図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態に係る接着方法、及び構造部材の製作方法について説明する。
ここでは、本実施形態の構造部材の製作方法によって、図1の横断面図に示す構造部材としての柱部材10を形成する例を示す。
図1に示すように、柱部材10は、荷重を支持する荷重支持部12と、荷重支持部12を取り囲むようにして荷重支持部12の外側に設けられた燃え止まり層14と、燃え止まり層14を取り囲むようにして燃え止まり層14の外側に設けられた燃え代層16とを有して構成されている。柱部材10は、四角柱状に形成された長尺部材である。
荷重支持部12及び燃え代層16は、カラマツを製材し乾燥させて形成された、木製部材としての板状の単材18を複数有して構成され、この単材18同士を接着剤により貼り合せた後に圧締し接着することによって形成されている。すなわち、荷重支持部12及び燃え代層16は、複数貼り合せた単材18を有して構成されている。
燃え止まり層14は、交互に複数配置された単材18とモルタルバー20とによって形成されている。モルタルバー20は、板状に硬化させたモルタルによって形成されている。すなわち、燃え止まり層14は、複数の単材18とモルタルバー20とを有して構成されている。
柱部材10では、火災時に火炎が燃え代層16に着火し燃え代層16が燃焼する。そして、燃焼した燃え代層16は炭化する。これにより、柱部材10の外部から荷重支持部12への熱伝達を炭化した燃え代層16が抑制し、燃え止まり層14が吸熱する。よって、火災時、又は火災時と火災終了後において、荷重支持部12の温度上昇を抑制することができ、荷重支持部12によって荷重を支持することができる。
本実施形態の構造部材の製作方法では、まず、図2の正面図に示すように、プレス台24の上に、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材26を載置する。燃え代部材26は、予め製作しておく。燃え代部材26は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。燃え代部材26は、燃え代部の一例である。
次に、燃え代部材26の上面に、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層28を形成する。燃え止まり層28は、燃え代部材26の上面に、モルタルバー20と、レゾシノール・フェノール樹脂系接着剤からなる接着剤22を上下面に塗布した単材18とを交互に配置することにより形成する。燃え止まり層28は、燃え止まり部の一例である。
次に、燃え止まり層28の上に、荷重支持部12を載置する。また、このとき、モルタルバー20を、接着剤により荷重支持部12に固定する。荷重支持部12は、予め製作しておく。荷重支持部12は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。なお、モルタルバー20は、釘、ビス等の接着剤以外のもので荷重支持部12に固定してもよい。
次に、荷重支持部12の上面に、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層30を形成する。燃え止まり層30は、荷重支持部12の上面に、モルタルバー20と、上下面に接着剤22を塗布した単材18とを交互に配置することにより形成する。また、このとき、モルタルバー20を、接着剤により荷重支持部12に固定する。なお、モルタルバー20は、釘等の接着剤以外のもので荷重支持部12に固定してもよい。燃え止まり層30は、燃え止まり部の一例である。
次に、燃え止まり層30の上に、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材32を載置する。燃え代部材32は、予め製作しておく。燃え代部材32は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。燃え代部材32は、燃え代部の一例である。
次に、燃え代部材32の上に、錘としての長尺の鋼材36、38を積層して載置する。これにより、鋼材36、38の重量によって鋼材36、38から下方へ力が加えられ、積層された燃え代部材26、燃え止まり層28、荷重支持部12、燃え止まり層30、及び燃え代部材32がプレスされる。鋼材36、38の上面と下面(載置面)は、平面状の水平面になっている。これにより、鋼材36、38によって、積層された燃え代部材26、燃え止まり層28、荷重支持部12、燃え止まり層30、及び燃え代部材32を均等にプレスすることができる。なお、錘は、その重量によって下方へ力が加えられる、載置面が平面状(平ら)な部材であればよく、H形鋼、T形鋼、角形鋼管等を用いることができる。
このようにして、鋼材36、38により、燃え代部材26を構成する単材18と燃え止まり層28を構成する単材18、燃え止まり層28を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層30を構成する単材18、及び燃え止まり層30を構成する単材18と燃え代部材32を構成する単材18を圧締して接着する圧締圧力が、これらの単材18に加えられる。
