ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーションシステムの構成:
(2)運転支援処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーションシステムの構成:
図1は、車両に搭載された運転支援システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において運転支援システムは、ナビゲーションシステム10によって実現される。ナビゲーションシステム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。
記録媒体30には地図情報30aが記録されている。地図情報30aは、車両が走行する道路区間の端点に対応するノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の道路区間の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、道路周辺に存在する施設を示す施設データ等を含んでいる。本実施形態において、道路区間の端点であるノードは交差点に該当する。
また、本実施形態において、リンクデータには、各リンクデータが示す各道路区間の属性(道路種別等)やリンクコストを示す情報が対応付けられている。さらに、ノードが示す交差点には、高速道路での進入地点、退出地点、施設への進入地点、退出地点、高速道路沿いの休憩所の駐車場が含まれている。従って、インターチェンジ(IC)や休憩所(サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)等の施設)、ジャンクション(JCT)はノードデータによって位置が示される。
また、施設データには、インターチェンジや休憩所に関する情報も含まれ得る。例えば、インターチェンジの中には、スマートICが含まれている。インターチェンジがスマートICである場合、地図情報30aの施設データには、当該インターチェンジがスマートICであることを示す情報が含まれている。
また例えば、インターチェンジの中には、高速道路から一時的な退出が可能なインターチェンジ(一時退出可能IC)が含まれている。インターチェンジが一時退出可能ICである場合、地図情報30aの施設データには、当該インターチェンジにおいて一時的な退出が可能であることを示す情報が含まれている。本実施形態において、一時的な退出が可能であることを示す情報には、インターチェンジから退出した後に立ち寄るべき立ち寄り施設が対応づけられており、当該立ち寄り施設に立ち寄ることを含めて一時的な退出と見なされる期間が対応づけられている。また、施設がインターチェンジである場合、施設データには、インターチェンジの利用可能時間帯を示す情報が含まれる。
本実施形態にかかる車両は、GNSS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とユーザI/F部44とETCユニット45とを備えている。GNSS受信部41は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在地を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発地と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発地と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地がGNSS受信部41の出力信号に基づいて補正される。
ユーザI/F部44は、利用者(運転者)の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる表示部やスイッチ等の入力部、スピーカ等の音声出力部を備えている。ユーザI/F部44は制御信号を制御部20から受信し、経路案内などの各種案内を行うための画像をタッチパネルディスプレイに表示する。
ETCユニット45は、路面に設置された料金収集システムの通信装置と通信を行うことで料金の支払い等を行う。ETCユニット45は、路面に設置された通信装置と通信を行うことで、進入インターチェンジ、退出インターチェンジ等を特定することができる。またETCユニット45は、退出インターチェンジが一時退出可能ICであるか否かを特定することができる。またETCユニット45は、一時退出可能ICからの一時退出後、一時退出条件が充足されるか否か等を判定する。具体的には例えば、ETCユニット45は、一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設へ車両が実際に立ち寄り、一時退出から予め決められた時間内に予め決められたICから高速道路に再進入したことか否かを判定する。なお制御部20はETCユニット45からこれらの情報の少なくとも一部を取得する構成であってもよい。
