JP7011935B2 - 気液分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸着式ヒートポンプに用いられる気液分離装置に関し、特に、液体と気体とを分離する技術に関する。
建造物に設けられる空調装置や電気機器を冷却する装置として、吸着式ヒートポンプが広く用いられている。吸着式ヒートポンプは、水蒸気などの吸着質を吸着材に吸着させる工程と、吸着質を吸着材から脱離させる工程を交互に実行すると共に、液相の吸着質を蒸発させて、吸着材が収容された空間に適宜供給することで冷却対象物との間で熱交換を行う。
図6には吸着式ヒートポンプの構成が模式的に示されている。吸着式ヒートポンプは、吸着材が設けられた吸着/脱離空間102を備えている。吸着材には、冷却されることで吸着質を吸着し、加熱されることで吸着質を脱離するという性質がある。また、吸着式ヒートポンプは、液相の吸着質を蒸発させて気相の吸着質を吸着/脱離空間102に供給する蒸発器104と、吸着/脱離空間102から供給された気相の吸着質を凝縮させて液相の吸着質とし、蒸発器104に戻す凝縮器106を備えている。
吸着式ヒートポンプで実行される工程には、蒸発器104から吸着/脱離空間102に気相の吸着質を供給すると共に、吸着材の冷却によって吸着材に吸着質を吸着させる吸着工程がある。また、吸着材の加熱によって吸着材から吸着質を脱離させ、吸着質から脱離した気相の吸着質を凝縮器106で凝縮させて液相の吸着質を得て、液相の吸着質を蒸発器104に戻す脱離工程がある。
蒸発器104には熱交換器108が取り付けられている。蒸発器104は、熱交換器108から熱を得ることで液相の吸着質を蒸発させて気相の吸着質とする。一方、熱交換器108は、蒸発器104に熱を与えることで、周囲の空気や冷却対象の電気機器を冷却する。これによって吸着式ヒートポンプは、空調装置や冷却装置として動作する。
吸着質を加熱または冷却するため、吸着式ヒートポンプには吸着/脱離空間102に熱結合する熱媒空間110が設けられている。熱媒空間110には水蒸気などの熱媒が流通し、熱媒の温度に応じて、吸着/脱離空間102にある吸着材の加熱または冷却が行われる。
熱媒空間110に熱媒を供給するため、吸着式ヒートポンプは、液相の熱媒を蒸発させる熱媒蒸発器112を備えている。熱媒蒸発器112には液相の熱媒が蓄えられており、熱媒蒸発器112は、液相の熱媒を加熱して気相の熱媒とする。また、凝縮器106は、熱媒空間110から供給された気相の熱媒を凝縮させて液相の熱媒とし、液相の熱媒を熱媒蒸発器112に戻す。
吸着式ヒートポンプには、吸着/脱離空間102および熱媒空間110と同一構造の吸着/脱離空間202および熱媒空間210が設けられている。吸着/脱離空間102および熱媒空間110が吸着工程の状態にあるときには、吸着/脱離空間202および熱媒空間210は脱離工程の状態にあり、吸着/脱離空間102および熱媒空間110が脱離工程の状態にあるときには、吸着/脱離空間202および熱媒空間210は吸着工程の状態にある。
一般に吸着式ヒートポンプでは、吸着質および熱媒には液相の水(液体の状態の水)または気相の水(水蒸気)が用いられる。なお、以下の特許文献1および2には、吸着式ヒートポンプに関する技術が記載されている。また、特許文献3および4には、本願発明に関連する技術として気液分離器が記載されている。
特開2010-151386号公報 特開2016-11821号公報 特開2012-170863号公報 特開2015-182075号公報
吸着式ヒートポンプでは、吸着工程から脱離工程に移るときに、熱媒蒸発器から熱媒空間に至る管に設けられた熱媒供給バルブが開かれる。これによって、気相の熱媒が熱媒空間に供給され、熱媒空間に供給された熱媒が吸着/脱離空間の吸着材を加熱する。
