以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態による固体撮像素子、撮像装置及び撮像方法を図1乃至図7を用いて説明する。
図2は、本実施形態による撮像装置を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態による撮像装置200は、固体撮像素子1と、信号処理部2と、レンズ駆動部6と、制御部3と、表示部4と、記録部5とを備えている。また、撮像装置200には、撮影レンズ(撮像光学系、レンズユニット)7が備えられる。撮影レンズ7は、撮像装置200のボディ(本体)から着脱可能であってもよいし着脱不能であってもよい。
固体撮像素子1は、撮影レンズ7によって形成される被写体の光学像を光電変換することによって撮像信号を生成し、生成した撮像信号を出力する。固体撮像素子1に備えられた画素セル(単位画素)10(図4参照)には、フォトダイオード101(図4参照)とカウンタ(パルスカウンタ)111(図4参照)とが備えられており、入射したフォトンの数をカウントして信号値として出力し得る。
撮影レンズ7は、被写体の光学像を固体撮像素子1の撮像面に結像させる。レンズ駆動部6は、撮影レンズ7を駆動するものであり、ズーム制御、フォーカス制御、絞り制御等を行う。撮影レンズ7は、被写体の光学像を形成し、形成した光学像を固体撮像素子1の撮像面に入射させる。
信号処理部2は、固体撮像素子1から出力される撮像信号(画像データ)に対して補正処理等の所定の信号処理(画像処理)等を行う。
制御部(全体制御・演算部、制御手段)3は、撮像装置200全体の制御を司るとともに、所定の演算処理等を行う。制御部3は、撮像装置200の各機能ブロックを駆動するための制御信号や、固体撮像素子1を制御するための制御データ等を出力する。制御部3は、信号処理部2によって信号処理等が施された撮像信号に対して、現像や圧縮等の所定の信号処理(画像処理)等を行う。
表示部4は、制御部3よって信号処理等が施された撮像信号や、撮像装置200の各種設定情報等を表示する。
記録部(記録制御部)5には、不図示の記録媒体が備えられる。かかる記録媒体は、記録部5から着脱可能であってもよいし着脱不能であってもよい。記録部5は、制御部3によって信号処理等が施された撮像信号等を記録媒体に記録する。かかる記録媒体としては、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリ等が挙げられる。
図3は、本実施形態による固体撮像素子1のレイアウトを示す図である。固体撮像素子1は、複数の光センサ部100が行列状に配された光センサ部基板30と、複数の計数部110が行列状に配された計数部基板31と、フレームメモリ13が配されたフレームメモリ基板32とを積層させた構成となっている。
光センサ部基板30は、複数の光センサ部(センサ部)100がJ行×K列で行列状に配された画素アレイ(撮像領域)300を備える。なお、光センサ部100の詳細な構成については後述する。
計数部基板31は、複数の計数部(計数手段)110がJ行×K列で行列状に配された計数領域310を備える。計数領域310に配された複数の計数部110は、画素アレイ300に配された複数の光センサ部100にそれぞれ対応している。
光センサ部基板30に備えられた電極(図示せず)と計数部基板31に備えられた電極(図示せず)とが、互いに電気的に接続されている。また、計数部基板31に備えられた電極(図示せず)とフレームメモリ基板32に備えられた電極(図示せず)とが、互いに電気的に接続されている。こうして、光センサ部基板30に備えられた光センサ部100から出力されるパルス信号Poutが、計数部基板31に備えられた計数部110に入力されるようになっている。
1つの光センサ部100と1つの計数部110とによって、1つの画素セル10が構成される。なお、計数部110の詳細な構成については後述する。
計数部基板31は、駆動制御部311と、一時記憶部312とを備える。駆動制御部311は、計数領域310の駆動を制御する。一時記憶部312は、後述する読み出しメモリ11が備えられた一時記憶部312を備える。読み出しメモリ11は、計数部110から読み出されるカウント値を一時的に記憶する。
フレームメモリ基板32は、加算回路12と、フレームメモリ13とを備える。フレームメモリ13は、各々の計数部110から読み出されるカウント値を、各々の画素の画素信号として記憶する。加算回路12は、読み出しメモリ11を介して順次読み出される各々の画素セル10からのカウント値を、フレームメモリ13に記憶された画素信号に順次加算する。フレームメモリ13には、計数部110から読み出されたカウント値の積算値が記憶される。フレームメモリ基板32は、メモリ制御部321と、出力部322とを更に有する。メモリ制御部321は、フレームメモリ13へのデータ(信号値)の書き込みや読み出しを制御する。出力部322は、フレームメモリ13に保持された画素信号(画像信号、撮像信号)を固体撮像素子1の外部に出力する。
光センサ部100と計数部110とが別個の基板に備えられているため、光センサ部100の面積を広く確保することができる。また、フレームメモリ基板32を光センサ部基板30及び計数部基板31よりも微細なプロセスで製造すれば、フレームメモリ13には十分に大きなビット幅のデータを記録し得る。なお、固体撮像素子1の構成は、上記のような構成に限定されるものではない。例えば、同一の基板に光センサ部100と計数部110とを備えるようにしてもよい。
図4は、本実施形態による固体撮像素子1の構成を示す図である。
画素セル10は、光センサ部100と、計数部110とを備える。光センサ部100は、フォトダイオード(アバランシェフォトダイオード)101と、負荷抵抗102と、波形整形回路103とを備える。フォトダイオード101のアノードは、接地されている。フォトダイオード101のカソードは、負荷抵抗102を介してバイアス電圧Vbiasに接続されている。フォトダイオード101のカソードと負荷抵抗102との接続部は、波形整形回路103に接続されている。
計数部110は、カウンタ111と、選択スイッチ121とを備える。カウンタ111には、波形整形回路103から出力されるパルス信号Poutが入力される。カウンタ111は、パルス信号Poutがローレベルからハイレベルに転じる回数をカウントする。カウンタ111は、パルス信号Poutを(2N-1)回カウント可能である。カウンタ111は、Nビット分のパルス数をカウントし得るとともにカウント値を記憶し得るNビットカウンタである。Nビットカウンタは、例えばN個のフリップフロップを連結することによって構成されている。カウンタ111には、カウンタ111をイネーブル状態にするためのカウントイネーブル信号PENが駆動制御部311から供給される。カウントイネーブル信号PENがハイレベルの際、カウンタ111はカウント動作を行い得る。カウントイネーブル信号PENがローレベルの際、カウンタ111はカウント動作を停止し、カウント動作が停止する直前のカウント値を保持する。カウンタ111には、カウント値をリセットするためのリセット信号PRESが駆動制御部311から供給される。リセット信号PRESがローレベルの際、カウンタ111は、カウントイネーブル信号PENに従ってカウント動作又はカウント値を保持する動作を行う。リセット信号PRESがハイレベルになると、カウンタ111のカウント値がリセットされる。
カウンタ111から出力されるビット幅がNのカウント値は、N本の配線が備えられたバスライン122を介して、読み出しメモリ11にパラレル伝送される。駆動制御部311からハイレベルの画素選択信号PSELが選択スイッチ121に供給されると、バスライン122に備えられた選択スイッチ121がオン状態となる。駆動制御部311から読み出しメモリ11にハイレベルのメモリ選択信号PMEMが供給されると、カウンタ111から出力されたビット幅がNのカウント値が読み出しメモリ11に供給される。なお、ここでは、同一の列に配されたJ個の画素セル10のカウンタ111から順次出力されるカウント値が、Nビット分の共通のバスライン122を介して読み出しメモリ11に入力される場合を例に説明する。駆動制御部311からハイレベルの読み出し信号PRDが読み出しメモリ11に供給されると、読み出しメモリ11に保持されたカウント値が加算回路12に出力される。加算回路12は、読み出しメモリ11を介して画素セル10から順次読み出されるカウント値を、フレームメモリ13に記憶された画素信号に順次加算する。より具体的には、加算回路12は、ある画素セル10から出力されるカウント値を読み出しメモリ11を介して取得する。また、加算回路12は、当該画素セル10に対応する画素信号をフレームメモリ13から読み出す。そして、加算回路12は、読み出しメモリ11を介して取得した当該画素セル10のカウント値と、フレームメモリ13から読み出した当該画素セル10の画素信号とを加算する。そして、加算回路12は、このような加算処理によって得られた画素信号を、当該画素セル10の画素信号としてフレームメモリ13に記憶する。こうして、画素信号の積算処理が行われる。加算回路12は、画素アレイ300に備えられた複数の画素セル10の各々によって取得されたカウント値に対して、このような処理を順次行う。フレームメモリ13は、1画素あたりMビット(M>N)の画素信号を記憶し得る。
次に、本実施形態による固体撮像素子1の動作について説明する。
本実施形態では、カウンタ111によって光子がカウントされるカウント期間において、カウンタ111のカウント値が飽和するのに要する期間よりも短い読み出し周期でカウント値の読み出しが繰り返される。カウンタ111からカウント値が読み出されると、当該カウンタ111はリセットされる。この後も、カウンタ111は光子のカウントを継続する。本実施形態では、1回の読み出し周期のうちに、カウンタ111のカウント値が飽和することがない。このため、カウント期間中にカウンタ111のカウント上限値を超える数のパルス信号Poutが入力された場合でも、カウンタ111によって取得されたカウント値を漏れなく画素信号に反映させることが可能である。カウンタ111から読み出されたカウント値は、画素単位で積算される。このため、カウンタ111のビット幅Nを超えるビット幅のMビットの画素信号を得ることが可能となる。従って、カウンタ111のカウント上限値を超える数の光子に対応する画素信号を得ることが可能となる。
ここで、光センサ部100の動作について図5を用いて説明する。図5は、光センサ部100の動作を示す図である。図5には、フォトダイオード101に光子が入射した際のカソード端子電圧Voutの時間変化と、波形整形回路103から出力されるパルス信号Poutの時間変化とが示されている。図5の横軸は時刻Tを示している。
ブレークダウン電圧Vbrを超える逆バイアス電圧Vbiasが、フォトダイオード101のカソード端子に印加される。このため、フォトダイオード101はガイガーモードで動作し得る。この状態において、フォトダイオード101に光子が入射すると、フォトダイオード101において生成されたキャリアがアバランシェ増倍現像を引き起こし、アバランシェ電流が生ずる。このアバランシェ電流によって、負荷抵抗102に接続されたフォトダイオード101のカソード端子電圧Voutが低下し始める。
フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutは、閾値電圧Vthまで低下し、この後、フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutは更に低下し続ける。フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutが閾値電圧Vthまで低下するタイミングにおいて、波形整形回路103から出力されるパルス信号Poutはローレベルからハイレベルに遷移する。
フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutは、ブレークダウン電圧Vbrまで低下する。フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutがブレークダウン電圧Vbrまで低下すると、アバランシェ増倍現像が停止する。そうすると、バイアス電圧Vbiasを供給している電源から負荷抵抗102を介して再充電が行われるようになるため、フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutは上昇し始める。
この後、フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutは、閾値電圧Vthまで上昇する。フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutが閾値電圧Vthに達するタイミングにおいて、波形整形回路103から出力されるパルス信号Poutはハイレベルからローレベルに遷移する。
この後、再充電が完了する。再充電が完了した段階では、フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutは、逆バイアス電圧Vbiasに戻っている。なお、再充電に要する時間は、負荷抵抗102の抵抗値と寄生容量とに依存する。このように、1回の光子の入射によって、パルス幅ΔTpの1つのパルス信号Poutが光センサ部100から出力される。このように、光センサ部100からは、光子の受光頻度に応じた頻度でパルス信号Poutが発せられる。
このように、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutは、定常状態ではローレベルとなる。一方、フォトダイオード101のカソード端子電圧Voutが閾値電圧Vthを下回っている間は、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutはハイレベルとなる。つまり、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutは、フォトダイオード101に光子が入射する度にローレベルからハイレベルに転じ、一定期間が経過した後、ローレベルに戻る。従って、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutをカウントすることによって、フォトダイオード101に入射した光子の数を検出することができる。パルス信号Poutのパルス幅ΔTpは、1回の光子の入射によってパルス信号Poutがハイレベルに転じてからローレベルに戻るまでの期間に相当する。
図6は、カウンタ111のカウント値Cの遷移を示す図である。カウンタ111のビット幅がNであるため、カウンタ111がカウント可能な最大値であるカウント上限値は(2N-1)である。図6は、カウンタ111のカウント値Cが最短時間ΔTsatでカウント上限値に達する場合の例を示している。
カウンタ111のカウント値Cは、パルス信号Poutがハイレベルに遷移するたびにインクリメントされる。カウント値Cがインクリメントされる間隔は、パルス信号Poutのパルス幅ΔTpを下回ることはない。このため、カウンタ111のカウント値Cが0からカウント上限値に達するまでに要する最短時間ΔTsatは、以下のような式(1)によって表される。
ΔTsat = ΔTp×(2N-1) ・・・(1)
従って、上述した最短時間ΔTsat以下の周期でカウンタ111からのカウント値の読み出しとカウンタ111のリセットとを繰り返すようにすれば、カウンタ111が飽和するのを防止しつつ、パルス信号Poutをカウントすることができる。
図1は、本実施形態による固体撮像素子1の動作の例を示すタイミングチャートである。図1には、カウント期間ΔTacc中にカウントされる光子の総数が画素毎に取得され、1フレーム分の画像信号が生成される動作が示されている。
タイミングT100において、駆動制御部311がパルス状のリセット信号PRESを、全ての画素セル10にそれぞれ備えられたカウンタ111に供給する。これにより、全ての画素セル10のカウンタ111がリセットされ、1フレーム分の撮影動作が開始される。カウンタ111からカウント値の読み出しが開始されるタイミングよりも前のタイミングで、フレームメモリ13がリセットされる。ここでは、タイミングT100において、フレームメモリ13がリセットされる場合を例に説明する。
タイミングT101において、駆動制御部311が、ハイレベルのカウントイネーブル信号PENを、全ての画素セル10にそれぞれ備えられたカウンタ111に供給する。これにより、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutのカウンタ111によるカウントが、全ての画素セル10において開始される。
タイミングT102において、第1回目のカウント値の読み出しが開始される。駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10にハイレベルの画素選択信号PSELを供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10が選択される。読み出しメモリ11を共有しているJ個の画素セル10のうち、第1番目の行に位置する画素セル10が選択される。また、駆動制御部311は、ハイレベルのメモリ選択信号PMEMを読み出しメモリ11に供給する。これにより、画素セル10のカウンタ111から出力されるカウント値が読み出しメモリ11に記憶される。この後、駆動制御部311は、第1番目の行に位置する画素セル10にハイレベルのリセット信号PRESを供給する。これにより、第1番目の行に位置する画素セル10に備えられたカウンタ111がリセットされる。リセットが行われた後、当該カウンタ111は、パルス信号Poutのカウントを継続する。駆動制御部311は、この後、読み出しメモリ11に読み出し信号PRDを供給する。これにより、読み出しメモリ11に記憶されたカウント値が、加算回路12を介してフレームメモリ13に入力される。各々の画素セル10を用いて取得される画素信号が、このようにしてフレームメモリ13に順次記憶される。カウントが開始されるタイミングT101から第J番目の行に位置するカウンタ111がリセットされるタイミングT103までの期間ΔTreadは、上述した最短時間ΔTsat以下に設定される。期間ΔTreadが最短時間ΔTsat以下に設定されるため、全ての画素セル10のカウンタ111がカウント上限値に達する前に、カウント値の読み出しが完了される。このように、本実施形態では、カウンタ111のカウント上限値とパルス信号Poutのパルス幅ΔTpとの積以下の周期で、カウンタ111からのカウント値の読み出しとカウンタ111に対するリセットとが行われる。
第1番目の行に位置する画素セル10に備えられたカウンタ111から第1回目のカウント値の読み出しが行われてから期間ΔTreadが経過したタイミングT104において、第2回目のカウント値の読み出しが開始される。第2回目のカウント値の読み出しにおいても、第1回目のカウント値の読み出しと同様に、画素セル10からカウント値が順次読み出される。加算回路12は、読み出しメモリ11を介して順次読み出されるカウント値を、フレームメモリ13に記憶された画素信号に順次加算する。第1番目の行に位置するある画素セル10のカウント値は、第1回目のカウント値の読み出しの際には例えばC1である。カウント値C1は、当該画素セル10の画素信号としてフレームメモリ13に保持されている。当該一の画素セル10のカウント値は、第2回目のカウント値の読み出しの際には例えばC2である。加算回路12は、カウント値C1とカウント値C2とを加算することによって加算値(C1+C2)を取得する。加算回路12によってこうして得られる加算値(C1+C2)が、当該画素セル10の画素信号としてフレームメモリ13に記憶される。タイミングT103は、上述したように、第1回目のカウント値の読み出しにおいて第J番目の行に位置するカウンタ111がリセットされるタイミングである。タイミングT105は、上述したように、第2回目のカウント値の読み出しにおいて第J番目の行に位置するカウンタ111がリセットされるタイミングである。タイミングT103からT105までの期間ΔTreadも、上述した最短時間ΔTsat以下に設定される。
第3回目以降のカウント値の読み出しも、第2回目のカウント値の読み出しと同様に行われる。タイミングT106以降においても、カウントイネーブル信号PENがローレベルに遷移するまでの間、上記と同様の動作が繰り返される。
カウントが開始されるタイミングT101からカウント期間ΔTaccが経過したタイミングT107において、駆動制御部311が、カウントイネーブル信号PENをローレベルに遷移させる。これにより、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutに対するカウントが、全ての画素セル10のカウンタ111において停止される。画素アレイ300に備えられた複数の画素セル10の各々に備えられたカウンタ111は、カウント値をそれぞれ保持する。この後、上記と同様にして、各々の画素セル10からカウント値が読み出される。加算回路12は、各々の画素セル10から順次読み出されるカウント値を、フレームメモリ13に保持された画素信号に順次加算する。
タイミングT108からタイミングT109においては、フレームメモリ13に記憶された各々の画素の信号値が固体撮像素子1の外部に出力される。こうして、1つのフレームの撮影動作が終了する。
図7は、カウンタ111のカウント値とフレームメモリ13に記憶される画素信号との遷移を示す図である。図7は、画素アレイ300に備えられた複数の画素セル10のうちの1つの画素セル10に着目したものである。図7には、カウンタ111のカウント値とフレームメモリ13に記憶される画素信号とが示されている。
カウント期間ΔTaccが開始されるタイミングにおいて、カウンタ111とフレームメモリ13とがリセットされる。カウンタ111は、パルス信号のカウントを開始する。この後、パルス信号Poutが出力される毎に、カウンタ111のカウント値が当該画素セル10においてインクリメントされる。