本実施形態において制御部20は、ROM等に記録されたナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ユーザI/F部44の表示部に車両の現在位置が含まれる地図を表示して運転者を目的地まで案内する機能を制御部20に実現させるプログラムである。すなわち、制御部20は、ナビゲーションプログラムにより、目的地の設定や出発地から目的地までの経路の探索を実行し、当該経路に沿って車両を誘導する案内を実行することができる。
経路案内は、道路種別毎に異なる態様で実施されうる。本実施形態において制御部20は、一般道路での経路案内と高速道路での経路案内とを実行可能である。すなわち制御部20は、車両が一般道路を走行中に一般道路での経路案内を実行し、車両が高速道路を走行中に高速道路での経路案内を実行する。
図3Aは、高速道路での経路案内の一例を示す図である。本実施形態においては、目的地までの経路が設定された状態で高速道路を走行中の場合は、図3Aに示すように、ユーザI/F部44の表示部の左半分に地図が表示され、当該地図内に車両の現在地Cが表示されるとともに高速道路が経路であることを示すために高速道路が強調表示される。また、ユーザI/F部44の表示部の右半分には高速道路の略図が示される。
なお目的地までの経路が設定されていない状態で高速道路を走行中である場合の表示態様は種々想定しうるが、本実施形態においては、ユーザI/F部44の表示部の左半分に地図が表示され、当該地図内に車両の現在地Cが表示され(高速道路は強調表示されない)、表示部の右半分に高速道路の略図が示される。
図3Aに示す例においては、現在地から最も近い施設がサービスエリア(SA)であり、名称がAAAであることが示されている。また、現在地から2番目に近い施設はインターチェンジ(IC)であり、名称はBBBであることが示されている。さらに、現在地から3番目に近い施設はインターチェンジであり、名称はCCCであることが示されている。図3Aに示す例においては、インターチェンジBBBを示すアイコンには黒い横線と立ち寄り施設(道の駅DD)とが示されており、インターチェンジBBBが一時退出可能ICであることが示されている。すなわちインターチェンジBBBから一時的に高速道路を退出し、道の駅DDに立ち寄って高速道路に再進入可能であることが示されている。高速道路走行中に一時退出可能ICから退出し、一時的な退出と見なされる期間内に一時退出可能ICから高速道路に進入した場合には、高速道路から退出せずに走行を継続した場合と同様の料金となる。
記録媒体30には、ナビゲーションシステム10が利用者に提供する機能に関する各種の設定項目についての設定値(不図示)が記憶されている。各種の設定項目の中には、スマートICの利用可否設定が含まれる。すなわち、利用者はスマートICの利用を許可する(スマートICを考慮した探索を許可する)か否かをナビゲーションシステム10に設定しておくことが可能である。スマートICの利用可否設定が許可に設定されている場合、制御部20は、ナビゲーションプログラムにより、スマートICを高速道路への進入や高速道路からの退出が可能なICとして扱って経路探索を行う。したがってこの場合、スマートICを利用した経路が案内されうる。スマートICの利用可否設定が拒否に設定されている場合、通常(後述する例外を除く場合)、制御部20は、ナビゲーションプログラムにより、スマートICを高速道路への進入や高速道路からの退出が可能なICから除外して経路探索を行う。したがってこの場合、スマートICで高速道路を入退出する経路は案内されない。
本実施形態においてナビゲーションシステム10は、高速道路を走行中の車両の前方に一時退出可能ICが存在する場合、当該一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄るか否かを利用者に選択させるUI(User Interface)を提供する機能を有する。また本実施形態のナビゲーションシステム10は、利用者が当該立ち寄り施設に立ち寄ることを選択した場合、スマートICの利用可否設定の設定内容に関わらず、一時退出可能ICを利用して立ち寄り施設に立ち寄る経路を探索し案内する機能を有する。
これらの機能を実現するため、ナビゲーションプログラムは、運転支援プログラム21を備えている。運転支援プログラム21は、立ち寄り施設案内部21aと経路探索部21bと経路案内部21cとを備えている。立ち寄り施設案内部21aは、高速道路を一時的に退出可能なインターチェンジに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄るか否かを利用者に問い合わせる機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。
