JP7012918B2 - アンテナ装置及び校正方法 - Google Patents
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Description
また、当該無線通信装置は、複数の送受信切り替えスイッチのうちのいずれか1つの送受信切り替えスイッチと、複数の素子アンテナのうちのいずれか1つの素子アンテナとを結ぶ線路に設置されている複数の方向性結合器を備えている。
さらに、当該無線通信装置は、複数の送信回路を校正するための校正用信号を生成する校正信号処理部を備えている。
複数の方向性結合器のそれぞれは、入力された信号の一部を校正信号処理部に出力する。校正信号処理部は、複数の方向性結合器から出力された信号に基づいて、複数の送信回路における特性のばらつきを算出して、複数の送信回路を校正するための校正用信号を生成する。
したがって、複数の素子アンテナのそれぞれと接続されている素子側線路である複数の素子側線路の特性にばらつきが生じている状況下では、複数の送信回路における特性のばらつきを補償できても、複数の素子側経路における特性のばらつきを補償することができない。このため、送信回路の入力側から素子アンテナに至る複数の送信系における特性のばらつきを補償することができないという課題があった。
図1は、実施の形態1に係るアンテナ装置を示す構成図である。
図1において、アンテナ装置は、送信機1、分配器2、アレーアンテナ3、合成器4、受信機5、送受信モジュール11-1~11-N及び校正部16を備えている。
Nは、3以上の整数であればよく、図1に示すアンテナ装置は、N=4の例を示している。
以下、N=4であるものとして、アンテナ装置を説明する。
分配器2は、送信機1から出力された送信信号を4つに分配し、分配後のそれぞれの送信信号を、送受信モジュール11-n(n=1,2,3,4)に含まれている後述する送信回路12-nに出力する。
以下、送受信モジュール11-n(n=1,2,3,4)のそれぞれを区別しない場合、送受信モジュール11のように表記することがある。
また、送信回路12-n(n=1,2,3,4)のそれぞれを区別しない場合、送信回路12のように表記することがある。
また、受信回路13-n(n=1,2,3,4)のそれぞれを区別しない場合、受信回路13のように表記することがある。
図1に示すアンテナ装置では、説明の便宜上、校正部16が、送受信モジュール11-1~11-4のそれぞれに含まれている送信回路12-1~12-4のうち、2つ以上の送信回路12である、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正するものとする。
この場合、複数の送受信モジュール11のうち、2つ以上の送受信モジュール11が、送受信モジュール11-1,11-2,11-4であり、残りの送受信モジュール11が、送受信モジュール11-3である。
校正部16が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する場合、分配器2から送信信号が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに与えられる。分配器2から送信信号が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに与えられることによって、素子アンテナ3-n(n=1,2,4)が、送信回路12-n(n=1,2,4)から出力された送信信号を空中に放射する。また、素子アンテナ3-3が、素子アンテナ3-n(n=1,2,4)から放射された送信信号を受信する。
図1に示すアンテナ装置では、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の入力側は、送信回路12-nと分配器2との接続箇所を意味する。ただし、これは一例に過ぎず、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の入力側が、送信機1の出力端を意味するものであってもよい。
素子アンテナ3-1から受信回路13-1の出力側に至る受信系を受信系(1)、素子アンテナ3-2から受信回路13-2の出力側に至る受信系を受信系(2)と称する。また、素子アンテナ3-3から受信回路13-3の出力側に至る受信系を受信系(3)、素子アンテナ3-4から受信回路13-4の出力側に至る受信系を受信系(4)と称する。
図1に示すアンテナ装置では、受信回路13-n(n=1,2,3,4)の出力側は、受信回路13-nと合成器4との接続箇所を意味する。ただし、これは一例に過ぎず、受信回路13-n(n=1,2,3,4)の出力側が、受信機5の入力端を意味するものであってもよい。
受信機5は、合成器4より出力された受信信号rから、送信系(1)を通過してきた信号Tx1の振幅amp1及び信号Tx1の位相phT1のそれぞれを検出し、振幅amp1及び位相phT1のそれぞれを示す振幅位相情報apT1を校正部16に出力する。
受信機5は、合成器4より出力された受信信号rから、送信系(2)を通過してきた信号Tx2の振幅ampT2及び信号Tx2の位相phT2のそれぞれを検出し、振幅ampT2及び位相phT2のそれぞれを示す振幅位相情報apT2を校正部16に出力する。
受信機5は、合成器4より出力された受信信号rから、送信系(4)を通過してきた信号Tx4の振幅ampT4及び信号Tx4の位相phT4のそれぞれを検出し、振幅ampT4及び位相phT4のそれぞれを示す振幅位相情報apT4を校正部16に出力する。
送信回路12-nは、開閉スイッチ12a、送信用移相器12b、送信用可変増幅器12c及び送信用増幅器12dを備えている。
送信回路12-nは、分配器2から出力された分配後の送信信号を送信する回路である。
開閉スイッチ12aは、校正部16の後述する制御部16bから出力された制御信号に従って、開閉が制御される。
送信用移相器12bは、制御部16bから出力された制御信号に従って、分配器2から開閉スイッチ12aを介して出力された分配後の送信信号の位相を調整する。
送信用可変増幅器12cは、制御部16bから出力された制御信号に従って、送信用移相器12bによる位相調整後の送信信号の振幅を調整する。
送信用増幅器12dは、送信用可変増幅器12cによる振幅調整後の送信信号の電力を増幅し、電力増幅後の送信信号を、信号取出部15-nを介して、切替用スイッチ14-nに出力する。
受信用増幅器13aは、切替用スイッチ14-nから出力された受信信号の電力を増幅する。
受信用可変増幅器13bは、制御部16bから出力された制御信号に従って、受信用増幅器13aによる電力増幅後の受信信号の振幅を調整する。
切替用スイッチ13cは、制御部16bから出力された制御信号に従って、受信用可変増幅器13b又は信号取出部15-nのいずれか一方を受信用移相器13dと接続する。
受信用移相器13dは、制御部16bから出力された制御信号に従って、受信用可変増幅器13bによる振幅調整後の受信信号の位相、又は、信号取出部15-nにより取り出された信号の位相を調整し、位相調整後の信号を、開閉スイッチ13eを介して、合成器4に出力する。
開閉スイッチ13eは、制御部16bから出力された制御信号に従って、開閉が制御される。
図1に示すアンテナ装置では、切替用スイッチ13cが、受信用可変増幅器13bと受信用移相器13dとの間に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、切替用スイッチ13cが、開閉スイッチ13eと合成器4との間に設けられていてもよい。
送信回路12-nの出力側は、送信用増幅器12dの出力端子に相当し、受信回路13-nの入力側は、受信用増幅器13aの入力端子に相当する。
図1に示すアンテナ装置では、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の出力側が、切替用スイッチ14-nによって、素子アンテナ3-nと接続されている。
信号取出部15-n(n=1,2,3,4)は、例えば、方向性結合器によって実現される。
信号取出部15-nは、切替用スイッチ14-nと送信回路12-nの出力側との間を通過する信号を取り出し、取り出した信号を、受信回路13-nの切替用スイッチ13cに出力する。
校正部16は、結合値演算部16a及び制御部16bを備えている。
校正部16は、送受信モジュール11-1~11-4のうち、送受信モジュール11-3に含まれている信号取出部15-3により取り出された信号に基づいて、送受信モジュール11-1,11-2,11-4のそれぞれに含まれている送信回路12-1,12-2,12-4のそれぞれを校正する。
即ち、校正部16は、信号取出部15-3により取り出された信号に基づいて、送信回路12-n(n=1,2,4)の入力側から、素子アンテナ3-nに至る送信系(n)の特性を算出する。校正部16は、送信系(n)の特性に基づいて、送信回路12-1,12-2,12-4のそれぞれを校正する。
結合値演算部16aは、受信機5から出力された振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれを取得する。
結合値演算部16aは、振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれから、送信系(1)、送信系(2)及び送信系(4)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3として算出する。特性のばらつきは、信号の振幅のばらつきと、信号の位相のばらつきとを意味する。
結合値hT1,3は、送信回路12-1における特性のばらつきと、切替用スイッチ14-1と素子アンテナ3-1とを結ぶ線路Line1における特性のばらつきとを含んでいる。
結合値hT2,3は、送信回路12-2における特性のばらつきと、切替用スイッチ14-2と素子アンテナ3-2とを結ぶ線路Line2における特性のばらつきとを含んでいる。
結合値hT4,3は、送信回路12-4における特性のばらつきと、切替用スイッチ14-4と素子アンテナ3-4とを結ぶ線路Line4における特性のばらつきとを含んでいる。
図1に示すアンテナ装置では、受信機5が、送信系(n)(n=1,2,4)を通過してきた信号Txnの振幅ampTn及び信号Txnの位相phTnのそれぞれを検出して、振幅ampTn及び位相phTnのそれぞれを示す振幅位相情報apTnを結合値演算部16aに出力している。しかし、これは一例に過ぎず、結合値演算部16aが、受信機5の出力信号から、送信系(n)(n=1,2,4)を通過してきた信号Txnの振幅ampTn及び信号Txnの位相phTnのそれぞれを検出するようにしてもよい。この場合、受信機5の出力信号は、合成器4による合成後の受信信号rに相当する。
制御部16bは、送受信モジュール11-1~11-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12a及び開閉スイッチ13eにおけるそれぞれの開閉を制御する。
制御部16bは、切替用スイッチ14-1~14-4におけるそれぞれの接続先を切り替える制御を行う。
