JP7016690B2 - 止水板用付勢装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の開口を封鎖して外部からの水を堰き止め、内部への水の侵入を阻止するための止水板を、より簡便かつ確実に開口に設置可能な止水板用付勢装置に関する。
昨今、地球温暖化を要因の一つとする異常気象に伴い、各地で短時間の記録的なゲリラ豪雨が頻発しているところ、都市部では道路の舗装化が進んでおり、降雨した雨水は殆ど地中に浸透することなく、下水道施設から河川へと一気に流入し、短時間で河川が氾濫したり下水道施設から雨水が噴き出したりし、床下浸水や床上浸水等の水害が出ている。
このような水害時は、従来、建物の出入口等の建物開口に土嚢を積み上げて遮水壁を作り、建物等の内部への水の浸入を防いでいたが、土嚢は非常に重いため、積上げ作業には大変な時間と労力を要し、短時間で起こる水害を防止するのは困難であり、また、嵩張るので保管場所を確保するのも容易ではなかった。
そこで、出入口等の建物開口形状及び寸法に応じて形成された専用の止水板が使用される場合もあり、より確実な止水方法が確立されつつある。当該止水板は、開口に固定して該開口を封鎖し、水の侵入を防止するものであるが、例えば止水板を開口内に配置し、当該開口を構成する枠に対して内側から水平方向に突っ張って固定する突っ張り方式の止水板が使用されている。
しかし、このような固定方法を用いた止水板は、開口を構成する枠が該開口の前方から後方に対して略平行に設けられたものであれば固定できるが、枠が非平行である場合は水平方向に突っ張りが効かず、確実な固定を行うことができない。また、開口を構成する枠に、ある程度高さのある凹凸が形成されている場合も、確実な固定ができない場合がある。
これに対し、特許文献1(特開2016-204948号公報)には、開口を構成する枠の後方側出隅部にフックを掛け、枠の前方に配置した止水板を当該フックと接続しつつ、双方を前後方向に引っ張り合うことで止水板を開口に固定する浸水防止装置が開示されている。これにより、開口を構成する枠が非平行であっても、止水板を当該開口に固定することができるとされている。
特開2016-204948号公報
しかしながら、上記特許文献1の浸水防止装置は、上述のとおりフックや該フックを引っ張るための機械機構を備えていることから、止水板本体と合わせて重量が大きくなっている。このため、開口との固定以前に、開口近傍に浸水防止装置を移動するには時間を要し、移動そのものも困難であった。また、確実に開口と止水板本体との間に隙間がないよう配設することも難しく、生した隙間から建物側に水が浸入してしまう問題があった。
即ち、従来の止水板の構造に着目すると、止水板本体の運搬を補助する機構が施されておらず、設置者の腕力のみで当該止水板本体を開口に移動させることが困難であり、未だ改善の余地があった。そこで、本発明は、止水板本体を開口側に付勢する機構を備え、容易かつ確実に止水板本体を開口に配設可能な止水板用付勢装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、本発明は、
建物開口を封鎖する止水板を開口側に対して付勢する付勢装置であって、
回動支点を具備するとともに、床面に対して所定の角度で傾斜した傾斜体で構成され、
前記傾斜体が、前記回動支点を支点に前記角度が小さくなる方向に傾斜することにより、前記止水板を開口側に対して付勢すること、
を特徴とする止水板用付勢装置を提供する。
このような構成を有する本発明の止水板用付勢装置では、例えば設置者が傾斜体を踏み込んで踏力を略上方から略下方の方向に傾斜体をさらに傾斜させるように応力を付加することにより、建物の開口側に止水板本体を付勢させることができる。より具体的には、踏力未付加時において、傾斜体が回動支点から止水板本体に向かって登り傾斜となる角度で配置されており、(換言するならば、止水板本体に向かって、床面と傾斜体とで構成される角度が0度より大きな鋭角であること。)、踏力付加によって、傾斜体の一方の端部領域が具備する回動支点を支点に、傾斜体が床面との角度が小さくなる方向に傾斜する。これにより、傾斜体の先端側にあたる他方の端部領域が開口側に向けた付勢力を発し、即ち該他方の端部領域が止水板に当接したのちに押し付け付勢(該他方の端部領域が当初から止水板に当接あるいは上下方向にスライド可能に接続する場合は、止水板を押し付け付勢)して、止水板本体を開口側に移動させて開口縁部に当接するとともに、開口縁部に付勢させることができるので、止水板と開口縁部との間を確実に封鎖できる。
本発明の構成は、設置者が止水板を持ち運び、開口部の床面に止水板を載置して開口を封鎖するタイプの止水板に好ましく適用できるものであるが、従来の止水板では、設置者が気づかないで止水板と開口側とに間隙を生じてしまうことがある。特に、隙間は設置者が見づらいために止水板下端側に生じやすく、そのまま止水板を設置すると、止水板と開口との間(特に、止水板の下部側)から漏水を生じるおそれがある。本発明の構成は付勢して止水板本体を開口側に移動させることができるため、このような不具合を容易かつ確実に解消することができる。また、後述する当て材(シール材やパッキン)を用いてより止水性を向上させようとするものの、開口側への付勢が不足して漏水を起こすおそれがある際にも好適に機能する。
また、上記の本発明の止水板用付勢装置においては、前記回動支点が、前記傾斜体を前記止水板に対して前記所定の角度で傾斜した状態で配置可能となる位置に設けられていることが望ましい。
このような構成を有する本発明の止水板用付勢装置では、回動支点を止水板本体から所定の距離を隔てて離間することで、踏力未踏力時の床面に対する傾斜体の角度を好適に調整(0度より大きな鋭角)することができる。換言すると、止水板を押し付け付勢させようとする方向と反対となる側の床面に、止水板本体と傾斜体の一方の端部領域にある回動支点とが間隔を設けるように、付勢装置が載置されることで、所望の角度(即ち、所望の付勢力や止水板本体の移動距離)で傾斜させた状態で傾斜体を配置できる。
