JP7010561B2 - ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ及びそれを用いたスクリーン印刷ステンシルの作成方法 - Google Patents

ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ及びそれを用いたスクリーン印刷ステンシルの作成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ及びそれを用いたスクリーン印刷ステンシルの作成方法に関する。
スクリーン印刷は、ブロッキング・ステンシルとも称されるスクリーン印刷ステンシルによってインクに対して不透過性にされた領域を除いて、メッシュを使用してインクを基材上に転写する印刷技術である。ブレードまたはスキージをスクリーンを横切るように移動させて、開いたメッシュ開口にインクを充填し、次いで逆ストロークによって、スクリーンを接触線に沿って瞬間的に基板に接触させる。
スクリーン印刷ステンシルの作成は、面倒で労働集約的な仕事である。それは、多くのプロセスステップ、化学薬品、大量の水を必要とするものであり、大部分は手作業で行われる。これは、現在のスクリーン印刷ビジネスの最も自動化されていない部分である。
本開示の実施例は、以下の詳細な説明及び図面を参照することによって明らかになる。図面において、類似の参照番号は、同一ではないが同様な構成要素に対応する。簡潔にするために、前に述べた機能を有する参照番号または参照特徴を、それらが現れる他の図面に関連して説明してもしなくてもよい。
図1は、本開示の一例による、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタを示す。
図2Aは、本開示の一例による、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタを使用する、スクリーン印刷におけるプロセスの要素を断面図で示す。 図2Bは、本開示の一例による、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタを使用する、スクリーン印刷におけるプロセスの要素を断面図で示す。 図2Cは、本開示の一例による、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタを使用する、スクリーン印刷におけるプロセスの要素を断面図で示す。 図2Dは、本開示の一例による、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタを使用する、スクリーン印刷におけるプロセスの要素を断面図で示す。
図3Aは、本開示の一例による、現在の技術(図3A)と本明細書の開示(図3B)との間の比較を提供する、メッシュ上のエマルジョンを概略的に示す。 図3Bは、本開示の一例による、現在の技術(図3A)と本明細書の開示(図3B)との間の比較を提供する、メッシュ上のエマルジョンを概略的に示す。
図4は、本開示の一例によるスクリーン印刷の方法を示すフローチャートである。
スクリーン印刷のためのステンシルを形成するためにメッシュを直接コーティングするための以前の解決策のいくつかの例がある。これらについて説明する。
・メッシュの準備とコーティング:
エマルジョンの直接塗布:エマルジョンの直接塗布は、機械または手作業のいずれかで行われる。適切な被覆を確実にするために、スクリーンの両面をエマルジョンで被覆しなければならない。機械即ち自動化バージョンは、厳密には、人間に取って代わる機械である。この機械は、はるかに正確に正確な量のエマルジョンを塗布し、均一な被覆率を得る。この機械は、一般に無駄が少ない。
毛細管フィルム:毛細管フィルムは、エマルジョンで事前にコーティングされたフィルムである。メッシュを水で過飽和にし、フィルム(エマルジョン側を下にして)を過飽和メッシュに対して配置する。エマルジョンは、毛細管作用によってメッシュ内に引き込まれる。これによって、厚さ及びカバーの両方におけるエマルジョンのより正確なコーティングが与えられる。エマルジョンがメッシュ内に拡散すると、フィルムは剥がされる。
エマルジョンがスクリーンメッシュに浸透すると、スクリーンメッシュを乾燥しなければならない。エマルジョンは、一旦乾燥すると収縮し、メッシュに従った形状となり、粗く、平坦でない表面を生じさせる。(この粗い表面は、印刷プロセスにおいてスキージの老化を加速させる。)
