JP7015661B2 - 建物外壁の開口部構造 - Google Patents

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本発明は、建物外壁の開口部構造に関する。
近年、建物外壁の開口部に設けられたガラスと、このガラスの内側に設けられた日射を遮蔽するブラインドと、このブラインドの内側に設けられたガラスとを備えたエアフローウインドウやダブルスキンが採用されている。エアフローウインドウ及びダブルスキンは、外側のガラスと内側のガラスとの間に形成される空間に空気を流動させて、熱負荷を低減するシステムである。
しかし、エアフローウインドウ及びダブルスキンは、外側のガラスと内側のガラスとの間で気密空間を形成するので、コストが高いなどの問題を有している。
一方で、コストを抑えつつ、熱負荷を低減できるようにした建物外壁の開口部構造も従来から提案されている。特許第5869530号公報(特許文献1)および特許第5869531号公報(特許文献2)に示される建物外壁の開口部構造は、建物外壁の開口部の下部領域を遮蔽する第1の窓と、開口部の上部領域を遮蔽し、かつ開閉可能な第2の窓とを有する窓と、窓の内側に配置され、かつ上端縁と下端縁とを有し、この上端縁が上下方向に変位可能なように設けられた窓遮蔽部材と、第1の窓の下方に配置され、建物外部または内部からの空気を吸引する吸気部と、吸気部から吸引されて窓に沿って上昇した空気を排出する排気部とを備えている。
特許第5869530号公報(特開2015-21307号公報) 特許第5869531号公報(特開2015-21308号公報)
特許文献1、2では、窓の内側に、上端縁が上下方向に変位可能な窓遮蔽部材が設けられている。そのため、下側に位置する第1の窓だけを窓遮蔽部材で遮蔽することにより、下側に位置する第1の窓に入射した日射熱を窓遮蔽部材で遮断しながら、上側に位置する第2の窓を介して日射を室内空間(建物内部空間)に取り込むことができる。
このように、特許文献1、2の開口部構造によれば、窓遮蔽部材の上端位置を調整することで、適宜、室内空間に日射を取り込むことが可能となるが、室内空間への採光性の向上という観点においては改善の余地がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、日射熱による熱負荷の低減と採光性の向上とを両立させることのできる建物外壁の開口部構造を提供することである。
この発明のある局面に従う建物外壁の開口部構造は、窓部と、窓部の内側に、建物内部空間に露出されて配置された窓遮蔽部材とを備える。窓遮蔽部材は、上端縁と下端縁とを有し、上端縁が上下方向に変位可能なように設けられている。窓部は、建物外壁の開口部の下部領域を遮蔽する第1の窓と、開口部の上部領域を遮蔽する第2の窓とを有する。第2の窓は、入射した太陽光を建物内部空間の天井に向かって屈折させるように構成された、開閉可能な窓である。
好ましくは、第1の窓は、太陽光の少なくとも一部を透過可能とする透光性を有する。
また、第1の窓は、遮熱性を有していることも望ましい。
好ましくは、窓遮蔽部材は、遮熱性と、太陽光の一部を透過可能とする透光性とを有している。
好ましくは、窓遮蔽部材の上端縁が最上位置に位置し、かつ、第2の窓が開状態の場合に、第1の窓と窓遮蔽部材との間に、建物内部空間の空気を屋外へと導く空気流路が形成される。
好ましくは、第2の窓は、その上端部を軸として外側に突き出して開放される突出し窓である。
第2の窓は、典型的には、透明の窓と、この窓の内側または外側に貼り付けられた屈折フィルムとにより構成される。
本発明によれば、日射熱による熱負荷の低減と採光性の向上とを両立させることができる。
