JP7014229B2 - 水中油型乳化組成物及びその製造方法、ならびに化粧料 - Google Patents

水中油型乳化組成物及びその製造方法、ならびに化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーンレジンを含む水中油型乳化組成物及び化粧料に関するものである。
マスカラ等のアイメイク、スキンケア等のメークアップ化粧料の分野では、化粧料に良好な特性を付与すべく、耐水性、耐油性があり、化粧くずれを防止する樹脂の開発が行なわれてきた。樹脂としては、化粧くずれしにくく、化粧持続性に優れるということが重要であり、撥水性のあるシリコーン油やシリコーン樹脂が多く使用されている。化粧料に使用されている撥水性のあるシリコーン油やシリコーン樹脂としては、シリコーンレジンやオルガノハイドロジェンポリシロキサンとビニル基含有オルガノポリシロキサンとを付加重合したシリコーン架橋物や、アクリル-シリコーングラフト共重合体等が挙げられる(特許文献1:特開2009-9814号公報、特許文献2:特許第2796856号公報、特許文献3:特許第2704730号公報、特許文献4:特開2017-66092号公報)。その中でも、シリコーンレジンは架橋単位の割合や重合度を変えることで、容易に皮膜の硬さを調整することができるため、化粧料の用途によって構造を使い分けることにより、多くの化粧料に用いられている。
また、近年環境負荷や皮膚への刺激性の観点から、メークアップ化粧料等では、油中水型化粧料だけでなく、シリコーンレジンを含む水中油型乳化組成物が多く使用されている(特許文献5:特許第4846423号公報)。シリコーンレジンは固体もしくは高粘調の液体であり、そのまま乳化することが困難なため、一般的にはシリコーンレジンをイソドデカン等の炭化水素系溶剤や低粘度のシリコーンオイル等に溶解し、界面活性剤と混合し乳化する。化粧料向けの場合、シリコーンレジンを溶解するにはシリコーンレジンと同量以上の溶剤が使用されており、溶剤がシリコーンレジンの特性の阻害をし、また皮膚への刺激性を生じる場合がある(特許文献1:特開2009-9814号公報、特許文献4:特開2017-66092号公報、特許文献5:特許第4846423号公報、特許文献6:特許第3220953号公報)。そのため、シリコーンレジンに対し、イソドデカン等の炭化水素系溶剤や、低粘度のシリコーンオイル等の割合が少ない水中油型乳化組成物が求められている。しかしながら、シリコーンレジンに対しイソドデカン等の炭化水素系溶剤や低粘度のシリコーンオイル等の割合が少ないと、皮膜にひびが生じたり、固体が析出したり、皮膜にハジキが生じるおそれがあり、さらに、水中油型乳化組成物の乳化粒子が小粒径になりにくく、経時で濃淡分離を生じる場合がある。これまでに、シリコーンレジンに対して5~25質量%の特定の水混和性有機溶剤を配合して乳化したシリコーンレジンの乳化組成物(特許文献7:特許第5163888号公報、特許文献8:特開2008-138059号公報)が提案されているが、それらの溶剤は化粧料に使用できるものではないため、化粧料にも使用可能な溶剤を少量使用したシリコーンレジンの乳化組成物が求められてきた。
また、シリコーンレジンを乳化するための界面活性剤としては、一般的にポリオキシエチレンラウリルエーテルやポリオキシエチレンデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル(特許文献6:特許第3220953号公報、特許文献7:特許第5163888号公報、特許文献8:特開2008-138059号公報)が使用されているが、それらの界面活性剤は皮膚への刺激性があり、使用が懸念される。そこで、皮膚への刺激性が少なく、体に入っても害の少ない界面活性剤の使用が求められるが、刺激性が少なく、かつ食品添加物として認められているポリグリセリン脂肪酸エステル等は、乳化力が弱く、ポリグリセリン脂肪酸エステル等で乳化した水中油型乳化組成物は経時で濃淡分離を生じるおそれがある。
以上のことから、マスカラ等のアイメイク、スキンケア等のメークアップ化粧料に配合すると、化粧料の持続性(化粧持ち)がより向上し、化粧料にひびや固体の析出やハジキが少なく、また皮膚に対する刺激性が少なく、体に入っても害の少ない、保存安定性の良好なシリコーンレジンの水中油型乳化組成物が求められてきた。
特開2009-9814号公報 特許第2796856号公報 特許第2704730号公報 特開2017-66092号公報 特許第4846423号公報 特許第3220953号公報 特許第5163888号公報 特開2008-138059号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、例えば、マスカラ等のアイメイク、スキンケア等のメークアップ化粧料に配合すると、化粧料の持続性がより向上し、また皮膚上でのハジキやひび割れや固体の析出が生じにくく、皮膚に対する刺激性が少なく、体に入っても害の少ない保存安定性の良好なシリコーンレジンを含む水中油型乳化組成物、及びこれを配合した化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)特定の(A-1)シリコーンレジンと(A-2)揮発性油とを特定比率で混合し、25℃における粘度が100~4,000mm2/sであるシリコーンレジン組成物を、(B)エチレンオキサイド(EO)平均付加モル数が10以上で、かつHLBが11以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにより乳化した水中油型乳化化粧料が上記課題を解決できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。より詳細には、本発明は、(A-1)シリコーンレジンと(A-2)揮発性油の比率が70/30~92/8と従来のシリコーンレジンの揮発性油の溶解品と比較して、(A-2)の揮発性油の割合が少ないため、(A-1)シリコーンレジンの特性を阻害しにくく、かつ揮発性油等による皮膚への刺激性が少ない。また、(A)シリコーンレジン組成物の粘度が100~4,000mm2/sの範囲になるシリコーンレジンを選択することで、高圧ホモジナイザー等の特殊な装置を使用することなく、ホモミキサーやホモディスパー等の一般的な撹拌機により乳化が可能であり、それにより製造した水中油型乳化組成物の乳化粒子は細かく、経時で濃淡分離等を生じることなく安定である。さらに、本発明の水中油型乳化組成物は食品添加物にも認められているポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用しているため、皮膚への刺激性が少なく、体内に入っても害が少ない。
従って、本発明は下記水中油型乳化組成物及び化粧料を提供する。
1.下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する水中油型乳化組成物。