また、上記の本発明の止水板用付勢装置は、更に前記傾斜体を前記所定の角度に傾斜させて保持する傾斜保持手段を具備することが望ましい。
このような構成を有する本発明の止水板用付勢装置では、傾斜保持手段を用いて傾斜体の他方の端部領域を下方から上方に押し上げる押上付勢を行うことにより、踏力を付加していない際における傾斜体の傾斜状態が維持されるため、付勢装置の設置や止水板を付勢する作業が容易になる。さらに、設置者が傾斜体への踏力を解除した際に、自動で傾斜体を元の傾斜状態に復帰させることができるので、繰り返して付勢を行って所望の止水板本体を所望の位置まで開口縁部に当接および付勢を行うことが容易になる。
また、上記の本発明の止水板用付勢装置は、前記付勢装置が前記止水板と連結する連結部と、スライド機構と、を有することが望ましい。
また、上記の本発明の止水板用付勢装置は、前記付勢装置を前記止水板側に牽引付勢する牽引機構を有することが望ましい。
このような構成を有する本発明の止水板用付勢装置では、止水板との連結部(とくに、止水板本体の下端側との間に連結部を有する場合)とスライド機構とを有するので、付勢装置(とくに、付勢装置の回動支点)と止水板本体との距離が離隔可能に連結状態を保持でき、止水板を運搬する(持ち運ぶ)際に付勢装置も同時に持ち運べるので、危急の際の労力が省けるとともに、付勢装置による付勢作業を忘れることなく、効率・効果的に止水板を設置できる。
そして、止水板本体と回動支点が所望の距離や傾斜体の傾斜角度が所望の角度に設定されるように、牽引機構によって牽引付勢されていれば、止水板本体の位置に応じて付勢装置の位置調整を行う必要がなく、適切な付勢作業を行うことができ、また傾斜体に踏圧を付加して付勢作業を行ったのち、傾斜体に対する踏力を解除すれば、当該牽引機構によって牽引され、適切な付勢を行える離隔距離まで回動支点が止水板本体に近づくため、さらに踏圧の付加及び解除を繰り返すことのみで確実に止水板本体を開口縁部に当接および付勢させることできる。
また、上記の本発明の止水板用付勢装置においては、更に、前記傾斜体の先端部領域(他方の端部領域)の、前記止水板の板面への当接位置が、前記止水板の高さの半ばよりも下方に位置することが望ましい。
このような構成を有する本発明の止水板用付勢装置では、止水板本体の下方を開口側に付勢することができるため、特に隙間を生じやすい止水板本体と開口との下方部を確実に封鎖することができる。
本発明によれば、止水板本体を開口側に付勢する機構を備え、容易かつ確実に止水板本体を開口に配設可能とする止水板用付勢装置を提供することができる。そして、付勢機構が止水板本体の下端側に配設されるため、隙間を生じやすい下端側を確実に付勢して止水板と開口部との間を詰め、漏水を解消することができる。
本実施形態における止水板用付勢装置1の概要を説明する模式図である。 図1に示す傾斜体3の構造を説明する図であって、図2(a)は、傾斜体3を上方からみた傾斜体3の平面図であり、図2(b)は、傾斜体3の左側面図である。 図1に示す傾斜体3の構造を示す図であって、図3(a)は、図2(a)の矢視Aを示す断面図であり、図3(b)は、傾斜体3を部分的に拡大視して伸縮機構21を示す側面図である。 図1に示す底板7の構造を説明する図であって、図4(a)は、底板7を上方からみた底板7の平面図であり、図4(b)は、底板7の左側面図である。 図4(a)の矢視Bを示す底板7正面図である。 本実施形態における止水板用付勢装置1の構成を示す模式図である。 本実施形態における止水板用付勢装置1を位置決めする方法を示す模式図である。 傾斜体3に踏力を付加する前後における止水板用付勢装置1の模式図である。 本実施形態における止水板用付勢装置1の固定方法を示す模式図である。 図12に示す連結部111の構造を説明する図であって、図10(a)は、連結部111を上方からみた平面図であり、図10(b)は、連結部111を正面から見た正面図であり、図10(c)は、図10(a)の矢視Dを示す断面図である。 図12に示す底板107の構造を説明する図であって、図11(a)は、底板107を上方からみた平面図であり、図11(b)は、図11(a)の矢視Cを示す断面図である。 本実施形態における止水板100の構成を示す模式図である。 傾斜体103に踏力を付加した状態における模式図である。 傾斜体103に付加した踏力を解除した状態における模式図である。
以下、図1~図14を参照しながら、本実施形態に係る止水板用付勢装置の代表的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は図示されるものに限られるものではなく、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて比や数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
1.止水板用付勢装置1の概要
図1を用いて本実施形態における止水板用付勢装置1の概要を説明する。図1は、本実施形態における止水板用付勢装置1の概要を説明する模式図である。図1に示すとおり、本実施形態の止水板用付勢装置1は、例えば有事の際に発生した洪水等の大量の水が、建物の出入口等に設けられた開口59から内部に流入すること、即ち、図1における矢印の向きに水が建物外部側53から建物内部側55に流入することを防止するものである。
この止水板用付勢装置1は、以下に説明するように、開口59に対して止水板本体51をより簡便かつ確実に設置できる機構を備えている。なお、本発明の止水板が用いられる開口としては、家屋やビルのドアや扉などの出入口や窓のほか、外構の出入口、地下街や駐車場への出入口等が例示できる。
2.止水板用付勢装置1の構造
本実施形態の止水板用付勢装置1は、概ね、略上下方向の応力(例えば設置者による踏力)を受ける傾斜体3と、床面61に当接するか僅かに離れて床面61に近接し、回動支点5と連接される底板7と、傾斜体3と底板7との連接部付近にあって傾斜体3の支点となる回動支点5と、傾斜体3と底板7との間に配設されて傾斜体3を所定の角度に保持する傾斜保持手段9と、から構成されている。