本発明の実施の形態に係る建物外壁の開口部構造を概略的に示す断面図であり、第1の使用態様を示す。 本発明の実施の形態における窓遮蔽部材の上端部を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る建物外壁の開口部構造を概略的に示す断面図であり、第2の使用態様を示す。 本発明の実施の形態に係る建物外壁の開口部構造を概略的に示す断面図であり、第3の使用態様を示す。 本発明の実施の形態に係る建物外壁の開口部構造を概略的に示す断面図であり、第4の使用態様を示す。 本発明の実施の形態に係る建物外壁の開口部構造を概略的に示す断面図であり、第5の使用態様を示す。 (A),(B)は、本発明の実施の形態における第2の窓の開度の違いと屈折光の進行方向との関係を模式的に示す図である。 第2の窓の他の例を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(概略構成について)
はじめに、図1を参照して、本実施の形態に係る建物外壁の開口部構造10の概略構成について説明する。
開口部構造10は、建物1の外壁(すなわち建物外壁)としての壁部101に設けられた開口部102における構造を表わしており、開口部102全体を遮蔽するように配置された窓部11と、窓部11の内側に配置された窓遮蔽部材15とを備えている。
本実施の形態において、建物1は、たとえば事務所ビルであり、壁部101の屋内側には、オフィス空間としての室内空間(建物内部空間)8が配置されている。室内空間8は、床91と、天井92と、壁部101を含む側壁とによって取り囲まれた空間である。室内空間8の高さ、すなわち床91から天井92までの高さは、典型的には250cm以上である。
開口部102の下端高さは、たとえば床91から50~100cmの高さであり、開口部102の上端高さは天井92(天井面)と略同じ高さである。つまり、開口部102の上端高さは、天井92と同じ高さか、天井92との差が5cm未満の高さである。なお、室内空間8の壁部101には、横幅方向に沿って複数の開口部102が連続的に設けられ、連窓を構成していてもよい。
窓部11は、開口部102の下部領域を遮蔽する第1の窓12と、開口部102の上部領域を遮蔽する第2の窓13とを有している。本実施の形態では、窓部11は第1及び第2の窓12、13からなり、第1の窓12上に第2の窓13が設けられている。つまり、第1の窓12の下端縁は、たとえば床91から50~100cmの高さであり、第2の窓13の上端縁は、天井92(天井面)と略同じ高さである。
第1の窓12は、開閉することのできないFIX窓(閉じた窓)である。これに対し、第2の窓13は、開閉可能な窓である。第2の窓13の高さ寸法は第1の窓12の高さ寸法よりも小さく、たとえば1/2以下である。
第2の窓13は、いわゆる排煙窓であってよい。第2の窓13は、例えば、その上端部を軸として外側(屋外側)に突き出して開放される突出し窓である。なお、第1の窓12も開閉可能であってもよい。
第1の窓12と第2の窓13との境界高さ(第1の窓12の上端縁および第2の窓13の下端縁の高さ)は、室内空間8のうち、所員による実作業空間81よりも上の非作業空間82の高さ範囲内に位置していることが望ましい。実作業空間81とは、所員が座位または立位にて作業(執務)を行う空間である。具体的には、第1の窓12と第2の窓13との境界高さは、床91から少なくとも160cm以上の高さであり、好ましくは180cm以上の高さである。
窓遮蔽部材15は、窓部11から屋内側に少し離れた位置に、窓部11の屋内面に沿って配置される。窓遮蔽部材15は上下方向に開閉可能であり、全閉状態において、(室内空間8から見て)窓部11の全体を遮蔽する。つまり、窓部11に対向する空間(以下「窓際空間」ともいう)14を遮蔽する。これにより、全閉状態の窓遮蔽部材15によって窓際空間14と室内空間8とが仕切られる。窓遮蔽部材15は、例えば、ロールスクリーンであり、一枚のシート状部材により構成されている。
窓遮蔽部材15は、上端縁15Aと、この上端縁15Aと反対側の下端縁15Bとを有し、上端縁15Aが上下方向に変位可能なように設けられている。つまり、窓遮蔽部材15は、上方から開口するように構成されている。このため、窓遮蔽部材15は上からの開口面積(開口度合)を任意に調整することができる。一方、窓遮蔽部材15の下端縁15Bは、固定されている。