(A)下記(A-1)成分と(A-2)成分とを、(A-1)/(A-2)で表される質量比で70/30~92/8の割合で混合した混合物であって、25℃における粘度が100~4,000mm2/sであるシリコーンレジン組成物:30~70質量%
(A-1)[R3SiO0.5]単位と[SiO2]単位とを有し、[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位で表されるモル比が0.7~1.4であるシリコーンレジン
(式中、Rは同一又は異種の炭素数1~10の1価有機基である。)
(A-2)揮発性油
(B)エチレンオキサイド(EO)平均付加モル数が10以上で、かつHLBが11以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル:2~10質量%
(C)水:20~62質量%
2.乳化粒子の平均粒径が400nm以下である1記載の水中油型乳化組成物。
3.(A-2)成分が、炭化水素油及び25℃において粘度が2mm2/s以下のシリコーン油から選ばれる1種以上の揮発性油である、1又は2記載の水中油型乳化組成物。
4.(B)成分が、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びモノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタンから選ばれる1種以上である1~3のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
5.(A-1)成分の[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位で表されるモル比が1.1~1.4である1~4のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
6.(A-1)成分が、36℃において5,000mPa・s以上の液状のシリコーンレジンである1~5のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
7.さらに、(D)1,3ブチレングリコール、グリセリン、マルチトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール及びトリメチルグリシンから選ばれる成分を0.1~5質量%含有する1~6のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
8.さらに、(E)水溶性高分子化合物を0.1~5質量%含有する1~7のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
9.さらに、(F)合成非晶質シリカを0.1~10質量%含有する1~8のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
10.1~9のいずれかに記載の水中油型乳化組成物を含む化粧料。
マスカラ等のアイメイク、スキンケア等のメークアップ化粧料に配合すると、化粧料の持続性がより向上し、また皮膚上でのハジキ、ひび割れ及び固体の析出が生じにくく、皮膚に対する刺激性が少なく、体に入っても害の少ない保存安定性の良好なシリコーンレジンを含有する水中油型乳化組成物、及びこれを含む化粧料を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、下記(A-1)成分と(A-2)成分とを、(A-1)/(A-2)で表される質量比で70/30~92/8の割合で混合した混合物であって、25℃における粘度が100~4,000mm2/sであるシリコーンレジン組成物である。
(A-1)[R3SiO0.5]単位と[SiO2]単位とを有し、[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位で表されるモル比が0.7~1.4であるシリコーンレジン
(式中、Rは同一又は異種の炭素数1~10の1価有機基である。)
(A-2)揮発性油
(A-1)成分は、[R3SiO0.5]単位と[SiO2]単位とを有し、[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位で表されるモル比が0.7~1.4であるシリコーンレジンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。式中、Rは同一又は異種の炭素数1~10の1価有機基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基等が挙げられる。中でも、メチル基又はフェニル基が好ましく、汎用性の観点から特にメチル基が好ましい。
[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位で表されるモル比は0.7~1.4であり、1.1~1.4が好ましい。0.7未満では皮膜が硬く、皮膜にひびが生じたり、固体が析出したりする場合がある。1.4を超えると皮膜が柔らかすぎて化粧膜として使用した場合、持続性の効果を発揮しない。なお、[R3SiO0.5]単位及び[SiO2]単位の他に、さらに[R2SiO]単位又は[RSiO1.5]単位を有してもよい。[R3SiO0.5]単位及び[SiO2]単位の合計単位の割合は、全シロキサン単位30~100モル%が好ましく、50~100モル%がより好ましく、80~100モル%がさらに好ましい。また、[R2SiO]単位の含有率は、全シロキサン単位の0~70モル%、好ましくは0~50モル%とすることができる。50%を超えると、皮膜が柔らかすぎて、水中油型乳化組成物を化粧料に配合した場合、持続性の効果が発揮できないおそれがある。[RSiO1.5]単位の含有率は、全シロキサン単位の0~50モル%、好ましくは0~20モル%とすることができる。50%を超えると、水中油型乳化組成物を化粧料に配合した場合にべたつきが生じるおそれがある。
また、(A-1)成分は、SiOH基,SiOR1基を含有してもよい。R1は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。この場合、[HOSiO1.5]単位、[R1OSiO1.5]単位等として含有される。SiOH基の含有量としては特に指定はないが、含有する場合は、0.015~0.3mol/100gであることが好ましい。0.3mol/100gより大きいと、水中油型乳化組成物中で、シリコーンレジンのSiOH基同士やSiOH基とSiOR1基が反応し、シリコーンレジンの重合度が変わるおそれがある。また、SiOR1基の含有量としては特に指定はないが、0~0.5mol/100gであることが好ましい。水中油型乳化組成物中で徐々にシリコーンレジン(A-1)のSiOR1基が加水分解してアルコールを生じるが、SiOR1基の含有量が0.5mol/100g以上だと加水分解して生じるアルコール量が多くなり、そのアルコールが化粧料の特性を阻害するおそれがある。
