JP7009196B2 - 流加培養した醸造酵母の香味特性改善方法 - Google Patents

流加培養した醸造酵母の香味特性改善方法 Download PDF

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Description

本発明は、流加培養で得られた醸造酵母の香味特性改善のための馴化技術に関する。
パン酵母の培養で一般に利用される流加培養法をビール酵母培養に適用することで、既存のビール酵母培養法である麦汁を用いた回分培養法よりも高効率で、かつ麦汁を必要としない醸造酵母の培養が可能であることが知られている(特許文献1、非特許文献1)。
一方、パン酵母の流加培養においては、通気を継続しながら培養終盤に糖供給を極度に制限し出芽率を下げることで保存耐性を改善する方法が知られている(非特許文献2および非特許文献3)。また、酵母細胞株を高濃度のグルコースを含む馴化工程に置くことにより、その酵母細胞株のグルコース耐性を高めることができることが知られている(非特許文献4)。
さらに、流加培養により得られた醸造酵母細胞液を、嫌気条件下において、糖および酵母エキスの存在下でインキュベートすることを含んでなる、醸造酵母の馴化方法が知られている(特許文献2)。
特開2015-216888号公報 特開2016-131512号公報
Hiroki Fujiwara et al., MBAA Annual Conference 2014 "Development of the Fed-batch Culture of Brewing Yeast" Master Brewers Association of the Americas Gerald Reed et al., Yeast Technology, p.283 A. H. Rose et al., The Yeast, p.387 William D. Gray, Journal of Bacteriology, vol.52, pp.703-709, 1946
しかしながら、流加培養した醸造酵母を用いてビール等の発酵をおこなった場合の初回発酵液は、発酵タンクから回収した醸造酵母(連用酵母)による発酵液と比較して、酸味および渋味が強いという特徴がみられる。このような特徴は、官能評価において酸味および渋味の不調和感として認識され、連用酵母と比較して好ましくない香味を呈している。したがって、本発明は、酸味および渋味の不調和感が抑えられた好ましい香味を呈する発酵液を生産する醸造酵母を得ることができる、醸造酵母の馴化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、流加培養により得られた醸造酵母細胞液を、糖、窒素源、ミネラル源およびビタミン源の存在下においてインキュベートするにあたり、醸造酵母細胞液中の糖濃度を0.01~50°Pの範囲内に維持するとともに、好気条件下においてインキュベートすることにより、酸味および渋味の不調和感が抑えられ、好ましい香味を呈する発酵液を生産する醸造酵母が得られることを見いだした。本発明はこの知見に基づくものである。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)醸造酵母を馴化する方法であって、醸造酵母細胞液を、好気条件下、糖、窒素源、ミネラル源およびビタミン源の存在下においてインキュベートすることを含んでなり、該醸造酵母細胞液中の糖濃度が0.01~50°Pの範囲内に維持される、方法。
(2)前記醸造酵母細胞液が好気条件下における流加培養法によって得られたものであり、かつ、前記醸造酵母細胞液の馴化開始時の細胞濃度が3×10細胞/ml以上10×10細胞/ml以下である、(1)に記載の方法。
(3)インキュベートの温度条件が、醸造酵母細胞液を調製する際の培養温度を上限とし、発酵アルコール飲料を製造する際の発酵温度よりも2℃低い温度を下限とする範囲内である、(1)または(2)に記載の方法。
(4)インキュベートの温度条件が5℃~30℃である、(1)または(2)に記載の方法。
(5)インキュベート時間が16時間以上である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記醸造酵母細胞液中の醸造酵母の細胞濃度が1.05倍以上に増加することを特徴とする、(1)~(5)のいずれかに記載の方法。