今日のほとんどのエマルジョンは、紫外線(UV)放射によって活性化される(すなわちUV活性化)が、可視光で活性化してもよい。一旦コーティングされると、ステンシルは、いかなる光への露出からも保護されなければならない(通常の可視光でさえ、硬化プロセスを開始するのに十分なUVを有する)。以下、エマルジョンはUV活性化/硬化されるものと考えられる。
画像転写/ステンシル作成:
スクリーン印刷では、各色、典型的にはシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック(CMYK)に加えて各スポットカラーごとに1つのステンシルがある(スポットカラーは、通常、CYMK色では容易に達成できない離散色に基づくものである)。インクを通過させたくないステンシルの領域は、ステンシルを形成するために引き続いて硬化されるエマルジョンによってブロックされ、他の全ての領域はメッシュのみを有する。メッシュの任意の開口部は、ステンシルを形成するために、エマルジョンによって完全にブロックされてもよく、または部分的にブロックされてもよい。
フィルムポジティブインク:完全に黒色のUV吸収層をプラスチックの透明シート上に印刷する。印刷は、通常、特殊フィルムポジ型インク(フィルムポジ型インクとは、すべての可視光及びUV光を完全に遮断する高不透明度黒色インクを意味する)を用いてレーザまたはインクジェットプリンタによって行われる。次に、フィルムをプレコートメッシュに付着させ、UV光で露光する。取り付けは、通常、取り外し可能なテープ(マスキングテープなど)によって行われる。露光後、フィルムを除去し、未硬化エマルジョンを洗い流す。
しかし、このアプローチは、すべての段階で非常に労働集約的であり、多くのステップを自動化することは不可能である。さらに、正しいフィルムを使用して印刷前に最終的なステンシルを調整するフィルムを取り付ける間にエラーが生じやすい。大量の消耗品(インクやフィルム)に加えて大量の化学薬品や洗浄剤が必要である。
サーマルスクリーン:
この方法においては、メッシュは、熱活性化エマルジョンでプレコートされる。典型的には、メッシュ(フレームなし)をサーマルプリンタに入れ、そこでエマルジョンを直接硬化/活性化する。完了したら、未露光エマルジョンを洗い落とし、ステンシルをフレーム上に載せ、印刷する。
しかしながら、このアプローチにおいてはメッシュカウントが制限される。また、エマルジョンはそれほど強固ではない。前処理されたメッシュは高価である。ステンシルの位置合わせは、より徹底的に行う必要がある。最後に、ステンシルは、取り付けられている間に損傷を受ける可能性がある。
コンピュータ・トゥ・スクリーン(CtS)印刷:
この方法では、コーティングされたメッシュが高不透明度の黒色インクで乳化スクリーン上に直接印刷される。これは、フィルムなしのフィルムポジティブインクと同様である。全てのプロセスは同じである。
しかしながら、これらの機械は、高不透明度インクを必要とするが、この交付透明度インクは、通常のインクジェットインクよりも高価である。
CtS_Wax:
この方法は、CtS印刷に近縁であるが、UV光を遮断するためにワックスを使用する。それ以外は全て同じである。
しかしながら、溶融ワックスを使用するため、これらの機械は取り扱いが難しい可能性がある。さらに、ワックスを、メッシュに塗布するために加熱することが要求される。
CtS直接露光:
この技術は、UVレーザを使用してエマルジョンを直接露光する。
しかしながら、この技術で使用される機械は、典型的には非常に高価である。さらに、このプロセスは、粗いグレードのメッシュではうまく機能しない。最後に、UVレーザは、交換を必要とする場合、依然として非常に高価である。
上記の方法の各々は、いくつかの後処理/追加処理(follow-up)を必要とする。熱活性化及びCtS直接露光を除いて、すべてのステンシルは、画像ブロッキングが適用された後に露光されなければならない(フィルムまたはCtS印刷及びワックスのいずれか)。このプロセスは、強力な現像剤を用いてスクリーン当たり約1~2分を要する。
すべてのスクリーンは、余分なエマルジョンを洗い流さなければならない。エマルジョンが排水系に入らないように注意しなければならない。洗浄後、スクリーンを乾燥させなければならない。
