以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。本実施の形態では、例えば、ビル等の建物における運営に必要となる清掃、点検、故障対応等の作業が予定されている場所での入場の負担を軽減する構成について説明する。より具体的には、作業と、作業を実施する作業者とを管理する作業管理システムと、作業の対象となる建物に導入されているIC(Integrated Circuit)カードによる認証、スマートフォンによる認証、生体(作業者)による生体認証などを使った入場管理システムとを連携させることで、セキュリティ性と利便性とを両立する構成について説明する。
また、例えば、サーバ室、薬品庫のような高いセキュリティ性が求められるエリアに対し、作業者が不必要に入室できないようにする構成についても説明する。
また、例えば、作業者による作業の実績の入力を支援する構成、計画した作業の開始時間までに入場がされていない、計画した作業の終了時間までに退場がされていない等、作業者による作業を管理者が管理できるようにする構成などについても説明する。
以下、詳細に説明する。
(1)第1の実施の形態
図1において、100は全体として第1の実施の形態による管理システムを示す。本実施の形態において、「入場」とは、入場を含む概念であって、例えば、「入場」には、退場が含まれていてもよい。例えば、入場管理システムと表記した場合、入場管理システムには、退場を管理する機能を持つシステムも含まれてよい(入退場管理システムであってもよい)。また、例えば、入場制御装置と表記した場合、入場制御装置には、退場を管理する機能を持つ装置も含まれてよい(入退場制御装置であってもよい)。また、入場履歴情報と表記した場合、入場履歴情報には、退場を管理するための情報も含まれてよい(入退場履歴情報であってもよい)。
(管理システムに係る構成)
図1は、管理システム100に係る構成の一例を示す図である。管理システム100は、建物110に設置されている入場制御装置120と、作業管理システム130と、入場管理システム140とを備えている。入場制御装置120は、一の建物110において一または複数設置されている。なお、入場制御装置120は、複数の建物110に1つ設置されていてもよい。
建物110に設置されている入場制御装置120は、インターネット150を介して入場管理システム140と通信可能に接続されている。入場管理システム140は、インターネット150を介して作業管理システム130と通信可能に接続されている。なお、入場制御装置120と作業管理システム130とは、インターネット150を介して相互に通信可能に接続されていてもよい。
建物110は、当該建物110の入場設備であるカードリーダ111と、指静脈リーダ112と、電気錠113とを備えている。入場制御装置120は、入場設備であるカードリーダ111と、指静脈リーダ112と、電気錠113と通信可能に接続されている。
カードリーダ111は、建物110に出入りする人が所持するICカードのカード情報を読み取るためのリーダ装置である。カードリーダ111は、通常1つの建物110内においては、1種類のICカード、または、読み取りに互換性のある複数のICカードに対応したカードリーダ111が使われるのが一般的である。ただし、1つの建物110内に、読み取りに互換性のないICカードに対応したカードリーダ111が設置されていてもよい。付言するならば、建物110が異なる場合は、読み取りに互換性のないICカードに対応したカードリーダ111が設置されていることもある。なお、カードリーダ111と共にまたは替えて、ICカード以外の認証媒体に対応した読み取り機(リーダ)が設置されていてもよい。
指静脈リーダ112は、建物110に出入りする人の指静脈情報を読み取るためのリーダ装置である。なお、指静脈リーダ112と共にまたは替えて、指静脈以外の生体認証に対応した読み取り機が設置されていてもよい。
入場制御装置120は、カードリーダ111と指静脈リーダ112とから読み取った情報に基づいて、入場する人の認証を行う。建物110には、カードリーダ111と指静脈リーダ112とのいずれか一方のみで認証する管理区画(エリア)と両方で認証する管理区画とが混在していてもよい。
電気錠113は、建物110および/または建物110の管理区画ごとに設置する錠である。電気錠113は、入場制御装置120からの解錠指令に従って錠の解錠を行い、施錠指令に従って錠の施錠を行う。
入場制御装置120は、処理装置121と、記憶装置122と、外部入出力インタフェース123と、ネットワークインタフェース124とを有している。