本実施形態においては、制御部20は立ち寄り施設案内部21aの機能により、車両が走行中の高速道路において車両の現在地から進行方向前方の既定個数分の高速道路の施設(IC,SA,PA,JCT等)の中に一時退出可能ICが存在するか否かを車両が高速道路の施設を通過する毎に地図情報30aに基づいて判定する。制御部20はGNSS受信部41、車速センサ42、ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得することができる。車両の現在地が高速道路上である場合、当該高速道路上における車両の現在地から進行方向前方の既定個数分の施設の情報は地図情報30aを参照して取得可能である。
制御部20は、一時退出可能ICが存在する場合、当該一時退出可能ICに対応付けられている立ち寄り施設に立ち寄ることを選択するためのボタンをユーザI/F部44の表示部に表示する。なお本実施形態においては、目的地までの経路が設定された状態での走行であるか否かに関わらずこの問い合わせが実施される。
図3Bは、高速道路上の車両の進行方向前方において一時退出可能ICが存在する場合に、ユーザI/F部44の表示部に表示されるボタンb1(立ち寄り施設への立ち寄りを選択するためのボタン)の一例を示している。図3Bに示す例においては、ボタンb1は図3Aに示す高速道路での経路案内の右半分の高速道路の略図内の立ち寄り施設(道の駅DD)の表示位置の近傍に表示されることを示している。ボタンb1に利用者がタッチした場合、制御部20は利用者が道の駅DDに立ち寄ることを選択したと見なす。また、インターチェンジBBBから高速道路を退出することなくインターチェンジBBBを通過したと判定されるまでボタンb1がタッチされなかった場合、制御部20は利用者が道の駅DDに立ち寄ることを選択しなかったと見なす。
経路探索部21bは、立ち寄り施設への立ち寄りが選択された場合、スマートICの利用可否設定の設定内容に関わらず一時的に退出可能なインターチェンジを利用して立ち寄り施設に立ち寄る経路を探索する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、立ち寄り施設への立ち寄りが選択された場合、制御部20は経路探索部21bの機能により、スマートICの利用可否設定が拒否に設定されている場合であっても許可に設定されているものと例外的にみなし、現在地から一時退出可能ICを利用して当該一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設に至る経路を探索する。なおこの場合に制御部20は、スマートICの利用可否設定の設定内容自体は変更しない。したがってスマートICの利用可否設定が拒否に設定されている場合は拒否が設定された状態が継続する。
なお、目的地までの経路が既に設定された状態で高速道路を走行中であった場合、制御部20は経路探索部21bの機能により、さらに、立ち寄り施設に立ち寄った後に一時退出可能ICから高速道路に再進入し目的地まで走行するための経路も探索される。目的地までの経路が設定されていない状態で高速道路を走行中であった場合は、本実施形態においては、制御部20は、高速道路上の現在地から一時退出可能ICを利用して立ち寄り施設まで走行する場合の経路を探索する。
経路案内部21cは、経路探索部21bによって探索された経路を案内する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。制御部20は、経路を走行して立ち寄り施設に立ち寄る場合の、一時的に退出可能なインターチェンジの推定通過時刻が一時的に退出可能なインターチェンジの利用可能時間帯に含まれるか否かを判定し、含まれる場合に、現在地から一時退出可能ICにて高速道路を退出して立ち寄り施設に至る経路をユーザI/F部44を介して案内する。経路を走行して立ち寄り施設に立ち寄る場合の、一時的に退出可能なインターチェンジの推定通過時刻が一時的に退出可能なインターチェンジの利用可能時間帯に含まれない場合、制御部20は当該経路を案内しない。
推定通過時刻として、本実施形態においては、高速道路からの推定退出時刻と、高速道路への推定再進入時刻の両方が考慮される。高速道路からの推定退出時刻は、高速道路を走行中の車両が探索された経路に従って一時退出可能ICにて高速道路を退出する場合に予想される退出時刻である。高速道路への推定再進入時刻は、高速道路からの推定退出時刻と、一時退出可能ICから立ち寄り施設までの往復の推定所要時間と、立ち寄り施設における推定滞在時間と、に基づいて算出される。本実施形態においては、推定退出時刻と推定再進入時刻が共に、一時退出可能ICの利用可能時間帯に含まれる場合に、制御部20は、当該一時退出可能ICの推定通過時刻が当該一時退出可能ICの利用可能時間帯に含まれると判定する。
