以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(供給装置10)
本実施形態に係る供給装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る供給装置10の構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る供給装置10の構成を示す正面図である。
なお、下記の説明で用いる+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向、+Z方向(上方)及び-Z方向(下方)は、図中に示す矢印方向である。また、+X方向及び-X方向の両方向を含む方向をX方向という。また、+Y方向及び-Y方向の両方向を含む方向をY方向という。また、+Z方向及び-Z方向の両方向を含む方向をZ方向という。また、X方向、Y方向、Z方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
また、図中の「○」の中に「×」が記載された記号は、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「・」が記載された記号は、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。また、各図に示す各部材における各部分同士のX方向、Y方向、Z方向の寸法比や、各部材同士のX方向、Y方向、Z方向の寸法比は、実際の寸法比と異なる場合がある。
供給装置10は、チューブ100(図4参照)を取出す取出装置の一例である。具体的には、供給装置10は、チューブ100を収容部20から取出して、そのチューブ100を供給する供給装置である。なお、チューブ100は、例えば、チューブ100をロールの外周に被覆するなどの後処理を行う後処理装置へ供給される。
供給装置10は、図1及び図2に示されるように、収容部20と、付与部14と、台12、15、取出部13と、搬送部70(図1参照)と、を有している。以下、供給装置10の供給対象であるチューブ100、及び供給装置10の各部(収容部20、付与部14、台12、15、取出部13及び、搬送部70)の具体的な構成について説明する。
(チューブ100)
チューブ100(図4参照)は、可撓性の筒体の一例である。具体的には、チューブ100は、円筒状(円管状)に形成され、且つ、可撓性を有している。すなわち、チューブ100は、弾性変形可能とされている。このチューブ100には、一例として、PFAやPTFEなどのフッ素樹脂が用いられている。なお、チューブ100は、後述するように、径方向に潰れた扁平状態で収容部20の内部に収容される。
本実施形態では、円筒状(円管状)のチューブ100を用いているが、これに限られない。例えば、筒体としては、角筒状であってもよく、軸方向視における形状は、特定の形状に限定されるものではない。
(収容部20及び台12)
収容部20は、チューブ100(図4参照)を収容する収容部の一例である。具体的には、収容部20は、図1及び図4に示されるように、上端部(+Z方向端部)に開口20Aを有する箱状のケースで構成されている。この収容部20は、図1及び図3に示されるように、Y方向に長さを有している。収容部20は、具体的には、底壁25(底の一例)と、4つの側壁21、23、22、24と、を有している。
-X方向側の側壁21及び+X方向側の側壁23は、X方向視にて、Z方向(上下方向)よりもY方向が長くされた略長方形状に形成されている。-Y方向側の側壁22及び+Y方向側の側壁24は、Y方向視にて、X方向よりもZ方向(上下方向)が長くされた略長方形状に形成されている。側壁22は、X方向の中央部において、-Y方向側へ張り出す張出部22Aを有している。側壁24は、X方向の中央部において、+Y方向側へ張り出す張出部24Aを有している。張出部22Aは、張出部24Aに対して-Y方向側で対向して配置されている。張出部22A及び張出部24Aは、X方向幅が同じとされている。
側壁21、23、22、24の上端(+Z方向端)には、外側(外周側)に張り出すフランジ部29が形成されている。フランジ部29は、図3に示されるように、平面視にて枠状に形成されている。
底壁25は、図4に示されるように、Z方向(上下方向)を厚み方向とする板状に形成されている。チューブ100は、複数が底壁25の上に積み重ねられた状態で、収容部20の内部に収容される。なお、底壁25の上に積み重ねられたチューブ100は、軸方向がY方向を向いた状態で、且つ、Z方向(上下方向)に潰れた扁平状態で、収容部20の内部に収容される。すなわち、チューブ100は、径方向に潰れた扁平状態で、収容部20の内部に収容される。