フィルム及び熱活性化方法の場合、適切な位置合わせが確実になされるように、完成したステンシルをカルーセル上に配置したときに微調整しなければならない。
より少ない化学薬品及びより少ない水を使用するより単純なアプローチが望ましいことは、現在の技術の前述の説明から明らかである。
本明細書に開示され、特許請求されるように、本明細書の開示によれば、ステンシルを形成するためのDtM(ダイレクト・ツー・メッシュ)アプローチは、インクジェット技術を使用してエマルジョンをスクリーン上に直接塗布し、活性化/露光することを含む。特に、本明細書の開示によれば、DtMスクリーン・プリンタは、以下を含む。
・噴射可能なエマルジョンを塗布する間、予備伸張されたメッシュを所定の位置に保持するためのフレーム。
・フレームを保持するための固定具。
・硬化後に噴射可能なエマルジョンに付着しないと同時に、ドットゲインを抑制するように構成された剥離紙を、予備伸張されたメッシュの一方の側に対して剥離紙を保持するためのプラテン。
・予備伸張されたメッシュのプラテンと反対側に噴射可能なエマルジョンを印刷するための印刷ヘッドを支持するプリンタキャリッジ。
図1は、ダイレクト・ツー・メッシュ(DtM)プリンタ100のブロック図を示す。DtMプリンタ100は、フレーム106によって所定位置に保持された予備伸張されたメッシュ104を含むメッシュ支持システム102を含む。フレーム106は、固定具108によって保持される。固定具108は、射出可能なエマルジョンの塗布中に、予備伸張されたメッシュ104を有するフレーム106を所定の位置に強固に保持する。
ここで使用されるように、メッシュ104は、織物、繊維、金属、または他の可撓性/延性材料の接続されたストランドから作られ、ここでは十字パターンで織られる。メッシュを構成する材料は、幾種類もの織物(シルク、ポリエステル)、ステンレス鋼のような金属、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)若しくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなプラスチック、またはガラス繊維のいずれであってもよい。ストランドの直径は、スクリーン印刷において一般的な任意の直径であってもよく、メッシュサイズは、スクリーン印刷において一般的な任意のサイズであってもよい。より粗いメッシュは、通常、より大きな直径(ゲージ)ストランドで織られるが、このメッシュにはエマルジョンをより厚く塗布する必要がある。
DtMプリンタ100は、さらに、プラテン114によって予備伸張されたメッシュ104の一方の側に保持された剥離紙112を含む、紙・プラテン支持システム110を含む。プラテン114は、剥離紙112を、予備伸張されたメッシュ104の底部に対して堅固に保持する。プラテン114は、できるだけ滑らかであって、且つへこみや亀裂に耐えるように構成されている。剥離紙112は、プラテン114に軽く取り付けられて、噴射可能なエマルジョンの塗布中の移動を防止する。また、剥離紙112には、硬化したエマルジョンに付着せずにドットゲインを抑制するためのコーティングが施されている。流体が噴射された後、硬化が非常に迅速に起こるので、ドットゲインは、短期間だけ抑制される必要がある。
最後に、DtMプリンタ100は、プリンタキャリッジ120に取り付けられたプリントヘッド118を含むインクジェットプリンタ116を包含する。プリントヘッド118は、予備伸張されたメッシュ104のプラテン114とは反対側に噴射可能なエマルジョンを印刷するように構成されている。プリンタキャリッジ120は、高精度プリンタキャリッジであり、デカルト座標系におけるX方向及びY方向の両方において正確であり、噴射可能なエマルジョンを堆積する(building up)間、1つまたは複数のパスにわたる正確な液滴配置を支援する。実際、エマルジョンは、非常に細かいものから超粗いものまでの広範囲のメッシュゲージに適合するように「堆積(build up)」することができる。層状化は、エマルジョンを堆積する際に高解像度を維持するために使用することができる。
プリントヘッド118は、サーマルインクジェット、圧電インクジェット、ドロップオンデマンドインクジェット、または本明細書に開示される噴射可能なエマルジョンを含み、流体を噴射することができる他の適切な噴射プリントヘッドなどのインクジェットプリントヘッドであってもよい。
