次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の概略構成を簡単に説明した後、本発明の特徴部分の構成について詳細に説明する。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1における左側を「前」、右側を「後」とし、奥側を「左」、手前側を「右」とする。また、図1における上側を「上」、下側を「下」とする。
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体10と、カバーの一例としてのトップカバー11と、本体筐体10内に設けられた給紙部20および画像形成部30とを備えている。
本体筐体10は、上方に開口する開口部10Aを有している。トップカバー11は、開口部10Aを開閉するカバーであり、本体筐体10の上部に配置されている。トップカバー11は、後側の回動軸11Aを中心として本体筐体10に対し回動可能に設けられている(図2参照)。
給紙部20は、本体筐体10内の下部に設けられ、用紙Pを収容する給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30に供給する用紙供給機構22とを備えている。給紙トレイ21内の用紙Pは、用紙供給機構22によって1枚ずつ分離されて画像形成部30に供給される。
画像形成部30は、ドラムユニット40と、4つの露光ヘッド50と、4つの現像カートリッジ60と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。4つの露光ヘッド50および4つの現像カートリッジ60は、本体筐体10に対して回動可能な支持部材90によって支持されている。
ドラムユニット40は、4つの感光ドラム41と、4つの帯電ローラ42と、各感光ドラム41および各帯電ローラ42を回転可能に支持するドラムフレーム43とを備えている。4つの感光ドラム41は、所定方向の一例としての前後方向に並ぶように配置されている。各感光ドラム41は、回転軸線が左右方向に沿っている。帯電ローラ42は、感光ドラム41を帯電させるローラであり、各感光ドラム41に対応して設けられている。
露光ヘッド50は、感光ドラム41の表面を露光するものであり、各感光ドラム41に対応して設けられている。露光ヘッド50は、感光ドラム41の上方に配置され、その下端に発光素子と結像レンズを有している。
現像カートリッジ60は、感光ドラム41の露光ヘッド50で露光された部分に現像剤を供給するものであり、各感光ドラム41に対応して設けられている。現像カートリッジ60は、現像剤を収容する現像剤収容部61と、現像剤収容部61内の現像剤を感光ドラム41に供給する現像ローラ62とを主に備えている。各現像カートリッジ60の現像剤収容部61には、前から順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像剤が収容されている。なお、本実施形態において、各現像カートリッジ60の容量は、同一とする。
支持部材90は、ドラムユニット40の上方に配置されている。支持部材90は、露光ヘッド50が感光ドラム41を露光可能な露光位置(図1の位置)と、露光位置よりも露光ヘッド50が感光ドラム41から離間する離間位置(図2の位置)との間を回動可能となっている。支持部材90が離間位置に位置する状態において、ドラムユニット40は、本体筐体10に対して着脱可能となっている。また、各現像カートリッジ60は、支持部材90に対して着脱可能となっている。
転写ユニット70は、給紙トレイ21とドラムユニット40との間に設けられている。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、ベルトの一例としての搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。搬送ベルト73は、無端状のベルトであり、駆動ローラ71と従動ローラ72の間に張設されている。搬送ベルト73は、外側の面が各感光ドラム41に接しており、その内側には各転写ローラ74が各感光ドラム41との間で搬送ベルト73を挟持するように配置されている。
定着ユニット80は、転写ユニット70の後方に設けられ、加熱ローラ81と、加熱ローラ81に向けて押圧される加圧ローラ82とを備えている。
このような画像形成部30では、感光ドラム41の表面が、帯電ローラ42により一様に帯電された後、露光ヘッド50によって露光されることで、感光ドラム41上に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ62から感光ドラム41に現像剤が供給されることで、静電潜像が可視像化されて感光ドラム41上に現像剤像が形成される。