処理装置121には、記憶装置122と、外部入出力インタフェース123と、ネットワークインタフェース124とが接続されている。処理装置121は、記憶装置122に格納されている制御プログラムを実行することによって処理を行い(入場制御装置120の機能を実現し)、入場制御装置120の動作を制御する。
記憶装置122には、認証情報125と、入場履歴情報126とを記憶(格納)している。
外部入出力インタフェース123には、カードリーダ111と、指静脈リーダ112と、電気錠113とが接続されている。外部入出力インタフェース123は、カードリーダ111と指静脈リーダ112と電気錠113とから出力された情報を処理装置121に入力する。外部入出力インタフェース123は、更に、処理装置121から出力された情報をカードリーダ111と指静脈リーダ112と電気錠113とに入力する。
ネットワークインタフェース124は、例えば、インターネット150を介してデータを入出力するインタフェースである。ネットワークインタフェース124は、処理装置121とインターネット150とに接続されている。
作業管理システム130は、作業管理AP(application)サーバ131と作業管理DB(database)サーバ132とを有している。作業管理APサーバ131と作業管理DBサーバ132とは、相互に通信可能に接続されている。
作業管理APサーバ131は、インターネット150を介して入場管理システム140に接続されている。作業管理APサーバ131は、管理者向けに作業計画と作業実績とを管理するGUI(Graphical User Interface)機能の提供と、作業管理DBサーバ132への情報の読み書きと、入場管理システム140とのデータ連携処理とを行う。
作業管理APサーバ131は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、CPU(Central Processing Unit)等である制御装置131-1、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等である記憶装置131-2、ネットワークインタフェースである通信装置131-3、ポインティングデバイス、キーボード等である入力装置131-4、表示装置、スピーカ等である出力装置131-5を含んで構成される。
作業管理APサーバ131の機能(例えば、作業管理部)は、例えば、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路などのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。また、作業管理APサーバ131の機能の一部は、作業管理APサーバ131と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
作業管理DBサーバ132は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、図示は省略する制御装置、記憶装置、通信装置などを含んで構成され、各種の情報を記憶する。作業管理DBサーバ132は、場所テーブル133と、作業者テーブル134と、計画テーブル135と、実績テーブル136と、入場履歴テーブル137とを有している。作業管理APサーバ131は、SQL言語に準拠した指示コマンドを作業管理DBサーバ132に送信することにより、作業管理DBサーバ132で保持している情報の読み書きが可能である。
入場管理システム140は、入場管理APサーバ141と入場管理DBサーバ142とを有している。入場管理APサーバ141と入場管理DBサーバ142とは、相互に通信可能に接続されている。
入場管理APサーバ141は、インターネット150を介して入場制御装置120と作業管理システム130とに接続されている。入場管理APサーバ141は、入場制御装置120とのデータ連携処理と、入場管理DBサーバへの情報の読み書きと、作業管理システム130とのデータ連携処理とを行う。
入場管理APサーバ141は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、CPU等である制御装置141-1、RAM、ROM、HDD等である記憶装置141-2、ネットワークインタフェースである通信装置141-3、ポインティングデバイス、キーボード等である入力装置141-4、表示装置、スピーカ等である出力装置141-5を含んで構成される。
入場管理APサーバ141の機能(例えば、入場管理部)は、例えば、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路などのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。また、入場管理APサーバ141の機能の一部は、入場管理APサーバ141と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