すなわち、積層された燃え代部材26(燃え代層16)、燃え止まり層28(燃え止まり層14)、荷重支持部12、燃え止まり層30(燃え止まり層14)、及び燃え代部材32(燃え代層16)の上に鋼材36、38を載せることにより、接着剤22を塗布して貼り合わせた単材18に圧締圧力が加えられて接着される。これによって、燃え代部材26(燃え代層16)と燃え止まり層28(燃え止まり層14)、燃え止まり層28(燃え止まり層14)と荷重支持部12、荷重支持部12と燃え止まり層30(燃え止まり層14)、及び燃え止まり層30(燃え止まり層14)と燃え代部材32(燃え代層16)が接着されて一体化し、構造部材34が形成される。
次に、図3の正面図に示すように、プレス台24の上に、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材40を載置する。燃え代部材40は、予め製作しておく。燃え代部材40は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。燃え代部材40は、他の燃え代部の一例である。
次に、燃え代部材40の上面に、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層42を形成する。燃え止まり層42は、燃え代部材40の上面に、モルタルバー20と、接着剤22を上下面に塗布した単材18とを交互に配置することにより形成する。燃え止まり層42は、他の燃え止まり部の一例である。
次に、図2で説明した工程で形成した構造部材34を90度回転させた状態にして燃え止まり層42の上方に配置し、燃え代部材26、32の下面に接着剤22を塗布した後に、燃え止まり層42と燃え代部材40の上に載置する。また、このとき、燃え止まり層42のモルタルバー20を、接着剤により荷重支持部12に固定する。なお、モルタルバー20は、釘等の接着剤以外のもので荷重支持部12に固定してもよい。
次に、荷重支持部12の上面に、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層44を形成する。燃え止まり層44は、荷重支持部12の上面に、モルタルバー20と、上下面に接着剤22を塗布した単材18とを交互に配置することにより形成する。また、このとき、燃え止まり層44のモルタルバー20を、接着剤により荷重支持部12に固定する。なお、モルタルバー20は、釘等の接着剤以外のもので荷重支持部12に固定してもよい。燃え止まり層44は、他の燃え止まり部の一例である。
次に、燃え代部材26、32の上面に接着剤22を塗布した後に、燃え止まり層44と燃え代部材26、32との上に、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材46を載置する。燃え代部材46は、予め製作しておく。燃え代部材46は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。燃え代部材46は、他の燃え代部の一例である。
次に、燃え代部材46の上に、鋼材36、38を載置する。これにより、鋼材36、38の重量によって鋼材36、38から下方へ力が加えられ、積層された燃え代部材40、燃え止まり層42、構造部材34、燃え止まり層44、及び燃え代部材46がプレスされる。鋼材36、38の上面と下面(載置面)は、平面状の水平面になっているので、積層された燃え代部材40、燃え止まり層42、構造部材34、燃え止まり層44、及び燃え代部材46を均等にプレスすることができる。
このようにして、鋼材36、38により、燃え代部材40を構成する単材18と燃え止まり層42を構成する単材18、燃え代部材40を構成する単材18と燃え代部材26、32を構成する単材18、燃え止まり層42を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層44を構成する単材18、燃え止まり層44を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18、及び燃え代部材26、32を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18を圧締して接着する圧締圧力が、これらの単材18に加えられる。
すなわち、積層された燃え代部材40、燃え止まり層42、構造部材34、燃え止まり層44、及び燃え代部材46の上に鋼材36、38を載せることにより、接着剤22を塗布して貼り合わせた単材18に圧締圧力が加えられて接着される。これによって、燃え代部材40(燃え代層16)と燃え止まり層42(燃え止まり層14)、燃え止まり層42(燃え止まり層14)と荷重支持部12、荷重支持部12と燃え止まり層44(燃え止まり層14)、燃え止まり層44(燃え止まり層14)と燃え代部材46(燃え代層16)、燃え代部材40と燃え代部材26、32、及び燃え代部材26、32と燃え代部材46が接着されて一体化し、柱部材10が形成される。
