JP7017040B2 - 液体吐出ヘッド及びプリンター - Google Patents

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本発明は、液体吐出ヘッド及びプリンターに関する。
液体吐出ヘッドは、圧電素子などの駆動素子を用いて、圧力室内のインクや他の液体をノズルから吐出するものである。この圧電素子は、圧電体層及びこれを挟む電極を備えている。これらの電極に駆動電圧を印加することによる圧電体の歪みを利用して圧力室の容積を変化させ液体を吐出することができる。液体吐出ヘッドの小型化に伴い、圧電体を始めとした各部の薄膜化、小型化が要請されるようになってきている。
特許文献1には、圧力室が形成された基板と、基板上に形成された振動板と、振動板上に形成された圧電体薄膜素子と、を備えた液体吐出ヘッドが開示されている。
特開2004-042329号公報
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、薄膜圧電素子によって駆動され、当該圧電素子を構成するPZTの結晶の100面配向度を70%を越えるようにすることで、圧電素子による振動板の変位量の向上が図られている。
しかしながら、圧電素子による振動板の変位量は、圧電体の結晶配向のみならず、圧電体の組成、圧電素子の形状、圧電素子の配置、振動板の形状、振動板の材質など、非常に多くの要素と関連している。またこれらの各種の要素は、互いに影響し合うことが知られており、ある特性(例えば変位量)を向上させるために特定の要素を変更すると、他の要素も変更しなければ他の特性が低下してしまうことも考えられる。
例えば、振動板の変位量を高めるために圧電素子の圧電体の組成を変化させると、液体吐出ヘッドの信頼性が低下する場合がある。そのため、振動板の変位量を向上させるには、変位量に関連する液体吐出ヘッドの各要素を総合的に検討することが求められる。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、振動板の変位量が大きく、かつ、信頼性の高い液体吐出ヘッド、及び、これを備えたプリンターを提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの一態様は、
圧力室と、
前記圧力室の一壁を形成する振動板と、
前記振動板上に形成された第1電極、前記第1電極上に形成された鉛を含有する薄膜圧電体層、及び、前記薄膜圧電体層上に形成された第2電極を有する圧電素子と、
前記振動板と前記薄膜圧電体層との間に設けられた鉛拡散抑制層と、
を有し、
前記振動板の厚さ方向における前記薄膜圧電体層の輪郭は、前記振動板の厚さ方向における前記圧力室の輪郭よりも内側に配置される。
このような液体吐出ヘッドは、振動板の厚さ方向における薄膜圧電体層の輪郭が、振動板の厚さ方向における圧力室の輪郭よりも内側に配置されるように形成されているので、相対的に硬い薄膜圧電体層による振動板の変形の制限が構造上抑えられる。これにより振動板の変位量を大きくすることができる。また、鉛拡散抑制層が振動板と薄膜圧電体層との間に設けられることにより、鉛が振動板へ拡散することを抑制できる。これにより鉛による振動板の脆化を抑制できるので振動板を破損しにくくでき、液体吐出ヘッドの信頼性を高めることができる。さらに、鉛拡散抑制層の存在により、鉛の拡散が抑えられるので、薄膜圧電体層の焼成温度を高くすることができる。これにより圧電素子の圧電特性を高くできるので、圧電素子自体の変形量も大きくすることができ、振動板の変位量を大きくすることができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドにおいて、前記振動板は、積層構造を有してもよい。
このような液体吐出ヘッドによれば、初期状態(振動板が形成された直後の状態)における振動板の反りや撓みをより容易に制御することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドにおいて、
前記振動板は、第1層、並びに、前記第1層を挟む第2層及び第3層を含み、
前記第2層及び前記第3層は、同一組成であってもよい。
このような液体吐出ヘッドによれば、積層状態の振動板の厚さ方向における応力の均衡をとりやすい。すなわち、第1層を同一組成の第2層及び第3層により挟む、厚さ方向で対称的な構造を有しているので、初期状態(振動板が形成された直後の状態)における振動板の反りや撓みをより容易に制御することができる。さらに、鉛拡散抑制層により振動板への鉛の拡散が抑制されるため、均衡させた応力の分布を乱すことが抑制される。すなわち、このような振動板である場合に、鉛拡散抑制層の効果がより顕著となる。
本発明に係る液体吐出ヘッドにおいて、
前記鉛拡散抑制層は、導電性を有し、前記第1電極と前記薄膜圧電体層との間に設けられてもよい。