<傾斜体3の構造>
次に、図2(a)及び(b)と、図3(a)及び(b)を用いて傾斜体3の構造について詳細に説明する。図2(a)及び(b)は、図1に示す傾斜体3の構造を説明する図であって、図2(a)は、傾斜体3を上方からみた傾斜体3の平面図であり、図2(b)は、傾斜体3の左側面図である。また、図3(a)及び(b)は、図1に示す傾斜体3の構造を示す図であって、図3(a)は、図2(a)の矢視Aを示す断面図であり、図3(b)は、傾斜体3を部分的に拡大視して伸縮機構23を示す側面図である。
図2(a)及び(b)に示すとおり、傾斜体3は略板形状の部品で、開口59に対して止水板本体51を付勢する際、上方から下方に向けた設置者による力(踏力)を受けてこれを止水板本体51に伝達するものであり、例えば複数の鋼管等で構成するなど、金属や合成樹脂、ゴムなどでされており、上面には左右方向に複数の凸条を設けるなどの防滑処理がなされている。
傾斜体3は、概ね、傾斜体3の先端部の領域となり、止水板本体51に当接されてこれを押圧する前方部25と、傾斜体3の後端部の領域となり、後述する底板7と回動自在に接続される後方部27と、前方部25と後方部27とを伸縮自在に接続する伸縮調整ボルト19と、伸縮調整ボルト19と螺子嵌合する伸縮調整ナット21と、から構成されている。なお、前方部25と後方部27とは伸縮自在に接続され、当該接続部の機構を伸縮機構23として説明する。
前方部25は、止水板本体51に直接当接する複数のローラ25Aと、ローラ25Aを支持する第一梁25Bと、第一梁25Bと所定の離間距離を設けつつ略平行に配設される第二梁25Dと、第一梁25Bと第二梁25Dとを双方の両端で連結する二本の梁連結部25Cと、第一梁25Bを二本の梁連結部25Cに対して角度調整自在に配設する回転調整ボルト25Eと、後述する後方部27が具備する二本の第二接続部27Aと接続される二本の第一接続部25Fと、から構成されている。
ローラ25Aは、樹脂等で形成された略円筒状の回転体を、略コの字状の部品によって回転自在に支持されたものであって、より具体的には、回転体の軸方向両端の略中心をコの字状の部品でそれぞれ支持して構成されたものである。回転体のサイズは本実施形態における止水板用付勢装置1のサイズ及び止水板本体51のサイズに応じて適宜決定することが望ましい。なお、本実施形態ではこのローラ25Aを5個備えているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第一梁25Bのサイズ等に応じて変更してもよい。
前記のローラ25Aは傾斜体の先端側(他方の端部領域)が止水板本体の当接側面から離隔可能で、且つ上下方向に自在に移動できるように措置したものであるが、先端側が止水板本体面を上下方向に移動可能であれば、他の手段に代えることも可能である。滑性の優れた樹脂部材を先端側に設けてもよいし、滑り性を向上させる塗膜を設けるなどの手法が例示できる。
また、傾斜体の先端側(他方の端部領域)を予め止水板本体に接続させておいてもよく、その場合は止水板本体の面上に、長孔や蟻溝、蟻ほぞのような上下方向に延びる接続係合部を設ける(図示せず)とともに、傾斜体の先端側(他方の端部領域)に当該接続係合部とスライド自在に係止される接続係止部を設け(図示せず)、両者を接続係合部と接続係止部とで接続させて、傾斜体の先端側(他方の端部領域)が上下方向にスライド自在に接続させればよい。
第一梁25B及び第二梁25Dは、例えば略矩形の断面を有する鋼管又は略コの字状の断面を有するアングル等を用いて形成された略棒状部品であって、双方が同様のサイズである。なお、図示はしていないが、第一梁25Bの長さ方向の両端の面には、回転調整ボルト25Eと螺子嵌合するための螺子孔が設けられている。
二本の梁連結部25Cは、略コの字状の断面を有するアングル等を用いて形成された略棒状部品であって、上記第一梁25Bと第二梁25Dとの離間距離に応じた長さを有している。梁連結部25Cの一方の端部近傍には回転調整ボルト25Eが挿通される孔が設けられている。
回転調整ボルト25Eは、側部に螺子山を備えた一般的なボルトであって、上記梁連結部25Cの板厚と第一梁25Bの螺子孔深さとに応じて長さを決定することが望ましい。
二本の第一接続部25Fは、第一梁25B及び第二梁25Dと同様に、例えば略矩形の断面を有する鋼管又は略コの字状の断面を有するアングル等を用いて形成された略棒状部品である。断面寸法は直接接続する第二梁25Dの断面寸法と略同様とすることが好ましく、長さ寸法は後述する後方部27との伸縮幅に応じて決定することが望ましい。
また、二本の第一接続部25Fは、長さ方向に対して略鉛直方向に貫通する孔(図示せず)を二つ有しており、後述する後方部27が具備する第二接続部27Aとの接続に用いられる。
前方部25は、上記各部品を組み立てることにより構成されている。より具体的には、複数のローラ25Aは、第一梁25Bの側面に対してそれぞれを所定の間隔で同じ方向(全ての回転体を外向きかつ回転方向を同様にする)に固定している。二本の梁連結部25C双方を対向させ、他方の端部内側(二本の梁連結部25Cが対向する方向)に第二梁25Dを渡して溶接等で固定し、一方の端部内側に第一梁25Bを渡しつつ、梁連結部25Cの孔(図示せず)を介して外側から回転調整ボルト25Eで固定させている。
二本の第一接続部25Fは、双方を平行に対向させつつ所定の離間距離を設け、一方の端面が第二梁25Dの側面(第一梁25Bの配置位置と反対側)に固定されている。なお、二本の第一接続部25Fは、双方の離間距離の略中心位置が、第二梁25Dの長さ方向の略中心位置に配置されるよう固定する。二本の第一接続部25Fの離間距離は、後述する後方部27が具備する二本の第二接続部27Aの離間距離に応じて決定することが望ましい。
後方部27は、上述した前方部25が具備する二本の第一接続部25Fと接続される二本の第二接続部27Aと、この二本の第二接続部27Aを略平行に接続する第三梁27Bと、から構成されている。