スクリーンメッシュ104は、いかなるタイプのものであってもよく、高価であっても安価であってもよく、任意のゲージであってもよいが、フレーム106上に延伸される。フレーム106は、プラテン114上に置かれている紙の裏打ち、即ち剥離紙112と共にプリンタ116内に配置される。次いで、噴射可能なエマルジョンをインクジェットプリンタ116によってマスキング領域に塗布し、高強度UVランプまたはUV発光ダイオード(LED)などの他の適切なUV源で実質的に同時に露光する。UVランプ(またはLED)は、最適な性能を実現するために、噴射可能なエマルジョンの反応範囲に合わせることができる。本明細書に開示される噴射可能なエマルジョンの場合、エマルジョンは395ナノメートル(nm)の波長で反応する。他の噴射可能なエマルジョンは、395nm未満を含む他の反応波長を有してもよい。粗いメッシュの場合、必要なエマルジョンの厚さを増すために、塗布はマルチパス操作であってもよい。「粗いメッシュ」とは、目の粗い織りを有し、したがって細かいメッシュスクリーンよりもストランド間のギャップが大きいメッシュを意味する。例えば、335メッシュカウントは細かいメッシュであると考えられ、一方、110メッシュカウントは粗いメッシュであると考えられる。ここで、メッシュカウントは平方インチ当たりのスレッド交差の数である。
本明細書に開示されるダイレクト・ツー・メッシュ法は、最近の低粘度噴射可能なエマルジョンの開発によって可能になった。「低粘度」とは、約4センチポアズ(cP)~約15cPの範囲を意味する。これらの新しい噴射可能なエマルジョンは、UVプリンタを用いて多種多様な材料上にエンボス効果を作り出すために使用される。これらの新しい噴射可能なエマルジョンはまた、より弾性があり、したがって、以前のエマルジョンの代替物としてより容易に使用することができる。透明即ちクリアを含む任意の色を噴射可能なエマルジョンに使用することができるが、薄いシアンまたは薄いマゼンタを使用して、ステンシルを検証するためにわずかなコントラストを提供することができる。透明即ちクリアを含む任意の色を噴射可能なエマルジョンに使用することができるが、薄いシアンまたは薄いマゼンタを使用して、ステンシルを検証するためのわずかなコントラストを提供することができる。
本明細書に開示されるプロセスにおいて適切に使用され得る噴射可能なエマルジョンの例は、硬化後にエラストマとしての性質を有するUV活性化アクリレートモノマーである。噴射可能なエマルジョンは、基材上に迅速に堆積して硬化し、高耐久性層及び高抵抗性層の両方を形成する特殊なエンボス加工「ワニス」ポリマーである。硬化したポリマーはまた、耐久性があり、可撓性/弾性である(ポリマーが硬い場合、使用中に容易に亀裂が入り、ステンシルを役に立たなくする)。VersaUV(Roland DG)技術は、本明細書の開示の実施において有用であり得る材料の一例である。
紙裏打ち即ち剥離紙112は、未露光エマルジョンがメッシュ104を通って落下するのを防止するために重要である。それはまた、印刷されたエマルジョンのドットゲインを制限するのに役立つ。ドットゲインは、噴射された液滴(即ちドット)がUV露光の前に拡大または広がるときに生じる。これは、ハーフトーンが使用される場合、すなわち、メッシュ内の空間全体よりも少ない空間がエマルジョンで満たされる場合に特に重要である。しかしながら、エマルジョンが噴射された後、UV硬化が非常に迅速に起こるので、ドットゲインを、短期間だけ抑制する必要がある。
剥離紙112の用紙は、ドットゲインを管理するとともに、容易に剥がれてエマルジョンを持ち上げない特殊な用紙である。紙は、硬化したエマルジョンに付着しない1つ以上の特殊な化学薬品でコーティングされ、これらの特殊な化学薬品は、本質的に、染料昇華に使用される転写紙と同様である。
剥離紙112は、メッシュ104のスキージ側に配置される。現行技術におけるほとんどの準備物(preparaions)において、エマルジョンは、非常に粗い可能性があり、これは、しばしば、乾燥プロセスにおけるメッシュへのエマルジョンの適合によって引き起こされる。この粗いエマルジョン表面はスキージで磨耗することがあり、スキージーブレードの再表面仕上げまたは交換が必要となる。しかし、ダイレクト・ツー・メッシュ・プロセスでは、噴射可能なエマルジョンがメッシュに堆積されるとき、剥離紙112は非常に滑らかな表面を保証する(例えば、図3B及びその関連する議論を参照のこと)。
