JP7015050B2 - モータ及びモータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ及びモータの製造方法に関する。
モータを含む動力機構は、近年、様々な車両、機器等において活用されている。特に、車椅子、電動立ち乗り2輪車《例えば、セグウェイ(R)。》等の電動車両、介護ロボット、釣り向け電動リール等の応用製品に用いられる動力機構に対しては、小型・軽量でありながら、高トルクを出力できることが期待されている。
高トルクを出力させるための方法として、減速機を用いる方法が一例として挙げられる。この方法は、モータの出力軸(シャフト)に複数の歯車を有する減速機を接続してモータの回転速度を減じ、減速機の出力軸からトルクを高めた動力を伝達させるという方法である。ただ、この方法は、モータ以外に別途、減速機が必要となり、部品点数が増加することから動力機構全体の小型・軽量化を実現しづらい。また、程度の差こそあれ、減速機におけるエネルギー損失、ノイズ発生等の問題も新たに生じる。
別の方法として、減速機を用いずにモータのみでダイレクトドライブするという方法も挙げられる。この場合、出力することができるトルクは相応に高めておく必要がある。
比較的高いトルクを出力することができるモータとして、従来より、突極(突状の鉄心又はコア。)を用いたモータが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図16は、従来のモータ900を説明するために示す図である。なお、コイル950については、第1突極群941G及び第4突極群944Gに属する突極940についてのみ装着されたコイルのみ図示し、他の突極に装着されたコイルは図示を省略する。また、第2突極群942G、第3突極群943G、第5突極群945G及び第6突極群946G、並びに、第2コイル群952G、第3コイル群953G、第5コイル群955G及び第6コイル群956Gについては符合を付さない。
従来のモータ900は、図16に示すような、円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列された永久磁石924を有するロータ920と、それぞれに対してコイル950が装着された複数の突極940を有し、複数の突極940が円周方向に沿って配列され、且つ、突極940の先端面が、永久磁石924の磁極が配列された面に対向するように形成されたステータ930と、を備えたモータ900である。
図16において、ステータ930が有する突極940の数は12個である。
ステータ930において、2個の突極940によって構成される第1突極群941G、2個の突極940によって構成される第2突極群942G、2個の突極940によって構成される第3突極群943G、2個の突極940によって構成される第4突極群944G、2個の突極940によって構成される第5突極群945G、及び、2個の突極940によって構成される第6突極群946Gが、この順番でステータ930の円周方向に沿って配設され、第1突極群941G及び第4突極群944G、第2突極群942G及び第5突極群945G、並びに、第3突極群943G及び第6突極群946Gは、それぞれにおいて機械角にして互いに180°ずれた位置に位置するように配設されている。
第1突極群941Gの2個の突極940には、直列に連結された2個のコイル950からなる第1コイル群951Gが装着されており、第2突極群942Gの2個の突極940には、直列に連結された2個のコイル950からなる第2コイル群952Gが装着されており、第3突極群943Gの2個の突極940には、直列に連結された2個のコイル950からなる第3コイル群953Gが装着されており、第4突極群944Gの2個の突極940には、直列に連結された2個のコイル950からなる第4コイル群954Gが装着されており、第5突極群945Gの2個の突極940には、直列に連結された2個のコイル950からなる第5コイル群955Gが装着されており、第6突極群946Gの2個の突極940には、直列に連結された2個のコイル950からなる第6コイル群956Gが装着されている。
そして、第1コイル群951G及び第4コイル群954GにはU相の電流が供給され、第2コイル群952G及び第5コイル群955GにはV相の電流が供給され、並びに、第3コイル群953G及び第6コイル群956GにはW相の電流が供給される。
従来のモータ900によれば、ステータ(電機子)930に突極(コア)940を備えているため、コアレスモータに比べ大きな出力を得ることが期待できる(特許文献1の第2頁左上欄等参照。)。
特開昭62-110468号公報
ただし、応用製品に依っては、従来のモータ900によるトルクでは不十分であり、近年では、更に高いトルクを出力するモータが望まれている。
しかしながら、更に高トルクを出力しようとすると、一般的にはモータが大型化し重量も増してしまう。
すなわち、(i)コイルの巻き数を多くしようとすると、コイルの筒の高さ(コイルが円筒状であるとしたときの筒の高さ)や厚みが大きくなり、これに対応してコイルを収めるスロット(隣り合う突極同士の間の溝。鉄心溝とも呼ばれる。)としても大きなスペースを確保せざるを得ず、結局モータが大型化してしまう。また、(ii)コイルに流す電流を大きくしようとすると、巻線も径の太いものを用いることとなり、コイルの大型化、ひいてはモータの大型化・重量化に繋がってしまう。
一方で、(iii)高トルクを得るため、永久磁石の磁極数及び突極の数(以下、これらをまとめて「極数」というときがある。)を増やすというアプローチもある。ただ、当該モータを応用する製品が、車椅子、電動立ち乗り2輪車、介護ロボット等といった製品である場合には、当該モータの直径は、ある程度の寸法以内に抑える必要がある。直径をある程度抑制して所定の直径としつつも、極数を増やそうとすると、必然的にスロットの幅を狭くせざるをえない。そうすると、例えば巻線をガイドするニードルをスロットの奥に差し入れづらくなり、これに伴い巻線をスロットに収めづらくなる。その結果、突極へのコイル装着が極めて困難となる。
加えて、巻線をいわゆる分布巻する技術を用いる場合や、それぞれU相、V相及びW相の電流が供給されるコイルを円周方向に順番に隣り合うようにして配置するような技術を用いる場合においては、仮に極数が増えると、当該スロットから別のスロットに渡る渡り線の総延長も全体としては長大化し、モータの大型化・重量化に拍車がかかる。
いずれにせよ、従来のモータにおいて極数を増やし高トルク化を目指すならば、結局、モータは大型化・重量化してしまう。
こうした事情から、直径がある程度の寸法以内であり(然程大きくない)、且つ、極数が比較的多く、且つ、高トルクを出力することができるモータは、これまで実用化されるまでに至っていない。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、サイズ及び重量を抑えつつも(小型・軽量を実現しつつ)、極数が比較的多く、高トルクを出力することができ、ダイレクトドライブにも適したモータを提供することを目的とする。
[1]本発明の第1のモータは、円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列された永久磁石を有するロータと、それぞれに対してコイルが装着された複数の突極を有し、前記複数の突極が円周方向に沿って配列され、且つ、前記突極の先端面が前記永久磁石の磁極が配列された面に対向するように形成されたステータと、を備えたモータであって、前記ステータが有する前記突極の数は6n個(nは4以上の自然数。)であり、前記ステータにおいて、n個の第1突極によって構成される第1突極群、n個の第2突極によって構成される第2突極群、n個の第3突極によって構成される第3突極群、n個の第4突極によって構成される第4突極群、n個の第5突極によって構成される第5突極群、及び、n個の第6突極によって構成される第6突極群が、この順番で前記ステータの円周方向に沿って配設され、前記第1突極群及び前記第4突極群、前記第2突極群及び前記第5突極群、並びに、前記第3突極群及び前記第6突極群は、それぞれにおいて機械角にして互いに180°ずれた位置に位置するように配設されており、前記第1突極群のn個の前記第1突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第1コイル群が装着されており、前記第2突極群のn個の前記第2突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第2コイル群が装着されており、前記第3突極群のn個の前記第3突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第3コイル群が装着されており、前記第4突極群のn個の前記第4突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第4コイル群が装着されており、前記第5突極群のn個の前記第5突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第5コイル群が装着されており、前記第6突極群のn個の前記第6突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第6コイル群が装着されており、前記第1コイル群及び前記第4コイル群にはU相の電流が供給され、前記第2コイル群及び前記第5コイル群にはV相の電流が供給され、並びに、前記第3コイル群及び前記第6コイル群にはW相の電流が供給され、各前記突極は、前記ステータの半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されており、前記第1突極群~前記第6突極群のそれぞれにおいて、前記コイルは、隣接する前記突極間で巻回方向が互いに逆になるように前記突極に対して装着され、前記コイルは、隣接する前記突極間において当該コイルを構成する巻線の一部である渡り線によって前記突極の先端側又は基端側で渡され、且つ、前記渡り線は、隣接するスロット間で前記先端側又は前記基端側の関係が逆になっていることを特徴とする。
本発明の第1のモータにおいて、各突極はステータの半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されており、これらの各突極に各コイルが装着されている。一方、(a)コイルは、隣接する突極間で巻回方向が互いに逆になるような状態で突極に対して装着され、さらに、(b)コイルは、隣接する突極間において当該コイルを構成する巻線の一部である渡り線によって突極の先端側又は基端側で渡された状態となっており、且つ、渡り線は、隣接するスロット間で先端側又は基端側の関係が逆になっている。そして、(c)上記(a)及び(b)の規則性を有するn個のコイルが直列に連結され第iコイル群を構成している(ただし、iは1から6までの自然数。)。
このような突極及びコイルの構造とすることで、極数が比較的多く高トルクを出力可能でありながら、比較的小型でスロットの幅が狭いモータを実現し提供することができる(詳細は後述する。)。
本発明の第1のモータにおいて、1つの相に係るコイル群が、1つの群に係るn個の突極に対し、連続するようにして直列に連結されて装着されている。また、渡り線が隣接する突極間で渡されている。このため、巻線を分布巻する技術を用いる場合やU相、V相及びW相の電流が供給されるコイルを円周方向に順番に隣り合うようにして配置するように巻線を巻回する技術を用いる場合とは異なり、モータの小型化を図ることができる。また、渡り線の長さを最小限にできるので、巻線の総延長も短くなり、モータの軽量化を図ることができる。加えて、巻線を総延長したときの抵抗値を抑えることができ、モータのエネルギー効率向上を図ることができる。
さらに、本発明の第1のモータにおいては、n個の第1突極によって構成される第1突極群、n個の第2突極によって構成される第2突極群、n個の第3突極によって構成される第3突極群、n個の第4突極によって構成される第4突極群、n個の第5突極によって構成される第5突極群、及び、n個の第6突極によって構成される第6突極群が、この順番でステータの円周方向に沿って配設されている。第1突極群及び第4突極群、第2突極群及び第5突極群、並びに、第3突極群及び第6突極群は、それぞれにおいて機械角にして互いに180°ずれた位置(回転軸を中心として点対称となるように)に位置するように配設されている。これらの6個の突極群にはそれぞれ対応したコイル群が装着されており、第1コイル群及び第4コイル群にU相の電流が供給され、第2コイル群及び第5コイル群にV相の電流が供給され、並びに、第3コイル群及び第6コイル群にW相の電流が供給されるように構成されている。
このように、例えば第1突極群及び第4突極群というように対となる突極群同士が互いに機械角180°ずれた位置に配設されて、これら対の突極群にそれぞれ対応したコイル群に同相の電流が供給される。このため、回転軸を挟んで両突極群が励磁されることとなり、突極群が非対称に配設されたが故に励磁の偏りを生じロータが片方に引っ張られるという問題(偏った励磁による問題)を惹き起こすことなく、円滑且つ安定した回転をするモータを得ることができる。
