JP6132622B2 - 紙成形体の製造における潤滑油塗布方法とそれを実施する装置 - Google Patents

紙成形体の製造における潤滑油塗布方法とそれを実施する装置 Download PDF

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Description

本発明は、1ピースからなるしわ発生の少ない紙成形体の製造方法及びそれを実施する製造装置に関する。
従来より1ピースからなる紙成形体は、紙トレー、紙皿などの紙成形体や紙コップ等の底部部材として製造されている。紙を主体とするブランクを絞り加工する紙成形体は、金属のような展性・延性がないため、その加工途上で径が縮められ紙材が寄せ集められて周端部の立ち上がり形状部分にしわが発生する。このしわの発生は紙成形体の外観を損ねたり、密封容器であれば蓋材との密着性を阻害し、密封性を損なう虞がある。また、紙コップ等の底部部材において、このしわは使い捨て用途としては大きな問題とはならなかったが、飲食料品の容器分野で通常の保存期間よりも長い、いわゆるロングライフチルド向け容器としては問題があった。ロングライフ用の紙容器は、一般的に薬剤による殺菌処理がなされる。底部部材の側壁にしわのある状態で胴部材と接着加工すると内容品側で底部部材側壁と胴部部材の接点近傍に隙間が生じて、その部分に薬剤が届き難くなって殺菌が不十分になったり、薬剤が残留する問題や、内容品が漏れるといった虞がある。これらの問題を解決する加工方法及びそれを実施できる製造装置の提供が求められている。
紙を主体とする1枚のブランクから深絞りしても目立つような大きなしわを発生させることなく、絞り成形できる紙容器を得る手法が特許文献1に開示されている。この発明は相対的に上下駆動される絞り加工面が軸方向に互いに垂直面となっているパンチとダイス、該ダイス上面に対向配置されるフランジホルダー、及びプランジャーに固定された底部成形型とから構成され、前記ダイス上面に対向配置される前記フランジホルダーとダイス上面とは、成形加工するブランクの厚さに対応して絞り成形加工中一定高さのクリアランスを有するようにスペーサで調整するようにしてなる絞り成形容器の製造装置によって、フランジ押えとダイス上面とでブランクを定厚に押えながら、パンチ外周面とダイス内周面とでブランクを定厚に圧縮して絞り加工して、ブランクを有底で胴壁が垂直な容器に成形する技術である。
他方、紙容器成型における潤滑方法の一例として、紙製もしくは樹脂製のカップ上端開口部周縁にトップカールを成形する際に、座屈やシワ等の発生がなく、トップカールの成形を行うことが可能となり、かつ、潤滑剤の使用によるカップ内部への潤滑剤残留等の問題を解決することのできるカール成形装置およびカール成形方法が特許文献2に開示されている。この発明は、胴部と底部が結合されているカップの上端開口部周縁をカール成形用の成形金型に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカールを成形するトップカール成形装置において、トップカール成形前のカール成形の機械適正を向上させるための潤滑剤塗布の工程において、液体で供給された潤滑剤を霧化する霧化装置を備え、この霧化装置により霧化された潤滑剤をノズル装置に供給し、このノズル装置から噴霧された霧化潤滑剤をカップ内側面のトップカール成形部に付着させるというものである。ノズル装置から噴霧された霧化潤滑剤をカップ内側面のトップカール成形部に付着させることで、座屈やシワ等の発生がなく、トップカールの成形を行うことが可能となる。また、霧化された潤滑剤をノズル装置から噴霧し、ノズル装置から直接カップの内側面に付着させるため、従来のトップカール成形で発生していた液状の潤滑剤が垂れてくるという問題が発生しないというものである。
