JP7009818B2 - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば液体噴射ヘッドの構造に関する。
圧力室の壁面を構成する振動板を圧電素子により振動させることで圧力室内の液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドが従来から提案されている。例えば特許文献1には、第1電極と第2電極との間に圧電体層を介在させた積層構造の圧電素子が開示されている。圧電素子の面上に形成された第2電極には、信号配線を介して駆動信号が供給される。信号配線は、長尺状の圧電素子における一方の端部側に形成される。
特開2014-151623号公報
しかし、特許文献1の構成では、圧電体層が形成された領域のうち平面視で信号配線に重ならない位置に圧力室の壁面があり、圧電体層のうち圧力室の隔壁により拘束される面積が大きい。したがって、圧電素子の変位量を充分に確保することが困難である。他方、圧電素子の変位量を確保する観点から、圧力室の壁面を、圧電体層が形成された領域の外側に位置させた構成も想定される。しかし、圧電体層が形成されていない領域は機械的な強度を充分に確保することが困難である。したがって、例えば振動板にクラックが発生する可能性がある。以上の事情を考慮して、本発明の好適な態様は、圧電体層の変位量を確保しながら、圧電体層や振動板におけるクラックの発生を抑制することを目的とする。
<態様1>
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る液体噴射ヘッドは、液体を収容する圧力室と、前記圧力室の壁面を構成する振動板と、前記振動板を振動させる圧電デバイスとを具備する液体噴射ヘッドであって、前記圧電デバイスは、第1電極と、圧電体層と、第2電極と、第2電極に電気的に接続された第1配線と、絶縁層とを具備し、前記第1電極と前記圧電体層と前記第2電極とがこの順番で積層された第1積層領域と、前記圧電体層の第1端側に位置し、前記第1電極と前記圧電体層と前記絶縁層と前記第1配線とがこの順番で積層された第2積層領域とを含み、前記圧力室における前記圧電体層の前記第1端側の壁面と前記振動板とが交差する第1圧力室端部は、平面視で前記第2積層領域に重なる。以上の態様では、圧力室の第1圧力室端部が、第1電極と圧電体層と絶縁層と第1配線とが積層された第2積層領域に平面視で重なる。すなわち、例えば圧電体層が形成された範囲の外側に第1圧力室端部が位置する構成と比較して、第1圧力室端部の近傍における振動板の機械的な強度が補強される。したがって、振動板のうち第1圧力室端部の近傍におけるクラックの発生を抑制することが可能である。
<態様2>
態様1の好適例(態様2)において、前記第2電極は、前記圧電体層の面上に形成され、前記第1配線は、前記絶縁層の面上に形成され、前記圧電体層の面上において前記第2電極に導通し、前記第1圧力室端部は、前記第2積層領域のうち、前記第1電極と前記圧電体層と前記第2電極と前記絶縁層と前記第1配線とがこの順番で積層された領域(例えば図11および図12の積層領域Da)に平面視で重なる。以上の態様では、第2積層領域のうち、第1電極と圧電体層と第2電極と絶縁層と第1配線とが積層された領域に第1圧力室端部が重なる。したがって、振動板のうち第1圧力室端部の近傍におけるクラックの発生を抑制できるという効果が顕著である。
<態様3>
態様1または態様2の好適例(態様3)において、前記圧電デバイスは、前記電極部に電気的に接続された第2配線を具備し、前記圧電体層における前記第1端とは反対の第2端側に位置し、前記第1電極と前記圧電体層と前記絶縁層と前記第2配線とがこの順番で積層された第3積層領域を含む。以上の態様では、圧電素子の第1端側に第1配線が形成され、第1端とは反対の第2端側に第2配線が形成されるから、第2配線が形成されない構成と比較して、圧電素子の第2端側の部分について剛性が増加する。また、圧電体層において第1端側と第2端側との間で機械的な剛性の差異が低減される。したがって、圧電体層におけるクラックの発生を抑制することが可能である。また、第1積層領域内の圧電体層に印加される電圧を下回る電圧が第3積層領域内の圧電体層に印加されるから、第1積層領域と第3積層領域との間で圧電体層に作用する応力の差異が低減される。以上の観点からしても、圧電体層におけるクラックの発生を抑制することが可能である。
<態様4>
態様3の好適例(態様4)において、前記圧力室における前記圧電体層の前記第2端側の壁面と前記振動板とが交差する第2圧力室端部は、平面視で前記第3積層領域に重なる。以上の態様では、圧力室の第2圧力室端部が、第1電極と圧電体層と絶縁層と第2配線とが積層された第3積層領域に平面視で重なる。すなわち、例えば圧電体層が形成された範囲の外側に第2圧力室端部が位置する構成と比較して、第2圧力室端部の近傍における振動板の機械的な強度が補強される。したがって、振動板のうち第2圧力室端部の近傍におけるクラックの発生を抑制することが可能である。
<態様5>
態様3または態様4の好適例(態様5)において、前記第2圧力室端部は、前記第3積層領域のうち、前記第1電極と前記圧電体層と前記第2電極と前記絶縁層と前記第2配線とがこの順番で積層された領域(例えば図11および図12の積層領域Db)に平面視で重なる。以上の態様では、第3積層領域のうち、第1電極と圧電体層と第2電極と絶縁層と第2配線とが積層された領域に第2圧力室端部が重なる。したがって、振動板のうち第2圧力室端部の近傍におけるクラックの発生を抑制できるという効果が顕著である。
