JP2019202534A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置および圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電体層の特性の変化を抑制する。【解決手段】液体を収容する圧力室と、前記圧力室の壁面を構成する振動板と、前記振動板に形成された圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記圧電素子は、第1電極と、前記第1電極からみて前記振動板とは反対側に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された圧電体層と、前記圧電体層よりも誘電率が低い材料で形成された誘電体層とを具備し、前記第1電極と前記第2電極との間に前記圧電体層と前記誘電体層とが介在する第1部分と、前記圧電体層が前記第1電極および前記第2電極に接触する第2部分とを含む液体噴射ヘッド。【選択図】図4
Description
本発明は、例えば液体噴射ヘッドに好適に利用される圧電デバイスの構造に関する。
圧力室の壁面を構成する振動板を圧電素子により振動させることで圧力室内の液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドが、従来から提案されている。例えば特許文献1には、圧電体層を下電極と上電極との間に介在させた圧電振動子を振動板に形成した構造が開示されている。特許文献1の構成では、圧電振動子の上電極が部分的に除去される。
圧力室の中央近傍では、振動板の変位量が大きいため、振動板に発生する応力が顕著となり、振動板にクラックが発生し易い。特許文献1の構成では、圧電振動子の上電極が部分的に除去されることで、圧電体層に電圧が印加されない領域が形成される。したがって、圧電素子の変位量が抑制され、振動板にクラックが発生する可能性は低減される。しかし、特許文献1の技術では、上電極の部分的な除去で形成された開口内に圧電体層が露出する。以上の構成では、圧電体層のうち開口内の部分の圧電特性が変化し易いという問題がある。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体噴射ヘッドは、液体を収容する圧力室と、前記圧力室の壁面を構成する振動板と、前記振動板に形成された圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記圧電素子は、第1電極と、前記第1電極からみて前記振動板とは反対側に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された圧電体層と、前記圧電体層よりも誘電率が低い材料で形成された誘電体層とを具備し、前記第1電極と前記第2電極との間に前記圧電体層と前記誘電体層とが介在する第1部分と、前記圧電体層が前記第1電極および前記第2電極に接触する第2部分とを含む。
本発明の好適な態様に係る液体噴射装置は、液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを制御する制御部とを具備する液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドは、液体を収容する圧力室と、前記圧力室の壁面を構成する振動板と、前記振動板に形成された圧電素子とを具備し、前記圧電素子は、第1電極と、前記第1電極からみて前記振動板とは反対側に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された圧電体層と、前記圧電体層よりも誘電率が低い材料で形成された誘電体層とを具備し、前記第1電極と前記第2電極との間に前記圧電体層と前記誘電体層とが介在する第1部分と、前記圧電体層が前記第1電極および前記第2電極に接触する第2部分とを含む。
本発明の好適な態様に係る圧電デバイスは、振動板と、前記振動板に形成された圧電素子とを具備する圧電デバイスであって、前記圧電素子は、第1電極と、前記第1電極からみて前記振動板とは反対側に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された圧電体層と、前記圧電体層よりも誘電率が低い材料で形成された誘電体層とを具備し、前記第1電極と前記第2電極との間に前記圧電体層と前記誘電体層とが介在する第1部分と、前記圧電体層が前記第1電極および前記第2電極に接触する第2部分とを含む。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置100を例示する構成図である。第1実施形態の液体噴射装置100は、液体の例示であるインクを媒体(噴射対象)12に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体12は、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体12として利用される。図1に例示される通り、液体噴射装置100には、インクを貯留する液体容器14が設置される。例えば液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、またはインクを補充可能なインクタンクが液体容器14として利用される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置100を例示する構成図である。