以上のように、本発明によれば、サイズ及び重量を抑えつつも(小型・軽量を実現しつつ)、極数が比較的多いモータを得ることができる。また、極数を増やすことにより起動時及び低速運転時を中心に高トルクを出力することができる。このようにして、結果的に、サイズ及び重量を抑えつつも(小型・軽量を実現しつつ)、極数が比較的多く、高トルクを出力することができ、ダイレクトドライブにも適したモータを提供することができる。
[2]本発明の第1のモータにおいては、隣接する前記突極間の間隔が、前記巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあることが好ましい。
隣接する突極間の間隔が巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあるような、スロットの幅が狭いモータにあっては、[背景技術]及び[発明が解決しようとする課題]の段落でも述べたように、従来、これを実現することが困難であった。
上記[2]に記載の本発明の第1のモータによれば、隣接する突極間の間隔が巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあるような、スロットの幅が巻線の直径に対して狭い場合であっても、好適に所望のモータを実現することができる。
[3]本発明の第1のモータにおいては、前記ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にあり、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあることが好ましい。
ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にありながらも、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあるような、いわば極数が多いモータにあっては、[背景技術]及び[発明が解決しようとする課題]の段落でも述べたように、従来、これを実現することが困難であった。
上記[3]に記載の本発明の第1のモータによれば、ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にありながらも、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあるような、いわば極数が多い場合であっても、好適に所望のモータを実現することができる。
[4]本発明の第1のモータにおいては、前記ロータの前記永久磁石が有する磁極数は(6n±2)個であることが好ましい。
前記[4]記載の本発明の第1のモータによれば、突極数が6n個であり(ただし、nは4以上の自然数。)、永久磁石が有する磁極数が(6n±2)個であるため、(ア)突極数が偶数であることから「偏った励磁による問題(上記[1]参照。)」を惹き起こすことなく、円滑且つ安定した回転を得ることができる。また、(イ)突極数と永久磁石が有する磁極数との差が、偶数のうち最小である2、となっていることから、突極数及び永久磁石が有する磁極数の最小公倍数を大きくすることができ、いわゆるコギングトルクの脈動を抑制することができる。
[5]本発明の第1のモータにおいては、前記ロータの前記永久磁石が有する磁極数は(6n+2)個であり、前記第1突極群~前記第6突極群のそれぞれにおいて、当該突極群に属するn個の突極は、機械角にして360°/(6n+1)のピッチを保ちながら配設されており、当該突極群に属する前記n個の突極のうち当該突極群の端に位置するA突極と、当該突極群に隣接する別の突極群に属するn個の突極のうち前記別の突極群の端に位置し前記A突極に隣接するB突極とは、機械角にして{360°/(6n+1)}+360°/(6n+1)/6のピッチを互いに保ちながら配設されていることが好ましい。
このように、(ウ)永久磁石が有する磁極数を6n+2としたうえで、同一突極群に属する突極同士を機械角にして360°/(6n+1)のピッチを保ちながら配設すると、同一突極群内を局所的に見ると、1周360°当たりに有する突極数を疑似的に換算すると(6n+1)個(以下、突極の配設ピッチを定めるための算定根拠となる「疑似突極数」という。)となるため、「疑似突極数」及び永久磁石が有する磁極数の差が最小の1となる。このため、「疑似突極数」及び永久磁石が有する磁極数の最小公倍数を更に大きくすることができ、コギングトルクの脈動を更に抑制することができる。
ここで、もし全周360°について(6n+1)分割をし、それらの分割位置に6n個の突極を配置した場合、奇数で分割したがために、対となる突極群同士(ひいてはそれらの突極群に属する突極。)は互いに丁度機械角180°ずれた位置には配設されない。したがって、この場合には多かれ少なかれ「偏った励磁による問題」が残ってしまう。
そこで、前記[5]記載の本発明の第1のモータにおいては、(エ)当該突極群に属するn個の突極のうち当該突極群の端に位置するA突極と、当該突極群に隣接する別の突極群に属するn個の突極のうち別の突極群の端に位置しA突極に隣接するB突極とは、機械角にして{360°/(6n+1)}+360°/(6n+1)/6のピッチを互いに保ちながら配設している。このように構成することにより、突極1個分の空ピッチを解消しつつも、対となる突極群同士(ひいてはそれらの突極群に属する突極。)が互いに丁度機械角180°ずれた位置に配設することができ、「偏った励磁による問題」を抑えこんだ、円滑且つ安定した回転をするモータを得ることができる。
[6]本発明の第2のモータは、円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列された永久磁石を有するロータと、それぞれに対してコイルが装着された複数の突極を有し、前記複数の突極が円周方向に沿って配列され、且つ、前記突極の先端面が前記永久磁石の磁極が配列された面に対向するように形成されたステータと、を備えたモータであって、前記ステータが有する前記突極の数は3mn個であり(但し、mは2以上の自然数。nは4以上の自然数。)、前記ステータにおいて、n個の第(3k-2)突極によって構成される第(3k-2)突極群、n個の第(3k-1)突極によって構成される第(3k-1)突極群、及び、n個の第(3k)突極によって構成される第(3k)突極群が、この順番で前記ステータの円周方向に沿って配設され(但し、kは1~mまでの自然数。)、前記第(3k-2)突極群のn個の前記第(3k-2)突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第(3k-2)コイル群が装着されており、前記第(3k-1)突極群のn個の前記第(3k-1)突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第(3k-1)コイル群が装着されており、前記第(3k)突極群のn個の前記第(3k)突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第(3k)コイル群が装着されており、前記第(3k-2)コイル群にはU相の電流が供給され、前記第(3k-1)コイル群にはV相の電流が供給され、及び、前記第(3k)コイル群にはW相の電流が供給され、各前記突極は、前記ステータの半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されており、第1突極群~第(3m)突極群のそれぞれにおいて、前記コイルは、隣接する前記突極間で巻回方向が互いに逆になるように前記突極に対して装着され、前記コイルは、隣接する前記突極間において当該コイルを構成する巻線の一部である渡り線によって前記突極の先端側又は基端側で渡され、且つ、前記渡り線は、隣接するスロット間で前記先端側又は前記基端側の関係が逆になっていることを特徴とする。
ステータにおいて、n個の第(3k-2)突極によって構成される第(3k-2)突極群、n個の第(3k-1)突極によって構成される第(3k-1)突極群、及び、n個の第(3k)突極によって構成される第(3k)突極群が、この順番でステータの円周方向に沿って配設されている(但し、kは1~mまでの自然数。)。また、これらの突極群に対応するようにして、第(3k-2)突極群のn個の第(3k-2)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k-2)コイル群が装着されている。また、第(3k-1)突極群のn個の第(3k-1)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k-1)コイル群が装着されている。さらに、第(3k)突極群のn個の第(3k)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k)コイル群が装着されている。
このような構成のモータは、各駆動フェーズにおける励磁により、ロータの回転軸RAを中心とした1周360°のうちm箇所に対して力が働くこととなる。
したがって、本発明の第2のモータにおいては、6個に限らず、9個、12個、15個、・・・、3m個と突極群の数又は/及びコイル群の数を増やした設計を採用することにより、ロータ20が回転軸RAに向かって吸引される力Fβをm箇所に分散して働かせることができるため、振動又は/及び騒音がより低減されたモータとすることができる。
[7]本発明の第2のモータにおいて、隣接する前記突極間の間隔が、前記巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあることが好ましい。
[8]本発明の第2のモータにおいて、前記ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にあり、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあることが好ましい。
[9]本発明の第2のモータにおいて、前記ロータの前記永久磁石が有する磁極数は(3mn±m)個である(但し、m及びnは3mn±mが偶数となるように選択されるものとする。)ことが好ましい。
[10]本発明の第1のモータ及び第2のモータはダイレクトドライブに用いられるものであることが好ましい。
ダイレクトドライブ用のモータは、起動時及び低速運転時に、高トルクを出力することができ、円滑且つ安定した回転が得られることが期待されている。
本発明のモータは、(a)極数が比較的多い、(b)同相で励磁される突極群同士が互いに機械角180°ずれた位置に対となって配設されている、(c)ロータの永久磁石が有する磁極数と突極数とが所定の関係を有している(永久磁石の配置ピッチと突極の配置ピッチとが所定の関係を有している)等の理由から、起動時や低速運転時にも、高トルクを出力することができ、また、振動やコギングトルクの脈動が抑制されて円滑且つ安定した回転を得ることができる。このため、上記[10]に記載の発明によれば、ダイレクトドライブの用に適したモータを提供することができる。
[11]本発明の、上記[1]~[10]いずれか記載のモータを製造するモータの製造方法は、棒状のコイル製作治具の長手方向に平行な軸をx軸と定義し、x軸に垂直な軸をy軸と定義し、x軸及びy軸にそれぞれ垂直な軸をz軸と定義したとき、x軸に沿ってyz平面を平面視したときに、前記コイル製作治具に対し、第1回転方向に周るようにして、前記巻線をt回巻回して第jコイルを形成する第jコイル形成ステップ(jは1からn-2までの何れかの自然数。)、前記巻線を第1回転方向に半回するようにして、第jコイルと第(j+1)コイルとの間を渡す部分となる第j渡り線を形成する第j渡り線形成ステップ、前記コイル製作治具に対し、第1回転方向に周るようにして、前記巻線をt回巻回して第(j+1)コイルを形成する第(j+1)コイル形成ステップ、及び、前記巻線を第1回転方向に半回するようにして、第(j+1)コイルと第(j+2)コイルとの間を渡す部分となる第(j+1)渡り線を形成する第(j+1)渡り線形成ステップを有し、直列に連結された複数個コイルを形成するように前記コイル製作治具に対し前記巻線を巻回する巻線巻回工程と、少なくとも前記第jコイルを前記コイル製作治具から分離する第jコイル分離ステップ、及び、第jコイルの内径及び第(j+1)コイルの内径が同一方向から見えるように前記第j渡り線の少なくとも一部を折り曲げる第j渡り線折曲ステップを少なくとも有し、複数個からなるコイルを第iコイル群(但し、iは1から3mまでの自然数。mは2以上の自然数。)の一部又は全部として整形する第iコイル群整形工程と、前記第iコイル群に属するそれぞれのコイルを、前記ステータにおける前記第i突極群のうち対応する第i突極に対しそれぞれ嵌め込むコイル嵌込工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のモータの製造方法によれば、巻線巻回工程において、コイル製作治具に巻きつけるようにして第iコイル群に属する複数のコイルを一括的に一連に形成し、第iコイル群整形工程において、コイルを突極に嵌め込み易い状態に整形したうえで、コイル嵌込工程において、整形した一連のコイルを一括的に嵌め込んでコイルを突極に装着する。このため、巻線をスロットの底に押し込みながら直接突極に巻回するようにしてコイルを装着することもなく、スロットの幅が狭い場合であっても、容易に効率的に量産に適した形で、コイルを突極に装着することができる。