<態様6>
本発明の好適な態様(態様6)に係る液体噴射装置は、以上に例示した何れかの態様に係る液体噴射ヘッドを具備する。液体噴射装置の好例は、インクを噴射する印刷装置であるが、本発明に係る液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。
第1実施形態に係る液体噴射装置の構成図である。 液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 液体噴射ヘッドの断面図(図2のIII-III線の断面図)である。 複数の圧電デバイスの平面図である。 図4におけるV-V線の断面図である。 第1領域内の電気的な構成を示す回路図である。 第2領域内の電気的な構成を示す回路図である。 第3領域内の電気的な構成を示す回路図である。 対比例1に係る圧電デバイスの断面図である。 対比例2に係る圧電デバイスの断面図である。 第2実施形態における複数の圧電デバイスの平面図である。 図11におけるXII-XII線の断面図である。 第3実施形態における複数の圧電デバイスの平面図である。 図13におけるXIV-XIV線の断面図である。 変形例における圧電デバイスの断面図である。 変形例における圧電デバイスの断面図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置100を例示する構成図である。第1実施形態の液体噴射装置100は、液体の例示であるインクを媒体(噴射対象)12に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体12は、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体12として利用される。図1に例示される通り、液体噴射装置100には、インクを貯留する液体容器14が設置される。例えば液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、またはインクを補充可能なインクタンクが液体容器14として利用される。
図1に例示される通り、液体噴射装置100は、制御ユニット20と搬送機構22と移動機構24と液体噴射ヘッド26とを具備する。制御ユニット20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含み、液体噴射装置100の各要素を統括的に制御する。搬送機構22は、制御ユニット20による制御のもとで媒体12をY方向(Y1,Y2)に搬送する。
移動機構24は、制御ユニット20による制御のもとで液体噴射ヘッド26をX方向(X1,X2)に往復させる。X方向は、媒体12が搬送されるY方向に交差(典型的には直交)する方向である。第1実施形態の移動機構24は、液体噴射ヘッド26を収容する略箱型の搬送体242(キャリッジ)と、搬送体242が固定された搬送ベルト244とを具備する。なお、複数の液体噴射ヘッド26を搬送体242に搭載した構成や、液体容器14を液体噴射ヘッド26とともに搬送体242に搭載した構成も採用され得る。
液体噴射ヘッド26は、液体容器14から供給されるインクを制御ユニット20による制御のもとで複数のノズル(噴射孔)から媒体12に噴射する。搬送機構22による媒体12の搬送と搬送体242の反復的な往復とに並行して各液体噴射ヘッド26が媒体12にインクを噴射することで、媒体12の表面に所望の画像が形成される。
図2は、液体噴射ヘッド26の分解斜視図であり、図3は、図2におけるIII-III線の断面図(X-Z平面に平行な断面)である。図2に例示される通り、X-Y平面(例えば媒体12の表面に平行な平面)に垂直な方向を以下ではZ方向(Z1,Z2)と表記する。各液体噴射ヘッド26によるインクの噴射方向(典型的には鉛直方向)がZ方向に相当する。なお、図2に例示される通り、以下の説明では、X方向の一方側を「X1側」と表記するとともに他方側を「X2側」と表記する。同様に、Y方向の一方側を「Y1側」と表記するとともに他方側を「Y2側」と表記し、Z方向の一方側を「Z1側」と表記するとともに他方側を「Z2側」と表記する。
図2および図3に例示される通り、液体噴射ヘッド26は、Y方向に長尺な略矩形状の流路基板32を具備する。流路基板32のうちZ方向におけるZ2側の面上には、圧力室基板34と振動板36と複数の圧電デバイス38と筐体部42と封止体44とが設置される。他方、流路基板32のうちZ方向におけるZ1側の面上には、ノズル板46と吸振体48とが設置される。液体噴射ヘッド26の各要素は、概略的には流路基板32と同様にY方向に長尺な板状部材であり、例えば接着剤を利用して相互に接合される。
図2に例示される通り、ノズル板46は、Y方向に配列する複数のノズルNが形成された板状部材である。各ノズルNは、インクが通過する貫通孔である。なお、流路基板32と圧力室基板34とノズル板46とは、例えばシリコン(Si)の単結晶基板をエッチング等の半導体製造技術により加工することで形成される。ただし、液体噴射ヘッド26の各要素の材料や製法は任意である。Y方向は、複数のノズルNが配列する方向とも換言され得る。
流路基板32は、インクの流路を形成するための板状部材である。図2および図3に例示される通り、流路基板32には、開口部322と供給流路324と連通流路326とが形成される。開口部322は、複数のノズルNにわたり連続するように平面視で(すなわちZ方向からみて)Y方向に沿う長尺状に形成された貫通孔である。他方、供給流路324および連通流路326は、ノズルN毎に個別に形成された貫通孔である。また、図3に例示される通り、流路基板32のうちZ方向におけるZ1側の表面には、複数の供給流路324にわたる中継流路328が形成される。中継流路328は、開口部322と複数の供給流路324とを連通させる流路である。