さらに、(A-1)成分の重量平均分子量は、800~20,000が好ましく、1,000~6,000がより好ましく、1,000~3,000がさらに好ましい。重量平均分子量が800未満では、水中油型乳化組成物を化粧料に配合した場合、持続性の効果が発揮できないおそれがある。一方で、20,000を超えると皮膜が硬く皮膜にひびが生じたり、固体が析出したり、ハジキが生じる場合がある。なお、本発明における重量平均分子量は、GPC分析によるポリスチレン換算の重量平均分子量である。さらに、(A-1)成分は、人の体温である36℃において5,000mPa・s以上の液状のシリコーンレジンであることが好ましい。具体的には、36℃で容器にシリコーンレジンを入れて容器を90度に傾けると、シリコーンレジンの形状が1時間以内に変形するものである。36℃で流動性のある液状のシリコーンレジンを使用することで、人の肌に塗工したときでも塗れムラやひびが生じることなく、固体の析出のない皮膜を形成することができる。さらに、(A-1)成分の絶対粘度は36℃において5,000mPa・s以上であることが好ましく、8,000mPa・s以上であることがより好ましい。36℃においてシリコーンレジン(A-1)の絶対粘度が5,000mPa・s未満であると、水中油型乳化組成物を化粧料に配合したときに、持続性の効果を発揮しなくなるおそれがある。なお、(A-1)成分の絶対粘度は、BM型回転粘度計で測定された値である。
(A-1)成分は、公知の方法で製造することが可能である。例えば、クロロシランやアルコキシシランを加水分解、縮合反応することにより得ることができる。例えば、MQレジンであるシリコーンレジンは、ヘキサメチルシロキサンとエチルシリケート又はエチルポリシリケートのイソプロパノール溶液にメタンスルホン酸を加えた後、水を滴下し約80℃で8時間還流することにより加水分解及び縮合反応を行なう。得られたレジン溶液にアルカリ性の水溶液を加えて酸を中和した後、炭化水素系溶剤又は低粘度のシリコーン油を加えて減圧加熱しアルコール分を留去することによりMQレジンの炭化水素系溶剤又は低粘度シリコーン油の溶解液を得ることができる。
[(A-2)成分]
揮発性油としては、化粧品に使用できるものであり、常圧・25℃において沸点が260℃以下を示すものの中から適宜選択して用いることができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体例としては、シリコーン油、炭化水素油、エステル油等を挙げることができる。中でも、汎用性の観点から、シリコーン油及び炭化水素油が好ましい。
シリコーン油としては、25℃における粘度が2mm2/s以下のものが使用される。なお、この粘度は動粘度であって、オストワルド粘度計による25℃での測定値である(以下、同じ)。粘度が2mm2/sを超えると、25℃では揮発しにくくなり、シリコーン油が皮膜に残存し、水中油型乳化組成物を化粧料等に配合した際にはベタツキ感が現れる。シリコーン油としては、下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 0007014229000001
(式中、aは1~3の整数であり、R2は同一又は異種の炭素数1~10の1価有機基であり、nは4~6の整数である。)
なお、R2としては上記Rと同様のものが例示される。
炭化水素油としては、直鎖状又は分岐状で揮発性の炭化水素油等が挙げられる。その具体例としては、イソドデカン、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン等が挙げられる。要求する使用感等によって適宜選択すればよいが、汎用性の観点からイソドデカン、イソパラフィン等が好ましい。
エステル油としては酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。
(A-1)シリコーンレジンと(A-2)揮発性油との質量比は、(A-1)/(A-2)=70/30~92/8であり、好ましくは80/20~90/10である。70/30より揮発性油(A-2)の割合が多くなると、水中油型乳化組成物を含む化粧料を塗工した際に、ひび割れが生じ、揮発性油(A-2)がすぐに揮発せず、化粧料の特性を阻害する又は皮膚に刺激を与えるおそれがある。一方で、92/8よりシリコーンレジン(A-1)が多いと、保存安定性が低下し、経時で濃淡分離を生じるおそれがある。
(A)シリコーンレジン組成物の粘度は25℃で100~4,000mm2/sであり、200~2,000mm2/sが好ましい。(A)シリコーンレジン組成物の粘度が100mm2/s未満だと、ホモミキサーやホモディスパーといった一般的な撹拌機では乳化しにくく、水中油型乳化化粧料の乳化粒子が細かくならず、保存安定性が低下し、経時で濃淡分離を生じるおそれがある。また、シリコーンレジン組成物(A)の粘度が4,000mm2/sより大きいと、本発明の水中油型乳化化粧料の保存安定性が低下し、経時で濃淡分離を生じるおそれがある。
[(B)成分]
(B)成分は、(B)エチレンオキサイド(EO)平均付加モル数が10以上で、かつHLBが11以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このようなソルビタン脂肪酸エステルを用いることで、皮膚に対する刺激性が少なく、塗工性、保存安定性が良好な水中油型乳化組成物を達成することができる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。中でも、乳化性の点からモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタンが好ましい。さらに食品添加物に認可されていることから、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンがより好ましい。
エチレンオキサイドの付加モル数は10以上であり、10~100が好ましく、15~80がより好ましい。エチレンオキサイドの付加モル数が10より少ないと、界面活性剤がシリコーンレジン(A-1)の塗膜の中に残存しやすくなるため、撥水性の低下やべたつきを生じるおそれがある。
HLBは11以上であり、好ましくは13~18、より好ましくは14~17である。HLBはグリフィンの式による。HLBが11未満の液状の界面活性剤を配合すると界面活性剤がシリコーンレジン(A-1)の塗膜の中に残存しやすくなるため、撥水性の低下やべたつきを生じるおそれがある。
一般的に分子量が小さい、又はアミノ基等の官能基を有するもしくは塩を多く含む界面活性剤は、皮膚に対する刺激を生じることが知られている。従って、本発明の水中油型乳化組成物の刺激をより低減させるためには、塩や低分子化合物の含有量がより少ないポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを選択するとよい。