ここで、上端縁15Aとは、図2に示すように、窓遮蔽部材15において最も上の位置である。言い換えると、上端縁15Aとは、室内空間8から窓遮蔽部材15を見たときに、窓遮蔽部材15の最も高い位置である。窓遮蔽部材15の上端縁15Aの最大高さは、第2の窓13の上端縁と略同じ高さか、それよりも高いことが望ましい。窓遮蔽部材15の上端縁15Aが最大高さに位置するとき、窓遮蔽部材15の上端縁15Aは天井92と接触することが望ましい。
窓遮蔽部材15の下端縁15Bは、例えば、第1の窓12の下端縁と略同じ高さか、それよりも低いことが望ましい。窓遮蔽部材15の下端縁15Bが最小高さに位置するとき、窓遮蔽部材15の下端縁15Bは、開口部102の下の壁部101の上面101aまたは内側面101bとの間に、若干の隙間20が設けられることが望ましい。
なお、窓遮蔽部材15の上端縁15Aを上下方向に変位可能にするために、例えば、窓遮蔽部材15の上端縁15Aを支持するための上端支持部材(図示せず)と、窓遮蔽部材15を巻き取るための巻取部材(図示せず)とが配置されている。上端支持部材は、例えば開口部102の両側部にレール状で設けられ、窓遮蔽部材15の上端縁15Aの幅方向両端部がこの上端支持部材の中を通って上下方向に可変し自由な位置で調節できる。このとき窓遮蔽部材15も両端はレール状の上端支持部材で支持されてもよく支持されなくてもよい。巻取部材は、例えば窓遮蔽部材15の下端縁15B下に設けられる。
第1の窓12、第2の窓13、および、窓遮蔽部材15それぞれの機能について、図3を参照しながら説明する。
(第1の窓について)
第1の窓12は、太陽光の少なくとも一部を透過可能な透光性と、日射熱を遮断する遮熱性とを有している。第1の窓12の可視光の透過率は、たとえば60%~80%である。
第1の窓12は、たとえば、透明の窓と、この窓の内側または外側に貼り付けられた遮熱フィルムとにより構成される。透明の窓は、高い透光性を有し、典型的には透明のガラスで構成された板状部材である。遮熱フィルムは、たとえば、粘着層と、遮熱性を有するフィルム層とを有する公知のフィルム部材である。遮熱フィルムは半透明であるため、第1の窓12は日射の一部を透過させることができる。遮熱フィルムは、耐久性の観点から、窓の内側に貼り付けられることが望ましい。
なお、第1の窓12は、それ自体が、透光性および遮熱性を有する半透明部材によって構成されていてもよい。たとえば、第1の窓12として、Low-E複層ガラスを採用してもよい。
(第2の窓について)
第2の窓13は、図3に示されるように、少なくも全閉状態において、入射した太陽光を室内空間8の天井92に向かって屈折させるように構成されている。第2の窓13は、第1の窓12よりも高い透光性を有しており、第2の窓13に日射の多くを、天井92に照射させることが可能である。第2の窓13の可視光の透過率は、たとえば90%以上である。第2の窓13は遮熱性を有していなくてよい。
第2の窓13は、たとえば、透明の窓と、この窓の内側または外側に貼り付けられた屈折フィルムとにより構成される。屈折フィルムは、たとえば、粘着層と、表面の微細の凹凸形状によって光を屈折させるフィルム層とを有する公知のフィルム部材である。屈折フィルムもまた、耐久性の観点から、窓の内側に貼り付けられることが望ましい。
なお、第2の窓13は、それ自体が、少なくとも全閉状態において、入射した太陽光を室内空間8(建物内部空間)の天井92に向かって屈折させるように構成されていてもよい。また、第2の窓13は、入射した太陽光の少なくとも一部が天井92に向かって屈折させるように構成されていればよい。
(窓遮蔽部材について)
窓遮蔽部材15は、全開状態において、第1の窓12および第2の窓13の全体を室内空間8に露出させ、全閉状態において、第1の窓12および第2の窓13の全体を遮蔽する。
