しかしながら、上記特許文献1、2記載の吸収性物品では、凹部や凹状の空間内に陰茎を収容するため、吸収性物品を装着しない通常のときと比べて異なる向きで陰茎が拘束される場合があり、陰茎の締め付け感が生じ、装着性が悪かった。
また、上記特許文献1、2記載の吸収性物品では、凹部内又は凹状の空間内に陰茎が収容されるものの、この空間内における排尿位置は一定でないため、排尿位置によっては特定の部位に尿が集中して、吸収効率が悪くなり、漏れの原因となるおそれがあった。
そこで本発明の主たる課題は、締め付け感がなく、装着性に優れるとともに、吸収効率が良く、漏れを防止した男性用吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、不透液性裏面シートと、透液性表面シートと、これら両シート間に介在された吸収体とを備えた男性用吸収性物品であって、
前記吸収体はパルプと高吸水性樹脂とを含み、その平面形状は外形が円形又は楕円形からなり、肌当接面に、前記吸収体の中心より周縁側に偏倚した位置において、全周に亘って厚み方向に窪む底面部と、前記底面部から前記吸収体の周縁部に向かって肌当接面側に傾斜する傾斜面部とによって画成された陰茎の収容空間が形成されるとともに、この収容空間に沿って前記透液性表面シートが配設され、
前記収容空間の深さは前記吸収体の厚みより小さく、且つ前記吸収体の厚みが最低10mmであり、前記収容空間の深さが最低8mmであることを特徴とする男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、男性用吸収性物品の装着向きを任意の方向に回転して、吸収体の中心から偏倚した位置に形成される前記収容空間の底面部を、下着内における通常の陰茎の先端が位置する方向に合わせて配置することにより、人によって異なる陰茎の向きに合わせて男性用吸収性物品を装着することが可能となる。このとき、下着内における通常の陰茎の位置に合わせて男性用吸収性物品の装着向きを調整しているため、男性用吸収性物品を装着した状態で、通常の陰茎の位置と異なる位置で装着したときなどに生じる陰茎の締め付け感がなく、装着性に極めて優れるようになる。また、前記収容空間が前記吸収体の厚みの範囲内に形成され、且つ陰茎を収容するのに十分な大きさの空間が確保されているため、下着内に男性用吸収性物品を装着した状態でも、前記収容空間が保持されやすく、締め付け感がなく装着性に優れた状態が持続的に維持されるようになる。
また、下着内における通常の陰茎の向きに合わせて男性用吸収性物品を配置しているため、吸収体の一定の部位に常に陰茎の先端が位置することとなり、この陰茎の先端が位置する吸収体の特定部分に、体液の拡散性を向上させる対策や、吸収効率を向上させる対策などを施すことによって、確実に吸収効率が向上し、漏れが防止できるようになる。
請求項2に係る本発明として、少なくとも前記底面部より肌当接面側に存在する吸収体部分は積繊体で構成されている請求項1記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、少なくとも前記底面部より肌当接面側に存在する吸収体部分を積繊体で構成することによって、陰茎を収容するのに十分な大きさの前記収容空間が確実に形成できるようにしている。
請求項3に係る本発明として、前記底面部が偏倚した側の前記傾斜面部の傾斜角より、これと反対側の前記傾斜面部の傾斜角の方が緩やかな角度で形成されている請求項1、2いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記傾斜面部の傾斜角度を、前記底面部が偏倚した側の傾斜角よりこれと反対側の傾斜角の方が緩やかな角度で形成しているため、この緩やかな角度で形成された傾斜面部で陰茎を柔らかく保持することが可能となる。
請求項4に係る本発明として、前記傾斜面部は、肌当接面側に膨出する曲面状に形成されている請求項1~3いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記傾斜面部を肌当接面側に膨出する曲面状に形成しているため、前記傾斜面部におけるクッション性が向上し、陰茎を収容空間内に収容した状態を柔らかく保持できるようになる。