[(C)成分]
水は精製水等を適宜選択して使用することができる。
[(D)成分]
本発明の水中油型乳化組成物には、下記点から、(D)1,3-ブチレングリコール、グリセリン、マルチトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール及びトリメチルグリシンから選ばれる1種以上を配合することが好ましい。(D)成分は水中油型乳化組成物に任意で配合することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、汎用性の観点から、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールが好ましい。
(A)成分を乳化する際に、(D)成分を配合すると、水中油型乳化組成物の乳化粒子が細かくなり、保存安定性がより向上する。また、(D)成分は保湿剤であるため、(D)成分を配合することで水中油型乳化組成物の保湿力が向上し、これを化粧料に配合し肌に塗工した際に、潤いを与えることができる。
[(E)成分]
本発明の水中油型乳化組成物には、皮膜のべたつきを抑える、皮膜の強度を高くする、化粧料に配合したときにより持続性を向上する、乳化性を高める、又は水中油型乳化組成物を増粘させ保存安定性を高める点から、(E)水溶性高分子化合物を配合することが好ましい。なお、水溶性高分子化合物とは、分子内に極性基を有しており、水に分散可能な高分子化合物をいう。水溶性高分子化合物としては、天然高分子化合物でも半合成品でも合成品でもよい。具体的には、デンプン、マンナン、海藻類であるガラクタン、アルギン酸塩、アラビアゴム、デキストラン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、アクリル酸重合体等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
[(F)成分]
本発明の水中油型乳化組成物には、皮膜のべたつきや、化粧料の持続性を高める点から、(F)合成非晶質シリカを配合することが好ましい。合成非晶質シリカとしては、4塩化ケイ素を酸素と水素中で燃焼させる燃焼法による乾式シリカでも、ケイ酸ナトリウムを硫酸で中和する沈殿法やゲル法又はアルコキシシランを加水分解するゾルゲル法による湿式シリカでもよい。合成非晶質シリカは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。合成非晶質シリカの一次粒子の大きさは、1~50nmが好ましく、BET比表面積は50~1,000m2/gが好ましい。なお、合成非晶質シリカの一次粒子の測定方法は、BET吸着法による比表面積測定値(JIS Z8830に準じる)からの換算値である。合成非晶質シリカを粉末状のまま本発明の水中油型乳化組成物に配合する場合は、シリコーンレジン組成物(A)を乳化する際に配合するか、もしくはシリコーンレジン組成物(A)にあらかじめ配合してから乳化する方が、合成非晶質シリカが均一に分散でき、水中油型乳化組成物中で濃淡分離が生じにくくなる。合成非晶質シリカが水に分散された状態であるコロイダルシリカを配合する場合は、シリコーンレジン組成物(A)を乳化する際に配合しても、乳化した後に配合してもよい。合成非晶質シリカとしては配合の容易さからコロイダルシリカが好ましい。
(F)成分としては、具体的には以下の製品が挙げられる。粉末状の乾式シリカとしてはトクヤマ社製のレオロシール、旭化成Wacker社製のHDK V15,HDK N20,HDK T30,HDK T40,HDK H15,HDK H18,HDK H20,HDK H30、日本アエロジル社製のAEROSIL 50,AEROSIL 90G,AEROSIL 130,AEROSIL 200,AEROSIL 200CF,AEROSIL 200V,AEROSIL 200FAD,AEROSIL 300,AEROSIL 300CF,AEROSIL 380,AEROSIL OX50,AEROSIL TT600が挙げられる。粉末状の湿式シリカとしては、東ソーシリカ社製のNIPSIL、NIPGEL AZ-200,NIPGEL AZ-201,NIPGEL AZ-410,NIPGEL AZ-260,NIPGEL AZ-360,NIPGEL AZ-460,NIPGEL AZ-6A0,NIPGEL AY-200,NIPGEL AY-220,NIPGEL AY-420,NIPHEL AY-601,NIPGEL AY-6A3,NIPGEL AY-8A2,NIPGEL BY-001,NIPGEL BY-200,NIPGEL BY-400,NIPGEL BY-601,NIPGEL CX-200,NIPGEL CX-600,NIPGEL CY-200,NIPSIL VN3,NIPSIL AQ,NIPSIL LP,NIPSIL NA,NIPSIL ER,NIPSIL ER-R,NIPSIL RS-150,NIPSIL AQ,NIPSIL NS,NIPSIL NS-T,NIPSIL NS-K,NIPSIL NS-KR,NIPSIL NA,NIPSIL KP,NIPSIL L-300,NIPSIL KQ,NIPSIL NS-P,NIPSIL E-200A,NIPSIL E-220A,NIPSIL K=500,NIPSIL E-1009,NIPSIL E-1011,NIPSIL E-1030,NIPSIL E-150J,NIPSIL E-170,NIPSIL E-200,NIPSIL E-220,NIPSIL E-743,NIPSIL E-75,NIPSIL HD,NIPSIL HD-2,NIPSIL G-300,NIPSIL E-74P,NIPSIL N-300A等が挙げられる。合成非晶質シリカの水分散液であるコロイダルシリカとしては、Akzo novel社製のBINZIL 15/500,BINZIL 30/360,BINZIL 30/220,BINZIL30/80,BINZIL 305,BINZIL 40/220,BINZIL 40/130,BINZIL 50/80,NYACOL 215,NYACOL 830,NYACOL 1430,NYACOL 1440,NYACOL 2040,NYACOL 2050,NYACOL 9950等、日産化学社製のスノーテックス20,スノーテックス30,スノーテックス40,スノーテックスC,スノーテックスN,スノーテックスO,スノーテックスS,スノーテックス20L,スノーテックスOL等、日揮触媒化成社製のCOSMO S-40等が挙げられる。
以下、各成分の水中油型乳化組成物中の配合量について説明する。
(A)成分の配合量は30~70質量%であり、40~60質量%が好ましい。配合量が30質量%より少ないと、化粧料に配合した時に持続性や撥水性等の特性が得られにくい。一方で、70質量%より多いと、本発明の水中油型乳化組成物の粘度が高くなり、取り扱いにくくなる。