窓遮蔽部材15は、少なくとも遮熱性を有し、透光性をさらに有していることが望ましい。ここでの透光性は、第2の窓13の透光性よりも低く、第1の窓12の透光性と同程度かそれ以下であることが望ましい。窓遮蔽部材15は、太陽光の一部を透過可能な透光性を有していればよい。窓遮蔽部材15の可視光の透過率は、たとえば30%~70%である。
そのため、図3に示されるように、窓遮蔽部材15によって窓部11(たとえば第1の窓12)が遮蔽されている状態においても、窓部11および窓遮蔽部材15を透過した光(太陽光の一部)を室内空間8に取り込むことができる。窓遮蔽部材15は、たとえばアルミニウム材料を含む。
(使用態様について)
次に、上述のような窓部11および窓遮蔽部材15を利用した複数の使用態様について説明する。
図1には、第2の窓13および窓遮蔽部材15の双方を全閉状態とする使用態様(以下「第1の使用態様」という)が示されている。この使用態様においては、遮熱性を有する第1の窓12および遮熱性を有しない第2の窓13の双方が、窓遮蔽部材15により遮蔽される。
この場合、第2の窓13は日射熱を透過するが、透過した日射熱を窓遮蔽部材15において遮断することができる。したがって、室内空間8への熱放射を防止または抑制することができる。
また、第1の窓12は遮熱性を有しているため、窓部11全体における日射熱の透過量を少なくできる。したがって、窓部がガラス窓のみで構成されているような形態と比べて、窓部11と窓遮蔽部材15との間の空間(窓際空間)14への熱放射が抑制される。
なお、窓遮蔽部材15は高遮光性を有するものではなく透光性を有しているため、第1の窓12または第2の窓13を透過し、窓遮蔽部材15を透過した少量の光が、室内空間8に取り込まれる。そのため、日射のある時間帯に室内空間8の実作業空間81から窓遮蔽部材15を見た場合に、屋外の風景を視認することができる。
図3には、第2の窓13を全閉状態とし、窓遮蔽部材15を、第1の窓12のみを遮蔽する開状態とする使用態様(以下「第2の使用態様」という)が示されている。この使用形態においては、第2の窓13に対向する空間を遮断しないため、全閉状態の第2の窓13が、室内空間8に露出する。
この場合、第2の窓13に入射した太陽光は第2の窓13において屈折し、屈折光が室内空間8の天井92に照射される。また、第1の窓12は窓遮蔽部材15によって遮蔽されるため、実作業空間81への太陽光の入射量は抑制しながら、太陽光を非作業空間82に取り込むことができる。また、第1の窓12および窓遮蔽部材15によって、実作業空間81への熱放射を効果的に遮熱することができる。
図4には、第2の窓13を全閉状態とし、窓遮蔽部材15を全開状態とする使用態様(以下「第3の使用態様」という)が示されている。この使用態様においては、窓際空間14は遮蔽されず、第1の窓12および第2の窓13の双方が室内空間8に露出する。
この場合、第2の使用態様と同様に、第2の窓13に入射した太陽光は第2の窓13において屈折し、屈折光が室内空間8の天井92に照射される。第3の使用態様では、第2の使用態様と異なり、第1の窓12が室内空間8に露出するが、第1の窓12も遮熱性を有しているため、この使用態様においても実作業空間81への熱放射を抑制することができる。
図5には、第2の窓13を開状態とし、窓遮蔽部材15を全閉状態とする使用態様(以下「第4の使用態様」という)が示されている。この使用形態においては、第1の窓12および第2の窓13の双方が窓遮蔽部材15によって遮蔽されるが、第2の窓13による開口部分(開口部102の上方領域)を介して窓際空間14と屋外空間とが連通している。
上述のように、窓遮蔽部材15の下端縁15Bと壁部101との間には、隙間20が設けられている。そのため、開口部構造10を第4の使用態様とした場合、室内空間8の空気がこの隙間20から窓際空間14内に流入し、流入した空気が窓部11に沿って上昇し、第2の窓13から排気される。つまり、第1の窓12と窓遮蔽部材15との間(窓際空間14)に、室内空間8の空気を屋外へと導く空気流路が形成される。したがって、上述の第1の使用態様による使用によって窓際空間14に溜まった熱気を、開口部分から屋外に排気することができる。