上述した最短時間ΔTsatよりも短い期間ΔT1が経過したタイミングにおいて、カウンタ111からカウント値が読み出され、当該カウンタ111のカウント値がリセットされる。カウンタ111は、リセットされた後も、パルス信号Poutのカウントを継続する。カウンタ111から読み出されたカウント値は、フレームメモリ13に保持されたリセット値0に積算され、画素信号としてフレームメモリ13に記憶させる。
この後、上述した最短時間ΔTsatよりも短い上述した期間ΔTreadが経過したタイミングにおいて、カウンタ111からカウント値が読み出され、当該カウンタ111のカウント値がリセットされる。カウンタ111は、リセットされた後も、パルス信号Poutのカウントを継続する。カウンタ111から読み出されたカウント値は、フレームメモリ13に保持されている画素信号に積算され、積算により得られた画素信号がフレームメモリ13に記憶される。この後も、上記と同様の動作がΔTreadの周期で繰り返される。
カウント期間ΔTaccが経過したタイミングにおいて、カウンタ111は、パルス信号のカウントを停止する。そして、当該カウンタ111からカウント値が読み出される。当該カウンタ111から読み出されたカウント値は、フレームメモリ13に保持されている画素信号に積算され、積算により得られた画素信号がフレームメモリ13に記憶される。こうしてフレームメモリ13に記憶される画素信号は、カウント期間ΔTacc内に各々の画素セル10でカウントされたパルス信号Poutの数に相当する。
このように、本実施形態によれば、カウンタ111のカウント値がカウント上限値に達するまでに要する最短時間ΔTsatよりも短い期間内にカウントされるカウント値が読み出され、当該カウンタ111に対してリセットが行われる。カウンタ111から読み出されるカウント値は、カウンタ111のビット幅より大きいビット幅の画像信号を保持し得るフレームメモリ13に、順次積算されて保持される。このため、本実施形態によれば、カウンタ111のカウント値が露光期間中に飽和するのを防止することができ、階調の良好な画像を得ることができる。
(変形例1)
次に、本実施形態の変形例による固体撮像素子1について説明する。
本変形例による固体撮像素子1の、画素セル10に備えられたカウンタ111は、カウント値が飽和した場合、次のカウントで0にリセットされ、以降もカウント動作を繰り返すカウント動作を行う。加算回路12は、カウンタ111からi番目に読み出されたカウント値Ciから、カウント値Ciより1回前に同一のカウンタ111から読み出されたカウント値Ci-1を減算する。カウント値Ci-1は、カウント値Ci-1を読み出した際にフレームメモリ13に送られ記憶されており、カウント値Ciの読み出しの際に加算回路12へ送られ減算処理に用いられる。このとき得られる減算値は、2進数で表されたNビットのカウント値Ci、Ci-1に対し、カウント値Ci-1の補数に1を加え、カウント値Ciに加算することで得られるNビットの値である。加算回路12は、さらに、露光開始からi-1番目のカウント値読み出しまでに得られた減算値の積算値に、カウント値Ciからのカウント値Ci-1の減算値を加算する。フレームメモリ13は、露光開始からの減算値の、カウンタ111ごとの積算値とカウント値Ciとを記憶する。フレームメモリに記憶されたカウント値Ciは、カウント値の読み出しのたびに、カウンタ111ごとの最新のカウント値に更新される。
この構成においては、露光期間中のカウンタ111のリセットが不要となり、カウンタ111の駆動制御が簡略化される。
本実施形態によれば、カウンタ111のカウント値を露光期間中にリセットすることなく、階調の良好な画像を得ることができる。
(変形例2)
次に、本実施形態の別の変形例による固体撮像素子1について図8を用いて説明する。
本変形例による固体撮像素子1は、画素セル10に備えられたカウンタ111からカウント値が読み出される周期を被写体の輝度に応じて設定し得るものである。
図8は、本変形例による固体撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。図8は、読み出し動作の例を示している。ここでは、カウント期間ΔTaccにおいては、カウント値の読み出しが行われず、カウント期間ΔTaccが終了した後に、カウント値の読み出しが行われる場合を例に説明する。本変形例では、カウント期間ΔTacc中においてカウント値の読み出しが行われないため、カウンタ111の後段に位置する構成要素が駆動される頻度が低くなり、ひいては、消費電力が低減される。
タイミングT800、T801における動作は、図1を用いて上述したタイミングT100、T101における動作と同様である。
カウント期間ΔTaccにおいては、カウンタ111からのカウント値の読み出しは行われることはなく、カウンタ111によってパルス信号Poutのカウントが行われる。
カウント開始のタイミングT801からカウント期間ΔTaccが経過したタイミングT802において、駆動制御部311がカウントイネーブル信号PENをローレベルにする。これにより、画素アレイ300に備えられた複数の画素セル10の全てにおいて、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutのカウンタ111によるカウントが停止される。カウントが停止された時点で各々の画素セル10のカウンタ111において得られているカウント値は、各々の画素セル10のカウンタ111によってそれぞれ保持される。この後、各々の画素セル10のカウンタ111からカウント値がそれぞれ読み出され、読み出された各々の画素信号がフレームメモリ13に記憶される。
タイミングT803からT804においては、フレームメモリ13に記憶された各画素の画素信号が、固体撮像素子1の外部に出力される。こうして、1つのフレームに対応する画像の撮影が終了する。
本変形例による撮像装置には、不図示の測光手段が備えられている。測光手段は、被写体の輝度を判定し得る。測光手段としては、例えば測光センサ等を用い得るが、これに限定されるものではない。例えば、固体撮像素子1により取得される画素信号に基づいて、被写体の輝度を判定するようにしてもよい。
カウント期間ΔTaccが終了するタイミングでカウンタ111のカウント値がカウント上限値に達するような被写体の輝度に基づいて閾値が設定される。被写体の輝度が閾値未満である場合には、カウンタ111のカウント値がカウント期間ΔTacc中にカウント上限値に達する可能性は低い。そこで、本変形例では、被写体の輝度が閾値以上である場合には、固体撮像素子1を第1の動作モードで動作させる。第1の動作モードは、図1乃至図7を用いて上述したような動作モードである。
一方、被写体の輝度が閾値以上である場合には、カウンタ111のカウント値がカウント期間ΔTacc中にカウント上限値に達する可能性が高い。そこで、本変形例では、被写体の輝度が閾値未満である場合には、固体撮像素子1を第2の動作モードで動作させる。第2の動作モードは、図8を用いて上述したような動作モードである。
なお、上記においては、カウント期間ΔTaccにおいては、カウント値の読み出しが行われず、カウント期間ΔTaccが終了した後に、カウント値の読み出しが行われる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画素セル10に備えられたカウンタ111からカウント値が読み出される周期を、被写体の輝度に応じて設定するようにしてもよい。例えば、被写体の輝度が低くなるに従って、画素セル10に備えられたカウンタ111からカウント値が読み出される周期が長くなるようにしてもよい。
本実施形態によれば、画素セル10に備えられたカウンタ111からカウント値が読み出される周期を、被写体の輝度に応じて設定する。このため、本実施形態によれば、被写体の輝度が低い場合には、カウンタ111の後段に位置する構成要素が駆動される頻度が低くなり、消費電力の低減を図ることが可能である。
[第2実施形態]
第2実施形態による固体撮像素子、撮像装置及び撮像方法を図9及び図10を用いて説明する。図1乃至図8に示す第1実施形態による固体撮像素子、撮像装置及び撮像方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略又は簡潔にする。
本実施形態による固体撮像素子は、カウンタ111aのビット幅よりも小さい数の配線が備えられたバスライン122aを介して、カウンタ111aによって取得されるカウント値が読み出されるものである。
図9は、本実施形態による固体撮像素子1aを示す図である。
画素アレイ300には、複数の画素セル10aが行列状に配されている。画素セル10aに備えられた計数部110aには、ビット幅がNのカウンタ111aが備えられている。カウンタ111aは、上位ビット部112と、下位ビット部113と、桁上がりメモリ114とを備えている。上位ビット部112のビット幅は、Lである。ここでは、LがN/2である場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。下位ビット部113のビット幅は、(N-L)である。ここでは、LがN/2である場合を例に説明するため、(N-L)もN/2である。桁上がりメモリ114は、下位ビット部113の桁上がりを示す情報を取得するとともに保持する。桁上がりメモリ114のビット幅は、例えば1である。
下位ビット部113には、駆動制御部311からカウントイネーブル信号PENが供給される。カウントイネーブル信号PENがハイレベルの際、下位ビット部113はカウント動作を行い得る。カウントイネーブル信号PENがローレベルの際、下位ビット部113はカウント動作を停止し、カウント動作が停止する直前のカウント値を保持する。
上位ビット部112には、駆動制御部311から上位ビットイネーブル信号PEN1が供給される。上位ビットイネーブル信号PEN1がハイレベルの際、上位ビット部112はカウント動作を行い得る。上位ビットイネーブル信号PEN1がローレベルの際、上位ビット部112はカウント動作を停止し、カウント動作が停止する直前のカウント値を保持する。
桁上がりメモリ114には、上位ビットイネーブル信号PEN1の反転信号が入力される。なお、図面においては、バーが付されたPEN1という符号を用いて、上位ビットイネーブル信号PEN1の反転信号が示されており、明細書においては、/PEN1という符号を用いて上位ビットイネーブル信号PEN1の反転信号が示されている。
桁上がりメモリ114は、上位ビットイネーブル信号PEN1がローレベルの際、即ち、上位ビット部112のカウント動作が停止している際、上位ビット部112の最下位ビットと同様のカウント動作を行う。下位ビット部113のカウント値が下位ビット部113のカウント上限値を超えていない場合には、桁上がりメモリ114には桁上がり情報が記憶されていない。即ち、かかる場合には、桁上がりメモリ114に例えばローレベルの桁上がり信号が記憶されている。一方、下位ビット部113のカウント値が下位ビット部113のカウント上限値を超えた場合には、桁上がりメモリ114に桁上がり情報が記憶される。即ち、かかる場合には、桁上がりメモリ114に例えばハイレベルの桁上がり信号が記憶される。下位ビット部113のカウント値がカウント上限値である(2N-L-1)からカウント下限値である0に戻ると、桁上がりメモリ114にはハイレベルの桁上がり信号が記憶される。このように、桁上がりメモリ114は、上位ビット部112のカウント動作が停止している間に、上位ビット部112のカウント値がカウント上限値を超えたか否かを示す。このため、上位ビット部112のカウント動作が停止している間に、下位ビット部113のカウント値が下位ビット部113のカウント上限値を超えた場合であっても、桁上がりメモリ114に記憶された情報を用いてカウント値を補い得る。このため、本実施形態によれば、カウント値に関する情報の欠落を防止することができる。