メッシュ104に塗布されるエマルジョンは遮断領域にあるので、UV光のマスク領域への反射によるオーバーシュートまたはオーバー露光はない。これは、はるかに滑らかで、きれいな画像を提供する。(これらのオーバーシュート領域及びオーバー露光領域は、画像の内側、特にエッジの周りにスポットまたは液滴を生成する可能性があり、これらはピンホールの「反転」である。)
プラテン114は、ペーパーバッキング即ち剥離紙112を定位置に保持し、メッシュ104を緩やかに押してメッシュ104がぴんと張るようにして、エマルジョンが塗布される良好で均一、且つ平坦な表面を確実に形成するようにする。
ダイレクト・ツー・メッシュ・プロセスの例示的なステップが、DtM装置の断面図である図2A~2Dに示されている。
図2Aにおいて、フレーム106はメッシュ104を支持する。フレーム106を支持するための固定具108は、明確化のために省略されている。固定具108は、当技術分野で現在使用されているものと同様である。メッシュ104の下には、プラテン114があり、剥離紙112のシートがプラテンの表面114a上に支持されている。剥離紙112は、メッシュ104をバックアップして、噴射可能なエマルジョンが塗布される際に、メッシュ104がエマルジョンで被覆されるようにする。剥離紙112は、噴射可能なエマルジョンに付着しないように構成(formulated)されている。
図2Bにおいて、プラテン114は、剥離紙112とともにメッシュ104まで移動され、メッシュを緊張させ、転写紙をメッシュの背面に押し付ける。これにより、平滑で張力のかかった平坦な印刷面が提供される。プラテン114の移動は矢印202で示されている。
図2Cにおいて、プリンタキャリッジ120(図2Cには示されていないが、図1に示されている)によって平行移動可能なプリントヘッド118は、ブロック画像またはステンシル206(図2Dに示されている)をメッシュ104上に直接印刷し、ここでブロック画像は印刷される実際の画像の反転、言い換えればネガである。プリントヘッド118は、メッシュ104上にスクリーンステンシル206を形成するために、矢印204によって示される方向に横方向に移動する。「インク」は、本質的にUV源208によって塗布されるときにUV硬化される、上述のUV硬化噴射可能なエマルジョンである。一例では、UV源は、矢印210によって示される方向に横方向に移動する。これは、従来のUVプリンタで起こることと同様である。図2Cは、メッシュ104を横切って移動するプリントヘッド118及びUV源208を示す。しかし、メッシュ104及びフレーム106(及び固定具108)を含むメッシュ支持システムは、プリントヘッド118及びUV源208に対して並進させることができる。
図2Dでは、ステンシル206は、プリンタから取り外され、他の準備または処理なしに直ちに使用することができる。
一例による結果の比較を図3A~3Bに示す。両方の図は、メッシュ104に適用されたエマルジョンを示す。
図3Aでは、従来の展着性エマルジョン302とメッシュ104との組み合わせ300において、エマルジョンは、メッシュの頂部とメッシュの底部との両方を含む、メッシュの縦糸及び横糸(ストランド104a及び104b)に共形的に従う。この共形性は、展着性エマルジョン302がメッシュ104上で空気乾燥するときに生じる。特に、図3Aは、従来の方法で適用されたエマルジョン302が、手またはアプリケータ機械のいずれかで塗布された後に、メッシュ104上で乾燥するときに、どのように収縮するかを示す。この収縮は、水成分が乾燥するにつれて避けられない。エマルジョン302は、当該技術分野において一般的に使用されるものである。
図3Bにおいては、本開示の噴射可能なエマルジョン302’とメッシュ104との組み合わせ350において、噴射可能なエマルジョンは、プラテン114(及びその上の剥離紙112)の滑らかな表面114aによって提供される平坦な底面302’aを有することが分かる。噴射可能なエマルジョン302’の上面302’bは、現在のエマルジョン302よりもメッシュ104の縦糸及び横糸に対して共形的でないことが分かる。(下面302’aは、実際のスクリーン印刷プロセスの間にスクリーンインクがスクイージを用いて塗布され、押圧されるところである)DtMにおいては、メッシュ104は、平滑プラテン114によって支持された剥離紙112を有するので、エマルジョン302’の下面302’aは、より平坦または平坦である。これはまた、UV放射によって本質的に直ちに硬化される結果である。