制御部16bは、送受信モジュール11-1~11-4のそれぞれに含まれている切替用スイッチ13cの接続先を切り替える制御を行う。
また、制御部16bは、結合値演算部16aにより算出された結合値hT2,3に従って、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御するための制御信号cT2を生成する。制御部16bは、制御信号cT2を送信回路12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれに出力することによって、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量と、送信回路12-2に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量とを制御する。
また、制御部16bは、結合値演算部16aにより算出された結合値hT4,3に従って、送信回路12-4に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御するための制御信号cT4を生成する。制御部16bは、制御信号cT4を送信回路12-4に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれに出力することによって、送信回路12-4に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量と、送信回路12-4に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量とを制御する。
ここで、結合値演算回路21及び制御回路22のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図3は、校正部16が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
校正部16が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、結合値演算部16a及び制御部16bにおけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
図4は、校正部16の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、校正部16が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する際の動作について説明する。
図5は、校正部16が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する際の信号の流れを示す説明図である。
校正部16が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する場合、制御部16bは、図5に示すように、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aを閉じる制御を行う。また、制御部16bは、図5に示すように、送信回路12-3に含まれている開閉スイッチ12aを開く制御を行う。
制御部16bは、図5に示すように、受信回路13-3に含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
制御部16bは、図5に示すように、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の出力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
制御部16bは、図5に示すように、信号取出部15-3の出力側が、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-3に含まれている切替用スイッチ13cの接続先を切り替える制御を行う。
分配器2は、送信機1から送信信号を受けると、送信信号の電力を4つに等分配し、分配後のそれぞれの送信信号を、送信回路12-1~12-4のそれぞれに出力する。
送信回路12-3に含まれている開閉スイッチ12aは、制御部16bによって開かれている。このため、分配器2から出力された送信信号は、送信回路12-3に含まれている開閉スイッチ12aを通過しない。
したがって、送信回路12-3に含まれている送信用移相器12b、送信用可変増幅器12c及び送信用増幅器12dのそれぞれは、動作しない。
送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている送信用可変増幅器12cは、制御部16bから出力された制御信号cTnに従って、送信用移相器12bによる位相調整後の送信信号の振幅を調整する。制御信号cTnによる振幅の調整については後述する。
送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている送信用増幅器12dは、送信用可変増幅器12cによる振幅調整後の送信信号の電力を増幅する。送信用増幅器12dは、電力増幅後の送信信号を、信号取出部15-n(n=1,2,4)を介して、切替用スイッチ14-nに出力する。
素子アンテナ3-2は、送信回路12-2に含まれている送信用増幅器12dから出力された送信信号に係る電波を空間に放射する。
素子アンテナ3-4は、送信回路12-4に含まれている送信用増幅器12dから出力された送信信号に係る電波を空間に放射する。
素子アンテナ3-3は、素子アンテナ3-1、素子アンテナ3-2及び素子アンテナ3-4のそれぞれから放射された電波を受信し、電波の受信信号を切替用スイッチ14-3に出力する。
信号取出部15-3は、切替用スイッチ14-3と送信回路12-3の出力側との間を通過する受信信号の取り出しを行う。
信号取出部15-3は、取り出した受信信号を、受信回路13-3の切替用スイッチ13cに出力する。
受信回路13-3の受信用移相器13dは、校正部16から出力された制御信号に従って、信号取出部15-3から出力された信号の位相を調整する。
合成器4は、受信回路13-3の受信用移相器13dから出力された位相調整後の信号を受けると、当該信号を受信信号rとして受信機5に出力する。
また、受信機5は、受信信号rから、送信系(2)を通過してきた信号Tx2の振幅ampT2及び信号Tx2の位相phT2のそれぞれを検出し、受信信号rから、送信系(4)を通過してきた信号Tx4の振幅ampT4及び信号Tx4の位相phT4のそれぞれを検出する。
受信機5は、振幅ampT1及び位相phT1のそれぞれを示す振幅位相情報apT1を校正部16に出力し、振幅ampT2及び位相phT2のそれぞれを示す振幅位相情報apT2を校正部16に出力する。
また、受信機5は、振幅ampT4及び位相phT4のそれぞれを示す振幅位相情報apT4を校正部16に出力する。
結合値演算部16aは、振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれから、送信系(1)、送信系(2)及び送信系(4)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3として算出する(図4のステップST2)。
以下、結合値演算部16aによる結合値hT1,3等の算出処理を具体的に説明する。
また、結合値演算部16aは、送信系(1)を通過してきた信号Tx1の位相phT1と、送信系(2)を通過してきた信号Tx2の位相phT2との位相差phT2-phT1を算出する。
結合値演算部16aは、送信系(1)を通過してきた信号Tx1の振幅ampT1と、送信系(4)を通過してきた信号Tx4の振幅ampT4との振幅差ampT4-ampT1を算出する。
また、結合値演算部16aは、送信系(1)を通過してきた信号Tx1の位相phT1と、送信系(4)を通過してきた信号Tx4の位相phT4との位相差phT4-phT1を算出する。
また、結合値hT1,3は、0の振幅差と、0の位相差とを示すものである。
ここでは、結合値演算部16aが、送信系(1)の特性を基準としている。しかし、これは一例に過ぎず、結合値演算部16aが、送信系(2)の特性、又は、送信系(4)の特性を基準としてもよい。
結合値演算部16aが、送信系(1)の特性を基準している場合、結合値hT1,3は、0の振幅差と、0の位相差とを示している。このため、制御部16bは、送信回路12-1に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量を維持し、かつ、送信回路12-1に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量を維持する旨を示す制御信号cT1を生成する。
結合値演算部16aが、送信系(1)の特性を基準している場合、結合値hT2,3は、振幅差ampT2-ampT1と、位相差phT2-phT1とを示している。このため、制御部16bは、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量を、位相差phT2-phT1だけ減算し、かつ、送信回路12-2に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量を、振幅差ampT2-ampT1だけ減算する旨を示す制御信号cT2を生成する。
結合値演算部16aが、送信系(1)の特性を基準している場合、結合値hT4,3は、振幅差ampT4-ampT1と、位相差phT4-phT1とを示している。このため、制御部16bは、送信回路12-4に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量を、位相差phT4-phT1だけ減算し、かつ、送信回路12-4に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量を、振幅差ampT4-ampT1だけ減算する旨を示す制御信号cT4を生成する。
送信回路12-2に含まれている送信用移相器12bは、制御部16bにより生成された制御信号cT2に従って、位相の調整量が制御され、送信回路12-2に含まれている送信用可変増幅器12cは、制御部16bにより生成された制御信号cT2に従って、振幅の調整量が制御される。
送信回路12-4に含まれている送信用移相器12bは、制御部16bにより生成された制御信号cT4に従って、位相の調整量が制御され、送信回路12-4に含まれている送信用可変増幅器12cは、制御部16bにより生成された制御信号cT4に従って、振幅の調整量が制御される。
また、送信系(1)を通過する信号Tx1の位相phT1と、送信系(2)を通過する信号Tx2の位相phT2と、送信系(4)を通過する信号Tx4の位相phT4とが、同一の位相になる。
ここでの同一の振幅は、厳密に振幅が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で振幅が異なっていてもよい。
また、同一の位相は、厳密に位相が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で位相が異なっていてもよい。