また、本発明のモータの製造方法によれば、コイル製作治具に対して巻線をt回巻回した第jコイルの形成、巻線を半回するようにした第j渡り線の形成、巻線をt回巻回した第(j+1)コイルの形成、及び、巻線を半回するようにした第(j+1)渡り線の形成を、巻回方向を途中で変更することなく、総て同一方向の第1回転方向に周るようにして行うので、効率的に量産に適した形で巻線巻回工程を実施することができる。
[12]本発明のモータの製造方法において、前記コイル製作治具は、形成されるコイルの内側に配置される嵌装部を含み、前記嵌装部をx軸に沿ってyz平面を平面視したとき、前記巻線巻回工程においては前記嵌装部の長手方向の寸法を第1寸法とし、前記第iコイル群整形工程における第jコイル分離ステップにおいては、前記嵌装部の寸法を前記第1寸法よりも小さい第2寸法に変更して、前記第jコイルを前記嵌装部から分離することが好ましい。
上記[12]に記載のモータの製造方法によれば、第jコイル分離ステップにおいて、嵌装部を、巻線巻回工程で維持した第1寸法よりも小さい第2寸法に変更して幅を狭くすることにより、コイルの内側と嵌装部の外側との間に間隙をつくることができる。このため、コイルの分離を容易に行うことができ、コイル分離の際にコイルの形状を崩すこともなく、且つ、一層効率的に量産に適した形態で第jコイル分離ステップを実施することができる。
実施形態1に係るモータ10を説明するために示す斜視図である。 実施形態1に係るモータ10を説明するために示す断面図である。 実施形態1に係るモータ10を説明するために要部を示す図である。 実施形態1における突極40、スロットSL及び巻線58の寸法関係を説明するために示す図である。 実施形態1に係るモータ10を駆動するための結線関係を説明するために示す回路図である。 実施形態1に係るモータ10が駆動されている様子を説明するために示す図である。 実施形態1に係るモータ10の製造方法を説明するために示すフローチャートである。 実施形態1に係るモータ10の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態1に係るモータ10の製造方法における嵌装部610の寸法の変更を説明するために示す図である。 実施形態2に係るモータ12の突極40及び永久磁石24の配置関係を説明するために示す図である。 実施形態2に係るモータ12を駆動するための結線関係を説明するために示す回路図である。 実施形態2に係るモータ12が駆動されている様子を説明するために示す図である。 実施形態3に係るモータ13の突極40及び永久磁石24の配置関係を説明するために示す図である。 実施形態1に係るモータ10の突極40及び永久磁石24の配置関係を説明するために示す図である。 実施形態5に係るモータ10aの突極40の配置を説明するために示す図である。 従来のモータ900を説明するために示す図である。
以下、本発明のモータ及びモータの製造方法を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、図面における各図は模式図であり、各構成要素のサイズ、各構成要素間のサイズ比率などは必ずしも実際のものを厳密に反映したものではない。
[実施形態1]
1.実施形態1に係るモータ10の基本構造
図1~図4は、実施形態1に係るモータ10を説明するために示す図である。図1(a)は、モータ10を分解した状態の斜視図である。図1(b)及び図1(c)は、ロータ20とステータ30とを組み合わせた状態の斜視図である。図2は、図1(c)においてモータ10をA-Aで示した平面で切断したときのA-A断面図である。図3(a)は、モータ10を回転軸RAに沿って平面視して突極40の配置を示した図である。併せて永久磁石24の一部も示した。なお、第1突極群41G~第6突極群46Gの境界を便宜上一点鎖線で示した。図3(b)は、モータ10を回転軸RAに沿って平面視して第1突極群41G、第1コイル群51G及び永久磁石24を示した図である。図4は、実施形態1における突極40、スロットSL及び巻線58の寸法関係を説明するために示す図である。図4(a)は図3(b)を拡大した図であり、図4(b)は、突極40のみを取り出してモータ10の円周の外側から視た斜視図である。なお、例えば第1突極41、渡り線59、スロットSL等のように各部位に共通した符号を用いている部位に関しては、一部の部位について符号を付し、他の部位において符号を省略することがある(以下、同様。)。
実施形態1に係るモータ10は、図1及び図2に示すように、永久磁石24を有するロータ20と、それぞれに対してコイル50が装着された複数の突極40を有し、複数の突極40が円周方向に沿って配列され、且つ、突極40の先端面が永久磁石24の磁極が配列された面に対向するように形成されたステータ30と、を備える。
永久磁石24は、モータ10が回転する円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に概略等ピッチに配列されて成り(図3参照。)、ロータ本体22の内周面に配置されている(図1(a)及び図2参照。)。
突極40は、コイル50が巻回される部位であって、別に鉄心又はコアとも呼ばれる部位である。突極40は、ステータ基体32に連結される。突極40の先端面と永久磁石24とは、エアギャップAGの間隔をおいて対向している(図2参照。)。
ロータ本体22の回転軸RAの周辺にはベアリング26が配設され、ベアリング26はステータ30と接触している。モータ10からは、コイル50に電流を供給する電力リード線60、ホール素子(図示しない。)等の信号を伝達させる信号リード線70が引き出されている(図1及び図2参照。)。
2.実施形態1に係るモータ10の詳細な構造
(1)突極群
ステータ30が有する突極40の数は、全体で6n個(nは4以上の自然数。)である。例えば、図3に示すステータ30はn=11であり全体で66個の突極40を有している。
これらの突極40は仮想的に6個の突極群に分けられる。すなわち、図3(a)に示すように、ステータ30においては、n個の第1突極41によって構成される第1突極群41G、n個の第2突極42によって構成される第2突極群42G、n個の第3突極43によって構成される第3突極群43G、n個の第4突極44によって構成される第4突極群44G、n個の第5突極45によって構成される第5突極群45G、及び、n個の第6突極46によって構成される第6突極群46Gが、この順番でステータ30の円周方向に沿って配設されている。なお、図3(a)では、紙面に向かってCW方向(時計回りの方向)に第1突極群41G~第6突極群46Gと定義した。そして、第1突極群41G及び第4突極群44G、第2突極群42G及び第5突極群45G、並びに、第3突極群43G及び第6突極群46Gは、それぞれにおいて機械角にして互いに180°ずれた位置(回転軸RAを中心として点対称となるように)に位置するように配設されている。
(2)コイル群
図3(b)に示すように、第1突極群41Gのn個の第1突極41には、直列に連結されたn個のコイルからなる第1コイル群51Gが装着されている。すなわち、巻線を分布巻させてコイルを装着させる場合やU相、V相及びW相の電流が供給されるコイルを順番に隣り合うようにして巻線を巻回してコイルを装着させる場合とは異なり、直列(いわばシリーズ状/カスケード状)にn個のコイルが連なって一のコイル群を形成している。
第2コイル群52G~第6コイル群56Gも上記第1コイル群51Gと同様に、第2突極群42Gのn個の第2突極42には、直列に連結されたn個のコイルからなる第2コイル群52Gが装着されており、第3突極群43Gのn個の第3突極43には、直列に連結されたn個のコイルからなる第3コイル群53Gが装着されており、第4突極群44Gのn個の第4突極44には、直列に連結されたn個のコイルからなる第4コイル群54Gが装着されており、第5突極群45Gのn個の第5突極45には、直列に連結されたn個のコイルからなる第5コイル群55Gが装着されており、第6突極群46Gのn個の第6突極46には、直列に連結されたn個のコイルからなる第6コイル群56Gが装着されている《図3(b)では図示しない。》。
第1コイル群51G及び第4コイル群54GにはU相の電流が供給され、第2コイル群52G及び第5コイル群55GにはV相の電流が供給され、並びに、第3コイル群53G及び第6コイル群56GにはW相の電流が供給される《図3(a)のU相、V相及びW相の表示を参照。》。すなわち、対となる突極群は、互いに機械角180°ずれた位置に配設されて同相の電流が供給される。対となる両突極群は、同じタイミングで回転軸RAを挟んで励磁されることとなる。
また、実施形態1に係るモータ10においては、第1コイル群51Gと第4コイル群54Gとが直列に接続され、第2コイル群52Gと第5コイル群55Gとが直列に接続され、第3コイル群53Gと第6コイル群56Gとが直列に接続されている(図5参照。)。
(3)突極の形状
このコイル50が装着される突極40(各突極群内における突極では、符合は41~46として付されている。以下、同様。)は、ステータ30の半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されている(図1~図4参照。)。
ここで「ストレート形の突極」とは、突極の基端の幅よりも先端の幅の方が広くなっているいわば傘形の突極(図16参照。)とは形を異にした突極を指すものとする。ストレート形の突極40は、特別な凹部や凸部を有さずステータ30の半径方向に沿って平坦となっていることが好ましい。突極40の先端から基端まで同一平面となるように形成してもよいし、突極40の先端の幅を基端の幅より若干狭くし突極40の側面が全体としてテーパー状になるように形成してもよい。テーパーは、直線的に形成してもよいし緩やかなカーブを描くようにして形成してもよい。
実施形態1に係るモータ10は、このような突極構造を採用しているので、例えば、巻線をガイドするニードルがスロットの奥まで挿入し易くなっており、又は、予め巻回しておいたコイルが突極に嵌め込み易くなっている。
(4)コイルの装着構造
図3(b)に示すように、第1突極群41G~第6突極群46Gのそれぞれにおいて、コイル50は、各突極群内を局所的にみたときに、隣接する突極間で巻回方向が互いに逆になるように突極に対して装着されている。
例えば、モータ10が回転する円周の外側から回転軸RAの方向(-r方向)に視たときに、コイル511の巻回方向はCW方向となっており、コイル512の巻回方向はCCW方向(反時計回りの方向)となっており、コイル513の巻回方向はCW方向となっており、コイル514の巻回方向はCCW方向となっている。以降のコイル51jも同様の規則による巻回方向となっている。
こうすることで、コイル群において同相の電流が流れたときに、当該コイルに装着された突極の先端側にはN極及びS極の磁極が交互に現れる(仮に、図3(b)において第1コイル群51Gのコイル511からコイル5111の方向に電流が流れたとき、コイル511に装着された突極の先端側にはS極、コイル512に装着された突極の先端側にはN極というように現れる。)。
また、図3(b)に示すように、第1突極群41G~第6突極群46Gのそれぞれにおいて、コイル50は、隣接する突極間において当該コイル50を構成する巻線58の一部である渡り線59によって突極40《図3(b)では符号41が付されている。以下、同様。》の先端側又は基端側で渡され、且つ、渡り線59は、隣接するスロットSL間で先端側又は基端側の関係が逆になっている。
例えば、渡り線59は、コイル511及びコイル512の間に対応するスロットSLでは突極の基端側で渡され、コイル512及びコイル513の間に対応するスロットSLでは突極の先端側で渡され、コイル513及びコイル514の間に対応するスロットSLでは突極の基端側で渡されるというように、交互に先端側又は基端側で渡されている。
ここで突極40の先端側とは、回転軸RAからモータ10が回転する円周の外側に向かう方向(r方向)の側をいい、突極40の基端側とは、モータ10が回転する円周の外側から回転軸RAに向かう方向(-r方向)の側をいうものとする。
(5)寸法等
実施形態1に係るモータ10は、ステータ30の直径をΦとしたときに(図2参照。)、ステータ30の直径Φは40mmより大きく200mmよりも小さい値の範囲内にあり、且つ、永久磁石24が有する磁極数及び/又は突極40の数は60~240の範囲内にある。
また、図4(a)及び図4(b)に示すように、実施形態1に係るモータ10において、隣接する突極40の間の間隔W1は、巻線58の直径φ1の2.1倍~3.0倍の範囲内にある。
また、実施形態1における突極40は、-r方向に沿って視たときに、モータ10の円周方向における長さL2よりも、これと垂直な方向の長さL1の方が長くなっている。
(6)突極数及び永久磁石が有する磁極数の関係
実施形態1に係るモータ10は、突極数が6n個であるところ、ロータ20の永久磁石24が有する磁極数は(6n±2)個となっている。
(7)モータ10の応用先について
実施形態1に係るモータ10は、主にダイレクトドライブに用いられる。
3.実施形態1に係るモータ10の駆動
図5は、実施形態1に係るモータ10を駆動するための結線関係を説明するために示す回路図である。図6は、実施形態1に係るモータ10が駆動されている様子を説明するために示す図である(n=11と設定されている。)。第1突極群41G~第6突極群46Gにおいて、対応するコイル群に電流が流されて励磁された突極群については、網掛けを施した。また、励磁された突極群に係るn個の突極及び永久磁石24には、極性(N極及びS極)に応じて網掛けの濃淡を変えた。
