以下、図面を参照しながら、X線CT装置及び医用画像診断装置の実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係る医用画像診断装置は、架台装置に、架台装置の内部の空気をその外部に排気するための送風機(ファン)を備えることが可能な装置である。医用画像診断装置としては、X線CT装置、MRI装置、及び核医学診断装置等が挙げられる。以下、医用画像診断装置がX線CT装置である場合について説明する。
なお、X線CT装置によるデータ収集方式には、X線源とX線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転(R-R:Rotate/Rotate)方式や、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(S-R:Stationary/Rotate)方式等の様々な方式がある。いずれの方式でも本発明を適用可能である。以下、実施形態に係るX線CT装置では、現在、主流を占めている第3世代の回転/回転方式を採用する場合を例にとって説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置の一例であるX線CT装置の構成を示す概略図である。
図1は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置の一例であるX線CT装置1を示す。X線CT装置1は、架台装置10、寝台装置30、及びコンソール装置40を備える。架台装置10及び寝台装置30は、検査室に設置される。架台装置10は、寝台装置30に載置された被検体(例えば、患者)Pに関するX線の検出データを収集する。図1において、説明の便宜上、架台装置10を左側の上下に複数描画しているが、実際の構成としては、架台装置10は1つである。一方、コンソール装置40は、検査室に隣接する制御室に設置され、多方向の検出データに基づいて多方向の投影データを生成し、多方向の投影データに基づいてCT画像を再構成して表示する。
架台装置10は、X線源(例えば、X線管)11、X線検出器12、回転部(例えば、回転フレーム)13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)18、排気ユニット19(図2に図示)、熱交換器20、操作パネル21(図3に図示)、及び位置センサ22(図3に図示)を備える。架台装置10は、固定部(図示省略)及び回転フレーム13を設け、固定部に、排気ユニット19、熱交換器20、操作パネル21、及び位置センサ22を備える一方、回転フレーム13に、X線管11、X線検出器12、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17、及びDAS18を備える。また、架台装置10は、架台部の一例である。
X線管11は、回転フレーム13に備えられる。X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。なお、実施形態においては、一管球型のX線CT装置にも、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置にも適用可能である。
なお、X線を発生させるX線源は、X線管11に限定されるものではない。例えば、X線管11に替えて、電子銃から発生した電子ビームを収束させるフォーカスコイル、電磁偏向させる偏向コイル、患者Pの半周を囲い偏向した電子ビームが衝突することによってX線を発生させるターゲットリングを含む第5世代方式によりX線を発生させてもよい。
X線検出器12は、X線管11に対向するように回転フレーム13に備えられる。X線検出器12は、X線管11から照射されたX線を検出し、X線量に対応した検出データを電気信号としてDAS18に出力する。X線検出器12は、例えば、X線管の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
また、X線検出器12は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。
なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。また、X線検出器12は、X線検出部の一例である。
回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12を対向支持する。回転フレーム13は、後述する制御装置15による制御の下、X線管11及びX線検出器12を一体として回転させる円環状のフレームである。なお、回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やDAS18を更に備えて支持する場合もある。また、回転フレーム13は、回転部の一例である。
このように、X線CT装置1は、X線管11とX線検出器12とを対向させて支持する回転フレーム13を患者Pの周りに回転させることで、患者Pの周囲一周分、即ち、患者Pの360°分の検出データを収集する。なお、CT画像の再構成方式は、360°分の検出データを用いるフルスキャン再構成方式には限定されない。例えば、X線CT装置1は、半周(180°)+ファン角度分の検出データに基づいてCT画像を再構成するハーフ再構成方式を採ってもよい。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有する。X線高電圧装置14は、後述する制御装置15による制御の下、X線管11に印加する高電圧を発生する機能を有する高電圧発生装置(図示省略)と、後述する制御装置15による制御の下、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置(図示省略)を有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、後述する回転フレーム13に設けられても構わないし、架台装置10の固定部に設けられても構わない。なお、図1において、説明の便宜上、X線高電圧装置14が、X線管11に対してx軸の正方向の位置に配置されているが、実際の構成としては、X線管11に対してx軸の負方向の位置に配置される。