ただし、校正部16が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正するだけでは、送信回路12-3を校正することができない。
校正部16が、例えば、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-3のそれぞれを校正する動作を行えば、送信回路12-3を校正することができる。
例えば、送信系(1)の特性を基準とするとき、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する動作と、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-3のそれぞれを校正する動作とを行うと、送信回路12-2についての校正動作が2回になる。
この場合、2回の校正動作のそれぞれによって制御信号cT2が2つ生成されるので、校正部16の制御部16bは、例えば、一方の制御信号cT2が示す振幅の調整量と、他方の制御信号cT2が示す振幅の調整量との平均値を算出する。また、制御部16bは、一方の制御信号cT2が示す位相の調整量と、他方の制御信号cT2が示す位相の調整量との平均値を算出する。
そして、制御部16bは、振幅の調整量の平均値と、位相の調整量の平均値とを示す制御信号cT2によって、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御する。
しかし、これは一例に過ぎず、複数の送信回路12に送信信号が与えられず、複数の送受信モジュール11が、信号の受信専用に用いられるものであってもよい。例えば、送信回路12-3と送信回路12-4とに送信信号が与えられず、送受信モジュール11-3及び送受信モジュール11-4のそれぞれが、信号の受信専用に用いられるものであってもよい。
送受信モジュール11-3及び送受信モジュール11-4のそれぞれが、信号の受信専用に用いられる場合、合成器4は、受信回路13-3から出力された信号と、受信回路13-4から出力された信号とを合成し、合成後の信号を受信信号rとして受信機5に出力する。
受信機5は、例えば、REV法を用いて、合成器4より出力された合成後の受信信号rから、送信系(1)を通過してきた信号Tx1の振幅ampT1及び信号Tx1の位相phT1のそれぞれを検出し、振幅ampT1及び位相phT1のそれぞれを示す振幅位相情報apT1を校正部16に出力する。
また、受信機5は、合成器4より出力された合成後の受信信号rから、送信系(2)を通過してきた信号Tx2の振幅ampT2及び信号Tx2の位相phT2のそれぞれを検出し、振幅ampT2及び位相phT2のそれぞれを示す振幅位相情報apT2を校正部16に出力する。
校正部16の結合値演算部16aは、受信機5から出力された振幅位相情報apT1,apT2のそれぞれから、送信系(1)及び送信系(2)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hT1,3-4、hT2,3-4として算出する。
制御部16bは、結合値演算部16aにより算出された結合値hT1,3-4、hT2,3-4に従って、送信回路12-1,12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御するための制御信号cT1,cT2を生成する。
図6は、校正部16が、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれを校正する際の信号の流れを示す説明図である。
校正部16が、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれを校正する場合、制御部16bは、図6に示すように、送信回路12-3に含まれている開閉スイッチ12aを閉じて、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aを開く制御を行う。
また、制御部16bは、図6に示すように、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
制御部16bは、図6に示すように、送信回路12-3の出力側が、素子アンテナ3-3に接続されるように、切替用スイッチ14-3の接続先を切り替える制御を行う。
また、制御部16bは、図6に示すように、受信回路13-n(n=1,2,4)の入力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
制御部16bは、図6に示すように、受信回路13-n(n=1,2,4)に含まれている受信用可変増幅器13bの出力側が、受信回路13-nに含まれている受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-nに含まれている切替用スイッチ13cの接続先を切り替える制御を行う。
分配器2は、送信機1から送信信号を受けると、送信信号の電力を4つに等分配し、分配後のそれぞれの送信信号を、送信回路12-1~12-4のそれぞれに出力する。
送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aは、制御部16bによって開かれている。このため、分配器2から出力された送信信号は、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aを通過しない。
したがって、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている送信用移相器12b、送信用可変増幅器12c及び送信用増幅器12dのそれぞれは、動作しない。
送信回路12-3に含まれている送信用可変増幅器12cは、制御部16bから出力された制御信号に従って、送信用移相器12bによる位相調整後の送信信号の振幅を調整する。
送信回路12-3に含まれている送信用増幅器12dは、送信用可変増幅器12cによる振幅調整後の送信信号の電力を増幅する。送信用増幅器12dは、電力増幅後の送信信号を、信号取出部15-3を介して、切替用スイッチ14-3に出力する。
素子アンテナ3-3は、送信回路12-1に含まれている送信用増幅器12dから出力された送信信号に係る電波を空間に放射する。
素子アンテナ3-n(n=1,2,4)は、素子アンテナ3-3から放射された電波を受信し、電波の受信信号を切替用スイッチ14-nに出力する。
受信回路13-n(n=1,2,4)に含まれている受信用可変増幅器13bは、制御部16bから出力された制御信号cRnに従って、受信用可変増幅器13bによる電力増幅後の受信信号の振幅を調整する。制御信号cRnによる振幅の調整については後述する。
受信回路13-n(n=1,2,4)に含まれている受信用移相器13dは、校正部16から出力された制御信号cRnに従って、受信用可変増幅器13bによる振幅調整後の受信信号の位相を調整する。制御信号cRnによる位相の調整については後述する。
合成器4は、受信回路13-1に含まれている受信用移相器13dから出力された受信信号Rx1と、受信回路13-2に含まれている受信用移相器13dから出力された受信信号Rx2と、受信回路13-4に含まれている受信用移相器13dから出力された受信信号Rx4とを合成する。
合成器4は、合成後の受信信号ΣRxを受信機5に出力する。
また、受信機5は、受信信号ΣRxから、受信系(2)を通過してきた信号Rx2の振幅ampR2及び信号Rx2の位相phR2のそれぞれを検出し、受信信号ΣRxから、受信系(4)を通過してきた信号Rx4の振幅ampR4及び信号Rx4の位相phR4のそれぞれを検出する。
受信機5は、振幅ampR1及び位相phR1のそれぞれを示す振幅位相情報apR1を校正部16に出力し、振幅ampR2及び位相phR2のそれぞれを示す振幅位相情報apR2を校正部16に出力する。
また、受信機5は、振幅ampR4及び位相phR4のそれぞれを示す振幅位相情報apR4を校正部16に出力する。
結合値演算部16aは、振幅位相情報apR1,apR2,apR4のそれぞれから、受信系(1)、受信系(2)及び受信系(4)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hR3,1、hR3,2、hR3,4として算出する。
以下、結合値演算部16aによる結合値hR3,1等の算出処理を具体的に説明する。
また、結合値演算部16aは、受信系(1)を通過してきた信号Rx1の位相phR1と、受信系(2)を通過してきた信号Rx2の位相phR2との位相差phR2-phR1を算出する。
また、結合値演算部16aは、受信系(1)を通過してきた信号Rx1の位相phR1と、受信系(4)を通過してきた信号Rx4の位相phR4との位相差phR4-phR1を算出する。
また、結合値hR3,1は、0の振幅差と、0の位相差とを示すものである。
ここでは、結合値演算部16aが、受信系(1)の特性を基準としている。しかし、これは一例に過ぎず、結合値演算部16aが、受信系(2)の特性、又は、受信系(4)の特性を基準としてもよい。
結合値演算部16aが、受信系(1)の特性を基準している場合、結合値hR3,1は、0の振幅差と、0の位相差とを示している。このため、制御部16bは、受信回路13-1に含まれている受信用可変増幅器13bによる振幅の調整量を維持し、かつ、受信回路13-1に含まれている受信用移相器13dによる位相の調整量を維持する旨を示す制御信号cR1を生成する。
結合値演算部16aが、受信系(1)の特性を基準している場合、結合値hR3,2は、振幅差ampR2-ampR1と、位相差phR2-phR1とを示している。このため、制御部16bは、受信回路13-2に含まれている受信用可変増幅器13bによる振幅の調整量を、振幅差ampR2-ampR1だけ減算し、かつ、受信回路13-2に含まれている受信用移相器13dによる位相の調整量を、位相差phR2-phR1だけ減算する旨を示す制御信号cR2を生成する。
結合値演算部16aが、受信系(1)の特性を基準している場合、結合値hR3,4は、振幅差ampR4-ampR1と、位相差phR4-phR1とを示している。このため、制御部16bは、受信回路13-4に含まれている受信用可変増幅器13bによる振幅の調整量を、振幅差ampR4-ampR1だけ減算し、かつ、受信回路13-4に含まれている受信用移相器13dによる位相の調整量を、位相差phR4-phR1だけ減算する旨を示す制御信号cR4を生成する。
受信回路13-2に含まれている受信用可変増幅器13bは、制御部16bにより生成された制御信号cR2に従って、振幅の調整量が制御され、受信回路13-2に含まれている受信用移相器13dは、制御部16bにより生成された制御信号cR2に従って、位相の調整量が制御される。
受信回路13-4に含まれている受信用可変増幅器13bは、制御部16bにより生成された制御信号cR4に従って、振幅の調整量が制御され、受信回路13-4に含まれている受信用移相器13dは、制御部16bにより生成された制御信号cR4に従って、位相の調整量が制御される。