第1実施形態の液体噴射装置100は、液体の例示であるインクを媒体(噴射対象)12に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体12は、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体12として利用される。図1に例示される通り、液体噴射装置100には、インクを貯留する液体容器14が設置される。例えば液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、またはインクを補充可能なインクタンクが液体容器14として利用される。
図1に例示される通り、液体噴射装置100は、制御ユニット20と搬送機構22と移動機構24と液体噴射ヘッド26とを具備する。制御ユニット20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含み、液体噴射装置100の各要素を統括的に制御する。搬送機構22は、制御ユニット20による制御のもとで媒体12をY方向に搬送する。
移動機構24は、制御ユニット20による制御のもとで液体噴射ヘッド26をX方向に往復させる。X方向は、媒体12が搬送されるY方向に交差(典型的には直交)する方向である。第1実施形態の移動機構24は、液体噴射ヘッド26を収容する略箱型の搬送体242(キャリッジ)と、搬送体242が固定された搬送ベルト244とを具備する。なお、複数の液体噴射ヘッド26を搬送体242に搭載した構成、または、液体容器14を液体噴射ヘッド26とともに搬送体242に搭載した構成も採用され得る。
液体噴射ヘッド26は、液体容器14から供給されるインクを制御ユニット20による制御のもとで複数のノズル(噴射孔)から媒体12に噴射する。搬送機構22による媒体12の搬送と搬送体242の反復的な往復とに並行して各液体噴射ヘッド26が媒体12にインクを噴射することで、媒体12の表面に所望の画像が形成される。制御ユニット20は、液体噴射ヘッドを制御する「制御部」の一例である。
図2は、液体噴射ヘッド26の分解斜視図であり、図3は、図2におけるIII-III線の断面図(X-Z平面に平行な断面)である。図2に例示される通り、X-Y平面(例えば媒体12の表面に平行な平面)に垂直な方向を以下ではZ方向と表記する。各液体噴射ヘッド26によるインクの噴射方向(典型的には鉛直方向)がZ方向に相当する。
図2および図3に例示される通り、液体噴射ヘッド26は、Y方向に長尺な略矩形状の流路基板32を具備する。流路基板32のうちZ方向における負側の面上には、圧力室基板34と振動板36と複数の圧電素子38と筐体部42と封止体44とが設置される。他方、流路基板32のうちZ方向における正側の面上には、ノズル板46と吸振体48とが設置される。液体噴射ヘッド26の各要素は、概略的には流路基板32と同様にY方向に長尺な板状部材であり、例えば接着剤を利用して相互に接合される。
図2に例示される通り、ノズル板46は、Y方向に配列する複数のノズルNが形成された板状部材である。各ノズルNは、インクが通過する貫通孔である。なお、流路基板32と圧力室基板34とノズル板46とは、例えばシリコン(Si)の単結晶基板をエッチング等の半導体製造技術により加工することで形成される。ただし、液体噴射ヘッド26の各要素の材料や製法は任意である。Y方向は、複数のノズルNが配列する方向とも換言され得る。
流路基板32は、インクの流路を形成するための板状部材である。図2および図3に例示される通り、流路基板32には、開口部322と供給流路324と連通流路326とが形成される。開口部322は、複数のノズルNにわたり連続するように平面視で(すなわちZ方向からみて)Y方向に沿う長尺状に形成された貫通孔である。他方、供給流路324および連通流路326は、ノズルN毎に個別に形成された貫通孔である。また、図3に例示される通り、流路基板32のうちZ方向における正側の表面には、複数の供給流路324にわたる中継流路328が形成される。中継流路328は、開口部322と複数の供給流路324とを連通させる流路である。
筐体部42は、例えば樹脂材料の射出成形で製造された構造体であり、流路基板32のうちZ方向における負側の表面に固定される。図3に例示される通り、筐体部42には収容部422と導入口424とが形成される。収容部422は、流路基板32の開口部322に対応した外形の凹部であり、導入口424は、収容部422に連通する貫通孔である。図3から理解される通り、流路基板32の開口部322と筐体部42の収容部422とを相互に連通させた空間が液体貯留室(リザーバー)Rとして機能する。液体容器14から供給されて導入口424を通過したインクが液体貯留室Rに貯留される。
吸振体48は、液体貯留室R内の圧力変動を吸収するための要素であり、例えば弾性変形が可能な可撓性のシート部材(コンプライアンス基板)を含んで構成される。具体的には、流路基板32の開口部322と中継流路328と複数の供給流路324とを閉塞して液体貯留室Rの底面を構成するように、流路基板32のうちZ方向における正側の表面に吸振体48が設置される。