また、紙成形体を絞り成形によって製造する装置においては、金属のような展性・延性がないため無理な力が印可され、破断現象が希に起こる問題を解決する手法として、独国のヘラフ社製紙コップ成形機ではブランクの表面に潤滑剤を塗布する構成が採用されている。この装置は図5に示すように、カッター4の内周面にフェルト部材Fが配置されており、このフェルトFはダイス1内に穿設された流路を通して潤滑剤が供給含浸されている。カッター4としわ押さえ部材3によってカットされたブランク10の表面に上記のフェルトFが接触することで、潤滑油を塗布する。この時点で潤滑油供給フェルトFはブランク10の外周縁部の下面と接触しており、その領域に潤滑油を塗布する。絞り加工が進むに連れブランク10の外周縁部は径が縮められながら、しわ抑え部材3の下端面領域の領域に移っていき、ダイス1とブランク10とが接触する全域に潤滑油が行き渡り、接触摩擦を低減し、破断現象を防止する。しかし、この装置は潤滑剤の供給部材としてフェルトを採用しているため、使用を重ねると摩耗により繊維が毛羽立つようになったりしわの発生等変形が生じて、安定した塗布動作を維持出来なくなるため、頻繁に交換しなければならない。破断時に生じる紙断片や紙粉がフェルトの目詰まりとなって塗布不良を起こしたり、毛羽だったフェルトの屑が破断して製品に混入するといった不具合も起こしている。
特開2004−154959号公報 「成形容器の製造方法と製造装置及び成形容器」 平成16年6月3日公開 特開2011−126095号公報 「カール成形装置およびカール成形方法」 平成23年6月30日公開
本発明の課題は、パンチとダイスを用いて展性・延性がないブランクを絞り加工をする際、過度の摩擦力が作用して破断することのないようにブランクの表面に潤滑剤を良好に塗布する手法を提示し、更には潤滑剤供給部材が摩耗や変形を起こすことなく、安定した塗布動作を維持出来る方法並びにその装置を提供することにある。
本発明の紙成形体製造方法は、紙を主体とするシートからブランクを打抜き、パンチとダイスを用いて絞り加工をする際、押圧手段を備える潤滑剤供給部材と当該潤滑剤供給部材より供給され、表面に潤滑剤が塗布されているしわ押さえ板の間に該ブランクを挟むことによって、被加工部の外周縁部領域の両面に潤滑剤を塗布することを特徴とする。
本発明の紙成形体を製造する装置は、紙を主体とするシート状ブランクをパンチとダイスで絞り加工するものにおいて、しわ押さえ板に対向する位置に潤滑剤供給部材を配置し、当該潤滑剤供給部材の下方に押圧手段を備え、前記潤滑剤供給部材は変位可能な形態とすることを特徴とする。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材が、無負荷状態ではダイス天面に対して段差量をZ の凸位置関係であって、しわ押さえ板が下死点にある状態におけるダイス上面との隙間をS としたとき、「 Z ≧ S 」となる関係に前記しわ押さえ板の下死点を設定することを特徴とする。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材が、前記潤滑剤供給部材が下死点に位置する際、該潤滑剤供給部材の上面とダイス天面とが概同一平面となるように設定する。
本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材が一定以上の荷重を受けた場合、さらに下方に移動することで前記潤滑剤供給部材の損傷を防ぐ機構を備えるようにした。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記しわ押さえ板が紙を主体とするシートからブランクを打抜くカッターの一方を兼ねるようにした。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材に多孔質体素材を採用するものとした。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材がブランクの全周端辺に接触するように環状に形成され、該潤滑剤供給部材の上面全体に渡り潤滑剤の噴出口を備えるようにした。