(B)成分の配合量は2~10質量%であり、3~7質量%が好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B)の配合量が2質量%より少ないと、水中油型乳化組成物の乳化粒子が細かくならず、保存安定性が低下し、濃淡分離するおそれがある。また、水中油型乳化組成物を塗布した際に、ハジキが生じるおそれもある。一方で、10質量%より多いとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B)がシリコーンレジン(A-1)の特性を阻害し、化粧料の持続性や撥水性が低下するおそれがある。
(C)成分の配合量は20~62質量%であり、30~55質量%がより好ましい。20質量%より少ないと本発明の水中油型乳化組成物の粘度が高くなり、取り扱いにくくなる。一方で、62質量%より多いと水(C)が残存しやすくなり、化粧料の持続性や撥水性が低下するおそれがある。
(D)成分は任意成分であり、配合する場合は、0.1~5質量%が好ましく、0.2~3質量%がより好ましい。(D)成分の配合量を0.1質量%以上とすることで(D)成分を配合する効果が得られる。一方、5質量%より多いと、シリコーンレジン(A-1)の特性を阻害し、化粧料の持続性や撥水性を低下するおそれがある。
(E)成分は任意成分であり、配合する場合は、0.1~5質量%が好ましく、0.2~3質量%がより好ましい。(E)成分の配合量が0.1質量%以上だと(E)成分を配合する効果が得られ、5質量%より多いと、化粧料の撥水性を阻害するおそれがある。
(F)成分は任意成分であり、配合する場合は、0.1~10質量%が好ましく、0.2~5質量%がより好ましい。(F)成分の配合量を0.1質量%以上とすることで(F)成分を配合する効果が得られ、10質量%より多いと、皮膜にヒビを生じるおそれがある。その他、本発明の水中油型乳化組成物には、通常の化粧料に使用される種々の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
[製造方法]
本発明は、上記(A)シリコーンレジン組成物、(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び(C)水を含む組成物を撹拌して乳化(工程(I))する。以下、より好ましい例について、詳細に説明する。
(I)乳化工程
(A)、(B)及び(C)成分を配合し、ホモミキサーもしくはホモディスパーにより高速撹拌することにより乳化する。(A)、(B)及び(C)成分の全量を一度に配合し、乳化すると乳化粒子が細かくならない、もしくは乳化しない場合がある。乳化しない又は乳化粒子が細かくならない場合は、(A)、(B)及び(C)成分の一部を加えて乳化した後に、残りの(A)及び(B)成分を加えて乳化し、目的の乳化粒子の大きさになるまでホモミキサーもしくはホモディスパーにより高速撹拌した後、残りの(C)成分を加えて希釈することにより、容易に乳化することができ、乳化粒子の細かい、保存安定性良好な水中油型乳化組成物を得ることができる。
乳化温度は特に限定されないが、本発明の水中油型乳化組成物の引火点以下にするとよい。0~80℃が好ましく、0~40℃がより好ましい。0~80℃とすることで、乳化しやすく、乳化組成物がより安定になる。撹拌速度は100~10,000rpmが好ましく、500~5,000rpmがより好ましい。乳化時間は特に限定されないが、バッチ式の乳化機で製造する場合は1~240分、連続式の乳化機で製造する場合は1分以下が好ましい。乳化する際の圧力は、常圧だけでなく減圧もしくは加圧でもよい。減圧もしくは加圧下で撹拌する場合、泡が混入しにくくなり効果的に乳化できることがある。減圧にする場合の圧力は原料の蒸気圧より高くし、原料が揮発することを防止する。
乳化機としては、例えば、ホモミキサー(プライミクス社)、ホモディスパー(プライミクス社)、アジホモミキサー(プライミクス社)、ホモミキサーとホモディスパーとアンカーミキサーを組み合わせた3軸型分散混練機であるコンビミックス(プライミクス社)、ローターとステーターからなる撹拌部を有するコロイドミル(IKA社、PUC社、日本精機製作所、イワキ社)、ハイシェアミキサ(silverson社、プライミクス社)及び2枚のブレードの公転運動と自転運動と歯形の羽の高速回転による撹拌機であるハイビスディスパーミックス3D-5型(プライミクス社)等を使用することが可能である。
水中油型乳化組成物の粘度は特に指定はないが、5~20,000mPa・sが好ましく、10~5,000mPa・sがより好ましく、さらに20~2,000mPa・sがより好ましい。絶対粘度が5mPa・s未満だと、保存安定性が低下するおそれや、ハジキを生じるおそれがある。一方で絶対粘度が20,000mPa・sより大きいと、取り扱いにくくなる。なお、水中油型乳化組成物の絶対粘度はBM型回転粘度計により測定した25℃における値である。
水中油型乳化組成物中の乳化粒子の平均粒径は400nm以下が好ましく、350nm以下がより好ましい。400nmより平均粒径が大きいと、すぐに分離が生じる場合がある。なお、平均粒径の下限は特に限定されないが、通常、100nm以上、特に150mm以上とすることができる。なお、平均粒径の測定は、動的光散乱法又はレーザー回析法で測定できるが、本発明においては、レーザー回析法による、体積平均粒径(累積平均径D50(メディアン径))である。動的光散乱法の装置としては、N4 PLUS(BECKMAN COULTER社)、Delsa Max CORE(BECKMAN COULTER社)Delsa Max Pro(BECKMAN COULTER社)等が挙げられ、レーザー回析法の装置としては、LA920(HORIBA製作所製)、LA960(HORIBA製作所製)が挙げられる。
[化粧料]
本発明の水中油型乳化組成物は皮膚化粧料、毛髪化粧料等に配合することができる。特に、本発明の特性から、メークアップ化粧料、スキンケア用化粧料に配合することが好ましい。メークアップ化粧料としては、ファンデーション(固形、液状全てを含む)、クリーム、化粧下地、乳液、シャドー、口紅、リップクリーム、チーク、アイブロウ、マスカラ、アイライン、クレンジング、パック等が挙げられる。化粧料の形態は特に制限されるものでない。例えば、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、及びペンシル状等、種々の形態を選択することができる。その配合量は、化粧料中1~70質量%が好ましく、より好ましくは3~50質量%である。この範囲で特に本発明の効果が得られやすく、配合量が多すぎると重い感触になるおそれがある。