筐体部42は、例えば樹脂材料の射出成形で製造された構造体であり、流路基板32のうちZ方向におけるZ2側の表面に固定される。図3に例示される通り、筐体部42には収容部422と導入口424とが形成される。収容部422は、流路基板32の開口部322に対応した外形の凹部であり、導入口424は、収容部422に連通する貫通孔である。図3から理解される通り、流路基板32の開口部322と筐体部42の収容部422とを相互に連通させた空間が液体貯留室(リザーバー)Rとして機能する。液体容器14から供給されて導入口424を通過したインクが液体貯留室Rに貯留される。
吸振体48は、液体貯留室R内の圧力変動を吸収するための要素であり、例えば弾性変形が可能な可撓性のシート部材(コンプライアンス基板)を含んで構成される。具体的には、流路基板32の開口部322と中継流路328と複数の供給流路324とを閉塞して液体貯留室Rの底面を構成するように、流路基板32のうちZ方向におけるZ1側の表面に吸振体48が設置される。
図2および図3に例示される通り、圧力室基板34は、相異なるノズルNに対応する複数の圧力室Cが形成された板状部材である。複数の圧力室Cは、Y方向に沿って配列する。各圧力室C(キャビティ)は、平面視でX方向に沿う長尺状の開口部である。X方向におけるX1側における圧力室Cの端部は平面視で流路基板32の1個の供給流路324に重なり、X方向のX2側における圧力室Cの端部は平面視で流路基板32の1個の連通流路326に重なる。
圧力室基板34のうち流路基板32とは反対側の表面には振動板36が設置される。振動板36は、弾性的に変形可能な板状部材である。図3に例示される通り、第1実施形態の振動板36は、第1層361と第2層362との積層で構成される。第2層362は、第1層361からみて圧力室基板34とは反対側に位置する。第1層361は、酸化シリコン(SiO)等の弾性材料で形成された弾性膜であり、第2層362は、酸化ジルコニウム(ZrO)等の絶縁材料で形成された絶縁膜である。なお、所定の板厚の板状部材のうち圧力室Cに対応する領域について板厚方向の一部を選択的に除去することで、圧力室基板34と振動板36の一部または全部とを一体に形成することも可能である。
図3から理解される通り、流路基板32と振動板36とは、各圧力室Cの内側で相互に間隔をあけて対向する。圧力室Cは、流路基板32と振動板36との間に位置し、当該圧力室C内に充填されたインクに圧力を付与するための空間である。液体貯留室Rに貯留されたインクは、中継流路328から各供給流路324に分岐して複数の圧力室Cに並列に供給および充填される。以上の説明から理解される通り、振動板36は、圧力室Cの壁面(具体的には、圧力室Cの一面である上面)を構成する。
図2および図3に例示される通り、振動板36のうち圧力室Cとは反対側の表面(すなわち第2層362の表面)には、相異なるノズルN(または圧力室C)に対応する複数の圧電デバイス38が設置される。各圧電デバイス38は、駆動信号の供給により変形するアクチュエーターであり、平面視でX方向に沿う長尺状に形成される。複数の圧電デバイス38は、複数の圧力室Cに対応するようにY方向に配列する。圧電デバイス38の変形に連動して振動板36が振動すると、圧力室C内の圧力が変動することで、圧力室Cに充填されたインクが連通流路326とノズルNとを通過して噴射される。
図2および図3の封止体44は、複数の圧電デバイス38を保護するとともに圧力室基板34および振動板36の機械的な強度を補強する構造体であり、振動板36の表面に例えば接着剤で固定される。封止体44のうち振動板36との対向面に形成された凹部の内側に複数の圧電デバイス38が収容される。
図3に例示される通り、振動板36の表面(または圧力室基板34の表面)には、例えば配線基板50が接合される。配線基板50は、制御ユニット20または電源回路(図示略)と液体噴射ヘッド26とを電気的に接続するための複数の配線(図示略)が形成された実装部品である。例えばFPC(Flexible Printed Circuit)やFFC(Flexible Flat Cable)等の可撓性の配線基板50が好適に採用される。圧電デバイス38を駆動するための駆動信号が配線基板50から各圧電デバイス38に供給される。
各圧電デバイス38の具体的な構成を以下に詳述する。図4は、複数の圧電デバイス38の平面図である。なお、図4では、任意の1個の要素の奥側に位置する要素の周縁(本来は手前側の要素に隠れる部位)も便宜的に図示されている。また、図5は、図4におけるV-V線の断面図(圧電デバイス38の長手方向に沿う断面)である。
図4および図5に例示される通り、圧電デバイス38は、第1電極51と圧電体層52と第2電極53と絶縁層54と第1配線55と第2配線56との積層で構成される。なお、本明細書において「要素Aと要素Bとが積層される」という表現は、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成には限定されない。すなわち、要素Aと要素Bとの間に他の要素Cが介在する構成も、「要素Aと要素Bとが積層される」という概念に包含される。また、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という表現も同様に、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成には限定されない。すなわち、要素Aの表面に要素Cが形成され、要素Cの表面に要素Bが形成された構成でも、要素Aと要素Bとの少なくとも一部が平面視で重なる構成であれば、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という概念に包含される。