このような液体吐出ヘッドによれば、鉛拡散抑制層を第1電極の補助電極として機能させることができる。また、鉛拡散抑制層を第1電極としても利用することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドにおいて、
前記鉛拡散抑制層は、前記振動板と前記第1電極との間に設けられてもよい。
このような液体吐出ヘッドによれば、圧電素子に鉛拡散抑制層が含まれないので、圧電素子の圧電性能を阻害しにくく、かつ、薄膜圧電体層に含まれる鉛を振動板に対して拡散させにくくできる。また、鉛拡散抑制層が導電性を有する場合には、鉛拡散抑制層を第1電極の補助電極として機能させることができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドにおいて、
前記薄膜圧電体層の厚さは、3μm以下であってもよい。
このような液体吐出ヘッドによれば、振動板の変位量をより大きくできる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの一態様は、
圧力室と、
前記圧力室の一壁を形成する振動板と、
前記振動板上に形成された第1電極、前記第1電極上に形成された鉛を含有する薄膜圧電体層、及び、前記薄膜圧電体層上に形成された第2電極を有する圧電素子と、
を有し、
前記振動板の厚さ方向における前記薄膜圧電体層の輪郭は、前記振動板の厚さ方向における前記圧力室の輪郭よりも内側に配置され、
前記第1電極は、鉛拡散抑制層として機能する。
このような液体吐出ヘッドは、振動板の厚さ方向における薄膜圧電体層の輪郭が、振動板の厚さ方向における圧力室の輪郭よりも内側に配置されるように形成されているので、相対的に硬い薄膜圧電体層による振動板の変形の制限が構造上抑えられる。これにより振動板の変位量を大きくすることができる。また、鉛拡散抑制層として機能する第1電極が振動板と薄膜圧電体層との間に設けられることにより、鉛が振動板へ拡散することを抑制できる。これにより鉛による振動板の脆化を抑制できるので振動板を破損しにくくでき、液体吐出ヘッドの信頼性を高めることができる。さらに、鉛拡散抑制層として機能する第1電極の存在により、鉛の拡散が抑えられるので、薄膜圧電体層の焼成温度を高くすることができる。これにより圧電素子の圧電特性を高くできるので、圧電素子自体の変形量も大きくすることができ、振動板の変位量を大きくすることができる。
本発明に係るプリンターの一態様は、上述の液体吐出ヘッドを含む。
このようなプリンターは、上述の液体吐出ヘッドを含むので、振動板の変位量が大きく、液体(例えばインク)の吐出の効率が高く、液体吐出ヘッドが破損しにくいので信頼性が良好である。
なお、本発明において、特定のA部材(以下、「A」という。)の「上方」又は「下方」に設けられた特定のB部材(以下、「B」という。)というとき、Aの上又は下に直接Bが設けられた場合と、Aの上又は下に他の部材を介してBが設けられた場合とを含む意味である。また、A上という場合も、Aの上方という場合と同様である。また、Aの上方又は下方にBが存在するという場合、見る方向、角度を変えたり視野を回転すればそのように存在すると解し得ることを意味し、重力の作用方向とは無関係である。
実施形態に係る液体吐出ヘッドの断面の模式図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドの断面の模式図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドを平面的に見た模式図。 実施形態に係るプリンターを模式的に示す斜視図。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.液体吐出ヘッド
本実施形態に係る液体吐出ヘッドについて、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド200の断面の模式図である。図3は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド200を平面的に見た模式図である。図1及び図2は、それぞれ
図3のI-I線及びII-II線の断面に相当する。なお、図1~図3における各部材の大きさや厚さは、説明の便宜上一部誇張して描かれており、各部材の相対的な大きさや厚さも図示したものに限定されない。
本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態として、液体吐出ヘッド200について説明する。本実施形態の液体吐出ヘッド200は、ノズルプレート10と、圧力室基板20と、振動板30と、圧電素子40と、鉛拡散抑制層50と、を含む。そして、圧力室21は、振動板30、圧力室基板20及びノズルプレート10により画定されており、振動板30が圧力室21の一壁を形成している。
1.1.ノズルプレート