制御装置15は、プロセッサ及びメモリと、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路及びメモリの構成については、後述するコンソール装置40の処理回路44及びメモリ41と同等であるので説明を省略する。
制御装置15は、コンソール装置40又は架台装置10に取り付けられた入力インターフェース(図示省略)からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。なお、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
また、制御装置15は、コンソール装置40や架台装置10に取り付けられた入力インターフェースから入力された撮像条件に基づいて、X線管11の角度や、後述するウェッジ16及びコリメータ17の動作を制御する。
ウェッジ16は、X線管11のX線出射側に配置されるように回転フレーム13に備えられる。ウェッジ16は、制御装置15による制御の下、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から患者Pに照射されるX線が予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16(ウェッジフィルタ(Wedge Filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、絞り又はスリットとも呼ばれ、X線管11のX線出射側に配置されるように回転フレーム13に備えられる。コリメータ17は、制御装置15による制御の下、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組合せによってX線の照射開口を形成する。
DAS18は、回転フレーム13に備えられる。DAS18は、制御装置15による制御の下、X線検出器12の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、制御装置15による制御の下、電気信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog to Digital)変換器とを有し、増幅及びデジタル変換後の検出データを生成する。DAS18によって生成された検出データは、コンソール装置40に転送される。
ここで、DAS18によって生成された検出データは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分(例えば図示しない固定部フレーム)に設けられたフォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。また、図示しない固定部は回転フレーム13を回転可能に支持するフレームである。
排気ユニット19(図2に図示)は、架台装置10内部の空気を外部に排気する。なお、排気ユニット19の構成については、図2等を用いて後述する。
熱交換器20(図2に図示)は、回転フレーム13と、架台装置10の各ユニットを冷却する冷却用オイル等の熱媒体との間で熱交換を行う。なお、熱交換器20の構成については、図2等を用いて後述する。
操作パネル21(図3に図示)は、患者Pを撮像するための条件を入力するためのものである。なお、操作パネル21の構成については、図3等を用いて後述する。
位置センサ22(図3に図示)は、検査室内の移動体、例えば操作者Q(図3に図示)を検知して操作者Qの位置情報を計測する。なお、位置センサ22の構成については、図3等を用いて後述する。
寝台装置30は、基台31、寝台駆動装置32、天板33及び支持フレーム34を備える。寝台装置30は、スキャン対象の患者Pを載置し、制御装置15による制御の下、患者Pを移動させる装置である。
基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(y軸方向)に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向(z軸方向)に移動するモータ或いはアクチュエータである。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、患者Pを載置可能な形状を有する板である。
なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向(z軸方向)に移動してもよい。また、寝台駆動装置32は、寝台装置30の基台31ごと移動させてもよい。本発明を立位CTに応用する場合、天板33に相当する患者移動機構を移動する方式であってもよい。また、ヘリカルスキャン撮影や位置決め等のためのスキャノ撮影等、架台装置10の撮像系と天板33の位置関係の相対的な変更を伴う撮影を実行する場合は、当該位置関係の相対的な変更は天板33の駆動によって行われてもよいし、架台装置10の固定部の走行によって行われてもよく、またそれらの複合によって行われてもよい。
なお、実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をz軸方向、z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をx軸方向、z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をy軸方向とそれぞれ定義するものとする。
コンソール装置40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インターフェース43、及び処理回路44を備える。なお、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。また、以下の説明では、コンソール装置40が単一のコンソールで全ての機能を実行するものとするが、これらの機能は、複数のコンソールが実行してもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等であって、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含む構成を有する。