また、受信系(1)を通過する信号Rx1の位相phR1と、受信系(2)を通過する信号Rx2の位相phR2と、受信系(4)を通過する信号Rx4の位相phR4とが、同一の位相になる。
ここでの同一の振幅は、厳密に振幅が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で振幅が異なっていてもよい。
また、同一の位相は、厳密に位相が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で位相が異なっていてもよい。
ただし、校正部16が、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれを校正するだけでは、受信回路13-3を校正することができない。
校正部16が、例えば、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-3のそれぞれを校正する動作を行えば、受信回路13-3を校正することができる。
例えば、受信系(1)の特性を基準とするとき、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれを校正する動作と、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-3のそれぞれを校正する動作とを行うと、受信回路13-2についての校正動作が2回になる。
この場合、2回の校正動作のそれぞれによって制御信号cR2が2つ生成されるので、校正部16の制御部16bは、例えば、一方の制御信号cR2が示す振幅の調整量と、他方の制御信号cR2が示す振幅の調整量との平均値を算出する。また、制御部16bは、一方の制御信号cR2が示す位相の調整量と、他方の制御信号cR2が示す位相の調整量との平均値を算出する。
そして、制御部16bは、振幅の調整量の平均値と、位相の調整量の平均値とを示す制御信号cR2によって、受信回路13-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御する。
しかし、これは一例に過ぎず、複数の送信回路12に送信信号を与えて、複数の送受信モジュール11が、信号の送信専用に用いられるものであってもよい。例えば、送信回路12-3と送信回路12-4とに送信信号を与えて、送受信モジュール11-3及び送受信モジュール11-4のそれぞれが、信号の送信専用に用いられるものであってもよい。
送受信モジュール11-3及び送受信モジュール11-4のそれぞれが、信号の送信専用に用いられる場合、合成器4は、受信回路13-1から出力された受信信号Rx1と、受信回路13-2から出力された受信信号Rx2とを合成し、合成後の受信信号ΣRxを受信機5に出力する。
受信機5は、例えば、REV法を用いて、合成器4より出力された合成後の受信信号ΣRxから、受信系(1)を通過してきた信号Rx1の振幅ampR1及び信号Rx1の位相phR1のそれぞれを検出し、振幅ampR1及び位相phR1のそれぞれを示す振幅位相情報apR1を校正部16に出力する。
また、受信機5は、合成器4より出力された合成後の受信信号ΣRxから、受信系(2)を通過してきた信号Rx2の振幅ampR2及び信号Rx2の位相phR2のそれぞれを検出し、振幅ampR2及び位相phR2のそれぞれを示す振幅位相情報apR2を校正部16に出力する。
校正部16の結合値演算部16aは、受信機5から出力された振幅位相情報apR1,apR2のそれぞれから、受信系(1)及び受信系(2)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hR3-4,1,hR3-4,2として算出する。
制御部16bは、結合値演算部16aにより算出された結合値hT3-4,1、hT3-4,2に従って、送信回路12-1,12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御するための制御信号cR1,cR2を生成する。
次に、図1に示すアンテナ装置が、送信アンテナとして用いられる場合の動作について説明する。
制御部16bは、送信回路12-1~12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aを閉じる制御を行う。
また、制御部16bは、受信回路13-1~13-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ13eを開く制御を行う。
制御部16bは、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の出力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
分配器2は、送信機1から送信信号を受けると、送信信号の電力を4つに等分配し、分配後のそれぞれの送信信号を、送信回路12-1~12-4のそれぞれに出力する。
送信回路12-nに含まれている送信用可変増幅器12cは、制御部16bにより生成された制御信号cTnに従って、送信用移相器12bによる位相調整後の送信信号の振幅を調整する。
送信回路12-nに含まれている送信用増幅器12dは、送信用可変増幅器12cによる振幅調整後の送信信号の電力を増幅する。送信回路12-1~12-4のそれぞれに含まれている送信用増幅器12dは、電力増幅後の送信信号を、切替用スイッチ14-nに出力する。
素子アンテナ3-n(n=1,2,3,4)は、送信回路12-nに含まれている送信用増幅器12dから出力された送信信号に係る電波を空間に放射する。
制御部16bは、送信回路12-1~12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aを開く制御を行う。
また、制御部16bは、受信回路13-1~13-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
制御部16bは、受信回路13-n(n=1,2,3,4)の入力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
また、制御部16bは、受信用可変増幅器13bの出力側が、受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-n(n=1,2,3,4)に含まれている切替用スイッチ13cの接続先を切り替える制御を行う。
切替用スイッチ14-n(n=1,2,3,4)は、制御部16bによって受信回路13-nの入力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、接続先が切り替えられている。このため、素子アンテナ3-nから出力された受信信号が受信回路13-nの入力側に向かって流れる。
受信回路13-n(n=1,2,3,4)に含まれている受信用可変増幅器13bは、制御部16bにより生成された制御信号cRnに従って、受信用可変増幅器13bによる電力増幅後の受信信号の振幅を調整する。
受信回路13-n(n=1,2,3,4)に含まれている受信用移相器13dは、制御部16bにより生成された制御信号cRnに従って、受信用可変増幅器13bによる振幅調整後の受信信号の位相を調整する。
合成器4は、受信回路13-1に含まれている受信用移相器13dから出力された受信信号Rx1と、受信回路13-2に含まれている受信用移相器13dから出力された受信信号Rx2と、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dから出力された受信信号Rx3と、受信回路13-4に含まれている受信用移相器13dから出力された受信信号Rx4とを合成する。
合成器4は、合成後の受信信号ΣRxを受信機5に出力する。
受信機5は、受信処理後の受信信号を図示せぬ信号処理装置に出力する。
信号処理装置は、受信信号に含まれている情報等を復号する装置、又は、受信信号から目標の位置及び速度等を検出する装置等である。
図1に示すアンテナ装置では、素子アンテナ3-1から素子アンテナ3-3に至る経路(1)の特性と、素子アンテナ3-2から素子アンテナ3-3に至る経路(2)の特性と、素子アンテナ3-4から素子アンテナ3-3に至る経路(4)の特性とが同じであれば、校正部16が、送信系(1)の特性と送信系(2)の特性と送信系(4)の特性とのばらつきを高精度に補償することができる。しかし、経路(1)の特性と、経路(2)の特性と、経路(4)の特性とが異なっている場合、校正部16が、送信系(1)の特性と送信系(2)の特性と送信系(4)の特性とのばらつきを高精度に補償することができない。
実施の形態2では、経路(1)の特性と、経路(2)の特性と、経路(4)の特性とが異なっていても、校正部17が、送信系(1)の特性と送信系(2)の特性と送信系(4)の特性とのばらつきを高精度に補償することができるアンテナ装置について説明する。
素子アンテナ3-3から、素子アンテナ3-1を介して、受信回路13-1の出力側に至る受信系を受信系(1)と称し、素子アンテナ3-3から、素子アンテナ3-2を介して、受信回路13-2の出力側に至る受信系を受信系(2)と称する。また、素子アンテナ3-3から、素子アンテナ3-4を介して、受信回路13-4の出力側に至る受信系を受信系(4)と称する。
図8は、実施の形態2に係るアンテナ装置における校正部17のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図8において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示している。
校正部17は、結合値演算部17a、補正値記憶部17b、校正値演算部17c及び制御部17dを備えている。
校正部17は、送信系(n)の特性に基づいて、送信回路12-n(n=1,2,4)を校正する。
結合値演算部17aは、受信機5から出力された振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれを取得する。
結合値演算部17aは、図1に示す結合値演算部16aと同様に、振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれから、送信系(1)、送信系(2)及び送信系(4)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3として算出する。
補正値記憶部17bは、結合値演算部17aにより算出されたそれぞれの結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3を補正するための補正値b1,3、b2,3、b4,3を記憶している。
校正値演算部17cは、結合値演算部17aにより算出された結合値hT1,3に、補正値記憶部17bに記憶されている補正値b1,3を乗算することによって、送信系(1)の特性の補償するための校正値proT1,3を算出する。
また、校正値演算部17cは、結合値演算部17aにより算出された結合値hT2,3に、補正値記憶部17bに記憶されている補正値b2,3を乗算することによって、送信系(2)の特性を補償するための校正値proT2,3を算出する。