モータ10を駆動する方法は如何なる方法を採用してもよいが、例えば実施形態1においては、図5及び図6に示すように、いわゆるスター結線による駆動回路として構成し、これを動作させることにより第1突極群41G~第6突極群46Gに対して回転磁界を加える駆動方法とする。
実施形態1における駆動回路は、図5に示すように、第1コイル群51Gの一端と第4コイル群54Gの一端とが接続され、第2コイル群52Gの一端と第5コイル群55Gの一端とが接続され、第3コイル群53Gの一端と第6コイル群56Gの一端とが接続され、第1コイル群51Gの他端がノードNuに接続され、第2コイル群52Gの他端がノードNvに接続され、第3コイル群53Gの他端がノードNwに接続され、第4コイル群54Gの他端、第5コイル群55Gの他端及び第6コイル群56Gの他端がノードNnに接続されている。電源Eの高電位側と低電位側との間には、スイッチS1及びS2、スイッチS3及びS4、並びにスイッチS5及びS6が、それぞれ直列に接続されている。さらに、スイッチS1及びS2の接続ノードはノードNuに、スイッチS3及びS4の接続ノードはノードNwに、並びにスイッチS5及びS6の接続ノードはノードNvにそれぞれ接続されている。
このように、第1コイル群51G~第6コイル群56Gをいわゆるスター結線した回路として駆動回路を構成したうえで、スイッチS1~S6を適宜オン/オフ制御することによって、ノードNu、ノードNv及びノードNwの3つのノードの中から選択された2つのノード間で電流を流すことによって、図6に示すように、回転磁界を加える。
具体的には、第1フェーズではU相及びV相に対応したコイル群(第1コイル群51G、第2コイル群52G、第4コイル群54G及び第5コイル群55G)に電流を流し、第1突極群41G、第2突極群42G、第4突極群44G及び第5突極群45Gを励磁する《図6(1)参照。》。同一フェーズにおいては、対となる両突極群が、同じタイミングで回転軸RAを挟んで励磁されることとなる(以降のフェーズも同様。)。
次に、第2フェーズでは、V相及びW相に対応したコイル群(第2コイル群52G、第3コイル群53G、第5コイル群55G及び第6コイル群56G)に電流を流し、第2突極群42G、第3突極群43G、第5突極群45G及び第6突極群46Gが励磁する《図6(2)参照。》。
第3フェーズ以降も同様に、フェーズが変わる毎に電流を流すコイル群をCW方向にシフトさせて、励磁する突極群をCW方向にシフトさせる。第6フェーズまでの駆動を終えると、再び第1フェーズに戻って同様の駆動を繰り返すようにして第1突極群41G~第6突極群46Gに回転磁界を加える。これらの駆動に伴い、ロータ20が回転する。
4.実施形態1に係るモータ10の作用・効果
(1)極数を増やすことによる作用・効果
モータ10の極数(永久磁石の磁極数及び/又は突極の数。)を比較的多く設定した場合、1回の励磁スイッチング(上記した、モータ10の駆動方法でいうとフェーズの切り替わり。)当たりにロータ20を回転させなければならない角度は、極数が少ない場合よりも、小さな角度となる。その結果、例えば車両におけるローギアの如く起動時のトルクを高めることができる。
加えて、極数を多く設定した場合、磁極の配置ピッチが狭くなるにつれてパーミアンスの関係上、永久磁石24の厚さを逆に薄くすることができる。このように、永久磁石24を薄化することによりモータ10の小型・軽量化を図ることができる。加えて、回転体たるロータ20の円周方向に配された永久磁石24が軽量化されるため、迅速な加減速に資することができる。
(2)極数を増やすことと小型・軽量化との両立
しかしながら、極数を増やし高トルク化を図ることは、一般的にはモータの大型化・重量化に繋がることは、上記で述べた。
そこで、実施形態1に係るモータ10において、各突極40をステータ30の半径方向(r方向)に沿って平坦なストレート形に形成し、これらの各突極40に各コイル50を装着する。一方、(a)コイル50は、隣接する突極間で巻回方向が互いに逆になるような状態で突極40に対して装着し、さらに、(b)コイル50は、隣接する突極間において当該コイルを構成する巻線58の一部である渡り線59によって突極40の先端側又は基端側で渡された状態となるようにし、且つ、渡り線59は、隣接するスロットSL間で先端側又は基端側の関係が逆になるようにする。そして、(c)上記(a)及び(b)の規則性を有するn個のコイル50を直列に連結して第iコイル群5iGを構成する(ただし、iは1から6までの自然数。)。
このような突極40及びコイル50の構造とすることで、極数が比較的多くした結果、高トルクを出力することが可能でありながら、比較的小型でスロットの幅が狭いモータを実現し提供することができる。
(3)巻線58の短縮
実施形態1に係るモータ10において、例えば、第1突極群41Gのn個の第1突極41には、直列に連結されたn個のコイル50からなる第1コイル群51Gが装着されており、コイル50は、隣接する第1突極41間において当該コイル50を構成する巻線58の一部である渡り線59によって第1突極41の先端側又は基端側で渡されている。つまり、1つの相に係るコイル群が、1つの群に係るn個の突極に対し、連続するようにして直列に連結されて装着されており、また、渡り線が隣接する突極間で渡されている。
このため、巻線を分布巻する場合や、U相、V相及びW相の電流が供給されるコイルを円周方向に順番に隣り合うようにして配置するように巻線を巻回する場合とは異なり、巻線を這わすためのスペースを別途設ける必要もなく、モータの小型化を図ることができる。また、渡り線の長さを最小限にできるので巻線の総延長も短くなり、モータの軽量化を図ることができる。加えて、巻線を総延長したときの抵抗値を抑えることができ、モータのエネルギー効率向上を図ることができる。
(4)回転軸RAを中心とした点対称の関係を持たせた励磁
実施形態1に係るモータ10においては、n個の第1突極41によって構成される第1突極群41G、n個の第2突極42によって構成される第2突極群42G、n個の第3突極43によって構成される第3突極群43G、n個の第4突極44によって構成される第4突極群44G、n個の第5突極45によって構成される第5突極群45G、及び、n個の第6突極46によって構成される第6突極群46Gが、この順番でステータ30の円周方向に沿って配設されている。第1突極群41G及び第4突極群44G、第2突極群42G及び第5突極群45G、並びに、第3突極群43G及び第6突極群46Gは、それぞれにおいて機械角にして互いに180°ずれた位置(回転軸RAを中心として点対称となるように)に位置するように配設されている。これらの6個の突極群にはそれぞれ対応したコイル群が装着されており、第1コイル群51G及び第4コイル群54GにU相の電流が供給され、第2コイル群52G及び第5コイル群55GにV相の電流が供給され、並びに、第3コイル群53G及び第6コイル群56GにW相の電流が供給されるように構成されている。
このように、第1突極群41G及び第4突極群44Gといった対となる突極群同士が互いに機械角180°ずれた位置に配設されて、これら対の突極群にそれぞれ対応したコイル群に同相の電流が供給されるため、回転軸RAを挟んで両突極群が励磁されることとなり、「偏った励磁による問題」を惹き起こすことなく、円滑且つ安定した回転をするモータを得ることができる。
上記(1)~(4)からも理解できるように、実施形態1に係るモータ10によれば、サイズ及び重量を抑えつつも(小型・軽量を実現しつつ)、極数が比較的多いモータを得ることができる。また、極数を増やすことにより起動時及び低速運転時を中心に高トルクを出力することができる。このようにして、結果的に、サイズ及び重量を抑えつつも(小型・軽量を実現しつつ)、極数が比較的多く、高トルクを出力することができ、ダイレクトドライブにも適したモータを提供することができる。
(5)実施形態1に係るモータ10においては、第1コイル群51Gと第4コイル群54Gとが直列に接続され、第2コイル群52Gと第5コイル群55Gとが直列に接続され、第3コイル群53Gと第6コイル群56Gとが直列に接続されている。
もし、例えば、第1コイル群51G及び第4コイル群54Gが並列接続されている場合、それぞれのコイル群の一端はそれぞれ動力リード線のノードに集中するように接続されることとなり、また、それぞれのコイル群の他端はそれぞれ別のノードに接続されることとなる。
一方、実施形態1に係るモータ10によれば、回転角を中心とした点対称の関係にある2つのコイル群(上記例でいえば、第1コイル群51Gと第4コイル群54G。)が直列接続されていることから、上記のような特定ノードへの集中的な接続は無くなり、並列接続されている場合に比べて配線スペースが省かれ、一層小型・軽量となる。
(6)従来、ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にありながらも、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあるような極数が多い仕様のモータにあっては、これを実現することが困難であった。
実施形態1に係るモータ10によれば、ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にありながらも、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあるような極数が多い場合であっても、好適に所望のモータを実現することができる。
(7)従来、隣接する突極間の間隔が巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあるような、スロットの幅が狭いモータにあっては、これを実現することが困難であった。
実施形態1に係るモータ10によれば、隣接する突極間の間隔が巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあるような、スロットの幅が巻線の直径に対して狭い場合であっても、好適に所望のモータを実現することができる。
なお、実施形態1では、スロットSLにおいて、巻線58を重ねるように巻回するのではなく、一重巻としている。一重巻とすることで極めて狭いスロットSLであっても、比較的容易に巻線58を収容しコイル50を突極40に装着することができる。
(8)実施形態1における突極40は、-r方向に沿って視たときに、モータ10の円周方向における長さL2よりも、これと垂直な方向の長さL1の方が長くなっている。このため、極数が多くなり必然的にL2が小さくなった場合であっても、L1がL2よりも長いため、突極40の先端であって永久磁石24と対向する部分の面積を相応に確保することができ、極数が多いながらも高トルク化を図ることができる。
(9)実施形態1に係るモータ10によれば、突極数が6n個であり、永久磁石が有する磁極数が(6n±2)個であるため、(ア)突極数が偶数であることから「偏った励磁による問題」を惹き起こすことなく、円滑且つ安定した回転を得ることができる。また、(イ)突極数と永久磁石が有する磁極数との差が、偶数のうち最小である2となっていることから、突極数及び永久磁石が有する磁極数の最小公倍数を大きくすることができ、いわゆるコギングトルクの脈動を抑制することができる。コギングトルクの脈動を抑制することにより振動を抑えるだけでなく、エネルギー損失を抑え、起動時のトルクを高めることができる。また、円滑且つ安定した回転を得ることができる。
(10)ダイレクトドライブ用のモータは、起動時及び低速運転時に、高トルクを出力することができ、円滑且つ安定した回転が得られることが期待されている。
実施形態1に係るモータ10によれば、(a)極数が比較的多い、(b)同相で励磁される突極群同士が互いに機械角180°ずれた位置に対となって配設されている、(c)ロータ20の永久磁石24が有する磁極数と突極数とが所定の関係を有している(永久磁石24の配置ピッチと突極40の配置ピッチとが所定の関係を有している)等の理由から、起動時や低速運転時にも、高トルクを出力することができ、また、振動やコギングトルクの脈動が抑制されて円滑且つ安定した回転を得ることができる。このため、実施形態1に係るモータ10によれば、ダイレクトドライブの用に適したモータを提供することができる。
5.実施形態1に係るモータ10の製造方法
次に、実施形態1に係るモータ10の製造方法について説明する。
図7は、実施形態1に係るモータ10の製造方法を説明するために示すフローチャートである。図8は、実施形態1に係るモータ10の製造方法を説明するために示す図である。図9は、実施形態1に係るモータ10の製造方法における嵌装部610の寸法の変更を説明するために示す図である。
実施形態1に係るモータ10を製造するモータの製造方法は、図7に示すように、巻線巻回工程S100、第iコイル群整形工程S200、及び、コイル嵌込工程S300を含む。なお、iは1から6までの自然数とする。
以下に、実施形態1に係るモータ10の製造方法を各工程に沿って説明する。
(1)巻線巻回工程S100
巻線巻回工程S100は、少なくとも第jコイル形成ステップS110、第j渡り線形成ステップS120、及び、第(j+1)コイル形成ステップS130、第(j+1)渡り線形成ステップS140をこの順番で有する(図7参照。)。なお、jは1からn-2までの何れかの自然数とする。