入場管理DBサーバ142は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、図示は省略する制御装置、記憶装置、通信装置などを含んで構成され、各種の情報を記憶する。入場管理DBサーバ142は、場所テーブル143と、認証情報テーブル144と、入場履歴テーブル145とを有している。入場管理APサーバ141は、SQL言語に準拠した指示コマンドを入場管理DBサーバ142に送信することにより、入場管理DBサーバ142で保持している情報の読み書きが可能である。
本実施形態では、作業管理システム130に処理部である作業管理APサーバ131と、記憶部である作業管理DBサーバ132とを備えている。しかしながら、この構成に限らない。例えば、単一のサーバに、処理部と記憶部との両方の役割を担わせてもよい。また、例えば、処理部を複数のサーバに分けて実現してもよいし、記憶部を複数のサーバに実際してもよい。また、入場管理システム140の入場管理APサーバ141および入場管理DBサーバ142についても同様である。
図2は、入場制御装置120の認証情報125の一例を示す図である。認証情報125は、作業者ID201の項目と、カードID202の項目と、指静脈情報203の項目と、通行許可リーダ番号204の項目と、有効期間開始日205の項目と、有効期間終了日206の項目とを有している。
作業者ID201の項目には、後述の作業管理DBサーバ132の作業者テーブル134に格納される情報で、作業者を一意に特定する固有の番号が格納されている。カードID202の項目には、ICカードが保持する固有の認証情報が格納されている。指静脈情報203の項目には、当該作業者の指静脈情報が格納されている。通行許可リーダ番号204の項目には、当該作業者の保持する認証情報に対し、通行を許可するカードリーダ111と指静脈リーダ112とを一意に特定する番号の一覧(許可情報の一例)が格納されている。有効期間開始日205の項目には、当該作業者の保持する認証情報に対し、認証許可を開始する日が格納されている。有効期間終了日206の項目には、当該作業者の保持する認証情報に対し、認証許可を終了する日が格納されている。
図3は、入場制御装置120の入場履歴情報126の一例を示す図である。入場履歴情報126は、発生日時301の項目と、リーダ番号302の項目と、作業者ID303の項目と、履歴内容304の項目とを有している。
発生日時301の項目には、当該履歴が表すイベントが発生した日時が格納されている。リーダ番号302の項目には、当該履歴が表すイベントが発生したカードリーダ111と指静脈リーダ112とのいずれかを一意に特定する番号が格納されている。作業者ID303の項目には、当該履歴が表すイベントが発生した作業者を一意に特定する番号が格納されている。履歴内容304の項目には、当該履歴の内容が格納されている。
図4は、作業管理DBサーバ132の場所テーブル133の一例を示す図である。場所テーブル133は、建物番号401の項目と、建物名称402の項目と、認証情報種別403の項目と、住所404の項目とを有している。
建物番号401の項目には、当該場所テーブル133のレコードを一意に特定する固有の番号が格納されている。建物名称402の項目には、当該レコードが表す建物110の名称が格納されている。認証情報種別403の項目には、当該レコードが表す建物110で使われる認証情報の一覧で、ICカードの種類と生体認証の種類との一覧が格納されている。住所404の項目には、当該レコードが表す建物110の住所が格納されている。
なお、入場管理DBサーバ142の場所テーブル143は、場所テーブル133と同じ構成であるので、その説明を省略する。
図5は、作業管理DBサーバ132の作業者テーブル134の一例を示す図である。作業者テーブル134は、作業者ID501の項目と、氏名502の項目と、会社名503の項目とを有している。
作業者ID501の項目には、当該作業者テーブル134のレコードを一意に特定する固有の番号が格納されている。氏名502の項目には、当該レコードが表す作業者の氏名が格納されている。会社名503の項目には、当該レコードが表す作業者の所属する会社名が格納されている。
図6は、作業管理DBサーバ132の計画テーブル135の一例を示す図である。計画テーブル135は、作業ID601の項目と、建物番号602の項目と、作業者ID603の項目と、通行許可リーダ番号604の項目と、作業内容605の項目と、作業予定開始日時606の項目と、作業予定終了日時607の項目とを有している。
