JP7010025B2 - トルク検出付きギアモータ - Google Patents

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Description

本発明は、産業用ロボットや荷役機械などに用いる、トルク検出機能付きのギアモータに関するものである。
従来では、モータの動力を負荷装置に伝達しつつ回転トルクを検出してトルク制御回路する手段として、モータ回転軸にカップリング等の軸継手を介して減速機を連結させて回転を減速させると同時にトルクを増加させ、さらに減速機の出力に軸継手を介してトルクが測定できるトルク検出器を繋いで、このトルク検出器の出力である出力軸を負荷装置に繋ぐというものが一般的であった。しかし軸方向に長さが大きくなることからこれを改善したものとして、モータ、減速機、トルク検出器を一体構造で構成するトルク検出付きギアモータが開示されている。
特開2016-77121号公報
例えば特許文献1にて開示されているようなトルク検出付きギアモータでは、トルクの制御をより精密に行うためにモータと減速機、減速機とトルク検出器との結合箇所をバックラッシュレスにするリジッド結合を行うことが望まれていた。しかしながらそれぞれの結合箇所をリジッドにして高精度なトルク検出付きギアモータを実現するためには部品精度や組立て精度を高める必要があり、コストが高くなり、さらに組立て調整時間も長くなるという課題があった。
このような問題に鑑みて、本発明は、部品精度や組立て精度を特段高めることなく、トルク制御を高精度に行うことができるトルク検出付きギアモータの提供を目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明のトルク検出付きギアモータは、
モータ部と、
モータ部のモータ回転軸の回転を減速するギアを備えた減速機部と、
減速機部の出力軸に加わるトルクを検出するトルク検出部と、
モータ部、減速機部及びトルク検出部を収容するケーシングと、
を有するトルク検出付きギアモータであって、
モータ回転軸及び出力軸が、軸方向で離間して配置された第1の転がり軸受と第2の転がり軸受を介してそれぞれケーシングに支持され、
第1の転がり軸受の内輪の軸方向一端面を係止して第1の転がり軸受の軸方向の位置を規制する第1の規制手段と、
第1の転がり軸受の外輪の軸方向他端面を係止して第1の転がり軸受を軸方向一端面の側へ付勢する第1の弾性部材と、
第2の転がり軸受の内輪及び外輪の軸方向両端面を係止して第2の転がり軸受の軸方向両側の位置をそれぞれ規制する第2の規制手段と、
第1の転がり軸受の外輪の外周円柱面と外周円柱面に対面するケーシングの対面部との間に設けられて第1の転がり軸受の外輪を軸中心方向へ付勢する第2の弾性部材と、を備え、第1の転がり軸受は、軸方向において第2の転がり軸受よりも減速機部の側に配置されている
また、ケーシングの対面部の全周に溝が設けられ、溝には第2の弾性部材が配置されている。
また、第2の弾性部材は、第1の転がり軸受の外輪の外周円柱面と当該外周円柱面に対面するケーシングの対面部との間に注入した液体ガスケットを硬化させた弾性部材である。
本発明のトルク検出付きギアモータによれば、部品精度や組立て精度を特段高めることなしに、高精度なトルク制御による回転駆動を実現することができる。
本発明の実施形態に係るトルク検出付きギアモータの斜視外観図である。 本発明の実施形態に係るトルク検出付きギアモータの中央部断面図である。 本発明の実施形態に係るトルク検出付きギアモータのモータ回転軸の第1の転がり軸受付近において一部の部品を省略した斜視外観図である。 発明の実施形態に係るトルク検出付きギアモータの出力軸の第1の転がり軸受付近において一部の部品を省略した斜視外観図である。
以下、本発明の実施形態に係るトルク検出付きギアモータについて、図面を基に詳細な説明を行う。