本発明の紙成形体製造方法は、潤滑剤供給部材と当該潤滑剤供給部材により潤滑剤が表面に塗布されたしわ押さえ板の外周縁部領域間に前記ブランクを挟んだ状態でパンチとダイスを用いて絞り加工をするものであるから、被加工品であるブランクの両面に潤滑剤が供給されることとなり、加工中に過度の摩擦力が掛ることが避けられ安定した絞り加工が可能となる。また、下方に押圧手段を備える構成をとることで高剛性の潤滑剤供給部材を用いることができ、使用を重ねてもフェルトのような摩耗や変形を起こすことがなく、長期間にわたり安定した塗布動作を維持することが出来る。また、部品としての交換頻度も格段に低くなる。さらに、潤滑剤がブランク外周縁部にのみ塗布されることにより、噴霧による潤滑油塗布方法に比べて塗布量を抑えられ、周囲環境の汚染も防ぐことができる。
本発明の紙成形体を製造する装置は、紙を主体とするシート状ブランクをパンチとダイスで絞り加工するものにおいて、しわ押さえ板に対向する位置に潤滑剤供給部材を配置し、当該潤滑剤供給部材の下方に押圧手段を備えることによって、前記潤滑剤供給部材は変位可能な形態とされているので、絞り加工時においてはブランクの下面に潤滑剤を安定して塗布することができ、加工終了時には前記潤滑剤供給部材が前記しわ押さえ板の表面に接触して潤滑剤を塗布することになるので、この塗布された潤滑剤が次の被加工物となるブランクの上面に供給されて、両面に潤滑剤が供給された状態で、絞り加工が実施できる。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材が、無負荷状態ではダイス天面に対して段差量Z の凸の位置関係とし、しわ押さえ板が下死点にある状態におけるダイス上面との隙間をS としたとき、「 Z ≧ S 」となる関係に前記しわ押さえ板の下死点を設定したものであるから、前記しわ押さえ板が下死点にある状態において、ブランクが存在するときには該ブランクの下面周縁部に前記潤滑剤供給部材が押圧接触して潤滑剤を塗布し、加工が進みブランクが存在しなくなったときには前記しわ押さえ板の表面に前記潤滑剤供給部材が押圧接触して潤滑剤を塗布する作用効果を奏する。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材が下死点に位置する際、該潤滑剤供給部材の上面とダイス天面とが概同一平面となるように設定されているので、ブランクの下面に前記潤滑剤供給部材が押圧接触して潤滑剤を塗布すると共に、前記潤滑剤供給部材と前記しわ押さえ板との隙間Sが一定に保たれることでしわの発達を抑制できる。
本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材が一定以上の荷重を受けた場合、下方に移動することで、シートのフィード不良や成形体の排出不良による過度の負荷から前記潤滑剤供給部材の損傷を防ぐ機構を備えるようにしている。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記しわ押さえ板が紙を主体とするシートからブランクを打抜くカッターの一方を兼ねるようにしたので、ブランクをカットした状態で次段の絞り加工時のしわ押さえ機能を同じ部材で行えるので、機構的に簡素であるだけでなく、装置の作動も単純化できる。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材に多孔質体素材を採用するものとしたので、多孔構造によって潤滑剤を含浸・保持させると共に、供給・塗布することが容易に出来る。
また、本発明の紙成形体を製造する装置は、前記潤滑剤供給部材がブランクの全周端辺に接触するように環状に形成され、該潤滑剤供給部材上面全体に渡り潤滑剤の噴出口を備えるようにしたので、この潤滑剤の噴出口を通して前記ブランクや前記しわ押さえ板表面の接触領域に満遍なく潤滑剤を塗布することが出来る。
本発明の紙成形体の製造における潤滑油塗布方法を実施する代表的実施形態を示す図である。 前図の代表的実施形態における動作を説明する図である。 本発明における潤滑剤供給部材と押圧部材、過負荷防止部材の配置関係を説明する図である。 本発明の潤滑剤供給部材の異なる実施形態を示す図である。 現在使用されている紙成形体の製造における潤滑油塗布装置を示す図である。 本発明の潤滑剤供給部材の異なる実施形態を示す図である。