上位ビット部112には、駆動制御部311からリセット信号PRES1が供給される。リセット信号PRES1がハイレベルになると、上位ビット部112のカウント値がリセットされる。下位ビット部113には、駆動制御部311からリセット信号PRES2が供給される。リセット信号PRES2がハイレベルになると、下位ビット部113のカウント値がリセットされる。下位ビット部113には、駆動制御部311からデータシフト信号PDSが供給される。データシフト信号PDSがハイレベルになると、下位ビット部113のカウント値が上位ビット部112に書き込まれる。桁上がりメモリ114には、駆動制御部311からリセット信号PRES3が供給される。リセット信号PRES3がハイレベルになると、桁上がりメモリ114に保持された桁上がり情報がリセットされる。
バスライン122aには、上位ビット部112のビット幅に対応するL本の配線が備えられている。上位ビット部112の最下位ビットの信号は、選択スイッチ123及び選択スイッチ121aを介して、バスライン122aの最下位ビットの配線に出力される。上位ビット部112の最下位ビットを除くビットの信号は、選択スイッチ121aを介して、バスライン122aの最下位ビットを除くビットの配線にそれぞれ出力される。バスライン122aに備えられたL本の配線のうち、上位ビット部112の最下位ビットからの信号が供給される配線には、桁上がりメモリ114からの信号が選択スイッチ123を介して供給される。上位ビット部112の最下位ビットからの信号と、桁上がりメモリ114からの信号とのうちのいずれかが、選択スイッチ123によって選択的にバスライン122aの最下位ビットの配線に供給される。選択スイッチ123には、駆動制御部311から画素選択信号PSEL2が供給される。選択スイッチ121aには、駆動制御部311から画素選択信号PSEL1が供給される。
読み出しメモリ11aのビット幅は、N+1である。読み出しメモリ11aに備えられたN+1ビットのメモリ領域のうちのNビットのメモリ領域118には、カウンタ111aによって取得されるカウント値が格納される。読み出しメモリ11aに備えられたN+1ビットのメモリ領域のうちの1ビットのメモリ領域117には、桁上がりメモリ114によって取得される情報が格納される。メモリ領域118は、上位ビット部115と、下位ビット部116とが備えられている。上位ビット部115のビット幅は、Lである。下位ビット部116のビット幅は、(N-L)である。読み出しメモリ11aの上位ビット部115には、カウンタ111aによって取得されるカウント値の上位ビットのデータがバスライン122aを介して入力される。読み出しメモリ11aの下位ビット部116には、カウンタ111aによって取得されるカウント値の下位ビットのデータがバスライン122aを介して入力される。バスライン122aの最下位ビットの配線は、読み出しメモリ11aの下位ビット部116の最下位ビットのみならず、メモリ領域117にも接続されている。
読み出しメモリ11aの上位ビット部115には、駆動制御部311からメモリ選択信号PMEM1が供給される。メモリ選択信号PMEM1がハイレベルになると、カウンタ111aからバスライン122aに供給されている信号が、読み出しメモリ11aの上位ビット部115に書き込まれる。読み出しメモリ11aの下位ビット部116には、駆動制御部311からメモリ選択信号PMEM2が供給される。メモリ選択信号PMEM2がハイレベルになると、カウンタ111aからバスライン122aに供給されている信号が、読み出しメモリ11の下位ビット部116に書き込まれる。読み出しメモリ11aのメモリ領域117には、駆動制御部311からメモリ選択信号PMEM3が供給される。メモリ選択信号PMEM3がハイレベルになると、桁上がりメモリ114からバスライン122aに供給されている信号が、メモリ領域117に書き込まれる。読み出しメモリ11aには、駆動制御部311から読み出し信号PRDが供給される。読み出し信号PRDがハイレベルになると、読み出しメモリ11aのメモリ領域118に保持されたカウント値と、読み出しメモリ11aのメモリ領域117に保持された桁上がり信号とが、加算回路12に送信される。読み出しメモリ11aから読み出されたカウント値と桁上がり信号とは、加算回路12に入力され、画素信号の算出に用いられる。
本実施形態による固体撮像素子1に備えられた構成要素のうちの上記以外の構成要素は、第1実施形態による固体撮像素子1の構成要素と同様である。
次に、本実施形態による固体撮像素子の動作について図10を用いて説明する。図10は、カウンタ111aのカウント値の遷移を示す図である。カウンタ111aのビット幅がNであるため、カウンタ111aがカウント可能な最大値であるカウント上限値は(2N-1)である。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、カウンタ111aのカウント値がカウント上限値に達するのに要する最短時間はΔTsatである。
但し、本実施形態では、後述するように、カウンタ111aの下位ビット部113のカウント値の読み出しがカウント期間中に行われず、また、カウンタ111aの下位ビット部113のリセットもカウント期間中に行われない。カウンタ111aのカウント値が(2(N-L)-1)からカウント上限値(2N-1)に達するまでに要する最短時間ΔTsat1は、以下のような式(2)によって表される。
ΔTsat1 = ΔTp×(2N-2(N-L)) ・・・(2)
なお、2(N-L)-1は、上位ビット部112のカウント値が0であり、且つ、下位ビット部113のカウント値がカウント上限値である際のカウンタ111aのカウント値である。また、(2N-1)は、上位ビット部112がカウント上限値であり、且つ、下位ビット部113のカウント値がカウント上限値である際のカウンタ111aのカウント値である。カウンタ111aの上位ビット部112に対する読み出しとリセットとを、最短時間ΔTsat1以下の周期で行うようにすれば、カウンタ111aが飽和するのを防止しつつ、パルス信号Poutをカウントし得る。
また、本実施形態では、カウンタ111aの上位ビット部112に対して読み出しとリセットとを行っている際、下位ビット部113の最上位ビットからの桁上がりを示す桁上がり信号を、桁上がりメモリ114によって保持する。桁上がりメモリ114に保持された桁上がり信号は、上位ビット部112のカウント動作が再開された後に読み出され、カウント値に基づく画素信号を算出する際に用いられる。
図10は、本実施形態による固体撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。図10(A)には、カウント期間ΔTacc中にカウントされる光子の総数が画素毎に取得され、1フレーム分の画像信号が生成される動作が示されている。
タイミングT1000において、駆動制御部311が、パルス状のリセット信号PRES1、PRES2、PRES3を、全ての画素セル10aにそれぞれ備えられたカウンタ111aに供給する。これにより、全ての画素セル10aのカウンタ111aがリセットされ、1フレーム分の撮影動作が開始される。カウンタ111aからカウント値の読み出しが開始されるタイミングよりも前のタイミングで、フレームメモリ13がリセットされる。ここでは、タイミングT1000において、フレームメモリ13がリセットされる場合を例に説明する。
タイミングT1001における動作は、図1を用いて上述した第1実施形態による固体撮像素子1のタイミングT101における動作と同様である。即ち、タイミングT1001において、駆動制御部311が、ハイレベルのカウントイネーブル信号PENを、全ての画素セル10にそれぞれ備えられたカウンタ111に供給する。これにより、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutのカウンタ111によるカウントが、全ての画素セル10aにおいて開始される。
タイミングT1002において、第1回目のカウント値の読み出しが開始される。ここでは、カウンタ111aの上位ビット部112からカウント値が読み出され、また、桁上がりメモリ114から桁上がり信号が読み出される。
ここで、タイミングT1002からT1010までの動作を、図10(B)を用いて説明する。
タイミングT1002において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aに供給する上位ビットイネーブル信号PEN1をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの上位ビット部112のカウント動作が停止する。画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの桁上がりメモリ114には、上位ビットイネーブル信号PEN1の反転信号/PEN1が入力される。これにより、下位ビット部113の最上位ビットからの桁上がりを桁上がりメモリ114によって検出することが可能となる。また、駆動制御部311が、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aに備えられた選択スイッチ121aに供給する画素選択信号PSEL1をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aが選択され、カウンタ111aの上位ビット部112のカウント値がバスライン122aを介して出力される。
タイミングT1003において、駆動制御部311は、パルス状のメモリ選択信号PMEM1を読み出しメモリ11aに供給する。これにより、画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112から出力されたカウント値は、読み出しメモリ11aの上位ビット部115に記憶される。
タイミングT1004において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112にパルス状のリセット信号PRES1を供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112がリセットされる。即ち、カウント値の出力が完了した画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112がリセットされる。