また、校正値演算部17cは、結合値演算部17aにより算出された結合値hT4,3に、補正値記憶部17bに記憶されている補正値b4,3を乗算することによって、送信系(4)の特性を補償するための校正値proT4,3を算出する。
制御部17dは、校正値演算部17cにより算出された校正値proT1,3に従って、送信回路12-1に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御するための制御信号cT1を生成する。制御部17dは、制御信号cT1を送信回路12-1に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれに出力することによって、送信回路12-1に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量と、送信回路12-1に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量とを制御する。
また、制御部17dは、校正値演算部17cにより算出された校正値proT2,3に従って、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御するための制御信号cT2を生成する。制御部17dは、制御信号cT2を送信回路12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれに出力することによって、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量と、送信回路12-2に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量とを制御する。
また、制御部17dは、校正値演算部17cにより算出された校正値proT4,3に従って、送信回路12-4に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御するための制御信号cT4を生成する。制御部17dは、制御信号cT4を送信回路12-4に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれに出力することによって、送信回路12-4に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量と、送信回路12-4に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量とを制御する。
ここで、補正値記憶回路23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、あるいは、DVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
また、結合値演算回路21、校正値演算回路24及び制御回路22のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
校正部17がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、補正値記憶部17bが、図3に示すコンピュータのメモリ31上に構成される。結合値演算部17a、校正値演算部17c及び制御部17dにおけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
最初に、校正部16が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する際の動作について説明する。
ただし、校正部17以外は、図1に示すアンテナ装置と同様であるため、ここでは、校正部17の動作のみを説明する。
まず、補正値記憶部17bに記憶される補正値bn,3(n=1,2,4)について説明する。
校正部17が補正値bn,mを算出する際には、図7に示すアンテナ装置と、校正用アンテナ41と、信号検出器42とが、例えば電波暗室に設置される。
このとき、アレーアンテナ3と校正用アンテナ41とが、所定の距離だけ離れた位置で対向するように設置される。
また、制御部17dは、図9に示すように、受信回路13-1~13-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ13eを開く制御を行う。
制御部17dは、図9に示すように、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の出力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
分配器2は、送信機1から送信信号を受けると、送信信号の電力を4つに等分配し、分配後のそれぞれの送信信号を、送信回路12-1~12-4のそれぞれに出力する。
送信回路12-n(n=1,2,3,4)に含まれている開閉スイッチ12aは、制御部17dによって閉じられている。このため、分配器2から出力された送信信号は、送信回路12-nに含まれている開閉スイッチ12aを通過する。
送信回路12-1~12-4のそれぞれに含まれている送信用可変増幅器12cは、送信用移相器12bによる位相調整後の送信信号の振幅を調整する。
送信回路12-1~12-4のそれぞれに含まれている送信用増幅器12dは、送信用可変増幅器12cによる振幅調整後の送信信号の電力を増幅する。送信用増幅器12dは、電力増幅後の送信信号を、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)を介して、切替用スイッチ14-nに出力する。
素子アンテナ3-n(n=1,2,3,4)は、送信回路12-nに含まれている送信用増幅器12dから出力された送信信号に係る電波を空間に放射する。
素子アンテナ3-2から放射された電波は、図9に示すように、経路P2を介して、校正用アンテナ41まで伝搬され、校正用アンテナ41は、当該電波を受信して、当該電波の受信信号Rs2を、経路Rsを介して、信号検出器42に出力する。
素子アンテナ3-3から放射された電波は、図9に示すように、経路P3を介して、校正用アンテナ41まで伝搬され、校正用アンテナ41は、当該電波を受信して、当該電波の受信信号Rs3を、経路Rsを介して、信号検出器42に出力する。
素子アンテナ3-4から放射された電波は、図9に示すように、経路P4を介して、校正用アンテナ41まで伝搬され、校正用アンテナ41は、当該電波を受信して、当該電波の受信信号Rs4を、経路Rsを介して、信号検出器42に出力する。
信号検出器42に入力された受信信号Rs2は、以下の経路(K2)を通ってきた信号であり、受信信号Rs2の振幅及び受信信号Rs2の位相のそれぞれは、経路(K2)の特性Cha2を表している。経路(K2)は、送信機1の出力側から、送信回路12-2、素子アンテナ3-2、経路P2、校正用アンテナ41及び経路Rsを介して、信号検出器42に至る経路である。
信号検出器42に入力された受信信号Rs4は、以下の経路(K4)を通ってきた信号であり、受信信号Rs4の振幅及び受信信号Rs4の位相のそれぞれは、経路(K4)の特性Cha4を表している。経路(K4)は、送信機1の出力側から、送信回路12-4、素子アンテナ3-4、経路P4、校正用アンテナ41及び経路Rsを介して、信号検出器42に至る経路である。
Cha=Cha1=Cha2=Cha3=Cha4 (1)
Cha’=Cha1/ChRs=Cha2/ChRs=Cha3/ChRs
=Cha4/ChRs (2)
Cha1’=Cha1/ChRs
Cha2’=Cha2/ChRs
Cha3’=Cha3/ChRs
Cha4’=Cha4/ChRs
信号検出器42は、経路(K1)の特性Cha1’、経路(K2)の特性Cha2’、経路(K3)の特性Cha3’及び経路(K4)の特性Cha4’のそれぞれを結合値演算部17aに出力する。
制御部17dは、受信回路13-3に含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
制御部17dは、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の出力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
制御部17dは、信号取出部15-3の出力側が、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-3に含まれている切替用スイッチ13cの接続先を切り替える制御を行う。
受信機5が振幅位相情報apT1,apT2,apT4を出力する動作は、図1に示すアンテナ装置において、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する際に、受信機5が振幅位相情報apT1,apT2,apT4を出力する動作と同様である。
結合値演算部17aは、受信機5から出力された振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれを取得する。
結合値演算部17aは、図1に示す結合値演算部16aと同様に、振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれから、送信系(1)、送信系(2)及び送信系(4)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3として算出する。
素子アンテナ3-3から、受信回路13-3を介して、受信機5に至る経路は、送信系(n)(n=1,2,4)を通過する信号Txnが共通に通る線路である。このため、結合値演算部17aは、結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3のそれぞれを、共通に通る線路の特性で除算した値を、結合値hT1,3’、hT2,3’、hT4,3’とする。
結合値演算部17aは、以下の式(3)に示すように、特性Chan’(n=1,2,4)を、結合値hTn,3’(n=1,2,4)で除算することで、補正値bn,3(n=1,2,4)を算出する。
bn,3=Chan’/hTn,3’ (3)
(n=1,2,4)
結合値演算部17aは、補正値bn,3(n=1,2,4)を補正値記憶部17bに格納する。
ここでは、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれの校正に用いる補正値bn,3(n=1,2,4)について説明している。
送受信モジュール11-1、送受信モジュール11-2、送受信モジュール11-3及び送受信モジュール11-4のそれぞれから校正用アンテナ41に向けて放射される電波の経路P1、経路P2、経路P3及び経路P4と、校正用アンテナ41から送受信モジュール11-1、送受信モジュール11-2、送受信モジュール11-3及び送受信モジュール11-4のそれぞれに向けて放射される電波の経路P1、経路P2、経路P3及び経路P4とは、同一の経路である。