図2および図3に例示される通り、圧力室基板34は、相異なるノズルNに対応する複数の圧力室Cが形成された板状部材である。複数の圧力室Cは、Y方向に沿って配列する。各圧力室C(キャビティ)は、平面視でX方向に沿う長尺状の空間である。X方向の正側における圧力室Cの端部は平面視で流路基板32の1個の供給流路324に重なり、X方向の負側における圧力室Cの端部は平面視で流路基板32の1個の連通流路326に重なる。
圧力室基板34のうち流路基板32とは反対側の表面には振動板36が設置される。振動板36は、弾性的に変形可能な板状部材である。図3に例示される通り、第1実施形態の振動板36は、第1層361と第2層362との積層で構成される。第2層362は、第1層361からみて圧力室基板34とは反対側に位置する。第1層361は、酸化シリコン(SiO2)等の弾性材料で形成された弾性膜であり、第2層362は、酸化ジルコニウム(ZrO2)等の誘電材料で形成された絶縁膜である。なお、所定の板厚の板状部材のうち圧力室Cに対応する領域について板厚方向の一部を選択的に除去することで、圧力室基板34と振動板36の一部または全部とを一体に形成することも可能である。
図3から理解される通り、流路基板32と振動板36とは、各圧力室Cの内側で相互に間隔をあけて対向する。圧力室Cは、流路基板32と振動板36との間に位置し、当該圧力室C内に充填されたインクに圧力を付与するための空間である。液体貯留室Rに貯留されたインクは、中継流路328から各供給流路324に分岐して複数の圧力室Cに並列に供給および充填される。以上の説明から理解される通り、振動板36は、圧力室Cの壁面(具体的には、圧力室Cの一面である上面)を構成する。
図2および図3に例示される通り、振動板36のうち圧力室Cとは反対側の表面(すなわち第2層362の表面)には、相異なるノズルN(または圧力室C)に対応する複数の圧電素子38が設置される。各圧電素子38は、駆動信号の供給により変形するアクチュエーターであり、平面視でX方向に沿う長尺状に形成される。複数の圧電素子38は、複数の圧力室Cに対応するようにY方向に配列する。圧電素子38の変形に連動して振動板36が振動すると、圧力室C内の圧力が変動することで、圧力室Cに充填されたインクが連通流路326とノズルNとを通過して噴射される。
図2および図3の封止体44は、複数の圧電素子38を保護するとともに圧力室基板34および振動板36の機械的な強度を補強する構造体であり、振動板36の表面に例えば接着剤で固定される。封止体44のうち振動板36との対向面に形成された凹部の内側に複数の圧電素子38が収容される。
図3に例示される通り、振動板36の表面(または圧力室基板34の表面)には、例えば配線基板50が接合される。配線基板50は、制御ユニット20または電源回路(図示略)と液体噴射ヘッド26とを電気的に接続するための複数の配線(図示略)が形成された実装部品である。例えばFPC(Flexible Printed Circuit)やFFC(Flexible Flat Cable)等の可撓性の配線基板50が好適に採用される。圧電素子38を駆動するための駆動信号が配線基板50から各圧電素子38に供給される。
振動板36と圧電素子38とは、駆動信号の供給により振動する圧電デバイスとして機能する。液体噴射ヘッド26は、インクを収容する圧力室Cと、圧力室Cからインクを噴射させる圧電デバイスとを具備する。
各圧電素子38の具体的な構成を以下に詳述する。図4は、複数の圧電素子38の平面図である。なお、図4では、任意の1個の要素の奥側に位置する要素の周縁(本来は手前側の要素に隠れる部位)も便宜的に実線で図示されている。また、図5は、図4におけるV-V線の断面図(圧電素子38の長手方向に沿う断面)である。
図4および図5に例示される通り、圧電素子38は、概略的には、第1電極51と圧電体層52と第2電極53との積層で構成される。なお、本明細書において「要素Aと要素Bとが積層される」という表現は、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成に限定する趣旨ではない。すなわち、要素Aと要素Bとの間に他の要素Cが介在する構成も、「要素Aと要素Bとが積層される」という概念に包含される。また、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という表現も同様に、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成には限定されない。すなわち、要素Aの表面に要素Cが形成され、要素Cの表面に要素Bが形成された構成でも、要素Aと要素Bとの少なくとも一部が平面視で重なる構成であれば、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という概念に包含される。
第1電極51は、振動板36の面上(具体的には第2層362の表面)に形成される。第1電極51は、圧電素子38毎に相互に離間して形成された個別電極である。具体的には、X方向に延在する複数の第1電極51が、相互に間隔をあけてY方向に配列する。第1電極51の材料または製法は任意である。例えば、各種の導電材料の薄膜をスパッタリング等の公知の成膜技術により形成し、フォトリソグラフィ等の公知の加工技術により当該薄膜を選択的に除去することで、第1電極51を形成することが可能である。各圧電素子38の第1電極51には、当該圧電素子38に対応するノズルNからのインクの噴射を制御するための駆動信号が配線基板50を介して印加される。