ノズルプレート10は、図1、図2に示すように、平板状の形状を有する。ノズルプレート10は、圧力室基板20の下方に設けられる。ノズルプレート10は、圧力室基板20と一体であっても別体であってもよい。別体である場合にはノズルプレート10は、例えば接着剤や熱溶着フィルム等によって、圧力室基板20に接合される。ノズルプレート10は、圧力室21の一壁(下部壁)を構成し、圧力室21に対応した複数のノズル孔11を有する。
ノズル孔11は、圧力室21に連通しており、圧力室21に満たされた液体(例えばインク)は、圧力室21の容積の変化に応じてノズル孔11から吐出される。ノズル孔11は、例えば圧力室21の数に応じて複数設けられ、圧力室21の配列する方向に沿って例えば一列に設けられる。
ノズルプレート10の材質としては、シリコン、ステンレス(SUS等)、チタン、チタン合金などを挙げることができる。
1.2.圧力室基板
圧力室基板20は、圧力室21の側壁を形成できる形状に加工されている。圧力室基板20は、例えば、シリコン基板をエッチング加工して形成される。本実施形態では、図3に示すように圧力室21の端部には連通路22が形成されている。連通路22は、圧力室21の端部を狭窄することで、その流通断面積が小さくなるように形成されている。連通路22の長さや形状は、特に限定されない。
また、図示しないが、圧力室21は、連通路22を介してマニホールドに接続されている。マニホールドは、各圧力室21の共通の液体供給路である。そしてマニホールドは、液体リザーバ(液体タンク、カートリッジ等)と接続されており、該マニホールドを通じて液体タンクから液体が圧力室21へ供給されるようになっている。なお、圧力室基板20は、圧力室21、連通路22の他にも、他の流路が形成されるようにしてもよい。
1.3.振動板
振動板30は、平板状の形状を有し、圧力室21の一壁(上部壁)を構成している。振動板30は、圧力室基板20の上方に設けられる。振動板30と圧力室基板20との間には他の層が設けられてもよい。また、振動板30は圧力室基板20の上端面に直接設けられてもよい。振動板30は、圧電素子40の動作により、撓んだり振動したりすることができる。
本明細書では、振動板30は、圧力室基板20の端(上端)から鉛拡散抑制層50までの間に存在する部材であって、圧電素子40の動作により撓んだり振動したりする部材の全体であると定義する。但し、鉛拡散抑制層50が導電性を有する場合であって、薄膜圧電体層44と第1電極42との間に配置される場合には、圧力室基板20の端(上端)か
ら鉛拡散抑制層50までの間に存在する第1電極42以外の部材であって、圧電素子40の動作により撓んだり振動したりする部材の全体であると定義する。
振動板30の材質には、剛性及び機械的強度の高い材料を含むことが望ましい。振動板30の厚さは、例えば用いる材質の機械的物性にしたがって適宜設計される。振動板30の材質としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ステンレス(SUS)等の無機酸化物、無機窒化物、酸化窒化物、金属、合金などを例示することができる。なお添え字「」は、化学量論比で定まる値又はその近傍の値である。
振動板30は、2層以上の積層構造であってもよい。積層される層の数は特に限定されない。積層構造とする場合には、各層の材質や厚さについて独立して設定することができる。振動板30を積層構造とすることにより、例えば、液体吐出ヘッド200を製造した場合の初期状態(例えば、圧力室基板20のシリコンのエッチング後に、振動板30が形成された状態)における振動板30の反りや撓みを所定の程度に制御しやすい。また、積層構造とすることにより、例えば、振動板30の撓みや振動の際の効率を高めることができる場合がある。
図1、図2の例では、振動板30は、3層構造となっている。さらに、図示の例において、積層された3層の材質は、独立して任意であるが、例えば、圧力室基板20側から順に、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコンとすることができる。また、図示はしないが、5層構造としてもよく、その場合の積層される各層の材質も特に限定されないが、例えば、圧力室基板20側から順に、酸化シリコン、タングステン、酸化シリコン、タングステン、酸化シリコン等としてもよい。
また例示した積層構造のように、振動板30を3層以上の積層構造とした場合に、積層している層のうち、特定の層(第1層)を中心として見た場合に、該層(第1層)を挟むように第2層及び第3層が積層され、第2層及び第3層が、同一組成(同一材質)となるような層構成が、振動板30内で存在するようにしてもよい。このようにすれば、積層した状態の振動板30の厚さ方向の応力の均衡をさらにとりやすくなる。すなわち、振動板30の厚さ方向において、特定の層を中心とした対称構造を有するようにすれば、厚さ方向の応力の均衡をさらにとりやすくできる。これにより、初期状態における振動板30の反りや撓みをさらに容易に制御することができる。また、振動板30の全体の層構成が対称構造となっていてもよく、この場合さらに振動板30の反りや撓みを容易に制御することができる。