図1は本発明の実施形態であるトルク検出付きギアモータの斜視図である。本発明の実施形態であるトルク検出付きギアモータ1は、モータ部10と、モータ部10の負荷側の出力に繋がった減速機部20と、減速機部20の出力側に繋がったトルク検出部30と、モータ部10の反負荷側にてモータ部10に繋がった回転位置検出部50と、これらを連結すると共に収容して外部から保護するケーシング60(60a~60h)を備えている。
図2は本発明の実施形態であるトルク検出付きギアモータを中心で切断した断面構造図である。
モータ部10は例えば交流サーボモータであって、動力を出力するモータ回転軸11を有している。モータ回転軸11は永久磁石12が取り付けられて回転子として機能する。永久磁石12の外周には永久磁石12と所定の間隔にて鉄心及びコイルからなる固定子13が配置されている。そしてこの固定子13はケーシング60dに固着されている。
回転位置検出部50は、モータ回転軸11の反負荷側のモータ回転軸端部11bに接続配置されていて、モータ回転軸11の回転位置を検出する。回転位置検出部50は、いわゆるエンコーダであって、本実施形態では反射型光学式であるが、透過式であってもよいし、光学式に限らず磁力その他の方式によるものであっても良い。
減速機部20は、モータ回転軸11の負荷側すなわち回転位置検出部50とは反対側に配置されていて、モータ部10の回転を減速させる。
モータ回転軸11は、第1の転がり軸受14と第2の転がり軸受15とを介して回転自在にケーシング60c、60eにて支持されている。第1の転がり軸受14と第2の転がり軸受15とは例えば外輪と内輪を有する深溝玉転がり軸受であって、それぞれ軸方向に離間して配置されている。
第1の転がり軸受外輪14aの外周円柱面は、ケーシング60cの内周円柱面に所定の隙間を有して対面している。第1の転がり軸受外輪14aの外周円柱面が対面するケーシング60cの内周円柱面すなわち対面部には、全周に渡って溝40Mが設けられている。そして溝40M内には第2の弾性部材42Mが配設されている。第2の弾性部材42Mは、第1の転がり軸受外輪14aの外周円柱面を軸中心方向に付勢している。第2の弾性部材42Mは例えばOリングであるが、これに限るものではない。第2の弾性部材42MはOリングの他に、第1の転がり軸受外輪14aの外周円柱面とケーシング60cの対面部との所定の隙間に液体ガスケット等を注入し硬化させて弾性部材を形成しても良く、この時溝40Mの有無は問わない。
第1の転がり軸受内輪14bとモータ回転軸11とは、例えばしまりばめで嵌合した状態である。第1の転がり軸受内輪14bの軸方向一端面(回転位置検出部50側)を、第1の規制手段をなすモータ回転軸鍔11cが係止することで、第1の転がり軸受内輪14bの軸方向の位置が規制される。一方、第1の転がり軸受内輪14bの軸方向他端面(減速機部20側)は規制されていない。また第1の転がり軸受外輪14aの軸方向他端面(減速機部20側)は、第1の弾性部材41Mによって軸方向Aに付勢される。一方、第1の転がり軸受外輪14aの軸方向一端面(回転位置検出部50側)は規制されていない。
第1の規制手段はモータ回転軸11に設けられた段差によって形成されたモータ回転軸鍔11cであるが、これに限るものではなく、モータ回転軸11に嵌め込まれたカラーなどであっても良い。第1の弾性部材41Mはケーシング60bと第1の転がり軸受外輪14aとを軸両方向に離間反発させるように圧縮方向に変形する例えば板バネ等の弾性部材である。図3は第1の弾性部材41Mの例示であって、第1の弾性部材41Mは環状の平板を折り曲げて形成され、第1の転がり軸受外輪14aに当接して第1の転がり軸受外輪14aを軸方向に付勢する部分と、ケーシング60cに当接する部分とを交互に円周方向に有している。
第2の転がり軸受15は、ケーシング60eの内周円柱面に例えば極少の隙間を有して嵌入されている。一方、第2の転がり軸受内輪15bとモータ回転軸11とは、例えばしまりばめで嵌合した状態である。