一般に、吸着工程から脱離工程に移るときには、熱媒蒸発器内の圧力は熱媒空間の圧力よりも高くなっている。そのため、熱媒供給バルブを開いたときに、熱媒蒸発器の圧力が低下して液相の熱媒が急激に沸騰し、気相の熱媒のみならず液相の熱媒もが熱媒空間に流れてしまうことがある。これによって、熱媒蒸発器に蓄えられる熱媒が不足し、熱媒空間に十分な熱媒を供給することが困難となってしまうことがある。
本発明は、熱媒蒸発器に蓄えられる熱媒の減少を抑制することを目的とする。
本発明は、熱媒を蒸発させる熱媒蒸発器と、前記熱媒蒸発器から熱媒が供給される熱媒空間と、吸着材が設けられ、前記熱媒空間に熱結合する吸着/脱離空間と、前記熱媒空間から供給される熱媒を凝縮させる凝縮器とを備える吸着式ヒートポンプ、に用いられる気液分離装置において、前記熱媒蒸発器から供給される熱媒から液体および気体を分離する分離空間と、前記分離空間で分離された液体を前記熱媒蒸発器に導くドレイン管と、前記ドレイン管に設けられ、前記ドレイン管における液体を前記熱媒蒸発器に送り出すポンプと、を備え、前記ドレイン管に設けられたチェックバルブであって、前記ポンプの下流側に設けられたチェックバルブを備えることを特徴とする。
また、本発明は、熱媒を蒸発させる熱媒蒸発器と、前記熱媒蒸発器から熱媒が供給される熱媒空間と、吸着材が設けられ、前記熱媒空間に熱結合する吸着/脱離空間と、前記熱媒空間から供給される熱媒を凝縮させる凝縮器とを備える吸着式ヒートポンプ、に用いられる気液分離装置において、前記熱媒蒸発器から供給される熱媒から液体および気体を分離する分離空間と、前記分離空間で分離された液体を前記熱媒蒸発器に導くドレイン管と、前記ドレイン管に設けられ、前記ドレイン管における液体を前記熱媒蒸発器に送り出すポンプと、を備え、前記ポンプは、停止中に液体の逆流を阻止する構造を有することを特徴とする
望ましくは、前記分離空間は、前記熱媒蒸発器から供給される熱媒から分離した液体が留まる液体滞留構造を有し、前記気液分離装置は、前記液体滞留構造に留まる液体の液位を測定する液位計を備え、前記ポンプは、前記液位計によって測定された液位が所定値未満であるときは、液体を送り出す動作を停止する。
本発明によれば、熱媒蒸発器に蓄えられる熱媒の減少を抑制することができる。
吸着式ヒートポンプの一部を模式的に示す図である。 吸着式ヒートポンプの機能ブロックを示す図である。 気液分離器の構成例を示す図である。 制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。 熱媒蒸発器から熱媒空間への出力を示す図である。 吸着式ヒートポンプの構成を模式的に示す図である。
図1には、吸着式ヒートポンプの一部が模式的に示されている。図1(a)には脱離工程における状態が示され、図1(b)には吸着工程における状態が示されている。吸着式ヒートポンプは、蒸発器10、熱交換器12、熱媒蒸発器14、熱源16、吸着器18、気液分離器20、凝縮器22および制御装置100を備える。吸着器18の内部は、吸着/脱離空間24および熱媒空間26に仕切られている。吸着/脱離空間24には吸着材28が設けられている。吸着材28には、例えば、シリカゲル、活性炭、ゼオライトなどが用いられる。
蒸発器10と吸着/脱離空間24との間には吸着質供給管が設けられており、吸着質供給管には吸着質供給バルブV1が設けられている。吸着/脱離空間24と凝縮器22との間には吸着質放出管が設けられており、吸着質放出管には吸着質放出バルブV2が設けられている。熱媒蒸発器14と熱媒空間26との間には熱媒供給管が設けられており、熱媒供給管には熱媒供給バルブV3が設けられている。熱媒空間26と凝縮器22との間には熱媒放出管が設けられており、熱媒放出管には熱媒放出バルブV4が設けられている。これらのバルブは制御装置100によって開閉制御される。図1(a)および(b)では、これらのバルブのうち開いたものが黒色で示され、閉じたものが白色で示されている。