二本の第二接続部27Aは、上記第一接続部25Fと同様の鋼管又はアングルを用いて形成された略棒状部品であって、長さ寸法は本実施形態の止水板用付勢装置1のサイズに応じて決定することが望ましい。また、二本の第二接続部27Aは、長さ方向に対して略鉛直方向に貫通する伸縮調整孔17(第二接続部27Aの長さ方向に延びる長孔)を二つ有しており(図3(a)及び(b)参照)、上述した前方部25が具備する第一接続部25Fとの接続に用いられる。
第三梁27Bは、上記第二接続部27Aと同様の鋼管又はアングルを用いて形成された略棒状の部品であって、長さ寸法は上記二本の第二接続部27Aにおける離間距離に応じて決定することが望ましい。
後方部27は、上記各部品を組み立てることにより構成されている。より具体的には、二本の第二接続部27A双方を平行に対向させつつ所定の離間距離を設け、一方の端部内側(二本の第二接続部27Aが対向する方向)に第三梁27Bを渡して溶接等で固定している。二本の第二接続部27Aの離間距離は、上述した前方部25が具備する二本の第一接続部25Fの離間距離に応じて決定することが望ましい。
なお、後方部27の後端(第三梁27Bの配置側)には、二本の第二接続部27A(板厚方向)と、その間で固定された第三梁27B(長さ方向)と、を貫通する第一支点孔29(第三梁27Bの長さ方向に対して略平行に貫通)が設けられており、後述する底板7との接続に用いられる。
前方部25と後方部27とは、双方の第一接続部25Fと第二接続部27Aとを接続することで一体的に構成される。図3(a)及び(b)に示すとおり、本実施形態の止水板用付勢装置1は、傾斜体3の有効長L1を所定の範囲で伸縮可能な伸縮機構23を備えている。
前方部25が具備する二本の第一接続部25Fの間に、後方部27が具備する二本の第二接続部27Aを入れ、第一接続部25Fが具備する二つの孔(図示せず)と、第二接続部27Aが具備する二つの伸縮調整孔17と、を介して伸縮調整ボルト19を挿通し、伸縮調整ナット21を螺子嵌合させることにより固定している。
上記伸縮調整ボルト19と伸縮調整ナット21との螺子嵌合を緩めることにより、前方部25と後方部27との固定が解除され、方向X1に対して伸縮調整孔17のサイズに応じた範囲でスライドさせることができる。即ち、上記スライドを行うことによって、傾斜体3の有効長L1、即ち傾斜体3の先端と第一支点孔29の軸心との距離を伸縮して任意に調整することができる。
<底板7の構造>
次に、図4(a)及び(b)と、図5を用いて底板7の構造について詳細に説明する。図4(a)及び(b)は、図1に示す底板7の構造を説明する図であって、図4(a)は、底板7を上方からみた底板7の平面図であり、図4(b)は、底板7の左側面図である。また、図5は、図4(a)の矢視Bを示す底板7正面図である。底板7は、上述した傾斜体3を支持(本実施形態では、後述するように底板7は傾斜体3を支持するが、傾斜体3の回動支点5の止水板本体寄りに底板7を設け、回動支点5が直接床面61に接するように構成されてもよい。)しつつ床面61に当接される部品である。
図4(a)及び(b)に示すとおり、底板7は、板状部品であって、床面61に当接される底面7Aと、上記傾斜体3と接続される二枚の接続面7Bと、止水板本体51に当接される当接面7Cと、から構成されており、例えば金属製や合成樹脂、ゴム製である。
また、図4(a)に示すとおり、底面7Aは、略矩形の板状部位であって、上述した傾斜体3を接続した際に転倒することなく支持可能なサイズを有し、かつ傾斜体3を接続し、傾斜体3と床面61との角度が小さくなるよう傾斜させた際に、傾斜体3の先端(ローラ25A側)が当接面7Cを越えて方向X2側に到達する傾斜体3の有効長L1で形成することが望ましい。即ち、有効長L2は後述する第二支点孔31の軸心と当接面7Cとの距離に該当し、傾斜体3の先端と第一支点孔29の軸心との距離に該当する傾斜体3の有効長L1よりも短く設定される。
図4(a)及び(b)に示すとおり、二枚の接続面7Bは、上記底面7Aに対して鉛直に立設する略矩形の板状部位であって、上述する傾斜体3を挟んで接続するため、双方を対向させつつ、傾斜体3の後方部27の後端(第三梁27Bで接続された二本の第二接続部27Aの幅方向の寸法)と略同様の離間距離で底面7Aに固定されている。
また、二枚の接続面7Bの略中央には、板厚方向に貫通する第二支点孔31が設けられており、上述した傾斜体3が具備する第一支点孔29と連通する。なお、底面7Aに対する二枚の接続面7Bの固定位置は、底面7Aの方向X3の端部近傍とすることが望ましい。
図4(b)及び図5に示すとおり、当接面7Cは、上記底面7Aに対して鉛直に立設する略矩形の板状部位であって、本実施形態の止水板用付勢装置を使用する際に止水板本体51の表面に当接させ、止水板本体に対する本止水板用付勢装置の位置決めを行うための部位である。
なお、底面7Aに対する当接面7Cの固定位置は、底面7Aの方向X2の辺上かつ該辺と略平行とすることが望ましい。また、本実施形態では当接面7Cを二枚で構成しているが、止水板本体51に当接できれば、一枚で構成しても、更に複数枚で構成してもよい。
本止水板用付勢装置1は屋外で使用するものであり、雨等の水を浴びる可能性が高いことから、上述した傾斜体3及び底板7の構成には、耐蝕性を有する材料を用いることが望ましい。なお、底板7は付勢装置の安定的な設置、設置位置の目安として有効であるものの、付勢装置に必須の構成要素ではなく、省略してもよいことは言うまでもない。
3.止水板用付勢装置1の組み立て
続いて、図6を用いて本実施形態における止水板用付勢装置1の組み立てについて詳細に説明する。図6は、本実施形態における止水板用付勢装置1の構成を示す模式図である。図6に示すとおり、本実施形態の止水板用付勢装置1は、上述した各部品を所定の方法で組み立てることにより構成されている。なお、傾斜保持手段9は、所定の弾性力を有する金属製のコイルバネであって、傾斜板3の位置及び角度を制御してその傾斜状態を保持するためものである。回動支点5は、所定の長さを有した回動軸ボルト5Aと、これに螺子嵌合する回動軸用ナット5Bと、から構成される。