本実施形態の液体吐出ヘッド200では、後述する鉛拡散抑制層50によって振動板30への鉛の拡散が抑制されるのであるが、振動板30を上記積層構造として初期の応力の分布を所定の状態にした場合、鉛の拡散によって応力の分布が乱されにくくなるという点で、鉛拡散抑制層50の効果はより顕著となるといえる。
なお、上記の対称構造において、第2層及び第3層が、同一組成であるとともに同一厚さとなるようにしてもよい。既に述べたように各層の厚さは、適宜に設定され得るが、このようにすれば、より初期の応力をバランスさせやすくなる場合がある。
1.4.圧電素子
圧電素子40は、振動板30の上方に設けられる。圧電素子40は、第1電極42と薄膜圧電体層44と第2電極46とを含む。圧電素子40は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。圧電素子40の動作によって振動板30が撓み又は振動(変位)し、これによ
り圧力室21の容積及び内部の圧力を変化させることができる。
1.4.1.第1電極
第1電極42は、振動板30の上方に形成される。第1電極42の平面的な形状は、薄膜圧電体層44の平面的な形状と一致していても一致していなくてもよい。第1電極42は、図1に示すように、圧電素子40の隣に同様の圧電素子40があるときに、圧電素子の第1電極42と共通の第1電極42となるように電気的に接続してもよく、この場合には、第1電極42は、複数の圧電素子40の共通電極となる。また、第1電極42は、圧電素子40毎に設けられる個別電極であってもよい。この場合には第2電極46を共通電極としてもよい。第1電極42は、図示せぬ外部回路と電気的に接続される。
第1電極42の厚さは、振動板30に薄膜圧電体層44の変形が伝達できる範囲であれば任意である。第1電極42の厚さは、例えば50nm以上350nm以下とすることができる。第1電極42は、第2電極46と対になり、薄膜圧電体層44を挟んでおり、圧電素子40の一方の電極として機能する。第1電極42は、薄膜圧電体層44の結晶の配向及びグレインサイズを圧電動作に適したものとする機能を有してもよい。
第1電極42の材質は、導電性を有する物質である限り、特に限定されない。例えば、第1電極42の材質には、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、チタン(Ti)などの金属、ランタンとニッケルの複合酸化物などの導電性酸化物を用いることができる。また、第1電極42は、前記例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
1.4.2.薄膜圧電体層
薄膜圧電体層44は、第1電極42の上方に形成される。薄膜圧電体層44は、第1電極42及び第2電極46によって電界が印加されることで変形し、これにより振動板30を撓ませたり振動させたりする。
薄膜圧電体層44は、鉛を含む圧電体によって形成される。薄膜圧電体層44の材質としては、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物(Aは、Pbを含み、Bは、Zr及びTiを含む。)を挙げることができる。薄膜圧電体層44は、より具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(PZTN)などにより形成される。
薄膜圧電体層44は、例えば、ゾル・ゲル法によって形成される。ゾル・ゲル法における焼成温度は、500℃以上900℃以下、好ましくは600℃以上850℃以下、より好ましくは650℃以上830℃以下、さらに好ましくは700℃以上800℃以下である。鉛を含む薄膜圧電体層44の焼成温度は、例えば、650℃以上、好ましくは700℃以上の高温であるほうが圧電特性がより良好となることが分かっている。
ところが薄膜圧電体層44は鉛を含んでいるので、焼成中に鉛の拡散を生じ得る。仮に、振動板30に対して鉛の拡散が生じると、振動板30が脆化することが発明者らの検討により分かっている。しかし、本実施形態の液体吐出ヘッド200を製造する際には、後述する鉛拡散抑制層50が存在するので、薄膜圧電体層44から振動板30への鉛の拡散が抑制される。これにより、本実施形態の液体吐出ヘッド200を製造する際には、薄膜圧電体層44を、例えば、650℃以上、好ましくは700℃以上で焼成することができる。これにより、圧電素子40の圧電特性を高めるとともに、振動板30の脆化を抑制することができる。
なお、薄膜圧電体層44は、ゾル・ゲル法によって形成する際に、原料塗布、脱脂、焼