各感光ドラム41上に形成された現像剤像は、各転写ローラ74によって、搬送ベルト73上の用紙Pに順次重ね合わせて転写される。現像剤像が転写された用紙Pは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を搬送されることで現像剤像が熱定着される。その後、用紙Pは、本体筐体10内から外部に排出され、トップカバー11の上面に形成された排紙トレイ11B上に載置される。
次に、ドラムユニット40のドラムフレーム43と支持部材90について詳細に説明する。詳しくは、現像カートリッジ60および露光ヘッド50を支持する構造と、ドラムユニット40を本体筐体10に位置決めするための構造について詳細に説明する。
図3に示すように、ドラムフレーム43は、前壁431と、2つの側壁432,433と、後壁434と、ハンドルH1とを備えている。前壁431は、複数の感光ドラム41に対して前側に配置されている。
2つの側壁432,433は、各感光ドラム41を回転可能に支持する壁であり、前壁431の左右の各端部から後方に向けて延びている。後壁434は、複数の感光ドラム41に対して後側に配置される壁であり、各側壁432,433の後端部を連結している。
ハンドルH1は、左右方向に延びる円柱状のハンドルであり、左右方向の両端部が2つのアーム部材435を介して前壁431の上端部に連結されている。各アーム部材435は、前壁431の上端部から前斜め上方に向けて延びている。ハンドルH1は、各アーム部材435の先端に固定されている。
支持部材90は、前壁91と、2つの側壁92,93と、後壁94と、ハンドルH2とを備えている。前壁91は、複数の現像カートリッジ60に対して前側に配置されている。
2つの側壁92,93は、各現像カートリッジ60および各露光ヘッド50を支持する壁であり、前壁91の左右の各端部から後方に向けて延びている。2つの側壁92,93は、左右方向、つまり感光ドラム41の回転軸線方向において各現像カートリッジ60および各露光ヘッド50を挟んでいる。後壁94は、複数の現像カートリッジ60に対して後側に配置される壁であり、各側壁92,93の後端部を連結している。
後壁94の左右方向の各端部には、後方に向けて延出する延出部95が1つずつ設けられている。各延出部95の後端部は、本体筐体10に回動可能に支持されている。つまり、支持部材90は、水平方向、詳しくは前後方向の一端を中心にして本体筐体10に対して回動可能となっている。
詳しくは、各延出部95は、支持部材90を露光位置と離間位置とに回動するための回動軸95Aを後端部に有している。ここで、回動軸95Aは、本体筐体10に形成される穴に回動可能に支持される円柱であってもよいし、本体筐体10に設けられる円柱状のボスに回動可能に支持される穴であってもよい。回動軸95Aは、支持部材90の前後方向の一端に配置されている。
ハンドルH2は、左右方向に延びる円柱状のハンドルであり、左右方向の両端部が2つのハンドル支持部96を介して前壁91の上端部に連結されている。各ハンドル支持部96は、前壁91の上端部における左右方向の各端部から前方に向けて延びている。ハンドルH2は、各ハンドル支持部96の前端部に固定されている。
また、支持部材90は、現像カートリッジ60同士を仕切る3つの第1壁97を有している。各第1壁97は、2つの側壁92,93に接合されている。各第1壁97は、上下方向に延びる第1部位97Aと、第1部位97Aの上端に配置される第2部位97Bとを有している。第2部位97Bは、第1部位97Aよりも前方に突出するように配置されている。露光ヘッド50は、第2部位97Bの下方であって、かつ、第1部位97Aの前方に配置されている。
つまり、第2部位97Bは、上下方向、つまり感光ドラム41の回転軸線と感光ドラム41の並び方向(所定方向)とに直交する直交方向から見て、露光ヘッド50と重なっている。また、第1部位97Aは、前後方向から見て、露光ヘッド50と重なっている。
また、第2部位97Bの後側の面は、後斜め下方に傾斜する傾斜面となっており、第1部位97Aの後面に繋がっている。これにより、第1壁97の後に配置される現像カートリッジ60の前面を第2部位97Bの傾斜面に沿って斜めに形成して、現像カートリッジ60の容量を大きくすることが可能となっている。
また、前述した後壁94は、支持部材90の回動中心に最も近い現像カートリッジ60と回動中心との間に配置される壁であり、第1壁97と相似した形状を有している。詳しくは、後壁94は、上下方向に延びる第1部位94Aと、第1部位94Aの上端に配置される第2部位94Bとを有している。