(7)(1)~(6)のいずれかに記載の方法によって馴化された、醸造酵母。
(8)発酵アルコール飲料の醸造に適した醸造酵母を製造する方法であって、醸造酵母細胞液を、好気条件下において、糖、窒素源、ミネラル源およびビタミン源の存在下においてインキュベートすることを含んでなり、該醸造酵母細胞液中の糖濃度が0.01~50°Pの範囲内に維持される、方法。
(9)(7)に記載の醸造酵母を用いて発酵前液を発酵させる工程を含んでなる、発酵アルコール飲料の製造方法。
(10)前記醸造酵母がビール酵母であり、製造される発酵アルコール飲料がビールテイスト発酵アルコール飲料である、(9)に記載の製造方法。
本発明による流加培養により得られた醸造酵母の馴化方法は、その酵母による初回の発酵液において酸味および渋味の不調和感が抑えられ、好ましい香味を呈するビール等の発酵飲料の製造を可能とする酵母を提供できる点で有利である。また、醸造酵母の流加培養法とあいまって、多品種小規模醸造における醸造酵母の効率的な調製を可能にする点で有利である。
図1は、連用酵母、馴化無し、および半好気馴化後(馴化開始時の細胞濃度=8.37×10細胞/ml)の3種の醸造酵母を用いて小スケール発酵試験を行った際の初回発酵液のコハク酸濃度(mg/l)を示す。 図2は、連用酵母、馴化無し、および半好気馴化後(馴化開始時の細胞濃度=8.37×10細胞/ml)の3種の醸造酵母を用いて小スケール発酵試験を行った際の初回発酵液の糖消費量あたりのコハク酸生成量[(mg/l)/°P]を示す。 図3は、連用酵母、馴化無し、および半好気馴化後(馴化開始時の細胞濃度=5.12×10細胞/ml)の3種の醸造酵母を用いて小スケール発酵試験を行った際の初回発酵液のコハク酸濃度(mg/l)を示す。 図4は、連用酵母、馴化無し、および半好気馴化後(馴化開始時の細胞濃度=5.12×10細胞/ml)の3種の醸造酵母を用いて小スケール発酵試験を行った際の初回発酵液の糖消費量あたりのコハク酸生成量[(mg/l)/°P]を示す。 図5は、連用酵母、馴化無し、および半好気馴化後(馴化開始時の細胞濃度=8.37×10細胞/ml)の3種の醸造酵母を用いてミニプラント発酵試験を行った際の初回発酵液のコハク酸濃度(mg/l)を示す。 図6は、連用酵母、馴化無し、および半好気馴化後(馴化開始時の細胞濃度=8.37×10細胞/ml)の3種の醸造酵母を用いてミニプラント発酵試験を行った際の初回発酵液の糖消費量あたりのコハク酸生成量[(mg/l)/°P]を示す。
発明の具体的説明
定義
本発明において「醸造酵母」とは、発酵を利用した発酵アルコール飲料や液体調味料の製造に用いられる酵母をいう。それぞれの発酵アルコール飲料の製造工程において発酵前液の発酵に用いられる様々な酵母が知られており、本発明の馴化方法で調製することができる。醸造酵母としては、清酒酵母、焼酎酵母、ワイン酵母、ウイスキー酵母およびビール酵母などが挙げられ、本発明の馴化方法で調製することができる。「ビール酵母」とは、醸造酵母の一種であり、ビールなどのビールテイスト発酵アルコール飲料の製造に用いられる酵母をいう。ビール酵母は、サッカロミセス属に属する上面発酵酵母(Saccharomyces cerevisiae)または下面発酵酵母(Saccharomyces pastorianus)であり、アルコール生成能などを指標に選択され、育種されてきた酵母である。
本発明において「馴化」とは、異なる環境に移した結果、次第になれて、その環境に適応した性質を持つようになることをいう。
本発明において、糖濃度の単位として使用する「°P」は、°Plato(プラトー)とも記載され、液中のエキス分をショ糖に換算した場合の重量(w/w)%である。細胞培養液の糖濃度(°P)は、例えば振動式密度計やサッカロメーター(浮標式糖度計)により測定することができる。
醸造酵母の馴化方法
本発明における馴化処理は、醸造酵母細胞液を、好気条件において、糖、窒素源、ミネラル源およびビタミン源の存在下においてインキュベートすることを含んでなり、該醸造酵母細胞液中の糖濃度を0.01~50°Pの範囲内に維持することを特徴とする。この特徴により、本発明の馴化方法で処理された醸造酵母による初回発酵液は、酸味および渋味の不調和感が抑えられ、好ましい香味を呈する。
本発明における醸造酵母は、公知・市販のものを利用することができる。醸造酵母は好ましくはビール酵母である。