作業ID601の項目には、当該計画テーブルのレコードを一意に特定する固有の番号が格納されている。建物番号602の項目には、当該レコードが表す作業を実施する予定の建物110を一意に特定する固有の番号が格納されている。作業者ID603の項目には、当該レコードが表す作業を実施する予定の作業者を一意に特定する固有の番号が格納されている。通行許可リーダ番号604の項目には、当該レコードが表す作業を実施する予定の作業者に対し、通行を許可するカードリーダ111と指静脈リーダ112とを一意に特定する番号の一覧が格納されている。作業内容605の項目には、当該レコードが表す作業の内容が格納されている。作業予定開始日時606の項目には、当該レコードが表す作業を実施する予定の日時が格納されている。作業予定終了日時607の項目には、当該レコードが表す作業が完了する予定の日時が格納されている。
図7は、作業管理DBサーバ132の実績テーブル136の一例を示す図である。実績テーブル136は、作業ID701の項目と、実施状況702の項目と、結果703の項目と、作業実施開始日時704の項目と、作業実施終了日時705の項目とを有している。
作業ID701の項目には、当該実績テーブル136のレコードを一意に特定する固有の番号が格納されている。実施状況702の項目には、当該レコードが表す作業の完了または未実施の状況が格納されている。結果703の項目には、当該レコードが表す作業を実施した結果が格納されている。作業実施開始日時704の項目には、当該レコードが表す作業を開始した日時が格納されている。作業実施終了日時705の項目には、当該レコードが表す作業を終了した日時が格納されている。
図8は、作業管理DBサーバ132の入場履歴テーブル137の一例を示す図である。入場履歴テーブル137は、発生日時801の項目と、建物番号802の項目と、リーダ番号803の項目と、作業者ID804の項目と、履歴内容805の項目とを有している。
発生日時801の項目には、当該履歴が表すイベントが発生した日時が格納されている。建物番号802の項目には、当該履歴が表すイベントが発生した建物110を一意に特定する番号が格納されている。リーダ番号803の項目には、当該履歴が表すイベントが発生したカードリーダ111と指静脈リーダ112とのいずれかを建物内で一意に特定する番号が格納されている。作業者ID804の項目には、当該履歴が表すイベントが発生した作業者を一意に特定する番号が格納されている。履歴内容805の項目には、当該履歴の内容が格納されている。
なお、入場管理DBサーバ142の入場履歴テーブル145は、入場履歴テーブル137と同じ構成であるので、その説明を省略する。
図9は、入場管理DBサーバ142の認証情報テーブル144の一例を示す図である。認証情報テーブル144は、作業者ID901の項目と、複数の種別の認証情報の項目(本例では、第1のICカードのカードID902の項目と、第2のICカードのカードID903の項目と、指静脈情報904の項目と、顔認証情報905の項目)とを有している。
作業者ID901の項目には、作業者テーブル134のレコードを一意に特定する番号が格納されている。第1のICカードのカードID902の項目には、作業者ID901の項目が表す作業者に割り当てられた第1のICカードが保持する固有の認証情報が格納されている。第2のICカードのカードID903の項目には、作業者ID901の項目が表す作業者に割り当てられた第1のICカードとは認証方式が異なる第2のICカードが保持する固有の認証情報が格納されている。指静脈情報904の項目には、作業者ID901の項目が表す作業者の指静脈情報が格納されている。顔認証情報905の項目には、作業者ID901の項目が表す作業者の顔認証情報が格納されている。
(管理システムに係る処理)
次に、管理システム100の動作について図10~図12を用いて説明する。
図10は、作業管理APサーバ131での作業計画の登録から入場制御装置120に対する認証情報の送信の処理に係るシーケンスの一例を示す図である。
建物110に対する作業管理を行う管理者は、作業管理APサーバ131で提供される作業計画を管理するGUIを使って作業計画の新規登録と変更登録(削除を含む。)とを行う。作業管理APサーバ131は、作業計画の新規登録または変更登録が行われると、図10に示すシーケンスを開始する。
ステップS1010において、作業管理APサーバ131は、管理者による作業計画の新規登録または変更が行われると、作業計画の情報を計画テーブル135に格納する。
ステップS1020において、作業管理APサーバ131は、入場管理APサーバ141に対して格納された作業計画のデータを送信する。送信するデータは、例えば、計画テーブル135に格納された情報のうち、作業ID601と建物番号602と作業者ID603と通行許可リーダ番号604と作業予定開始日時606と作業予定終了日時607とである。