本発明の化粧料には、通常の化粧料に使用される種々の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。成分としては、例えば、油剤、アルコール性水酸基を有する化合物、界面活性剤、粉体、架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物、シリコーンワックス、皮膜形成剤、制汗剤、抗菌剤、その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。動粘度はオストワルド粘度計により測定された25℃での測定値である。
以下、実施例及び比較例に使用した(A)成分、(B)成分を説明する。
<(A-1)シリコーンレジン>
・(A-1[1])
[(CH33SiO0.50.54[SiO20.46で示されるシリコーンレジン(分子量:2,000,36℃の粘度:20,000mPa・s、液状,SiOH基の含有量:0.08mol/g)
[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位=1.2
・(A-1[2])
[(CH33SiO0.50.57[SiO20.43で示されるシリコーンレジン(分子量:1,800,36℃の粘度10,000mPa・s、液状,SiOH基の含有量:0.03mol/g)
[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位=1.3
・(A-1[3])
[(CH33SiO0.50.41[SiO20.59で示されるシリコーンレジン(分子量15,000,36℃において固体である。SiOH基の含有量:0.05mol/g)
[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位=0.7
重量平均分子量は、GPC分析によるポリスチレン換算の重量平均分子量
絶対粘度は、BM型回転粘度計で測定された値である。
<(A-2)揮発性油>
・(A-2[1]):デカメチルシクロペンタシロキサン(粘度:4mm2/s)
・(A-2[2]):イソドデカン(粘度:1.4mm2/s)
<(A)シリコーンレジン組成物>
・(A[1])
(A-1[1])/(A-2[1])=90/10、粘度:1,100mm2/s
・(A[2])
(A-1[1])/(A-2[2])=90/10、粘度:1,200mm2/s
・(A[3])
(A-1[2])/(A-2[2])=90/10、粘度:400mm2/s
・(A[4])
(A-1[1])/(A-2[2])=80/20、粘度:100mm2/s
・(A[5])比較品
(A-1[1])/(A-2[2])=60/40、粘度:20mm2/s
・(A[6])比較品
(A-1[3])/(A-2[1])=50/50、粘度:1,900mm2/s
・(A[7])比較品
(A-1[1])/(A-2[2])=95/5、粘度:4,500mm2/s
<(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル>
・(B[1])
ノニオンOT-80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.);HLB15.7
・(B[2])
ノニオンST-60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.):HLB15.7、日本油脂社)
・界面活性剤[3]比較品
NIKKOL Decaglyn 1-LV EX(ラウリン酸ポリグリセリル-10、HLB15.5、日光ケミカルズ社)
・界面活性剤[4]比較品
NIKKOL Decaglyn 1-SV EX(ステアリン酸ポリグリセリル-10、HLB12.5、日光ケミカルズ社)
(B[1])、(B[2])、(B[3])及び(B[4])は、厚生労働省による食品添加物に認められたものと同じ構造をもつものである。
[実施例1]
シリコーンレジン組成物(A[1])75g、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[1])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えて、T.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらに、T.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水113.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(1)を得た。乳化組成物(1)の乳化粒子の平均粒径は270nmであり、粘度は110mPa・sであった。
[実施例2]
シリコーンレジン組成物(A[2])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[2])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水113.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(2)を得た。乳化組成物(2)の乳化粒子の平均粒径は260nmであり、粘度は120mPa・sであった。
[実施例3]
上記のシリコーンレジン組成物(A[2])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[2])3g及び(C)水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[2])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[2])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水113.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(3)を得た。乳化組成物(3)の乳化粒子の平均粒径は260nmであり、粘度は150mPa・sであった。
[実施例4]
シリコーンレジン組成物(A[3])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[3])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水113.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(4)を得た。乳化組成物(4)の乳化粒子の平均粒径は250nmであり、粘度は180mPa・sであった。
[実施例5]