第2の転がり軸受15は、第2の転がり軸受外輪15a及び第2の転がり軸受内輪15bの軸方向両端面で第2の規制手段により軸方向両側の位置が規制されている。すなわち第2の転がり軸受外輪15aはケーシング60eの段差部と円環状の押え部材43Mによって係止される。そして第2の転がり軸受内輪15bはモータ回転軸鍔11dと止め輪44Mによって軸方向位置が規制されている。止め輪44Mは、モータ回転軸端部11bの第2の転がり軸受15が嵌入される段部付近に設けられた溝に挿入されている。第2の規制手段とは、この押え部材43M、止め輪44M及びケーシング60eの段差部を指す。
ケーシング60cとケーシング60eとは、中間のケーシング60dを介してボルトにて軸方向に固定連結されている。したがってケーシング60dの軸方向の寸法を適宜規定することで、第1の転がり軸受14と第2の転がり軸受15の軸方向の位置及び第1の弾性部材41Mによる付勢力を規定することができる。
減速機部20は、モータ回転軸11の負荷側のモータ回転軸端部11aに接続されている。減速機部20は例えば波動歯車減速機である。減速機部20は外周が楕円状のウエーブジェネレータ21と、外周に多数の外歯が形成されウエーブジェネレータ21に外嵌されてウエーブジェネレータ21の回転により円周方向へ撓まされる位置が変化するようにした弾性変形可能な有底円筒形のフレクスプライン22と、フレクスプライン22の外周側にあってフレクスプライン22の外歯と嵌合する内歯を備えたサーキュラスプライン23とからなる。そして動力は、フレクスプライン22を回転出力としてこれに繋げた出力軸31に取り出されて伝達するようになっている。この装置の減速機に波動歯車減速機のようなバックラッシが極小なものを使用することで、高精度なトルク制御を行うことができる。
ウエーブジェネレータ21は例えば鍔を有した円筒形のスリーブ24を介してモータ回転軸端部11bとしまりばめで接続されている。したがって、モータ回転軸11と減速機部20は軸継手を介さずリジッドで連結されている。ウエーブジェネレータ21は、スリーブ24の鍔と円筒面に挿入された止め輪44Gによって軸方向の位置が規定されている。またスリーブ24は例えばキーにてモータ回転軸端部11bに対して回転方向に滑らないようにモータ回転軸11と締結されている。
サーキュラスプライン23は、ケーシング60bにボルトで固定されていることから、減速機部20の減速された出力はフレクスプライン22の底の部分から伝達される。
第1の転がり軸受14とウエーブジェネレータ21との軸方向中間部には、モータ回転軸11の外周円柱面に沿ってオイルシールが配置されてオイルの飛散を防止している。
出力軸31はおおよそ円柱形状をしており、減速機部20に接続された一端がケーシング60bに収容されており、他端が負荷を取り付けられるようにケーシング60aから突出している。出力軸31は、フレクスプライン22の底の部分と接続部材45を介してボルトにて連結されている。
出力軸31の軸方向の中間部には、直径が他の部分よりも小さく形成した起歪部31cがある。この起歪部31cには出力軸31のねじりトルクを測定するために例えば歪みゲージ46が貼着されている。この起歪部31cは、出力軸31の軸方向には強度を有していて変形しないが、直径が他の部分よりも小さく形成されているため、ねじれ方向には変形する。したがって歪みゲージ46は、起歪部31cに生じるねじれ(せん断歪み)によって歪み、歪みゲージ46はせん断歪み量に応じた抵抗変化を生じる。
歪みゲージ46は出力軸31に加わるねじりトルクに応じて起歪部31cに生ずる歪みを電気信号に変換するホイートストンブリッジ回路に組み込まれ、トルク検出回路の一部を構成している。このトルク検出回路が回転基板32に実装されている。