ステップS1030において、入場管理APサーバ141は、ステップS1020で送信された作業計画のデータを受信し、建物番号をもとに場所テーブル143を検索し、合致するレコードの認証情報種別を取得する。
ステップS1040において、入場管理APサーバ141は、受信した作業計画のデータの作業者IDをもとに認証情報テーブル144を検索し、合致するレコードを取得する。また、入場管理APサーバ141は、当該レコードの認証情報のうち、ステップS1030で取得した認証情報種別に合致する認証情報の一覧を取得する。
ステップS1050において、入場管理APサーバ141は、入場制御装置120に対して作業者に関する認証情報と通行許可情報とを送信する。送信するデータは、例えば、ステップS1030で受信した通行許可リーダ番号、作業予定開始日時、および作業予定終了日時と、ステップS1040で取得した認証情報の一覧とである。
なお、入場管理APサーバ141は、送信する認証情報として、例えば、生体情報の全てを送信してもよいし、生体情報の一部(例えば、生体認証における特徴を示す情報)を送信してもよいし、生体情報の全てまたは一部を加工した情報(例えば、指静脈リーダ112の認証フォーマットに合わせた情報、暗号化した情報)を送信してもよい。
ステップS1060において、入場制御装置120は、ステップS1050で送信された情報を記憶装置122の認証情報125に格納する。入場制御装置120は、ステップS1060の処理が終了すると、図10に示すシーケンスは、終了となる。
図11は、入場制御装置120での認証処理に係るフローチャートの一例を示す図である。建物110の利用者などが入場制御装置120のカードリーダ111へICカードをかざす、または、指静脈リーダ112で指静脈の読み込みを行うと処理が開始される。
ステップS1110において、入場制御装置120は、カードリーダ111または指静脈リーダ112で読み取られた認証情報を取得する。
ステップS1120において、入場制御装置120は、ステップS1110で取得した認証情報をもとに記憶装置122の認証情報125のカードID202または指静脈情報203に合致するレコードを検索する(登録済み認証情報との比較を行う)。
ステップS1130において、入場制御装置120は、ステップS1120で認証情報125に合致するレコードが存在するか否かを判定する。入場制御装置120は、合致するレコードが存在すると判定した場合(Yes)、ステップS1140の処理を行う。他方、入場制御装置120は、合致するレコードが存在しないと判定した場合(No)、ステップS1180の処理を行う。
ステップS1140において、入場制御装置120は、ステップS1110で認証情報を読み取ったリーダ(カードリーダ111または指静脈リーダ112)の番号が、ステップS1120で認証情報125から取得されたレコードの通行許可リーダ番号に含まれるか否かを判定する。入場制御装置120は、通行許可リーダ番号に含まれると判定した場合(Yes)、ステップS1150の処理を行う。他方、入場制御装置120は、通行許可リーダ番号に含まれないと判定した場合(No)、ステップS1180の処理を行う。
ステップS1150において、入場制御装置120は、現在(本日)の日付がステップS1120で認証情報125から取得されたレコードの有効期間開始日205の日付以降であり、かつ、有効期間終了日206の日付以前であるか否か(有効期限内であるか否か)を判定する。入場制御装置120は、有効期間開始日205の日付以降であり、かつ、有効期間終了日206の日付以前であると判定した場合(Yes)、ステップS1160の処理を行う。他方、入場制御装置120は、有効期間開始日205の日付以降でない、または、有効期間終了日206の日付以前でないと判定した場合(No)、ステップS1180の処理を行う。
ステップS1160において、入場制御装置120は、電気錠113に対して解錠指令を送信する。
ステップS1170において、入場制御装置120は、記憶装置122の入場履歴情報126に履歴レコード(入退室履歴情報)を作成する。より具体的には、入場制御装置120は、発生日時301には、現在の日時を格納する。リーダ番号302には、入場制御装置120は、ステップS1110で認証情報を読み込んだリーダ番号を格納する。作業者ID303には、入場制御装置120は、ステップS1120で認証情報125から取得されたレコードの作業者IDを格納する。履歴内容304には、入場制御装置120は、ステップS1110で読み込んだリーダがカードリーダ111なら「カード認証OK」を、指静脈リーダ112なら「指静脈認証OK」を格納する。
