたセパレータを用いて上記のように電池を5個作製し、初期充放電効率から下記の基準で不良率を評価した。
電池の不良率(%)=[初期充放電効率が85%以下の電池の個数]/評価電池(5個)×100
電池の不良率は下記基準で評価した。評価結果を表3に記載した。
◎:電池の不良率が0%以上20%未満
○:電池の不良率が20%以上40%未満
△:電池の不良率が40%以上60%未満
×:電池の不良率が60%以上
セパレータの熱可塑性ポリマー被覆層に対し、幅12mm×長さ100mmのテープ(3M社製)を貼りつけた。テープをサンプルから50mm/分の速度で剥がすときの力を、90°剥離強度測定器(IMADA社製、製品名IP-5N)を用いて測定した。得られた測定結果に基づいて、下記評価基準で接着力を評価した。
○:6gf/mm以上
△:4gf/mm以上6gf/mm未満
×:2gf/mm未満
セパレータと、被着体としての正極(enertech社製、正極材料:LiCoO2、導電助剤:アセチレンブラック、バインダ:PVDF、LiCoO2/アセチレンブラック/PVDF(重量比)=95/2/3、L/W:両側について36mg/cm2、密度:3.9g/cc、Al集電体の厚み:15μm、プレス後の正極の厚み:107μm)とを、それぞれ幅15mm及び長さ60mmの長方形状に切り取った。セパレータの熱可塑性ポリマー層と正極活物質とが相対するようにこれらを重ね合わせて積層体を得た。得られた積層体を、以下の条件でプレスした。
プレス圧:1MPa
温度:100℃
プレス時間:5秒
プレス後の積層体について、(株)イマダ製のフォースゲージZP5N及びMX2-500N(製品名)を用いて、電極を固定し、セパレータを把持して引っ張る方式によって、剥離速度50mm/分にて90°剥離試験を行い、剥離強度を調べた。このとき、上記の条件で行った長さ40mm分の剥離試験における剥離強度の平均値を剥離強度とした。電極との接着性を以下の基準で評価した。
評価基準
◎:40N/m以上
○:20N/m以上40N/m未満
△:5N/m以上20N/m未満
×:5N/m未満
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%及びアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN-メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機を用いて圧縮成形することにより、正極を作製した。この時の正極活物質塗布量は109g/m2であった。
b.負極の作製
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%及びグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)及びジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形することにより、負極を作製した。この時の負極活物質塗布量は5.2g/m2であった。
c.非水電解液の調製
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより、非水電解液を調製した。
d.電池組立
各実施例及び比較例で得られたセパレータを24mmφ、正極及び負極をそれぞれ16mmφの円形に切り出した。正極と負極の活物質面とが対向するように、負極、セパレータ、正極の順に重ね、プレス又はヒートプレスをして、蓋付きステンレス金属製容器に収容した。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミニウム箔と、それぞれ接していた。この容器内に上記非水電解液を0.2ml注入して密閉することにより、電池を組み立てた。
e.レート特性の評価
上記d-2.で組み立てた簡易電池を、25℃において、電流値3mA(約0.5C)で電池電圧4.2Vまで充電した後、4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法により、電池作成後の最初の充電を合計約6時間行った。その後、電流値3mAで電池電圧3.0Vまで放電した。
次に、25℃において、電流値6mA(約1.0C)で電池電圧4.2Vまで充電した後、4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法により、合計約3時間充電を行った。その後、電流値6mAで電池電圧3.0Vまで放電した時の放電容量を1C放電容量(mAh)とした。
次に、25℃において、電流値6mA(約1.0C)で電池電圧4.2Vまで充電した後、4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法により、合計約3時間充電を行った。その後、電流値60mA(約10C)で電池電圧3.0Vまで放電した時の放電容量を10C放電容量(mAh)とした。
そして、1C放電容量に対する10C放電容量の割合を算出し、この値をレート特性とした。
レート特性(%)=(10C放電容量/1C放電容量)×100
評価基準
◎:50%以上
○:30%以上50%未満
△:20%以上30%未満
×:20%未満
[製造例1B](アクリルエマルジョンの塗工液の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、イオン交換水70.4部と「アクアロンKH1025」(登録商標、第一工業製薬株式会社製25%水溶液)0.32部と「アデカリアソープSR1025」(登録商標、株式会社ADEKA製25%水溶液)0.32部を投入し、反応容器内部温度を80℃に昇温し、80℃の温度を保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)を7.5部添加した。
原材料の種類及び配合比を表2に示すように変更した以外は、水分散体1Bと同様にして、水分散体2B~4Bを得た。
シードポリマー、モノマー及びその他使用原料の組成を、それぞれ、表2に記載のとおりに変更する以外は、原料ポリマー(水分散体)1Bと同様にして、多段重合によって各コポリマーラテックスを得た。得られた原料ポリマー(水分散体)について、それぞれ、上記方法により評価した。得られた結果を表2に示す。
得られた水分散体1B~6Bの共重合体について、上記方法により、粒子径、及びガラス転移点(Tg)を測定した。得られた結果を表2に示す。なお、表中、原材料の組成は質量基準である。
〈基材1A〉
Mvが70万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、