このプロセスは、ダイレクト・ツー・メッシュ (DtM)と呼ばれ、エマルジョンの塗布前(すなわち、エマルジョンの塗布)及び塗布後(未露光エマルジョン及びインクの洗浄)の両方で追加の処理を必要とするCtS (コンピュータからスクリーンへの)と区別される。DtMプロセスでは、噴射可能なエマルジョン302’の塗布の前後に追加の処理を必要とせず、したがってステンシル206の作成が簡単になる。
図4は、スクリーン印刷のためのステンシルを準備するための、本明細書の開示による例示的なDtMプロセス400のフローチャートを示す。プロセス400では、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ100が提供される(405)。上述のように、DtMスクリーン・プリンタ100は、フレーム106を保持するための固定具108を含み、フレームは、噴射可能なエマルジョン302’の塗布中に、予備伸張されたメッシュ104を所定の位置に保持するように構成される。DtMスクリーン・プリンタ100のプラテン114は、剥離紙112を、予備伸張されたメッシュ104の一方の側に保持するためのものである。最後に、DtMスクリーン・プリンタ100は、予備伸張されたメッシュ104のプラテン114とは反対側に噴射可能なエマルジョン302’を印刷するためのプリントヘッド118を支持するプリンタキャリッジ120を含む。
DtMプロセス400においては、引き続いてフレーム106を固定具108に配置するステップ410が行われる。固定具108は、プリンタ100の一部であり、様々なサイズのフレーム106を受け入れるようになっている。固定具108は、プリントキャリッジ120がメッシュ104に正確に位置合わせされるように、フレーム106を所定の位置に正確に固定するように構成される。
DtMプロセス400においては、引き続いて噴射可能なエマルジョン302’をメッシュ104に塗布するステップ415が行われる。上述したように、噴射可能なエマルジョン302’は、プリントヘッド118が噴射可能なエマルジョンを噴射するインクジェットプリンタ116によって、メッシュ104に対して塗布される。
DtMプロセス400は、UV放射を使用して噴射可能なエマルジョン302’を硬化させるステップ420で終了する。噴射可能なエマルジョン302’を硬化させるために、任意の一般的なUV源を使用することができる。
DtMプロセス400の結果、ステンシル206が形成され、硬化され、例えば衣服のような適切な印刷表面上にカラーをスクリーン印刷するために使用される準備が整う。
DtMプロセス400の主な利点は、以下のように、ステンシルの準備及び後処理の両方を完全に排除することである。
1.エマルジョンアプリケータ、乾燥機、別個の露光ユニットなどの機械は必要ない。
2.大部分の化学物質(脱脂剤を除く)及び80%を超える水の使用が排除される。
3.全ての処理は、特別な低UV光室を用いることなく(without having special low UV light rooms)行うことができる。実際に、DtMプロセスは、通常の工場/オフィス照明または昼光で実行することができる。噴射可能なエマルジョンは、取扱い時にUV保護カートリッジまたはバッグの内部に保持される。エマルジョンは、メッシュ104上に噴射されて初めて昼光またはUV光に露出される。
4.本明細書に開示されるプロセスは、従来の、より安価なメッシュ104を使用することができるので、メッシュを洗浄するのではなく、フレーム106からメッシュを除去し、新たなメッシュを張る(remesh)ことで、より効率的かつ安価であることが多い。メッシュの洗浄は、水及び化学薬品、ならびに特殊な洗浄ステーションを必要とする。
5.未加工の未処理のスクリーン即ちメッシュ104がプリンタ100上に配置され、完全に作成されるから、印刷面上に画像を印刷するためにカルーセル上に直接配置することができるスクリーンから既成のステンシル206が排除される。