ステップS1180において、入場制御装置120は、記憶装置122の入場履歴情報126に履歴レコード(入退室履歴情報)を作成する。より具体的には、入場制御装置120は、発生日時301には、現在の日時を格納する。リーダ番号302には、入場制御装置120は、ステップS1110で認証情報を読み込んだリーダ番号を格納する。作業者ID303には、入場制御装置120は、ステップS1120で認証情報125から取得されたレコードの作業者IDを格納する。履歴内容304には、入場制御装置120は、ステップS1110で読み込んだリーダがカードリーダ111なら「カード認証NG」を、指静脈リーダ112なら「指静脈認証NG」を格納する。
ステップS1190において、入場制御装置120は、入場管理APサーバ141に対して、ステップS1170またはステップS1180で作成した入場履歴情報を送信する。送信する情報は、例えば、ステップS1170またはステップS1180で作成した入場履歴情報126のレコードの全項目(発生日時301~履歴内容304)である。入場制御装置120は、ステップS1190の処理を終了すると、図11に示す処理は、終了となる。
図12は、入場履歴情報のデータ連携処理のシーケンスの一例を示す図である。入場管理APサーバ141は、入場制御装置120から入場履歴情報を受信すると、図12のシーケンスを開始する。
ステップS1210において、入場管理APサーバ141は、入場制御装置120から入場履歴情報を受信する。受信するデータは、例えば、入場履歴情報126のレコードの全項目である。なお、入場管理APサーバ141は、入場制御装置120からの通信処理において、入場制御装置120が設置された建物110の建物番号を特定できるものとする。例えば、入場制御装置120が入場管理APサーバ141へ通信する際、通信のヘッダ情報に建物番号を格納した上で通信を行えばよい。
ステップS1220において、入場管理APサーバ141は、ステップS1210で受信した入場履歴情報を入場履歴テーブル145に格納する。
ステップS1230において、入場管理APサーバ141は、ステップS1210で受信した入場履歴情報を作業管理APサーバ131に送信する(出力の一例)。
ステップS1240において、作業管理APサーバ131は、ステップS1230で送信された入場履歴情報を入場履歴テーブル137に格納する。
ステップS1250において、作業管理APサーバ131は、ステップS1240で格納した入場履歴情報(入場履歴レコード)が当日の当該作業者IDの履歴の中で1件目の履歴であるか否かを判定する。作業管理APサーバ131は、1件目の履歴であると判定した場合(Yes)、ステップS1260の処理を行う。他方、作業管理APサーバ131は、1件目の履歴でないと判定した場合(No)、図12に示すシーケンスは終了となる。
ステップS1260において、作業管理APサーバ131は、ステップS1240で格納した入場履歴レコードの建物番号と作業者IDとで計画テーブル135のレコードを検索し、作業者の作業開始予定日を取得する。
ステップS1270において、作業管理APサーバ131は、ステップS1260で取得した作業予定開始日時が当日の日付であり、かつ、ステップS1240で格納した入場履歴レコードの発生日時の時間と所定の差(例えば、2時間以上)があるか否か(大差があるか否か)を判定する。作業管理APサーバ131は、取得した作業予定開始日時が当日の日付であり、かつ、ステップS1240で格納した入場履歴レコードの発生日時の時間と所定の差があると判定した場合(Yes)、ステップS1280の処理を行う。他方、作業管理APサーバ131は、取得した作業予定開始日時が当日の日付でない、または、ステップS1240で格納した入場履歴レコードの発生日時の時間と所定の差がないと判定した場合(No)、図12に示すシーケンスは終了となる。
ステップS1280において、作業管理APサーバ131は、ステップS1240で格納した入場履歴レコードの作業者IDに紐づく作業者が、作業の開始予定時間に比べて所定の時間(例えば、2時間以上)早いまたは遅く到着したものと判断し、管理者へその旨を通知する。通知方法として、例えば、管理者宛に電子メールを送信する方法が考えられる。ステップS1280の処理が終了すると、図12に示すシーケンスは終了となる。
このように、作業対象の建物に設置される認証装置の認証種別に基づいて、登録している作業者ごとの認証情報を作業計画に従って入場制御装置に送信し、作業期間中のみ作業対象のエリアへの入退室を可能とする。かかる構成によれば、作業者が作業する場所での入場(建物への入場、作業するエリアへの入退室など)を行うために、都度、利用申請および認証情報の登録を行うことなく、作業者が作業する場所での入場を可能とし、かつ、セキュリティ性を損なわずに建物ごとに設置される異なる認証装置に対応できる入場管理が可能となる。