熱媒蒸発器14と熱媒空間26との間の熱媒供給管には、熱媒供給バルブV3の下流側に気液分離器20が設けられている。気液分離器20は、後述する原理によって、熱媒蒸発器14から放出された液相の熱媒および気相の熱媒から液相の熱媒を分離し、液相の熱媒をドレイン管30を介して熱媒蒸発器14に戻す。なお、ドレイン管30にはドレインポンプPm1およびチェックバルブ34(逆止弁)が設けられており、これらの機能については後述する。
蒸発器10内の温度TL、凝縮器22内の温度TM、および熱媒蒸発器14内の温度THには、TL<TM<THの関係が成立する。また、蒸発器10内の圧力PL、凝縮器22内の圧力PM、および熱媒蒸発器14内の圧力PHには、PL<PM<PHの関係が成立する。
熱交換器12は、周囲の空気、冷却対象の空気、電気機器などから熱を奪い、その熱を蒸発器10に与える。脱離工程および吸着工程のいずれの工程においても、蒸発器10は、液相の吸着質を蒸発させる状態にある。
熱源16は、熱媒蒸発器14に熱を与える。熱源16は、例えば、廃棄物を焼却する設備であってもよい。脱離工程および吸着工程のいずれの工程においても、熱媒蒸発器14は、液相の熱媒を蒸発させる状態にある。
図1(a)に示されているように、脱離工程では、熱媒供給バルブV3が開き、熱媒放出バルブV4が閉じる。また、吸着質供給バルブV1が閉じ、吸着質放出バルブV2が開く。熱媒空間26の温度および圧力は、熱媒蒸発器14の温度および圧力に等しくなるように変化し、吸着/脱離空間24の温度および圧力は、凝縮器22内の温度および圧力に等しくなるように変化する。
熱媒蒸発器14から熱媒空間26には、気液分離器20を介して気相の熱媒が流入する。熱媒空間26の壁面に熱媒が凝縮することにより吸着材28が加熱され、気相の状態で吸着材28から吸着質が脱離する。気相の吸着質は凝縮器22に流入して液相の状態となり、蒸発器10に戻る。なお、熱媒空間26に流入した熱媒の一部は、放熱によって凝縮して液相の状態となる。
図1(b)に示されているように、吸着工程では、熱媒供給バルブV3が閉じ、熱媒放出バルブV4が開く。また、吸着質供給バルブV1が開き、吸着質放出バルブV2が閉じる。熱媒空間26の温度および圧力は、凝縮器22内の温度および圧力に等しくなるように変化し、吸着/脱離空間24の温度および圧力は、蒸発器10内の温度および圧力に等しくなるように変化する。
熱媒空間26内の圧力の低下と共に熱媒空間26内の熱媒の温度は低下する。また、熱媒空間26内の圧力の低下と共に、熱媒空間26内で凝縮した一部の熱媒は蒸発して気相の状態となる。気相の熱媒は凝縮器22に流入して液相の状態となり、熱媒蒸発器14に戻る。熱媒空間26内の熱媒の温度の低下によって、吸着材28が冷却される。蒸発器10から吸着/脱離空間24には気相の吸着質が流入し、冷却された吸着材28は、吸着質を吸着する。
吸着工程から脱離工程への切り換え、および、脱離工程から吸着工程への切り換えは、例えば、吸着/脱離空間24の圧力に応じて行われる。この場合、吸着/脱離空間24には圧力計が設けられる。脱離工程において、圧力計による計測値が所定値未満の値から所定値以上の値となったときに、制御装置100は各バルブの状態を脱離工程の状態から吸着工程の状態とする。また、吸着工程において、圧力計による計測値が所定値以上の値から所定値未満の値となったときに、制御装置100は各バルブの状態を吸着工程の状態から脱離工程の状態とする。