タイミングT1005において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aに供給する上位ビットイネーブル信号PEN1をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112のカウント動作が再開される。即ち、リセットされたカウンタ111aの上位ビット部112のカウント動作が再開される。また、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの桁上がりメモリ114には、上位ビットイネーブル信号PEN1の反転信号/PEN1が入力される。このため、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの桁上がりメモリ114は、下位ビット部113の最上位ビットからの桁上がりの検出を停止する。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの選択スイッチ123に供給する画素選択信号PSEL2をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの桁上がりメモリ114によって取得された桁上がり信号が、バスライン122aを介して出力される。
タイミングT1006において、駆動制御部311は、パルス状のメモリ選択信号PMEM3を読み出しメモリ11aに供給する。これにより、画素セル10aの桁上がりメモリ114から出力された桁上がり信号は、読み出しメモリ11aのメモリ領域117に記憶される。
タイミングT1007において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの選択スイッチ121aに供給する画素選択信号PSEL1をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aに備えられた上位ビット部112及び桁上がりメモリ114がバスライン122aに接続されない状態となる。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aにパルス状のリセット信号PRES3を供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの桁上がりメモリ114がリセットされる。即ち、桁上がり信号の出力が完了した桁上がりメモリ114がリセットされる。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aの選択スイッチ123に供給される画素選択信号PSEL2をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112の最下位ビットの出力端子が、選択スイッチ123を介して選択スイッチ121aに接続された状態となる。
タイミングT1007からT1008までにおいて、駆動制御部311は、画素アレイ300の複数の列の各々に対応する複数の読み出しメモリ11aに読み出し信号PRDを順次供給する。これにより、複数の読み出しメモリ11aにそれぞれ保持されたカウント値及び桁上がり信号が、加算回路12に順次出力される。加算回路12は、メモリ領域117からの桁上がり信号が例えばハイレベルの場合には、上位ビット部115からのカウント値に対して1を加える。一方、加算回路12は、メモリ領域117からの桁上がり信号が例えばローレベルの場合には、上位ビット部115からのカウント値に対して例えば0を加える。こうして、加算回路12によって加算処理が順次行われる。加算回路12による加算処理によって得られた各々のカウント値は、下位の(N-L)ビットのデータがすべて0であるNビットの画素信号として、フレームメモリ13に順次記憶される。
この後、タイミングT1002からT1008までの動作と同様の動作が、画素アレイ300の第2番目の行から第J番目の行まで順次行われる。タイミングT1010において、第J番目の行に対する読み出しの処理が完了する。
タイミングT1001は、画素アレイ300に備えられた全ての画素セル10aにおいてカウント動作が開始されるタイミングである。タイミングT1009は、第J番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112のカウント動作が停止されるタイミングである。タイミングT1001からタイミングT1009までの期間ΔTread1は、最短時間ΔTsat1以下に設定される。このようにΔTreadを設定することにより、画素アレイ300に備えられた全ての画素セル10aのカウンタ111aがカウント上限値に達する前に、カウント値の読み出しを完了することができる。
上述したように、タイミングT1002においては、第1回目のカウント値の読み出しが開始される。タイミングT1002から期間ΔTread1が経過したタイミングT1011において、第2回目のカウント値の読み出しが開始される。第2回目のカウント値の読み出しにおいても、第1回目のカウント値の読み出しと同様に、画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112からカウント値が読み出され、また、桁上がりメモリ114から桁上がり信号が読み出される。加算回路12は、タイミングT1007からT1008において加算回路12によって行われた加算処理と同様の加算処理を行い、加算処理によって得られるカウント値を、フレームメモリ13に記憶された画素信号に順次加算する。加算回路12による加算処理によって得られる画素信号は、フレームメモリ13に記憶される。タイミングT1012において、画素アレイ300の第J番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112のカウンタ動作が停止される。上述したように、タイミングT1009は、第2回目のカウント値の読み出しにおいて第J番目の行に位置するカウンタ111aが停止されるタイミングである。タイミングT1012は、第2回目のカウント値の読み出しにおいて第J番目の行に位置するカウンタ111aが停止されるタイミングである。タイミングT1009からタイミングT1012までの期間ΔTread1も、上述した最短時間ΔTsat1以下に設定される。こうして、第2回目のカウント値の読み出しが行われる。
上述したように、タイミングT1011においては、第2回目のカウント値の読み出しが開始される。タイミングT1011から期間ΔTread1が経過したタイミングT1013において、第3回目のカウント値の読み出しが開始される。タイミングT1013以降においても、カウントイネーブル信号PENがローレベルに遷移するまでの間、タイミングT1011からT1013までと同様の動作が繰り返される。
カウントが開始されるタイミングT1001からカウント期間ΔTaccが経過したタイミングT1014において、駆動制御部311が、カウントイネーブル信号PENをローレベルに遷移させる。これにより、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutに対するカウントが、全ての画素セル10aのカウンタ111aにおいて停止される。画素アレイ300に備えられた複数の画素セル10aの各々に備えられたカウンタ111aは、カウント値をそれぞれ保持する。この後、各々の画素セル10aのカウンタ111aから、上位ビット部112のカウント値及び下位ビット部113のカウント値を読み出す。即ち、Nビット分のカウント値が各々の画素セル10aのカウンタ111aから読み出される。加算回路12は、こうして読み出されるカウント値を、フレームメモリ13から読み出される画素信号に加算する。加算回路12による加算処理によって得られる画素信号は、フレームメモリ13に記憶される。
ここで、タイミングT1014からT1020までの動作について図10(C)を用いて説明する。
タイミングT1014において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10aの各々に供給する画素選択信号PSEL1をハイレベルに遷移させる。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10aが選択される。
タイミングT1015において、駆動制御部311は、読み出しメモリ11aの上位ビット部115にパルス状のメモリ選択信号PMEM1を供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112のカウント値が、読み出しメモリ11aの上位ビット部115に保持される。
タイミングT1016において、駆動制御部311は、パルス状のデータシフト信号PDSをカウンタ111aの下位ビット部113に供給する。これにより、カウンタ111aの下位ビット部113のカウント値が、当該カウンタ111aの上位ビット部112に書き込まれる。当該カウンタ111aの上位ビット部112は、書き込まれたカウント値と保持する。
タイミングT1017において、駆動制御部311は、読み出しメモリ11aの下位ビット部116にパルス状のメモリ選択信号PMEM2を供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10aのカウンタ111aの下位ビット部113によって取得されたカウント値が、読み出しメモリ11aの下位ビット部116に保持される。このように、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10aのカウンタ111aの下位ビット部113によって取得されたカウント値は、当該カウンタ111aの上位ビット部112を介して読み出しメモリ11aの下位ビット部116に格納される。
タイミングT1018からT1019までの間、駆動制御部311は、画素アレイ300の複数の列の各々に対応する複数の読み出しメモリ11aに読み出し信号PRDを順次供給する。これにより、複数の読み出しメモリ11aにそれぞれ保持されたカウント値が、加算回路12に順次出力される。加算回路12は、こうして読み出されるカウント値を、フレームメモリ13から読み出される画素信号に加算する。加算回路12による加算処理によって得られる画素信号は、フレームメモリ13に記憶される。なお、この際には、桁上がり信号の加算処理は加算回路12によって行われない。この後、タイミングT1020までの間、タイミングT1014からT1019までの動作と同様の動作が、画素アレイ300の第2番目の行から第J番目の行まで順次行われる。タイミングT1020において、第J番目の行に対する読み出しの処理が完了する。
この後、図10(A)に示すように、タイミングT1020からT1021において、フレームメモリ13に記憶された各画素の画素信号が固体撮像素子1aから出力される。こうして、1フレームの撮影動作が終了する。
図11は、カウンタ111aのカウント値とフレームメモリ13に記憶される画素信号との遷移を示す図である。図11は、画素アレイ300に備えられた複数の画素セル10aのうちの1つの画素セル10aに着目したものである。図11には、カウンタ111aの上位ビット部112のカウント値と、カウンタ111aの下位ビット部113のカウント値と、桁上がり信号と、フレームメモリ13に記憶される画素信号とが示されている。