成等の任意の工程を複数回行って形成されてもよい。例えば、原料塗布、脱脂のサイクルを繰り返して行った後、焼成して形成されてもよい。薄膜圧電体層44がこのようにして形成された場合には、薄膜圧電体層44の厚さ方向で組成の周期的な揺らぎが形成されることがある。このような組成の揺らぎは、例えば、SIMS(二次イオン質量スペクトル)、(S)TEM-EDX((走査)透過型電子顕微鏡-エネルギー分散X線分光)等の手法により確認することができる。
薄膜圧電体層44の厚さは、3μm以下、好ましくは2.5μm以下、より好ましくは2μm以下である。薄膜圧電体層44の厚さの下限としては、500nm、好ましくは1μm程度である。薄膜圧電体層44の厚さがこの程度であれば、振動板30を効率よく撓ませたり振動させたりすることができる。
1.4.3.第2電極
第2電極46は、薄膜圧電体層44の上方に形成される。第2電極46は、第1電極42と対になり、圧電素子40の一方の電極として機能する。第2電極46の厚さは、特に限定されず、例えば10nm以上300nm以下とすることができる。第2電極46の材質は、導電性を有する物質である限り、特に限定されない。第2電極46の材質は、第1電極42と同様であるので、説明を省略する。また、第2電極46は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
1.5.鉛拡散抑制層
鉛拡散抑制層50は、振動板30と薄膜圧電体層44との間に設けられる。鉛拡散抑制層50は、圧電素子40を焼成する際に、薄膜圧電体層44に含まれる鉛が振動板30へと拡散することを抑制する機能を有する。
鉛拡散抑制層50の厚さは、振動板30の変形に悪影響を与えない範囲であれば任意であるが、例えば、20nm以上400nm以下、好ましくは30nm以上350nm以下、より好ましくは40nm以上300nm以下とすることができる。鉛拡散抑制層50の材質は、ZnO、AlO、ZrO、HfO、TaO、Ir、IrO、RuO、VO、SrRuO、SrTaO、LaTaO及び(LaSr)CoOから選択される。ここで添え字「」は、化学量論比で定まる値又はその近傍の値である。鉛拡散抑制層50は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料層を積層した構造であってもよい。
1.6.各構成の位置関係等
1.6.1.薄膜圧電体層及び圧力室
本実施形態の液体吐出ヘッド200では、図1~図3に示すように、上述の振動板30の厚さ方向における薄膜圧電体層44の輪郭が、振動板30の厚さ方向における圧力室21の輪郭よりも内側に配置される。換言すると、液体吐出ヘッド200を振動板30の厚さ方向に平行に投影した場合に、薄膜圧電体層44が、圧力室21の内側に存在する。
本明細書では、振動板30の厚さ方向の部材の輪郭を述べる場合や、振動板30の厚さ方向に平行に投影した状態を述べる場合、単に「平面視において」又は「平面的に見て」等と省略して記すことがある。
薄膜圧電体層44の材質は、振動板30や電極等と比較して弾性率が大きい。そのため、薄膜圧電体層44が圧力室基板20に構造的に接していると、薄膜圧電体層44は変形しても圧力室基板20に変形が抑え込まれる場合があり、結果として振動板30の変位が抑え込まれる(阻害される)場合がある。しかし、平面視において、薄膜圧電体層44が、圧力室21の内側に存在するように配置することにより、薄膜圧電体層44の外周が圧
力室基板20に重ならない(構造的に薄膜圧電体層44と圧力室基板20とが接しない)ので、薄膜圧電体層44の変形が振動板30の変位に十分に貢献することができる。言い換えると、本実施形態の配置であれば、振動板30の変形が薄膜圧電体層44によって阻害されにくい。これにより、振動板30の変位量をより大きくすることができる。
1.6.2.薄膜圧電体層及び鉛拡散抑制層
本実施形態の液体吐出ヘッド200において、平面視における薄膜圧電体層44の輪郭が、平面視における鉛拡散抑制層50の輪郭と同じ又は内側に配置される。換言すると、液体吐出ヘッド200を振動板30の厚さ方向に平行に投影した場合に、薄膜圧電体層44が、鉛拡散抑制層50の内側に存在する。本実施形態の液体吐出ヘッド200において、鉛拡散抑制層50は、薄膜圧電体層44の鉛が振動板30に拡散することを抑制している。そのため、平面視における鉛拡散抑制層50の輪郭は、薄膜圧電体層44の輪郭と一致していてもよい。
鉛の拡散は、薄膜圧電体層44の焼成時に生じやすく、物体(固体)を介して拡散する。そのため、焼成時に鉛拡散抑制層50が薄膜圧電体層44と振動板30との間に存在すればよい。また、鉛の拡散は、焼成時に気体(空間)を介しては生じにくいので、焼成時において、平面視における鉛拡散抑制層50の輪郭は、薄膜圧電体層44の輪郭と一致するかそれよりも大きければ十分である。また、焼成時に、平面視における鉛拡散抑制層50の輪郭は、薄膜圧電体層44の輪郭よりも大きい場合には、焼成後に、鉛拡散抑制層50はパターニングされてもよい。なお、焼成の前後いずれにおいても、鉛拡散抑制層50のパターニングが薄膜圧電体層44とともに行われた場合には、平面視において鉛拡散抑制層50の輪郭は、薄膜圧電体層44の輪郭と一致してもよい。