なお、ステップS1230では、入場履歴情報を作業管理APサーバ131に送信する例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、入場管理APサーバ141は、入場履歴情報を出力装置141-5に表示するようにしてもよい。また、例えば、入場管理APサーバ141は、出力装置131-5に入場履歴情報を表示させるようにしてもよい。また、例えば、入場管理APサーバ141は、管理者または作業者が所持するタブレット端末に送信するようにしてもよい。
付言するならば、管理システム100では、管理者または作業者は、作業管理APサーバ131が提供するGUIを使って作業実績を登録する。作業実績については、作業計画に対する作業の実施結果、作業時間などを登録するものであり、登録された情報(実績情報)は、実績テーブル136に格納される。
例えば、作業管理APサーバ131は、入場履歴情報を受信したこと、管理者による指示を受けたこと等に応じて、計画テーブル135に格納される計画情報と、実績テーブル136に格納される実績情報と、入場履歴テーブル137に格納される入場履歴情報とを出力装置131-5に表示してもよい。かかる構成によれば、管理者は、出力装置131-5に表示される計画情報と、実績情報と、入場履歴情報とを比較することで、作業者が予定外の管理区画への入室を行っていないか、予定していた管理区画への入室を行っているか(各階に配置されたトイレの清掃作業が計画されているときに、実際に予定していた各階のトイレに移動したか等、予定していた管理区画での作業を行っているか)等をチェックすることができる。
例えば、入場履歴情報によれば、機械室でのメンテナンス作業が予定されていたときに、実際に機械室に移動したか否かを判断できるようになる。また、入場履歴情報によれば、例えば、作業者の配置(予定している作業で入場するエリアのうち、現在どこのエリアにいるか等)を管理できたり、作業者の平均作業時間を割り出すことができたりするので、作業の状況に応じて、他の作業(他の作業者の支援、予定より遅れている作業の支援など)を依頼できるようになる。
(2)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を入場管理システムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
また上述の実施の形態においては、作業管理APサーバ131は、作業計画の新規登録または変更登録が行われると(例えば、リアルタイムに)、作業計画のデータを送信する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、作業管理APサーバ131は、定期的(例えば、5分間隔)に、管理者により指定された時間等、その他のタイミング(例えば、バッチ処理)で作業計画のデータを送信するようにしてもよい。
また上述の実施の形態においては、電気錠を用いて入場を制御する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ドアを自動で開閉して入場を制御するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、XXテーブルを用いて各種のデータを説明したが、データ構造は限定されるものではなく、XX情報などと表現してもよい。
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、本発明は、例えば、下記に示す特徴的な構成を有してもよい。
所定の場所(建物であってもよいし、エリアであってもよいし、建物およびエリアであってもよい。)での入場のための制御を認証情報(例えば、カードIDなどの識別情報、指静脈情報などの生体情報)を用いて行う入場制御装置(例えば、入場制御装置120)と通信可能な入場管理システム(例えば、入場管理システム140)であって、複数の場所の各々に対応して、各場所で用いられる認証情報の種別が規定されている場所情報(例えば、場所テーブル143に含まれる情報)を有し(入場管理APサーバ141が有していてもよいし、入場管理DBサーバ142が有していてもよいし、その他の記憶装置が有していてもよい。)、利用者ごとに、複数の種別の認証情報(例えば、認証情報テーブル144に含まれる情報)を有し(入場管理APサーバ141が有していてもよいし、入場管理DBサーバ142が有していてもよいし、その他の記憶装置が有していてもよい。)、利用者による入場が予定されている場所を示す情報を含む計画情報(例えば、計画テーブル135に含まれる情報)に基づいて、上記場所で用いられる認証情報の種別を上記場所情報から特定し(例えば、ステップS1030)、上記利用者の複数の種別の認証情報から、特定した種別の認証情報を選定し(例えば、ステップS1040)、選定した認証情報を上記入場制御装置に送信する(例えば、ステップS1050)入場管理部を備える、ことを特徴とする。