圧電体層52は、第1電極51の面上に形成される。圧電体層52は、複数の圧電素子38にわたり連続するようにY方向に延在する帯状の誘電膜である。圧電体層52の材料または製法は任意である。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電材料の薄膜をスパッタリング等の公知の成膜技術により形成し、フォトリソグラフィ等の公知の加工技術により当該薄膜を選択的に除去することで、圧電体層52を形成することが可能である。図4に例示される通り、圧電体層52のうち相互に隣合う各圧力室Cの間隙に平面視で対応する領域には、X方向に長尺な切欠521(スリット)が形成される。以上の構成によれば、各圧電素子38は圧力室C毎に個別に変形し、圧電素子38の相互間における振動の伝播が抑制される。したがって、各ノズルNによるインクの噴射特性(例えば噴射量,噴射方向または噴射速度)を高精度に制御することが可能である。
第2電極53は、圧電体層52の面上に形成される。具体的には、第2電極53は、複数の圧電素子38(または複数の圧力室C)にわたり連続するようにY方向に延在する帯状の共通電極である。第2電極53には所定の基準電圧が印加される。例えば、各種の導電材料の薄膜をスパッタリング等の公知の成膜技術により形成し、フォトリソグラフィ等の公知の加工技術により当該薄膜を選択的に除去することで、第2電極53を形成することが可能である。
第1電極51に印加される基準電圧と第2電極53に供給される駆動信号との電圧差に応じて圧電体層52が変形する。すなわち、第1電極51と第2電極53とが圧電体層52を挟んで相互に対向する部分が圧電素子38として機能する。圧力室C毎(またはノズルN毎)に圧電素子38が個別に形成される。具体的には、X方向に長尺状に形成された複数の圧電素子38が、相互に間隔をあけてY方向に配列する。各圧電素子38のY方向の寸法(すなわち幅)は、圧力室CのY方向の寸法を下回る。
第2電極53の面上には第1導電体55と第2導電体56とが形成される。第1導電体55は、第2電極53におけるX方向の負側の縁辺に沿ってY方向に延在する帯状の導電膜である。第2導電体56は、第2電極53におけるX方向の正側の縁辺に沿ってY方向に延在する帯状の導電膜である。第1導電体55および第2導電体56は、例えば金(Au)等の低抵抗な導電材料を利用して同層から形成される。第1導電体55と第2導電体56とを形成することで、第2電極53における基準電圧の電圧降下が抑制される。また、第1導電体55および第2導電体56は、振動板36および圧電素子38の変形を抑制するための錘としても機能する。
各圧電素子38は、第1部分P1と第2部分P2とに平面視で区分される。第1部分P1は、圧電素子38のうちX方向(すなわち圧電素子38の長手方向)における特定の区間である。第1実施形態の第1部分P1は、圧電素子38の長手方向における中央部に位置する。具体的には、圧電素子38のうち両端間の中点を含む所定長の区間が第1部分P1に相当する。第1部分P1のX方向の寸法は、例えば圧電素子38の全長の10%以下に設定される。第2部分P2は、圧電素子38のうち第1部分P1に対してX方向に隣合う部分である。すなわち、圧電素子38のうちX方向の中央部以外の区間が第2部分P2に相当する。
図6は、圧電素子38のうち第1部分P1の断面図であり、図7は、圧電素子38のうち第2部分P2の断面図である。図6は、図4におけるVI-VI線の断面図に相当し、図7は、図4におけるVII-VII線の断面図に相当する。
図4から図6に例示される通り、圧電素子38の第1部分P1には低誘電体層61が形成される。図4では低誘電体層61に便宜的に網掛が付加されている。低誘電体層61は、圧電体層52と比較して誘電率が低い材料で形成された層状の部分である。低誘電体層61は、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)または酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ハフニウム(HfOx)等の金属酸化物または金属窒化物で形成される。例えば、以上に例示した金属酸化物の薄膜をスパッタリング等の公知の成膜技術により形成し、フォトリソグラフィ等の公知の加工技術により当該薄膜を選択的に除去することで、低誘電体層61を形成することが可能である。酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)および酸化チタン(TiO2)等はヤング率が大きく、かつ、熱伝導率が高い材料であるから、低誘電体層61の材料として特に好適である。また、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タンタル(TaOx)および酸化ハフニウム(HfOx)等もヤング率が高いから、低誘電体層61の材料としては好適である。