第jコイル形成ステップS110においては、棒状のコイル製作治具600の長手方向に平行な軸をx軸と定義し、x軸に垂直な軸をy軸と定義し、x軸及びy軸にそれぞれ垂直な軸をz軸と定義したとき、x軸に沿ってyz平面を平面視したときに、コイル製作治具600に対し、第1回転方向WS1に周るようにして、巻線58をt回巻回して第jコイル50jを形成する《図8(a)参照。》。
第j渡り線形成ステップS120においては、巻線58を第1回転方向WS1に半回するようにして、第jコイル50jと第(j+1)コイル50j+1との間を渡す部分となる第j渡り線59jを形成する《図8(a)参照。》。なお、図8(a)においては、第1コイル501と第2コイル502《図8(a)においては図示しない。》との間を渡す部分となる第1渡り線591を形成する様子を図示している。
第(j+1)コイル形成ステップS130においては、コイル製作治具600に対し、第1回転方向WS1に周るようにして、巻線58をt回巻回して第(j+1)コイル50j+1を形成する《図8(b)参照。》。
第(j+1)渡り線形成ステップS140においては、巻線58を第1回転方向WS1に半回するようにして、第(j+1)コイル50j+1と第(j+2)コイル50j+2との間を渡す部分となる第(j+1)渡り線59j+1を形成する《図8(b)参照。》。
以上の巻線巻回工程S100を実施することにより、直列に連結された複数個コイルを形成するようにコイル製作治具600に対し巻線58を巻回することができる《図8(b)参照。》。
(2)第iコイル群整形工程S200
第iコイル群整形工程S200は、少なくとも第jコイル分離ステップS210及び第j渡り線折曲ステップS220をこの順番で有する(図7参照。)。
第jコイル分離ステップS210においては、第jコイル50jをコイル製作治具600から分離する。
第j渡り線折曲ステップS220においては、第jコイル50jの内径及び第(j+1)コイル50j+1の内径が同一方向から見えるように第j渡り線59jの少なくとも一部を折り曲げる。図8(c)においては、第1コイル501をコイル製作治具600から分離しつつ、第1コイル501の内径が同一方向(-z方向)から見えるように第1渡り線591の少なくとも第1コイル501の側を折り曲げた様子を図示している。
このように、少なくとも第jコイル分離ステップS210及び第j渡り線折曲ステップS220を実施することにより、複数個からなるコイルを第iコイル群5iGの一部又は全部として整形することができる《図8(d)参照。》。なお、図8(d)においては、一例として9個からなるコイルについて、第1渡り線591~第8渡り線598それぞれの少なくとも一部が折り曲げられ、第1コイル501~第9コイル509のそれぞれの内径が-z方向から見えるように第iコイル群5iGが整形されている様子を図示している。
(3)コイル嵌込工程S300
コイル嵌込工程S300においては、第iコイル群5iGに属するそれぞれのコイル50jを、ステータ30における第i突極群4iGのうち対応する第i突極4iに対しそれぞれ嵌め込む《図8(e)及び図8(f)参照。なお、図において第iコイル群5iGに属するコイルは一部のみ図示し、他のコイルは図示を省略している。》。
以上、(1)巻線巻回工程S100、(2)第iコイル群整形工程S200及び(3)コイル嵌込工程S300を必要分、繰り返し実施することにより、6n個のコイル50が6n個の突極40にそれぞれ装着される。
なお、コイル製作治具600は、実施形態1において棒状の2個体の材料からなる嵌装部610から構成するが(図8参照。)、これに限定されるものではなく、本発明のモータ10の製造方法を実施できるのであれば如何なる材質、材料、構造等であってもよい。例えば、図9(b)に示す構造の変形としては、x軸に沿って視たときに1個体の矩形又は略楕円形状とすることもできる(図示を省略。)。
また、第1回転方向WS1は、実施形態1においてx軸に沿って視たときのCW方向としているが、本発明のモータ10の製造方法においてはこれに限定されるものではない。第1回転方向WS1をCCW方向としてもよい。
また、実施形態1の巻線巻回工程S100において、1コイル当たりの巻回回数tは、図8ではt=4として図示し説明しているが、本発明のモータ10の製造方法においてはこれに限定されるものではない。例えば、0.5刻みでt=3.5として巻回することもできるし、t=4.5として巻回することもできる。更にまた別の刻みでtの値を設定して巻回することもでき、このようにtの値は、各種寸法、要求されるトルク特性、要求される仕様等に応じて適宜選択することができる。また、実施形態1の巻線巻回工程S100において、巻線58を半回するようにして第j渡り線59jを形成する。図8では巻線58を凡そ0.5回巻くようにしているが、半回の範囲は0.5回に限定されるものではなく、これも適宜選択することができる。
また、第jコイル分離ステップS210は、図8(c)の例では、第1コイル501のみをコイル製作治具600から分離しており、コイルを1個ずつ分離する例を示しているが、本発明のモータ10の製造方法においてはこれに限定されるものではない。例えば、複数個のコイルの単位でコイル製作治具600から分離してもよいし、当該第iコイル群5iGに属するコイル総ての単位でコイル製作治具600から分離してもよい。
さらに、個々のコイルについて第jコイル分離ステップS210及び第j渡り線折曲ステップS220を都度連続して実施しても良いし、複数のコイルについて一括的に第jコイル分離ステップS210及び第j渡り線折曲ステップS220を実施しても良い。
また、図8では、9個のコイルについて、巻線巻回工程S100、第iコイル群整形工程S200及びコイル嵌込工程S300を実施する例を示したが、本発明においてはこれに限定されるものではない。例えば、第i突極群4iGに対応した第iコイル群5iGに必要なコイルの個数をn個としたときに、n個よりも小さい数として(n個を分割して)、第i突極群4iGに対応した第iコイル群5iGに必要なコイルの一部について、巻線巻回工程S100、第iコイル群整形工程S200及びコイル嵌込工程S300を実施してもよい。例えば、n=20のとき、10個ずつ2回に分けて、これらの工程を実施するものとしてもよい。
また、第i突極群4iGに対応した第iコイル群5iGに必要なn個のコイルについて、巻線巻回工程S100及び第iコイル群整形工程S200を実施することが好ましい。例えば、n=20のとき、20個のコイルについて一括的にこれらの工程を実施するのが好ましい。こうすることで、第i突極群4iGに対応した第iコイル群5iGに必要なコイルについて、分割してコイルを製作したうえで後の工程で分割したコイルを継ぐといった作業をせずとも、一括的に当該群に必要なコイルを製作することができるため、コイルを継ぐことによる抵抗値の増加を防ぎ、工程も削減することができる。
6.実施形態1に係るモータ10の製造方法の作用・効果
(1)実施形態1に係るモータ10の製造方法によれば、巻線巻回工程S100でコイル製作治具600に巻きつけるようにして第iコイル群5iGに属する複数のコイルを一括的に一連に形成し、第iコイル群整形工程S200でコイルを突極に嵌め込み易い状態に整形したうえで、コイル嵌込工程S300で、予め整形した一連のコイルを一括的に嵌め込みコイルを突極に装着する。これにより、従来のように巻線をスロットの底に押し込みながら直接突極に巻回するようにしてコイルを装着することもなく、スロットの幅が狭い場合であっても、容易に効率的に量産に適した形で、コイルを突極に装着することができる。
(2)実施形態1に係るモータ10の製造方法によれば、コイル製作治具600に対して巻線58をt回巻回した第jコイル50jの形成、巻線を半回するようにした第j渡り線59jの形成、巻線をt回巻回した第(j+1)コイル50j+1の形成、及び、巻線を半回するようにした第(j+1)渡り線59j+1の形成を、巻回方向を途中で変更することなく、総て同一方向の第1回転方向WS1に周るようにして行う。このため、効率的に量産に適した形で巻線巻回工程S100を実施することができる。
(3)嵌装部610の寸法変更
上記した実施形態1に記載のモータ10の製造方法において、コイル製作治具600は、形成されるコイルの内側に配置される嵌装部610を含み、嵌装部610をx軸に沿ってyz平面を平面視したとき、巻線巻回工程S100においては嵌装部610のyz平面を平面視した長手方向の寸法を第1寸法H1とし、第iコイル群整形工程S200における第jコイル分離ステップS210においては、嵌装部610をいわば窄めるようにして、嵌装部610の寸法を第1寸法H1よりも小さい第2寸法H2に変更して、第jコイル50jを嵌装部610から分離することが好ましい(図9参照。)。
例えば、図9(a)及び図9(b)に示すように、第iコイル群5iGに属する全てのコイルに対応する部位について一括的に、寸法を第1寸法H1から第2寸法H2に変更してもよい。
このように嵌装部610の寸法変更を伴うモータの製造方法によれば、第jコイル分離ステップS210において、嵌装部610を、巻線巻回工程S100で維持した第1寸法H1よりも小さい第2寸法H2に変更して幅を狭くすることにより、コイルの内側と嵌装部610の外側との間に間隙をつくることができる。このため、コイルの分離を容易に行うことができ、コイル分離の際にコイルの形状を崩すこともなく、且つ、一層効率的に量産に適した形態で第jコイル分離ステップS210を実施することができる。
[実施形態2]
以下、実施形態2に係るモータ12について説明する。
図10は、実施形態2に係るモータ12の突極40及び永久磁石24の配置関係を説明するために示す図である。第1突極群41G~第12突極群412Gの境界を便宜上一点鎖線で示している。図10では、突極40及び永久磁石24を中心に示し、コイル等の他の構成要素は図示を省略している。
実施形態2に係るモータ12は、基本的には実施形態1に係るモータ10と同様の構成を有するが、突極群の数、コイル群の数等において、実施形態1に係るモータ10とは異なる。すなわち、実施形態2に係るモータ12は、図10に示すように、突極群を12個有し(第1突極群41G~第12突極群412G)、これに対応するようにしてコイル群を12個有している(第1コイル群51G~第12コイル群512G)。
1.実施形態2に係るモータ12の構成
実施形態2に係るモータ12において、ステータ30が有する突極40の数は、全体で12n個(nは4以上の自然数。)である。これらの突極40は仮想的に12個の突極群に分けられる。なお、nは1突極群が有する突極の数である。図10においてはn=5として表示している。
ステータ30において、n個の第1突極41によって構成される第1突極群41Gが配設されている。これに続いて、第1突極群41Gと同様に、それぞれがn個の突極によって構成される第2突極群42G~第12突極群412Gが、この順番でステータ30の円周方向に沿って配設されている。なお、第1突極群41G及び第7突極群47G、第2突極群42G及び第8突極群48G、第3突極群43G及び第9突極群49G、第4突極群44G及び第10突極群410G、第5突極群45G及び第11突極群411G、並びに、第6突極群46G及び第12突極群412Gは、それぞれにおいて機械角にして互いに180°ずれた位置(回転軸RAを中心として点対称となるように)に位置するように配設されている。
第1突極群41Gのn個の第1突極41には、図3(b)に示すものと同様に、直列に連結されたn個のコイルからなる第1コイル群51Gが装着されている。第2コイル群52G~第12コイル群512Gについても上記第1コイル群51Gと同様に、第2突極群42G~第12突極群412Gにおけるぞれぞれのn個の突極に対し、それぞれが直列に連結されたn個のコイルからなる第2コイル群52G~第12コイル群512Gが装着されている《図10では図示を省略。》。
第1コイル群51G、第4コイル群54G、第7コイル群57G及び第10コイル群510GにはU相の電流が供給される。第2コイル群52G、第5コイル群55G、第8コイル群58G及び第11コイル群511GにはV相の電流が供給される。第3コイル群53G、第6コイル群56G、第9コイル群59G及び第12コイル群512GにはW相の電流が供給される《図10のU相、V相及びW相の表示を参照。》。
すなわち、回転軸RAを挟んで対となる突極群は、互いに機械角180°ずれた位置に配設されて同相の電流が供給される。対となる両突極群は、同じタイミングで回転軸RAを挟んで励磁されることとなる。
その他突極の形状、コイルの装着構造、各種寸法関係等は実施形態1に係るモータ10と同様の構成を有する。また、実施形態2に係るモータ12は、実施形態1に係るモータ10の製造方法と同様の方法で製造することができる。
2.実施形態2に係るモータ12の駆動
図11は、実施形態2に係るモータ12を駆動するための結線関係を説明するために示す回路図である。図12は、実施形態2に係るモータ12が駆動されている様子を説明するために示す図である。図12では、突極40及び永久磁石24を中心に示し、他の構成要素は図示を省略している。なお、第1突極群41G~第12突極群412Gにおいて、励磁された突極群については網掛けを施し、励磁されていない突極群については白抜きの表示としてある。