シリコーンレジン組成物(A[2])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水19gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[2])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらに(D)1,3-ブチレングリコール3gを加え、T.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌した。その後、T.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌し、その後、(C)水108.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(5)を得た。乳化組成物(5)の乳化粒子の平均粒径は250nmであり、粘度は200mPa・sであった。
[実施例6]
シリコーンレジン組成物(A[2])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[2])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水83.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、さらに(E)ポリビニルアルコール(10%ゴーセノールEG-40C(日本合成化学社))30gを加えて1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(6)を得た。乳化組成物(6)の乳化粒子の平均粒径は260nmであり、粘度は1,000mPa・sであった。
[実施例7]
シリコーンレジン組成物(A[2])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[2])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水98.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌した。さらに、(F)コロイダルシリカ(40%のコロイダルシリカ水分散液(COSMO S-40、日揮触媒化成社))15gを加えて1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(7)を得た。乳化組成物(7)の乳化粒子の平均粒径は260nmであり、粘度は80mPa・sであった。
[実施例8]
シリコーンレジン組成物(A[4])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[2])3g及び(C)水23gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[4])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで撹拌しながら、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[2])16.5gを加えた後、T.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで50分撹拌した。その後、(C)水107.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(8)を得た。乳化組成物(8)の乳化粒子の平均粒径は260nmであり、粘度は200mPa・sであった。
[比較例1]
シリコーンレジン組成物(A[5])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水23gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[4])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水107.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(9)を得た。乳化組成物(9)の乳化粒子の平均粒径は400nmであり、粘度は300mPa・sであった。
[比較例2]
シリコーンレジン組成物(A[6])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)イオン交換水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[5])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水113.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(10)を得た。乳化組成物(10)の乳化粒子の平均粒径は300nmであり、粘度は80mPa・sであった。
[比較例3]
シリコーンレジン組成物(A[7])75g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])3g及び(C)水17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[6])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(B[1])16.5gを加えてT.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水113.5g加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで5分撹拌し、水中油型乳化組成物(11)を得た。乳化組成物(11)の乳化粒子の平均粒径は270nmであり、粘度は150mPa・sであった。
[比較例4]
シリコーンレジン組成物(A[2])75g及び界面活性剤[3]1.8g、界面活性剤[4]1.2g及び水(C)17gを配合し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社)3,000rpmで3分撹拌して乳化をし、さらにシリコーンレジン組成物(A[2])75gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)2,000rpmで3分撹拌した後、界面活性剤[3]9.9g、界面活性剤[4]6.6gを加えて、T.K.ホモディスパー(プライミクス社)500rpmで3分撹拌し、さらにT.K.ホモディスパー(プライミクス社)1,500rpmで20分撹拌した。その後、(C)水113.5gを加えてT.K.ホモミキサー(プライミクス社)1,500rpmで3分撹拌し、水中油型乳化組成物(12)を得た。乳化組成物(12)の乳化粒子の平均粒径は350nmであり、粘度は50mPa・sであった。
上記例で得られた水中油型乳化組成物(1~12)の配合組成(%)、平均粒径、粘度、遠心分離安定性、塗工性、ひび割れ性の評価結果を下記表に示す。平均粒径はHORIBA LA920(堀場製作所社)の測定値であり、組成物の粘度はBM型回転粘度計により測定した25℃における値である。