ここで、本実施形態の接着方法では、図2で示した、燃え代部材26を構成する単材18と燃え止まり層28を構成する単材18、燃え止まり層28を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層30を構成する単材18、及び燃え止まり層30を構成する単材18と燃え代部材32を構成する単材18を圧締して接着する際、並びに図3で示した、燃え代部材40を構成する単材18と燃え止まり層42を構成する単材18、燃え代部材40を構成する単材18と燃え代部材26、32を構成する単材18、燃え止まり層42を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層44を構成する単材18、燃え止まり層44を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18、及び燃え代部材26、32を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18を圧締して接着する際において、単材18の上下面に塗布する接着剤22の塗布量と、貼り合わせた単材18に加えられる圧締圧力を、図4のグラフに示されている領域A(斜線の領域)内となるようにする。
領域Aは、図5のグラフに示す、浸せきはく離試験により得られた値(丸の記号又は四角の記号で示された値48A~48I、値50A~50I、値52A~52I、値54A~54I、56A~56I、及び58A~58I)に基づいて、接着剤22を用いた木製部材(単材18)の圧締による接着を可能とする領域を設定したものである。
図4及び図5に示すグラフでは、線形軸の横軸を、単材18の接着面(図2及び図3の例では、単材18の上面又は下面)に塗布する接着剤22の面積当たりの塗布量とし、常用対数軸の縦軸を、貼り合わせた単材18を圧締する圧締圧力としている。
領域Aは、接着剤22の塗布量を、500g/m2以上5000g/m2以下とし、単材18を圧締する圧締圧力を、0.5kPa以上200kPa以下としている。
さらに、領域Aを詳しく説明すると、領域Aは、接着剤22の面積当たりの塗布量を500g/m2且つ圧締圧力を5kPaとする第1値としての値52Dと、接着剤22の面積当たりの塗布量を700g/m2且つ圧締圧力を1.0kPaとする第2値としての値54Cとを結ぶ直線を第1下限境界線64とし、接着剤22の面積当たりの塗布量を500g/m2且つ圧締圧力を200kPaとする第3値としての値52Hと、接着剤22の面積当たりの塗布量を700g/m2且つ圧締圧力を200kPaとする第4値としての値54Hとを結ぶ直線を第1上限境界線66とし、第2値としての値54Cと、接着剤22の面積当たりの塗布量を5000g/m2且つ圧締圧力を0.5kPaとする第5値としての値58Bとを結ぶ直線を第2下限境界線68とし、第4値としての値54Hと、接着剤22の面積当たりの塗布量を5000g/m2且つ圧締圧力を200kPaとする第6値としての値58Hとを結ぶ直線を第2上限境界線70としたときに、接着剤22の面積当たりの塗布量が500g/m2以上700g/m2未満の場合には、第1下限境界線64を含んだ第1下限境界線64から、第1上限境界線66を含んだ第1上限境界線66までの間の範囲内となるように、接着剤22の面積当たりの塗布量と圧締圧力を設定し、接着剤22の面積当たりの塗布量が700g/m2以上5000g/m2以下の場合には、第2下限境界線68を含んだ第2下限境界線68から、第2上限境界線70を含んだ第2上限境界線70までの間の範囲内となるように、接着剤22の面積当たりの塗布量と圧締圧力を設定した領域となっている。
よって、単材18の接着面に塗布する接着剤22の塗布量と、貼り合わせた単材18に加えられる圧締圧力を領域A内となるようにすることにより、接着剤22を塗布して貼り合わせた単材18を、領域A内の低い圧締圧力で圧締して接着することができる。
ここで、図5のグラフについて説明する。図5のグラフに示されている値(丸の記号又は四角の記号で示された値48A~48I、値50A~50I、値52A~52I、値54A~54I、56A~56I、及び58A~58I)は、日本農林規格で規定されている構造用集成材の浸せきはく離試験の方法に準じて行った試験により得られた値である。
試験片は、縦7.5cm×横10cm×厚さ3cmの大きさにカラマツ材を加工した一対の単材(単材18)同士を、レゾシノール・フェノール樹脂系接着剤(接着剤22)を単材(単材18)の接着面に塗布して張り合わせることにより形成している。
試験は、この試験片を室温(10°C以上25°C以下)の水中に24時間浸せきした後に、恒温(67°C以上73°C以下)乾燥器中に入れ、器中に湿気がこもらないようにして質量が試験前の質量の100%以上110%以下の範囲となるように乾燥する。そして、この処理を2回繰り返す。
そして、この2回の処理を行った後に、試験片の両木工面におけるはく離の長さを測定して、はく離率(%)(=(木工面のはく離の長さの合計/木工面の接着層(接着剤22)の長さの合計)×100)を算出する。