底壁25には、収容部20の内部からチューブ100が取出される取出口25Aが形成されている。取出口25Aは、底壁25を貫通している。すなわち、取出口25Aは、貫通孔の一例である。
取出口25AのX方向幅は、チューブ100のX方向幅よりも狭くされている。ここでのチューブ100のX方向幅は、底壁25の上に積み重ねられた状態のチューブ100のX方向幅を意味する。これにより、底壁25の上に積み重ねられた状態のチューブ100は、取出口25Aに対する+X方向側及び-X方向側で底壁25に支持される。なお、取出口25AのX方向幅は、チューブ100を円筒状としたときにおける直径よりも狭くされている。
取出口25AのY方向長さは、図3に示されるように、底壁25の上に積み重ねられた状態のチューブ100のY方向長さ(チューブ100の軸方向長さ)よりも長くされている。
収容部20は、図1、図2及び図4に示されるように、台12の上に配置されている。この台12は、Z方向(上下方向)を厚み方向とする板状に形成されている。台12には、図4に示されるように、収容部20の内部から取出されたチューブ100が通過する開口12Aが形成されている。
この開口12Aは、台12をZ方向(上下方向)に貫通している。開口12AのX方向幅は、取出口25Aよりも広くされている。開口12Aの上端(+Z方向端)は、取出口25Aの下端(-Z方向端)と通じている。なお、開口12AのX方向中央の位置と、取出口25AのX方向中央の位置が一致している。また、開口12AのY方向中央の位置と、取出口25AのY方向中央の位置が一致している。
また、開口12AのX方向幅は、取出口25AのX方向幅よりも広く、且つ、底壁25の上に積み重ねられた状態のチューブ100のX方向幅よりも狭くされている。開口12AのY方向長さは、取出口25AのY方向長さ以上の長さとされている。したがって、開口12AのY方向長さは、底壁25の上に積み重ねられた状態のチューブ100のY方向長さ(チューブ100の軸方向長さ)よりも長くされている。
(付与部14)
付与部14は、収容部20内の最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与する付与部の一例である。付与部14は、具体的には、図1及び図2に示されるように、錘60と、支持部80と、移動機構40と、を有している。なお、最上段のチューブ100とは、底壁25上に積み重ねられた複数のチューブ100のうち、最も上側(+Z方向側)の位置に配置されたチューブ100である。各図では、適宜、最上段のチューブ100が符号100Aにて示されている。
錘60は、自重により最上段のチューブ100を下側へ押す錘の一例である。具体的には、錘60は、図1及び図2に示されるように、錘本体62と、一対の棒64と、固定部材66と、を有している。
錘本体62は、Y方向へ長くされた棒状に形成されている。錘本体62の下面は、最上段のチューブ100に接触する接触面62Aとされている。この接触面62Aは、Y方向視にて、円弧状(R状)の曲面とされている。
錘本体62のX方向幅は、図3に示されるように、-X方向側の側壁21と+X方向側の側壁23との間の距離よりも狭い幅とされている。具体的には、錘本体62のX方向幅は、張出部22A、24AのX方向幅よりも狭くされている。また、錘本体62のX方向幅は、取出口25AのX方向幅よりも広くされている。
錘本体62のY方向長さは、側壁22の張出部22Aと、側壁24の張出部24Aとの間の距離よりも短くされ、且つ、側壁22における張出部22A以外の部分と、側壁24における張出部24A以外の部分との間の距離よりも長くされている。錘本体62は、Y方向両端部が、側壁22の張出部22A及び側壁24の張出部24Aの内側に位置するように、収容部20の内部に進入可能とされている。
したがって、錘本体62のY方向長さは、チューブ100のY方向長さ(軸方向長さ)よりも長くされている。錘本体62は、最上段のチューブ100に対する軸方向外側(-Y方向側及び+Y方向側)に張り出した状態で、最上段のチューブ100に対して、Y方向の一端部から他端部にわたって接触する。なお、本実施形態では、錘本体62のY方向長さと取出口25AのY方向長さとが同じとされているが、錘本体62のY方向長さは、取出口25AのY方向長さよりも長くてもよいし、取出口25AのY方向長さよりも短くてもよい。
一対の棒64は、図1に示されるように、Z方向(上下方向)へ延び、且つ、Y方向に並んで配置されている。一対の棒64の下端部(-Z方向端部)は、錘本体62に上面に固定されている。固定部材66は、上下方向を厚み方向とする板状に形成されている。固定部材66の下面に一対の棒64の上端部(+Z方向端部)が固定されている。
支持部80は、錘60をZ方向(上下方向)に移動可能(移動自在)に支持する支持部である。支持部80は、図1及び図2に示されるように、支持プレート82、84を有している。