X線CT装置1によって生成された検出データや、後述する投影データ及び再構成画像データは、メモリ41に記憶されてもよい。また、X線CT装置1によって生成された検出データ、投影データ、及び再構成画像データは、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介してX線CT装置1に接続可能な画像サーバ等の外部記憶装置に記憶されてもよい。同様に、メモリ41の記録媒体内のプログラム及びデータの一部又は全部は、ネットワークを介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスク等の可搬型記憶媒体を介してメモリ41に与えられてもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等である。また、ディスプレイ42は、表示部の一例である。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしてもよい。
入力インターフェース43は、操作者Qによって操作が可能な入力デバイスからの信号を入力する回路と、入力デバイスとを含む。入力デバイスは、トラックボール、スイッチ、マウス、キーボード、走査面に触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。操作者Qにより入力デバイスが操作されると、入力インターフェース43はその操作に応じた入力信号を生成して処理回路44に出力する。また、入力インターフェース43は、入力部の一例である。また、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしてもよい。
処理回路44は、メモリ41に記憶されたプログラムを読み出して実行することによりX線CT装置1の全体の動作を制御するプロセッサである。処理回路44は、DAS18から出力された検出データに対して補正処理等の前処理を実行して投影データを生成する。また、処理回路44は、投影データを再構成処理して、アキシャル断層のCT画像データを生成する。更に、処理回路44は、CT画像データに基づいてボリュームデータを生成することで、任意断層(MPR:Multi-Planar Reconstruction)の画像データや、任意方向から見た投影画像データをCT画像データとして生成する。ボリュームデータは、3次元空間におけるCT値の分布情報を有するデータである。投影画像データは、ボリュームデータをボリュームレンダリング処理したり、サーフィスレンダリング処理したりすることで得られる。
続いて、X線CT装置1に備えられる架台装置10の構成について具体的に説明する。
図2は、X線CT装置1に備えられる架台装置10の内部構造を示す横断面図である。
図2に示すように、架台装置10は、X線管11、回転フレーム13、X線高電圧装置14、排気ユニット19、及び熱交換器20を備える。また、図2において、X線検出器12等の図示は省略される。図2に示す架台装置10は、回転フレーム13のホームポジション、つまり、スキャン外で回転フレーム13の回転が停止された状態を示す。ホームポジションでは、X線管11が略真上の位置となるように回転フレーム13の回転が停止される。なお、ホームポジションにおけるX線管11は、架台装置10を正面(図2に図示する面)側から見て真上ではなく、真上から反時計周りに少しずれている場合がある。
排気ユニット19は、第1排気ユニット51と、第2排気ユニット52とを備える。2個の排気ユニット51,52はそれぞれ、架台装置10の外周の架台カバー(固定部)に支持され、回転フレーム13のホームポジションにおいて発熱源に近い位置に設けられる。排気ユニット19は、X線管11及び熱交換器20を冷却するために設けられる。
この場合、第1排気ユニット51は、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20に近い位置に設けられる一方、第2排気ユニット52は、回転フレーム13のホームポジションにおいてX線高電圧装置14に近い位置に設けられる。つまり、第2排気ユニット52は、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20から遠い位置に設けられる。
なお、図2には、排気ユニット19は、分離した2個の排気口に対して2個の排気ユニット51,52がそれぞれ設けられる場合を図示するが、その場合に限定されるものではない。例えば、排気ユニット19は、架台装置10の最上部に設けられるアーチ状の1個の排気口に対して2個の排気ユニットを一体として設けてもよい。
X線高電圧装置14は、回転フレーム13に備えられる。
ここで、2個の排気ユニット51,52はそれぞれ、1個のファンを設ける。第1排気ユニット51のファンは、熱交換器20の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する一方で、第2排気ユニット52のファンは、X線高電圧装置14の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する。このように、架台装置10は、流れVに従って、下部において外部から内部に吸気した空気を上部から排気するように構成される。
図3は、X線CT装置1に備えられる架台装置10の外観を示す正面図である。
図3に示すように、架台装置10は、操作パネル21及び位置センサ22を備える。また、架台装置10は、回転フレームの回転中心を中心とするボアBを形成する。ボアBに対して天板33に載置された患者Pが進退される。
操作パネル21は、架台装置10の外周カバーに設けられる。操作パネル21は、例えば、タッチパネルによって構成され、患者Pを撮像するための条件を操作者Qが入力するためのものである。