1.6.3.鉛拡散抑制層及び第1電極
鉛拡散抑制層50は、振動板30と薄膜圧電体層44との間に配置されれば、鉛の拡散を抑制する機能を発揮できるが、本項では第1電極42との位置関係等について述べる。
鉛拡散抑制層50は、図1~図3の例では、振動板30と薄膜圧電体層44との間に配置される態様のうち、振動板30と第1電極42との間に設けられている。このようにすれば、圧電素子40に鉛拡散抑制層50が含まれないので、圧電素子40の圧電性能を阻害しにくい。なお、先に述べたように第1電極42が各圧電素子40の個別電極である場合も同様であるが、平面視において第1電極42の輪郭が薄膜圧電体層44の輪郭よりも内側にある場合には、鉛拡散抑制層50の輪郭は、第1電極42の輪郭よりも外側となり、薄膜圧電体層44の輪郭と同じかそれよりも大きくなるように配置される。
一方、鉛拡散抑制層50が導電性を有する場合には、鉛拡散抑制層50を第1電極42の導電性を補助する補助電極として機能させてもよい。すなわち、鉛拡散抑制層50が導電性を有する場合には、鉛拡散抑制層50を、図1~図3の例のように、振動板30と薄膜圧電体層44との間に配置される態様のうち、振動板30と第1電極42との間に設けられてもよい。この場合において、鉛拡散抑制層50は適宜にパターニングされてもよい。
さらに、鉛拡散抑制層50が導電性を有する場合には、鉛拡散抑制層50は、振動板30と薄膜圧電体層44との間に配置される態様のうち、薄膜圧電体層44と第1電極42との間に設けられてもよい。このようにすれば、鉛拡散抑制層50を第1電極42の導電性を補助する補助電極として機能させることができる。また、この場合、鉛拡散抑制層50が、比較的導電性の高いIr、IrO、複合酸化物等で形成される場合には、鉛拡散抑制層50を第1電極42としてもよい。この場合には、圧電素子40は、鉛拡散抑制層50(第1電極42)と、薄膜圧電体層44と、第2電極46とから構成される。この場
合、第1電極42が鉛拡散抑制層50として機能するとみなしてもよい。
なお、鉛拡散抑制層50が導電性を有する場合であって、薄膜圧電体層44と第1電極42との間に設けられる場合において、先に述べたような第1電極42が各圧電素子40の個別電極である場合も同様である。すなわち、平面視において第1電極42の輪郭が薄膜圧電体層44の輪郭よりも内側にある場合には、鉛拡散抑制層50の輪郭は、第1電極42の輪郭よりも外側となり、薄膜圧電体層44の輪郭と同じかそれよりも大きくなるように配置され、これにより鉛拡散抑制層50は、第1電極42の導電性を補完するか、又は、第1電極42として機能することができる。また、鉛拡散抑制層50が導電性を有する場合であって、第1電極42が鉛拡散抑制層50と一体的である場合、又は、第1電極42がない場合には、鉛拡散抑制層50を第1電極42とみなすこともでき、それらの場合には、第1電極42が鉛拡散抑制層50として機能するとみなしてもよい。
1.6.4.鉛拡散抑制層及び振動板
鉛拡散抑制層50は、薄膜圧電体層44から振動板30に向かう方向で最初に現れる上記材質の層であると定義する。すなわち、振動板30に、鉛拡散抑制層50となり得る材質の層が存在する場合には、当該層は、鉛拡散抑制層50とはみなさず、振動板30を構成する層とみなすものとする。なお、振動板30が単層で構成され、該単層が鉛拡散抑制層50となり得る材質である場合には、該単層は、振動板30とみなしても、鉛拡散抑制層50とみなしてもよい。
1.7.その他の構成
図1~図3に示す本実施形態の液体吐出ヘッド200は、絶縁層60と、配線層70とを有している。配線層70は、第2電極46の引出配線である。絶縁層60は、配線層70を第1電極42と絶縁する機能を有している。
絶縁層60は、第1電極42及び薄膜圧電体層44の側面の少なくとも一部を覆うように設けられている。図示の例では絶縁層60は、配線層70の下方の領域のみに設けられている。絶縁層60の上面は、図2に示すように、水平でなくてもよい。絶縁層60は、第1電極42と配線層70との間に絶縁性を確保するために設けられる。絶縁層60の材質としては、無機物でも有機物でも用いることができる。中でも振動板30の変位を阻害しにくいという観点で、ヤング率(弾性率)が小さい物質が好ましい。例えば、絶縁層60の材質は、シリコン酸化物や各種ポリマーが好適である。
配線層70は、絶縁層60の上方に設けられる。配線層70は、薄膜圧電体層44に接して設けられてもよい。配線層70は、第2電極46に電気的に接続する。配線層70は、少なくとも絶縁層60によって、第1電極42と電気的に絶縁される。配線層70は、第2電極46と図示せぬ外部回路とを電気的に接続する。配線層70の材質には、ニッケル、イリジウム、金、白金などの各種の金属を用いることができ、これらの単層構造でもよいし多層構造であってもよい。