支持プレート82は、図2に示されるように、Y方向視にてL字状に形成されている。具体的には、支持プレート82は、Z方向(上下方向)を厚み方向とする板部82Aと、板部82Aの-X方向端部から上方へ延び、且つX方向を厚み方向とする板部82Bと、を有している。
一対の棒64は、Z方向(上下方向)へ移動可能に板部82AをZ方向(上下方向)に貫通している。これにより、錘本体62に対して上方への外力(例えば、収容部20に収容されたチューブ100からの反力)が作用すると、錘60が板部82Aに対して上昇した状態となる。板部82Aに対して上昇した錘60に作用する外力が、作用しなくなると、錘60の自重により錘60が降下し、固定部材66が板部82Aに支持されることで、錘60の板部82Aに対する降下が制限される。なお、本実施形態において、「上昇」とは、+Z方向(上方)へ移動させることである。また、本実施形態において、「降下」とは、-Z方向(下方)へ移動させることである。
支持プレート84は、Y方向視にて逆L字状に形成されている。支持プレート84は、X方向を厚み方向とする板部84Aと、板部84Aの+Z方向端部(上端部)から-X方向へ延び、且つZ方向(上下方向)を厚み方向とする板部84Bと、を有している。板部84Aは、支持プレート82の板部82Bに固定されている。
移動機構40は、錘60をZ方向(上下方向)及びX方向へ移動させる移動機構である。具体的には、移動機構40は、シリンダ41、42と、を有している。
シリンダ41は、シリンダ本体41Bと、ロッド41Aと、を有している。シリンダ本体41Bは、X方向へ移動可能に台12上に配置されている。ロッド41Aは、シリンダ本体41Bから+Z方向(上方)へ延び出ている。このロッド41Aは、空気圧や油圧等の圧力により、Z方向(上下方向)に伸縮する。
シリンダ41のロッド41Aの先端部は、支持プレート84の板部84Bの下面に固定されている。シリンダ41は、ロッド41Aを伸縮させることで、支持部80及び錘60を上下方向へ移動させる。
具体的には、ロッド41Aの伸縮により、錘60は、錘本体62が収容部20の内部に進入する進入位置(図6及び図7に示す位置)と、錘本体62が収容部20に対する+Z方向側(上側)に位置する上方位置(図2、図5、図8、図9及び図10に示す位置)と、に移動される。
付与部14では、錘60は、固定部材66が板部82Aに支持された状態で、シリンダ41のロッド41Aの伸長により固定部材66が持上げられることで、上方位置へ移動する。
また、錘60は、固定部材66が板部82Aに支持された状態で、シリンダ41のロッド41Aが縮むことで降下して、進入位置へ移動する。このとき、錘本体62が収容部20の底壁25の上面に接触した場合の固定部材66の位置よりも、支持プレート82の板部82Aは降下する。したがって、固定部材66は、進入位置において、固定部材66は、支持プレート82の板部82Aの上面よりも上側に位置する。すなわち、錘60は、進入位置において、固定部材66が板部82Aから離れた状態となる(図6及び図7参照)。これにより、錘60は、進入位置において、最上段のチューブ100に載ると共に、該チューブ100を自重により下側へ押す。
シリンダ42は、図2に示されるように、シリンダ本体42Bと、ロッド42Aと、を有している。シリンダ本体42Bは、台12上に固定されている。
ロッド42Aは、シリンダ本体42Bから+X方向へ延び出ている。このロッド42Aは、空気圧や油圧等の圧力により、X方向に伸縮する。
シリンダ42のロッド42Aの先端部は、シリンダ41のシリンダ本体41Bに固定されている。シリンダ42は、ロッド42Aを伸縮させることで、シリンダ41、支持部80及び錘60をX方向へ移動させる。
具体的には、ロッド41Aの伸縮により、錘60は、前述の上方位置(図2、図5、図8、図9及び図10に示す位置)と、錘本体62が収容部20に対する-X方向に退避した退避位置(図4に示す位置)と、に移動される。なお、シリンダ42は、錘60が進入位置(図6及び図7に示す位置)に位置する状態では作動が禁止される構成とされている。
(台15及び搬送部70)
台15は、取出部13によって収容部20から取り出されたチューブ100が置かれる台である。台15は、Z方向(上下方向)を厚み方向とする板状に形成されている。台15は、図1に示されるように、台12及び収容部20に対する+Y方向(側方の一例)に配置されている。この台15は、図2に示されるように、台12に対する-Z方向側(下方側)に配置されている。
台15には、図1に示されるように、後述の吸着部32が入り込む切欠部15Aが形成されている。切欠部15Aは、台15を上下方向に貫通し、且つ-Y方向側が開口している。チューブ100を吸着した吸着部32が切欠部15Aに入り込んだ状態で、チューブ100に対する吸着を解除し、且つ吸着部32が降下することで、切欠部15Aにまたがってチューブ100が、台15の上面に置かれる(図11参照)。