図5では、はく離率が5%未満のもの(値48I、値50E、値50H、値50I、値52D~52I、値54C~54I、値56C~56I、及び値58B~58I)を合格値として丸の記号で示し、5%以上のもの(値48A~48H、値50A~50D、値50F、値50G、値52A~52C、値54A、値54B、値56A、値56B、及び値58A)を不合格値として四角の記号で示している。例えば、値52A、52B、52C、52D、52E、52F、52G、52H、52Iのはく離率は、31.0%、45.9%、14.8%、0.3%、3.8%、0.3%、0.8%、0.0%、0.0%となっている。
そして、図2で示した、積層された燃え代部材26、燃え止まり層28、荷重支持部12、燃え止まり層30、及び燃え代部材32のプレスと、図3で示した、積層された燃え代部材40、燃え止まり層42、構造部材34、燃え止まり層44、及び燃え代部材46のプレスとの二回のプレスにより、荷重支持部12と燃え止まり層14、及び燃え止まり層14と燃え代層16とを接着して、柱部材10が形成される。
次に、本発明の実施形態に係る接着方法及び構造部材の製作方法の作用と効果について説明する。
本実施形態の接着方法では、接着剤22を塗布して貼り合わせた木製部材としての単材18を圧締して接着する接着方法において、接着剤22の塗布量を500g/m2以上とすることで、接着剤22による必要な接着強度を得ることができる。また、接着剤22の塗布量を5000g/m2以下とすることで、接着剤22がだれることなく木製部材に塗布することができる。さらに、圧締圧力を0.5kPa以上とすることで、圧力を受けた接着剤22を流動化させて単材18の表面に密着させることができ、これによって接着剤22による接着強度を高めることができる。また、圧締圧力を200kPa以下とすることで、単材18に生じる変形や内部応力を低減することができる。
これらにより、接着剤22を塗布して貼り合わせた木製部材(単材18)を200kPa以下の小さな圧締圧力で圧締して接着することができるので、木製部材(単材18)の圧締に必ずしも圧締装置を用いる必要はなく。圧締装置を用いる場合でも、小さな圧力で圧締する圧締装置を用いることができる。すなわち、プレス機の使用を必須要件とせずに、接着剤22を用いた木製部材(単材18)の圧締による接着を可能とすることができる。
また、本実施形態の構造部材の製作方法では、図2及び図3に示すように、荷重支持部12と燃え止まり層14と燃え代層16とを有して構成される構造部材としての柱部材10を、大型のプレス機の使用を必須要件とせずに、錘としての鋼材36、38の載荷荷重によって製作することができる。
また、接着剤22を塗布して貼り合わせた木製部材(単材18)を200kPa以下の小さな圧締圧力で圧締して接着することができるので、プレス機を使わずに、簡易な方法(図2、3の例では、錘としての鋼材36、38)によって、荷重支持部12と燃え止まり層14、及び燃え止まり層14と燃え代層16とを接着することができる。
ここで、図2及び図3を示して説明した構造部材の製作方法によって実際に製作された柱部材10に対して、接着剤22を用いた木製部材(単材18)の圧締による接着が可能であることを検証するために実施した、ブロックせん断試験と減圧・加圧はく離試験について説明する。
[ブロックせん断試験]
図7の平面図、及び柱部材10の横断面図である図8に示すように、柱部材10は、軸方向の長さが3500mm、横断面の縦の長さが464mm、横の長さが472mmとなっている。また、荷重支持部12、燃え止まり層14、及び燃え代層16の各寸法は、図8に示されている。
試験片は、図7に示す柱部材10の部分72A、72B、72C、72D、72Eにおける図8に示す位置から、8つのブロック74(以下、「試験片74」とする)と、4つのブロック76(以下、「試験片76」とする)を切り出して製作した。
図9の斜視図に示すように、試験片74は、縦の長さが30mm、横の長さが75mm、厚さ方向の長さが25mmの部材であり、2つの評価接着部78(接着剤22により形成された接着層)を有している。評価接着部78は、高さ方向の長さが25mm、厚さ方向の長さが25mmとなっている。
図10の斜視図に示すように、試験片76は、縦の長さが30mm、横の長さが50mm、厚さ方向の長さが25mmの部材であり、1つの評価接着部80(接着剤22により形成された接着層)を有している。評価接着部80は、高さ方向の長さが25mm、厚さ方向の長さが25mmとなっている。
すなわち、本ブロックせん断試験では、40の試験片74と、20の試験片76とを使用して、100の評価接着部(80の評価接着部78と20の評価接着部80)に対して評価を行った。
ブロックせん断試験は、日本農林規格で規定されている構造用集成材のブロックせん断試験の方法に準じて行った。試験片74、76のせん断面と荷重軸が平行するように試験片74、76に荷重を加えるせん断装置によって、試験片74、76を破断させ、試験片74、76が破断したときの荷重を測定して、せん断強さ(=試験片74、76が破断したときの荷重/評価接着部78、80の接着面積)を算出した。さらに、試験片74、76が破断したときの木部破断が生じた面積を測定し、木部破断率(=木部破断が生じた面積/評価接着部78、80の接着面積)を算出した。