吸着式ヒートポンプには、図1(a)および(b)に示されている吸着器18の他に、もう1つの同一構造の吸着器が設けられている。各吸着器は、蒸発器10、熱交換器12、熱媒蒸発器14、熱源16および凝縮器22を共有する。一方の吸着器が脱離工程の状態にあるときは、他方の吸着器は吸着工程の状態にあり。一方の吸着器が吸着工程の状態にあるときは、他方の吸着器は脱離工程の状態にある。
図2には、吸着式ヒートポンプの機能ブロックが示されている。図1に示されている構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。第1吸着器18-1は、図1に示される吸着器18に対応する。
第2吸着器18-2は、第1吸着器18-1と同様の構造を有している。第2吸着器18-2の工程の移り変わりに応じて開閉する各バルブは、符号の末尾に「2」の符号を付する。すなわち、第2吸着器18-2の工程の移り変わりに応じて開閉する吸着質供給バルブV12、吸着質放出バルブV22、熱媒供給バルブV32および熱媒放出バルブV42は、それぞれ、第1吸着器18-1の工程の移り変わりに応じて開閉する吸着質供給バルブV1、吸着質放出バルブV2、熱媒供給バルブV3および熱媒放出バルブV4と同一の機能を有している。
凝縮器22から蒸発器10に至る帰路管には、帰還バルブV5が設けられており、各吸着器で吸着工程および脱離工程が繰り返されている間は開いている。また、帰還バルブV5よりも下流において帰路管は分岐し、一方の分岐は蒸発器10に至り、他方の分岐は熱媒蒸発器14に至っている。熱媒蒸発器14に至る分岐には、ポンプPm2が設けられており、各吸着器で吸着工程および脱離工程が繰り返されている間は、液相の熱媒を熱媒蒸発器14に送り出す。なお、帰還バルブV5は、吸着工程および脱離工程の両者において閉じていてもよい。この場合、吸着工程から脱離工程に移り変わる間、および脱離工程から吸着工程に移り変わる間に、帰還バルブV5が開かれる帰還工程が実行される。帰還工程では、液相の熱媒が凝縮器22から蒸発器10または熱媒蒸発器14に戻る。
以下の図表1には、第1吸着器18-1が吸着工程の状態にあり、第2吸着器18-2が脱離工程の状態にあるときにおける各バルブの状態と、第1吸着器18-1が脱離工程の状態にあり、第2吸着器18-2が吸着工程の状態にあるときにおける各バルブの状態が示されている。表1の「開」の表記は、バルブが開いていることを示し、「閉」の表記は、バルブが閉じていることを示す。
Figure 0007011935000001
熱媒蒸発器14と気液分離器20との間には、熱媒供給管32に加えてドレイン管30が設けられている。ドレイン管30にはドレインポンプPm1およびチェックバルブ34が設けられている。ドレインポンプPm1は、気液分離器20から熱媒蒸発器14に向けて熱媒を送り出す。チェックバルブ34は、ドレインポンプPm1の下流側に設けられ、ドレインポンプPm1が停止しているときに、熱媒蒸発器14側から気液分離器20側へ熱媒が逆流することを防止する。
図3には、気液分離器20の構成例が示されている。気液分離器20は、チャンバ36、隔壁板38、熱媒上昇管44、流入管40、および流出管48を備える。チャンバ36は、上下が塞がれた略円筒形状を有している。チャンバ36の内部は、隔壁板38によって上下に仕切られている。隔壁板38によって、チャンバ36の上側に気相空間46が形成され、チャンバ36の下側に分離空間42が形成される。分離空間42の側壁には、熱媒蒸発器14から分離空間42の内部に熱媒を導く流入管40が設けられている。分離空間42は、液相の熱媒が溜まる液体滞留構造を有している。分離空間42の底面にはドレイン穴が開けられており、ドレイン穴から下方にドレイン管30が伸びている。隔壁板38には、気相熱媒穴が開けられており、気相熱媒穴から下方向に熱媒上昇管44が伸びている。気相空間46の側壁には、気相空間46の内部から熱媒空間26に向けて熱媒を導く流出管48が設けられている。