6.DtMプロセス400の重要な利点は、各ステンシル206がメッシュ104上に非常に正確に位置合わせされるので、カルーセル上に取り付けるときにマイクロ位置合わせを省略することが可能であることである。DtMプロセス400では、各ステンシル206がフレーム106上に(絶対的及び相対的の両方で)正確に位置決めされるので、調整は不要であり、要求されない。これは、フレーム固定具108を使用することによって達成される。ステンシルフレームは、典型的には、それに取り付けられた位置合わせ穴または点を有する。個々のカルーセル製造業者は、独自の登録システムを有する。フレーム固定具108には、同じ位置合わせシステム(または、場合によっては、別の設計の補助位置合わせシステム)が装備されている。フレーム固定具108は、ステンシルフレーム106の正確な整列を可能にする。これを達成するために、4色(または6色以上)でテストプリントが行われ、次いでカルーセルが微調整される。カルーセルに対する変更が行われず(またはカルーセルが整列から外れない)、すべてのステンシルが同じプリンタ上に作成される限り、ステンシルは正確に整列される。
本明細書に開示されるDtMプロセス400は、プロセス時間、複雑さ、労力、及び資本設備(専用照明設備を含む)のいずれかまたは両方、ならびにプロセス化学物質及び水を大幅な削減できることが理解されるであろう。
DtMプロセス400は、ロータリースクリーン印刷にも使用することができる。ロータリースクリーン印刷は、ラベル貼り及び他のいくらか狭いが頻繁に繰り返される印刷プロセス(壁紙、直線リノリウムなど)で使用される。回転スクリーン印刷は、4つの色(及び任意のスポット色)の各々がシリンダ上に配置され、材料がその下を通過するこれらの用途では極めて高速である。回転スクリーン印刷は、典型的には、耐久性及び安定性のためにステンレス鋼メッシュ104を使用する。
今日、多くの回転ステンシルは、大規模なサービスビューロ(ヨーロッパには約3カ所ある)によって製造されている。各ステンシルは、100ユーロを超えるコストがかかることがあり、ステンシル交換の年間コストは、数十万ユーロに及ぶことがある。これは、サービスビューロを使用することの不便さを考慮に入れていない。多くの企業は、高価なサービスビューロへの依存を減らす一方で、機械のコストを4分の幾つか取り戻すことができるであろう。
上記の説明では、実施例の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載されていることが理解される。しかしながら、実施例は、これらの特定の詳細に限定されることなく実施され得ることが理解される。他の例では、実施例の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の方法及び構造を詳細に説明しないことがある。また、これらの例を組み合わせて用いてもよい。
限定された数の例が開示されているが、それから多数の修正及び変形があることを理解されたい。図中の類似または同等の要素は、同じ数字を使用して示してもよい。
なお、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に他に指示しない限り、複数の参照物を含む。以下の説明では、実施例の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載されていることを理解されたい。しかしながら、実施例は、これらの特定の詳細に限定されることなく実施され得ることが理解される。他の例では、実施例の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の方法及び構造を詳細に説明しないことがある。また、これらの例を組み合わせて用いてもよい。さらに、「凡そ」が値を記述するために利用される場合、これは、製造における変動によって誘発され得るような、記述された値からのわずかな変動(±10%まで)を包含することを意味する。
限定された数の例が開示されているが、それから多数の修正及び変形があることを理解されたい。例えば、プリンタベッド/テーブルの「配向」は、垂直面上への噴射を可能にし得る新しい高速/超高速プリントヘッド技術のために、水平から垂直に変更され得る。

Claims (12)

  1. スクリーン・ステンシルを作成するためのダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタであって、
    ・噴射可能なエマルジョンを塗布する間、予備伸張されたメッシュを所定の位置に保持するためのフレーム、
    ・フレームを保持するための固定具、