第1電極51は、振動板36の面上(具体的には第2層362の表面)に形成される。具体的には、第1電極51は、複数の圧電デバイス38(または複数の圧力室C)にわたり連続するようにY方向に延在する帯状の共通電極である。第1電極51におけるY方向の端部には、例えば配線基板50から所定の基準電圧Vbsが印加される。
圧電体層52は、第1電極51の面上に形成される。圧電体層52は、圧電デバイス38毎(または圧力室C毎)に個別に形成されて平面視で圧力室Cに重なる。すなわち、X方向に長尺な複数の圧電体層52が相互に間隔をあけてY方向に配列する。圧電体層52の材料または製法は任意である。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電材料の薄膜をスパッタリング等の公知の成膜技術により形成し、フォトリソグラフィ等の公知の加工技術により当該薄膜を選択的に除去することで、圧電体層52を形成することが可能である。
図4および図5に例示される通り、圧電体層52におけるX方向のX1側の端部Eb1(第1端の例示)は、第1電極51の端部Ea1からみてX方向のX2側に位置する。また、圧電体層52におけるX方向のX2側の端部Eb2(第2端の例示)は、第1電極51の端部Ea2からみてX方向のX1側に位置する。以上の説明から理解される通り、各圧電体層52は、第1電極51が形成された範囲の内側に位置する。すなわち、図4および図5に例示される通り、第1電極51は、圧電体層52が積層された第1部分S1と、圧電体層52が積層されない第2部分S2および第3部分S3とを含む。第1部分S1は、圧電体層52と平面視で重なる領域であり、第2部分S2および第3部分S3は、平面視で圧電体層52の周縁からX方向に張出した領域である。第2部分S2は、第1部分S1からみてX方向のX1側(端部Ea1側)の領域である。第3部分S3は、第1部分S1を挟んで第2部分S2とは反対側(第1部分S1からみてX方向のX2側)の領域である。
第2電極53は、圧電体層52の面上に形成される。第2電極53は、圧電デバイス38毎(または圧力室C毎)に個別に形成された個別電極である。具体的には、X方向に延在する複数の第2電極53が、相互に間隔をあけてY方向に配列する。第2電極53の材料または製法は任意である。例えば、白金またはイリジウム等の導電材料の薄膜をスパッタリング等の公知の成膜技術により形成し、フォトリソグラフィ等の公知の加工技術により当該薄膜を選択的に除去することで、第2電極53を形成することが可能である。
第2電極53のうちX方向におけるX1側の端部Ec1は、圧電体層52の端部Eb1からみてX方向のX2側に位置する。また、第2電極53のうちX方向におけるX2側の端部Ec2は、圧電体層52の端部Eb2からみてX方向のX1側に位置する。また、第2電極53は、Y方向においても圧電体層52の内側に位置する。以上の説明から理解される通り、第2電極53は、圧電体層52が形成された範囲の内側に位置する。
図5に例示される通り、第1電極51と圧電体層52と第2電極53との積層により圧電素子Pが構成される。圧力室C毎(またはノズルN毎)に圧電素子Pが個別に形成される。具体的には、X方向に長尺な複数の圧電素子Pが、相互に間隔をあけてY方向に配列する。圧電体層52のうち第1電極51と第2電極53とで挟まれた部分(いわゆる能動部)が、第1電極51に印加される基準電圧Vbsと第2電極53に供給される駆動信号Vdrとの電圧差に応じて変形する。なお、Z方向は、圧電素子Pを構成する複数層が積層された方向とも換言され得る。
絶縁層54は、複数の圧電素子Pが形成された振動板36の表面を覆う絶縁性の被膜である。すなわち、絶縁層54は、第1電極51と圧電体層52と第2電極53とを被覆する。絶縁層54は、例えば酸化珪素(SiO)または窒化珪素(SiN)等の絶縁材料で形成される。
第1配線55は、絶縁層54の面上に形成された導電層である。第1配線55は、圧電素子P毎(または圧力室C毎)に個別に形成される。具体的には、X方向に長尺な複数の第1配線55が、相互に間隔をあけてY方向に配列する。
図4および図5に例示される通り、第1配線55は、圧電体層52の端部Eb1側に形成される。すなわち、第1配線55は、圧電体層52の端部Eb1に平面視で重なる。具体的には、第1配線55のうちX方向におけるX1側の端部Ed1は、第1電極51の端部Ea1からみてX方向のX1側に位置する。また、第1配線55のうちX方向におけるX2側の端部Ed2は、第2電極53の端部Ec1からみてX方向のX2側に位置する。以上の説明から理解される通り、第1配線55は、圧電体層52および第2電極53の面上と第1電極51の第2部分S2(圧電体層52に重ならない部分)の面上とにわたり連続する。なお、図4においては、第1配線55が圧電体層52よりも幅広である構成を例示したが、第1配線55の配線幅は任意である。