請求項5に係る本発明として、前記底面部が偏倚した側と反対側の前記傾斜面部には、前記底面部又はその近傍から前記吸収体の周縁部に向けて延びる1又は複数のエンボス溝が形成されている請求項1~4いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項5記載の発明では、前記収容空間の底面部に排出された尿を、前記底面部が偏倚した側と反対側の傾斜面部に形成された前記エンボス溝に沿って拡散させることにより、吸収体の特定の部分に尿が集中せず、吸収効率の向上及び漏れ防止を図ることが可能となる。
請求項6に係る本発明として、前記吸収体の外形は楕円形からなり、前記楕円形の短軸寸法に対する長軸寸法の比率が1を超え1.2以下に形成されている請求項1~5いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項6記載の発明では、吸収体の外形を楕円形で形成した場合において、前記楕円形の短軸寸法に対する長軸寸法の比率を所定の範囲内で形成することにより、男性用吸収性物品の装着向きを任意に回転したときでもほぼ一定の装着感が得られるようにしている。
請求項7に係る本発明として、前記吸収体の非肌当接面は、外側に膨出する曲面状に形成されている請求項1~6いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項7記載の発明では、前記吸収体の非肌当接面を外側に膨出する曲面状に形成することにより、男性用吸収性物品を装着しているのが外部から目立ちにくくしている。
請求項8に係る本発明として、前記底面部が偏倚した側と反対側の吸収体部分は、前記高吸水性樹脂より前記パルプの方が多く存在し、前記底面部が偏倚した側の吸収体部分は、前記パルプより前記高吸水性樹脂の方が多く存在している請求項1~7いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項8記載の発明は、前記収容空間の底面部に排出された尿をより効率的に吸収及び拡散するための手段であり、前記底面部が偏倚した側と反対側の吸収体部分にパルプを多く配置することにより、この方向に素早く尿が拡散できるようにし、前記底面部が偏倚した側の吸収体部分に高吸水性樹脂を多く配置することにより、この部分における尿の吸収量を確保している。
請求項9に係る本発明として、前記底面部が偏倚した側と反対側の吸収体部分は、前記底面部寄り部分より周縁部寄り部分の方が繊維密度が高く形成されている請求項1~8いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項9記載の発明は、前記収容空間の底面部に排出された尿を、底面部が偏倚した側と反対側の吸収体部分に効率的に拡散するための手段であり、吸収体の繊維密度差に伴う液の毛管作用により、繊維の疎の部分から密の部分への体液の拡散を促進している。
請求項10に係る本発明として、前記男性用吸収性物品の非肌当接面には、周方向に沿って均等にズレ止め粘着剤層が配置されている請求項1~9いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項10記載の発明では、前記男性用吸収性物品の装着向きをどの方向にしても確実に下着に固定できるように、下着との固定を図るズレ止め粘着剤層を周方向に沿って均等に配置している。
請求項11に係る本発明として、前記吸収体は、1層からなるか、前記底面部より下層側に配置される下層吸収体と前記底面部より上層側に配置される上層吸収体との2層からなる請求項1~10いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項11記載の発明では、前記吸収体は、1層からなる積繊体か、又は、前記底面部を境として、下層吸収体と上層吸収体の2層からなるものとしている。前記2層構造の吸収体では、下層吸収体及び上層吸収体を両方とも積繊体で構成してもよいし、上層吸収体を積繊体で構成し、下層吸収体をポリマーシートや不織布シートなどで構成してもよい。
請求項12に係る本発明として、前記吸収体は、前記下層吸収体の繊維密度が前記上層吸収体の繊維密度より高く設定される構成、前記下層吸収体が2層の不織布シート間に高吸水性樹脂が配置されたポリマーシートからなる構成又は前記下層吸収体が親水性の不織布シートからなる構成を備えている請求項11記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項12記載の発明では、吸収体が下層吸収体と上層吸収体の2層構造からなる場合において、肌側のベタつきを防止するため、下層吸収体に吸収された尿が上層吸収体に移行しにくく、下層吸収体に保持されやすい構成について規定している。