搬送部70は、台15に置かれたチューブ100を搬送する搬送部である。搬送部70は、具体的には、図1に示されるように、吸着ヘッド72と、支持部74と、移動機構76と、を有している。吸着ヘッド72は、台15に置かれたチューブ100を搬送する搬送部材の一例である。具体的には、吸着ヘッド72は、吸引により、チューブ100を吸着するヘッドである。吸着ヘッド72の下面は、チューブ100を吸着する吸着面72Aとされている。吸着ヘッド72は、吸着面72Aにチューブ100を吸着することで、チューブ100を保持する。この吸着ヘッド72は、Y方向に長くされた角柱形状に形成されている。
支持部74は、吸着ヘッド72を支持する機能を有している。支持部74は、Z方向(上下方向)を厚み方向とする板状の支持プレート74A、74Bを有している。支持プレート74Aの上面に、支持プレート74Bの下面が固定されている。支持部74は、吸着ヘッド72をZ方向(上下方向)に移動可能に支持している。吸着ヘッド72は、圧縮バネ74Cによって-Z方向(下方)へ押されている。
移動機構76は、シリンダ78と、シリンダ78を移動させる移動部79と、を有している。シリンダ78は、シリンダ本体78Bと、ロッド78Aと、を有している。ロッド78Aは、シリンダ本体78Bから-Z方向(下方)へ延び出ている。このロッド78Aは、空気圧や油圧等の圧力により、Z方向(上下方向)に伸縮する。
シリンダ78のロッド78Aの先端部は、支持部74の支持プレート74Bの上面に固定されている。シリンダ78は、ロッド78Aを伸縮させることで、吸着ヘッド72及び、吸着ヘッド72に吸着されたチューブ100をZ方向(上下方向)へ移動させる。
移動部79は、一例として、シリンダ78をX方向に沿った軸周りに90度回転させる回転部で構成されている。移動部79は、具体的には、吸着ヘッド72の下面が-Z方向を向いた状態から、+Y方向を向く状態に回転させる。
さらに、台15は、図1、図11及び図12に示されるように、台15に置かれたチューブ100を位置決めする位置決部50を有している。位置決部50は、搬送部70の吸着ヘッド72が吸着により、チューブ100を保持する保持位置(図12に示す位置)にチューブ100を位置決めする。具体的には、位置決部50は、位置決部材51と、移動機構53と、一対の位置決部材52と、移動機構54と、を有している。
位置決部材51は、チューブ100をY方向に位置決めする位置決部材である。位置決部材51は、Y方向を厚み方向とする板状とされ、且つ、Y方向視にてZ方向(上下方向)に長くされた矩形状に形成されている。この位置決部材51は、台15に形成された矩形孔15B内に配置され、且つ、台15に対する+Z方向(上方)へ延び出ている。
なお、矩形孔15Bは、切欠部15Aに対する-X方向側で、切欠部15Aの+Y方向側部分に沿って配置されている。矩形孔15Bは、平面視にて、Y方向に長くされた矩形状に形成されている。
そして、位置決部材51は、Y方向に移動可能に台15に設けられている。移動機構53は、矩形孔15B内で位置決部材51をY方向に移動させる。移動機構53は、一例として、空気圧や油圧等の圧力により、位置決部材51をY方向に移動させるシリンダで構成されている。位置決部材51は、移動機構53によってY方向へ移動することで、台15の上面に置かれたチューブ100の+Y方向端部に接触して、チューブ100をY方向に位置決めする。
一対の位置決部材52は、チューブ100をX方向に位置決めする位置決部材である。一対の位置決部材52は、Y方向に間隔をおいて配置されている。位置決部材52は、切欠部15Aに対する+X方向側にX方向に移動可能に配置されている。具体的には、台15にX方向に沿って形成された溝部15Cに取り付けられ連結部材56に一対の位置決部材52が固定されることで、位置決部材52はX方向に移動可能とされている。位置決部材52は、Y方向が厚み方向とされた板状に形成され、かつ、+Z方向端部(上端部)が-X方向へ張り出している。なお、連結部材56は、X方向を厚み方向とする板状に形成されている。
移動機構54は、一例として、ロッド54Aを有するシリンダで構成されている。ロッド54Aは、連結部材56を介して、位置決部材52に固定されている。移動機構54では、空気圧や油圧等の圧力により、ロッド54AをX方向に伸縮することで、位置決部材52をX方向へ移動させる。一対の位置決部材52は、移動機構54によってX方向へ移動することで、台15の上面に置かれたチューブ100の+X方向の側面に対して、側面52Aが接触して、チューブ100をX方向に位置決めする。
このように、位置決部50では、位置決部材51及び位置決部材52によって、チューブ100をY方向及びX方向に位置決めすることで、吸着ヘッド72がチューブ100を保持する保持位置(図12に示す位置)に、チューブ100を位置決めする。