カウント期間ΔTaccが開始されるタイミングにおいて、カウンタ111aとフレームメモリ13とがリセットされる。カウンタ111aは、パルス信号のカウントを開始する。この後、パルス信号Poutが出力される毎に、カウンタ111aのカウント値が当該画素セル10aにおいてインクリメントされる。
上述した最短時間ΔTsat1よりも短い期間ΔT1が経過したタイミングにおいて、カウンタ111aの上位ビット部112によって取得されたカウント値が読み出され、当該カウンタ111aの上位ビット部112のカウント値がリセットされる。カウンタ111aは、リセットされた後も、パルス信号Poutのカウントを継続する。この後、当該カウンタ111aの上位ビット部112に対して読み出し及びリセットを行っている間に得られた桁上がり信号が、桁上がりメモリ114から読み出される。当該カウンタ111aの上位ビット部112から読み出されたカウント値には、当該カウンタ111aの桁上がりメモリ114から読み出された1ビットの桁上がり信号が加算される。こうして得られたカウント値を用いて、下位(N-L)ビットを0としたNビットのカウント値が生成される。こうして生成されたカウント値は、フレームメモリ13に保持されたリセット値0に積算され、画素信号としてフレームメモリ13に記憶される。
この後、上述した最短時間ΔTsat1よりも短い期間ΔTread1が経過したタイミングにおいて、カウンタ111aの上位ビット部112からカウント値が読み出され、当該カウンタ111aの上位ビット部112のカウント値がリセットされる。当該カウンタ111aの桁上がりメモリ114からは、第1回目の読み出しと同様に、桁上がり信号が読み出される。当該カウンタ111aの上位ビット部112から読み出されたカウント値には、当該カウンタ111aの桁上がりメモリ114から読み出された1ビットの桁上がり信号が加算される。こうして得られたカウント値を用いて、下位(N-L)ビットを0としたNビットのカウント値が生成される。こうして生成されたカウント値は、フレームメモリ13に保持されている画素信号に積算され、積算により得られた画素信号がフレームメモリ13に記憶される。この後も、上記と同様の動作がΔTread1の周期で繰り返される。
カウント期間ΔTaccが経過したタイミングにおいて、カウンタ111aは、パルス信号のカウントを停止する。そして、当該カウンタ111aの上位ビット部112からカウント値が読み出される。当該カウンタ111aの上位ビット部112から読み出されたカウント値は、フレームメモリ13に保持されている画素信号に積算され、積算により得られた画素信号がフレームメモリ13に記憶される。なお、この際には、桁上がり信号の読み出し処理は行われず、桁上がり信号の加算処理も行われない。この後、当該カウンタ111aの下位ビット部113のカウント値が当該カウンタ111aの上位ビット部112に書き込まれる。この後、当該カウンタ111aの上位ビット部112からカウント値が読み出される。当該カウンタ111aの上位ビット部112から読み出されるカウント値は、フレームメモリ13に保持されている画素信号の下位(N-L)ビットのデータとして用いられる。こうして、当該カウンタ111aの下位ビット部113によって取得されたカウント値が、フレームメモリ13に保持されている画素信号の下位(N-L)ビットのデータとして用いられる。
なお、ここでは、カウンタ111aの上位ビット部112のビット幅とカウンタ111aの下位ビット部113のビット幅とが等しい場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。カウンタ111aの上位ビット部112のビット幅より、カウンタ111aの下位ビット部113のビット幅が大きい場合には、下位ビット部113により得られたカウント値は複数回に分けて上位ビット部112を介して読み出される。
こうしてフレームメモリ13に記憶される画素信号は、カウント期間ΔTacc内に各々の画素セル10でカウントされたパルス信号outの数に相当する。
このように、本実施形態によっても、カウンタ111aのカウント値がカウント上限値に達するまでに要する最短時間ΔTsat1よりも短い時間内にカウントされるカウント値が読み出され、当該カウンタ111aに対してリセットが行われる。カウンタ111から読み出されるカウント値は、カウンタ111のビット幅より大きいビット幅の画像信号を保持し得るフレームメモリ13に、順次積算されて保持される。このため、本実施形態によれば、カウンタ111のカウント値が露光期間中に飽和するのを防止することができ、階調の良好な画像を得ることができる。しかも、カウンタ111aの上位ビット部112により取得されるカウント値はΔTreadの周期で読み出される一方、カウンタ111aの下位ビット部113により取得されるカウント値が読み出されるのはカウント期間ΔTacc内において1回のみである。このため、本実施形態によれば、バスライン122に備える配線の本数を削減することができ、配線レイアウトの容易化を実現することが可能となる。
[第3実施形態]
第3実施形態による固体撮像素子、撮像装置及び撮像方法について図12及び図13を用いて説明する。
本実施形態による固体撮像素子は、画素セル10bのカウンタ111bのビット幅と等しい数の配線を備えたバスラインを介して、複数の画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112からそれぞれ出力されるカウント値を同時に読み出すものである。
図12は、本実施形態による固体撮像素子1bを示す図である。
画素アレイ300には、複数の画素セル10bが行列状に配されている。画素セル10bに備えられた計数部110bには、ビット幅がNのカウンタ111bが備えられている。カウンタ111bは、図9を用いて上述したカウンタ111aと同様に、上位ビット部112と、下位ビット部113と、桁上がりメモリ114とを備えている。但し、カウンタ111bには、データシフト信号PDS(図9参照)が供給されない。
バスライン122bには、カウンタ111bのビット幅に対応するL本の配線が備えられている。上位ビット部112の最下位ビットの信号は、選択スイッチ123及び選択スイッチ121bを介して、バスライン122bの最下位ビットの配線に出力され得る。上位ビット部112の最下位ビットを除くビットの信号は、選択スイッチ121bを介して、バスライン122bの最下位ビットを除くビットの配線にそれぞれ出力され得る。バスライン122bに備えられたL本の配線のうち、上位ビット部112の最下位ビットからの信号が供給される配線には、桁上がりメモリ114からの信号が選択スイッチ123及び選択スイッチ121bを介して供給され得る。バスライン126には、(N-L)本の配線が備えられている。上位ビット部112の最下位ビットの信号は、選択スイッチ123及び選択スイッチ124を介して、バスライン126の最下位ビットの配線に出力され得る。上位ビット部112の最下位ビットを除くビットの信号は、選択スイッチ124を介して、バスライン126の最下位ビットを除くビットの配線にそれぞれ出力され得る。バスライン126に備えられたL本の配線のうち、上位ビット部112の最下位ビットからの信号が供給される配線には、桁上がりメモリ114からの信号が選択スイッチ123及び選択スイッチ124を介して供給され得る。下位ビット部113の各々のビットの信号は、選択スイッチ125を介して、バスライン126の配線にそれぞれ出力され得る。選択スイッチ121bには、駆動制御部311から画素選択信号PSEL1が供給される。選択スイッチ124には、駆動制御部311から画素選択信号PSEL3が供給される。選択スイッチ125には、駆動制御部311から画素選択信号PSEL4が供給される。
読み出しメモリ11bのビット数は、N+2である。読み出しメモリ11bには、N/2ビットの第1のメモリ領域1201と、N/2ビットの第2のメモリ領域1202と、1ビットの第3のメモリ領域1203と、1ビットの第4のメモリ領域1204とが備えられている。第1のメモリ領域1201には、画素アレイ300の第P番目の行に位置する画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112によって取得されるカウント値が、バスライン122bを介して入力される。第2のメモリ領域1202には、画素アレイ300の第P+1番目の行に位置する画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112によって取得されるカウント値が、バスライン126を介して入力される。第3のメモリ領域1203には、画素アレイ300の第P番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114から出力される桁上がり情報がバスライン122bを介して入力される。第4のメモリ領域1204には、画素アレイ300の第P+1番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114から出力される桁上がり情報がバスライン126を介して入力される。
読み出しメモリ11bの第1のメモリ領域1201及び第2のメモリ領域1202には、駆動制御部311からメモリ選択信号PMEMが供給される。メモリ選択信号PMEMがハイレベルになると、第P番目の行に位置する画素セル10bのカウンタ111bからバスライン122bに供給されている信号が、読み出しメモリ11bの第1のメモリ領域1201に書き込まれる。また、メモリ選択信号PMEMがハイレベルになると、第P+1番目の行に位置する画素セル10bのカウンタ111bからバスライン126に供給されている信号が、読み出しメモリ11bの第2のメモリ領域1202に書き込まれる。
読み出しメモリ11bの第3のメモリ領域1203及び第4のメモリ領域1204には、駆動制御部311からメモリ選択信号PMEM3が供給される。メモリ選択信号PMEM3がハイレベルになると、第P番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114からバスライン122bに供給されている桁上がり信号が、読み出しメモリ11bの第3のメモリ領域1203に書き込まれる。また、メモリ選択信号PMEMがハイレベルになると、第P+1番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114からバスライン126に供給されている桁上がり信号が、読み出しメモリ11bの第4のメモリ領域1204に書き込まれる。読み出しメモリ11bには、駆動制御部311から読み出し信号PRDが供給される。読み出し信号PRDがハイレベルになると、読み出しメモリ11bに保持されたカウント値と桁上がり信号とが、ビットシフト回路14に送信される。読み出しメモリ11bから読み出された桁上がり信号は、カウント値とともにビットシフト回路14を経て加算回路12に入力され、信号値の算出に用いられる。