第1配線55のうち圧電体層52の面上に位置する端部Ed2側の部分は、絶縁層54に形成されたコンタクトホールH1(第1コンタクトホールの例示)を介して第2電極53に電気的に接続される。また、第1配線55のうち圧電体層52の端部Eb1からみてX方向のX1側の部分は、絶縁層54を挟んで第1電極51の第2部分S2に平面視で重なる。したがって、第1配線55(さらには第2電極53)と第1電極51とは電気的に絶縁される。第1配線55のうち端部Ed1側の部分は、配線基板50の配線に電気的に接続される。以上の構成において、配線基板50(外部回路の例示)から第1配線55に供給された駆動信号Vdrは、第1配線55を介して第2電極53に供給される。
第2配線56は、絶縁層54の面上に形成された導電層である。第2配線56は、圧電素子P毎(または圧力室C毎)に個別に形成される。具体的には、X方向に長尺な複数の第2配線56が、相互に間隔をあけてY方向に配列する。
図4および図5に例示される通り、第2配線56は、圧電体層52の端部Eb2側に形成される。すなわち、第2配線56は、圧電体層52の端部Eb2に平面視で重なる。具体的には、第2配線56のうちX方向におけるX1側の端部Ee1は、第2電極53の端部Ec2からみてX方向のX1側に位置する。また、第2配線56のうちX方向におけるX2側の端部Ee2は、第1電極51の端部Ea2からみてX方向のX2側に位置する。以上の説明から理解される通り、第2配線56は、圧電体層52および第2電極53の面上と第1電極51の第3部分S3(圧電体層52に重ならない部分)の面上とにわたり連続する。すなわち、第1配線55と第2配線56とは、概略的には、Y-Z平面を挟んで面対称に形成される。なお、図4においては、第2配線56が圧電体層52よりも幅広である構成を例示したが、第2配線56の配線幅は任意である。
第2配線56のうち圧電体層52の端部Eb2からみてX方向のX2側の部分は、絶縁層54を挟んで第1電極51の第3部分S3に平面視で重なる。すなわち、第2配線56と第1電極51とは電気的に絶縁される。他方、第2配線56のうち端部Ee1側の部分は、圧電体層52の面上において第2電極53のうち端部Ec2側の部分に平面視で重なる。第2配線56のうち圧電体層52の面上に位置する端部Ee1側の部分は、絶縁層54に形成されたコンタクトホールH2(第2コンタクトホールの例示)を介して第2電極53に電気的に接続される。すなわち、第2配線56は、第2電極53と第1配線55とを介して配線基板50の配線に電気的に接続される。したがって、配線基板50から第1配線55に供給された駆動信号Vdrは、第2電極53を介して第2配線56にも供給される。
第1配線55および第2配線56は、共通の導電層(単層または複数層)を選択的に除去することで一括的に形成される。したがって、第1配線55と第2配線56とは、共通の導電材料により略同一の膜厚に形成される。例えば、金等の低抵抗な金属の導電層をスパッタリング等の公知の成膜技術により形成し、フォトリソグラフィ等の公知の加工技術により当該導電層を選択的に除去することで、第1配線55と第2配線56とが一括的に形成される。第1配線55および第2配線56の膜厚は、第2電極53の膜厚よりも厚い。例えば、第2電極53は、圧電体層52の変形を過度に抑制しないように充分に薄い膜厚に形成される。他方、第1配線55および第2配線56については、配線抵抗が充分に低減されるように相応の膜厚が確保される。
図4および図5に例示される通り、圧電デバイス38のうち圧電体層52が形成された範囲は、平面視で第1領域Q1と第2領域Q2と第3領域Q3とに区分される。第2領域Q2は、圧電体層52における端部Eb1側の領域であり、第3領域Q3は、圧電体層52における端部Eb2側の領域である。第1領域Q1は、第2領域Q2と第3領域Q3との間の領域である。すなわち、第1領域Q1からみてX方向のX1側に第2領域Q2が位置し、第1領域Q1からみてX方向のX2側の第3領域Q3が位置する。
第1領域Q1は、第1配線55および第2配線56が形成されない領域である。したがって、第1領域Q1(能動部)においては、第1電極51(第1部分S1)と圧電体層52と第2電極53とが振動板36側からこの順番で積層される。他方、第2領域Q2は、第1配線55が形成された領域である。したがって、第2領域Q2においては、第1電極51(第2部分S2)と圧電体層52と絶縁層54と第1配線55とが振動板36側からこの順番で積層される。また、第3領域Q3は、第2配線56が形成された領域である。したがって、第3領域Q3においては、第1電極51(第3部分S3)と圧電体層52と絶縁層54と第2配線56とが振動板36側からこの順番で積層される。
図6に例示される通り、第1領域Q1には、圧電体層52を誘電体とする容量素子Cpが第1電極51と第2電極53との間に形成される。他方、第2領域Q2においては、第1電極51と第1配線55との間に圧電体層52と絶縁層54とが介在する。すなわち、第2領域Q2においては、図7に例示される通り、圧電体層52を誘電体とする容量素子Cpと、絶縁層54を誘電体とする容量素子Csとが、第1電極51と第1配線55との間に直列に接続される。第3領域Q3においては、第1電極51と第2配線56との間に圧電体層52と絶縁層54とが介在する。すなわち、第3領域Q3においては、図8に例示される通り、圧電体層52を誘電体とする容量素子Cpと、絶縁層54を誘電体とする容量素子Csとが、第1電極51と第2配線56との間に直列に接続される。
以上に説明した通り、第1実施形態では、圧電体層52の長手方向(X方向)において第1配線55とは反対側に第2配線56が形成される。以上の構成によれば、圧電体層52のうち端部Eb2側の部分の機械的な剛性が、第1配線55が形成された端部Eb1側と同等に確保される。したがって、端部Eb2の近傍における圧電体層52や振動板36におけるクラックの発生を抑制することが可能である。