熱媒蒸発器14内の圧力と熱媒空間26の圧力との差異によって、気液分離器20内の熱媒は次のように流れる。熱媒蒸発器14と熱媒空間26との間の熱媒供給バルブV3が開けられると、熱媒蒸発器14から流入管40を通って分離空間42に熱媒が流入し、熱媒は熱媒上昇管44の周囲を周回する。液相の熱媒は、遠心力(分離空間42の側壁から受ける向心力)によって分離空間42の側壁に付着し、自らの重みによって分離空間42に滞留する。分離空間42に滞留した液相の熱媒は、ドレイン管30から下方に流出する。分離空間42にある気相の熱媒は、熱媒上昇管44の下端から管内を上昇し、気相空間46に流入する。気相空間46に流入した気相の熱媒は、流出管48から熱媒空間26に流出する。
気相の熱媒および液相の熱媒が、気液分離器20を流れることによって、液相の熱媒は気相の熱媒から分離され、ドレイン管30から流出する。また、気相の熱媒は液相の熱媒から分離され、流出管48から流出する。
気液分離器20における分離空間42のような、液体が滞留する空間からドレイン管30によって熱媒蒸発器14に熱媒を戻す場合、次のような問題が生じることがある。すなわち、分離空間42の圧力が熱媒蒸発器14内の圧力よりも低い場合には、熱媒蒸発器14に蓄えられた熱媒がドレイン管30を通って気液分離器20の分離空間42に逆流してしまう可能性がある。さらには、分離空間42に熱媒が滞留し、熱媒蒸発器14に蓄えられる熱媒が不足してしまう可能性がある。特に、熱媒供給バルブV3を開いた直後は、熱媒蒸発器14内の圧力よりも熱媒空間26の方が圧力が低い。そのため、熱媒蒸発器14と熱媒空間26との間に介在する気液分離器20内の圧力もまた、熱媒蒸発器14内の圧力よりも低くなることが多く、ドレイン管30における熱媒の逆流が生じ得る。
そこで、本実施形態では、図2に示されているように、気液分離器20から熱媒蒸発器14に至るドレイン管30にドレインポンプPm1およびチェックバルブ34が設けられている。また、気液分離器20には、分離空間42にある液相の熱媒の液位を検出する液位計50が設けられている。
図4には、熱媒供給バルブV3が開けられた後に、第1吸着器18-1が脱離工程の状態となり、熱媒供給バルブV3が閉じられて第1吸着器18-1が吸着工程の状態になるまでの間に、制御装置100が実行する処理のフローが示されている。以下の説明において、ドレインポンプPm1を動作させるという処理は、停止しているドレインポンプPm1を動作させることの他、動作中のドレインポンプPm1を動作した状態に維持することを含む。同様に、ドレインポンプPm1を停止するという処理は、動作中のドレインポンプPm1を停止することの他、停止しているドレインポンプPm1を停止した状態に維持することを含む。
第1吸着器18-1を吸着工程の状態から脱離工程の状態とするため、制御装置100は、熱媒供給バルブV3を開く(S101)。制御装置100は、液位計50の測定値(液位測定値L)が基準液位L0以上であるか否かを判定する(S102)。制御装置100は、液位測定値Lが基準液位L0以上であるときは、ドレインポンプPm1を動作させる(S103)。一方、制御装置100は、液位測定値Lが基準液位L0未満であるときは、ドレインポンプPm1を停止する(S104)。
制御装置100は、第1吸着器18-1における吸着/脱離空間24に設けられている圧力計の測定値(圧力測定値Pc)が所定の閾値P0以上であるか否かを判定する(S105)。制御装置100は、圧力測定値Pcが閾値P0未満であるときは、ステップS102の判定処理に戻る。一方、制御装置100は、圧力測定値PcがP0以上であるときは、ドレインポンプPm1を停止する(S106)。制御装置100は、さらに、熱媒供給バルブV3を閉じ(S107)、第1吸着器18-1の脱離工程を終了させる。