ビットシフト回路14には、駆動制御部311からビットシフト信号PBSが供給される。ビットシフト信号PBSがハイレベルの際、ビットシフト回路14は、以下のように動作する。即ち、ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第1のメモリ領域1201から出力されるカウント値に対して(N-L)ビット分のビットシフトを行い、下位(N-L)ビットに0を付すことによって、Nビットのカウント値を生成する。また、ビットシフト信号PBSがハイレベルの際、ビットシフト回路14は、以下のように動作する。即ち、ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第2のメモリ領域1202から出力されるカウント値に対して(N-L)ビット分のビットシフトを行い、下位(N-L)ビットに0を付すことによって、Nビットのカウント値を生成する。また、ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第3のメモリ領域1203から出力されるカウント値に対してはビットシフトを行わない。また、ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第4のメモリ領域1204から出力されるカウント値に対してはビットシフトを行わない。ビットシフト回路14は、ビットシフトを施したカウント値及びビットシフトを施していない桁上がり信号を、加算回路12に出力する。なお、ここでは、桁上がり信号に対してビットシフトを行わない場合を例に説明したが、桁上がり信号に対してビットシフトを行うようにしてもよい。
ビットシフト信号PBSがローレベルの際、ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第1のメモリ領域1201から出力されたカウント値の下位に、読み出しメモリ11bの第2のメモリ領域1202から出力されたカウント値を付加する。ビットシフト回路14は、こうして生成したNビットのカウント値を、加算回路12に出力する。
なお、このような処理によって読み出し速度が律速されないことが好ましいため、ビットシフト回路14及び加算回路12を以下のように構成することが好ましい。即ち、ある読み出しメモリ11bからカウント値及び桁上がり信号が読み出されている間に、他の読み出しメモリ11bから読み出されたカウント値及び桁上がり信号に対する所定の演算処理が完了するように、ビットシフト回路14及び加算回路12を構成する。
本実施形態による固体撮像素子1に備えられた構成要素のうちの上記以外の構成要素は、第1実施形態による固体撮像素子1の構成要素と同様である。
次に、本実施形態による固体撮像素子の動作について図13を用いて説明する。図13は、本実施形態による固体撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。本実施形態においても、カウント値の読み出し周期に対応する期間ΔTread1は、第2実施形態と同様にして決定される。図13(A)には、カウント期間ΔTacc中にカウントされる光子の総数が画素毎に取得され、1フレーム分の画像信号が生成される動作が示されている。
タイミングT1300における動作は、第2実施形態による固体撮像素子によって行われるタイミングT1000における動作と同様である。
タイミングT1301において、駆動制御部311は、ビットシフト信号PBSをハイレベルにする。タイミングT1301におけるその他の動作は、第2実施形態による固体撮像素子において行われるタイミングT1001における動作と同様である。
タイミングT1302からT1310において、第1回目のカウント値の読み出しが行われる。ここでは、カウンタ111bの上位ビット部112からカウント値が読み出され、桁上がりメモリ114から桁上がり信号が読み出される。この際、ある行に位置する画素セル10bからの信号と、当該画素セル10bが位置する行とは異なる行に位置する画素セル10bからの信号とが、同じ読み出しメモリ11bに入力される。
ここで、タイミングT1302からT1310までの動作を、図13(B)を用いて説明する。
タイミングT1302において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bに供給する上位ビットイネーブル信号PEN1をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bの上位ビット部112のカウント動作が停止する。画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114には、上位ビットイネーブル信号PEN1の反転信号/PEN1が入力される。これにより、下位ビット部113の最上位ビットからの桁上がりを桁上がりメモリ114によって検出することが可能となる。駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bに備えられた選択スイッチ121bに供給する画素選択信号PSEL1をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bが選択され、カウンタ111bの上位ビット部112のカウント値がバスライン122bを介して出力される。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第2番目の行に位置する画素セル10bに備えられた選択スイッチ125に供給する画素選択信号PSEL3をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第2番目の行に位置する画素セル10bが選択され、カウンタ111bの上位ビット部112のカウント値がバスライン126を介して出力される。
タイミングT1303において、駆動制御部311は、パルス状のメモリ選択信号PMEMを読み出しメモリ11bに供給する。これにより、第1番目の行の画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112から出力されたカウント値は、読み出しメモリ11bの第1のメモリ領域1201に記憶される。また、第2番目の行の画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112から出力されたカウント値は、読み出しメモリ11bの第2のメモリ領域1202に記憶される。
タイミングT1304において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bの上位ビット部112と第2番目の行に位置する画素セル10bの上位ビット部112とにパルス状のリセット信号PRES1を供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112がリセットされる。即ち、カウント値の出力が完了した画素セル10aのカウンタ111bの上位ビット部112がリセットされる。
タイミングT1305において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bに供給する上位ビットイネーブル信号PEN1をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112のカウント動作が停止する。即ち、リセットされたカウンタ111bの上位ビット部112のカウント動作が停止する。また、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114には、上位ビットイネーブル信号PEN1の反転信号/PEN1が入力される。このため、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114は、下位ビット部113の最上位ビットからの桁上がりの検出を停止する。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bの選択スイッチ123に供給する画素選択信号PSEL2をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114によって取得された桁上がり信号が、バスライン122bに備えられた複数の配線のうち1つの配線を介して出力される。また、画素アレイ300の第2番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114によって取得された桁上がり信号が、バスライン126に備えられた複数の配線のうちの1つの配線を介して出力される。
タイミングT1306において、駆動制御部311は、パルス状のメモリ選択信号PMEM3を読み出しメモリ11bに供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114から出力された桁上がり信号は、読み出しメモリ11bの第3のメモリ領域1203に記憶される。また、画素アレイ300の第2番目の行に位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114から出力された桁上がり信号は、読み出しメモリ11bの第4のメモリ領域1204に記憶される。
タイミングT1307において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bの選択スイッチ121bに供給する画素選択信号PSEL1をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bのカウンタ111bに備えられた上位ビット部112及び桁上がりメモリ114がバスライン122bに接続されない状態となる。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第2番目の行に位置する画素セル10bの選択スイッチ124に供給する画素選択信号PSEL3をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第2番目の行に位置する画素セル10bのカウンタ111bに備えられた上位ビット部112及び桁上がりメモリ114がバスライン126に接続されない状態となる。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bにパルス状のリセット信号PRES3を供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bの桁上がりメモリ114がリセットされる。即ち、桁上がり信号の出力が完了した桁上がりメモリ114がリセットされる。また、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10bの選択スイッチ123に供給される画素選択信号PSEL2をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行と第2番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10aのカウンタ111bの上位ビット部112の最下位ビットの出力端子が、選択スイッチ123を介して選択スイッチ121bに接続された状態となる。