    ・予備伸張されたメッシュの片側に対して剥離紙を保持するためのプラテン、及び
    ・予備伸張されたメッシュのプラテンと反対側に噴射可能なエマルジョンを印刷するためのプリントヘッドを支持するプリンタキャリッジ
    を含んでなり、
    前記プラテンの前記剥離紙を保持する側の面は平滑であり、且つ
    前記剥離紙は、前記プラテンに取り付けられているとともに、硬化エマルジョンに付着しないと同時に、ドットゲインを抑制するように構成されている
    ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  2. 前記固定具は、前記噴射可能なエマルジョンの塗布中に、前記予備伸張されたメッシュを有する前記フレームを所定の位置に堅固に保持するように構成された、請求項1に記載のダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  3. 前記プラテンは、前記剥離紙を前記予備伸張されたメッシュの底部に対して堅固に保持するように構成された、請求項1に記載のダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  4. 前記プラテンは、剥離紙を定位置に保持するとともに、メッシュのエマルジョンが塗布される側が均一且つ平坦な平面を形成するように剥離紙を介してメッシュに押圧されている、請求項1に記載のダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  5. 前記プリンタキャリッジは、前記エマルジョンを前記メッシュの上に堆積している間、複数のパスにわたる正確な液滴配置を支持するために、デカルト座標系におけるX方向及びY方向の両方において正確である、請求項1に記載のダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  6. 前記噴射可能なエマルジョンは、約4cP~約15cPの低粘度を有し、耐久性及び可撓性/弾性の両方を有する、請求項1に記載のダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  7. 前記噴射可能なエマルジョンは、硬化後にエラストマとしての性質を有するUV活性化アクリレートモノマーである、請求項に記載のダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  8. 前記噴射可能なエマルジョンを硬化させ、スクリーン印刷のためのステンシルを形成するためのUV源をさらに含む、請求項1に記載のダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタ。
  9. ・噴射可能なエマルジョンの塗布中に予備伸張されたメッシュを所定の位置に保持するように構成されたフレームを保持するための固定具と、予備伸張されたメッシュの一方の側に対して剥離紙を保持するためのプラテンと、プラテンの反対側の予備伸張されたメッシュの側に噴射可能なエマルジョンを印刷するための印刷ヘッドを支持するプリンタキャリッジと、を含む、ダイレクト・ツー・メッシュ・スクリーン・プリンタを提供することと、
    ・フレームを固定具に配置することと、
    ・噴射可能なエマルジョンをメッシュに塗布することと、
    ・前記噴射可能なエマルジョンをUV放射を用いて硬化させることと、
    を含み、
    前記プラテンの前記剥離紙を保持する側の面は平滑であり、且つ
    前記剥離紙は、前記プラテンに取り付けられているとともに、硬化後に前記噴射可能なエマルジョンに付着しないと同時に、ドットゲインを抑制するように構成されている
    プロセス。
  10. フレームを固定具に配置した後、剥離紙を有するプラテンをメッシュの方向に移動させて、剥離紙がメッシュに接触するようにする、請求項に記載のプロセス。
  11. 硬化したエマルジョンがスクリーンステンシルを形成し、このスクリーンステンシルの開口部が表面上に画像を形成するために使用される、請求項に記載のプロセス。
  12. 前記噴射可能なエマルジョンは、硬化後にエラストマ性質を有するUV活性化アクリレートモノマーである、請求項に記載のプロセス。
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