ブロックせん断試験の結果は、せん断強さの平均値が7.85MPaとなり、木部破断率の平均値が88.6%となった。これらの値は、日本農林規格の基準値(せん断強さの基準値は7.2MPa、木部破断率の基準値は65%)以上の値となっている。これにより、接着剤22を用いた木製部材(単材18)の圧締による接着が十分に可能であることがわかる。
[減圧・加圧はく離試験]
試験片は、ブロックせん断試験のときと同様に、図7に示す柱部材10の部分72A、72B、72C、72D、72Eにおける図8に示す位置から、8つのブロック82(以下、「試験片82」とする)と、4つのブロック84(以下、「試験片84」とする)を切り出して製作した。
図11の斜視図に示すように、試験片82は、縦の長さが60mm、横の長さが75mm、厚さ方向の長さが75mmの部材であり、2つの評価接着部86(接着剤22により形成された接着層)を有している。評価接着部86は、高さ方向の長さが60mm、厚さ方向の長さが75mmとなっている。
図12の斜視図に示すように、試験片84は、縦の長さが50mm、横の長さが50mm、厚さ方向の長さが75mmの部材であり、1つの評価接着部88(接着剤22により形成された接着層)を有している。評価接着部88は、高さ方向の長さが50mm、厚さ方向の長さが75mmとなっている。
すなわち、減圧・加圧はく離試験では、40の試験片82と、20の試験片84とを使用して、100の評価接着部(80の評価接着部86と20の評価接着部88)に対して評価を行った。
減圧・加圧はく離試験は、日本農林規格で規定されている構造用集成材の減圧・加圧はく離試験の方法に準じて行った。但し、試験片82、84の寸法は、図11及び図12に示した寸法とした。試験片82、84を室温(10°C以上25°C以下)の水中に浸せきし、0.085MPaの減圧を5分間行い、さらに0.48MPa以上0.54MPa以下で加圧を1時間行う。そして、この処理を2回繰り返した後に、試験片82、84を水中から取り出し、67°C以上73°C以下の恒温乾燥器中に入れ、器中に湿気がこもらないようにして質量が試験前の質量の100%以上110%以下の範囲となるように乾燥し、この処理を2回繰り返す。
そして、この2回の処理を行った後に、試験片の両木工面におけるはく離の長さを測定して、はく離率(=(木工面のはく離の長さの合計/木工面の接着層(評価接着部86、88)の長さの合計)×100)を算出する。
減圧・加圧はく離試験の結果は、平均はく離率が0.5%となった。これにより、接着剤22を用いた木製部材(単材18)の圧締による接着が十分に可能であることがわかる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態では、図2で示した、燃え代部材26を構成する単材18と燃え止まり層28を構成する単材18、燃え止まり層28を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層30を構成する単材18、及び燃え止まり層30を構成する単材18と燃え代部材32を構成する単材18を圧締して接着する際、並びに図3で示した、燃え代部材40を構成する単材18と燃え止まり層42を構成する単材18、燃え代部材40を構成する単材18と燃え代部材26、32を構成する単材18、燃え止まり層42を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層44を構成する単材18、燃え止まり層44を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18、及び燃え代部材26、32を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18を圧締して接着する際において、単材18の接着面(図2及び図3の例では、単材18の上面又は下面)に塗布する接着剤22の塗布量と、貼り合わせた単材18に加えられる圧締圧力を、図4のグラフに示されている領域A内となるようにした例を示したが、単材18の接着面に塗布する接着剤22の塗布量と、貼り合わせた単材18に加えられる圧締圧力を、図6のグラフに示されている領域B(斜線の領域)内となるようにしてもよい。
領域Bは、図5のグラフに示す浸せきはく離試験により得られた値(丸の記号又は四角の記号で示された値48A~48I、値50A~50I、値52A~52I、値54A~54I、56A~56I、及び58A~58I)に基づいて、接着剤22を用いた木製部材(単材18)の圧締による接着を可能とする、より好ましい領域を設定したものである。図6のグラフでは、線形軸の横軸を、単材18の接着面(図2及び図3の例では、単材18の上面又は下面)に塗布する接着剤22の面積当たりの塗布量とし、常用対数軸の縦軸を、貼り合せた単材18を圧締する圧締圧力としている。
領域Bは、接着剤22の塗布量を、700g/m2以上5000g/m2以下とし、且つ、単材18を圧締する圧締圧力を、1.0kPa以上200kPa以下とする領域を示している。