第2部位94Bは、第1部位94Aよりも前方に突出するように配置されている。露光ヘッド50は、第2部位94Bの下方であって、かつ、第1部位94Aの前方に配置されている。第2部位94Bの後側の面は、後斜め下方に傾斜する傾斜面となっており、第1部位94Aの後面に繋がっている。
後壁94の上端は、各第1壁97の上端よりも下方に位置している。詳しくは、第1壁97は、感光ドラム41に近い第1端E1と、第1端E1と反対側の第2端E2とを有している。後壁94は、感光ドラム41に近い第3端E3と、第3端E3と反対側の第4端E4とを有している。そして、第4端E4は、第2端E2よりも感光ドラム41の近くに位置している。
また、支持部材90は、露光ヘッド50を感光ドラム41に向けて押圧するヘッド押圧部材98を4つ備えている。ヘッド押圧部材98は、例えば圧縮コイルバネであり、対応する露光ヘッド50と第2部位(97Bまたは94B)の間に配置されている。
露光ヘッド50は、左右方向の各側面から左右方向に突出する突起51を有している。つまり、突起51は、露光ヘッド50の左右方向の一方側の側面と他方側の側面にそれぞれ設けられている。突起51は、円柱状に形成されている。
また、露光ヘッド50は、現像カートリッジ60に所定方向、詳しくは前後方向で対向する対向面52を有している。対向面52は、前後方向に直交している。
図4(a)に示すように、支持部材90の側壁93は、露光ヘッド50の突起51を移動可能に支持する溝93Aを有している。なお、右側の側壁93と左側の側壁92は、同様の構造であるため、以下、右側の側壁93の構造を代表して説明し、左側の側壁92については説明を省略する。
溝93Aは、感光ドラム41に近い一端E5と、一端E5と反対側の他端E6とを有する。露光ヘッド50の突起51は、支持部材90が離間位置に位置するときに、溝93Aの一端E5に接触する。ここで、図4は、支持部材90の単品図であるため、突起51の位置は、支持部材90が離間位置に位置するときと同じ位置に位置している。
現像カートリッジ60は、左右方向の各側面から左右方向、つまり感光ドラム41の回転軸線方向に突出する第1凸部C1、第2凸部C2および第3凸部C3を有している。つまり、第1凸部C1、第2凸部C2および第3凸部C3は、現像カートリッジ60の左右方向の一方側の側面と他方側の側面にそれぞれ設けられている。
第1凸部C1、第2凸部C2および第3凸部C3は、それぞれ円柱状に形成されている。特に、第1凸部C1は、現像ローラ62の回転軸線を中心にした円柱状に形成されている。第1凸部C1は、現像ローラ62の回転軸であってもよいし、回転軸を支持する軸受であってもよい。
第2凸部C2は、第1凸部C1よりも感光ドラム41から離れた位置に配置されている。第3凸部C3は、第2凸部C2よりも感光ドラム41から離れた位置に配置されている。
支持部材90の側壁93は、現像カートリッジ60が支持部材90に装着されるときに、現像カートリッジ60の第2凸部C2および第3凸部C3をガイドするカートリッジガイドG1を備えている。カートリッジガイドG1は、第2凸部C2および第3凸部C3をガイドするメインガイドG11と、メインガイドG11の下端部に位置するサブガイドG12とを有している。
メインガイドG11は、側壁93に形成された溝であり、略上下方向、詳しくは上下方向に対して前後に若干傾斜した方向に延びている。言い換えると、メインガイドG11は、後述する第2ガイドG22(図5参照)が延びる方向である第2方向とは異なる第3方向に延びている。メインガイドG11は、上方に向けて開口しており、側壁93の上端から後斜め下方に延びてサブガイドG12に繋がっている。
サブガイドG12は、側壁93に形成された溝であり、感光ドラム41側の面である下面F1を有している。第3方向に直交する方向において、サブガイドG12の長さL2は、メインガイドG11の長さL1よりも大きくなっている。また、第2凸部C2の径は、第3凸部C3よりも小さくなっている。これにより、第3方向に直交する方向において、サブガイドG12と第2凸部C2との間のクリアランスは、メインガイドG11と第3凸部C3との間のクリアランスよりも大きくなっている。そのため、図4(b)に示すように、現像カートリッジ60が支持部材90に装着された状態において、第3凸部C3を中心にして現像カートリッジ60が回動可能となっている。
図4(a)に戻って、支持部材90は、現像カートリッジ60を感光ドラム41に向けて押圧するカートリッジ押圧部材100を備えている。ここで、図4においては、便宜上、カートリッジ押圧部材100を、側壁93の左右方向外側に配置しているが、実際には、カートリッジ押圧部材100は、側壁93の左右方向内側に配置されている。