(1)駆動回路
実施形態2に係るモータ12の駆動回路は、図11に示すように、実施形態1に係るモータ10の駆動回路と同様、いわゆるスター結線により駆動回路を構成することができる。
ただし、実施形態2においては、例えばU相の場合、ノードNuとノードNnとの間に4つのコイル群(第1コイル群51G、第4コイル群54G、第7コイル群57G及び第10コイル群510G)が接続される(図11においては直列接続であるが、これに限定されるものではない。)。V相及びW相に対応するコイル群についても、U相に対応するコイル群と同様の構成で接続される。
(2)回転磁界の印加
上記した駆動回路を用いて、実施形態1において説明した駆動方法と同様、スイッチS1~S6を適宜オン/オフ制御することによって、ノードNu、ノードNv及びノードNwの3つのノードの中から選択された2つのノード間に電流を流すことによって回転磁界を加える。
図12に示すように、例えば第1フェーズではU相及びV相に対応したコイル群(第1コイル群51G、第2コイル群52G、第4コイル群54G、第5コイル群55G、第7コイル群57G、第8コイル群58G、第10コイル群510G及び第11コイル群511G。いずれも図示を省略。)に電流を流し、第1突極群41G、第2突極群42G、第4突極群44G、第5突極群45G、第7突極群47G、第8突極群48G、第10突極群410G及び第11突極群411Gを励磁する《図12(1)参照。》。
すなわち、実施形態1に係るモータ10においては、1周360°のうち大雑把に言うと2箇所(一方サイドの第1突極群41G及び第2突極群42Gと、他方サイドの第4突極群44G及び第5突極群45G)において励磁されることとなるが、実施形態2に係るモータ12においては、4箇所(第1突極群41G及び第2突極群42G、第4突極群44G及び第5突極群45G、第7突極群47G及び第8突極群48G、並びに、第10突極群410G及び第11突極群411G)において励磁がされることとなる。
次に、第2フェーズでは、V相及びW相に対応したコイル群に電流を流し、同様に4箇所(第2突極群42G及び第3突極群43G、第5突極群45G及び第6突極群46G、第8突極群48G及び第9突極群49G、並びに、第11突極群411G及び第12突極群412G)を励磁する《図12(2)参照。》。
第3フェーズ以降も同様に、フェーズが変わる毎に電流を流すコイル群をCW方向にシフトさせて、励磁する突極群をCW方向にシフトさせる《図12(3)及び図12(4)参照。》。これらの駆動を繰り返すようにして第1突極群41G~第12突極群412Gに回転磁界を加える。上記のような駆動によりロータ20が回転する。
3.実施形態2に係るモータ12の作用・効果
(1)参考までに、実施形態1に係るモータ10において、設計条件によっては僅かに振動又は騒音が生じる場合がある。
上記したように実施形態1に係るモータ10を駆動する際には、1つの駆動フェーズにのみ着目すると、1周360°のうち大雑把に言うと2箇所のコイル群に対し電流が供給される。例えば第1フェーズでは、図6(1)に示すように、U相及びV相に対応したコイル群に電流が流され、一方サイドの突極群(第1突極群41G及び第2突極群42G)と他方サイドの突極群(第4突極群44G及び第5突極群45G)とが同じタイミングで回転軸RAを挟んで励磁される。
このとき、これらの励磁により、ロータ20の第1ポイントP1付近及び第3ポイントP3(回転軸RAを挟んで第1ポイントP1と対向する)付近には力Fαが働き回転軸RAに向かって吸引される。
他方、第3突極群43G及び第6突極群46Gは励磁されないため、ロータ20の第2ポイントP2付近及び第4ポイントP4付近にはFαのような力は働かない。つまり、大雑把に言うと1周360°のうちP1及びP3の2箇所にのみ力Fαが働く。
よって、ロータ20は、第1フェーズにおいて、第1ポイントP1付近及び第3ポイントP3付近で僅かに内側に変形し、第2ポイントP2付近及び第4ポイントP4付近では相対的に僅かに外側に変形することとなる。第2フェーズ以降においても同様に、ロータ20は、励磁箇所に対応したポイントにおいて僅かに変形しながら回転していくこととなる。
このようなことから、設計条件によっては、励磁によるロータの変形により僅かに振動又は騒音が生じることとなる。
(2)一方、実施形態2に係るモータ12においては、例えばU相及びV相に対応したコイル群に電流が流される第1フェーズでは、上記したように第1突極群41G及び第2突極群42G、第4突極群44G及び第5突極群45G、第7突極群47G及び第8突極群48G、並びに、第10突極群410G及び第11突極群411Gが同じタイミングで励磁される《図12(1)参照。》。
これらの励磁により、ロータ20の第1ポイントP1付近、第2ポイントP2付近、第3ポイントP3及び第4ポイントP4付近に力Fβが働き回転軸RAに向かって吸引される。つまり、大雑把に言うと1周360°のうちP1~P4の4箇所に力Fβが働くこととなる。
したがって、実施形態2においては、ロータ20が回転軸RAに向かって吸引される力Fβが4箇所に分散して働くため、実施形態1に係るモータ10に比べ、上記した振動又は/及び騒音がより低減されたモータ12とすることができる。
参考までに、近年では、モータを軽量化するためにロータを構成する部材の厚さを薄化する方向にあり、上記振動又は騒音も生じやすい状況になっている。したがって、実施形態2に係るモータ12は、このような状況下において好適に導入することができる。
なお、実施形態2に係るモータ12は、突極群の数、コイル群の数等以外の点においては実施形態1に係るモータ10と同様の構成を有するため、実施形態1に係るモータ10が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態3]
以下、実施形態3に係るモータ13について説明する。
図13は、実施形態3に係るモータ13の突極40及び永久磁石24の配置関係を説明するために示す図である。第1突極群41G~第9突極群49Gの境界を便宜上一点鎖線で示している。図13では、突極40及び永久磁石24を中心に示し、コイル等の他の構成要素は図示を省略している。
1.実施形態3に係るモータ13の構成
実施形態3に係るモータ13は、基本的には実施形態2に係るモータ12と同様の構成を有するが、突極群の数、コイル群の数等において、実施形態2に係るモータ12とは異なる。すなわち、実施形態3に係るモータ13は、図13に示すように、突極群を9個有し(第1突極群41G~第9突極群49G)、これに対応するようにしてコイル群を9個有している(第1コイル群51G~第9コイル群59G)。
なお、図13に示すモータ13においては、n=7として表示している。
第1コイル群51G、第4コイル群54G及び第7コイル群57GにはU相の電流が供給される。第2コイル群52G、第5コイル群55G及び第8コイル群58GにはV相の電流が供給される。第3コイル群53G、第6コイル群56G及び第9コイル群59GにはW相の電流が供給される《図13のU相、V相及びW相の表示を参照。》。
なお、実施形態3に係るモータ13においては、互いに機械角120°ずれた位置に配設された突極群同士に対して同相の電流が供給される。
その他突極の形状、コイルの装着構造、各種寸法関係等は実施形態2に係るモータ12と同様の構成を有する。また、実施形態3に係るモータ13は、実施形態2に係るモータ12の製造方法と同様の方法で製造することができる。
2.実施形態3に係るモータ13の作用・効果
実施形態3に係るモータ13においては、例えばU相及びV相に対応したコイル群に電流が流される第1フェーズでは、上記したように第1突極群41G及び第2突極群42G、第4突極群44G及び第5突極群45G、並びに、第7突極群47G及び第8突極群48Gが同じタイミングで励磁される(図示を省略。)。
これらの励磁により、ロータ20の3箇所(機械角にして互いに120°離間した3箇所)に力Fγが働き回転軸RAに向かって吸引される。つまり、大雑把に言うと1周360°のうちの3箇所に力Fγが働くこととなる(図示を省略。)。
したがって、実施形態3においては、ロータ20が回転軸RAに向かって吸引される力Fγが3箇所に分散して働くため、実施形態1に係るモータ10に比べ、上記した振動又は/及び騒音(実施形態2における説明を参照。)がより低減されたモータ13とすることができる。
なお、実施形態3に係るモータ13は、突極群の数、コイル群の数等以外の点においては実施形態2に係るモータ12と同様の構成を有するため、実施形態2に係るモータ12が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態4]
実施形態4に係るモータ14(図示しない。)は、基本的には実施形態1に係るモータ10、実施形態2に係るモータ12及び実施形態3に係るモータ13と同様の構成を有するが、突極群の数、コイル群の数等の規定の仕方において、実施形態1に係るモータ10、実施形態2に係るモータ12及び実施形態3に係るモータ13とは異なる。
上記したように、モータが有する突極群の数又は/及びコイル群の数は、実施形態1においては6個、実施形態2においては12個、実施形態3においては9個であった。しかし、本発明においてはこれに限定されるものではない。実施形態4においては、実施形態1、実施形態2及び実施形態3を包含する形で一般に次のような構成を採ることができる。
1.実施形態4に係るモータ14の構成
実施形態4に係るモータ14は、円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列された永久磁石24を有するロータ20と、それぞれに対してコイル50が装着された複数の突極40を有し、複数の突極40が円周方向に沿って配列され、且つ、突極40の先端面が永久磁石24の磁極が配列された面に対向するように形成されたステータ30と、を備える。
ステータ30が有する突極40の数は3mn個である(但し、mは2以上の自然数とし、nは4以上の自然数とする。)。
ステータ30において、n個の第(3k-2)突極によって構成される第(3k-2)突極群、n個の第(3k-1)突極によって構成される第(3k-1)突極群、及び、n個の第(3k)突極によって構成される第(3k)突極群が、この順番でステータ30の円周方向に沿って配設されている(但し、kは1~mまでの自然数。)。
なお、「この順番でステータ30の円周方向に沿って配設されている」とは、別言すると、各突極群に付された突極群番号が1ずつ増加する順番で各突極群がステータの円周方向に沿って配設されている、という意味である。
これらの突極群に対応するようにして、第(3k-2)突極群のn個の第(3k-2)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k-2)コイル群が装着されている。また、第(3k-1)突極群のn個の第(3k-1)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k-1)コイル群が装着されている。さらに、第(3k)突極群のn個の第(3k)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k)コイル群が装着されている。
実施形態4に係るモータ14が駆動される際には、第(3k-2)コイル群にはU相の電流が供給され、第(3k-1)コイル群にはV相の電流が供給され、及び、第(3k)コイル群にはW相の電流が供給される。
一方、各突極40は、ステータ30の半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されている。
第1突極群41G~第(3m)突極群《符号は一般に4(3m)Gとなる。》のそれぞれにおいて、コイル50は、隣接する突極40間で巻回方向が互いに逆になるように突極40に対して装着され、且つまた、コイル50は、隣接する突極40間において当該コイルを構成する巻線58の一部である渡り線59によって突極40の先端側又は基端側で渡され、且つ、渡り線59は、隣接するスロット34間で先端側又は基端側の関係が逆になっている。
また、実施形態4に係るモータ14において、隣接する突極40間の間隔が、巻線58の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあることが好ましい。
また、実施形態4に係るモータ14において、ステータ30の直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にあり、且つ、永久磁石24が有する磁極数及び/又は突極40の数が60~240の範囲内にあることが好ましい。
さらに、実施形態4に係るモータ14においては、ロータ20の永久磁石24が有する磁極数は(3mn±m)個であることが好ましい。なお、この場合、3mn±mが偶数となるようにm及びnは選択されるものとする。
ところで、実施形態4に係るモータ14では、1周360°のうち大雑把に言うとm箇所のコイル群に対し電流が供給され、その結果、m箇所の突極群が同じタイミングで励磁される。
実施形態4に係るモータ14においては、磁極数が(3mn±m)個であること、すなわち、突極数3mnに対し、永久磁石24が有する磁極数の余剰分又は不足分がm個であるため、突極と永久磁石の磁極とのズレが、励磁されるm箇所の突極群に1個ずつ均等に配分されることから、ロータ20の1周360°にはバランスよく力が加えられることとなり、より円滑な回転を実現することができる。