タイミングT1307からT1308までにおいて、駆動制御部311は、画素アレイ300の複数の列の各々に対応する複数の読み出しメモリ11bに読み出し信号PRDを順次供給する。これにより、複数の読み出しメモリ11bにそれぞれ保持されたカウント値及び桁上がり信号が、ビットシフト回路14に順次出力される。ビットシフト信号PBSがハイレベルとなっているため、読み出しメモリ11の第1のメモリ領域1201から出力されたカウント値は、ビットシフト回路14によって(N-L)ビット分だけ桁上げされる。ビットシフト回路14は、桁上げを行うことにより生成されたNビットの画素信号を加算回路12に出力する。ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第3のメモリ領域1203から出力される桁上がり信号に対して桁上げを行うことなく、当該桁上がり信号を加算回路12に出力する。ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第4のメモリ領域1204から出力される桁上がり信号に対して桁上げを行うことなく、当該桁上がり信号を加算回路12に出力する。加算回路12は、第3のメモリ領域1203からの桁上がり信号が例えばハイレベルの場合には、第1のメモリ領域1201からのカウント値に対して例えば1を加える。一方、加算回路12は、第3のメモリ領域1203からの桁上がり信号がローレベルの場合には、第1のメモリ領域1201からのカウント値に対して例えば0を加える。また、加算回路12は、第4のメモリ領域1204からの桁上がり信号が例えばハイレベルの場合には、第2のメモリ領域1202からのカウント値に対して例えば1を加える。一方、加算回路12は、第4のメモリ領域1204からの桁上がり信号がローレベルの場合には、第2のメモリ領域1202からのカウント値に対して例えば0を加える。こうして、加算回路12によって加算処理が順次行われる。加算回路12による加算処理によって得られた各々のカウント値は、下位の(N-L)ビットのデータがすべて0であるNビットの画素信号として、フレームメモリ13に順次記憶される。
この後、タイミングT1302からT1308までの動作と同様の動作が、画素アレイ300の第3番目の行から第J番目の行まで2行ずつ順次行われる。タイミングT1310において、第J番目の行に対する読み出しの処理が完了する。
本実施形態によれば、読み出しが2行ずつ行われるため、第2実施形態と比較して、読み出しに要する時間を全体としてほぼ半減することが可能である。
タイミングT1301は、画素アレイ300に備えられた全ての画素セル10bにおいてカウント動作が開始されるタイミングである。タイミングT1309は、第J-1番目の行と第J番目の行とにそれぞれ位置する画素セル10aのカウンタ111aの上位ビット部112のカウント動作が停止されるタイミングである。タイミングT1301からタイミングT1309までの期間ΔTread1は、最短時間ΔTsat1以下に設定される。このようにΔTreadを設定することにより、画素アレイ300に備えられた全ての画素セル10bのカウンタ111bがカウント上限値に達する前に、カウント値の読み出しを完了することができる。
上述したように、タイミングT1302においては、第1回目のカウント値の読み出しが開始される。タイミングT1302から期間ΔTread1が経過したタイミングT1311において、第2回目のカウント値の読み出しが開始される。第2回目のカウント値の読み出しにおいて行われる処理も、第1回目のカウント値の読み出しにおいて行われる処理と同様である。
上述したように、タイミングT1309は、第2回目のカウント値の読み出しにおいて第J-1番目の行と第J番目の行とにそれぞれ位置するカウンタ111bが停止されるタイミングである。タイミングT1312は、第2回目のカウント値の読み出しにおいて第J-1番目の行と第J番目の行とにそれぞれ位置するカウンタ111bが停止されるタイミングである。タイミングT1309からタイミングT1312までの期間ΔTread1も、上述した最短時間ΔTsat1以下に設定される。こうして、第2回目のカウント値の読み出しが行われる。
上述したように、タイミングT1311においては、第2回目のカウント値の読み出しが開始される。タイミングT1311から期間ΔTread1が経過したタイミングT1313において、第3回目のカウント値の読み出しが開始される。タイミングT1313以降においても、カウントイネーブル信号PENがローレベルに遷移するまでの間、タイミングT1311からT1313までと同様の動作が繰り返される。
カウントが開始されるタイミングT1301からカウント期間ΔTaccが経過したタイミングT1314において、駆動制御部311が、カウントイネーブル信号PENをローレベルに遷移させる。これにより、光センサ部100から出力されるパルス信号Poutに対するカウントが、全ての画素セル10bのカウンタ111bにおいて停止される。画素アレイ300に備えられた複数の画素セル10bの各々に備えられたカウンタ111bは、カウント値をそれぞれ保持する。また、駆動制御部311は、ビットシフト回路14に供給するビットシフト信号PBSをローレベルにする。各々の画素セル10bのカウンタ111bから、下位(N-L)ビットのデータを含むNビットのカウント値の読み出しが開始される。
ここで、タイミングT1314からT1320までの動作について図13(C)を用いて説明する。
タイミングT1314において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10bの各々に供給する画素選択信号PSEL1、PSEL4をハイレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112がバスライン122bにそれぞれ接続される。また、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10bのカウンタ111bの下位ビット部113がバスライン126にそれぞれ接続される。
タイミングT1315において、駆動制御部311は、読み出しメモリ11aにパルス状のメモリ選択信号PMEMを供給する。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bの上位ビット部112のカウント値が、読み出しメモリ11bの第1のメモリ領域1201に記憶される。また、画素アレイ300の第1番目の行に位置する画素セル10bの下位ビット部113のカウント値が、読み出しメモリ11bの第2のメモリ領域1202に記憶される。
タイミングT1316において、駆動制御部311は、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10bの各々に供給する画素選択信号PSEL1、PSEL4をローレベルにする。これにより、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10bの各々の上位ビット部112がバスライン122bに接続されない状態になる。また、画素アレイ300の第1番目の行に位置する複数の画素セル10bの各々の下位ビット部113がバスライン126に接続されない状態となる。
タイミングT1316からT1317までの間、駆動制御部311は、画素アレイ300の複数の列の各々に対応する複数の読み出しメモリ11bに読み出し信号PRDを順次供給する。これにより、複数の読み出しメモリ11bにそれぞれ保持されたカウント値が、ビットシフト回路14に順次出力させる。ビットシフト信号PBSはローレベルになっている。このため、ビットシフト回路14は、読み出しメモリ11bの第1のメモリ領域1201から読み出したLビットのデータの下位に、読み出しメモリ11bの第2のメモリ領域1202から読み出した(N-L)ビットのデータを付加する。これにより、Nビットのカウント値が生成される。各々の画素セル10bにそれぞれ対応するNビットのカウント値は、加算回路12に順次出力される。加算回路12は、こうして読み出されるカウント値を、フレームメモリ13から読み出される画素信号に加算する。加算回路12による加算処理によって得られる画素信号は、フレームメモリ13に記憶される。なお、この際には、桁上がり信号の加算処理は加算回路12によって行われない。この後、タイミングT1320までの間、タイミングT1314からT1317までの動作と同様の動作が、画素アレイ300の第2番目の行から第J番目の行まで順次行われる。タイミングT1320において、第J番目の行に対する読み出しの処理が完了する。タイミングT1314からタイミングT1320までは、1行ずつ読み出しが行われるため、2行ずつ読み出しを行う場合と比較して、読み出しに長時間を要する。しかし、カウンタ111bのカウント動作が既に停止されているため、読み出しに要する時間が上述したΔTsat1を超えたとしても特段の問題は生じない。
この後、図13(A)に示すように、タイミングT1320からT1321において、フレームメモリ13に記憶された各画素の画素信号が固体撮像素子1bから出力される。こうして、1フレームの撮影動作が終了する。
このように、本実施形態によっても、カウンタ111bのカウント値がカウント上限値に達するまでに要する最短時間ΔTsat1よりも短い時間内にカウントされるカウント値が読み出され、当該カウンタ111aに対してリセットが行われる。カウンタ111bから読み出されるカウント値は、カウンタ111bのビット幅より大きいビット幅の画像信号を保持し得るフレームメモリ13に、順次積算されて保持される。このため、本実施形態によれば、カウンタ111bのカウント値が露光期間中に飽和するのを防止することができ、階調の良好な画像を得ることができる。しかも、カウンタ111bの上位ビット部112により取得されるカウント値はΔTreadの周期で読み出される一方、カウンタ111bの下位ビット部113により取得されるカウント値が読み出されるのはカウント期間ΔTacc内において1回のみである。このため、本実施形態によれば、複数の行にそれぞれ位置する画素セル10bのカウンタ111bの上位ビット部112からそれぞれ出力されるカウント値をバスライン122b、126を介してまとめて読み出すことが可能である。このため、本実施形態によれば、読み出しに要する時間を短縮することができ、ひいては、高画素化等に寄与することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
第2実施形態では、画素セル10aによって取得されたカウント値を複数の配線が備えられたバスライン122aを介して伝送する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画素セル10aによって取得された複数ビットのカウント値をシリアル伝送するようにしてもよい。この場合には、画素セル10aによって取得されたカウント値を読み出すための配線を1本にすることも可能である。