(取出部13)
取出部13は、収容部20内の最下段のチューブ100を取出口25Aから収容部20の下へ取り出す取出部の一例である。取出部13は、具体的には、図2に示されるように、吸着機構30と、移動機構39と、を有している。なお、最下段のチューブ100とは、底壁25上に積み重ねられた複数のチューブ100のうち、最も下の位置(すなわち、底壁25に接触する位置)に配置されたチューブ100である。各図では、適宜、最下段のチューブ100が符号100Bにて示されている。
吸着機構30は、図2に示されるように、吸着部32と、吸引部36と、を有している。吸着部32は、収容部20内の最下段のチューブ100を吸着する吸着部の一例である。具体的には、吸着部32は、吸着部本体33と、複数(具体的には、例えば6個(図1参照))の吸着パッド34と、を有している。
吸着部本体33は、図1に示されるように、Y方向に長くされた角柱形状に形成されている。複数の吸着パッド34は、吸着部本体33の上面にY方向に沿って配置されている。各吸着パッド34は、図2に示されるように、吸着部本体33の上面から+Z方向(上方向)へ延び出ている。
各吸着パッド34の上面(先端面)が、チューブ100を吸着する吸着面34Aとされている。吸着面34Aには、チューブ100を吸引する吸引孔34Bが形成されている。吸引孔34Bは、吸着部本体33を-Z方向(下方向)へ貫通している。吸引孔34Bは、吸着部本体33の下面側で吸引管(図示省略)を介して吸引部36と通じている。吸引部36は、一例として、ブロアで構成されている。吸着機構30では、吸引部36を作動させることで、吸引孔34Bを通じて最下段のチューブ100を吸引して、各吸着パッド34の吸着面34Aにチューブ100を吸着する。
吸着パッド34のX方向幅は、図4に示されるように、吸着部本体33のX方向幅よりも狭くされている。吸着パッド34は、吸着部本体33のX方向中央部に配置されている。また、吸着パッド34のX方向幅は、台12の開口12AのX方向幅、及び収容部20の取出口25AのX方向幅よりも狭くされている。これにより、吸着パッド34が、図7及び図8に示されるように、開口12A及び取出口25Aに進入可能となっている。
吸着部本体33のX方向幅は、台12の開口12AのX方向幅よりも狭く、且つ、収容部20の取出口25AのX方向幅よりも広くされている。これにより、吸着部本体33は、開口12Aに進入可能であるが、取出口25Aには進入できない(図7及び図8参照)。
移動機構39は、吸着部32をZ方向(上下方向)及びY方向へ移動させる移動機構である。移動機構39は、具体的には、待機位置(図2、図4、図5及び図6に示す位置)、吸着位置(図7及び図8に示す位置)、取出位置(図9に示す位置)、置き位置(図1に示す位置)及び降下位置(図10に示す位置)に、吸着部32を移動させる。
待機位置(図2、図4、図5及び図6に示す位置)は、吸着部32が待機する位置である。待機位置は、台12及び収容部20に対する下側の位置である。さらに、待機位置は、平面視にて、吸着部32が、台12の開口12A内に納まる位置であって、全ての吸着パッド34が収容部20の取出口25A内に納まる位置である。
吸着位置(図7及び図8に示す位置)は、吸着パッド34が最下段のチューブ100を吸着する位置である。さらに、吸着位置は、吸着パッド34が収容部20の取出口25Aに対して下側から進入し、且つ、吸着部本体33が収容部20の取出口25Aに対して下側から進入した位置である。この吸着位置は、待機位置に対する上方の位置である。
取出位置(図9に示す位置)は、吸着部32で吸着したチューブ100を収容部20の-Z方向(下方)へ取り出すための位置である。取出位置は、台12及び収容部20に対する下側の位置である。すなわち、取出位置は、吸引位置に対する下方の位置である。さらに、取出位置は、待機位置に対する上方の位置である。
置き位置(図1に示す位置)は、収容部20から取り出したチューブ100を台15上に置くための位置である。置き位置は、取出位置に対する+Y方向側の位置である。置き位置と取出位置との高さは、同じとされている。置き位置は、吸着部32が台15の切欠部15A内に配置される位置である。この置き位置では、吸着部32に吸着されたチューブ100が、台15の上方に位置する。
降下位置(図10に示す位置)は、置き位置から降下した位置である。すなわち、置き位置に対する-Z方向側(下方側)の位置である。降下位置と待機位置との高さは同じとされている。すなわち、降下位置は、待機位置に対する+Y方向側の位置である。
なお、移動機構39としては、例えば、吸着部32をY方向及びZ方向に移動させる機構を備えた二軸ロボットが用いられる。