カートリッジ押圧部材100は、側壁93に回動可能に支持されるレバー110と、レバー110を付勢するバネ120とを備えている。
レバー110は、回動軸部111と、第1アーム部112と、第2アーム部113と、第1押圧部114と、第2押圧部115とを有している。回動軸部111は、対応するメインガイドG11の上端部の後に配置されている。
第1アーム部112は、支持部材90が離間位置に位置するときに、支持部材90の下端に向けて延びており、その一部がメインガイドG11内に配置されている。第2アーム部113は、支持部材90が離間位置に位置するときに、支持部材90の後端に向けて延びており、その後端部には、バネ120が接続されている。
第1押圧部114は、支持部材90が離間位置に位置するときに、支持部材90の後端に向けて延びている。第2押圧部115は、支持部材90が離間位置に位置するときに、支持部材90の下端に向けて延びている。
第1押圧部114は、支持部材90が露光位置に位置するときに(図10参照)、第2凸部C2を押圧する。また、第1押圧部114は、図4(c)に示すように、支持部材90が離間位置に位置するときに、サブガイドG12の感光ドラム41側の面である下面F1との間で第2凸部C2を挟む。第2押圧部115は、支持部材90が離間位置に位置するときに、レバー110が第2凸部C2から外れるのを抑えるための抜け止めとなっている。
バネ120は、例えば引張コイルバネであり、第2アーム部113の先端を下斜め下方に引っ張るように付勢している。なお、図4(a)に示す状態において、バネ120は自然長であることとする。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、レバー110が図示せぬストッパにより図4(a)に示す位置から図示時計回りに回動しないように規制されている場合には、バネ120でレバー110を常時付勢していてもよい。
図5に示すように、ドラムユニット40のドラムフレーム43は、第1方向の一例としての上下方向に延びる第1ガイドG21と、上下方向とは異なる第2方向に延びる第2ガイドG22とを有する。第1ガイドG21および第2ガイドG22は、現像カートリッジ60を支持した支持部材90が離間位置から露光位置へ移動するときに現像カートリッジ60の第1凸部C1をガイドするように構成されている。また、第1ガイドG21および第2ガイドG22は、露光位置に位置する支持部材90とその下のドラムユニット40に対して現像カートリッジ60を装着するときにも、第1凸部C1をガイドするように構成されている。
第1ガイドG21は、ドラムフレーム43の側壁433に形成された溝であり、上方に向けて開口している。第1ガイドG21は、上方に向かうにつれて幅広になるように形成されている。なお、右側の側壁433と左側の側壁432は、同様の構造であるため、以下、右側の側壁433の構造を代表して説明し、左側の側壁432については説明を省略する。
第2ガイドG22は、ドラムフレーム43の側壁433に形成された溝であり、第1ガイドG21にガイドされた現像カートリッジ60の第1凸部C1を感光ドラム41に向けて案内するように構成されている。詳しくは、第2ガイドG22は、第1ガイドG21の下端から後斜め下に向けて延びている。
第2ガイドG22は、感光ドラム41の外周面の法線に沿って延びている。言い換えると、第2方向から見て第2ガイドG22が感光ドラム41の回転中心に重なっている。
また、ドラムフレーム43の側壁433は、露光ヘッド50を位置決めするための切欠PPを有している。切欠PPは、断面視V形状の切欠であり、図6に示すように、支持部材90が露光位置に位置するときに、露光ヘッド50の突起51に接触する。なお、このとき、露光ヘッド50の突起51は、溝93Aの一端E5から離れるように構成されている。つまり、支持部材90を離間位置から露光位置に移動させる過程において、溝93Aの一端E5で支持されていた突起51が切欠PPに接触すると、突起51がそれ以上下がらなくなる。そのため、その後さらに支持部材90を下げると、溝93Aの一端E5が突起51に対して下に離れていくので、露光位置において、突起51が溝93Aの一端E5から離れるようになっている。
支持部材90が露光位置に位置するときには、左右方向、つまり感光ドラム41の回転軸線方向から見て、支持部材90と第1ガイドG21が重なっている。詳しくは、支持部材90の左右の側壁92,93は、ドラムフレーム43の左右の側壁432,433よりも左右方向外側に配置されている。なお、支持部材90の前壁91には、ドラムフレーム43の左右の側壁432,433を逃げるための切欠などを適宜設ければよい。