位置センサ22は、検査室内の移動体、例えば操作者Qを検知して、操作者Qの位置情報を計測する。第1に、位置センサ22は、操作パネル21の前面に配置される人感センサであり、一定の範囲内、例えば、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居るか否かを示す情報を位置情報として計測する。人感センサとは、一定の範囲内に対する移動体の所在を検知するためのセンサである。人感センサとしては、赤外線、超音波、可視光、及び音声認識等が用いられる。また、赤外線と超音波とを組み合わせることもできる。
第2に、位置センサ22は、操作パネル21の前面、又は、検査室内に配置され、操作者Qの位置情報を3次元位置情報(x,y,z)として計測する。例えば、位置センサ22は、kinect(登録商標)である。kinectは、RGB(Red Green Blue)カメラ、深度センサ、マルチアレイマイクロフォン、及び専用ソフトウェアを動作させるプロセッサを内蔵したセンサであり、検査室内に居る操作者Qの3次元位置情報等を認識する。なお、操作者Qにビーコンセンサを付帯させ、ビーコンセンサの位置情報を人間の3次元位置情報として計測する技術や、GPS(Global Positioning System)により操作者Qの3次元位置情報を計測する技術も採用され得る。また、3次元位置情報のうち高さ情報、つまり、Z軸座標の収集は必須ではない。以下、特に言及する場合を除き、位置センサ22が、操作パネル21の前面に配置される人感センサである場合を例とって説明する。
続いて、X線CT装置1の機能について具体的に説明する。
図4は、X線CT装置1の機能を示すブロック図である。
架台装置10の制御装置15のプロセッサがプログラムを実行することによって、制御装置15は、位置情報取得機能61及び制御機能62を実現する。なお、機能61,62がソフトウェア的に機能する場合を例に挙げて説明するが、機能61,62の全部又は一部は、制御装置15にASIC等のハードウェアとして設けられるものであってもよい。また、処理回路44のプロセッサがプログラムを実行することによって、機能61,62を実現してもよい。
位置情報取得機能61は、位置センサ22によって計測された操作者Qの位置情報を取得する機能である。また、位置情報取得機能61は、位置情報取得部の一例である。
制御機能62は、位置情報取得機能61によって取得された操作者Qの位置情報に基づいて、第1排気ユニット51のファンと、第2排気ユニット52のファンとの回転数又は回転方向を制御する機能である。また、制御機能62は、制御部の一例である。
続いて、X線CT装置1の動作について具体的に説明する。
図5は、X線CT装置1の動作をフローチャートとして示す図である。図5において、「ST」に数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
X線CT装置1の位置情報取得機能61は、排気ユニット19の制御を開始する(ステップST1)。例えば、位置情報取得機能61は、スキャン終了後に回転フレーム13の回転が停止し、回転フレーム13がホームポジションで停止した後で、排気ユニット19の制御を開始する。
位置情報取得機能61は、ステップST1によって排気ユニット19の制御を開始すると、位置センサ22から操作者Qの位置情報を取得する(ステップST2)。制御機能62は、ステップST2によって取得された操作者Qの位置情報に基づいて、操作パネル21の位置を基準とした一定の範囲内に操作者Qが居るか否か、つまり、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居るか否かを判断する(ステップST3)。なお、位置センサ22が操作者Qの3次元位置情報を計測するセンサである場合、制御機能62は、ステップST2によって取得された操作者Qの3次元位置情報と、予め設定された一定の範囲、例えば、操作パネル21の前面付近の範囲とを比較することで、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居るか否かを判断する。
ステップST3の判断にてYES、つまり、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ると判断された場合、制御機能62は、第1排気ユニット51のファンの回転数が、第2排気ユニット52のファンの回転数より小さくなるように排気ユニット19を制御する(ステップST4)。
図6(A)は、X線CT装置1において、ファンの回転数が異なる場合の排気量を模式的に示す横断面図である。
図6(A)に示すように、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ると判断された場合、ノイズ低減のため、操作者Qに近い第1排気ユニット51のファンの回転数が、第2排気ユニット52のファンの回転数より小さくなる。このようなファンの回転数の制御によりユニット51,52個々の排気量を制御することで、ユニット51,52全体の排気量を低減させることなく、操作者Qに近い第1のユニット51の排気量を抑えることができる。即ち、操作者Qに近い第1のユニット51のファンの回転音や、第1のユニット51の排気音に起因するノイズを低減することができる。
図5の説明に戻って、制御機能62は、ステップST1によって開始された排気ユニット19の制御を終了するか否かを判断する(ステップST5)。例えば、制御機能62は、次のスキャンの実行指示があると、排気ユニット19の制御を終了すると判断する。ステップST5の判断にてYES、つまり、排気ユニット19の制御を終了すると判断された場合、排気ユニット19の制御を終了する。
一方、ステップST5の判断にてNO、つまり、排気ユニットの制御を終了しないと判断された場合、位置情報取得機能61は、次のタイミングにおいて、位置センサ22から操作者Qの位置情報を取得する(ステップST2)。