まず、底板7の二枚の接続面7Bの間に傾斜体3の後方部27を挿入し、回動軸ボルト5Aを第一支点孔29と第二支点孔31とに挿通して回動軸用ナットと螺子嵌合する。これにより、傾斜体3と底板7とが接続され、更に傾斜体3が回動支点5を軸にして回動自在となる。
なお、回動支点5で構成される傾斜体3と床板7との軸心が止水板本体51の幅方向に対して略平行に配置されることが好ましい。また、二枚の接続面7Bと傾斜体3の後方部27とのそれぞれの間にベアリング等を装着することにより、傾斜体3の回動をよりスムーズに行うことができる。
次に、底板7と傾斜体3との間に傾斜保持手段9を固定する。本実施形態では底板7に対して傾斜保持手段9を固定し、傾斜体3を下方(底板7側)から持ち上げる態様で構成しているが、傾斜体3側(底板7に対向する傾斜体3の一方の面)に傾斜保持手段9を固定し、底板7に当接して傾斜体3を支持する態様で構成してもよい。
なお、傾斜保持手段9の固定方法は、溶接としてもよいし、傾斜保持手段9と底板7との双方に係止部等を設け、該係止部をビス等により接続してもよい。また、傾斜保持手段9の固定は、傾斜体3が底板7に対して所定の角度に維持できるよう、方向X4において適切な位置で行うことが望ましい。
上述の手順を行うことにより、本実施形態の止水板用付勢装置1の組立が完了する。なお、構成した止水板用付勢装置1のサイズ及び止水板本体51のサイズ等に応じて、傾斜体3の伸縮機構23を調整し、前方部25と後方部27との接続状態を変更して傾斜体3の方向X4の長さを決定することが好ましい。
4.止水板用付勢装置1の使用方法
続いて、図7及び図8を用いて本実施形態における止水板用付勢装置1の使用方法について詳細に説明する。図7は、本実施形態における止水板用付勢装置1を位置決めする方法を示す模式図であり、図8は、は傾斜体3に踏力を付加する前後における止水板用付勢装置1の模式図である。
<使用する止水板本体51の詳細>
なお、ここで用いる止水板本体51は、略平行な第一の面(前方面)及び第二の面(後方面)を有し、所定の厚みを有する略矩形の板状部材であり、止水板としての機能を果たしかつ本発明の効果を損なわない範囲で種々の材料を用いて構成されたものである。樹脂製であっても金属製であってもよく、また、例えば止水板本体51の主体部分が樹脂製で周縁に金属製の枠材を以って構成していてもよいし、少なくとも第一の面と第二の面を有し、その間を桟構造で連結した中空構造を有していてもよい。
なお、本実施形態の止水板本体51には、床面61に当接設置した状態で開口内壁63に当接したうえで、止水板本体51を下方(床面61側)に押し付ける押圧機構65を備えており、配置調整後に止水板本体51を短時間かつ簡便確実に固定することができる(図9参照)。
止水板本体51の両端部側において、開口縁部57に対向する部位には、止水板本体51の高さ方向へ延びて当て材67Aが取り付けられている。当て材67Aは、ゴム材料、樹脂材料若しくは樹脂発泡体又は空気袋体等で構成することができ、付勢装置による付勢力で弾性変形するとともに、止水板本体51に水の圧力がかかったときに弾性変形して圧力を受け止め、止水板本体51と開口縁部57との間から水が漏れないように密封する、いわゆるシール材あるいはパッキンとしての機能を持つ。当て材67Aは開口縁部57側に取り付けられてもよい。
また、本実施形態においては、止水板本体51の下側水平部に当て材67Bが取り付けられている。この当て材67Bについても、ゴム材料、樹脂材料若しくは樹脂発泡体又は空気袋体等で構成することができ、止水板本体51の自重や設置時の押圧力によって弾性変形し、止水板本体51と床面61との間から水が漏れないように密封する。また、当て材67Aと当て材67Bは、連続していて単一の部材を構成していてもよい。
<止水板用付勢装置1を用いた止水板本体51の設置方法>
まず、設置者は止水板本体51を把持(止水板本体51の上端に設けた把手を把持してもよいし、止水板本体51の左右の端面を直接把持してもよい。)し、止水板本体51の第二の面を建物外部側53から建物内部側55に対向させ、止水板本体51を可能な範囲で開口59に接近させる。
止水板本体51の下方側の端面を床面61に当接させつつ止水板本体51を仮立設(止水板本体51の上部を開口縁部57に当接させて立て掛けてもよい。)させ、当該状態で第一の面下方略中央近傍の床面61に本実施形態の止水板用付勢装置1を仮配置する。この時、止水板本体51の第一の面に対して、底板7の当接面7Cが対向するよう、方向を調整することが望ましい。
次に、図7に示すとおり、本実施形態の止水板用付勢装置1を更に接近させ、底板7の当接面7Cを止水板本体51の第一の面に当接させる。このとき、必ず当接面7Cと止水板本体51とが略平行となるよう当接させることが望ましい。これにより、止水板本体51を付勢するための本止水板用付勢装置1の適切な配置が完了する(なお、本実施形態では、まず底板7の当接面7Cを止水板本体51に当接させたが、傾斜体3の先端(他方の端部領域)を、直接、止水板本体51の第一の面に当接させてもよい。)。
続いて、傾斜体3を上方から下方に向けて踏み込み、踏力を付加させる。図8(踏力を付加する前後の状態を図示しており、実線が付加前の状態を表示し、鎖線は付加後の状態を示している。)に示すとおり、傾斜体3は回動支点5(一方の端部領域)を軸として形成される円弧ラインALに沿って底板7側に傾斜し(底板7との角度を小さくする)、先端のローラ25A(他方の端部領域)が止水板本体51に当接して止水板本体51を開口59側に付勢する。
より具体的には、円弧ラインALに沿ったローラ25Aの傾斜移動に起因する水平方向の分力で、ローラ25Aが止水板本体51を開口59側に押圧し、ローラ25Aの傾斜前後による水平移動距離L3分が付勢力となり、止水板本体51を開口59側に移動させることができる。なお、この時には傾斜体3の傾斜に伴って傾斜保持手段9が圧縮された状態となるが、傾斜体3への踏力を解除することで傾斜保持手段9が弾性反力を発揮して傾斜体3を元の傾斜角度に戻す。