図6に示すように、前述した現像カートリッジ60の第1凸部C1の先端部は、左右方向において、支持部材90の左右の側壁92,93よりも内側であって、かつ、第1ガイドG21および第2ガイドG22と係合可能な位置に位置している。また、現像カートリッジ60の第2凸部C2および第3凸部C3は、第1凸部C1よりも左右方向外側に突出しており、支持部材90の左右の側壁92,93に形成されたカートリッジガイドG1に係合可能となっている。
第1凸部C1が第2ガイドG22に位置するときには、第2凸部C2がサブガイドG12に位置し、かつ、第3凸部C3がメインガイドG11に位置するようになっている。また、現像カートリッジ60が装着された支持部材90が露光位置に位置するときには、第2凸部C2は、レバー110と接触した状態で、サブガイドG12の感光ドラム41側の面である下面F1から離間するようになっている。
さらに、各現像カートリッジ60が装着された支持部材90を離間位置から露光位置に向けて回動していく過程においては、複数の第2凸部C2のうち支持部材90の回動中心に最も近い第2凸部C2から順にサブガイドG12の下面F1から離間するようになっている。
図5に戻って、ドラムフレーム43の側壁433は、ドラムユニット40を本体筐体10に対して位置決めするための基準軸A1と、後述する第2押圧部材P2によって押圧される被押圧部A2とを有している。なお、基準軸A1および被押圧部A2は、左側の側壁432にも同様に設けられている。
基準軸A1は、円柱状の突起であり、側壁433の下端部の後側に配置されている。基準軸A1は、側壁433から左右方向外側に突出している。
被押圧部A2は、円柱状の突起であり、側壁433の下端部の前側に配置されている。被押圧部A2は、側壁433から左右方向外側に突出している。
図7に示すように、本体筐体10は、位置決め部SPと、本体ガイドG3と、第1押圧部材P1と、第2押圧部材P2と、回動部材Rとを備えている。位置決め部SP、本体ガイドG3、第1押圧部材P1、第2押圧部材P2および回動部材Rは、ドラムユニット40に対して、左右方向、つまり感光ドラム41の回転軸線方向の一方側と他方側に1つずつ設けられている。なお、以下の説明では、本体筐体10の左側の構造について説明し、右側の構造については同様であるため、説明を省略する。
位置決め部SPは、ドラムユニット40を所定方向、つまり前後方向に位置決めするための部位であり、本体ガイドG3に一体に形成されている。位置決め部SPは、前方に向けて開口する凹部であり、水平部SP1と、傾斜部SP2とを有している。
水平部SP1は、ドラムユニット40の基準軸A1を下から支持する部位であり、前後方向に沿って延びている。水平部SP1は、本体ガイドG3に一体に形成されている。
傾斜部SP2は、基準軸A1の後方への移動を記載する部位であり、水平部SP1の後端から前斜め上方に延びている。基準軸A1は、傾斜部SP2に接触することで、位置決め部SPに位置決めされるようになっている。
本体ガイドG3は、ドラムユニット40を位置決め部SPに向けてガイドする部位である。本体ガイドG3は、第1本体ガイドG31と、第2本体ガイドG32と、第3本体ガイドG33と、第4本体ガイドG34とを有する。
第1本体ガイドG31は、被押圧部A2を下から支持する部位であり、前後方向に沿って延びている。第1本体ガイドG31は、水平部SP1と一体に形成され、水平部SP1から前方に向けて延びている。
第2本体ガイドG32は、第1本体ガイドG31の前端から上方に向けて延びている。第3本体ガイドG33は、第2本体ガイドG32の上端から前斜め上方に斜めに延びている。第4本体ガイドG34は、第3本体ガイドG33の上端から第3本体ガイドG33よりも急な角度で前斜め上方に斜めに延びている。詳しくは、第4本体ガイドG34の水平方向に対する角度は、第3本体ガイドG33の水平方向に対する角度よりも大きい。
第1押圧部材P1および第2押圧部材P2は、ドラムユニット40を位置決め部SPに向けて押圧するための部材である。第1押圧部材P1は、ロック部材P11と、バネP12とを備えている。
ロック部材P11は、位置決め部SPに対して左右方向にずれた位置に配置され、本体筐体10に回動可能に設けられている。ロック部材P11は、位置決め部SPの開口を塞ぐ第1位置(図7の位置)と、位置決め部SPの開口を開放する第2位置(図8の位置)との間で回動可能となっている。ロック部材P11は、支持部材90が露光位置に位置するときに第1位置に位置し、支持部材90が離間位置に位置するときに第2位置に位置する。