本実施形態の液体吐出ヘッド200は、さらに適宜の構成を含んでもよい。そのような構成としては、例えば、圧電素子40を覆う空間を形成して、圧電素子40や振動板30の機械的な損傷を抑制する保護基板、圧電素子40を駆動させるための半導体集積回路(IC)を含む回路基板などがある。また、振動板30及び第1電極42の間、第1電極42及び薄膜圧電体層44の間、薄膜圧電体層44及び第2電極46の間、振動板30及び鉛拡散抑制層50の間、鉛拡散抑制層50及び第1電極42の間、並びに、鉛拡散抑制層50及び薄膜圧電体層44の間、には層間の密着性を向上させたり、鉛拡散抑制層50の材料の結晶性を制御する等の目的で、例えば、チタン(Ti)を含む層が形成されてもよい。
また、図示しないが、圧力室21を区画する壁面の一部又は全部、すなわち、振動板30の圧力室21側の面や、圧力室基板20の圧力室21を区画する側面に、ライナー層が設けられてもよい。ライナー層は、圧力室21内に導入される液体(インク等)によって、振動板30や圧力室基板20が腐食することを抑制する機能を有してもよい。ライナー層の材質としては、TaO、パリレン(ポリキシリレン)等が挙げられる。
1.8.液体吐出ヘッドの製造方法
液体吐出ヘッド200の製造は、例えば次のように行うことができる。シリコン基板上に振動板30となる層、鉛拡散抑制層50となる層、第1電極42となる層、薄膜圧電体層44となる層、及び、第2電極46となる層を、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法、ゾル・ゲル法等により形成する。これらの工程には適宜及び必要に応じてマスキング、パターニングの工程が含まれてもよい。なお、薄膜圧電体層44の焼成は、適宜のタイミングで行われることができる。また、ゾル・ゲル法においては、原料溶液塗布、予備加熱、結晶化アニールの一連の作業を数回繰り返して所望の膜厚にしてもよい。このようにしてシリコン基板上に振動板30、鉛拡散抑制層50、圧電素子40が所定の形状で形成された構造体を得ることができる。また、絶縁層60は、例えば、スピンオングラス(SOG)法、インクジェット法等により形成でき、必要に応じてパターニングすることができる。配線層70は、例えば、スパッタ法、真空蒸着、CVD法、無電解めっき法等の方法で形成し、パターニングを行って形成することができる。そして、シリコン基板を上記層が形成された面と反対側から適宜のマスクを用いてエッチングして、圧力室基板20を形成する。ノズルプレート10は、例えばステンレス板を切削し、ノズル孔11を所定の位置に穿孔して製造する。以上のように製造した振動板30、鉛拡散抑制層50、圧電素子40を含む圧力室基板20及びノズルプレート10を公知の位置合わせ手段などを用いて所定の位置に、必要に応じて接着剤などを使用して組み立てることにより、液体吐出ヘッド200が製造される。
1.9.作用効果
本実施形態の液体吐出ヘッド200によれば、振動板30の厚さ方向における薄膜圧電体層44の輪郭が、振動板30の厚さ方向における圧力室21の輪郭よりも内側に配置されるように形成されているので、相対的に硬い薄膜圧電体層44による振動板30の変位の拘束が構造上抑えられる。そのため振動板30の変位量を大きくすることができる。また、鉛拡散抑制層50が振動板30と薄膜圧電体層44との間に設けられることにより、薄膜圧電体層44の焼成温度を高くしても、鉛が振動板30へ拡散することを抑制できる。これにより、圧電素子40の圧電特性を高くすることができ、振動板30の変位量を大きくすることができ、かつ、鉛による振動板30の脆化を抑制できるので振動板30を破損しにくくでき、信頼性を高めることができる。
本実施形態の液体吐出ヘッド200は、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)、電気泳動ディスプレー等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料吐出ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料吐出ヘッドとしても好適に利用することができる。
2.プリンター
次に、本実施形態に係るプリンターについて、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係るプリンター300を模式的に示す斜視図である。
本発明に係るプリンターは、本発明に係る液体吐出ヘッドを含む。以下では、一例として、液体吐出ヘッド200を含むプリンター300について説明する。