また、ステップST3の判断にてNO、つまり、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ないと判断された場合、制御機能62は、通常運転、つまり、第1排気ユニット51のファンの回転数が、第2排気ユニット52のファンの回転数と同等になるように排気ユニット19を制御する(ステップST6)。
図6(B)は、X線CT装置1において、ファンの回転数が同等である場合の排気量を模式的に示す横断面図である。
図6(B)に示すように、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ないと判断された場合、第1排気ユニット51のファンの回転数が、第2排気ユニット52のファンの回転数と同等となる。つまり、第1排気ユニット51の排気量と、第2排気ユニット52の排気量とが同等となる。
このように、X線CT装置1は、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居るか否かで、操作者Qに近い第1排気ユニット51のファンと、操作者Qから遠い第2排気ユニット52のファンとで回転数を変えるものである。
以上のように、X線CT装置1によれば、操作者Qに近いファンを認識して当該ファンの回転音や排気音を低減させることで、操作者Qが発する音声に対するノイズを低減させることができる。これにより、操作パネル21を操作する操作者Qと、天板33に載置された患者Pとの会話が容易になる。
(第1の変形例)
図2に示す例では、2個の排気ユニット51,52がそれぞれ1個のファンを設ける例について説明したが、その場合に限定されるものではない。2個の排気ユニット51,52はそれぞれ、架台装置10の架台カバーの外周方向に沿って複数のファンを配列してもよい。以下、架台装置10の架台カバーの外周方向に沿って複数のファンを設けたX線CT装置1Aについて説明する。
図7は、図2の第1の変形例を示し、X線CT装置1Aに備えられる架台装置10の内部構造を示す横断面図である。
図7に示すように、架台装置10は、X線管11、回転フレーム13、X線高電圧装置14、排気ユニット19A、及び熱交換器20を備える。また、図7において、X線検出器12等の図示は省略される。図7に示す架台装置10は、回転フレーム13のホームポジションの状態を示す。なお、図7において、図2と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
排気ユニット19Aは、第1排気ユニット51Aと、第2排気ユニット52Aとを備える。2個の排気ユニット51A,52Aはそれぞれ、架台装置10の外周の架台カバー(固定部)に支持され、回転フレーム13のホームポジションにおいて発熱源に近い位置に設けられる。
この場合、第1排気ユニット51Aは、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20に近い位置に設けられる一方、第2排気ユニット52Aは、回転フレーム13のホームポジションにおいてX線高電圧装置14に近い位置に設けられる。つまり、第2排気ユニット52Aは、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20から遠い位置に設けられる。
ここで、2個の排気ユニット51A,52Aはそれぞれ、架台カバーの外周方向に沿って複数、例えば2個のファンを設ける。第1排気ユニット51Aの2個のファンは、熱交換器20の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する一方で、第2排気ユニット52Aの2個のファンは、X線高電圧装置14の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する。このように、架台装置10は、流れVに従って、下部において外部から内部に吸気した空気を上部から排気するように構成される。
なお、X線CT装置1Aの機能については、図4で説明したので省略する。また、X線CT装置1Aの動作については、図5で説明したので省略する。第1の変形例では、制御機能62は、ステップST4において、第1排気ユニット51Aの排気量を小さくする場合、第1排気ユニット51Aの2個のファンの回転数を小さくすることもできるし、2個のファンのうち1個のファンのみの回転数を小さくすることもできるし、2個のファンのうち1個のファンのみの回転数をゼロにすることもできる。一方で、第1の変形例では、制御機能62は、ステップST4において、第2排気ユニット52Aの排気量を大きくする場合、第2排気ユニット52Aの2個のファンの回転数を大きくすることもできるし、2個のファンのうち1個のファンのみの回転数を大きくすることもできる。
以上のように、X線CT装置1Aによれば、操作者Qに近いファンを認識して当該ファンの回転音や排気音を低減させることで、操作者Qが発する音声に対するノイズを低減させることができる。これにより、操作パネル21を操作する操作者Qと、天板33に載置された患者Pとの会話が容易になる。
(第2の変形例)
図2に示す例では、2個の排気ユニット51,52がそれぞれ1個のファンを設ける例について説明したが、その場合に限定されるものではない。2個の排気ユニット51,52はそれぞれ、排気方向に沿って複数段のファンを配列してもよい。以下、排気方向に沿って複数段のファンを設けたX線CT装置1Bについて説明する。
図8は、図2の第2の変形例を示し、X線CT装置1Bに備えられる架台装置10の内部構造を示す横断面図である。
図8に示すように、架台装置10は、X線管11、回転フレーム13、X線高電圧装置14、排気ユニット19B、及び熱交換器20を備える。また、図8において、X線検出器12等の図示は省略される。図8に示す架台装置10は、回転フレーム13のホームポジションの状態を示す。なお、図8において、図2と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