ステップS102において、液位測定値Lが基準液位L0以上であるときは、気液分離器20における分離空間42が液相の熱媒で基準液位L0以上に満たされている。このとき制御装置100がドレインポンプPm1を動作させることで(S103)、分離空間42内の熱媒がドレイン32を通って熱媒蒸発器14に戻される。ドレインポンプPm1が熱媒を送り出す圧力によって熱媒蒸発器14から分離空間42にドレイン管30を熱媒が逆流することが回避される。
また、ステップS104において、液位測定値Lが基準液位L0未満であるときは、気液分離器20における分離空間42に満たされている液相の熱媒が基準液位L0に達しておらず十分でない。このとき、ドレインポンプPm1を動作させると、分離空間42およびドレインポンプPm1内に残っている熱媒は熱媒蒸発器14に送り出されるもののドレインポンプPm1内の熱媒が空となってしまう。これによって、呼び水に相当する熱媒がドレインポンプPm1内に存在しない状態となってしまい、一旦ドレインポンプPm1を停止させた後、再び動作させることが困難となってしまう。そこで、制御装置100は、ステップS102およびS104において、液位測定値Lが基準液位L0未満であるときは、ドレインポンプPm1を停止した状態とする。すなわち、制御装置100は、ドレインポンプPm1が停止していたときはドレインポンプPm1が停止した状態を維持し、ドレインポンプPm1が動作していたときはドレインポンプPm1を停止させる。これによって、気液分離器20の分離空間42に満たされている液相の熱媒が十分でなくなったとしても、ドレインポンプPm1を停止させて、呼び水に相当する熱媒が空となってしまうことが回避される。
このように、気液分離器20、ドレイン管30、ドレインポンプPm1、およびチェックバルブ34は、熱媒蒸発器14から熱媒空間26に至る熱媒から液相の熱媒を分離し、ドレイン管30を介して熱媒蒸発器14に戻すと共に、ドレイン管30における熱媒の逆流を防ぐ気液分離装置を構成する。
気液分離装置によれば、熱媒蒸発器14内の圧力よりも気液分離器20における分離空間42内の圧力の方が低い場合であっても、熱媒蒸発器14から分離空間42にドレイン管30を熱媒が逆流することが回避される。
ドレインポンプPm1には、熱媒蒸発器14内の圧力から気液分離器20の分離空間42における圧力を減じた気圧差よりも、熱媒を送り出す圧力Pmが大きいものが用いられている。すなわち、熱媒を送り出す圧力Pmについては、次の(数1)が成立する。
Figure 0007011935000002
ここで、P(T)は、温度Tについての飽和水蒸気圧力である。THは熱媒蒸発器14内の温度であり、Tdは気液分離器20の分離空間42における温度である。Pcrはチェックバルブ34が熱媒の流れを阻止する最大の圧力である。Pdrはドレイン管30における圧力損失である。
なお、上記では、ドレインポンプPm1およびチェックバルブ34を用いた実施形態について説明した。ドレインポンプPm1として、停止時に逆流を防止する構造を有しているものを用いた場合、チェックバルブ34は必ずしも用いられなくてもよい。停止時に逆流を防止する構造を有するポンプとしてはダイヤフラム式のポンプがある。
本実施形態に係る吸着式ヒートポンプによれば、熱媒が熱媒蒸発器14から気液分離器20を介して熱媒空間26に供給されたときに、熱媒蒸発器14から気液分離器20に向けて熱媒がドレイン管30を逆流することが回避される。これによって、熱媒蒸発器14に蓄えられる熱媒の減少が抑制される。