Mvが30万であるホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、
Mvが40万であるホモポリマーのポリプロピレン5質量部と、
を、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。
得られたポリオレフィン混合物99質量部に酸化防止剤としてテトラキス-[メチレン-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、混合物を得た。
得られた混合物を、窒素雰囲気下で二軸押出機へフィーダーにより供給した。
また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10-5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
押し出される全混合物中の、流動パラフィンの割合が65質量部、及びポリマー濃度が35質量部となるように、フィーダー及びポンプの運転条件を調整した。
このシートを同時二軸延伸機にて、温度112℃において倍率7×6.4倍に延伸した。その後、延伸物を塩化メチレンに浸漬して、流動パラフィンを抽出除去後、乾燥し、更にテンター延伸機を用いて温度130℃において横方向に2倍延伸した。
その後、この延伸シートを幅方向に約10%緩和して熱処理を行い、ポリオレフィン微多孔膜1Aを得た。得られた基材1Aの物性を表1に示す。
水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)を96.0質量部とアクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.0質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468)1.0質量部を100質量部の水に均一に分散させて塗布液を調製し、ポリオレフィン微多孔膜1Aの表面にマイクログラビアコーターを用いて塗布した。60℃にて乾燥して水を除去し、多孔層を2μmの厚さで形成して、ポリオレフィン微多孔膜2Aを得た。得られたポリオレフィン微多孔膜2Aを製造例1Aと同様に上記方法により評価した。得られた結果を表1に示す。
表2に記載の原料ポリマー1Bを表1に記載のポリオレフィン微多孔膜1Aの片面の表面にグラビアコーターを用いて塗工液を塗布し、60℃にて乾燥して塗工液の水を除去した。さらに、もう片面も同様に塗工液を塗布し、再度乾燥させることにより、ポリオレフィン微多孔膜の両面に熱可塑性ポリマーを有するセパレータの捲回体(実施例1)を得た。得られたセパレータについて、上記方法により、評価した。製造条件及び得られた結果を表3に示す。
[実施例2~5、比較例1~4]
また、同様にして、実施例2~10、比較例1~4の捲回体を得た。
[実施例6、7]
原料ポリマー3Bと4Bの固形分比率が3B:4B=80:20となるようにスラリーを調整し、それをポリオレフィン微多孔膜1Aに塗工した以外は、実施例1と同様にセパレータを作製した。製造条件及び得られた結果を表3に示す。
[実施例8]
原料ポリマー6Bと4Bの固形分比率が6B:4B=80:20となるようにスラリーを調整し、それをポリオレフィン微多孔膜1Aに塗工した以外は、実施例1と同様にセパレータを作製した。製造条件及び得られた結果を表3に示す。
[実施例9]
ポリオレフィン微多孔膜2Aに塗工した以外は、実施例8と同様にセパレータを作製した。製造条件及び得られた結果を表3に示す。
[実施例10]
ドット径200μm、塗工面積40%となるようにドット塗工した以外は、実施例9と同様にしてセパレータを作製した。製造条件及び得られた結果を表3に示す。
20 セパレータ
21 最内層
22 最外層
23 内層領域
100 セパレータの捲回体
Claims (7)
- セパレータの捲回体であって、前記セパレータは、基材の少なくとも片面に塗工された熱可塑性ポリマー塗工層を有し、捲回された前記セパレータの最内層から1cm以下の領域における前記捲回体の側面の突刺強度が10N以上100N以下であり、
前記基材が、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔性基材であり、
前記熱可塑性ポリマー塗工層は、
(i)ガラス転移点(Tg)又は融点(Tm)が20℃以上100℃以下である熱可塑性ポリマーを少なくとも1種含み、かつ/または
(ii)少なくとも2種の熱可塑性ポリマーを含み、全体としてガラス転移温度を少なくとも2つ有しており、前記ガラス転移温度のうち少なくとも一つは40℃未満の領域に存在し、前記ガラス転移温度のうち少なくとも一つは40℃以上の領域に存在し、
前記熱可塑性ポリマーが、含フッ素樹脂、含フッ素樹脂を含むコポリマー、ジエン系ポリマー、ジエン系ポリマーを含むコポリマー、ジエン系ポリマーの水素化物、アクリル系ポリマー、アクリル系ポリマーを含むコポリマー、及びアクリル系ポリマーの水素化物からなる群から選択される少なくとも一つを含む、捲回体。 - 捲回された前記セパレータの最も内側のセパレータと前記最も内側のセパレータの上に捲回されたセパレータとの間における前記捲回体の圧力が0.3MPa以上2.5MPa以下である、請求項1に記載の捲回体。
- 前記熱可塑性ポリマー塗工層の塗工目付が0.05g/m2以上2g/m2以下である、請求項1又は2に記載の捲回体。
- 前記熱可塑性ポリマーが共役ジエン系ポリマー、アクリル系ポリマー、及びフッ素系ポリマーの少なくとも一つを含む請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの捲回体。
- 前記熱可塑性ポリマー塗工層の面積占有率が10%以上80%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の捲回体。
- 前記基材上に、前記熱可塑性ポリマー塗工層が存在する部分と、前記熱可塑性ポリマー塗工層が存在しない部分とが海島状に存在し、
前記熱可塑性ポリマー塗工層は、少なくとも2種の熱可塑性ポリマーを含み、全体としてガラス転移温度を少なくとも2つ有しており、
前記ガラス転移温度のうち少なくとも一つは40℃未満の領域に存在し、
前記ガラス転移温度のうち少なくとも一つは40℃以上の領域に存在する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の捲回体。 - 前記熱可塑性ポリマー塗工層の塗工パターンがドットパターンである、請求項1~6のいずれか1項に記載の捲回体。
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