上述のとおり、本実施形態の止水板用付勢装置1は、踏力未付加時は傾斜体3が回動支点5から止水板本体51に向かって登り傾斜となる角度で配置されているが、(換言するならば、止水板本体51に向かって、床面61と傾斜体3とで構成される角度が0度より大きな鋭角であること。)、踏力付加によって、傾斜体3の一方の端部領域が具備する回動支点5を支点に、傾斜体3が床面61との角度を小さくする方向に傾斜する。これにより、傾斜体3の他方の端部領域が開口59側に向けた付勢力を発し、止水板本体51を開口59側に付勢して移動させることができるものである。
上記した手順(止水板用付勢装置1の配置及び踏力付加と解除)を複数回繰り返すことにより、本実施形態の止水板用付勢装置1を徐々に開口59側に移動(1回の踏力付加によって水平移動距離L3分ずつ移動できる。)させることができ、確実に止水板本体51を開口縁部57に当接させることが可能である。
止水板本体51が腕力で容易に移動させることが困難な重量を有していたとしても、上記の様に傾斜体3を踏んで体重を掛けることにより、設置者が安全かつ確実に止水板本体51の配置調整を行うことができる(止水板用付勢装置1と止水板本体51の配置位置によっては、1回の踏力付加で事足る場合もある。)。
このようにすると、止水板本体51と開口縁部57が密接して止水性が向上することは言うまでもないが、止水板本体51の両端部側に当て材67Aが設けられていると、柔軟に形成された当て材67Aが前記付勢力によって弾性的に潰れて止水性を更に向上できる。そして、設置者は一定程度の上記手順を繰り返し、移動ができなくなった状態(踏力を付加しても、傾斜体3がそれ以上傾斜しなくなった状態)で、この作業を停止すればよい。
上述の手順で本実施形態における止水板用付勢装置1の配置調整を行った後、図9に示すとおり、止水板本体51が備える押圧機構65を用いて床面61に押圧する。この押圧機構65は、例えば特開2017-160693号公報に開示された止水板を下方に押し付ける機構が採用できる。
即ち、操作レバーを倒す操作をすることで、回転軸芯が固定された固定回転軸が回転し、当該軸の回転に連動して押圧部が開口内壁63に当接し、さらにレバーを倒すと、軸芯が回転移動する回動回転軸が回動し、その結果、押圧部は開口内壁63に当接押圧しながら、止水板本体51を下方(床面61側)に押し付けることができる。
本実施形態の止水板用付勢装置1を用いて止水板本体51を床面61と開口縁部57とに当接させた後、前記押圧機構65を用いて床面61に押圧する。なお、押圧機構65を起動させる際には、設置者は傾斜体3を踏み込んだ状態(上方からの応力を付加した状態)で行うことにより、止水板本体51が開口59側に付勢された状態で床面61に向けて押し付けて固定できるので、より好ましい。これにより、配置調整後の止水板本体51を開口59側に強く圧接した状態で固定することができる。即ち、止水板用付勢装置1による後方向きの付勢と押圧機構65による下向きの付勢が相俟って止水板本体51を確実に建物の開口59に固定して、開口59を簡便かつ確実に封鎖することが可能となる。なお、図9は、本実施形態における止水板用付勢装置1の固定方法を示す模式図である。
以上、本実施形態における止水板用付勢装置1の代表的な実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の変形例や改良例が存在し、これらは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上述にて説明した本止水板用付勢装置1を止水板本体51と一体的に連結した態様としてもよい。以下、本発明を用いて構成した止水板100について詳述する。
5.他の実施形態に係る止水板100の構造
上記実施形態と異なる実施形態である止水板100は、上記止水板用付勢装置1と略同様の構成を有した付勢装置101と、止水板本体151と、付勢装置101と止水板本体51とを連結する連結部111と、付勢装置101を止水板本体151側に牽引する牽引手段(牽引機構)115と、から構成されている。なお、止水板本体151は、既述の止水板本体51と略同様の構造を有するものであるが、第一の面の下方略中間域に後述する連結部111を固定するための連結部固定孔183が二つ追加されている(図12参照)。
<連結部111の構造>
図10(a)(b)(c)を用いて連結部111の構造について詳細に説明する。図10(a)(b)(c)は、連結部111の構造を示す図であって、図10(a)は、連結部111を上方からみた平面図であり、図10(b)は、連結部111を正面から見た正面図であり、図10(c)は、図10(a)の矢視Dを示す断面図である。
図10(a)(b)(c)に示すとおり、連結部111は金属材料や合成樹脂等を用いて形成された略L字状の部品であって、付勢機構101と止水板本体151とを連結するとともに、両者の離間距離を変更可能なスライド機構を構成する部品である。連結部111は、垂直面111Aと水平面111Bとから構成されており、当該2面が端部で略鉛直に連結することによりL字状を形成している。
垂直面111Aは、後述する牽引手段115を係合する第一の牽引手段係合部171を備えており、本実施形態では二つの第一の牽引手段係合部171を垂直面111Aの所定の位置で略水平に並列配置している。なお、二つの第一の牽引手段係合部171の離間距離は、後述する二つのスライド調整孔173の離間距離と略同様とすることが望ましい。
また、垂直面111Aには止水板本体151と固定するため、垂直面111Aを板厚方向に貫通する二つの固定孔175が備わっており、連結部111を止水板本体151に固定した際、回転等を起こさないよう所定の離間距離で配設されている。