低誘電体層61は、例えば圧電体層52の材料よりもヤング率が高い誘電材料で形成される。以上の構成によれば、圧電体層52の材料よりもヤング率が低い材料で低誘電体層61が形成された構成と比較して、圧電素子38および振動板36の機械的な強度が補強される。したがって、振動板36の過度な変形が抑制され、結果的に振動板36のクラックの可能性を低減できるという利点がある。また、低誘電体層61は、圧電体層52の材料よりも熱伝導率が高い誘電材料で形成される。以上の構成によれば、圧電体層52の材料よりも熱伝導率が低い材料で低誘電体層61が形成された構成と比較して、圧電素子38からの放熱が発生し易い。したがって、圧電素子38の圧電特性が発熱に起因して変動する可能性を低減できる。なお、圧電体層52の材料よりもヤング率および/または熱伝導率が低い材料で低誘電体層61を形成してもよい。
図5および図6に例示される通り、低誘電体層61は、第1部分P1における第1電極51と第2電極53との間に形成される。第1実施形態の低誘電体層61は、圧電体層52と第2電極53との間に介在する。すなわち、低誘電体層61は、圧電体層52と第2電極53とに接触する。以上の説明から理解される通り、第1部分P1においては、第1電極51と圧電体層52と低誘電体層61と第2電極53とが、振動板36側から以上の順番で積層される。すなわち、圧電素子38の第1部分P1においては、第1電極51と第2電極53との間に圧電体層52と低誘電体層61とが介在する。
他方、圧電素子38の第2部分P2には、低誘電体層61が形成されない。すなわち、第2部分P2は、第1電極51と圧電体層52と第2電極53とが、振動板36側から以上の順番で積層された部分である。したがって、圧電体層52は、第1電極51および第2電極53に接触する。「要素Aと要素Bとが接触する」という表現は、要素Aと要素Bとが相互に密着する(すなわち両者間に他の要素が介在しない)ことを意味する。すなわち、圧電素子38の第2部分P2においては、圧電体層52と第2電極53(または第1電極51)との間に低誘電体層61が介在しない。
第2部分P2の圧電体層52は、第1電極51と第2電極53との間の電圧に応じて変形する。他方、圧電素子38の第1部分P1においては、第1電極51と第2電極53との間に低誘電体層61が介在する。すなわち、第1部分P1における第1電極51と第2電極52との間の距離は、第2部分P2における第1電極51と第2電極52との間の距離よりも大きい。以上の通り、第1部分P1の厚さは第2部分P2の厚さよりも大きいから、第1部分P1は第2部分P2と比較して変形し難い。また、第1部分P1の静電容量は第2部分P2の静電容量よりも小さいから、第1部分P1の圧電体層52に対する電圧の印加は第2部分P2と比較して抑制される。以上の説明から理解される通り、第1部分P1においては、第2部分P2と比較して圧電体層52の変形が抑制される。すなわち、振動板36のうち第1部分P1の近傍では振動が抑制される。したがって、振動板36のクラックを抑制することが可能である。なお、圧力室CにおけるX方向の中央の近傍では振動板36に発生する応力が顕著となる。第1実施形態では、圧電素子38におけるX方向の中央部に第1部分P1が形成されるから、振動板36のクラックを抑制できる。
圧電素子38の第1部分P1について圧電体層52に電圧を印加しない構成としては、例えば第1部分P1において第2電極53を部分的に除去する構成(以下「対比例」という)も想定される。しかし、対比例では、第2電極53の部分的な除去で形成された開口内に圧電体層52が露出する。したがって、圧電体層52のうち開口内の部分の圧電特性が例えば水分等の付着により変化し易いという問題がある。対比例とは対照的に、第1実施形態では、圧電体層52を第2電極53で被覆する構成を維持しながら、第1電極51と第2電極53との間に低誘電体層61を介在させることで、第1部分P1の圧電体層52に対する電圧の印加を抑制する。以上の構成によれば、第2電極53に開口を形成する必要はない。したがって、第2電極53の開口から圧電体層52が露出することに起因した圧電体層52の圧電特性の変化を抑制することが可能である。すなわち、第1実施形態によれば、振動板36のクラックの抑制と圧電特性の変化の抑制とを両立することが可能である。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図8は、第2実施形態における複数の圧電素子38の平面図であり、図9は、圧電素子38の第1部分P1の断面図である。図9は、図8におけるIX-IX線の断面図に相当する。第1実施形態では、圧電素子38毎に個別に低誘電体層61を形成した。第2実施形態では、図8および図9に例示される通り、複数の圧電素子38にわたり連続する低誘電体層62が形成される。具体的には、低誘電体層62は、複数の圧電素子38にわたりY方向に延在する帯状に形成される。低誘電体層62は、圧電素子38の第1部分P1において圧電体層52と第2電極53との間に介在する。したがって、第1実施形態と同様に、第1部分P1の圧電体層52には実質的に電圧が印加されない。すなわち、第1部分P1の圧電体層52の変形は、第2部分P2と比較して抑制される。第2部分P2の構成は、第1実施形態と同様である。