回転基板32は環状の円板であって、支柱等の固定支持部材を介して出力軸鍔31bにネジにて固定されて、出力軸31と一緒に回転する。回転基板32は、歪みゲージ46の抵抗変化を検出するホイートストンブリッジ回路を含む抵抗変化検出回路と、抵抗変化検出回路の出力をデジタル信号に変換するAD変換器と、このデジタル信号を処理するCPUと、整流回路及び安定化回路等を備えている。そしてトルク検出回路から送出されたねじりトルク測定値の信号は、発光素子37によって光信号に変換されて無線通信にて固定基板51aに実装された受光素子へ送られる。
固定基板51aは固定基板51bと例えば基板間コネクタで機械的かつ電気的に接続されていて、固定基板51bはケーシング60gに固定されている。固定基板51a及び固定基板51bは、発光素子37が発した光信号を電気信号に変換するフォトダイオードなどの受光素子と、電気信号に変換したデジタル変調信号からねじりトルクの測定値の信号をデジタル復調によって取り出すデジタル復調回路とを備えている。そして固定基板51bは、配線ケーブルにより、トルク検出付きギアモータ1を制御する不図示の制御装置と繋がっている。
また出力軸31の円柱面には、例えばフェライトシートなどの磁性体シートが巻回されて2次側コア35が形成されている。さらに2次側コア35の外周円筒面には、例えば銅線などの導電性の線材が巻回されて2次側コイル36が形成されている。
固定基板51aには、2次側コア35及び2次側コイル36と対向する位置に1次側コア33が固定されている。1次側コア33は、断面形状がコ字型の突部を有する柱形状をしており、例えばフェライトなどの磁性体で作られている。1次側コイル34は、例えば銅線などの導電性の線材であって、1次側コア33の2つの突部間に巻回して形成されている。
固定基板51a及び固定基板51bには、不図示の制御装置と繋がったスイッチング回路が設けられている。このスイッチング回路は、制御装置から供給された直流電流を交流電流に変換する。そしてこのスイッチング回路は1次側コイル34と結線されており、変換した交流電流を1次側コイル34へ出力する。但し、制御装置によって交流電流が供給される場合は、スイッチング回路は不要である。変換された交流電流は1次側コイル34に交流磁界を発生させ、2次側コイル36に電流を誘起する。よって、2次側コイル36が1次側コイル34から非接触で電力を受電できる。2次側コイル36に誘起された交流電流は回転基板32内の整流回路と安定化回路とによって直流電圧へ変換され、直流電圧は抵抗変化検出回路などへ供給される。
出力軸31は、第1の転がり軸受38と第2の転がり軸受39とを介して回転自在にケーシング60b、60aにて支持されている。第1の転がり軸受38と第2の転がり軸受39とは例えば外輪と内輪を有する深溝玉転がり軸受であって、それぞれ軸方向に離間して配置されている。
第1の転がり軸受外輪38aの外周円柱面は、ケーシング60bの内周円柱面を対面部として所定の隙間を有して対面している。このケーシング60bの内周円柱面すなわち対面部には全周に渡って溝40Tが設けられている。そして溝40T内には第2の弾性部材42Tが配設されている。第2の弾性部材42Tは、第1の転がり軸受外輪38aの外周円柱面を軸中心方向に付勢している。第2の弾性部材42Tは例えばOリングであるが、これに限るものではない。また第1の転がり軸受外輪38aの外周円柱面とケーシング60bの対面部との所定の隙間に液体ガスケット等を注入し硬化させて弾性部材を形成しても良く、この時溝40Tの有無は問わない。
第1の転がり軸受内輪38bと出力軸31とは、例えばしまりばめで嵌合した状態である。第1の転がり軸受内輪38bの軸方向一端面(負荷接続側)を、第1の規制手段をなす出力軸鍔31bが係止することで第1の転がり軸受内輪38bの軸方向の位置が規制される。一方、第1の転がり軸受内輪38bの軸方向他端面(減速機部20側)は規制されていない。また第1の転がり軸受外輪38aの軸方向他端面(減速機部20側)は、第1の弾性部材41Tによって軸方向Bに付勢される。一方、第1の転がり軸受外輪38aの軸方向の一端側(負荷接続側)は規制されていない。