以上詳説のとおり本発明によれば、締め付け感がなく、装着性に優れるとともに、吸収効率が良く、漏れが防止できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔男性用吸収性物品1の基本構成〕
本発明に係る男性用吸収性物品1は、図1~図3に示されるように、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、尿などの体液を速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4の少なくとも肌当接面及び非肌当接面を覆うクレープ紙又は不織布などからなる被包シート5とから構成されている。また、前記吸収体4の周囲において、前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合され、外周に吸収体4の存在しないフラップ部fが形成されている。
以下、さらに前記男性用吸収性物品1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を好適に用いることもできる。
〔吸収体〕
以下、前記吸収体4について詳細に説明すると、
前記吸収体4としては、たとえばパルプ中に高吸水性樹脂を混入したもの、或いはパルプ中に化学繊維を混入させるとともに、高吸水性樹脂を混入したものを少なくとも一部に含んでいるのが好ましい。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。また、前記吸収体4として、嵩を小さくできるエアレイド吸収体や、2層の不織布層間に高吸水性樹脂を配置してなるポリマーシート、親水性の不織布などを一部に用いてもよい。前記吸収体4は、図示のように、形状保持、および体液を速やかに拡散させるとともに、一旦吸収した体液の逆戻りを防止するために被包シート5によって覆われるのが望ましい。
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル-酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。
本例のように、吸収体4を覆う被包シート5を設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間に被包シート5が介在することになる。前記被包シート5がクレープ紙からなる場合には、吸収性に優れる前記被包シート5によって尿を速やかに拡散させるとともに、これら尿の逆戻りを防止するようになる。
前記吸収体4及び被包シート5のいずれか一方又は両方は、白色以外の色、好ましくは黒色や灰色など、比較的暗い、明度が小さな色を有しているのが好ましい。本発明は男性用吸収性物品に関するものなので、比較的暗い色を用いることにより男性用として落ち着いた印象を与えるとともに、暗い色の下着に装着したときに目立ちにくくなり、かつ排尿の跡も目立ちにくくなる。着色方法は特に限定されず、適宜の染色方法、或いは着色原料を用いることができる。また、吸収体4及び被包シート5のいずれか一方又は両方に活性炭を含有することにより、着色を施してもよい。これにより、活性炭による消臭効果も付加できるようになる。
前記吸収体4は、図4及び図5に示されるように、外形が円形又は楕円形からなり、肌当接面に、前記吸収体4の中心より周縁側に偏倚した位置において、全周に亘って厚み方向に窪む底面部10と、前記底面部10から前記吸収体4の周縁部に向かって肌当接面側に傾斜する傾斜面部11とによって画成された陰茎の収容空間12が形成されている。
図5に示されるように、前記収容空間12の深さAは、吸収体4の厚みBより小さな寸法で形成されている(A<B)。換言すると、前記収容空間12は、吸収体4の厚みBの範囲内に、底面部10が吸収体4の非肌当接面に達しない深さで形成されている。前記吸収体4の非肌当接面は、前記底面部10において非肌当接面側に突出するなどの変形が生じることなく、ほぼ一定の状態で形成されている。