排気ユニット19Bは、第1排気ユニット51Bと、第2排気ユニット52Bとを備える。2個の排気ユニット51B,52Bはそれぞれ、架台装置10の外周の架台カバー(固定部)に支持され、回転フレーム13のホームポジションにおいて発熱源に近い位置に設けられる。
この場合、第1排気ユニット51Bは、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20に近い位置に設けられる一方、第2排気ユニット52Bは、回転フレーム13のホームポジションにおいてX線高電圧装置14に近い位置に設けられる。つまり、第2排気ユニット52Bは、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20から遠い位置に設けられる。
ここで、2個の排気ユニット51B,52Bはそれぞれ、排気方向に沿って複数段、例えば2段のファン(3個のファン)を設ける。第1排気ユニット51Bの3個のファンは、熱交換器20の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する一方で、第2排気ユニット52Bの3個のファンは、X線高電圧装置14の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する。このように、架台装置10は、流れVに従って、下部において外部から内部に吸気した空気を上部から排気するように構成される。
なお、X線CT装置1Bの機能については、図4で説明したので省略する。また、X線CT装置1Bの動作については、図5で説明したので省略する。第2の変形例では、制御機能62は、ステップST4において、第1排気ユニット51Bの排気量を小さくする場合、第1排気ユニット51Bの3個のファンの回転数を小さくすることもできるし、3個のファンのうち1個又は2個のファンのみの回転数を小さくすることもできるし、3個のファンのうち1個又は2個のファンのみの回転数をゼロにすることもできる。一方で、第2の変形例では、制御機能62は、ステップST4において、第2排気ユニット52Bの排気量を大きくする場合、第2排気ユニット52Bの3個のファンの回転数を大きくすることもできるし、3個のファンのうち1個又は2個のファンのみの回転数を大きくすることもできる。
以上のように、X線CT装置1Bによれば、操作者Qに近いファンを認識して当該ファンの回転音や排気音を低減させることで、操作者Qが発する音声に対するノイズを低減させることができる。これにより、操作パネル21を操作する操作者Qと、天板33に載置された患者Pとの会話が容易になる。
(第3の変形例)
図2に示す例では、2個の排気ユニット51,52がそれぞれ1個のファンを設ける例について説明したが、その場合に限定されるものではない。2個の排気ユニット51,52はそれぞれ、排気方向に沿って複数段のファンを配列してもよい。以下、外周方向に沿って複数のファンを設け、かつ、排気方向に沿って複数段のファンを設けたX線CT装置1Cについて説明する。
図9は、図2の第3の変形例を示し、X線CT装置1Cに備えられる架台装置10の内部構造を示す横断面図である。
図9に示すように、架台装置10は、X線管11、回転フレーム13、X線高電圧装置14、排気ユニット19C、及び熱交換器20を備える。また、図9において、X線検出器12等の図示は省略される。図9に示す架台装置10は、回転フレーム13のホームポジションの状態を示す。なお、図9において、図2と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
排気ユニット19Cは、第1排気ユニット51Cと、第2排気ユニット52Cとを備える。2個の排気ユニット51C,52Cはそれぞれ、架台装置10の外周の架台カバー(固定部)に支持され、回転フレーム13のホームポジションにおいて発熱源に近い位置に設けられる。
この場合、第1排気ユニット51Cは、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20に近い位置に設けられる一方、第2排気ユニット52Cは、回転フレーム13のホームポジションにおいてX線高電圧装置14に近い位置に設けられる。つまり、第2排気ユニット52Cは、回転フレーム13のホームポジションにおいて熱交換器20から遠い位置に設けられる。
ここで、2個の排気ユニット51C,52Cはそれぞれ、架台装置10の架台カバーの外周方向に沿って複数、例えば2個のファンを設け、かつ、排気方向に沿って複数段、例えば2段のファン(外側の2個のファン及び内側の2個のファン)を設ける。ここで、外側のファンは、正転することにより架台装置10の内部の空気を外側に排気するためのものである。内側のファンは、反転することにより架台装置10の内部の空気を外側に排気すると共に、反転することにより外側のファンの振動を吸収するものである。つまり、外側のファンを構成する羽根の向きと、内側のファンを構成する羽根の向きとは逆向きである。なお、内側のファンとして、発熱源としてのX線高電圧装置14の備えられるファンや、熱交換器20に備えられるファンを代用してもよい。
第1排気ユニット51Cのファンは、熱交換器20の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する一方で、第2排気ユニット52Cのファンは、X線高電圧装置14の周囲の空気を架台装置10の外部に排気する。このように、架台装置10は、流れVに従って、下部において外部から内部に吸気した空気を上部から排気するように構成される。
なお、X線CT装置1Cの機能については、図4で説明したので省略する。続いて、X線CT装置1Cの動作について具体的に説明する。
図10は、X線CT装置1Cの動作をフローチャートとして示す図である。図10において、「ST」に数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。なお、図10において、図5と同一ステップには同一符号を付して説明を省略する。