したがって、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれの校正に用いる補正値b3,n(n=1,2,4)として、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれの校正に用いる補正値bn,3を使用することが可能である。
制御部17dは、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aを閉じる制御を行う。また、制御部17dは、送信回路12-3に含まれている開閉スイッチ12aを開く制御を行う。
制御部17dは、受信回路13-3に含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
制御部17dは、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の出力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
制御部17dは、信号取出部15-3の出力側が、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-3に含まれている切替用スイッチ13cの接続先を切り替える制御を行う。
受信機5が振幅位相情報apT1,apT2,apT4を出力する動作は、図1に示すアンテナ装置において、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する際に、受信機5が振幅位相情報apT1,apT2,apT4を出力する動作と同様である。
結合値演算部17aは、受信機5から出力された振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれを取得する。
結合値演算部17aは、図1に示す結合値演算部16aと同様に、振幅位相情報apT1,apT2,apT4のそれぞれから、送信系(1)、送信系(2)及び送信系(4)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3として算出する。
結合値演算部17aは、結合値hT1,3、hT2,3、hT4,3のそれぞれを校正値演算部17cに出力する。
proTn,3=hTn,3×bn,3 (4)
(n=1,2,4)
校正値演算部17cは、送信系(1)の特性を補償するための校正値proT1,3を制御部17dに出力し、送信系(2)の特性を補償するための校正値proT2,3を制御部17dに出力する。
また、校正値演算部17cは、送信系(4)の特性を補償するための校正値proT4,3を制御部17dに出力する。
結合値演算部17aが、送信系(1)の特性を基準している場合、proT2,3は、(振幅差ampT2-ampT1)×補正値b2,3と、(位相差phT2-phT1)×補正値b2,3とを示している。このため、制御部17dは、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量を、(位相差phT2-phT1)×補正値b2,3だけ減算し、かつ、送信回路12-2に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量を、(振幅差ampT2-ampT1)×補正値b2,3だけ減算する旨を示す制御信号cT2を生成する。
結合値演算部17aが、送信系(1)の特性を基準している場合、proT4,3は、(振幅差ampT4-ampT1)×補正値b4,3と、(位相差phT4-phT1)×補正値b4,3とを示している。このため、制御部17dは、送信回路12-4に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量を、(位相差phT4-phT1)×補正値b4,3だけ減算し、かつ、送信回路12-4に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量を、(振幅差ampT4-ampT1)×補正値b4,3だけ減算する旨を示す制御信号cT4を生成する。
送信回路12-2に含まれている送信用移相器12bは、制御部17dにより生成された制御信号cT2に従って、位相の調整量が制御され、送信回路12-2に含まれている送信用可変増幅器12cは、制御部17dにより生成された制御信号cT2に従って、振幅の調整量が制御される。
送信回路12-4に含まれている送信用移相器12bは、制御部17dにより生成された制御信号cT4に従って、位相の調整量が制御され、送信回路12-4に含まれている送信用可変増幅器12cは、制御部17dにより生成された制御信号cT4に従って、振幅の調整量が制御される。
また、送信系(1)を通過する信号Tx1の位相phT1と、送信系(2)を通過する信号Tx2の位相phT2と、送信系(4)を通過する信号Tx4の位相phT4とが、同一の位相になる。
ここでの同一の振幅は、厳密に振幅が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で振幅が異なっていてもよい。
また、同一の位相は、厳密に位相が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で位相が異なっていてもよい。
ただし、校正部17が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正するだけでは、送信回路12-3を校正することができない。
校正部17が、例えば、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-3のそれぞれを校正する動作を行えば、送信回路12-3を校正することができる。
このとき、結合値演算部17aは、以下の式(5)に示すように、特性Cha3’を、補正値の算出時に算出した結合値hT3,4’で除算することで、補正値b3,4を算出する。
b3,4=Cha3’/hT3,4’ (5)
校正値演算部17cは、以下の式(6)に示すように、結合値演算部17aにより算出された結合値hT3,4に、補正値記憶部17bに記憶されている補正値b3,4を乗算することによって、送信系(3)の特性を補償するための校正値proT3,4を算出する。
proT3,4=hT3,4×b3,4 (6)
結合値演算部17aが、例えば、送信系(1)の特性を基準している場合、校正値proT3,4は、(振幅差ampT3-ampT1)×補正値b3,4と、(位相差phT3-phT1)×補正値b3,4とを示している。このため、制御部17dは、送信回路12-3に含まれている送信用移相器12bによる位相の調整量を、(位相差phT3-phT1)×補正値b3,4だけ減算し、かつ、送信回路12-3に含まれている送信用可変増幅器12cによる振幅の調整量を、(振幅差ampT3-ampT1)×補正値b3,4だけ減算する旨を示す制御信号cT3を生成する。
この場合、2回の校正動作のそれぞれによって制御信号cT2が2つ生成されるので、校正部17の制御部17dは、例えば、一方の制御信号cT2が示す振幅の調整量と、他方の制御信号cT2が示す振幅の調整量との平均値を算出する。また、制御部17dは、一方の制御信号cT2が示す位相の調整量と、他方の制御信号cT2が示す位相の調整量との平均値を算出する。
そして、制御部17dは、振幅の調整量の平均値と、位相の調整量の平均値とを示す制御信号cT2によって、送信回路12-2に含まれている送信用移相器12b及び送信用可変増幅器12cのそれぞれを制御する。
校正部17が、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれを校正する場合、制御部17dは、送信回路12-3に含まれている開閉スイッチ12aを閉じて、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ12aを開く制御を行う。
また、制御部17dは、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれに含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
制御部17dは、送信回路12-3の出力側が、素子アンテナ3-3に接続されるように、切替用スイッチ14-3の接続先を切り替える制御を行う。
また、制御部17dは、受信回路13-n(n=1,2,4)の入力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
制御部17dは、受信回路13-n(n=1,2,4)に含まれている受信用可変増幅器13bの出力側が、受信回路13-nに含まれている受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-nに含まれている切替用スイッチ13cの接続先を切り替える制御を行う。
受信機5が振幅位相情報apR1,apR2,apR4を出力する動作は、図1に示すアンテナ装置において、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれを校正する際に、受信機5が振幅位相情報apR1,apR2,apR4を出力する動作と同様である。
結合値演算部17aは、受信機5から出力された振幅位相情報apR1,apR2,apR4のそれぞれを取得する。
結合値演算部17aは、図1に示す結合値演算部16aと同様に、振幅位相情報apR1,apR2,apR4のそれぞれから、受信系(1)、受信系(2)及び受信系(4)におけるそれぞれの特性のばらつきを結合値hR3,1、hR3,2、hR3,4として算出する。
結合値演算部17aは、結合値hR3,1、hR3,2、hR3,4のそれぞれを校正値演算部17cに出力する。
proR3,n=hR3,n×bn,3 (7)
(n=1,2,4)
校正値演算部17cは、受信系(1)の特性を補償するための校正値proR1,3を制御部17dに出力し、受信系(2)の特性を補償するための校正値proR2,3を制御部17dに出力する。
また、校正値演算部17cは、受信系(4)の特性を補償するための校正値proR4,3を制御部17dに出力する。
結合値演算部17aが、例えば、受信系(1)の特性を基準している場合、校正値proR3,1は、0の振幅差と、0の位相差とを示している。このため、制御部17dは、受信回路13-1に含まれている受信用可変増幅器13bによる振幅の調整量を維持し、かつ、受信回路13-1に含まれている受信用移相器13dによる位相の調整量を維持する旨を示す制御信号cR1を生成する。
結合値演算部17aが、受信系(1)の特性を基準している場合、校正値proR3,2は、(振幅差ampR2-ampR1)×補正値b2,3と、(位相差phR2-phR1)×補正値b2,3とを示している。このため、制御部17dは、受信回路13-2に含まれている受信用可変増幅器13bによる振幅の調整量を、(振幅差ampR2-ampR1)×補正値b2,3だけ減算し、かつ、受信回路13-2に含まれている受信用移相器13dによる位相の調整量を、(位相差phR2-phR1)×補正値b2,3だけ減算する旨を示す制御信号cR2を生成する。