取出部13では、移動機構39は、吸着部32を待機位置(図6に示す位置)から上昇させることで、吸着位置(図7に示す位置)に移動させる。吸着部32は、吸着位置において、吸着パッド34に最下段のチューブ100を吸着する。
なお、付与部14の錘60が最上段のチューブ100に載せられることで、チューブ100に対して下向きの荷重が付与された状態で、吸着部32は、最下段のチューブ100に対する吸着を開始する(図7参照)。すなわち、錘60が進入位置(図7に示す位置)に位置する状態で、吸着部32は、最下段のチューブ100に対する吸着を開始する。
さらに、移動機構39は、吸着部32を吸着位置(図8に示す位置)から降下させることで取出位置(図9に示す位置)に移動させる。これにより、最下段のチューブ100を、取出口25Aを通じて収容部20の下へ取出す。
なお、付与部14の錘60が最上段のチューブ100から退避した状態で、吸着部32は吸着位置から取出位置に移動する(図8参照)。すなわち、錘60が上方位置(図8に示す位置)に位置する状態で、吸着部32は吸着位置から取出位置に移動する
さらに、移動機構39は、吸着部32を取出位置(図9に示す位置)から+Y方向へ移動させることで置き位置(図1に示す位置)に移動させる。これにより、収容部20から取り出された最下段のチューブ100が、+Y方向へ移動する。そして、吸着部32が置き位置に位置する状態において、吸引部36の作動を停止することで、吸着部32による吸着を解除する。
さらに、移動機構39は、吸着部32を置き位置から降下させることで降下位置(図10に示す位置)に移動させる。これにより、収容部20から取り出された最下段のチューブ100が、台15に置かれる。さらに、移動機構39は、吸着部32を降下位置から-Y方向へ移動させることで待機位置に移動させる。
台15に置かれたチューブ100は、具体的には、図11に示されるように、切欠部15Aに対する+X方向側及び-X方向の台15の上面にまたがった状態で、台15上に置かれる。そして、台15上に置かれたチューブ100は、図12に示されるように、-X方向へ移動する一対の位置決部材52によって-X方向側に押され、且つ、-Y方向へ移動する位置決部材51によって-Y方向側に押される。これにより、吸着ヘッド72による予め定められた保持位置に位置決めされる。なお、図12には、二点鎖線にて吸着ヘッド72がチューブ100を保持する位置が示されている。
(本実施形態に係る取出方法)
本実施形態に係る取出方法について説明する。
本取出方法は、供給装置10において収容部20からチューブ100を取出す取出方法である。本取出方法は、具体的には、収容工程と、取出工程と、置き工程と、位置決工程と、を有している。
(収容工程)
収容工程では、図4に示されるように、収容部20の底壁25の上にチューブ100を積み重ねて、該チューブ100を収容部20の内部に収容する。収容工程では、錘60は、退避位置(図4に示す位置)に位置する。これにより、収容部20の上方が開放され、チューブ100を収容する際に、チューブ100が錘60と干渉しにくい。チューブ100の収容は、一例として、作業者の手作業により行われる。
なお、チューブ100が積み重ねられた底壁25の取出口25Aは、X方向幅が当該チューブ100のX方向幅よりも狭くされ、且つ、Y方向長さが当該チューブ100のY方向長さ(軸方向長さ)よりも長くされている(図3参照)。
(取出工程)
取出工程では、最下段のチューブ100を吸着した吸着部32を降下させ、最下段のチューブ100を、取出口25Aを通じて収容部20の下へ取出す。具体的には、取出工程は以下のように行われる。
取出工程では、まず、移動機構40のシリンダ42がロッド42Aを伸長させることで、図5に示されるように、錘60を上方位置に移動させる。さらに、移動機構40のシリンダ41がロッド41Aを縮めることで、図6に示されるように、錘60を進入位置に移動させる。これにより、錘60が、自重によりチューブ100を下側へ押し、最上段のチューブ100に対して下向きの荷重が付与される。
次に、移動機構39(図2参照)が、図7に示されるように、吸着部32を吸着位置に移動させる。これにより、吸着部32の吸着パッド34の吸着面34Aが、最下段のチューブ100の下面に接触する。
次に、錘60が進入位置に位置した状態で、吸引部36(図2参照)を作動させて、最下段のチューブ100に対する吸着部32による吸着を開始する。すなわち、付与部14が最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与した状態で、最下段のチューブ100に対する吸着部32による吸着を開始する。
次に、移動機構40のシリンダ41がロッド41Aを伸長させることで、図8に示されるように、錘60を上方位置に移動させる。これにより、錘60が最上段のチューブ100から退避する。