図9は、第2配線56を形成しない構成(以下「対比例1」という)の断面図である。図9に例示される通り、対比例1において、第1電極51と第2電極53とが対向する領域Qa内では、基準電圧Vbsと駆動信号Vdrとの差分に相当する電圧Vaが圧電体層52に印加される。他方、領域QaからみてX方向のX2側に位置する領域Qb内では、圧電体層52に電圧は印加されない。すなわち、圧電体層52は、領域Qa内では電圧Vaに応じて変形する一方、領域Qb内では変形しない。したがって、領域Qaと領域Qbとの境界に局所的な応力差が発生し、圧電体層52にクラックが発生する可能性がある。
他方、第1実施形態の第3領域Q3内においては、第1電極51と第2配線56との間に圧電体層52と絶縁層54とが介在する。以上の構成では、第1電極51と第2配線56との間の電圧Vaは、図8の容量素子Csと容量素子Cpとで分割される。したがって、圧電体層52に印加される電圧Vbは、第1電極51と第2配線56との間の電圧Vaを下回る。すなわち、第3領域Q3内の圧電体層52には、第1領域Q1内の圧電体層52よりも低い電圧が印加される。したがって、圧電体層52のうち第1領域Q1と第3領域Q3との境界に発生する応力差は、対比例1と比較して低減される。すなわち、第1実施形態によれば、機械的な剛性の観点だけでなく、以上に説明した電気的な観点からも、圧電体層52におけるクラックの発生を抑制できるという利点がある。
圧力室Cと圧電デバイス38との平面的な位置関係について説明する。以下の説明では、図4および図5に例示される通り、圧力室CのうちX方向のX1側の壁面と振動板36の表面(第1層361の表面)とが交差する部分を端部c1(第1圧力室端部の例示)と表記する。また、圧力室CのうちX方向のX2側の壁面と振動板36の表面とが交差する部分を、以下の説明では端部c2(第2圧力室端部の例示)と表記する。
図4および図5には、第1積層領域L1と第2積層領域L2と第3積層領域L3とが図示されている。第1積層領域L1は、第1電極51と圧電体層52と第2電極53とがこの順番で積層された領域である。
第2積層領域L2は、第1積層領域L1からみて圧電体層52の端部Eb1側に位置する領域である。第2積層領域L2には、第1電極51と圧電体層52と絶縁層54と第1配線55とがこの順番で積層される。具体的には、圧電体層52の端部Eb1と第1配線55の端部Ed2との間の範囲が第2積層領域L2に相当する。前述の第2領域Q2は、第2積層領域L2に内包される。
第3積層領域L3は、第1積層領域L1からみて圧電体層52の端部Eb2側に位置する領域である。第3積層領域L3には、第1電極51と圧電体層52と絶縁層54と第2配線56とがこの順番で積層される。具体的には、圧電体層52の端部Eb2と第2配線56の端部Ee1との間の範囲が第3積層領域L3に相当する。前述の第3領域Q3は、第3積層領域L3に内包される。
圧力室CのうちX方向におけるX1側の端部c1は、図4および図5に例示される通り、第2積層領域L2に平面視で重なる。すなわち、圧電体層52の端部Eb1と第1配線55の端部Ed2との間に端部c1が位置する。第1実施形態における圧力室Cの端部c1は、第2積層領域L2のうち特に第2領域Q2に平面視で重なる。すなわち、圧電体層52の端部Eb1と第2電極53の端部Ec1との間に端部c1が位置する。
他方、圧力室CのうちX方向におけるX2側の端部c2は、図4および図5に例示される通り、第3積層領域L3に平面視で重なる。すなわち、圧電体層52の端部Eb2と第2配線56の端部Ee1との間に端部c2が位置する。第1実施形態における圧力室Cの端部c2は、第3積層領域L3のうち特に第3領域Q3に平面視で重なる。すなわち、圧電体層52の端部Eb2と第2電極53の端部Ec2との間に端部c2が位置する。
図10は、第2積層領域L2の外側に圧力室Cの端部c1が位置し、第3積層領域L3の外側に圧力室Cの端部c2が位置する構成(以下「対比例2」という)の断面図である。対比例2においては、圧電体層52の端部Eb1からみてX方向のX1側に端部c1が位置し、圧電体層52の端部Eb2からみてX方向のX2側に端部c2が位置する。
振動板36のうち圧力室Cの外側に位置する領域は、圧力室基板34に接合されることで変位が制限される。他方、振動板36のうち圧力室Cの内側の領域は、圧力室Cの外側の領域と比較して変位し易い。したがって、振動板36のうち圧力室Cの端部c1または端部c2に重なる部位(すなわち、圧力室Cの内側と外側との境界)には局所的な応力差が発生し、振動板36にクラックが発生し易いという傾向がある。対比例2においては、絶縁層54および第1配線55の2層が積層された領域に端部c1が位置し、絶縁層54および第2配線56の2層が積層された領域に端部c2が位置する。
他方、第2積層領域L2においては、第1電極51と圧電体層52と絶縁層54と第1配線55とが積層されることで、振動板36の機械的な強度が補強される。第1実施形態では、以上のように機械的な強度が確保された第2積層領域L2に圧力室Cの端部c1が平面視で重なる。したがって、第1実施形態によれば、振動板36のうち端部c1の近傍におけるクラックの発生を、対比例2と比較して抑制することが可能である。