単材18の接着面に塗布する接着剤22の塗布量と、貼り合わせた単材18に加えられる圧締圧力を、領域B内となるようにすれば、接着剤22の塗布量を700g/m2以上とすることで、接着剤22による接着強度を高めることができる。また、圧締圧力を1.0kPa以上とすることで、木製部材(単材18)にソリが生じている場合には、このソリを低減することができる。これにより、木製部材(単材18)のソリを矯正して接着剤による接着強度を高める効果が期待できる。
また、本実施形態では、図1に示すように、燃え代層16、燃え止まり層14、荷重支持部12を構成する単材18を、カラマツを製材し乾燥させて形成した例を示したが、単材18は、一般の木造建築に用いられる、ヒノキ、スギ等の木材(以下、「一般木材」とする)を製材し乾燥させて形成したものであってもよい。また、接着剤22は、単材18を圧締接着できる接着剤であればよい。例えば、接着剤22を、フェノール樹脂系接着剤、レゾシノール樹脂系接着剤、水性高分子-イソシアネート系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤等の木質材料の接着が可能な接着剤としてもよい。これらの接着剤や、ヒノキ、スギ等の一般木材を製材し乾燥させて形成した単材を用いた場合においても、浸せきはく離試験を行うことによって、図4に示した領域Aや図6に示した領域Bと同様の領域を設定することができる。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、交互に複数配置された単材18とモルタルバー20とによって燃え止まり層14を形成した例を示したが、燃え止まり層14は、火炎及び熱の進入を抑えて燃え止まり効果を発揮できる層(例えば、熱の吸収が可能な層)であればよい。例えば、一般木材により形成された単材18と、一般木材よりも熱容量が大きな材料、一般木材よりも断熱性が高い材料、又は一般木材よりも熱慣性が高い材料によって形成された板状の部材とを交互に配置して燃え止まり層を形成してもよい。
一般木材よりも熱容量が大きな材料としては、モルタル、石材、ガラス、繊維補強セメント、石膏等の無機質材料、各種の金属材料などが挙げられる。一般木材よりも断熱性が高い材料としては、けい酸カルシウム板、ロックウール、グラスウールなどが挙げられる。一般木材よりも熱慣性が高い材料としては、セランガンバツ、ジャラ、ボンゴシ等の木材が挙げられる。
また、本実施形態では、図2及び図3に示す製作手順によって、構造部材としての柱部材10を形成した例を示したが、他の製作手順によって柱部材10を形成してもよい。例えば、図13(a)、図13(b)、図14(a)、図14(b)、図15(a)、及び図15(b)に示す構造部材の製作方法の製作手順によって柱部材10を形成してもよい。
この製作手順では、まず、図13(a)の正面図に示すように、プレス台24の上に、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材32を載置する。燃え代部材32は、予め製作しておく。燃え代部材32は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。
次に、燃え代部材32の上面に、レゾシノール・フェノール樹脂系接着剤からなる接着剤22を上下面に塗布した単材18と、ビスによって上下面にモルタルバー20が取り付けられた荷重支持部12とを載置する。これにより、モルタルバー20と単材18とが交互に配置された、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層30が形成される(図13(b)を参照のこと)。荷重支持部12は、予め製作しておく。荷重支持部12は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。なお、モルタルバー20は、釘、接着剤等のビス以外のもので荷重支持部12に取り付けてもよい。
次に、荷重支持部12の上面に、接着剤22を上下面に塗布した単材18と、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材26とを載置する。これにより、モルタルバー20と単材18とが交互に配置された、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層28が形成される(図13(b)を参照のこと)。燃え代部材26は、予め製作しておく。燃え代部材26は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。
次に、図13(b)の正面図に示すように、燃え代部材26の上に、錘としての長尺の鋼材36を積層して載置する。これにより、鋼材36の重量によって鋼材36から下方へ力が加えられ、積層された燃え代部材32、燃え止まり層30、荷重支持部12、燃え止まり層28、及び燃え代部材26がプレスされる。鋼材36の上面と下面(載置面)は、平面状の水平面になっている。これにより、鋼材36によって、積層された燃え代部材32、燃え止まり層30、荷重支持部12、燃え止まり層28、及び燃え代部材26を均等にプレスすることができる。なお、錘は、その重量によって下方へ力が加えられる、載置面が平面状(平ら)な部材であればよく、H形鋼、T形鋼等を用いることができる。