図1に本発明の紙成形体の製造における潤滑油塗布方法を実施する代表的実施形態を示す。図において1は紙容器の外側壁を成形する環状のダイスであり、2は紙容器の内側壁を成形する円筒状のパンチ、そして10は紙容器に成形されるブランクである。3は絞り加工の際にブランクの終端辺を押さえる環状のしわ押さえ板、4は紙を主体とするシートからブランクを切り抜く環状のカッター部材であり、前記のしわ押さえ板3はカッターを兼ねており、該カッター部材4の内側に挿入されることによってシートからブランクを打ち抜く動作となる。5が多孔質素材から成る潤滑剤供給部材であり、例えば金属やセラミック、合成樹脂の焼結体、ハニカム構造体などを用いることが出来る。特に、耐久性やしわの発生防止の観点から、金属やセラミックス等の高剛性な素材が好ましい。この潤滑剤供給部材5はダイス1の上部外壁に嵌合され、更にその外側がブッシュ8を介してカッター部材4によって嵌合された形態となっている。この潤滑剤供給部材5の上端面はしわ押さえ板3の下端面外周部と対峙する位置に配置され、この潤滑剤供給部材5の下方にはスプリング等の押圧部材6が配置される。また、図中の11は潤滑剤供給部材5に潤滑剤を供給する流路開口部で、流路はダイス1の内部に穿設されており、外部から潤滑剤が供給されるようになっている。流路開口部11から潤滑剤供給部材5に供給された潤滑剤は多孔質素材の空洞域に含浸されると共に、定常状態では新たに供給される量が表面から浸み出されることになり、それがブランク10の周縁部としわ押さえ板3の下端面に塗布される。潤滑剤としては使用環境にて液体であれば良く、例えば合成油や天然油脂ベースの油などを用いる。因みに、潤滑剤としてパラフィン油を用いた場合、ブランク10には一枚当たり0.01ml以下と極めて少ない塗布量となる。
図2は本発明の動作の要部を説明するもので、図の(A)はしわ押さえ板3がダイス1から離れた上方位置にあるときの潤滑剤供給部材5の位置関係を示したものである。潤滑剤供給部材5はリング状であって、この例ではその下端部にフランジが形成されており、そのフランジの下端部が押圧部材6によって押圧力を印加されているため、フランジの上面がカッター部材4に当接するまで押し上げられている。その結果、潤滑剤供給部材5の上端面はダイス1の天面よりZの段差で凸の状態となる。Z の値は潤滑剤供給部材5の寸法とカッター部材4の下端面位置によって決められる。図の(B)は、しわ押さえ板3がダイス1の天面に極めて近い下死点に降下したときの状態を示したものである。この状態におけるダイス1の天面としわ押さえ板3下端面との隙間をSとしたとき、「 Z ≧ S 」となる関係に前記しわ押さえ板の下死点を設定する。しわ押さえ板3が下死点位置まで降下してくると、ダイス1の上に載置された紙を主体とするシートをカッター部材4の内側上端縁としわ押さえ板3の外側下端縁との協働によってブランク10として打ち抜く。潤滑剤供給部材5の上端面はこのブランク10を介してしわ押さえ板3の下端面が当接し、潤滑剤供給部材5を押圧部材6の押圧力に抗して押下げ、図示の状態となる。間隙Sはブランクの厚みよりやや大きい値で、この時点ではダイス1の天面にあるブランク10の上面としわ押さえ板3の下端面間には若干のクリアランスが存在するように設定される。このクリアランスを0以下とし、ブランクに食い込む様な設定で加工すると、ピンチングやヘア・紙粉の発生リスクが高まる。また、このクリアランスは絞り加工が進行する過程でブランク10の周辺部は狭い領域に寄せ集められるため、厚みが増してゆく。このとき前記のクリアランスが存在しないとしわ押さえ板3とダイス1の天面に挟持されたブランクに過大の押圧力が負荷され、破断や紙粉の発生といった現象を起こすことになる。一方、このクリアランスを大きくし過ぎると、しわの発生に繋がることから、しわの発達を抑制するように最小限のクリアランスが設定される。なお、本発明ではしわ押さえ板3の進退と押圧部材6の押圧力によって潤滑剤供給部材5が上下動を強制されるが、その際の摩擦を緩和させるため、この例ではブッシュ8が介在するように配置されている。ブッシュ8には含油焼結体などが適当である。