ここで、「位置決め部SPの開口を塞ぐ」とは、感光ドラム41の回転軸線方向から見て、ロック部材P11と位置決め部SPの開口が重なっていることを意味する。また、「位置決め部SPの開口を開放する」とは、感光ドラム41の回転軸線方向から見て、ロック部材P11と位置決め部SPの開口がずれていることを意味する。
ロック部材P11は、軸部P111と、アーム部P112と、爪部P113とを有する。軸部P111は、ロック部材P11の回動中心となる部位であり、本体筐体10に回動可能に支持されている。軸部P111は、位置決め部SPの後側に配置されている。
アーム部P112は、支持部材90が露光位置に位置するときにおいて、軸部P111から前斜め上方に向けて延びている。爪部P113は、支持部材90が露光位置に位置するときにおいて、アーム部P112の前端部から下方に向けて突出している。
爪部P113は、位置決め部SP内に位置する基準軸A1と接触する接触面F2を有している。接触面F2は、第1押圧部材P1の押圧力FP1を基準軸A1に伝達するための面である。接触面F2は、第1押圧部材P1の押圧力FP1の前後方向の成分が、上下方向の成分よりも大きくなるような角度で形成されている。つまり、第1押圧部材P1の押圧力FP1は、所定方向の成分が、所定方向および感光ドラム41の回転軸線方向に直交する直交方向の成分よりも大きくなっている。
バネP12は、圧縮コイルバネであり、支持部材90に設けられている。詳しくは、バネP12の一端は、支持部材90の延出部95に回動可能に連結されている。また、バネP12の他端は、アーム部P112の先端部に回動可能に連結されている。すなわち、バネP12の他端は、ロック部材P11に連結されている。
以上のように第1押圧部材P1が構成されることにより、支持部材90を離間位置から露光位置に回動するときに、第1押圧部材P1が支持部材90で押されることで、第1押圧部材P1がドラムユニット40を押圧するようになっている。詳しくは、支持部材90を離間位置から露光位置に回動するときに、支持部材90がバネP12を介してロック部材P11を押圧することで、ロック部材P11が基準軸A1を位置決め部SPに押圧するようになっている。
また、第1押圧部材P1は、図10に示すように、支持部材90を離間位置から露光位置に移動させるときに、露光ヘッド50および現像カートリッジ60よりも先に、ドラムユニット40に接触するように構成されている。詳しくは、支持部材90を離間位置から露光位置に移動させる過程において、露光ヘッド50の突起51がドラムユニット40の切欠PPに接触する前であって、かつ、現像カートリッジ60の第1凸部C1がドラムユニット40の第1ガイドG21に接触する前に、ロック部材P11がドラムユニット40の基準軸A1に接触するようになっている。
図7に戻って、第2押圧部材P2は、前後方向に移動可能な移動部材P21と、移動部材P21を後方に付勢するバネP22とを備えている。移動部材P21は、本体筐体10に前後方向に移動可能に支持されている。移動部材P21は、本体部P211と、支持軸P212とを有している。
本体部P211は、第1本体ガイドG31で支持された被押圧部A2を前斜め下方に押圧する押圧面F3と、ドラムユニット40を本体筐体10に装着していく過程において被押圧部A2によって押圧される被押圧面F4とを有している。押圧面F3の後端は、被押圧面F4の後端に接続されている。押圧面F3は、被押圧面F4の後端から前斜め下方に向けて延びている。被押圧面F4は、押圧面F3の後端から前斜め上方に向けて延びている。
押圧面F3は、第2押圧部材P2の押圧力FP2を被押圧部A2に伝達するための面である。押圧面F3は、第2押圧部材P2の押圧力FP2の前後方向の成分が、上下方向の成分よりも大きくなるような角度で形成されている。つまり、第2押圧部材P2の押圧力FP2は、所定方向の成分が、基準軸A1と第1本体ガイドG31との間に発生する摩擦力よりも大きくなっている。
被押圧面F4は、被押圧部A2から加わる下方に向かう力を前方に向かう力に変換するカム面である。これにより、ドラムユニット40を本体筐体10に装着していく過程において、被押圧部A2が被押圧面F4を下方に押圧すると、移動部材P21がバネP22の付勢力に抗して前方に移動するようになっている。
図8に示すように、ドラムユニット40が本体筐体10から外された状態において、被押圧面F4は、第3本体ガイドG33のガイド面に沿った位置に配置されている。詳しくは、本体部P211の上部が第3本体ガイドG33のガイド面から上方に突出しないような角度で、被押圧面F4が形成されている。
図7に戻って、支持軸P212は、バネP22を支持する軸であり、本体部P211の前面から前方に向けて延びている。支持軸P212は、圧縮コイルバネであるバネP22の内部を貫通するように配置されている。