本発明における醸造酵母細胞液は、公知の醸造酵母を好気条件の下で公知の流加培養法などを用いて調製することができる。ここで、「流加培養」とは、半回分培養ともよばれ、培養系に培地成分を供給しながら細胞を培養することをいう。醸造酵母を調製する際の培養温度は、好ましくは20℃~30℃である。馴化処理に用いる醸造酵母細胞液の馴化開始時の細胞濃度は当業者が自由に設定できるものであるが、好ましくは3×10細胞/ml以上10×10細胞/ml以下の細胞濃度において、より好ましくは3×10細胞/ml以上8×10細胞/ml以下の細胞濃度において、さらに好ましくは5×10細胞/ml以上8×10細胞/ml以下の細胞濃度において、期待される馴化の効果が得られる。
本発明の馴化方法における好気条件とは、醸造酵母細胞液中の溶存酸素が0mg/lよりも高い濃度に維持される条件をいう。かかる好気条件は、醸造酵母細胞液へ適度に通気を行い、および/または醸造酵母細胞液を適度に攪拌することによって達成できる。好ましくは、流加培養法により調製した醸造酵母細胞液をジャーファーメンター内で通気量1~2vvm、攪拌速度800rpmの条件でインキュベートすることにより達成できる。
本発明の馴化方法における糖としては、酵母が資化しうる糖類、例えばぶどう糖、果糖、麦芽糖、およびこれらの混合物などを用いることができ、好ましくはぶどう糖と果糖の混合物が用いられる。これらの糖は、固体であっても、液体(液糖)であってもよい。
本発明の馴化方法においては、好気条件下において醸造酵母の細胞増殖が起るように、醸造酵母細胞液中の糖濃度は0.01~50°Pの範囲内に維持されるが、好ましくは0.05~40°P、より好ましくは0.075~30°P、さらに好ましくは0.1~25°P、さらに好ましくは2~15°P、さらに好ましくは3~10°P、さらに好ましくは4~6°P、最も好ましくは5°P付近に維持される。醸造酵母細胞液中の糖濃度を一定範囲に維持するためには、当業者にとって周知の手法、例えば、該醸造酵母細胞液を経時的にサンプリングし、その糖濃度(°P)を測定し、その測定結果に基づいて、糖の流加速度を調節することにより達成できる。
以上のように、本発明の馴化方法は、醸造酵母を、好気条件の下で、高糖濃度を維持しながらインキュベーションを行うため、本明細書において半好気馴化と表現することもある。
本発明の馴化方法における窒素源としては、酵母が資化しうる含窒素化合物(含窒素組成物)、例えば、酵母エキス、ペプトン、ポテトエキスおよびこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは酵母エキスが用いられる。これらは、食品製造に適しているものであればいずれも使用することができる。その形態も、水性溶媒に容易に溶解するものであればよく、液状、粉末状、固形状などのいかなる形態のものであってもよい。
窒素源として酵母エキスを用いる場合は、市販のものを利用することができる。酵母エキスとしては、ビール酵母由来のもの、パン酵母由来のもののいずれも好ましく用いることができる。本発明の好ましい実施態様によれば、酵母エキスの添加量は1~8%(w/v)、すなわち、インキュベートされる醸造酵母細胞液の全量に対して1~8%(w/v)とされる。酵母エキスの添加手順には、一度に必要全量を添加する一括添加と複数回に分けて添加する分割添加の双方があるが、上述の酵母エキスの添加量を満足する限りにおいてはどちらの添加方法でもよい。
本発明の馴化方法におけるミネラル源、ビタミン源としては、当業者の技術常識に従い、酵母の細胞増殖に必要なミネラル類、ビタミン類であって、食品製造に適しているものであれば使用することができる。また、前述の窒素源(例えば、酵母エキス)に含有されているミネラル類、ビタミン類を適宜用いることもできる。
本発明の馴化方法におけるインキュベートとは、対象物を所定の温度に保つことをいう。本発明においてインキュベートの温度条件(馴化温度)は、好ましくは醸造酵母細胞液を調製する際の培養温度を上限とし、発酵アルコール飲料を製造する際の発酵温度より2℃低い温度を下限とした範囲内であり、より好ましくは5℃~30℃、さらに好ましくは10℃~20℃である。
本発明の馴化方法においてインキュベート時間(馴化時間)は、処理中の酵母の性状、特に細胞増殖の状況を定期的に確認することにより決定することができる。具体的な時間は特に限定されないが、好ましくは16時間以上、より好ましくは22時間以上である。また、インキュベート時間の上限は特に限定されないが、好ましくは48時間とされる。