水平面111Bは、後述する底板107が具備する二つの第二の牽引手段係合部177を挿通する二つのスライド調整孔173を具備している。このスライド調整孔173は長孔であって、その有効長さL4(後述する第二の牽引手段係合部177のスライド前後の軸心間距離)を、傾斜体103を傾斜させた際における傾斜体3の先端(ローラ125A側)に起因する水平移動距離L13と略同じまたはそれ以上の長さとすることが望ましい。また、二つのスライド調整孔173は、水平面111Bに対して双方が略平行するように配設され、板厚方向に貫通している。
<底板107の構造>
図11(a)及び(b)を用いて底板107の構造について詳細に説明する。図11(a)及び(b)は、底板107の構造を示す図であって、図11(a)は、底板107を上方からみた平面図であり、図11(b)は、図11(a)の矢視Cを示す断面図でありある。本実施形態で用いる底板107は、上述の止水板用付勢装置1に用いた底板7と略同様の構成を示しているため、相違部分のみを説明することにする。
底板107は、底面107Aと、接続面107Bと、当接面107Cと、第二の牽引手段係合部177と、から構成されている。図4(a)及び(b)に示すとおり、当接面107Cは底面107Aに対して鉛直に立設する略矩形の板状部位であって二つ配設されている。より具体的には、底面107Aの方向X5の端辺上かつ該辺と略平行に配置し、更に、上記連結部111の幅寸法L5の寸法より大きく離隔させて方向X5の端辺上の両端近傍にそれぞれ配置されている。
第二の牽引手段係合部177は、後述する牽引手段115と係合可能な孔と、スライド調整孔の保持用ナット179と螺子嵌合可能な螺子山と、を備えた略棒状の部位であって、底面107Aに二つ立設されている。より具体的には、上述した二つのスライド調整孔173の離間距離と略同様の寸法で二つの第二の牽引手段係合部177の間を離隔させ、底面107Aにおける方向X5の端部近傍に立設させている。
6.止水板100の組み立て
次に、図12を用いて本実施形態における付勢装置101止水板100の組み立てについて詳細に説明する。図12は、本実施形態における止水板100の構成を示す模式図である。なお、付勢装置101の組み立ては上述した止水板用付勢装置1の組み立てと略同様であるため、省略する。
図12に示すとおり、本実施形態の止水板100は、底板107を備えた付勢装置101と、止水板本体151と、連結部111と、牽引手段115と、を所定の方法で組み立てることにより構成されている。なお、牽引手段115は、所定の弾性力を有する金属製のコイルバネやゴム体等で構成されていて、両端部に他部品と接続するためのフック状の係合端181を備えている。
まず、連結部111の垂直面111Aの背面(第一の牽引手段係合部171が固定されている面とは反対側の面)側を止水板本体151の第一の面に当接させ、垂直面111Aの具備する二つの固定孔175と止水板本体151が具備する二つの連結部固定孔183とを重ねて連通させる。当該状態で垂直面111Aの表面(第一の牽引手段係合部171が固定されている面)側から固定ビス185を上記で連通した孔に挿入して螺子嵌合し、連結部111と止水板本体151とを固定する。
続いて、連結部111の水平面111Bが備える二つのスライド調整孔173に対して、付勢機構101の底板107が備える二つの第二の牽引手段係合部177を下方から上方にそれぞれ挿通させる。当該状態で第二の牽引手段係合部177にナット179を螺子嵌合させ、付勢装置101と止水板本体151とを、連結部111を介して連結して、両者が分離しないように保持する。更に、連結部111が具備する第一の牽引手段係合部171と、第二の牽引手段係合部177と、の双方に係合端181を係合させて牽引手段115を牽引付勢が可能な状態(即ち、牽引手段が自然な状態か、または牽引を確実にするために牽引手段をやや引き伸ばした状態)で接続する。
上述の手順を行うことにより、本実施形態の止水板用付勢装置1の組立が完了する。なお、付勢装置101における種々の調整は上述した止水板用付勢装置1と同様に行えばよい。
7.止水板100の使用方法
続いて、図13及び図14を用いて本実施形態における付勢装置101並びに止水板100の使用方法について詳細に説明する。図13は、傾斜体103に踏力を付加する前ないし付加後の状態における模式図であり、図14は、傾斜体103に付加した踏力を解除した状態における模式図である。なお、止水板100の使用法は、上述した止水板用付勢装置1及び止水板本体51を用いた開口59の封鎖と略同様であるため、相違する部分以外は概ね省略する。
まず、設置者は止水板100を把持し、止水板本体151の第二の面を建物外部側53から建物内部側55に対向させ、止水板100を可能な範囲で開口59に接近させる。止水板本体151の下方側の端面を床面61に当接させつつ止水板本体51を仮立設させる。
続いて、図13に示すとおり、傾斜体103を上方から下方に向けて踏み込み、踏力を付加させる。図13(踏力を付加する前後の状態を図示しており、実線が付加前の状態を表示し、鎖線は付加後の状態を示している。)に示すとおり、傾斜体3が回動支点105を軸に傾斜して先端のローラ125Aが止水板本体151に当接して止水板本体151を開口59側に付勢する。
このとき、止水板本体151の移動に伴ってスライド機構113が機能し、連結部111が牽引機構115を伸張しつつ底板107をスライド(連結部111が踏圧力で床面61に圧接されて移動が規制された回動支点105から離れる方向にスライド)する。このため、付勢装置101と止水板本体151との間距離が離隔された状態になり、踏力付加の状態で移動が規制された回動支点105を起点にして、止水板本体151を開口側に移動させることができる。
次に、図14に示すとおり、傾斜体103への踏力を解除すると、付勢装置101の回動支点105の移動規制が解除され、回動支点105の移動が可能となる。これに伴い、牽引機構115が収縮して牽引するため、第二の牽引手段係合部177を介して底板107を引っ張り、付勢装置101全体が止水板本体151側に牽引される。