一時退出可能ICの推定通過時刻が当該一時退出可能ICの利用可能時間帯に含まれると判定される場合、まず制御部20は経路案内部21cの機能により、高速道路を走行中の車両が一時退出可能ICから退出するように案内する。車両が一時退出可能ICから高速道路を退出したことは、例えば車両の走行軌跡と地図情報等に基づいて特定されても良いし、一時退出可能ICに設けられた通信装置とETCユニット45との通信に基づいて特定されても良く、種々の構成を採用可能である。車両が一時退出可能ICから退出した後は、制御部20は経路案内部21cの機能により、一時退出可能ICから対応する立ち寄り施設への経路を案内する。
図3Cは、一時退出可能ICであるインターチェンジBBBで一時的に退出し、インターチェンジBBBに対応付けられた立ち寄り施設である道の駅DDに向かっている過程の経路案内の例を示している。図3Cに示されるように、ユーザI/F部44の表示部の右半分に表示された高速道路の略図は維持される。この場合において、車両が高速道路から一時的に退出しており、高速道路上を進まないため、高速道路の略図において、最寄りの施設は一時退出可能なインターチェンジBBBである状態から変化しない。ただし、一時退出可能なインターチェンジBBBにて一時的に退出し、道の駅DDに向かっている状態であることがインターチェンジBBBのアイコン内で黒い矢印によって示されている。また、図3Cに示す左半分の地図において、一時退出可能ICであるインターチェンジBBBから道の駅DDまでの経路(図3Cの例においては破線が重ねられた道路区間)と車両の現在地Cが示される。目的地までの経路が設定されている場合は、一時的な退出の状態では既存の経路は消去されない(図3Cの左半分においては、高速道路が太い曲線で強調されることで経路であることが示されている)。なお目的地までの経路が設定されていない場合は、高速道路について経路であることを示すための強調表示はなされなくてよい。
以上の構成によれば、車両の高速道路上の前方に一時退出可能ICが存在する場合、当該一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設へ立ち寄るか否かを利用者に問い合わせることができる。したがって、利用者が一時退出可能ICから高速道路を一時的に退出して立ち寄り施設に立ち寄る機会を逃す可能性を低減できる。また、利用者が立ち寄り施設に立ち寄ることを希望した場合、スマートICの利用可否設定の設定内容に関わらず一時退出可能ICから高速道路を退出して立ち寄り施設に向かう経路を案内する構成であるため、一時退出可能ICでないICから高速道路を退出してしまうことによって高速道路の利用料金に関する不利益を利用者が被ることを防止できる。従来は、ナビゲーションシステム10においてスマートICの利用を拒否する設定がなされている場合であって、一時退出可能ICがスマートICである場合は、立ち寄り施設に対応する一時退出可能ICの前後のスマートICでないICにおいて高速道路を退出および再進入する経路が案内される。そのため当該経路に従って高速道路を退出すると、料金サービスが適用されないという不利益を利用者が被る可能性がある。本実施形態によると、利用者がこのような不利益を被ることを防止できる。
(2)運転支援処理:
次に、制御部20が実行する運転支援処理を、図2を参照しながら説明する。運転支援処理は、車両が高速道路を走行中に、高速道路の施設(IC,SA,PA,JCT等)を通過するごとに繰り返し実行される。
運転支援処理が開始されると、制御部20は、立ち寄り施設案内部21aの機能により、一時退出可能ICが車両の現在地から進行方向前方の既定個数の施設の中に存在するか否かを判定する(ステップS100)。既定個数は、図3A等に示す高速道路の略図に表示される高速道路の施設の個数(本実施形態においては3個)を最大とする。なお目的地までの経路が設定されていない状態で高速道路を走行中の場合であって、現在地から進行方向前方の3個の施設の中にJCTが存在する場合、現在地から直近のJCTまでの施設の中に一時退出可能ICが存在するか否かが判定される。なお、目的地までの経路が設定されている状態で走行中の場合、走行予定の経路における退出予定ICは一時退出可能ICであるか否かの判定対象外としてもよい。ステップS100において、一時退出可能ICが存在すると判定されない場合、制御部20は運転支援処理を終了する。