潤滑剤供給部材5の上端面がブランク10を介してしわ押さえ板3の下端面に当接して押下げられ、図2の(B)の状態となったとき、下方に押圧手段を備える潤滑剤供給部材5の表面からは潤滑剤が浸みだし、ブランク10の周縁部下面に塗布する。また、ブランク10の周縁部上面には後述する動作でしわ押さえ板3の下端面に塗布された潤滑剤が塗りつけられる。この状態で絞り加工が開始されると、ブランク10の周縁部は図において右方向に引張られ、潤滑剤供給部材5としわ押さえ板3の間から抜け、図の(C)に示されるように潤滑剤供給部材5としわ押さえ板3は直接接触するようになる。このとき、しわ押さえ板3の下端面の潤滑剤供給部材5と接した部分に潤滑剤が塗布される。この塗布された潤滑剤が次回の絞り加工の際にブランク10の周縁部上面に塗布される。更に絞り加工が進行すると両面に潤滑剤が塗布されたブランク10の周縁部は狭い領域に寄せ集められるために、放射状にうねりが発生し、図の(D)に示されるように下死点位置にあるしわ押さえ板3の下端面とダイス1の天面に接触して規制されるため、しわが発達せずに絞り加工が進められることになる。図の(E)に示される絞り加工の最終工程において最も絞られるブランク10の周辺部であるが両面に塗布された潤滑剤によってダイス1やしわ押さえ板3との摩擦力が軽減され、絞り加工をスムーズに行うことができる。すなわち、本発明ではブランク10の周縁部に潤滑剤供給部材5の表面としわ押さえ板3の下端面から塗布された潤滑剤が上記の絞り加工の進行過程で接触するしわ押さえ板3の下端面やパンチ2そしてダイス1の表面にも塗りつけられ、次の加工時にこれらとの摩擦力を軽減し、加工をスムーズに行わせることになる。
絞り成形の過程において、シートのフィード不良や成形体の排出不良によりブランクの小片などの異物が潤滑剤供給部材5の上端面に混入したような場合、しわ押さえ板3が降下してきてこれらの異物を噛み込むと潤滑剤供給部材5の上端面がダイス1の天面位置より更に低く押し込まれる現象が起きる。本発明では潤滑剤供給部材として金属やセラミックなどの焼結体を用いる場合があり、これらは比較的高価な部品であるため、上記の現象において過負荷による破損は回避したい。その問題の対応策として本発明はオーバーロード・プロテクターを採用するようにした。このオーバーロード・プロテクターには変形後復元しない使い捨てタイプの物でも良いし、バネやボールプランジャーなど変形後復元するタイプを用いても良い。いずれのタイプも潤滑剤供給部材が破損する荷重よりも低い荷重で変形する必要があるが、絞り加工時には潤滑剤供給部材がダイス天面と概同一であることが必要であるため、適度な剛性の物を用いる。使い捨てタイプの場合、銅やアルミなどの潤滑剤供給部材より安価な素材を用いる。図3の左側は下型全体の水平断面図であり、右側上段は水平断面図におけるA−O位置の垂直断面図、右側下段は水平断面図におけるB−O位置の垂直断面図である。図中1がダイス、5が潤滑剤供給部材、6が押圧部材そして7がオーバーロード・プロテクターとなる。水平断面図において○が押圧部材6を、●がオーバーロード・プロテクター7を示している。
右側の図から分かるように、オーバーロード・プロテクター7は押圧部材6と同様に潤滑剤供給部材5の下方に位置しダイス1の孔部に挿入配置されている。オーバーロード・プロテクター7の高さ寸法は潤滑剤供給部材5の上端面がダイス1の天面位置に一致するとき潤滑剤供給部材5の下端面と当接するように設計される。正常な絞り加工の工程においては潤滑剤供給部材5の上面がダイス天面と概同一平面となる位置より下方に変位することはないのであるが、前記したように異物が噛み込まれた様なときには更に下方に押し込もうとする力が潤滑剤供給部材5に印加される。そのような現象が起きると上記のような構成が採られている本発明では、潤滑剤供給部材5より強度が低いオーバーロード・プロテクター7が先に変形し、過負荷には至らない。潤滑剤供給部材の破損防止だけを考えれば、押圧部材6が配置され、下方への退避を可能にすればよいのであるが、適正な絞り加工を実施するには潤滑剤供給部材5の上端面がダイス1の天面より低い位置まで退避してしまうことは極力避ける必要がある。従って、適度な剛性を選択することで、オーバーロード・プロテクター7は破損するまでは潤滑剤供給部材5のストッパーとして機能し、潤滑剤供給部材5の上端面がダイス1の天面より低い位置まで退避してしまうことを防止する。