上記構成によれば、例えば、種別の異なる認証情報が必要な場所での入場を行う場合であっても、認証に必要な認証情報が選定されて入場制御装置に送信されているので、入場の際に、認証情報の登録などが不要となり、入場が予定されている場所での利用者の負担を軽減することができる。例えば、利用者が建物へ入館する際に認証媒体(ICカード、スマートフォン等)の申請と、認証情報の登録とが不要であり、利便性を高めることができる。また、例えば、複数の種別の認証情報(ICカードのカード情報、生体情報など)に対応可能であるため、対応する建物が多い。
上記場所には、複数のエリアが設けられ、上記計画情報には、上記複数のエリアのうち、上記利用者による入場が許可されるエリアを示す許可情報(例えば、通行許可リータ番号)が含まれ、上記入場管理部は、上記許可情報を上記入場制御装置に送信し(例えば、ステップS1050)、上記入場制御装置は、上記利用者が所定のエリアにおいて認証を行った場合、受信した認証情報および許可情報に基づいて、上記利用者の認証が成功し、かつ、上記所定のエリアが許可されたエリアであると判定したとき、上記利用者による上記所定のエリアへの入場を許可する制御を行う、ことを特徴とする。付言するならば、図11に示すステップS1150については、設けられてもよいし、省略してもよい。
上記構成によれば、通行可能なエリアを作業に必要となるエリアに限定することで、セキュリティ性を高めることができるようになる。また、ステップS1150を設けた場合は、作業期間中だけ通行可能となるので、セキュリティ性を更に高めることができるようになる。
上記入場管理部は、上記入場制御装置により認証が行われた結果を示す入場履歴情報を上記入場制御装置から受信し、受信した入場履歴情報を出力する(出力装置131-5に表示するようにしてもよいし、出力装置141-5に表示するようにしてもよいし、管理者または作業者のタブレット端末に表示するようにしてもよいし、電子メールで送信してもよいし、紙などの媒体に印刷してもよいし、プロジェクタなどで表示してもよいし、その他の出力であってもよいし、これらを組み合わせて出力してもよい。)、ことを特徴とする。
上記構成によれば、例えば、入場履歴情報を把握できるので、GPS(global positioning system)等の位置情報が屋内で取得できない場合、計画した作業を行う場所に実際に作業者が到達したか否かを入場履歴情報(リーダ番号)から推定することができる。また、例えば、計画した作業の開始時間までに作業者が入館したか否か、計画した作業の終了時間までに作業者が退館したか否か、計画した作業が行われたか否か等を入場履歴情報(発生日時)から推定することができる。
上記入場管理部は、作業管理システム(例えば、作業管理システム130)と通信可能であり、上記作業管理システムは、利用者が行う予定の作業の計画情報として上記計画情報を生成して上記入場管理部に送信し(例えば、ステップS1020)、上記予定の作業に対する実績を示す実績情報(例えば、実績テーブル136に含まれる情報)を有し、上記入場管理部は、上記入場履歴情報を表示装置(出力装置131-5、出力装置141-5、管理者または作業者のタブレット端末など)に送信し、上記表示装置は、上記入場管理部から送信される入場履歴情報、および上記入場管理部または上記作業管理システムから送信される計画情報と上記作業管理システムから送信される実績情報との少なくとも一方を表示する、ことを特徴とする。
上記構成では、入場履歴情報と、計画情報および/または実績情報と、が表示される。例えば、入場履歴情報と計画情報とが表示される場合、管理者または作業者は、作業時間、作業場所などに矛盾がないかを確認の上、作業実績を登録することができる。また、例えば、入場履歴情報と実績情報とが表示される場合、管理者は、計画した作業を行う場所に実際に作業者が到達したか否かを容易に確認することができる。また、例えば、計画した作業の開始時間までに作業者が入館したか否か、計画した作業の終了時間までに作業者が退館したか否か、計画した作業が行われたか否か等を容易に確認することができる。
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
以上の構成によれば、利便性が高いシステムを実現することができる。