第1の規制手段は出力軸31に設けられた段差によって形成された出力軸鍔31bであるが、これに限るものではなく、出力軸31に嵌め込まれたカラーなどであっても良い。第1の弾性部材41Tはケーシング60bと第1の転がり軸受外輪38aとを軸両方向に離間反発させるように圧縮方向に変形する例えば板バネ等の弾性部材である。図4は第1の弾性部材41Tの例示であって、第1の弾性部材41Tは環状の平板を折り曲げて形成され、第1の転がり軸受外輪38aに当接して第1の転がり軸受外輪38aを軸方向に付勢する部分と、ケーシング60bに当接する部分とを交互に円周方向に有している。
第2の転がり軸受39は、ケーシング60aの内周円柱面に例えば極少の隙間を有して嵌入されている。一方、第2の転がり軸受内輪39bと出力軸31とは、例えばしまりばめで嵌合した状態である。
第2の転がり軸受39は、第2の転がり軸受外輪39a及び第2の転がり軸受内輪39bの軸方向両端面で第2の規制手段により軸方向両側の位置が規制されている。すなわち第2の転がり軸受外輪39aはケーシング60aの段差部と環状の押え部材43Tによって係止される。そして第2の転がり軸受内輪39bは出力軸鍔31aと止め輪44Tによって軸方向位置が規制されている。止め輪44Tは、出力軸31の第2の転がり軸受39が嵌入される段部付近に設けられた溝に挿入されている。第2の規制手段とは、この押え部材43T、止め輪44T及びケーシング60aの段差部を指す。
ケーシング60aとケーシング60bとは、ボルトにて固定連結されている。したがってケーシング60aとケーシング60bの軸方向の寸法を適宜規定することで、第1の転がり軸受38と第2の転がり軸受39の軸方向の位置及び第1の弾性部材41Tによる付勢力を規定することができる。
第1の転がり軸受38とフレクスプライン22との軸方向中間部には、出力軸31の外周円柱面に沿ってオイルシールが配置されてオイルの飛散を防止している。
本実施形態によれば、モータ回転軸11を支持する第1の転がり軸受14は、第2の転がり軸受15よりも減速機部20の側に配置されている。そして出力軸31を支持する第1の転がり軸受38は、第2の転がり軸受39よりも減速機部20の側に配置されている。第2の転がり軸受15と第2の転がり軸受39とはいずれも両端が内輪及び外輪の各端面でそれぞれ軸方向の位置を規制されている。そして第1の転がり軸受14と第1の転がり軸受38とは一端側が内輪の端面で軸方向の位置を規制され、他端側が外輪の端面で一端側へ第1の弾性部材41M、第1の弾性部材41Tによりそれぞれ付勢されている。さらにモータ回転軸11と減速機部20、減速機部20と出力軸31はリジッドに連結されている。
一方、第1の転がり軸受14の外輪の外周円柱面とこの外周円柱面に対面するケーシング60cの対面部との間に、第2の弾性部材42Mを備え、第1の転がり軸受38の外輪の外周円柱面とこの外周円柱面に対面するケーシング60bの対面部との間に、第2の弾性部材42Tを備えている。
モータ回転軸11は出力軸31と比較して回転速度が速いことから、例えばモータ回転軸11と減速機部20とをリジッドに連結するとそれぞれの部品寸法精度や連結の組立て精度が低いとモータ回転軸11の回転に支障をきたす場合がある。また出力軸31には起歪部31cがあって出力軸31のねじりトルクを歪みゲージ46によって検出していることから、例えば出力軸31と減速機部20とをリジッドに連結すると出力軸31のねじりトルク検出に影響を及ぼす場合がある。
本発明によれば、モータ回転軸11と減速機部20、減速機部20と出力軸31をそれぞれリジッドに連結した場合であっても、これらの部品の寸法精度、組立て精度を特段高くする必要がなく、第1の弾性部材41M、41Tと第2の弾性部材42M、42Tがこれらの誤差を吸収して、高精度なトルク制御を行うトルク検出付きギアモータを実現できる。