本実施形態の止水板100は、上記スライド機構113と牽引手段115の機能を用いることにより、止水板本体151の位置に応じて付勢装置101の位置調整を行う必要がなく、設置者は傾斜体103に対する踏力の付加及び解除を繰り返すことのみで確実に止水板本体151を開口縁部57に当接させることが可能となる。
止水板本体151が腕力で容易に移動させることが困難な重量を有していたとしても、上記の様に傾斜体103を踏んで体重を掛けることにより、設置者が安全かつ容易に止水板の配置調整を行うことができる。このようにすると、止水板本体151と開口縁部57が密接して止水性が向上することは言うまでもない。設置者は一定程度の踏力付加を繰り返し、移動ができなくなった状態(踏力を付加しても、傾斜体103がそれ以上傾斜しなくなった状態)で、この作業を停止すればよい。
なお、上記実施態様において、スライド機構113は、スライド調整孔173と第二の牽引手段係合部177の組み合わせ、換言すれば、長孔と当該長孔内を摺動する係合片の組み合わせの事例を示したが、他のスライド機構113も例示できる。即ち、前記組み合わせに代えて、蟻溝あるいは蟻ほぞとこれらと係合する係合片との組み合せによるスライド機構、または断面の大きさを異にして嵌合可能な筒状体を印籠状に組み合わせたスライド機構も好ましく適用できる。これらは組み合わせでは、蟻溝あるいは蟻ほぞと係合片との間、二つの筒状体の間で摺動させることで、スライドが可能となるとともに、各両者は係合あるいは嵌合しているため、長孔と係合片の組み合わせと同様に、バラバラにならず一体に運用でき、危急の際の労力が省けるとともに、付勢装置による付勢作業を忘れることなく、効率・効果的に止水板を設置できる。
上述の手順で本実施形態における止水板100の配置調整を行った後、押圧機構を用いて床面61に押圧する。当該押圧機構は、上述した止水板本体51が具備した押圧機構65と略同様のものである。
付勢装置101を用いて止水板本体151を床面61と開口縁部57とに当接させた後、押圧機構を用いて床面61に押圧する。なお、押圧機構を起動させる際には、設置者は傾斜体103を踏み込んだ状態(踏力を付加した状態)で行うことにより、止水板本体151が開口59側に付勢された状態で床面61に向けて押し付けて固定できるため、より好ましい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明がこれらのみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ローラ25Aが設けられている態様について説明したが、上記の数に限定されるものではなく、また、前記したように、このようなローラ25Aは必ずしも設けられていなくてもよい。
また、上記実施形態では、傾斜体3が複数の梁(鋼管等)で構成されている態様について説明したが、梁の数は上記の数に限定されるものではないし、傾斜体3は単一の部材で構成されていてもよく、また、傾斜体3は略板状ではなく略棒状であってもよい。
本実施形態における止水板用付勢装置は、止水板本体を開口側に付勢する機構を備え、容易かつ確実に止水板本体を開口に配設することができるものである。
1 止水板用付勢装置
3 傾斜体
5 回動支点
5A 回動軸ボルト
5B 回動軸用ナット
7 底板
7A 底面
7B 接続面
7C 当接面
9 傾斜保持手段
17 伸縮調整孔
19 伸縮調整ボルト
21 伸縮調整ナット
23 伸縮機構
25 前方部
25A ローラ
25B 第一梁
25C 梁連結部
25D 第二梁
25E 回転調整ボルト
25F 第一接続部
27 後方部
27A 第二接続部
27B 第三梁
29 第一支点孔
31 第二支点孔
51 止水板本体
53 建物外部側
55 建物内部側
57 開口縁部
59 開口
61 床面
63 開口内壁
65 押圧機構
67A 当て材
67B 当て材
100 止水板
101 付勢装置
103 傾斜体
105 回動支点
107 底板
107A 底面
107B 接続面
107C 当接面
109 傾斜保持手段
111 連結部
113 スライド機構
115 牽引手段(牽引機構)
125A ローラ
151 止水板本体
171 第一の牽引手段係合部
173 スライド調整孔
175 固定孔
177 第二の牽引手段係合部
179 スライド調整孔の保持用ナット
181 係合端
183 連結部固定孔
AL 円弧ライン
L1 傾斜体の有効長
L2 有効長
L3、L13 水平移動距離
L4 スライド調整孔の有効長さ
L5 連結部の幅寸法
X1 方向
X2 方向
X3 方向
X4 方向
X5 方向

Claims (4)

  1. 建物開口を封鎖する止水板を開口側に対して付勢する付勢装置であって、
    回動支点を具備するとともに、床面に対して所定の角度で傾斜した傾斜体で構成され、
    前記傾斜体が、前記回動支点を支点に前記角度が小さくなる方向に傾斜することにより、前記止水板を開口側に対して付勢するものであり、
    前記止水板が、前記止水板の下方側の端面を前記床面に当接して立設されるものであり、
    前記傾斜体が、略上方から略下方の方向に向けた応力が付加されて、角度が小さくなる方向に傾斜すること、
    を特徴とする止水板用付勢装置。
  2. 前記回動支点が、前記傾斜体を前記止水板に対して前記所定の角度で傾斜した状態で配置可能となる位置に設けられていること、
    を特徴とする請求項1に記載の止水板用付勢装置。
  3. 更に前記傾斜体を前記所定の角度に傾斜させて保持する傾斜保持手段を具備すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の止水板用付勢装置。
  4. 前記傾斜体の先端部領域の、前記止水板の板面への当接位置が、前記止水板の高さの半ばよりも下方に位置すること、
    を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の止水板用付勢装置。
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