このようにして、鋼材36により、燃え代部材32を構成する単材18と燃え止まり層30を構成する単材18、燃え止まり層30を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層28を構成する単材18、及び燃え止まり層28を構成する単材18と燃え代部材26を構成する単材18を圧締して接着する圧締圧力が、これらの単材18に加えられる。
すなわち、積層された燃え代部材32(燃え代層16)、燃え止まり層30(燃え止まり層14)、荷重支持部12、燃え止まり層28(燃え止まり層14)、及び燃え代部材26(燃え代層16)の上に鋼材36を載せることにより、接着剤22を塗布して貼り合わせた単材18に圧締圧力が加えられて接着される。これによって、燃え代部材32(燃え代層16)と燃え止まり層30(燃え止まり層14)、燃え止まり層30(燃え止まり層14)と荷重支持部12、荷重支持部12と燃え止まり層28(燃え止まり層14)、及び燃え止まり層28(燃え止まり層14)と燃え代部材26(燃え代層16)が接着されて一体化し、構造部材34が形成される。
次に、図13(b)で説明した工程で形成した構造部材34の左右面にビスによってモルタルバー20を取り付けた後に、図14(a)の正面図に示すように、この構造部材34を90度回転させた状態にしてプレス台24の上に載置する。
次に、燃え代部材32、26の上面に接着剤22を塗布した後に、構造部材34の上面に、接着剤22を上下面に塗布した単材18と、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材40とを載置する。これにより、モルタルバー20と単材18とが交互に配置された、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層42が形成される(図14(b)を参照のこと)。燃え代部材40は、予め製作しておく。燃え代部材40は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。
次に、図14(b)の正面図に示すように、燃え代部材40の上に、錘としての長尺の鋼材36、38を積層して載置する。これにより、鋼材36、38の重量によって鋼材36、38から下方へ力が加えられ、積層された構造部材34、燃え止まり層42、及び燃え代部材40がプレスされる。鋼材36、38の上面と下面(載置面)は、平面状の水平面になっている。これにより、鋼材36、38によって、積層された荷重支持部12、燃え止まり層42、及び燃え代部材40を均等にプレスすることができる。なお、錘は、その重量によって下方へ力が加えられる、載置面が平面状(平ら)な部材であればよく、H形鋼、T形鋼等を用いることができる。
このようにして、鋼材36、38により、燃え代部材32を構成する単材18と燃え代部材40を構成する単材18、燃え代部材26を構成する単材18と燃え代部材40を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層42を構成する単材18、及び燃え止まり層42を構成する単材18と燃え代部材40を構成する単材18を圧締して接着する圧締圧力が、これらの単材18に加えられる。
すなわち、積層された荷重支持部12、燃え止まり層42(燃え止まり層14)、及び燃え代部材40(燃え代層16)の上に鋼材36、38を載せることにより、接着剤22を塗布して貼り合わせた単材18に圧締圧力が加えられて接着される。これによって、荷重支持部12と燃え止まり層42(燃え止まり層14)、燃え止まり層42(燃え止まり層14)と燃え代部材40(燃え代層16)が接着されて一体化し、構造部材90が形成される。
次に、図15(a)の正面図に示すように、図14(b)で説明した工程で形成した構造部材90を180度回転させた状態にしてプレス台24の上に載置する。
次に、燃え代部材26、32の上面に接着剤22を塗布した後に、構造部材90の上面に、接着剤22を上下面に塗布した単材18と、燃え代層16の一辺の部分を構成する燃え代部材46とを載置する。これにより、モルタルバー20と単材18とが交互に配置された、燃え止まり層14の一辺の部分を構成する燃え止まり層44が形成される(図15(b)を参照のこと)。燃え代部材46は、予め製作しておく。燃え代部材46は、例えば、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を圧締して接着することにより形成する。
次に、図15(b)の正面図に示すように、燃え代部材46の上に、錘としての長尺の鋼材36、38を積層して載置する。これにより、鋼材36、38の重量によって鋼材36、38から下方へ力が加えられ、積層された燃え代部材40、燃え止まり層42、荷重支持部12、燃え止まり層44、及び燃え代部材46がプレスされる。鋼材36、38の上面と下面(載置面)は、平面状の水平面になっている。これにより、鋼材36、38によって、積層された燃え代部材40、燃え止まり層42、荷重支持部12、燃え止まり層44、及び燃え代部材46を均等にプレスすることができる。