前記収容空間12は、男性用吸収性物品1の装着時に、陰茎が収容可能であり、且つ陰茎が収容空間12内の所定部位に位置した状態が保持可能な適度な大きさで形成されている。
具体的には、前記吸収体4の厚みBは、最低10mm、好ましくは10~25mmで形成されている。厚みBが10mmより薄いと陰茎が収容可能な空間が形成されにくく、厚みBが厚すぎると、装着感が悪化するとともに、装着したときに股間部が膨出して見栄えが悪くなる。
また、前記収容空間12の深さAは、前記吸収体4の厚みBより小さな寸法で形成され、最低8mm、好ましくは8~20mmで形成されている。深さAが8mmより小さいと、収容空間12内に陰茎が収容しにくいとともに、陰茎に圧力がかかりやすく装着感が悪くなる。一方、20mmより大きいと、陰茎が収容空間12の所定部位に位置した状態が保持できず、陰茎と男性用吸収性物品1の肌当接面との間に隙間が生じることにより、尿の吸収効率が低下し、漏れにつながるおそれがある。
前記吸収体4の厚みB及び収容空間12の深さAは、無荷重下における男性用吸収性物品の切断面を撮影した写真から測定することができる。
本男性用吸収性物品1では、図6に示されるように、下着内における通常の陰茎の向きに合わせて、中心から偏倚した位置に形成された底面部10が陰茎の先端に位置するように、男性用吸収性物品1の装着向きを所定の方向に回転して装着できるようになっている。すなわち、前記吸収体4が円形又は楕円形に形成されているため、どの向きで装着しても外観上の変化がなく、ほぼ一定の装着感が得られるようになっている。そして、男性用吸収性物品1の装着向きを任意の方向に回転して、吸収体4の中心から偏倚した位置に形成された前記収容空間12の底面部10を、下着内における通常の陰茎の先端が位置する方向に合わせて配置することにより、人によって異なる陰茎の向きに合わせて男性用吸収性物品1を装着することが可能となる。例えば、図6(A)に示されるように、下着内における通常の陰茎の向きが上向きの人の場合、男性用吸収性物品1を回転して、底面部10が偏倚する方向を上向きにするとともに、前記底面部10が陰茎の先端に位置した状態で配置する。また、図6(B)に示されるように、下着内における通常の陰茎の向きが下向きの人の場合、男性用吸収性物品1を回転して、底面部10が偏倚する方向を下向きにするとともに、前記底面部10が陰茎の先端に位置した状態で装着する。
このように、下着内における通常の陰茎の向きは人によって異なるが、本男性用吸収性物品1では、人によって異なる陰茎の向きに合わせて男性用吸収性物品1の装着向きを調整しているため、男性用吸収性物品1を装着した状態で、陰茎の締め付け感がなく、装着性に優れるようになる。
また、収容空間12が吸収体4の厚みBの範囲内に形成されているため、下着内に男性用吸収性物品1を装着し、下着の締め付け圧力などが加わった状態でも、陰茎を収容するのに十分な大きさの収容空間12が持続的に形成されやすく、締め付け感がなく、装着性に優れるようになる。
更に、下着内における通常の陰茎の向きに合わせて男性用吸収性物品1を配置することにより、吸収体4の特定の部位(底面部10)に常に陰茎の先端が位置するため、この陰茎の先端が位置する吸収体4の特定部分又はその周辺に、体液の拡散性を向上させる対策や、吸収効率を向上させる対策を施すことによって、簡単に、吸収効率が向上でき、漏れが防止できるようになる。
前記吸収体4の外形は、図1に示される円形か、図7に示される楕円形で形成されている。前記吸収体4より外側に延出するフラップ部fがほぼ一定の幅で形成されるため、前記男性用吸収性物品1の外形も、前記吸収体4の外形と同じように円形又は楕円形で形成されている。これにより、男性用吸収性物品1の装着向きに関係なく、ほぼ一定の装着感が得られるようになる。
図5に示されるように、前記吸収体4が円形からなる場合の直径Cは、80~150mmとするのが好ましい。80mmより小さいと陰茎を覆うことができず、150mmより大きいと装着感や見栄えが悪化するおそれがある。
前記吸収体4が楕円形からなる場合には、図7に示されるように、短軸寸法Caを80~150mmとするのが好ましい。また、短軸寸法Caに対する長軸寸法Cbの比率は、1を超え1.2以下に形成するのが好ましい(1<Cb/Ca≦1.2)。この範囲の楕円形で形成することにより、楕円形の短軸と長軸の方向を気にせず、男性用吸収性物品1の装着向きを任意に回転させることができ、いずれの向きで装着してもほぼ一定の装着感が得られるようになる。