また、第3積層領域L3においては、第1電極51と圧電体層52と絶縁層54と第2配線56とが積層されることで、振動板36の機械的な強度が補強される。第1実施形態では、以上のように機械的な強度が確保された第3積層領域L3に圧力室Cの端部c2が平面視で重なる。したがって、第1実施形態によれば、振動板36のうち端部c2の近傍におけるクラックの発生を、対比例2と比較して抑制することが可能である。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図11は、第2実施形態における複数の圧電デバイス38の平面図であり、図12は、図11におけるXII-XII線の断面図である。図11および図12に例示される通り、第2実施形態においては、圧力室Cの端部c1および端部c2の位置が第1実施形態とは相違する。
図11および図12に例示される通り、第2積層領域L2は、第2領域Q2と積層領域Daとを内包する。積層領域Daは、第1電極51と圧電体層52と第2電極53と絶縁層54と第1配線55とが積層された領域(第2領域Q2以外の領域)である。すなわち、第2領域Q2には第2電極53が形成されないのに対し、積層領域Daには第2電極53が形成される。
第1実施形態では、第2積層領域L2のうち第2領域Q2に圧力室Cの端部c1が重なる構成を例示した。第2実施形態では、図11および図12に例示される通り、第2積層領域L2のうち積層領域Daに端部c1が平面視で重なる。以上の構成によれば、振動板36のうち端部c1の近傍の強度が第2電極53の分だけ補強される。したがって、振動板36のうち圧力室Cの端部c1の近傍におけるクラックの発生を抑制できるという効果は顕著である。
図11および図12に例示される通り、第3積層領域L3は、第3領域Q3と積層領域Dbとを内包する。積層領域Dbは、第1電極51と圧電体層52と第2電極53と絶縁層54と第2配線56とが積層された領域(第3領域Q3以外の領域)である。すなわち、第3領域Q3には第2電極53が形成されないのに対し、積層領域Daには第2電極53が形成される。
第1実施形態では、第3積層領域L3のうち第3領域Q3に圧力室Cの端部c2が重なる構成を例示した。第2実施形態では、図11および図12に例示される通り、第3積層領域L3のうち積層領域Dbに端部c2が平面視で重なる。以上の構成によれば、振動板36のうち端部c2の近傍の強度が第2電極53の分だけ補強される。したがって、振動板36のうち圧力室Cの端部c2の近傍におけるクラックの発生を抑制できるという効果は顕著である。
<第3実施形態>
図13は、第3実施形態における複数の圧電デバイス38の平面図であり、図14は、図13におけるXIV-XIV線の断面図である。図13および図14に例示される通り、第3実施形態の圧電デバイス38は、第1実施形態と同様の要素に加えて第3配線57を具備する。第3配線57は、複数の圧電デバイス38にわたり連続するようにY方向に延在する帯状の電極である。第3配線57は、第1電極51と比較して抵抗率が低い導電材料で形成される。例えば、共通の導電層を選択的に除去することで、第1配線55と第2配線56と第3配線57とが一括的に形成される。
図13および図14に例示される通り、第3配線57は、第1電極51のうち端部Ea2側の部分に平面視で重なる。したがって、第3配線57は、平面視で第2配線56を挟んで第1配線55とは反対側に形成される。第3配線57は、絶縁層54に形成されたコンタクトホールH3を介して第1電極51に導通する。図4に例示される通り、コンタクトホールH3は、例えば圧電デバイス38毎に個別に形成される。ただし、コンタクトホールH3の形状や位置は任意である。例えば、複数の圧電デバイス38にわたり連続するX方向に長尺なコンタクトホールH3を形成してもよい。第3配線57には、例えば配線基板50から所定の基準電圧Vbsが印加される。基準電圧Vbsは、第3配線57を介して第1電極51に印加される。
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態では、第3配線57を介して第1電極51に電圧を印加することが可能である。ところで、圧電体層52の変形量を充分に確保する観点からは、第1電極51を充分に薄く形成することが重要である。しかし、第1電極51の膜厚が薄いほど第1電極51の抵抗が増大するから、配線基板50から第1電極51に印加された電圧に、第1電極51のY方向に沿った電圧降下が発生する。以上に説明した電圧降下に起因して、各圧電デバイス38の圧電素子Pに印加される電圧に誤差が発生する可能性がある。第3実施形態では、第1電極51と比較して抵抗率が低い導電材料で第3配線57が形成される。したがって、第1電極51における電圧降下が抑制され、結果的に各圧電素子Pに印加される電圧の誤差を低減できるという利点がある。
なお、図13および図14においては、第1実施形態と同様に、圧力室Cの端部c1が第2領域Q2内に位置し、圧力室Cの端部c2が第3領域Q3内に位置する構成を例示した。しかし、第3実施形態のように第3配線57を形成した構成のもとで、第2実施形態のように、圧力室Cの端部c1を積層領域Da内に位置させる構成や、圧力室Cの端部c2を積層領域Db内に位置させる構成も採用され得る。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。なお、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)前述の各形態では、絶縁層54が各圧電体層52の全体を覆う構成を例示したが、絶縁層54が形成される範囲は以上の例示に限定されない。例えば、図15に例示される通り、第2電極53の表面の一部または全部に絶縁層54を形成しない構成も採用され得る。第1配線55および第2配線56の各々において絶縁層54の周縁から張出した部分が第2電極53に導通する。図15の例示から理解される通り、コンタクトホールH1およびコンタクトホールH2を省略してもよい。また、第3実施形態において、第3配線57のうち絶縁層54の周縁から張出した部分を第1電極51に接触させてもよい。すなわち、コンタクトホールH3は省略される。