結合値演算部17aが、受信系(1)の特性を基準している場合、校正値proR3,4は、(振幅差ampR4-ampR1)×補正値b4,3と、(位相差phR4-phR1)×補正値b4,3とを示している。このため、制御部17dは、受信回路13-4に含まれている受信用可変増幅器13bによる振幅の調整量を、(振幅差ampR4-ampR1)×補正値b4,3だけ減算し、かつ、受信回路13-4に含まれている受信用移相器13dによる位相の調整量を、(位相差phR4-phR1)×補正値b4,3だけ減算する旨を示す制御信号cR4を生成する。
受信回路13-2に含まれている受信用可変増幅器13bは、制御部17dにより生成された制御信号cR2に従って、振幅の調整量が制御され、受信回路13-2に含まれている受信用移相器13dは、制御部17dにより生成された制御信号cR2に従って、位相の調整量が制御される。
受信回路13-4に含まれている受信用可変増幅器13bは、制御部17dにより生成された制御信号cR4に従って、振幅の調整量が制御され、受信回路13-4に含まれている受信用移相器13dは、制御部17dにより生成された制御信号cR4に従って、位相の調整量が制御される。
また、受信系(1)を通過する信号Rx1の位相phR1と、受信系(2)を通過する信号Rx2の位相phR2と、受信系(4)を通過する信号Rx4の位相phR4とが、同一の位相になる。
ここでの同一の振幅は、厳密に振幅が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で振幅が異なっていてもよい。
また、同一の位相は、厳密に位相が同一であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で位相が異なっていてもよい。
ただし、校正部17が、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-4のそれぞれを校正するだけでは、受信回路13-3を校正することができない。
校正部17が、例えば、受信回路13-1、受信回路13-2及び受信回路13-3のそれぞれを校正する動作を行えば、受信回路13-3を校正することができる。
このとき、校正値演算部17cは、以下の式(8)に示すように、結合値演算部17aにより算出された結合値hR3,4に、補正値記憶部17bに記憶されている補正値b4,3を乗算することによって、受信系(3)の特性を補償するための校正値proR3,4を算出する。
proR3,4=hR3,4×b4,3 (8)
結合値演算部17aが、例えば、受信系(1)の特性を基準している場合、校正値proR3,4は、(振幅差ampR3-ampR1)×補正値b4,3と、(位相差phR3-phR1)×補正値b4,3とを示している。このため、制御部17dは、受信回路13-3に含まれている受信用可変増幅器13bによる振幅の調整量を、(振幅差ampR3-ampR1)×補正値b4,3だけ減算し、かつ、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dによる位相の調整量を、(位相差phR3-phR1)×補正値b4,3だけ減算する旨を示す制御信号cR3を生成する。
この場合、2回の校正動作のそれぞれによって制御信号cR2が2つ生成されるので、校正部17の制御部17dは、例えば、一方の制御信号cR2が示す振幅の調整量と、他方の制御信号cR2が示す振幅の調整量との平均値を算出する。また、制御部17dは、一方の制御信号cR2が示す位相の調整量と、他方の制御信号cR2が示す位相の調整量との平均値を算出する。
そして、制御部17dは、振幅の調整量の平均値と、位相の調整量の平均値とを示す制御信号cR2によって、受信回路13-2に含まれている受信用可変増幅器13b及び受信用移相器13dのそれぞれを制御する。
図7に示すアンテナ装置と同一構成のアンテナ装置をK(Kは2以上の整数)台製造する際には、K台のアンテナ装置に含まれている送信回路12-1~12-4及び受信回路13-1~13-4のそれぞれを校正する必要がある。
ここでは、1台目のアンテナ装置について、図7に示すアンテナ装置と同様に、送信回路12-1~12-4のそれぞれの補正値として、例えば、bn,3(n=1,2,4)及びb3,4を算出しているものとする。
以下、bn,3(n=1,2,4)及びb3,4のそれぞれを、bn-k(n=1,2,3,4:k=1,2,・・・,K)のように表記する。
bn-k=bn-1 (9)
(n=1,2,3,4:k=2,・・・,K)
したがって、1台目のアンテナ装置について、結合値演算部17aが、補正値bn-1を算出すれば、2台目からK台目のアンテナ装置における補正値bn-k(n=1,2,3,4:k=2,・・・,K)は、算出する必要がない。
2台目からK台目のアンテナ装置において、校正値演算部17cが、補正値bn-k(n=1,2,3,4:k=2,・・・,K)を用いて、校正値を演算する処理は、1台目のアンテナ装置において、校正値演算部17cが、補正値bn-1を用いて、校正値を演算する処理と同様である。
量産時の複数のアンテナ装置における製造誤差のばらつきは、統計的に正規分布で現れると考えられるので、K台よりも少ないP台のアンテナ装置において、1台目のアンテナ装置と同様に、結合値演算部17aが、補正値bn-k(n=1,2,3,4:k=2,・・・,P)を算出する。P<Kである。
P台のアンテナ装置のうち、いずれか1つのアンテナ装置の結合値演算部17aは、以下の式(10)に示すように、補正値bn-k(n=1,2,3,4:k=2,・・・,P)の平均値bn-aveを算出する。
これにより、K台のアンテナ装置において、製造誤差を無視できない場合でも、送信回路12-1~12-4及び受信回路13-1~13-4のそれぞれを校正することが可能になる。また、K台のアンテナ装置の結合値演算部17aのそれぞれが、補正値を算出する場合よりも、補正値の算出処理の負荷が低減される。
実施の形態3では、送受信モジュール11-n(n=1,2,3,4)が、信号取出部15-nにより取り出された信号の周波数を変換する周波数変換器51-n(n=1,2,3,4)を備えているアンテナ装置について説明する。
周波数変換器51-n(n=1,2,3,4)は、信号取出部15-nにより取り出された信号の周波数を変換し、周波数変換後の信号を、受信回路13-nに含まれている切替用スイッチ13cに出力する。
図10に示すアンテナ装置では、周波数変換器51-nが図7に示すアンテナ装置に適用されている。しかし、これは一例に過ぎず、周波数変換器51-nが図1に示すアンテナ装置に適用されていてもよい。
送信信号の周波数と受信信号の周波数とが互いに異なる場合、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)により取り出された信号の周波数は、受信機5において、受信可能な周波数と異なる。
周波数変換器51-n(n=1,2,3,4)は、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)により取り出された信号の周波数が、受信機5において、受信可能な周波数と同じになるように、変換する。
周波数変換器51-nは、周波数変換後の信号を、受信回路13-nに含まれている切替用スイッチ13cに出力する。
これにより、校正部17は、周波数変換器51-nによる周波数変換後の信号に基づいて、送信回路12-nを校正する。
したがって、図10に示すアンテナ装置では、送信機1から出力される送信信号の周波数と、受信機5により受信される受信信号の周波数とが、互いに異なる周波数であっても、送信回路12-nを校正することができる。
図1、図7及び図10に示すアンテナ装置では、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)が、方向性結合器によって実現されている。
実施の形態4では、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)が、双方向性結合器52-n(n=1,2,3,4)によって実現されているアンテナ装置について説明する。
双方向性結合器52-n(n=1,2,3,4)は、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)を構成している。
双方向性結合器52-nは、切替用スイッチ14-nから送信回路12-nの出力側へ向かう信号(以下、「第1の信号」と称する)、又は、送信回路12-nの出力側から切替用スイッチ14-nへ向かう信号(以下、「第2の信号」と称する)の取り出しを行う。
双方向性結合器52-nは、取り出した信号を、受信回路13-nに含まれている切替用スイッチ13fに出力する。
切替用スイッチ13fは、制御部17dから出力された制御信号に従って、受信用可変増幅器13bの出力側、双方向性結合器52-nにおける第1の信号の出力端子、及び、双方向性結合器52-nにおける第2の信号の出力端子のうち、いずれか1つを受信用移相器13dに接続する。
制御部17dは、受信回路13-3に含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
制御部17dは、送信回路12-n(n=1,2,3,4)の出力側が、素子アンテナ3-nに接続されるように、切替用スイッチ14-nの接続先を切り替える制御を行う。
制御部17dは、双方向性結合器52-3における第1の信号の出力端子が、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-3に含まれている切替用スイッチ13fの接続先を切り替える制御を行う。
双方向性結合器52-3は、第1の信号を、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dに出力する。
受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dは、双方向性結合器52-3から出力された第1の信号を、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dに出力する。
以降、実施の形態1~3と同様の方法で、校正部17が、送信回路12-1、送信回路12-2及び送信回路12-4のそれぞれを校正する。
切替用スイッチ14-n(n=1,2,3,4)が、送信回路12-nから出力された送信信号を素子アンテナ3-nに与えることなく、校正部17が、送信回路12-1~12-4の特性のばらつきを確認する場合、制御部17dは、送信回路12-n(n=1,2,3,4)に含まれている開閉スイッチ12aを閉じる制御を行う。
制御部17dは、受信回路13-n(n=1,2,3,4)に含まれている開閉スイッチ13eを閉じる制御を行う。
また、制御部17dは、双方向性結合器52-n(n=1,2,3,4)における第2の信号の出力端子が、受信回路13-nに含まれている受信用移相器13dに接続されるように、受信回路13-3に含まれている切替用スイッチ13fの接続先を切り替える制御を行う。
双方向性結合器52-nは、第2の信号を、受信回路13-nに含まれている受信用移相器13dに出力する。