前記吸収体4の主要部は、積繊体で構成するのが望ましい。前記積繊体とは、パルプ繊維をシート状にしたパルプシートを解繊機で解繊(粉砕)し、この解繊物を空気流に乗せて飛ばし、必要に応じて高吸水性樹脂を混合し、この混合物を吸収体型内に積繊(集積)して得られたものである。また、前記吸収体4の主要部とは、前記収容空間12を形成するのに必要な部分を構成するものであり、少なくとも前記底面部10より肌当接面側に存在する部分を含むものである。すなわち、吸収体4の主要部が積繊体で構成されているという要件は、前記収容空間12が、不織布シートなどにエンボス加工を施すことにより形成されたものではなく、積繊体からなる吸収体で形成されたものであることを明確にするためのものである。前記吸収体4の主要部を積繊体で構成することにより、陰茎を収容するのに十分な大きさの収容空間12が確実に得られるようになる。
前記収容空間12について更に詳しく説明すると、
前記収容空間12は、男性用吸収性物品1の装着時に陰茎が収容される空間であり、図4及び図5に示されるように、吸収体4の肌当接面に形成された非肌当接面側に(厚み方向に)窪む窪み部が形成されるとともに、この吸収体4の窪み部にほぼ沿って透液性表面シート3が配設されたものである。実際の男性用吸収性物品1では、吸収体4の窪み部に沿って透液性表面シート3が配設された空間部分に陰茎が収容されるが、前記透液性表面シート3は前記吸収体4の窪み部にほぼ沿って配置されるものであり、吸収体4の窪み部の形状に殆ど影響を与えるものではないため、本発明では吸収体4の窪み部自体も収容空間12と称している。
前記収容空間12は、前記底面部10を底部とするとともに、前記底面部10から吸収体4の周縁部に向かって肌当接面側に傾斜する傾斜面部11によって周囲が囲まれた空間部分である。前記収容空間12の肌当接面側は外部に開放している。
前記底面部10は、収容空間12の中で最も非肌当接面側に位置する部分であり、男性用吸収性物品1の装着時に陰茎の先端が位置する部分である。
前記底面部10は、全周に亘って非肌当接面側に窪んでいる。つまり、前記底面部10は、前記吸収体4より小さな面積で形成され、前記吸収体4の周縁に接続しない吸収体4の中間部に形成されている。前記底面部10の周囲は、全周に亘って前記傾斜面部11で囲まれている。
前記底面部10は、円形又は楕円形の平面形状で形成され、中心が吸収体4の中心より吸収体4の周縁側に偏倚した位置、すなわち底面部10の中心が吸収体4の中心から外れた位置に形成されている。底面部10の中心は、図8に示されるように、吸収体4の中心近傍から吸収体4の半径の2/3の範囲(ハッチング及びクロスハッチングを付した範囲)に位置するのが好ましい。換言すると、吸収体4の中心に対する底面部10の中心の偏心量は、0より大きく吸収体4の半径の2/3以下とするのが好ましい。より好ましくは、吸収体4の中心から半径の1/3~2/3だけ離間した範囲(クロスハッチングを付した範囲)に位置するのがよい。吸収体4の中心に対する底面部10の偏心量を最適化することにより、前記底面部10に陰茎の先端が位置した、収容空間12内における陰茎の最適配置状態が維持できるようになる。
前記底面部10の大きさは、陰茎の先端が保持できる大きさであればよいが、図5に示されるように、直径Dが10~40mm程度とするのが好ましい。
前記底面部10は、図示例のように、ほぼ平坦に形成してもよいし、図示しないが、陰茎の先端をフィットしやすくするため非肌当接面側又は肌当接面側に膨出した曲面状に形成してもよい。
また、底面部10には、所定のパターンでエンボス溝を設けてもよい。例えば、底面部10の周縁に沿って連続線又は間欠線からなるエンボス溝を設けたり、底面部10から特定の方向への尿の拡散を促進するため、複数の直線状のエンボス溝を放射状に設けたりすることが可能である。
前記傾斜面部11は、前記底面部10の周縁から連続して、前記底面部10の全周に亘って、吸収体4の周縁部に向けて肌当接面側に傾斜して形成された部分である。前記傾斜面部11の肌当接面側の端縁は、前記吸収体4の周縁であってもよいし、前記吸収体4の周縁より内側位置であってもよい。後者の場合、前記吸収体4の周縁から前記傾斜面部11の端縁までの間は、肌当接面に対して平坦な平坦部とするのが好ましく、この平坦部が全周に亘ってほぼ等幅に形成されているのが好ましい。