ステップST3の判断にてYES、つまり、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ると判断された場合、制御機能62は、(1)排気ユニット51C,52Cの外側のファンを正転させ、(2)第1排気ユニット51Cの内側のファンを反転させ、(3)第2排気ユニット52Cのファンを停止させるように排気ユニット19Cを制御する(ステップST14)。
図11(A)は、X線CT装置1Cにおいて、内側のファンの回転方向が異なる場合の排気量を模式的に示す横断面図である。
図11(A)に示すように、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ると判断された場合、ノイズ低減のため、操作者Qに近い第1排気ユニット51Cの内側のファンを反転させる。このようなファンの回転方向の制御により、操作者Qに近い第1のユニット51Cの振動に起因するノイズを抑えることができる。
図10の説明に戻って、ステップST3の判断にてNO、つまり、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ないと判断された場合、制御機能62は、通常運転、つまり、(1)排気ユニット51C,52Cの外側のファンを正転させ、(2)排気ユニット51C,52Cの内側のファンを停止させるように排気ユニット19Cを制御する(ステップST16)。つまり、ステップST14とステップST16との違いは、操作者Qに近い第1排気ユニット19Cの内側のファンを反転させるか、停止させるかの違いである。
図11(B)は、X線CT装置1Cにおいて、内側のファンの回転が停止されている場合の排気量を模式的に示す横断面図である。
図11(B)に示すように、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居ないと判断された場合、排気ユニット51C,52Cの内側のファンが停止される。つまり、第1排気ユニット51Cの排気量と、第2排気ユニット52Cの排気量とが同等となる。
このように、X線CT装置1Cは、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居るか否かで、操作者Qに近い第1排気ユニット51Cの内側のファンと、操作者Qから遠い第2排気ユニット52Cの内側のファンとで、反転/停止を変えるものである。
以上のように、X線CT装置1Cによれば、操作者Qに近い第1排気ユニット51Cを認識し、第1排気ユニット51Cにおける内側のファンの反転により外側のファンの正転による振動を低減させることで、操作者Qが発する音声に対するノイズを低減させることができる。これにより、操作パネル21を操作する操作者Qと、天板33に載置された患者Pとの会話が容易になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る医用画像診断装置の一例としてのX線CT装置1Dの構成は、図1に示すX線CT装置1の構成と同等であるので説明を省略する。
続いて、X線CT装置1Dの機能について具体的に説明する。
図12は、X線CT装置1Dの機能を示すブロック図である。
架台装置10の制御装置15のプロセッサがプログラムを実行することによって、制御装置15は、位置情報取得機能61及び制御機能62Dを実現する。なお、機能61,62Dがソフトウェア的に機能する場合を例に挙げて説明するが、機能61,62Dの全部又は一部は、制御装置15にASIC等のハードウェアとして設けられるものであってもよい。また、処理回路44のプロセッサがプログラムを実行することによって、機能61,62Dを実現してもよい。
なお、図12において、図4に示す部材と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
排気ユニット19Dは、排気口位置変更装置53と、発熱源に設けられるファンとを備える。排気口位置変更装置53は、架台装置10の上部の排気口D(図14に図示)の位置を、架台カバーの外周に沿って変更する機構である。排気口位置変更装置53としては、積層構造や、伸縮(蛇腹)構造や、ルーバー構造等を採用することができる。排気口位置変更装置53が積層構造である場合、排気口位置変更装置53は、架台装置10の上部の外周方向に沿って複数の積層板を備え、複数の積層板が互いにスライド可能な構成である。以下、排気口位置変更装置53が積層構造である場合について説明する。
排気口位置変更装置53が積層構造である場合、排気口位置変更装置53第1の側に対応する複数の積層板と、第2の側に対応する複数の積層板とを備える(図14に図示)。そして、第1の側に対応する複数の積層板と、第2の側に対応する複数の積層板との間に排気口Dが設けられる。
発熱源に設けられるファンとしては、例えば、X線高電圧装置14に設けられるファンや、熱交換器20に設けられるファン等が挙げられる。
制御機能62Dは、位置情報取得機能61によって取得された操作者Qの位置情報に基づいて、排気口位置変更装置53を制御して排気口の位置を制御すると共に、回転フレーム13の回転を制御して発熱源としての熱交換器20の位置を制御する機能である。また、制御機能62Dは、制御部の一例である。
続いて、X線CT装置1Dの動作について具体的に説明する。
図13は、X線CT装置1Dの動作をフローチャートとして示す図である。図13において、「ST」に数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
X線CT装置1Dの位置情報取得機能61は、排気ユニット19Dの位置の制御を開始する(ステップST21)。例えば、位置情報取得機能61は、スキャン終了後に回転フレーム13の回転が停止し、回転フレーム13がホームポジションで停止した後で、排気ユニット19Dの位置の制御を開始する。
位置情報取得機能61は、ステップST21によって排気ユニット19Dの位置の制御を開始すると、位置センサ22から操作者Qの位置情報を取得する(ステップST22)。制御機能62Dは、ステップST22によって取得された操作者Qの位置情報に基づいて、操作パネル21の位置を基準とした一定の範囲内に操作者Qが居るか否か、つまり、第1の側に操作者Qが居るか否かを判断する(ステップST23)。なお、位置センサ22が操作者Qの3次元位置情報を収集するセンサである場合、制御機能62Dは、ステップST22によって取得された操作者Qの3次元位置情報と、予め設定された一定の範囲、例えば、第1の側の範囲とを比較することで、第1の側に操作者Qが居るか否かを判断する。