図6には、第2の窓13を開状態とし、窓遮蔽部材15を、第1の窓12のみを遮蔽する開状態とする使用態様(以下「第5の使用態様」という)が示されている。この使用形態においては、開状態の第2の窓13(および開口部分)が、室内空間8に露出する。
この場合、第2の窓13による開口部分において、室内空間8と屋外空間との間で通風が可能となる。そのため、室内空間8の実作業空間81への日射熱を遮断しつつ、非作業空間82に外気を取り入れることができる。この場合、窓遮蔽部材15の上端縁15Aは、(全閉状態における)第2の窓13の下端高さ以下に位置しているため、風による窓遮蔽部材15のばたつきを抑制できる。また、実作業空間81には直接風が取り込まれないため、書類の飛散等を防止することができる。
なお、開口部構造10を、窓遮蔽部材15が全開状態であり、第2の窓13が開状態である使用態様(以下「第6の使用態様」という)としてもよい。この場合、第5の使用態様よりも実作業空間81への採光性が高められる。
上述のように、本実施の形態に係る開口部構造10によれば、複数の使用態様が可能である。日射のある時間帯においては、第2および第3の使用態様のように、全閉状態の第2の窓13を室内空間8に露出させることで、天井92の照度を上げることができる。これにより、室内空間8全体を明るくみせることができる。したがって、照明器具の使用頻度を低減することができ、省エネルギー性を向上させることができる。
また、第5および第6の使用態様のように、第2の窓13による開口部分において通風を可能とすることで、たとえば中間期(春または秋)における暑さを緩和することができる。また、その結果、空調の使用頻度を低下させることができるため、省エネルギー性を向上させることができる。
また、第1、第2、第4、第5の使用態様のように、少なくとも第1の窓12を窓遮蔽部材15によって遮蔽することで、実作業空間81への日射熱を十分に抑制できるため、夏期や中間期における実作業空間81の暑さを改善することができる。さらに、本実施の形態では、窓遮蔽部材15が、光の一部を透過させることのできる透光性を有しているため、屋外の風景を視認することができる。これにより、遮光性の高い窓遮蔽部材を用いる場合に比べて、視野性および眺望性が向上されるため、実作業空間81における開放感を向上させることができる。
また、冬期においては、第3の使用態様のように、第2の窓13を全閉状態とし、窓遮蔽部材15を全開状態とすることで、実作業空間81への採光性を高めることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、季節や日射の有無に応じて開口部構造10の使用態様を選択することで、遮熱性、遮光性および採光性等、バランスの取れた実作業空間81とすることができる。
また、開口部構造10は、窓際空間14への給気または排気のための空気の通路を壁部101等に設ける必要がないため、上下に2つの窓を有する既存の建物に対し、後付けで開口部構造10を適用することが可能である。
なお、第2の窓13の少なくとも一部が室内空間8に露出している場合、第2の窓13が開状態である使用態様においても、太陽の高度や第2の窓13の開度によっては、第2の窓13に入射した太陽光を天井92に向かって屈折させることが可能である。言い換えると、太陽の高度や第2の窓13の開度によっては、屈折光の進行方向を調整することができる。
図7(A)には、第2の窓13の開度が比較的小さい開状態(以下「第1の開状態」という)が示され、図7(B)には、第2の窓13の開度が比較的大きい開状態(以下「第2の開状態」という)が示されている。つまり、第2の開状態の傾斜角度の方が、第1の開状態の傾斜角度よりも大きい。
図7(A)に示されるように、夏至の昼間のように太陽の高度が高い時期に、第2の窓13を第1の開状態とすると、屈折光を、室内空間8(非作業空間82)の奥へと略水平方向に進行させることが可能である。