次に、錘60が上方位置に位置する状態で、移動機構39(図2参照)が、図9に示されるように、吸着部32を取出位置に移動させる。すなわち、錘60が最上段のチューブ100から退避した状態で、移動機構39(図2参照)が吸着部32を降下させて取出位置に移動させる。これにより、最下段のチューブ100が、取出口25Aを通じて収容部20の下へ取出される。なお、最下段のチューブ100は、X方向中央部が吸着部32に吸着され、取出口25Aを通過する際に、X方向中央部で-Z方向(下方)へ凸になるように変形する。
(置き工程)
置き工程では、取出工程において取出口25Aから収容部20の下へ取出したチューブ100を+Y方向(側方)へ移動させ、吸着部32による吸着を解除して、台15に置く。具体的には、置き工程は以下のように行われる。
置き工程では、まず、移動機構39(図2参照)が、チューブ100を吸着した状態の吸着部32を置き位置に移動させる(図1参照)。次に、吸引部36(図2参照)の作動を停止し、最下段のチューブ100に対する吸着部32の吸着を解除する。
次に、移動機構39(図2参照)が、図10に示されるように、吸着部32を降下位置に移動させる。これにより、収容部20から取り出された最下段のチューブ100が、台15に置かれる。なお、台15に置かれたチューブ100は、図11に示されるように、切欠部15Aに対する+X方向側及び-X方向の台15の上面にまたがった状態で、台15上に置かれる。
(位置決工程)
位置決工程では、置き工程において台15に置かれたチューブ100を、搬送部70がチューブ100を保持する保持位置に位置決めする。具体的には、位置決工程は以下のように行われる。
位置決工程では、台15上に置かれたチューブ100は、図12に示されるように、-X方向へ移動する一対の位置決部材52によって-X方向側に押され、且つ、-Y方向へ移動する位置決部材51によって-Y方向側に押される。これにより、吸着ヘッド72による予め定められた保持位置に位置決めされる。
以上のように、収容工程、取出工程、置き工程、及び位置決工程を経て取り出されたチューブ100は、吸着ヘッド72(図1参照)の吸着面72Aに吸着されることで、吸着ヘッド72に保持される。そして、移動部79が吸着ヘッド72を移動させることで、吸着ヘッド72に保持されたチューブ100が搬送されて、後処理装置へ供給される。
(本実施形態の作用)
本実施形態では、前述のように、収容部20の底壁25の上に積み重ねられたチューブ100のうち、最下段のチューブ100が、当該チューブ100のX方向幅よりもX方向幅が狭くされた取出口25Aを通じて取り出される。
これにより、最下段のチューブ100は変形して取出口25Aを通過するが、最下段の1つ上の段のチューブ100の下面が、底壁25の取出口25Aに対する-X方向側部分と+X方向側部分によって支持される。すなわち、最下段の1つ上の段のチューブ100における-Z方向(下方)の移動が、チューブ100の下面が底壁25に支持されることで、制限される。
このため、最下段の1つ上の段のチューブ100を側壁に押し当てた状態で、最下段のチューブ100を取出す構成(比較例1)に比べ、収容部20から複数のチューブ100が一度に取出されることが抑制される。すなわち、比較例1に比べ、取出部13による1回の取出し動作において、収容部20から複数のチューブ100が取出されることが抑制される。
また、本実施形態では、取出口25AのY方向長さが、チューブ100のY方向長さ(軸方向長さ)よりも長くされている。このため、取出口25AのY方向長さが、チューブ100のY方向長さ(軸方向長さ)以下である構成(比較例2)に比べ、チューブ100を、取出口25Aを通じて取り出した際に、チューブ100の軸方向端部が底壁25に接触しにくい。したがって、比較例2に比べ、チューブ100を、取出口25Aを通じて取り出した際に、チューブ100に傷が入ることが抑制される。
また、本実施形態では、付与部14が最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与した状態で、最下段のチューブ100に対する吸着部32による吸着を開始する。このため、チューブ100に作用する下向きの荷重がチューブ100の自重のみである構成(比較例3)に比べ、吸着部32の吸着面34Aに最下段のチューブ100が押し付けられる。したがって、比較例3に比べ、吸着部32の吸着不良が抑制される。
また、付与部14は、具体的には、錘60の自重によりチューブ100を下側へ押し、最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与する。ここで、付与部14が錘60の自重以外の外力をチューブ100に加えてチューブ100を下側へ押す構成(比較例4)の場合では、積み重なったチューブ100の高さが変化すると、チューブ100へ作用する下向きの荷重が変化する場合がある。例えば、圧縮ばねを用いてチューブ100を下側へ押す場合では、積み重なったチューブ100の高さが低くなって、圧縮ばねの圧縮量が減少すると、チューブ100へ作用する下向きの荷重が小さくなる。