このようにして、鋼材36、38により、燃え代部材40を構成する単材18と燃え止まり層42を構成する単材18、燃え代部材40を構成する単材18と燃え代部材26、32を構成する単材18、燃え止まり層42を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層44を構成する単材18、燃え止まり層44を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18、及び燃え代部材26、32を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18を圧締して接着する圧締圧力が、これらの単材18に加えられる。
すなわち、積層された構造部材90、燃え止まり層44、及び燃え代部材46の上に鋼材36、38を載せることにより、接着剤22を塗布して貼り合わせた単材18に圧締圧力が加えられて接着される。これによって、燃え代部材40(燃え代層16)と燃え止まり層42(燃え止まり層14)、燃え止まり層42(燃え止まり層14)と荷重支持部12、荷重支持部12と燃え止まり層44(燃え止まり層14)、燃え止まり層44(燃え止まり層14)と燃え代部材46(燃え代層16)、燃え代部材40と燃え代部材26、32、及び燃え代部材26、32と燃え代部材46が接着されて一体化し、柱部材10が形成される。
なお、図13(b)に示した、燃え代部材32を構成する単材18と燃え止まり層30を構成する単材18、燃え止まり層30を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層28を構成する単材18、及び燃え止まり層28を構成する単材18と燃え代部材26を構成する単材18を圧締して接着する際、図14(b)で示した、燃え代部材32、26を構成する単材18と燃え代部材40を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層42を構成する単材18、及び燃え止まり層42を構成する単材18と燃え代部材40を構成する単材18を圧締して接着する際、並びに図15(b)で示した、燃え代部材40を構成する単材18と燃え止まり層42を構成する単材18、燃え代部材40を構成する単材18と燃え代部材26、32を構成する単材18、燃え止まり層42を構成する単材18と荷重支持部12を構成する単材18、荷重支持部12を構成する単材18と燃え止まり層44を構成する単材18、燃え止まり層44を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18、及び燃え代部材26、32を構成する単材18と燃え代部材46を構成する単材18を圧締して接着する際において、単材18の上下面に塗布する接着剤22の塗布量と、貼り合わせた単材18に加えられる圧締圧力を、図4のグラフに示されている領域A(斜線の領域)内となるようにする。
また、本実施形態では、図1に示すように、燃え代層16、燃え止まり層14、及び荷重支持部12を有して構成された柱部材10を構造部材とした例を示したが、他の構成の構造部材や、梁、壁、床等の他の用途の構造部材に、本実施形態の接着方法及び構造部材の製作方法を適用してもよい。
例えば、構造部材を、複数貼り合せた木製部材を有して構成され、荷重を支持する荷重支持部と、複数の木製部材を有して構成され、荷重支持部の外側に設けられた耐火性を有する被覆層とを有する長尺な部材としてもよい。また、この被覆層は、燃え止まり層のみで構成してもよいし、燃え代層のみで構成してもよいし、燃え止まり層の周囲を燃え代層以外の層(例えば、薄い木製の仕上げ材)で取り囲むようにしてもよい。
この場合における構造部材の製作方法は、積層された荷重支持部と被覆層との上に載置面が平面状の錘を載せて、接着剤22を塗布して貼り合わせた木製部材を圧締し接着する圧締圧力を加えるようにすればよい。
このような構造部材に対しても、本実施形態の接着方法及び構造部材の製作方法を適用すれば、プレス機を使わずに、又はプレス機の使用を必須要件とせずに、簡易な方法によって、荷重支持部と被覆層とを接着して構造部材を製作することができる。
さらに、本実施形態では、図2及び図3に示すように、まず、積層された燃え代部材26、燃え止まり層28、荷重支持部12、燃え止まり層30、及び燃え代部材32をプレスし、次に、積層された燃え代部材40、燃え止まり層42、構造部材34、燃え止まり層44、及び燃え代部材46をプレスして、構造部材としての柱部材10を形成した例を示したが、燃え代層16と燃え止まり層14、及び燃え止まり層14と荷重支持部12を、圧締による接着によって一体化できれば、他の方法を用いてもよい。
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、燃え代部材26、32、40、46、及び荷重支持部12を予め製作しておく例を示したが、これらの部材は、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を低圧で圧締して接着することによって形成してもよいし、接着剤を塗布して貼り合わせた単材18を高圧で圧締して接着することによって形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。