図5には、吸着工程において熱媒蒸発器14から熱媒空間26に単位時間当たりに出力される熱量(出力)の実験結果が示されている。横軸は時間(sec)を示し、縦軸は、熱媒蒸発器14の出力(W)を示している。実線で表された特性52は、気液分離器20が設けられていない場合の出力を示す。一点鎖線で示された特性54は、気液分離装置、すなわち、気液分離器20、ドレイン管30、ドレインポンプPm1およびチェックバルブ34が設けられた場合の出力を示す。気液分離器20が設けられていない場合、吸着工程が開始された後に出力が増加して最大値に達した後、急激に出力が減少する。これは、熱媒蒸発器14内の熱媒が熱媒空間26に流出してしまい、熱媒蒸発器14に蓄えられた熱媒が不足してしまうためである。一方、気液分離装置が設けられている場合、吸着工程が開始された後に出力が増加して最大値に達した後における出力の減少は、気液分離器20が用いられていない場合に比べて緩やかである。実験結果から、本実施形態に係る気液分離装置の効果が確かめられた。
10,104 蒸発器、12,108 熱交換器、14,112 熱媒蒸発器、16 熱源、18 吸着器、18-1 第1吸着器、18-2 第2吸着器、20 気液分離器、22,106 凝縮器、24,102,202 吸着/脱離空間、26,110,210 熱媒空間、28 吸着材、30 ドレイン管、32 熱媒供給管、34 チェックバルブ、36 チャンバ、38 隔壁板、40 流入管、42 分離空間、44 熱媒上昇管、46 気相空間、48 流出管、50 液位計、100 制御装置。

Claims (3)

  1. 熱媒を蒸発させる熱媒蒸発器と、
    前記熱媒蒸発器から熱媒が供給される熱媒空間と、
    吸着材が設けられ、前記熱媒空間に熱結合する吸着/脱離空間と、
    前記熱媒空間から供給される熱媒を凝縮させる凝縮器とを備える吸着式ヒートポンプ、に用いられる気液分離装置において、
    前記熱媒蒸発器から供給される熱媒から液体および気体を分離する分離空間と、
    前記分離空間で分離された液体を前記熱媒蒸発器に導くドレイン管と、
    前記ドレイン管に設けられ、前記ドレイン管における液体を前記熱媒蒸発器に送り出すポンプと、を備え
    前記ドレイン管に設けられたチェックバルブであって、前記ポンプの下流側に設けられたチェックバルブを備えることを特徴とする気液分離装置。
  2. 熱媒を蒸発させる熱媒蒸発器と、
    前記熱媒蒸発器から熱媒が供給される熱媒空間と、
    吸着材が設けられ、前記熱媒空間に熱結合する吸着/脱離空間と、
    前記熱媒空間から供給される熱媒を凝縮させる凝縮器とを備える吸着式ヒートポンプ、に用いられる気液分離装置において、
    前記熱媒蒸発器から供給される熱媒から液体および気体を分離する分離空間と、
    前記分離空間で分離された液体を前記熱媒蒸発器に導くドレイン管と、
    前記ドレイン管に設けられ、前記ドレイン管における液体を前記熱媒蒸発器に送り出すポンプと、を備え、
    前記ポンプは、
    停止中に液体の逆流を阻止する構造を有することを特徴とする気液分離装置。
  3. 請求項1または請求項に記載の気液分離装置において、
    前記分離空間は、前記熱媒蒸発器から供給される熱媒から分離した液体が留まる液体滞留構造を有し、
    前記気液分離装置は、
    前記液体滞留構造に留まる液体の液位を測定する液位計を備え、
    前記ポンプは、
    前記液位計によって測定された液位が所定値未満であるときは、液体を送り出す動作を停止することを特徴とする気液分離装置。
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