これに対して、本実施形態では、錘60の自重により最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与するので、比較例4に比べ、積み重なったチューブ100の高さが変化しても、チューブ100に作用する下向きの荷重が変化しにくい。
また、本実施形態では、錘60が最上段のチューブ100から退避した状態で、吸着部32を降下させて、最下段のチューブ100を、取出口25Aを通じて収容部20の下へ取出す。ここで、付与部14が最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与した状態で、最下段のチューブ100を、取出口25Aを通じて収容部20の下へ取出す場合(比較例5)では、最下段のチューブ100が、最下段の1つ上の段のチューブ100と底壁25との間で挟さまれ、移動抵抗を受ける。
これに対して、本実施形態では、錘60が最上段のチューブ100から退避した状態で、最下段のチューブ100が収容部20の下へ取出されるので、比較例5に比べ、最上段のチューブ100が移動抵抗を受けず、最上段のチューブ100の取出し不良が抑制される。
また、本実施形態では、収容部20から取り出された最下段のチューブ100を、吸着部32は台15に置く。ここで、収容部20から取出したチューブ100を吸着部32から吸着ヘッド72へ直接受け渡す場合(比較例6)では、吸着ヘッド72の保持位置に吸着部32が待機する必要があるため、すぐに吸着部32が吸着位置に戻れない。したがって、単位時間当たりに収容部20から取出されるチューブ100の取出し数が少なくなる。
これに対して、本実施形態では、収容部20から取り出された最下段のチューブ100が台15に置かれるので、比較例6に比べ、吸着部32はすぐに吸着位置に戻れる。このため、比較例6に比べ、単位時間当たりに収容部20から取出されるチューブ100の取出し数が多くなる。
また、本実施形態では、位置決部材51及び位置決部材52によって、チューブ100をY方向及びX方向に位置決めすることで、吸着ヘッド72がチューブ100を保持する保持位置に、チューブ100を位置決めする。このため、吸着部32がチューブ100を台15に置いた位置にそのままチューブ100を位置させる場合に比べ、吸着ヘッド72によるチューブ100の保持不良が抑制される。
(変形例)
供給装置10は、収容部20内の最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与する付与部14を有していたが、付与部14を有さない構成であってもよい。この場合では、チューブ100の自重が、チューブ100に対して下向きの荷重として作用する。
付与部14は、錘60の自重により、最上段のチューブ100を下側へ押していたが、これに限られない。例えば、付与部14としては、バネ等の弾性部材の弾性力を用いて、最上段のチューブ100を下側へ押す構成であってもよい。また、付与部14としては、例えば、風圧により最上段のチューブ100を下側へ押す構成であってもよい。
取出口25AのY方向長さは、底壁25の上に積み重ねられた状態のチューブ100のY方向長さ(チューブ100の軸方向長さ)よりも長くされていたが、これに限られない。例えば、取出口25AのY方向長さは、チューブ100のY方向長さ(チューブ100の軸方向長さ)以下の長さであってもよい。
本実施形態では、錘60が最上段のチューブ100から退避した状態で、吸着部32を降下させて、最下段のチューブ100を、取出口25Aを通じて収容部20の下へ取出していたが、これに限られない。例えば、付与部14が最上段のチューブ100に対して下向きの荷重を付与した状態で、最下段のチューブ100を、取出口25Aを通じて収容部20の下へ取出してもよい。
本実施形態では、収容部20から取り出された最下段のチューブ100を、吸着部32が台15に置いていたが、これに限られない。例えば、収容部20から取出したチューブ100を吸着部32から吸着ヘッド72へ直接受け渡す構成であってもよい。
本実施形態では、位置決部材51及び位置決部材52によって、吸着ヘッド72がチューブ100を保持する保持位置にチューブ100を位置決めしていたが、これに限られない。例えば、吸着部32がチューブ100を台15に置いた位置にそのままチューブ100を位置させて、該チューブ100を吸着ヘッド72が保持する構成であってもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。