図9に例示される通り、振動板36は、第1領域Q1と第2領域Q2とを含む。第1領域Q1は、圧電素子38に平面視で重なる領域であり、第2領域Q2は、平面視で圧電素子38の外側に位置する領域である。第2領域Q2は、第1領域Q1を弾性的に支持する部分に相当する。図8および図9に例示される通り、第2実施形態の低誘電体層62は、平面視で第1領域Q1と第2領域Q2との双方にわたり形成される。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、低誘電体層62が振動板36の第1領域Q1と第2領域Q2とにわたり形成される。したがって、低誘電体層61が圧電素子38毎に個別に形成される第1実施形態と比較して、各圧電素子38の第1部分P1の近傍において振動板36の振動を効果的に抑制できるという利点がある。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態における複数の圧電素子38の平面図であり、図11は、圧電素子38の第1部分P1の断面図である。図11は、図10におけるXI-XI線の断面図に相当する。第1実施形態では、圧電体層52と第2電極53との間に低誘電体層61を介在させた。第3実施形態では、第1電極51と圧電体層52との間に低誘電体層63が形成される。具体的には、第1部分P1内の第1電極51に平面視で重なるように圧電素子38毎に低誘電体層63が形成され、第1電極51および低誘電体層63を被覆するように圧電体層52が形成される。第2部分P2の構成は、第1実施形態と同様である。
図10は、第3実施形態における複数の圧電素子38の平面図であり、図11は、圧電素子38の第1部分P1の断面図である。図11は、図10におけるXI-XI線の断面図に相当する。第1実施形態では、圧電体層52と第2電極53との間に低誘電体層61を介在させた。第3実施形態では、第1電極51と圧電体層52との間に低誘電体層63が形成される。具体的には、第1部分P1内の第1電極51に平面視で重なるように圧電素子38毎に低誘電体層63が形成され、第1電極51および低誘電体層63を被覆するように圧電体層52が形成される。第2部分P2の構成は、第1実施形態と同様である。
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第3実施形態では、低誘電体層63の面上に圧電体層52が形成されるから、低誘電体層63が圧電体層52の結晶性(例えば結晶の規則性)に影響する可能性がある。第1実施形態および第2実施形態では、圧電体層52の形成後に低誘電体層(61,62)が形成されるから、低誘電体層61が圧電体層52の結晶性に影響する可能性が低減される。したがって、結晶性が良好な圧電体層52を形成するという観点からは、第1実施形態や第2実施形態の例示のように、圧電体層52と第2電極53との間に低誘電体層(61,62)を形成する構成が好適である。
<第4実施形態>
図12は、第4実施形態に係る液体噴射ヘッド26の断面図である。図12に例示される通り、第4実施形態の液体噴射ヘッド26は、前述の各形態で例示した構造を略面対称に配置した構成である。具体的には、液体噴射ヘッド26は、第1部分H1と第2部分H2とを包含する。第1部分H1と第2部分H2とは、基準面Oを挟んで略面対称の関係にある。第1部分H1には第1列L1の複数のノズルNが形成され、第2部分H2には第2列L2の複数のノズルNが形成される。第1列L1と第2列L2とは、X方向に相互に間隔をあけて並設される。基準面Oは、第1列L1と第2列L2との間の中心線を通過し、Y-Z平面に平行な仮想的な平面である。
図12は、第4実施形態に係る液体噴射ヘッド26の断面図である。図12に例示される通り、第4実施形態の液体噴射ヘッド26は、前述の各形態で例示した構造を略面対称に配置した構成である。具体的には、液体噴射ヘッド26は、第1部分H1と第2部分H2とを包含する。第1部分H1と第2部分H2とは、基準面Oを挟んで略面対称の関係にある。第1部分H1には第1列L1の複数のノズルNが形成され、第2部分H2には第2列L2の複数のノズルNが形成される。第1列L1と第2列L2とは、X方向に相互に間隔をあけて並設される。基準面Oは、第1列L1と第2列L2との間の中心線を通過し、Y-Z平面に平行な仮想的な平面である。
第1部分H1の液体貯留室Rに貯留されるインクは、第1部分H1において、中継流路328と供給流路324とを経由して複数の圧力室Cに充填され、振動板36の振動により各圧力室Cから連通流路326を経由して第1列L1のノズルNから噴射される。同様に、第2部分H2の液体貯留室Rに貯留されるインクは、第2部分H2において、中継流路328と供給流路324とを経由して複数の圧力室Cに充填され、振動板36の振動により各圧力室Cから連通流路326を経由して第2列L2のノズルNから噴射される。なお、第1部分H1および第2部分H2の各々の圧電素子38に駆動信号を供給するための配線基板50が実際には設置されるが、図12では配線基板50の図示が便宜的に省略されている。
図12に例示される通り、流路基板32におけるノズル板46との対向面には、複数の第1循環路331と複数の第2循環路332と循環液室334とが形成される。第1循環路331は、第1列L1のノズルN毎に形成された流路である。第1列L1の各ノズルNに対応する連通流路326は、第1循環路331を介して循環液室334に連通する。第2循環路332は、第2列L2のノズルN毎に形成された流路である。第2列L2の各ノズルNに対応する連通流路326は、第2循環路332を介して循環液室334に連通する。なお、ノズル板46における流路基板32との対向面に第1循環路331および第2循環路332を形成してもよい。