プリンター300は、インクジェット式のプリンターである。プリンター300は、図4に示すように、ヘッドユニット310を含む。ヘッドユニット310は、液体吐出ヘッド200を有している。ヘッドユニット310を構成する液体吐出ヘッド200の数は、特に限定されない。ヘッドユニット310には、カートリッジ312,314が着脱可能に設けられている。キャリッジ316は、ヘッドユニット310が搭載され、装置本体320に取り付けられたキャリッジ軸322に軸方向移動自在となっている。
プリンター300では、駆動モーター330の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト332を介してキャリッジ316に伝達される。これにより、キャリッジ316がキャリッジ軸322に沿って移動される。一方、装置本体320には搬送手段としての搬送ローラー340が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー340により搬送されるようになっている。記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られず、ベルトやドラム等であってもよい。
プリンター300は、プリンターコントローラー350を含む。プリンターコントローラー350は、液体吐出ヘッド200の回路基板(不図示)と電気的に接続されている。プリンターコントローラー350は、例えば、各種データを一時的に記憶するRAM、制御プログラム等を記憶したROM、CPU等を含んで構成された制御部、及び液体吐出ヘッド200へ送信する駆動信号を発生する駆動信号発生回路などを備えている。
プリンター300は、上述の液体吐出ヘッド200を含むので、十分なインク吐出性能と、信頼性とを備えている。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…ノズルプレート、11…ノズル孔、20…圧力室基板、21…圧力室、22…連通路、30…振動板、40…圧電素子、42…第1電極、44…薄膜圧電体層、46…第2電極、50…鉛拡散抑制層、60…絶縁層、70…配線層、200…液体吐出ヘッド、300…プリンター、310…ヘッドユニット、312,314…カートリッジ、316…キャリッジ、320…装置本体、322…キャリッジ軸、330…駆動モーター、332…タイミングベルト、340…搬送ローラー、350…プリンターコントローラー

Claims (7)

  1. 圧力室と、
    前記圧力室の一壁を形成する振動板と、
    前記振動板上に形成された第1電極、前記第1電極上に形成された鉛を含有する薄膜圧電体層、及び、前記薄膜圧電体層上に形成された第2電極を有する圧電素子と、
    前記振動板と前記薄膜圧電体層との間に設けられた鉛拡散抑制層と、
    を有し、
    前記振動板の厚さ方向における前記薄膜圧電体層の輪郭は、前記振動板の厚さ方向における前記圧力室の輪郭よりも内側に配置され
    前記振動板は、積層構造を有し、第1層、並びに、前記第1層を挟む第2層及び第3層を含み、
    前記第2層及び前記第3層は、同一組成であり、
    前記振動板の材質は、酸化ジルコニウム、窒化シリコン、酸化シリコン、タングステン、タンタル、及び、ステンレスから選択され、
    前記鉛拡散抑制層の材質は、ZnO 、AlO 、HfO 、TaO 、VO 、SrTaO 、及び、LaTaO から選択される、液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記振動板の厚さ方向における前記薄膜圧電体層の輪郭は、前記振動板の厚さ方向からの平面視における前記鉛拡散抑制層の輪郭と同じ又は内側に配置されている、液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記振動板の厚さ方向からの平面視において、前記第1電極の輪郭が前記薄膜圧電体層の輪郭よりも内側にあり、かつ、前記鉛拡散抑制層の輪郭は前記第1電極の輪郭よりも外側となり前記薄膜圧電体層の輪郭と同じかそれよりも大きくなるように配置されている、液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1又は請求項3において、
    前記鉛拡散抑制層は、導電性を有し、前記第1電極と前記薄膜圧電体層との間に設けられる、液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1又は請求項3において、
    前記鉛拡散抑制層は、前記振動板と前記第1電極との間に設けられる、液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか一項において、
    前記薄膜圧電体層の厚さは、3μm以下である、液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドを含む、プリンター。
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