図4には変形例として本発明の潤滑剤供給部材の異なる実施形態を示す。潤滑剤供給部材には多孔質素材が採用される場合があるが、これが用いられる理由はブランク10に潤滑剤を塗布する機能を備えると共に耐久性のよい素材であるからということを勘案すれば、潤滑剤供給部材5の全体を多孔質素材とする必要はなく、ブランク10と接触する上方部分だけを多孔質素材とすればよいことに想到した。図に示すようにこの実施形態例は上部を多孔質素材からなる潤滑剤供給部材5とし、下方部分を安価な鉄等の素材からなる補助部材9で置き換える構成を採用している。前述したように、この多孔質素材は比較的高価な部品であることから、この実施形態は装置のコスト削減ともなる。
図6に別の変形例として本発明の潤滑剤供給部材の異なる実施形態を示す。
潤滑剤供給部材は必ずしも多孔質素材である必要はなく、図6のように潤滑剤供給部材内部に潤滑剤流路12を有し、噴出口13を通じて潤滑剤を塗布する構造としても良い。
噴出口13は孔状でもスリット状でも良く、ブランクの全周端辺近傍に接触するように配置する。
また、噴出口13の大きさは、しわの発生等、成形に支障を生じないよう、必要な噴出量を確保できる範囲で、できるだけ小さいサイズであることが望ましい。
また、潤滑剤の保持性を高める目的で、潤滑剤供給部材の上面14に、ブラスト加工や旋削加工、フライス加工等の機械加工やエッチング等のケミカル処理等により凹凸を設けても良い。
1 ダイス 2 パンチ
3 しわ押さえ板 4 カッター部材
5 潤滑剤供給部材 6 押圧部材
7 オーバーロード・プロテクター 8 ブッシュ
9 補助部材 10 ブランク
11 流路開口部 12 潤滑剤流路
13 噴出口 14 上面

Claims (8)

  1. 紙を主体とするシートからブランクを打抜き、パンチとダイスを用いて絞り加工をする際、下方に押圧手段を備える潤滑剤供給部材と当該潤滑剤供給部材より供給され、表面に潤滑剤が塗布されているしわ押さえ板の間に該ブランクを挟むことによって、被加工部の外周縁部領域の両面に潤滑剤を塗布することを特徴とする紙成形体製造方法。
  2. 紙を主体とするシート状ブランクをパンチとダイスで絞り加工する装置において、しわ押さえ板に対向する位置に潤滑剤供給部材を配置し、当該潤滑剤供給部材の下方に押圧手段を備え、前記潤滑剤供給部材は変位可能な形態とすることを特徴とする紙成形体を製造する装置。
  3. 前記潤滑剤供給部材は、無負荷状態ではダイス天面に対して段差量Z の凸の位置関係とし、しわ押さえ板が下死点にある状態におけるダイス天面との隙間をS としたとき、「 Z ≧ S 」となる関係に前記しわ押さえ板の下死点を設定することを特徴とする請求項2に記載された紙成形体を製造する装置。
  4. 前記潤滑剤供給部材が下死点に位置する際、該潤滑剤供給部材の上面とダイス天面とが概同一平面となることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載された紙成形体を製造する装置。
  5. 前記潤滑剤供給部材が一定以上の荷重を受けた場合、さらに下方に移動することで前記潤滑剤供給部材の損傷を防ぐ機構を有する請求項2乃至4のいずれかに記載の紙成形体を製造する装置。
  6. 前記しわ押さえ板が紙を主体とするシートからブランクを打抜くカッターの一方を兼ねている請求項2乃至5のいずれかに記載の紙成形体を製造する装置。
  7. 前記潤滑剤供給部材の素材には多孔質体が採用されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の紙成形体を製造する装置。
  8. 前記潤滑剤供給部材はブランクの全周端辺に接触するよう環状に形成され、該潤滑剤供給部材上面全体に渡って潤滑剤の噴出口を備えるようにしたことを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の紙成形体を製造する装置。
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