バネP22は、移動部材P21の本体部P211と回動部材Rとの間に配置されている。バネP22の一端は、本体部P211に接触し、他端は回動部材Rに接触する。
回動部材Rは、上下方向に延びる長尺な板状部材であり、移動部材P21の支持軸P212に左右方向に隣接して配置されている。回動部材Rは、長手方向の中央部が本体筐体10に回動可能に支持されている。回動部材Rの下端部は、バネP22に接触している。回動部材Rの上端部は、トップカバー11に設けられるカムCMと接触可能となっている。
詳しくは、トップカバー11が開放されているときに、回動部材Rは、図に2点鎖線で示すように、上下方向に沿った姿勢となっている。より詳しくは、トップカバー11が開放されているときには、回動部材Rの下端部は、バネP22によって前方に付勢されているが、本体筐体10に設けられたストッパSTによって移動が規制されることで、回動部材Rが上下方向に沿った姿勢に維持される。
回動部材Rの上端部には、カムCMと接触可能な突起R1が形成されている。カムCMは、突起R1を前方に押圧するカム面CM1と、突起R1と係合可能な係合溝CM2とを有している。
このように回動部材RとカムCMが構成されることで、トップカバー11を閉めるときに、トップカバー11のカムCMが回動部材Rに接触して回動部材Rが図示反時計回りに回動することで、回動部材Rが第2押圧部材P2をドラムユニット40に向けて前後方向に沿って押圧するようになっている。また、突起R1が係合溝CM2に係合することで、トップカバー11が閉じた状態に保たれるようになっている。
次に、ドラムユニット40を本体筐体10に位置決めするための構造の作用効果について説明する。
図8に示すように、ドラムユニット40を装着する際には、トップカバー11を開放し、かつ、支持部材90を離間位置に配置する。支持部材90を離間位置に配置した状態においては、支持部材90にバネP12を介して連結されたロック部材P11が位置決め部SPの開口を開放する第2位置に位置するため、ユーザは、位置決め部SPを容易に視認することができる。
次に、ユーザは、ドラムユニット40の後端部を前端部よりも下げた姿勢にしながら、基準軸A1を位置決め部SPに向けて移動させていく。この際、ドラムユニット40の被押圧部A2を第4本体ガイドG34や第3本体ガイドG33の上に載せることで、ドラムユニット40の重さを軽減させることができるので、ドラムユニット40の装着作業を容易にすることができる。
その後、ユーザは、被押圧部A2を第3本体ガイドG33上で後斜め下方に滑らせていくと、図9に示すように、被押圧部A2が、第3本体ガイドG33から移動部材P21の被押圧面F4に受け渡される。これにより、ドラムユニット40の荷重が被押圧面F4に伝わり、被押圧面F4が下方に押圧される。
被押圧面F4が下方に押圧されると、移動部材P21が徐々に前方に移動するとともに、被押圧部A2が徐々に下方に移動する。この際、移動部材P21の前方への移動により、バネP22が縮んで、付勢力が蓄えられる。
被押圧部A2が第1本体ガイドG31に接触したときには、被押圧部A2は、移動部材P21の押圧面F3に接触し、この押圧面F3によって前斜め下方に押圧される。このとき、押圧面F3による押圧力FP2は、前後方向の成分が上下方向の成分よりも大きいため、各感光ドラム41と搬送ベルト73の摩擦力に抗してドラムユニット40を移動させることができ、基準軸A1を位置決め部SPに良好に押し付けることができる。
その後、図10に示すように、支持部材90を離間位置から露光位置に向けて回動していくと、支持部材90にバネP12を介して連結されたロック部材P11が第2位置から第1位置に向けて回動する。そして、支持部材90を離間位置から露光位置に向けて回動していく過程において、ロック部材P11は、露光ヘッド50および現像カートリッジ60がドラムユニット40に接触するよりも先に、ドラムユニット40の基準軸A1に接触する。
これにより、露光ヘッド50や現像カートリッジ60がドラムユニット40に接触することによって生じる摩擦力が発生する前に、ロック部材P11がドラムユニット40の基準軸A1に接触して基準軸A1を押圧するので、ドラムユニット40を精度良く位置決めすることができる。
そして、支持部材90を露光位置まで回動させると、支持部材90とロック部材P11との間でバネP12が押し縮められて、バネP12の付勢力が蓄えられる。バネP12の付勢力と、ユーザが支持部材90に加える力は、ロック部材P11の接触面F2(図7参照)を介して基準軸A1に伝達される。このとき、接触面F2から基準軸A1に加わる押圧力FP1は、前後方向の成分が上下方向の成分よりも大きいため、各感光ドラム41と搬送ベルト73の摩擦力に抗してドラムユニット40を移動させることができ、基準軸A1を位置決め部SPにより良好に押し付けることができる。