ステップST23の判断にてYES、つまり、第1の側に操作者Qが居ると判断された場合、制御機能62Dは、排気口D(図14(A)に図示)の位置が第2の側となるように排気口位置変更装置53を制御すると共に、熱交換器20、つまり、ファンの位置が第2の側となるように回転フレーム13の回転を制御する(ステップST24)。
図14(A)は、X線CT装置1Dにおいて、排気口D及び熱交換器20の位置が第2の側にある状態を模式的に示す横断面図である。
図14(A)に示すように、第1の側に操作者Qが居ると判断された場合、ノイズ低減のため、排気口位置変更装置53が制御されて、第1の側に対応する複数の積層板の間隔が疎になるように第1の側に対応する複数の積層板が架台装置10の外周に沿ってスライドされる一方、第2の側に対応する複数の積層板の間隔が密になるように第2の側に対応する複数の積層板が架台装置10の外周に沿ってスライドされる。つまり、第1の側に対応する複数の積層板と、第2の側に対応する複数の積層板との間の排気口Dが第2の側に変更される。また、回転フレーム13の回転が制御されて熱交換器20の位置が第2の側に変更される。
図13の説明に戻って、制御機能62Dは、ステップST21によって開始された排気ユニット19Dの位置の制御を終了するか否かを判断する(ステップST25)。例えば、制御機能62Dは、次のスキャンの実行指示があると、排気ユニット19Dの位置の制御を終了すると判断する。ステップST25の判断にてYES、つまり、排気ユニット19Dの位置の制御を終了すると判断された場合、排気ユニット19Dの位置の制御を終了する。
一方、ステップST25の判断にてNO、つまり、排気ユニット19Dの位置の制御を終了しないと判断された場合、位置情報取得機能61は、次のタイミングにおいて、位置センサ22から操作者Qの位置情報を取得する(ステップST22)。
また、ステップST23の判断にてNO、つまり、第1の側に操作者Qが居ないと判断された場合、制御機能62Dは、ステップST22によって取得された操作者Qの位置情報に基づいて、一定の範囲内、つまり、第2の側に操作者Qが居るか否かを判断する(ステップST26)。
ステップST26の判断にてYES、つまり、第2の側に操作者Qが居ると判断された場合、制御機能62Dは、排気口Dの位置が第1の側となるように排気口位置変更装置53を制御すると共に、熱交換器20、つまり、ファンの位置が第1の側となるように回転フレーム13の回転を制御して(ステップST27)、ステップST25に進む。
図14(B)は、X線CT装置1Dにおいて、排気口D及び熱交換器20の位置が第1の側にある状態を模式的に示す横断面図である。
図14(B)に示すように、第2の側に操作者Qが居ると判断された場合、ノイズ低減のため、排気口位置変更装置53が制御されて、第1の側に対応する複数の積層板の間隔が密になるように第1の側に対応する複数の積層板が架台装置10の外周に沿ってスライドされる一方、第2の側に対応する複数の積層板の間隔が疎になるように第2の側に対応する複数の積層板が架台装置10の外周に沿ってスライドされる。つまり、第1の側に対応する複数の積層板と、第2の側に対応する複数の積層板との間の排気口Dが第1の側に変更される。また、回転フレーム13の回転が制御されて熱交換器20の位置が第1の側に変更される。
図13の説明に戻って、ステップST26の判断にてNO、つまり、第1の側にも第2の側に操作者Qが居ないと判断された場合、制御機能62Dは、排気口D及び熱交換器20の位置をそのまま維持して(ステップST28)、ステップST25に進む。
このように、X線CT装置1Dは、操作パネル21の前面付近に操作者Qが居るか否かで、排気口D及び発熱源(例えば、熱交換器20)の位置を変えるものである。
以上のように、X線CT装置1Dによれば、操作者Qの位置を認識して排気口D及び発熱源の位置を操作者Qから離れるように位置制御することで、操作者Qが発する音声に対するノイズを低減させることができる。これにより、操作パネル21を操作する操作者Qと、天板33に載置された患者Pとの会話が容易になる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、操作者が発する音声に対するノイズを低減させることできる。
なお、上記実施形態において、「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)の他、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)及びプログラマブル論理デバイス等の回路を意味するものとする。プログラマブル論理デバイスは、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。プロセッサは、記憶媒体に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
また、上記実施形態では処理回路の単一のプロセッサが各機能を実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが各機能を実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶媒体は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、1つの記憶媒体が全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
なお、位置情報取得機能61は、位置情報取得部の一例である。制御機能62,62Dは、制御部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。