ステップS100において一時退出可能ICが存在すると判定される場合、制御部20は立ち寄り施設案内部21aの機能により、立ち寄り施設への立ち寄りを選択するためのボタンをユーザI/F部44に表示する(ステップS105)。具体的には例えば、制御部20は、図3Bに示すようにボタンb1を立ち寄り施設の表示位置の近傍に表示する。
続いて制御部20は立ち寄り施設案内部21aの機能により、ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110においてボタンが押されたと判定されない場合、制御部20は高速道路の施設(IC,SA,PA,JCT等)を通過したか否かを判定する(ステップS115)。ステップS115において高速道路の施設を通過したと判定されない場合、制御部20はステップS110の処理に戻る。ステップS115において高速道路の施設を通過したと判定される場合、制御部20はボタンの表示を終了し運転支援処理を終了する(高速道路の施設を一個通過したため、直ちに運転支援処理が再び開始される)。
ステップS110においてボタンが押されたと判定される場合、制御部20は、経路設定有りか否かを判定する(ステップS120)。すなわち制御部20は、目的地までの経路が設定された状態であるか否かを判定する。なおステップS110においてボタンが押されたと判定される場合、制御部20は図3Bに示すボタンの表示を終了する。
ステップS120において、経路設定有りと判定される場合、制御部20は経路探索部21bの機能により、現在地から一時退出可能ICを利用して立ち寄り施設を経由し、その後目的地に向かう経路を探索する(ステップS125)。すなわち制御部20は、現在地から一時退出可能ICまで走行し、一時退出可能ICから高速道路を退出して立ち寄り施設まで走行し、立ち寄り施設から一時退出可能ICまで戻り、一時退出可能ICから高速道路に再進入して目的地に向かう経路を探索する。
ステップS120において経路設定有りと判定されない場合、制御部20は経路探索部21bの機能により、現在地から一時退出可能ICを利用して立ち寄り施設に向かう経路を探索する(ステップS130)。すなわち制御部20は、現在地から一時退出可能ICまで走行し、一時退出可能ICから高速道路を退出して立ち寄り施設に向かう経路を探索する。
ステップS125を実行後、または、ステップS130を実行後、制御部20は、一時退出可能ICの利用可能時間帯内に一時退出可能ICを通過可能であるか否かを判定する(ステップS135)。例えば制御部20は、インターチェンジBBBの利用可能時間帯を地図情報30aから取得し、ステップS125またはS130において探索された経路を走行した場合のインターチェンジBBBからの推定退出時刻を取得する。具体的には例えば制御部20は、現在時刻と、現在地からインターチェンジBBBの出口までの各道路区間(本線区間、減速車線区間等)の距離と、当該各道路区間における平均車速とに基づいて、インターチェンジBBBからの推定退出時刻を取得する。また、推定退出時刻と、インターチェンジBBBから道の駅DDまでの往復の推定所要時間と、道の駅DDでの推定滞在時間とに基づいて、推定再進入時刻を取得する。そして、推定退出時刻と推定再進入時刻とがいずれもインターチェンジBBBの利用可能時間帯に含まれる場合、インターチェンジBBBの利用可能時間帯内にインターチェンジBBBを通過可能であると判定する。
ステップS135において、一時退出可能ICの利用可能時間帯に一時退出可能ICを通過可能であると判定される場合、制御部20は経路案内部21cの機能により、一時退出可能ICを利用して立ち寄り施設に立ち寄る経路の案内を開始する(ステップS140)。すなわち、ステップS120で経路設定有りと判定されてステップS125を実行後にステップS135において通過可能と判定された場合は、ステップS140においてはこれまで設定され案内されていた経路に変わってステップS125で探索された経路が設定され案内が開始される。一方ステップS120で経路設定有りと判定されずにステップS130を実行後にステップS135において通過可能と判定された場合は、ステップS130で探索された経路の案内が開始される。なお、立ち寄り施設に立ち寄る経路の案内開始後から高速道路の再進入までの間は、運転支援処理は実行されない。したがって立ち寄り施設に立ち寄る経路案内中に、別の立ち寄り施設に立ち寄るか否かの問い合わせ等はなされない。
ステップS135において、一時退出可能ICの利用可能時間帯に当該一時退出可能ICを通過可能であると判定されない場合、制御部20は立ち寄り施設に立ち寄る経路が探索できない旨をユーザI/F部44を介して利用者に通知する(ステップS145)。例えば、一時退出可能ICの利用可能時間帯でないため一時退出可能ICを利用できない(一時退出可能ICから退出・再進入ができない)等の理由も通知する構成であってもよい。通知の態様は、音声によって実施されてもよいし、表示によって実施されてもよいし、音声と表示の両方で実施されてもよい。