なお、実施形態4に係るモータ14のうち、実施形態1に係るモータ10、実施形態2に係るモータ12及び実施形態3に係るモータ13と同様の構成を有する構成要件については、基本的に実施形態1、実施形態2及び実施形態3における説明を援用する。
2.実施形態4に係るモータ14の効果
実施形態4に係るモータ14は、ステータ30において、n個の第(3k-2)突極によって構成される第(3k-2)突極群、n個の第(3k-1)突極によって構成される第(3k-1)突極群、及び、n個の第(3k)突極によって構成される第(3k)突極群が、この順番でステータ30の円周方向に沿って配設されている(但し、kは1~mまでの自然数。)。また、これらの突極群に対応するようにして、第(3k-2)突極群のn個の第(3k-2)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k-2)コイル群が装着されている。また、第(3k-1)突極群のn個の第(3k-1)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k-1)コイル群が装着されている。さらに、第(3k)突極群のn個の第(3k)突極には、直列に連結されたn個のコイルからなる第(3k)コイル群が装着されている。
このような構成のモータ14は、各駆動フェーズにおける励磁により、ロータ30の回転軸RAを中心とした1周360°のうちm箇所に対して力Fβ(実施形態2における力Fβの説明を参照。)が働くこととなる。
したがって、実施形態4においては、6個に限らず、9個、12個、15個、・・・、3m個と突極群の数又は/及びコイル群の数を増やした設計を採用することにより、ロータ20が回転軸RAに向かって吸引される力Fβをm箇所に分散して働かせることができるため、振動又は/及び騒音がより低減されたモータ14とすることができる。
なお、実施形態4に係るモータ14は、突極群の数、コイル群の数等の規定の仕方以外の点においては実施形態1に係るモータ10、実施形態2に係るモータ12及び実施形態3に係るモータ13と同様の構成を有するため、実施形態1に係るモータ10、実施形態2に係るモータ12及び実施形態3に係るモータ13が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態5]
以下、実施形態5に係るモータ10aについて、図14及び図15を用いて説明する。
図14は、実施形態1に係るモータ10と実施形態5に係るモータ10aを比較するために、実施形態1に係るモータ10の突極40及び永久磁石24の配置関係を示す図である。図15は、実施形態5に係るモータ10aの突極40の配置を示す図である。いずれの図も、突極40及び永久磁石24を中心に示し、他の構成要素は図示を省略している。
1.実施形態5に係るモータ10の突極40及び永久磁石24の配置(比較用)
まず、上記した実施形態1に係るモータ10は、図14に示すように、突極数が6n個(ただし、nは4以上の自然数。)であるところ、ロータ20の永久磁石24が有する磁極数は(6n±2)個となっている。また、n個の突極40は、機械角にして360°/6nのピッチを互いに保ちながらそれぞれ配設されている。
なお、実施形態1に係るモータ10においては、「疑似突極数」=突極数=6n個となっている。
また、参考までに図14では、n=4として図示されており、突極数は24個、永久磁石が有する磁極数は26個、突極40の配置ピッチは15°となっている。「疑似突極数(突極数24個と等しい。)」及び永久磁石が有する磁極数(26個)の最小公倍数は312である。
実施形態1に係るモータ10によれば、突極数が6n個であり、永久磁石が有する磁極数が(6n±2)個であるため、(ア)「疑似突極数(突極数と等しい。)」が偶数であることから「偏った励磁による問題」を惹き起こすことなく、円滑且つ安定した回転を得ることができる。また、(イ)「疑似突極数(突極数と等しい。)」と永久磁石が有する磁極数との差が、偶数のうち最小である2、となっていることから、「疑似突極数(突極数と等しい。)」及び永久磁石が有する磁極数の最小公倍数を大きくすることができ、いわゆるコギングトルクの脈動を抑制することができる。
2.実施形態5に係るモータ10aの構成
一方、実施形態5に係るモータ10aは、基本的には実施形態1にモータ10と同様の構成を有するが、突極数、「疑似突極数」及び永久磁石が有する磁極数の関係、並びに、突極の配設規則において、実施形態1に係るモータ10とは異なる。
すなわち、実施形態5に係るモータ10aは、図15に示すように、突極数が6n個であり、第1突極群41G~第6突極群46Gのそれぞれにおいて、同相の電流によって励磁される同一突極群に属するn個の突極40は、実際の突極数6nよりも多い数(i)又は少ない数(ii)である「疑似突極数」に基づいて算出したピッチに基づいて等ピッチθ1を保ちながら配設されている。そして、当該突極群に属するn個の突極のうち当該突極群の端に位置するA突極と、当該突極群に隣接する別の突極群に属するn個の突極のうち前記別の突極群の端に位置し前記A突極に隣接するB突極とは、「疑似突極数」に基づいて算出したピッチよりも広いピッチθ2《(i)の場合は増加分のピッチを6で除した分だけ広く。》、又は、狭いピッチθ2《(ii)の場合は減少分のピッチを6で除した分だけ狭く。》を互いに保ちながら配設されている。
ここで、「疑似突極数」は、実際の突極数6nよりも多い数であるほうが好ましい。所定サイズの直径を有するモータに比較的多い突極を設ける場合には、元々極めて狭いスロットとなるため、このように「疑似突極数」を実際の突極数6nよりも多い数としてA突極及びB突極の間のピッチθ2が広くなる方向となれば、コイル装着の難易度も下がるからである。
さらには、実施形態5に係るモータ10aは、図15に示すように、突極数が6n個であり、ロータ20の永久磁石24が有する磁極数は(6n+2)個であり、第1突極群41G~第6突極群46Gのそれぞれにおいて、当該突極群に属するn個の突極40は、機械角にしてθ1=360°/(6n+1)のピッチを保ちながら配設されており、当該突極群に属するn個の突極のうち当該突極群の端に位置するA突極と、当該突極群に隣接する別の突極群に属するn個の突極のうち前記別の突極群の端に位置し前記A突極に隣接するB突極とは、機械角にしてθ2={360°/(6n+1)}+360°/(6n+1)/6のピッチを互いに保ちながら配設されていることが好ましい。
以下、一例として図15を用いて具体的に説明を続ける。
図15に示す実施形態5に係るモータ10aは、n=4であり、突極数は24個、永久磁石が有する磁極数は26個となる。そして、例えば第1突極群41Gの内に配設された突極40を局所的に見ると、「疑似突極数」は(6n+1)個すなわち25個となる。このとき、第1突極群41Gの内の突極40の配設ピッチはθ1=360°/(6n+1)すなわち14.4°となる。当該第1突極群41Gに属する4個の突極のうち当該第1突極群41Gの端に位置するA突極と、当該第1突極群41Gに隣接する別の突極群(第2突極群42G)に属する4個の突極のうち第2突極群42Gの端に位置しA突極に隣接するB突極とは、θ2={360°/(6n+1)}+360°/(6n+1)/6すなわち16.8°のピッチを互いに保ちながら配設されることとなる。
なお、「疑似突極数(25)」及び永久磁石が有する磁極数(26)による最小公倍数は650である。
第2突極群42G~第6突極群46Gのそれぞれにおいても、上記と同様の規則によって、突極40が配設される。
3.実施形態5に係るモータ10aの作用・効果
(1)上記したように実施形態5に係るモータ10aにおいては、(ウ)永久磁石が有する磁極数を6n+2としたうえで、同一突極群に属する突極同士を機械角にして360°/(6n+1)のピッチを保ちながら配設しているので、同一突極群内を局所的に見ると「疑似突極数」は(6n+1)個となり、「疑似突極数」及び永久磁石が有する磁極数の差が最小の1となる。このため、「疑似突極数」及び永久磁石が有する磁極数の最小公倍数を、実施形態1に係るモータ10における最小公倍数より更に大きくすることができ、コギングトルクの脈動を更に抑制することができる。
例えば、図14に示す実施形態1に係るモータ10と、図15に示す実施形態5に係るモータ10aとを例に、次の表にて比較する。
Figure 0007015050000001
図14、図15、及び上記表に示すように、仮に実質的に同じのサイズであったとしても、実施形態5に係るモータ10aにおいては、実施形態1に係るモータ10においてより、はるかに大きな最小公倍数とすることができ、コギングトルクの脈動を更に抑制することができる。さらに、コギングトルクの脈動を抑制することにより振動を抑えるだけでなく、エネルギー損失を抑え、起動時のトルクを更に高めることができる。また、更に円滑且つ安定した回転を得ることができる。
(2)実施形態5に係るモータ10aにおいては、(エ)当該突極群に属するn個の突極のうち当該突極群の端に位置するA突極と、当該突極群に隣接する別の突極群に属するn個の突極のうち別の突極群の端に位置しA突極に隣接するB突極とは、機械角にして{360°/(6n+1)}+360°/(6n+1)/6のピッチを互いに保ちながら配設している。このように構成することにより、突極1個分の空ピッチを解消しつつも、対となる突極群同士(ひいてはそれらの突極群に属する突極。)が互いに丁度機械角180°ずれた位置に配設することができ、「偏った励磁による問題」を抑えこんだ、円滑且つ安定した回転をするモータを得ることができる。
ちなみに、もし360°全周について(6n+1)分割をし、それらの分割位置に6n個の突極を配設した場合、実際には突極が配置されない分割スペースが1突極分空いてしまう。また、奇数で分割したがために、対となる突極群同士(ひいてはそれらの突極群に属する突極。)は互いに丁度機械角180°ずれた位置には配設されない。したがって、この場合には多かれ少なかれ「偏った励磁による問題」が残ってしまう。
なお、実施形態5に係るモータ10aは、突極数、突極の配設ピッチを定めるための算定根拠となる疑似突極数及び永久磁石が有する磁極数の関係、並びに、突極の配設規則以外の点においては実施形態1に係るモータ10と同様の構成を有するため、実施形態1に係るモータ10が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態6]
以下、実施形態6に係るモータ10bについて説明する。
実施形態6に係るモータ10b(図示しない。以下、実施形態6に係るモータ10bの構成要件については総て図示を省略している。)は、基本的には実施形態1に係るモータ10と同様の構成を有するが、突極数及び永久磁石が有する磁極数の関係において、実施形態1に係るモータ10とは異なる。すなわち、実施形態6に係るモータ10bは、突極数が6n個であり、ロータ20の永久磁石24が有する磁極数は(6n±4)個として構成されている。
実施形態6に係るモータ10bによれば、(ア)突極数が偶数であることから「偏った励磁による問題」を惹き起こすことなく、円滑且つ安定した回転を得ることができる。また、(イ)突極数と永久磁石が有する磁極数との差が4であり、突極数及び永久磁石が有する磁極数の最小公倍数を比較的大きくすることができ、いわゆるコギングトルクの脈動を抑制することができる。
なお、実施形態6に係るモータ10bは、突極数及び永久磁石が有する磁極数の関係以外の点においては実施形態1に係るモータ10と同様の構成を有するため、実施形態1に係るモータ10が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態において記載した構成要素の数、材質、形状、位置、大きさなどは例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)各実施形態においては、ステータ30を回転軸RAに近い側(-r方向の側)とし、ロータ20を回転軸RAに遠い側(r方向の側)とするいわゆるアウター・ロータ型のモータを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ロータ20を回転軸RAに近い側(-r方向の側)とし、ステータ30を回転軸RAに遠い側(r方向の側)とするいわゆるインナー・ロータ型のモータに適用してもよい。
(3)実施形態1に係るモータ10の製造方法においては、巻線巻回工程S100でコイルを一括的に一連に形成し、第iコイル群整形工程S200でコイルを突極に嵌め込み易い状態に整形したうえで、コイル嵌込工程S300で、予め整形した一連のコイルを一括的に嵌め込みコイルを突極に装着する方法としたが、これに限定されるものではない。例えば、巻線58をスロットSLの底に押し込みながら直接突極40に巻回するようにしてコイル50を装着する方法によっても本発明に係るモータ10を得ることができる。
(4)上記までの[発明を実施するための形態]においてモータの製造方法として、実施形態1に係るモータ10の製造方法を説明したが、本発明は実施形態1に係るモータ10に限定されるものではない。他に実施形態5に係るモータ10a、実施形態6に係るモータ10b及び変形例に係るモータに対しても当該製造方法を適用することができる。