循環液室334は、第1部分H1と第2部分H2とにわたる空間である。具体的には、循環液室334は、第1列L1および第2列L2の各々における複数のノズルNにわたり連続するようにY方向に沿って長尺状に延在する。第1部分H1の液体貯留室Rに貯留されるインクのうち第1列L1の各ノズルNから噴射されないインクは、第1循環路331を経由して循環液室334に供給される。同様に、第2部分H2の液体貯留室Rに貯留されるインクのうち第2列L2の各ノズルNから噴射されないインクは、第2循環路332を経由して循環液室334に供給される。
図12に図示される通り、第4実施形態の液体噴射装置100は循環機構90を具備する。循環機構90は、液体噴射ヘッド26から排出されるインクを当該液体噴射ヘッド26に環流させる機構である。具体的には、循環機構90は、排出流路91と循環ポンプ92と第1供給流路93と第2供給流路94とを具備する。
排出流路91は、循環液室334内のインクを循環ポンプ92に供給するための流路である。循環ポンプ92は、排出流路91から供給されるインクを第1供給流路93および第2供給流路94に送出する圧送機構である。循環ポンプ92は、液体容器14から供給されるインクも第1供給流路93および第2供給流路94に送出する。第1供給流路93は、循環ポンプ92から送出されたインクを第1部分H1の導入口424に供給する流路である。第2供給流路94は、循環ポンプ92から送出されたインクを第2部分H2の導入口424に供給する流路である。
第1部分H1の液体貯留室Rに貯留されるインクのうち第1列L1のノズルNから噴射されないインクは、液体貯留室R→供給流路324→圧力室C→連通流路326→第1循環路331→循環液室334→排出流路91、という経路で循環ポンプ92に供給される。同様に、第2部分H2の液体貯留室Rに貯留されるインクのうち第2列L2のノズルNから噴射されないインクは、液体貯留室R→供給流路324→圧力室C→連通流路326→第2循環路332→循環液室334→排出流路91、という経路で循環ポンプ92に供給される。そして、循環ポンプ92から第1供給流路93に送出されたインクは、当該第1供給流路93と第1部分H1の導入口424とを介して液体貯留室Rに環流される。同様に、循環ポンプ92から第2供給流路94に送出されたインクは、当該第2供給流路94と第2部分H2の導入口424とを介して液体貯留室Rに環流される。以上の説明の通り、第4実施形態の循環機構90は、圧力室Cを経由して液体噴射ヘッド26から排出されるインクを液体噴射ヘッド26に環流させる。
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態では、液体噴射ヘッド26から排出されるインクが当該液体噴射ヘッド26に環流される。以上の構成によれば、インクを循環させない構成と比較して、液体噴射ヘッド26の内部のインクの熱が外部に放散され易い。したがって、圧電素子38の圧電特性が熱に起因して変動する可能性を低減することが可能である。第4実施形態では、圧電素子38の近傍に位置する圧力室Cを経由したインクが環流されるから、圧電素子38の圧電特性が熱に起因して変動する可能性を低減できるという効果は特に顕著である。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。なお、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。なお、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)第1実施形態では、第1部分P1における圧電体層52の全面にわたり低誘電体層61を形成したが、図13に例示される通り、第1部分P1における圧電体層52の表面の一部に低誘電体層61を形成してもよい。第3実施形態においても同様に、第1部分P1における第1電極51の表面の一部に低誘電体層61を形成してもよい。
(2)第1実施形態では、圧電体層52と第2電極53との間に低誘電体層61を介在させ、第3実施形態では、圧電体層52と第1電極51との間に低誘電体層63を介在させた。図14に例示される通り、圧電体層52と第2電極53との間の低誘電体層61と、圧電体層52と第1電極51との間の低誘電体層63との双方を形成してもよい。
(3)前述の各形態では、第1電極51が個別電極であり第2電極53が共通電極である構成を例示したが、第1電極51を、複数の圧電素子38にわたり連続する共通電極とし、第2電極53を圧電素子38毎に個別の個別電極としてもよい。また、第1電極51および第2電極53の双方を個別電極としてもよい。
(4)前述の各形態では、液体噴射ヘッド26を搭載した搬送体242を往復させるシリアル方式の液体噴射装置100を例示したが、複数のノズルNが媒体12の全幅にわたり分布するライン方式の液体噴射装置にも本発明を適用することが可能である。
(5)前述の各形態で例示した液体噴射装置100は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
(6)振動板36と圧電素子38とを具備する圧電デバイスは、液体噴射ヘッド26以外にも、超音波センサー、超音波トランスデューサーまたは超音波モーター等の他の装置にも適用することができる。