以上、本発明を好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、変形が可能である。
本発明の活用例として、産業用ロボット等への適用が可能である。

1 :トルク検出付きギアモータ
10 :モータ部
11 :モータ回転軸
11a、11b :モータ回転軸端部
11c :モータ回転軸鍔(第1の規制手段)
11d :モータ回転軸鍔(第2の規制手段)
12 :永久磁石
13 :固定子
14 :第1の転がり軸受
14a :第1の転がり軸受外輪
14b :第1の転がり軸受内輪
15 :第2の転がり軸受
15a :第2の転がり軸受外輪
15b :第2の転がり軸受内輪
20 :減速機部
21 :ウエーブジェネレータ
22 :フレクスプライン
23 :サーキュラスプライン
24 :スリーブ
30 :トルク検出部
31 :出力軸
31a :出力軸鍔(第2の規制手段)
31b :出力軸鍔(第1の規制手段)
31c :起歪部
32 :回転基板
33 :1次側コア
34 :1次側コイル
35 :2次側コア
36 :2次側コイル
37 :発光素子
38 :第1の転がり軸受
38a :第1の転がり軸受外輪
38b :第1の転がり軸受内輪
39 :第2の転がり軸受
39a :第2の転がり軸受外輪
39b :第2の転がり軸受内輪
40M、40T :溝
41M、41T :第1の弾性部材
42M、42T :第2の弾性部材
43M、43T :押え部材(第2の規制手段)
44M、44T :止め輪(第2の規制手段)
44G :止め輪
45 :接続部材
46 :歪みゲージ
50 :回転位置検出部
51a、51b :固定基板
60 :ケーシング
60a、60e :ケーシング(第2の規制手段)
60b、60c、60d、60f、60g、60h :ケーシング


Claims (3)

  1. モータ部と、
    前記モータ部のモータ回転軸の回転を減速するギアを備えた減速機部と、
    前記減速機部の出力軸に加わるトルクを検出するトルク検出部と、
    前記モータ部、前記減速機部及び前記トルク検出部を収容するケーシングと、
    を有するトルク検出付きギアモータであって、
    前記モータ回転軸及び前記出力軸が、軸方向で離間して配置された第1の転がり軸受と第2の転がり軸受を介してそれぞれ前記ケーシングに支持され、
    前記第1の転がり軸受の内輪の軸方向一端面を係止して前記第1の転がり軸受の軸方向の位置を規制する第1の規制手段と、
    前記第1の転がり軸受の外輪の軸方向他端面を係止して前記第1の転がり軸受を前記軸方向一端面の側へ付勢する第1の弾性部材と、
    前記第2の転がり軸受の内輪及び外輪の軸方向両端面を係止して前記第2の転がり軸受の軸方向両側の位置をそれぞれ規制する第2の規制手段と、
    前記第1の転がり軸受の外輪の外周円柱面と前記外周円柱面に対面する前記ケーシングの対面部との間に設けられて前記第1 の転がり軸受の外輪を軸中心方向へ付勢する第2の弾性部材と、を備え、前記第1の転がり軸受は、軸方向において前記第2の転がり軸受よりも前記減速機部の側に配置されていることを特徴とするトルク検出付きギアモータ。
  2. 前記ケーシングの前記対面部の全周に溝が設けられ、前記溝には前記第2の弾性部材が
    配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトルク検出付きギアモータ。
  3. 前記第2の弾性部材は、前記第1の転がり軸受の外輪の外周円柱面と前記外周円柱面に対面する前記ケーシングの対面部との間に注入した液体ガスケットを硬化させた弾性部材である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトルク検出付きギアモータ。
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