ステップS145を実行後、制御部20は経路案内部21cの機能により、元の案内を継続する(ステップS150)。すなわち、ステップS120において経路設定有りと判定され、続くステップS135において通過可能であると判定されない場合、ステップS150においては、ステップS125で探索された経路の案内を開始せず、ステップS125実行以前に設定されていた経路の案内を継続する。ステップS120において経路設定有りと判定されず、続くステップS135においても通過可能であると判定されない場合、ステップS150において制御部20は、ステップS130で探索された経路の案内を開始せず、経路が設定されていない状態での高速道路走行時の表示を継続する。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、高速道路を一時退出可能なインターチェンジに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄ることを利用者が選択した場合、スマートICの利用可否設定の設定内容に関わらず一時退出可能なインターチェンジを利用して立ち寄り施設に立ち寄る経路を探索して案内する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、ナビゲーションシステム10は、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現されるシステムであってもよい。
さらに、運転支援システムを構成する立ち寄り施設案内部21a、経路探索部21b、経路案内部21cの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
立ち寄り施設案内部は、高速道路を一時的に退出可能なインターチェンジに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄るか否かを利用者に問い合わせることができればよく、種々の構成を採用可能である。例えば、上記実施形態においては、一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄るか否かを先に問い合わせ、立ち寄ることを利用者が選択した場合に当該一時退出可能ICの推定通過時刻が利用可能時間帯に含まれるか否かを判定する構成を採用していたが、一時退出可能ICの推定通過時刻が利用可能時間帯に含まれるか否かを先に判定し含まれる場合に、一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄るか否かを利用者に問い合わせる構成を採用してもよい。そして立ち寄り施設に立ち寄ることを利用者が選択した場合、一時退出可能ICから高速道路を退出して立ち寄り施設に向かう経路を案内するようにしてもよい。
また、上記実施形態の運転支援処理において、車両の現在地から進行方向前方の既定個数分の施設の中に複数の一時退出可能ICが存在する場合、複数の一時退出可能ICについてそれぞれ、対応付けられた立ち寄り施設へ立ち寄るか否かを問い合わせる構成が採用されてもよい。また、複数の一時退出可能ICのうち車両の現在地に近い方から順に問い合わせる構成であってもよい。あるいは、車両の現在地から進行方向前方の既定個数分の施設の中の複数の一時退出可能ICのうちのいずれか一つの(例えば車両の現在地に最も近い)一時退出可能ICについてのみ、当該一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設への立ち寄りを問い合わせる構成であってもよい。
また、上記実施形態におけるユーザインタフェースは一例であり、他にも様々な構成が採用されてよい。例えば、上記実施形態においては、立ち寄り施設に立ち寄ることを選択するためのボタンは高速道路の略図における立ち寄り施設の表示の近傍に表示される構成であったが、必ずしも立ち寄り施設の表示位置の近傍に表示されなくてもよく、予め決められた固定的な位置にボタンが表示されてもよい。また、高速道路の略図内に表示されなくてもよい。画面の全面に、「立ち寄り施設に立ち寄りますか?」等のメッセージとともにボタンがポップアップ表示される構成であってもよい。
また例えば上記実施形態においては、立ち寄り施設に立ち寄ることを選択するためのボタンが表示される構成であるが、立ち寄り施設に立ち寄らないことを選択するためのボタンも合わせて表示される構成であってもよい。また、これらのボタンが表示される際に、例えば「もうすぐ道の駅DDがあります。道の駅DDに立ち寄りますか?」等の音声案内も実施されてもよい。また、利用者はユーザI/F部44の表示部(タッチパネル)に対する操作以外の方法(例えば特定のジェスチャや音声発話等)で立ち寄り施設に立ち寄るか否かを選択する構成であってもよい。