受信回路13-nに含まれている受信用移相器13dは、双方向性結合器52-nから出力された第2の信号を、受信回路13-3に含まれている受信用移相器13dに出力する。
この場合、受信機5は、受信用移相器13dによる位相調整後の第2の信号から、振幅位相情報apRn(n=1,2,3,4)を算出し、振幅位相情報apRnを校正部17に出力する。
校正部17では、結合値演算部17aが、振幅位相情報apRnから結合値hRnを算出し、校正値演算部17cが、結合値hRから校正値proRnを算出すれば、送信回路12-n(n=1,2,3,4)における特性のばらつきを確認することができる。
図1、図7及び図10に示すアンテナ装置では、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)が、方向性結合器によって実現されている。
実施の形態5では、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)が、サーキュレータ53-n(n=1,2,3,4)によって実現されているアンテナ装置について説明する。
サーキュレータ53-n(n=1,2,3,4)は、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)を構成している。
サーキュレータ53-nは、送信回路12-nの出力側から出力された送信信号を切替用スイッチ14-nに出力し、切替用スイッチ14-nから出力された信号を、受信回路13-nに含まれている切替用スイッチ13cに出力する。
サーキュレータ53-nは、図1に示す方向性結合器によって実現される信号取出部15-nと同様の動作を行う。したがって、図12に示すアンテナ装置は、図7に示すアンテナ装置と同様に、送信系(1)~(4)における特性のばらつきを補償することができる。
図1、図7及び図10に示すアンテナ装置では、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)が、方向性結合器によって実現されている。
実施の形態6では、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)が、分配器54-n(n=1,2,3,4)によって実現されているアンテナ装置について説明する。
分配器54-n(n=1,2,3,4)は、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)を構成している。
分配器54-nは、送信回路12-nの出力側から出力された送信信号を切替用スイッチ14-nに出力し、切替用スイッチ14-nから出力された信号を、受信回路13-nに含まれている切替用スイッチ13cに出力する。
分配器54-nは、図1に示す方向性結合器によって実現される信号取出部15-nと同様の動作を行う。したがって、図13に示すアンテナ装置は、図7に示すアンテナ装置と同様に、送信系(1)~(4)における特性のばらつきを補償することができる。
実施の形態1~6に係るアンテナ装置では、送受信モジュール11-n(n=1,2,3,4)の全てに、信号取出部15-n(n=1,2,3,4)及び切替用スイッチ13cのそれぞれが設けられている。
しかし、これは一例に過ぎず、信号取出部15は、送受信モジュール11-n(n=1,2,3,4)のうち、2つ以上の送受信モジュール11に設けられていればよい。したがって、送受信モジュール11-n(n=1,2,3,4)のうち、信号取出部15が設けられていない送受信モジュール11があってもよい。
図14に示すアンテナ装置では、送受信モジュール11-n(n=1,2,3,4)のうち、送受信モジュール11-n(n=1,3)だけに、信号取出部15-n(n=1,3)及び切替用スイッチ13cのそれぞれが設けられている。
信号取出部15-n(n=2,4)には、信号取出部15-n(n=2,4)及び切替用スイッチ13cのそれぞれが設けられていない。
図14に示すアンテナ装置では、信号取出部15-n(n=2,4)及び切替用スイッチ13cのそれぞれが送受信モジュール11-nに設けられていないため、例えば、図1に示すアンテナ装置よりも、ハードウェアの数を減らすことができる。
Claims (11)
- 複数の素子アンテナを有するアレーアンテナと、
送信信号を送信する送信回路と、
受信信号を受信する受信回路と、
前記送信回路の出力側、又は、前記受信回路の入力側のいずれか一方を、前記複数の素子アンテナのうちのいずれか1つの素子アンテナに接続する切替用スイッチと、
前記切替用スイッチと前記送信回路の出力側との間を通過する信号を取り出す信号取出部とを有する複数の送受信モジュールと、
前記複数の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路の出力側が、前記切替用スイッチによって、前記複数の素子アンテナのうちのいずれか1つの素子アンテナと接続され、かつ、前記複数の送受信モジュールのうち、2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路に前記送信信号が与えられているとき、残りの送受信モジュールに含まれている前記信号取出部により取り出された信号に基づいて、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路を校正する校正部と
を備えたアンテナ装置。 - 前記校正部は、
前記残りの送受信モジュールに含まれている前記信号取出部により取り出された信号に基づいて、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路の入力側から、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれと接続されている前記素子アンテナに至る送信系の特性を算出し、前記送信系の特性に基づいて、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路を校正することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記校正部は、
前記残りの送受信モジュールに含まれている前記信号取出部により取り出された信号に基づいて、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路の入力側から、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれと接続されている前記素子アンテナを介して、前記残りの送受信モジュールと接続されている前記素子アンテナに至る送信系の特性を算出し、前記送信系の特性に基づいて、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路を校正することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記校正部は、
前記複数の送受信モジュールのうち、一部の送受信モジュールに含まれている前記送信回路の出力側が、前記切替用スイッチによって、前記複数の素子アンテナのうちのいずれか1つの素子アンテナと接続されて、残りの2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記受信回路の入力側が、前記切替用スイッチによって、前記複数の素子アンテナのうちのいずれか1つの素子アンテナと接続され、かつ、前記一部の送受信モジュールに含まれている前記送信回路に前記送信信号が与えられているとき、前記残りの2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記受信回路により受信された受信信号に基づいて、前記残りの2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記受信回路を校正することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記信号取出部により取り出された信号の周波数を変換する周波数変換器を備え、
前記校正部は、前記周波数変換器による周波数変換後の信号に基づいて、前記一部の送受信モジュールに含まれている前記送信回路を校正することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記信号取出部は、
前記切替用スイッチから前記送信回路の出力側へ向かう信号を取り出す方向性結合器であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記信号取出部は、
前記切替用スイッチから前記送信回路の出力側へ向かう信号、又は、前記送信回路の出力側から前記切替用スイッチへ向かう信号を取り出す双方向性結合器であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記信号取出部は、
前記送信回路の出力側から出力された送信信号を前記切替用スイッチに出力し、前記切替用スイッチから出力された信号を前記校正部に向けて出力するサーキュレータであることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記信号取出部は、
前記送信回路の出力側から出力された送信信号を前記切替用スイッチに出力し、前記切替用スイッチから出力された信号を前記校正部に向けて出力する分配器であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記信号取出部は、前記複数の送受信モジュールのうち、2つ以上の送受信モジュールに設けられており、
前記複数の送受信モジュールのうち、前記信号取出部が設けられていない送受信モジュールがあることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 複数の素子アンテナを有するアレーアンテナと、
送信信号を送信する送信回路と、
受信信号を受信する受信回路と、
前記送信回路の出力側、又は、前記受信回路の入力側のいずれか一方を、前記複数の素子アンテナのうちのいずれか1つの素子アンテナに接続する切替用スイッチと、
前記切替用スイッチと前記送信回路の出力側との間を通過する信号を取り出す信号取出部とを有する複数の送受信モジュールとを備えるアンテナ装置の校正方法であって、
前記複数の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路の出力側が、前記切替用スイッチによって、前記複数の素子アンテナのうちのいずれか1つの素子アンテナと接続され、かつ、前記複数の送受信モジュールのうち、2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路に前記送信信号が与えられているとき、
校正部が、残りの送受信モジュールに含まれている前記信号取出部により取り出された信号に基づいて、前記2つ以上の送受信モジュールのそれぞれに含まれている前記送信回路を校正することを特徴とする校正方法。
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