つまり、支持部材90を離間位置から露光位置に移動させるときに支持部材90に加える力と、第1押圧部材P1の押圧力とによって、ドラムユニット40を搬送ベルト73の摩擦力に抗して位置決め部SPに押し付けることができるので、ドラムユニット40を本体筐体10に対して精度良く位置決めすることができる。なお、露光位置において、支持部材90は、図示せぬロック機構によって本体筐体10にロックされる。
支持部材90を露光位置まで回動した後、図7に示すように、トップカバー11を閉めると、カムCMが回動部材Rの突起R1を押圧することで、回動部材Rが図示反時計回りに回動する。これにより、回動部材Rの下端部と移動部材P21との間でバネP22がさらに押し縮められて、押圧力FP2がさらに大きくなるので、基準軸A1を位置決め部SPにより強く押し当てることができる。
以上、本実施形態によれば、前述した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
第1押圧部材P1と第2押圧部材P2によって、ドラムユニット40を搬送ベルト73の摩擦力に抗して位置決め部SPに押し付けることができるので、ドラムユニット40を本体筐体10に対して精度良く位置決めすることができる。また、例えば第1押圧部材P1のみでドラムユニット40を押圧する構造に比べ、第1押圧部材P1の力を小さくすることができるので、支持部材90を露光位置にセットする際において支持部材90を操作するユーザに加わる第1押圧部材P1からの反力を小さくすることができる。
トップカバー11を閉めるときに、トップカバー11が回動部材Rに接触して回動部材Rが回動することで、回動部材Rが第2押圧部材P2をドラムユニット40に向けて押圧するため、トップカバー11を閉める力を、ドラムユニット40の位置決めのための力として利用することができる。
また、トップカバー11を開けるときには、カムCMが回転部材Rから外れることで、回転部材RがバネP22の付勢力で元の位置に戻り、バネP22の付勢力が弱まる。そのため、トップカバー11が開いた状態では、第2押圧部材P2からドラムユニット40に加わる押圧力は弱まるため、ドラムユニット40を着脱する際に必要な力が小さな力で済み、着脱作業を容易に行うことができる。
ロック部材P11が、支持部材90に設けられたバネP12に連結されているので、支持部材90を露光位置から離間位置に移動させると、バネP12に連結されたロック部材P11が回動して基準軸A1から外れるので、ユーザがロック部材P11を外す手間を省くことができ、操作性を向上させることができる。
支持部材90が離間位置に位置するときにロック部材P11が位置決め部SPの開口を開放する第2位置に位置するので、ドラムユニット40を本体筐体10に装着する際においてユーザが位置決め部を視認しやすくなり、操作性を向上させることができる。
第1押圧部材P1および第2押圧部材P2が、ドラムユニット40に対して左右方向の一方側と他方側に1つずつ設けられているので、ドラムユニット40を左右方向の両側に配置された第1押圧部材P1等によってバランスよく押圧することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、押圧部材として、回動または移動する部材(ロック部材P11または移動部材P21)とバネP12,P22とを備える構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、押圧部材は、バネのみで構成されていてもよい。バネは、板バネ、トーションバネなどであってもよい。
前記実施形態では、ロック部材P11とバネP12を連結したが、本発明はこれに限定されず、ロック部材とバネは連結されていなくてもよい。
前記実施形態では、感光ドラム41との間で用紙Pを搬送する搬送ベルト73を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ベルトは、感光体から現像剤像が転写される中間転写ベルトなどであってもよい。
前記実施形態では、カバーとしてトップカバー11を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、カバーは、本体筐体の前側の開口を開閉するフロントカバーなどであってもよい。
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。