また例えば上記実施形態においては、高速道路を走行中に一時退出可能ICに接近した場合に、当該一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設へのたち寄りを問い合わせる構成であったが、高速道路を走行中であることに限定されず、他の場面において問い合わせを行う構成であってもよい。例えば、目的地を設定し高速道路を通る経路が探索された際に、高速道路上の経路に一時退出可能ICが含まれている場合に当該一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設への立ち寄りを問い合わせる構成であってもよい。そして利用者が立ち寄ることを選択した場合、立ち寄り施設を経由する(一時退出可能ICを利用して)経路を再探索し、再探索した経路を案内する構成であってもよい。
なお、一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄るか否かの問い合わせは、車両がスマートICを利用可能な状態(例えば、路面に設置された通信装置に料金決済情報の送信が可能な状態)である場合に行われる構成であってもよい。また、一時退出可能ICに対応付けられた立ち寄り施設は、道の駅以外にも様々な施設であってよい。
経路探索部は、立ち寄り施設への立ち寄りが選択された場合、スマートICの利用可否設定の設定内容に関わらず一時的に退出可能なインターチェンジを利用して立ち寄り施設に立ち寄る経路を探索することができればよい。例えば上記実施形態においては、経路設定されていない場合には、現在地から一時退出可能ICまで高速道路を走行し一時退出可能ICで高速道路を退出して立ち寄り施設に向かう経路が探索される構成であったが、さらに、立ち寄り施設から一時退出可能ICの入り口までの経路(退出前と同じ方向の高速道路車線に一時退出可能ICから再進入するするための経路)も探索するようにしてもよい。例えば、立ち寄り施設に立ち寄った後、高速道路に再進入するか否かを利用者に問い合わせ、高速道路に再進入することを利用者が選択した場合に、立ち寄り施設から一時退出可能ICを利用して高速道路に再進入するまでの経路を探索して案内するようにしてもよい。
高速道路を一時的に退出可能なインターチェンジは、一時的な退出であると見なされない場合より利用者が優遇され得るインターチェンジであれば良い。例えば、上述のように、インターチェンジで一旦退出した後、当該インターチェンジまたは他のインターチェンジで高速道路に再進入した場合に、高速道路料金が再計算されない(退出しない場合と変わらない)構成の他、料金が優遇される構成等であっても良い。一時的に退出可能なインターチェンジについての規則も種々の規則を想定可能であり、上述のように、特定の経由地の経由と特定の期間内での再進入とが必須となる規則以外にも、種々の規則であってよい。
経路案内部は、経路探索部が探索した経路を案内することができればよい。上記実施形態においては、探索された経路を走行した場合の一時退出可能ICの推定通過時刻が当該一時退出可能ICの利用可能時間帯に含まれない場合は探索された経路を案内しない構成であったが、他にも種々の構成を採用可能である。例えば一時退出可能ICがPAに併設されたスマートICである場合、一時退出可能ICの推定退出時刻と当該一時退出可能ICの利用可能時間帯の開始時刻との差が予め設定された閾値時間未満であれば、経路探索部で探索された経路を案内する構成であってもよい。この場合、利用者はPAにおいて閾値時間未満の時間待機すると一時退出可能ICの利用可能時間帯となるため、一時退出可能ICから高速道路を退出し立ち寄り施設に向かうことができる。
また、立ち寄り施設における推定滞在時間は、立ち寄り施設の規模や立ち寄り施設の混雑状況に応じて可変に設定されてよい。例えば大規模施設は小規模施設より推定滞在時間が長く設定されてもよい。また例えば混雑している施設は混雑していない施設と比較して推定滞在時間が長く設定されてもよい。また、利用者の立ち寄り施設における過去の滞在時間の履歴に基づいて設定されてもよい。また、推定再進入時刻は、一時退出可能ICに対応付けて地図情報に記憶されている一時的な退出と見なされる期間を推定退出時刻に加えた時刻であってもよい。
さらに、本発明のように、高速道路を一時退出可能なインターチェンジに対応付けられた立ち寄り施設に立ち寄ることを利用者が選択した場合、スマートICの利用可否設定の設定内容に関わらず一時退出可能なインターチェンジを利用して立ち寄り施設に立ち寄る経路を探索して案内する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。