前記底面部10が偏倚した側の前記傾斜面部11の傾斜角より、これと反対側の前記傾斜面部11の傾斜角の方が緩やかな角度で形成するのが好ましい。すなわち、図5に示されるように、吸収体4の中心及び底面部10の中心を通る断面視で、吸収体4の中心側(図5に示す底面部10の左側)の傾斜面部11aの傾斜角αaの方が、底面部10が偏倚した側(図5に示す底面部10の右側)の傾斜面部11bの傾斜角αbより小さく形成するのがよい(αa<αb)。なお、前記傾斜角αa、αbはそれぞれ、傾斜面部11の両端を結んだ直線と、前記底面部10の外側延長線との成す角である。前記傾斜角は、図5に示される吸収体4の中心及び底面部10の中心を通る断面視で、底面部10が偏倚した側と反対側(図5に示す底面部10の左側)の傾斜面部11aで最小となり、底面部10が偏倚した側(図5に示す底面部10の右側)の傾斜面部11bで最大となっており、これらの中間部では、底面部10が偏倚した側に向かうに従って漸次大きくなるように形成されている。
また、前記底面部10が偏倚した側の前記傾斜面部11の斜面の長さより、これと反対側の前記傾斜面部11の斜面の長さの方が長く形成されている。前記斜面の長さとは、傾斜面部11の底面部10側の端部から吸収体4の周縁部側の端部までの長さである。前記斜面の長さは、図5に示される吸収体4の中心及び底面部10の中心を通る断面視で、底面部10が偏倚した側と反対側(図5に示す底面部10の左側)の傾斜面部11aで最大となり、底面部10が偏倚した側(図5に示す底面部10の右側)の傾斜面部11bで最小となっており、これらの中間部では、底面部10が偏倚した側に向かうに従って漸次小さくなるように形成されている。
男性用吸収性物品1の装着状態では、図6に示されるように、前記収容空間12に対して、陰茎は、先端が前記底面部10に位置するとともに、基端側が前記傾斜面部11のうち前記傾斜角が緩やかで且つ前記斜面の長さが長い側に配置される。このため、男性用吸収性物品1の装着状態で、陰茎が傾斜角が緩やかな傾斜面部11によって覆われるため、下着内における通常の位置で保持されやすくなる。また、これによって、排尿口が前記傾斜面部11の傾斜角が大きな部分に向くように配置されるため、尿を傾斜角が大きな傾斜面部11でほぼ直角に受け止めることができ、外部への漏れがより確実に防止できるようになる。
図5に示されるように、前記傾斜面部11のうち前記斜面の長さが最長となる傾斜面部11aにおいて、垂直方向の長さ(底面部10の深さA)と水平方向の長さEとの比は、A:E=1:4~10とするのが好ましい。これにより、この領域の傾斜面部11aが、なだらかな斜面に陰茎を沿わせやすい傾斜角で形成されるようになる。
前記傾斜面部11は、平坦な平面状や非肌当接面側に膨出する曲面状に形成してもよいが、肌当接面側に膨出する曲面状に形成するのが好ましい。これにより、クッション感が増し、陰茎に対する当たりが柔らかくなる。肌当接面側に膨出する曲面状に形成するのは、傾斜面部11の全面でもよいし一部でもよい。一部の場合は、装着時に陰茎が配置される側、すなわち前記底面部10が偏倚した側と反対側の傾斜面部11(図5に示す11a及びその周辺)を、肌当接面側に膨出する曲面状に形成するのが好ましい。また、前記底面部10が偏倚した側の傾斜面部11(図5に示す11b及びその周辺)は、陰茎の先端が当接した際のクッション感を向上させる観点からは肌当接面側に膨出する曲面状に形成するのが好ましいが、排尿時の尿を受け止める点では、平面状又は非肌当接面側に膨出する曲面状に形成することも可能である。
前記吸収体4の非肌当接面は、平坦な平面状に形成してもよいが、外側に膨出する曲面状に形成するのが好ましい。これにより、男性用吸収性物品1を装着しているのが外部から目立ちにくくなる。なお、本男性用吸収性物品1では、吸収体4の側面も外側に膨出する曲面状に形成されることにより、吸収体4の側面から底面(非肌当接面)にかけて連続的な曲面状に形成されている。