100…液体噴射装置、12…媒体、14…液体容器、20…制御ユニット、22…搬送機構、24…移動機構、26…液体噴射ヘッド、32……流路基板、331…第1循環路、332…第2循環路、334…循環液室、34……圧力室基板、342…除去部、36……振動板、38……圧電素子、38A…第1圧電素子、38B…第2圧電素子、42……筐体部、44……封止体、46……ノズル板、N……ノズル、48……吸振体、50……配線基板、51…第1電極、52…圧電体層、53…第2電極、61,62,63…低誘電体層、90…循環機構、91…排出流路、92…循環ポンプ、93…第1供給流路、94…第2供給流路、C…圧力室、R…液体貯留室。
Claims (11)
- 液体を収容する圧力室と、
前記圧力室の壁面を構成する振動板と、
前記振動板に形成された圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドであって、
前記圧電素子は、
第1電極と、
前記第1電極からみて前記振動板とは反対側に形成された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に形成された圧電体層と、
前記圧電体層よりも誘電率が低い材料で形成された誘電体層とを具備し、
前記第1電極と前記第2電極との間に前記圧電体層と前記誘電体層とが介在する第1部分と、前記圧電体層が前記第1電極および前記第2電極に接触する第2部分とを含む
液体噴射ヘッド。 - 前記第1部分における前記第1電極と前記第2電極との間の距離は、前記第2部分における前記第1電極と前記第2電極との間の距離よりも大きい
請求項1の液体噴射ヘッド。 - 前記圧電素子は、平面視で長尺状に形成され、
前記第1部分は、前記圧電素子における長手方向の中央部に位置する
請求項1または請求項2の液体噴射ヘッド。 - 前記第1部分における前記誘電体層は、前記圧電体層と前記第2電極との間に介在する
請求項1から請求項3の何れかの液体噴射ヘッド。 - 前記第1部分における前記誘電体層は、前記圧電体層と前記第1電極との間に介在する
請求項1から請求項4の何れかの液体噴射ヘッド。 - 前記振動板は、
前記圧電素子に平面視で重なる第1領域と、平面視で前記圧電素子の外側に位置する第2領域とを含み、
前記誘電体層は、前記第1領域と前記第2領域とにわたり形成される
請求項1から請求項5の何れかの液体噴射ヘッド。 - 前記誘電体層は、前記圧電体層の材料よりもヤング率が高い材料で形成される
請求項1から請求項6の何れかの液体噴射ヘッド。 - 前記誘電体層は、前記圧電体層の材料よりも熱伝導率が高い材料で形成される
請求項1から請求項7の何れかの液体噴射ヘッド。 - 液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドを制御する制御部と
を具備する液体噴射装置であって、
前記液体噴射ヘッドは、
液体を収容する圧力室と、
前記圧力室の壁面を構成する振動板と、
前記振動板に形成された圧電素子とを具備し、
前記圧電素子は、
第1電極と、
前記第1電極からみて前記振動板とは反対側に形成された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に形成された圧電体層と、
前記圧電体層よりも誘電率が低い材料で形成された誘電体層とを具備し、
前記第1電極と前記第2電極との間に前記圧電体層と前記誘電体層とが介在する第1部分と、前記圧電体層が前記第1電極および前記第2電極に接触する第2部分とを含む
液体噴射装置。 - 前記圧力室を経由して前記液体噴射ヘッドから排出される液体を当該液体噴射ヘッドに環流させる循環機構
を具備する請求項9の液体噴射装置。 - 振動板と、
前記振動板に形成された圧電素子とを具備する圧電デバイスであって、
前記圧電素子は、
第1電極と、
前記第1電極からみて前記振動板とは反対側に形成された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に形成された圧電体層と、
前記圧電体層よりも誘電率が低い材料で形成された誘電体層とを具備し、
前記第1電極と前記第2電極との間に前記圧電体層と前記誘電体層とが介在する第1部分と、前記圧電体層が前記第1電極および前記第2電極に接触する第2部分とを含む
圧電デバイス。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2018097671 | 2018-05-22 | ||
JP2018097671 | 2018-05-22 |
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JP2019202534A true JP2019202534A (ja) | 2019-11-28 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019022472A Pending JP2019202534A (ja) | 2018-05-22 | 2019-02-12 | 液体噴射ヘッド、液体噴射装置および圧電デバイス |
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2019
- 2019-02-12 JP JP2019022472A patent/JP2019202534A/ja active Pending
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