(2)前述の各形態では、複数の圧電デバイス38にわたり連続する帯状の第1電極51を例示したが、第1電極51の平面形状は以上の例示に限定されない。例えば、第1電極51を圧電デバイス38毎に個別に形成してもよい。第1電極51を個別電極とした構成では、第1電極51が形成された範囲の内側に圧電体層52が形成される。
(3)前述の各形態では、圧力室Cの壁面が振動板36に垂直である構成を例示したが、図16に例示される通り、圧力室Cの壁面が振動板36の表面(X-Y平面)に対して傾斜した構成も採用される。図16の構成において、圧力室Cの端部c1は、圧力室CのうちX方向のX1側の壁面(傾斜面)と振動板36の表面とが交差する部分である。同様に、圧力室Cの端部c2は、圧力室CのうちX方向のX2側の壁面(傾斜面)と振動板36の表面とが交差する部分である。以上に説明した端部c1または端部c2が、前述の各形態で例示した条件を充足するように、圧電デバイス38と圧力室Cとの平面的な位置関係が決定される。
(4)前述の各形態では、第2電極53と第1配線55とを別個に形成したが、第2電極53と第1配線55とを共通の導電層(単層または複数層)から一体に形成してもよい。
(5)圧力室Cまたは圧電デバイス38の平面形状は前述の各形態の例示に限定されない。例えば、シリコン(Si)の単結晶基板を圧力室基板34として利用した構成では、実際には、圧力室Cの平面形状に結晶面が反映される。
(6)前述の各形態では、液体噴射ヘッド26を搭載した搬送体242を往復させるシリアル方式の液体噴射装置100を例示したが、複数のノズルNが媒体12の全幅にわたり分布するライン方式の液体噴射装置にも本発明を適用することが可能である。
(7)前述の各形態で例示した液体噴射装置100は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
100…液体噴射装置、12…媒体、14…液体容器、20…制御ユニット、22…搬送機構、24…移動機構、26…液体噴射ヘッド、32……流路基板、34……圧力室基板、342…除去部、36……振動板、38……圧電デバイス、42……筐体部、44……封止体、46……ノズル板、N……ノズル、48……吸振体、50……配線基板、51…第1電極、52…圧電体層、53…第2電極、54…絶縁層、55…第1配線、56…第2配線、57…第3配線、C…圧力室、R…液体貯留室、P…圧電素子。

Claims (6)

  1. 液体を収容する圧力室と、
    前記圧力室の壁面を構成する振動板と、
    前記振動板を振動させる圧電デバイスと
    を具備する液体噴射ヘッドであって、
    前記圧電デバイスは、
    第1電極と、
    圧電体層と、
    第2電極と、
    第2電極に電気的に接続された第1配線と、
    第2電極に電気的に接続された第2配線と、
    絶縁層とを具備し、
    前記圧力室の長手方向はX軸に沿う方向であり、
    前記X軸に沿う一つの方向をX1方向とし、
    前記X1方向とは反対の前記X軸に沿う方向をX2方向としたとき、
    前記第1電極と前記圧電体層と前記第2電極とがこの順番で積層された第1領域と、
    前記第2電極よりも前記X1方向側に位置し、前記第1電極と前記圧電体層と前記絶縁層と前記第1配線とがこの順番で積層された第2領域と、
    前記第2電極よりも前記X2方向側に位置し、前記第1電極と前記圧電体層と前記絶縁層と前記第2配線とがこの順番で積層された第3領域と
    を含み、
    前記圧力室の前記X1方向側の壁面と前記振動板とが交差する第1圧力室端部は、平面視で前記第2領域に重なり、
    前記圧力室の前記X2方向側の壁面と前記振動板とが交差する第2圧力室端部は、平面視で前記第3領域に重なる
    液体噴射ヘッド。
  2. 前記圧電体の前記X1方向における端部は、前記第1電極の前記X1方向における端部よりも前記X2方向側に位置し、
    前記圧電体の前記X2方向における端部は、前記第1電極の前記X2方向における端部よりも前記X1方向側に位置する
    請求項1の液体噴射ヘッド。
  3. 前記圧電体の前記X1方向における端部は、前記第2電極の前記X1方向における端部よりも前記X1方向側に位置し、
    前記圧電体の前記X2方向における端部は、前記第2電極の前記X2方向における端部よりも前記X2方向側に位置する
    請求項2の液体噴射ヘッド。
  4. 複数の前記圧電デバイスが設けられ、
    前記第1電極は複数の前記圧電デバイスにおいて共通の駆動信号が供給される共通電極であり、
    前記第2電極は複数の前記圧電デバイスにおいて異なる駆動信号が供給される個別電極である
    請求項1から請求項3の何れかの液体噴射ヘッド。
  5. 前記X軸と交わるY軸に沿う方向における前記第1配線の幅は、前記第2電極の幅よりも大きく、
    前記Y軸に沿う方向における前記第2配線の幅は、前記第2電極の幅よりも大きい
    請求項4の液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1から請求項5の何れかの液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置。
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