本男性用吸収性物品1では、図1に示されるように、前記底面部10が偏倚した側と反対側の傾斜面部11に、前記底面部10又はその近傍から吸収体4の周縁部に向けて延びる1又は複数のエンボス溝13を形成するのが好ましい。前記エンボス溝13は、少なくとも前記吸収体4を非肌当接面側に窪ませた凹溝である。前記エンボス溝13は、透液性表面シート3の肌当接面側からの圧搾により、透液性表面シート3から吸収体4にかけて一体的に窪ませたものでもよいし、前記吸収体4又は前記吸収体4の肌当接面を覆う被包シート5の肌当接面側からの圧搾により、吸収体4のみを窪ませたもの又は被包シート5及び吸収体4を一体的に窪ませたものでもよい。
前記エンボス溝13を設けることにより、収容空間12の底面部10に排出された尿を、エンボス溝13に沿って、前記底面部10が偏倚した側と反対側の吸収体部分に素早く拡散させることができるようになる。これによって、吸収体4の特定の部分に尿が集中せず、吸収効率の向上及び漏れ防止を図ることができる。
前記エンボス溝13は、図1に示されるように、直線で形成するのが好ましいが、曲線や波線、折れ線で形成してもよい。また、前記エンボス溝13は、連続線でもよいし、エンボス部と非エンボス部とを交互に配置した間欠線で形成してもよい。尿の拡散を促進する観点から、図示例のように、連続する直線とするのが好ましい。
前記エンボス溝13を複数本設ける場合、図1に示されるように、底面部10から吸収体の周縁部に向けて放射状に配置するのが好ましい。放射状に配置することにより、底面部10に吸収された尿が底面部10が偏倚する側と反対側の吸収体部分においてより広い範囲に拡散するようになる。
図1に示されるように、前記エンボス溝13と底面部10との離隔距離Fは、底面部10に溜まった尿をエンボス溝13に沿って効率よく拡散させるため、0~3mmとするのが好ましい。エンボス溝13の長さGは、吸収体4のより広い範囲に尿を拡散させるため、図5に示されるように、前記傾斜面部11のうち前記斜面の長さが最長となる傾斜面部11aにおける水平方向の長さEに対して、60~100%とするのが好ましい。また、前記エンボス溝13の溝幅は、細すぎると尿が拡散しにくく、太すぎると吸収体が硬くなって装着感が悪化するため、1~10mmとするのが好ましい。前記エンボス溝13の数は、多いほど尿の拡散が促進できるが、多すぎると吸収体が硬くなって装着感が悪化するため、1~13本とするのが好ましい。前記エンボス溝13を複数本設ける場合、隣り合うエンボス溝13、13同士の間隔Hは、大きすぎると尿の拡散性が低下し、小さすぎると吸収体が硬くなって装着感が悪化するため、最も狭い部分で5~50mmとするのが好ましい。
次いで、尿をより効率的に拡散させるための手段について、2つの具体例を挙げて説明する。まず第1の手段として、前記吸収体4がパルプと高吸水性樹脂とを含む場合において、図9に示されるように、前記底面部10が偏倚した側と反対側の吸収体部分14(図9においてハッチングを付した部分)は、高吸水性樹脂よりパルプの方が多く存在し、前記底面部10が偏倚した側の吸収体部分15(図9においてクロスハッチングを付した部分)は、パルプより高吸水性樹脂の方が多く存在する構成とすることができる。これにより、パルプリッチな吸収体部分14では尿が素早く拡散でき、ポリマーリッチな吸収体部分15では陰茎が下向きとなる状態で使用した場合でも高吸水性樹脂が多くの尿をしっかりと保持し、確実に漏れを防ぐことができるようになる。なお、前記パルプと高吸水性樹脂との配合割合は、それぞれの重量を基準にしたものである。
尿を効率的に拡散させる第2の手段として、前記底面部10が偏倚した側と反対側の吸収体部分において、前記底面部10寄り部分より吸収体4の周縁部寄り部分の方が繊維密度が高く形成される構成とすることができる。これによって、繊維の密度差に伴う液の毛管作用により、前記底面部10が偏倚した側と反対側の吸収体部分において、尿が底面部10から吸収体4の周縁部に向けて拡散しやすくなる。
次に、肌当接面側に尿が残ることによるベタつきを防止するため、吸収体4に吸収された尿を非肌当接面側に保持しやすくする手段について説明する。まず第1の手段としては、前記エンボス溝13を吸収体4の非肌当接面側から肌当接面側に向けて窪ませることにより、圧搾による繊維の高密度領域を非肌当接面側に形成し、繊維の密度差に伴う液の毛管作用によって尿を非肌当接面側に移行させ、肌当接面側のベタつきを防止することができる。