(5)各実施形態によって得られるモータは、ダイレクトドライブに用いられるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば減速機を介在させるなどしてダイレクトドライブを行わないモータとして用いてもよい。
(6)実施形態1に係るモータ10においては、図5に示すように、第1コイル群51Gと第4コイル群54Gとが直列に接続され、第2コイル群52Gと第5コイル群55Gとが直列に接続され、第3コイル群53Gと第6コイル群56Gとが直列に接続された構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、これらのコイル群がそれぞれ並列に接続された構成としてもよい。
また、実施形態1に係るモータ10を駆動する回路として、図5に示すように、第1コイル群51G~第6コイル群56Gをいわゆるスター結線した構成の回路としたが、これに限定されるものではない。例えばデルタ結線等他の結線方式を採用した回路としてもよい。
10,10a,10b,900…モータ、20,920…ロータ、22…ロータ本体、24,924…永久磁石、26…ベアリング、30,930…ステータ、32…ステータ基体、40,940…突極、41…第1突極、41G,941G…第1突極群、
42…第2突極、42G,942G…第2突極群、43…第3突極、43G,943G…第3突極群、44…第4突極、44G,944G…第4突極群、45…第5突極、45G,945G…第5突極群、46…第6突極、46G,946G…第6突極群、47G…第7突極群、48G…第8突極群、49G…第9突極群、410G…第10突極群、411G…第11突極群、412G…第12突極群、50,511,512,513,514,950…コイル、51G,951G…第1コイル群、52G,952G…第2コイル群、53G,953G…第3コイル群、54G,954G…第4コイル群、55G,955G…第5コイル群、56G,956G…第6コイル群、57G…第7コイル群、58G…第8コイル群、59G…第9コイル群、510G…第10コイル群、511G…第11コイル群、512G…第12コイル群、58…巻線、59…渡り線、59j…第j渡り線、60…電力リード線、70…信号リード線、600…コイル製作治具、610…嵌装部、AG…エアギャップ、E…電源、Nn,Nu,Nv,Nw…ノード、RA…回転軸、S1,S2,S3,S4,S5,S6…スイッチ、SL…スロット、WS1…第1回転方向

Claims (12)

  1. 円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列された永久磁石を有するロータと、それぞれに対してコイルが装着された複数の突極を有し、前記複数の突極が円周方向に沿って配列され、且つ、前記突極の先端面が前記永久磁石の磁極が配列された面に対向するように形成されたステータと、を備えたモータであって、
    前記ステータが有する前記突極の数は6n個(nは4以上の自然数。)であり、
    前記ステータにおいて、n個の第1突極によって構成される第1突極群、n個の第2突極によって構成される第2突極群、n個の第3突極によって構成される第3突極群、n個の第4突極によって構成される第4突極群、n個の第5突極によって構成される第5突極群、及び、n個の第6突極によって構成される第6突極群が、この順番で前記ステータの円周方向に沿って配設され、前記第1突極群及び前記第4突極群、前記第2突極群及び前記第5突極群、並びに、前記第3突極群及び前記第6突極群は、それぞれにおいて機械角にして互いに180°ずれた位置に位置するように配設されており、
    前記第1突極群のn個の前記第1突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第1コイル群が装着されており、前記第2突極群のn個の前記第2突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第2コイル群が装着されており、前記第3突極群のn個の前記第3突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第3コイル群が装着されており、前記第4突極群のn個の前記第4突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第4コイル群が装着されており、前記第5突極群のn個の前記第5突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第5コイル群が装着されており、前記第6突極群のn個の前記第6突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第6コイル群が装着されており、
    前記第1コイル群及び前記第4コイル群にはU相の電流が供給され、前記第2コイル群及び前記第5コイル群にはV相の電流が供給され、並びに、前記第3コイル群及び前記第6コイル群にはW相の電流が供給され、
    各前記突極は、前記ステータの半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されており、
    前記第1突極群~前記第6突極群のそれぞれにおいて、
    予め巻回しておいた前記コイルが前記突極に嵌め込まれており、
    前記コイルは、隣接する前記突極間で巻回方向が互いに逆になるように前記突極に対して装着され、
    前記コイルは、隣接する前記突極間において当該コイルを構成する巻線の一部である渡り線によって前記突極の先端側又は基端側で渡され、且つ、前記渡り線は、隣接するスロット間で前記先端側又は前記基端側の関係が逆になっていることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    隣接する前記突極間の間隔が、前記巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1又は2に記載のモータにおいて、
    前記ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にあり、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあることを特徴するモータ。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記ロータの前記永久磁石が有する磁極数は(6n±2)個であることを特徴とするモータ。
  5. 請求項1~3のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記ロータの前記永久磁石が有する磁極数は(6n+2)個であり、
    前記第1突極群~前記第6突極群のそれぞれにおいて、
    当該突極群に属するn個の突極は、機械角にして360°/(6n+1)のピッチを保ちながら配設されており、
    当該突極群に属する前記n個の突極のうち当該突極群の端に位置するA突極と、当該突極群に隣接する別の突極群に属するn個の突極のうち前記別の突極群の端に位置し前記A突極に隣接するB突極とは、機械角にして{360°/(6n+1)}+360°/(6n+1)/6のピッチを互いに保ちながら配設されていることを特徴とするモータ。
  6. 円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列された永久磁石を有するロータと、それぞれに対してコイルが装着された複数の突極を有し、前記複数の突極が円周方向に沿って配列され、且つ、前記突極の先端面が前記永久磁石の磁極が配列された面に対向するように形成されたステータと、を備えたモータであって、
    前記ステータが有する前記突極の数は3mn個であり(但し、mは2以上の自然数。nは4以上の自然数。)、
    前記ステータにおいて、n個の第(3k-2)突極によって構成される第(3k-2)突極群、n個の第(3k-1)突極によって構成される第(3k-1)突極群、及び、n個の第(3k)突極によって構成される第(3k)突極群が、この順番で前記ステータの円周方向に沿って配設され(但し、kは1~mまでの自然数。)、
    前記第(3k-2)突極群のn個の前記第(3k-2)突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第(3k-2)コイル群が装着されており、前記第(3k-1)突極群のn個の前記第(3k-1)突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第(3k-1)コイル群が装着されており、前記第(3k)突極群のn個の前記第(3k)突極には、直列に連結されたn個の前記コイルからなる第(3k)コイル群が装着されており、
    前記第(3k-2)コイル群にはU相の電流が供給され、前記第(3k-1)コイル群にはV相の電流が供給され、及び、前記第(3k)コイル群にはW相の電流が供給され、
    各前記突極は、前記ステータの半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されており、
    第1突極群~第(3m)突極群のそれぞれにおいて、
    予め巻回しておいた前記コイルが前記突極に嵌め込まれており、
    前記コイルは、隣接する前記突極間で巻回方向が互いに逆になるように前記突極に対して装着され、
    前記コイルは、隣接する前記突極間において当該コイルを構成する巻線の一部である渡り線によって前記突極の先端側又は基端側で渡され、且つ、前記渡り線は、隣接するスロット間で前記先端側又は前記基端側の関係が逆になっていることを特徴とするモータ。
  7. 請求項6に記載のモータにおいて、
    隣接する前記突極間の間隔が、前記巻線の直径の2.1倍~3.0倍の範囲内にあることを特徴とするモータ。
  8. 請求項6又は7に記載のモータにおいて、
    前記ステータの直径Φが40mm<Φ<200mmの範囲内にあり、且つ、前記永久磁石が有する磁極数及び/又は前記突極の数が60~240の範囲内にあることを特徴するモータ。
  9. 請求項6~8のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記ロータの前記永久磁石が有する磁極数は(3mn±m)個である(但し、m及びnは3mn±mが偶数となるように選択されるものとする。)ことを特徴とするモータ。
  10. 前記モータはダイレクトドライブに用いられるものであることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のモータ。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載のモータを製造するモータの製造方法であって、
    棒状のコイル製作治具の長手方向に平行な軸をx軸と定義し、x軸に垂直な軸をy軸と定義し、x軸及びy軸にそれぞれ垂直な軸をz軸と定義したとき、
    x軸に沿ってyz平面を平面視したときに、1つの前記棒状のコイル製作治具に対し、第1回転方向に周るようにして、前記巻線を同径でt回巻回して第jコイルを形成する第jコイル形成ステップ(jは1からn-2までの何れかの自然数。)、前記巻線を第1回転方向に半回するようにして、第jコイルと第(j+1)コイルとの間を渡す部分となる第j渡り線を形成する第j渡り線形成ステップ、前記1つの棒状のコイル製作治具に対し、第1回転方向に周るようにして、前記巻線を同径でt回巻回して第(j+1)コイルを形成する第(j+1)コイル形成ステップ、及び、前記巻線を第1回転方向に半回するようにして、第(j+1)コイルと第(j+2)コイルとの間を渡す部分となる第(j+1)渡り線を形成する第(j+1)渡り線形成ステップを有し、直列に連結された複数個コイルを形成するように前記1つの棒状のコイル製作治具に対し前記巻線を巻回する巻線巻回工程と、
    少なくとも前記第jコイルを前記1つの棒状のコイル製作治具から分離する第jコイル分離ステップ、及び、第jコイルの内径及び第(j+1)コイルの内径が同一方向から見えるように前記第j渡り線の少なくとも一部を折り曲げる第j渡り線折曲ステップを少なくとも有し、複数個からなるコイルを第iコイル群(但し、iは1から3mまでの自然数。mは2以上の自然数。)の一部又は全部として整形する第iコイル群整形工程と、
    前記第iコイル群に属するそれぞれのコイルを、前記ステータにおける前記第i突極群のうち対応する第i突極に対しそれぞれ嵌め込むコイル嵌込工程と、
    を含むことを特徴とするモータの製造方法。
  12. 請求項11に記載のモータの製造方法において、
    前記コイル製作治具は、形成されるコイルの内側に配置される嵌装部を含み、
    前記嵌装部をx軸に沿ってyz平面を平面視したとき、前記巻線巻回工程においては前記嵌装部の長手方向の寸法を第1寸法とし、
    前記第iコイル群整形工程における第jコイル分離ステップにおいては、前記嵌装部の寸法を前記第1寸法よりも小さい第2寸法に変更して、前記第jコイルを前記嵌装部から分離することを特徴とするモータの製造方法。
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