これに対し、図7(B)に示されるように、夕方の西日の強い時間帯に、第2の窓13を第2の開状態とすると、第2の窓13に入射した太陽光の一部は上方に向かって反射し、残りは下方に向かって屈折する。この場合、太陽光の多くが窓部11の外側(屋外空間)に屈折するため、第2の窓13を庇のように機能させることができる。
(変形例)
本実施の形態では、第2の窓13が突出し窓であることとしたが、限定的ではない。たとえば、図8に示す第2の窓13Aのように、その下端部を軸として外側(屋外側)に倒して開放される外倒し窓であってもよい。
また、本実施の形態では、第1の窓12も遮熱性を有することとしたが、第1の窓12は遮熱性を有していなくてもよい。すなわち、第1の窓12は、高い透光性を有する一般的なガラス窓であってもよい。
また、本実施の形態では、窓遮蔽部材15の下端縁15Bと壁部101との間に、窓際空間14と室内空間8との通気性を確保するための隙間20が設けられることとしたが、横幅方向において隣り合う窓遮蔽部材15間に隙間が設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、建物1が事務所ビルであることとしたが、限定的ではなく、たとえば住宅などであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 建物、8 室内空間、10 開口部構造、11 窓部、12 第1の窓、13,13A 第2の窓、14 窓際空間、15 窓遮蔽部材、20 隙間、81 実作業空間、82 非作業空間、91 床、92 天井、101 壁部、102 開口部。

Claims (6)

  1. 建物外壁の開口部の下部領域を遮蔽する第1の窓と、前記開口部の上部領域を遮蔽する第2の窓とを有する窓部と、
    前記窓部の内側に建物内部空間に露出されて配置され、かつ上端縁と下端縁とを有し、前記上端縁が上下方向に変位可能なように設けられた窓遮蔽部材とを備え、
    前記第1の窓は、遮熱性を有し、太陽光の少なくとも一部を透過可能とする透光性を有し、
    前記第2の窓は、入射した太陽光を前記建物内部空間の天井に向かって屈折させるように構成された、開閉可能な窓であり、遮熱性を有しておらず、前記第1の窓よりも高い透光性を有している、建物外壁の開口部構造。
  2. 建物外壁の開口部の下部領域を遮蔽する第1の窓と、前記開口部の上部領域を遮蔽する第2の窓とを有する窓部と、
    前記窓部の内側に建物内部空間に露出されて配置され、かつ上端縁と下端縁とを有し、前記上端縁が上下方向に変位可能なように設けられた窓遮蔽部材とを備え、
    前記第1の窓は、第1の透明窓と、前記第1の透明窓の内側または外側に貼り付けられた遮熱フィルムとを含み、
    前記第2の窓は、遮熱性を有しておらず、入射した太陽光を前記建物内部空間の天井に向かって屈折させるように構成された開閉可能な窓であり、第2の透明窓と、前記第2の透明窓の内側または外側に貼り付けられた屈折フィルムとを含む、建物外壁の開口部構造。
  3. 前記窓遮蔽部材は、遮熱性と、太陽光の一部を透過可能とする透光性とを有している、請求項1または2記載の建物外壁の開口部構造。
  4. 前記窓遮蔽部材の上端縁が最上位置に位置し、かつ、前記第2の窓が開状態の場合に、前記第1の窓と前記窓遮蔽部材との間に、前記建物内部空間の空気を屋外へと導く空気流路が形成される、請求項1~のいずれかに記載の建物外壁の開口部構造。
  5. 前記第2の窓は、その上端部を軸として外側に突き出して開放される突出し窓である、請求項1~のいずれかに記載の建物外壁の開口部構造。
  6. 前記第2の窓は、透明の窓と、この窓の内側または外側に貼り付けられた屈折フィルムとにより構成される、請求項1,3~5のいずれかに記載の建物外壁の開口部構造。
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