また、第2の手段としては、前記吸収体4を底面部10より下層側に配置される下層吸収体4Aと、底面部10より上層側に配置される上層吸収体4Bとの2層構造(図10参照。)とした場合において、下層吸収体4Aの繊維密度を上層吸収体4Bの繊維密度より大きくする構成とすることができる。液の毛管作用により繊維密度が大きな領域から小さな領域への液の移行が抑制されるため、下層吸収体4Aから上層吸収体4Bに尿が移行しにくくし、肌当接面側のベタつきが防止できるようになる。
ベタつき防止の第3の手段としては、前記吸収体4を前記下層吸収体4Aと上層吸収体4Bとの2層構造とした場合において、前記下層吸収体4Aとして、2層の不織布シート間に高吸水性樹脂が配置されたパルプを含まないパルプレスのポリマーシートを用いることにより、下層吸収体4Aに尿を保持しやすくし、上層吸収体4Bに尿が移行しにくくした構成とすることができる。
ベタつき防止の第4の手段としては、前記吸収体4を前記下層吸収体4Aと上層吸収体4Bとの2層構造とした場合において、前記下層吸収体4Aとして、親水性の不織布シートを用いることにより、底面部10に排出された尿が下層吸収体4Aを通じて平面方向に拡散し、且つ下層吸収体4Aに尿を保持しやすくした構成とすることができる。
次に、ズレ止め粘着剤層16について説明する。図11に示されるように、男性用吸収性物品1の非肌当接面(不透液性裏面シート2の外面)には、男性用吸収性物品1を下着に固定するためのズレ止め粘着剤層16が設けられている。前記ズレ止め粘着剤層16は、本男性用吸収性物品1が人によって異なる陰茎の向きに合わせて装着向きを任意に設定するものであるため、男性用吸収性物品1の非肌当接面に周方向に沿って均等に配置するのが好ましい。これにより、どの向きで装着しても安定して下着に固定することができるようになる。前記ズレ止め粘着剤層16は、周方向に沿って連続する環状に形成してもよいし、図11に示されるように周方向に沿って間欠的な離散状に形成してもよい。
具体的な実施形態として、図11(A)では、男性用吸収性物品1の外周に沿う帯状のズレ止め粘着剤層16が左右にそれぞれ配置され、間欠部が上下にそれぞれ配置されている。本実施形態では、男性用吸収性物品1を周方向に8等分する分割線17、17…のうち、左右方向及び斜め方向に延びる左右それぞれ3本ずつの分割線17…に跨って、左右にそれぞれズレ止め粘着剤層16が配置され、上下方向に延びる分割線17では間欠部となっている。
また、図11(B)では、男性用吸収性物品1の外周に沿う帯状の4つのズレ止め粘着剤層16が間欠的に配置されている。本実施形態では、男性用吸収性物品1を周方向に8等分する分割線17、17…のうち、隣り合う分割線17、17同士で、これらの分割線17、17間に跨るズレ止め粘着剤層16の配置部と、間欠部とが交互に配置されている。
図11(C)では、周方向に沿って円形の8つのズレ止め粘着剤層16が間欠的に配置されている。本実施形態では、男性用吸収性物品1を周方向に8等分する分割線17上にそれぞれ円形のズレ止め粘着剤層16が配置されている。
次に、前記男性用吸収性物品1の製造方法のうち、前記収容空間12を形成する手段について説明する。第1の手段としては、吸収体4を所定の形状で積繊することによって前記収容空間12を形成することができる。積繊によって所定形状の吸収体4を製造した後、肌当接面側に透液性表面シート3を積層した状態で、透液性表面シート3の外面側から前記底面部10に対しエンボスを施すことによって、透液性表面シート3を収容空間12に沿って配置する。
第2の手段としては、図12に示されるように、肌当接面が平坦な吸収体に対し、先端が収容空間12の形状を成したエンボス凸部によってエンボスを施すことにより、吸収体4の肌当接面に所定形状の収容空間12を形成することができる。前記エンボスは、吸収体4の肌当接面側に透液性表面シート3を積層した状態で、透液性表面シート3の外面側から施すことによって、吸収体4に収容空間12を形成すると同時に、透液性表面シート3を収容空間12に沿って配置するようにしてもよい。
第3の手段としては、図10に示されるように、吸収体4が、前記底面部10より下層側に配置される下層吸収体4Aと、前記底面部10より上層側に配置される上層吸収体4Bとの2層からなる積層構造によって構成され、上層吸収体4Bに前記底面部10に対応する開口が形成されるとともに、前記傾斜面部11に対応する傾斜面が形成された構成とすることができる。前記下層吸収体4Aは、積繊により形成したものでもよいし、上述の通り、ポリマーシート又は親水性の不織布シートからなるものでもよい。