[遠心分離安定性]
乳化組成物(1~12)を遠心分離管に約25g入れ、遠心分離機H-19FM(コクサン社)により3,000rpm・50分で遠心分離を行なった後、上層部と下層部の不揮発分(105℃、3時間)を測定した。結果を上層部の不揮発分を下層部の不揮発分で割った値で示す。上層部の不揮発分を下層部の不揮発分で割った値が0.95~1.05の範囲を合格とする。この値が1から離れた値であるほど経時で分離する可能性があることを示す。
[塗工性]
表面コートされていない板紙(15cm×7cm)に、No.13のバーコーターにて乳化組成物(1~12)を塗工(膜厚約20μm)した後、30時間・36℃で乾燥させ、ハジキを評価する。
<塗工性判定基準>
○:ハジキなし~塗工面全体の3割未満ハジキあり
△:塗工面全体の3割以上5割未満ハジキあり
×:塗工面全体の5割以上ハジキあり
「△」又は「〇」を合格とする。
[ひび割れ性]
塗工性で評価した板紙を直径3.5cmの筒に巻き付け、ひび割れを評価する。
<ひび割れ性判定基準>
○:ひび割れなし
×:ひび割れあり
Figure 0007014229000002
Figure 0007014229000003
[実施例9]マスカラ
(1)水 35%
(2)ベントナイト 4%
(3)1.3ブチレングリコール 6%
(4)防腐剤 適量
(5)セルロースファイバー 5%
(6)モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 4%
(7)乳化組成物(2)又は乳化組成物(8) 35%
(8)酸化鉄ブラック 10%
(9)ポリビニルアルコール 1%
合計 100%
<調製方法>
一部の(1)水に(2)ベントナイトを入れ、ホモミキサーで十分に膨潤させた後、(3)~(9)を入れ、撹拌した。
乳化組成物(2)、乳化組成物(9)を使用したマスカラは塗膜が均一で、持続性の良いものであったが、特に乳化組成物(2)を配合したものが持続性の良いものであった。
[実施例10]O/Wクリーム
(1)乳化組成物(2)又は乳化組成物(9) 15%
(2)トリエチルヘキサン酸グリセリル 5%
(3)ジプロピレングリコール 7%
(4)グリセリン 5%
(5)メチルセルロース(2%水溶液)(注1) 7%
(6)ポリアクリルアミド系乳化剤(注2) 2%
(7)防腐剤 適量
(8)香料 適量
(9)精製水 残量
合計 100%
(注1)信越化学工業(株)製:メトローズSM-4000
(注2)SEPPIC社製:セピゲル305
<調製方法>
A:成分(3)~(9)を混合した。
B:成分(1)、(2)を混合し、Aを加えて撹拌乳化した。
乳化組成物(2)、乳化組成物(9)を使用した本クリームは、べたつきがなく、塗布時の伸びが良く、肌への密着感が感じられるものであったが、特に、乳化組成物(2)は肌への密着感が感じられるものであった。

Claims (11)

  1. 下記(A)、(B)及び(C)成分を含有する水中油型乳化組成物。
    (A)下記(A-1)成分と(A-2)成分とを、(A-1)/(A-2)で表される質量比で70/30~92/8の割合で混合した混合物であって、25℃における粘度が100~4,000mm2/sである混合物:30~70質量%
    (A-1)[R3SiO0.5]単位と[SiO2]単位とを有し、[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位で表されるモル比が0.7~1.4であるシリコーンレジン
    (式中、Rは同一又は異種の炭素数1~10の1価有機基である。)
    (A-2)揮発性油
    (B)エチレンオキサイド(EO)平均付加モル数が10以上で、かつHLBが11以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル:2~10質量%
    (C)水:20~62質量%
  2. 乳化粒子の平均粒径が400nm以下である請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  3. (A-2)成分が、炭化水素油及び25℃において粘度が2mm2/s以下のシリコーン油から選ばれる1種以上の揮発性油である、請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
  4. (B)成分が、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びモノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタンから選ばれる1種以上である請求項1~3のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  5. (A-1)成分の[R3SiO0.5]単位/[SiO2]単位で表されるモル比が1.1~1.4である請求項1~4のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  6. (A-1)成分が、36℃において5,000mPa・s以上の液状のシリコーンレジンである請求項1~5のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  7. さらに、(D)1,3-ブチレングリコール、グリセリン、マルチトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール及びトリメチルグリシンから選ばれる成分を0.1~5質量%含有する請求項1~6のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  8. さらに、(E)水溶性高分子化合物を0.1~5質量%含有する請求項1~7のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  9. さらに、(F)合成非晶質シリカを0.1~10質量%含有する請求項1~8のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物を含む化粧料。
  11. 上記(A)(A-1)成分と(A-2)成分とを、(A-1)/(A-2)で表される質量比で70/30~92/8の割合で混合し、(A)混合物を得る工程と、
    上記(A)混合物と、(B)エチレンオキサイド(EO)平均付加モル数が10以上で、かつHLBが11以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び(C)水を含む組成物を撹拌して乳化させる工程とを含む、請求項1~9のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物を製造する製造方法。
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