本発明の馴化方法により得られた醸造酵母細胞液中の醸造酵母の細胞濃度は、馴化処理前と比較して、1.05倍以上増加することが好ましく、1.08倍以上に増加することがより好ましく、1.10倍以上に増加することがさらにより好ましい。
本発明は、発酵アルコール飲料の製造工程における発酵前液の発酵に用いる醸造酵母を得るための醸造酵母の馴化方法に関するものである。醸造酵母は、例えば、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母、またはウイスキー酵母とすることができる。
本発明の馴化方法によれば、発酵アルコール飲料の醸造に適した酵母を製造することができる。従って、本発明の他の態様によれば、上述の馴化方法の工程を含む、発酵アルコール飲料の醸造に適した醸造酵母の製造方法が提供される。
本発明の馴化方法により馴化された醸造酵母は、発酵アルコール飲料の製造に好適に用いられる。よって、本発明の他の態様によれば、本発明の馴化方法により馴化された醸造酵母を用いて発酵前液を発酵させる工程を含んでなる、発酵アルコール飲料の製造方法が提供される。この方法は、好ましくは本発明の馴化方法により醸造酵母を調製する工程をさらに含む。また、この方法により製造される発酵アルコール飲料もまた、本発明の一つの態様をなす。ここで「発酵アルコール飲料」とは、酒類を意味し、日本酒、焼酎、みりん、ビールテイスト発酵アルコール飲料、ワインなどの果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類およびリキュール類などが挙げられる。本発明において発酵アルコール飲料は、炭素源、窒素源、および水などを原料として酵母により発酵させて得たアルコールを含むアルコール飲料である。発酵アルコール飲料の製造方法は当業者に周知であり、公知の製法に従って製造することができる。この発酵アルコール飲料を製造する際の発酵温度は、好ましくは5℃~30℃であり、より好ましくは10℃~20℃である。
本発明の好ましい実施態様によれば、上記の発酵アルコール飲料の製造方法において、醸造酵母はビール酵母とされ、製造される発酵アルコール飲料はビールテイスト発酵アルコール飲料とされる。よって、本発明の他の態様によれば、本発明の馴化方法により馴化されたビール酵母を用いて発酵前液を発酵させる工程を含んでなる、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法が提供される。この方法は、好ましくは本発明の馴化方法によりビール酵母を調製する工程をさらに含む。また、この方法により製造されるビールテイスト発酵アルコール飲料もまた、本発明の一つの態様をなす。本発明において「ビールテイスト発酵アルコール飲料」とは、炭素源、窒素源、および水などを原料として酵母により発酵させた飲料であって、ビール風味を有するアルコール飲料を意味する。「ビールテイスト発酵アルコール飲料」としては、原料として麦および麦芽を使用しないビールテイスト発酵飲料(例えば、酒税法上、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」に分類される飲料)や、原料として麦芽を使用するビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)が挙げられる。
ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法は当業者に周知であり、公知の製法に従って実施することができる。例えば、麦および麦芽を原料として使用しないビールテイスト発酵アルコール飲料は、少なくとも水および液糖から調製された発酵前液を発酵させることにより製造することができる。すなわち、水および液糖から調製された発酵前液(仕込液)に本発明の馴化方法により得られた発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液(酒下し液)を、所望により低温にて貯蔵した後、ろ過工程により酵母を除去することにより、ビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。また、麦芽を原料として使用するビールテイスト発酵アルコール飲料は、少なくとも水および麦芽から調製された発酵前液(麦汁)を発酵させることにより製造することができる。すなわち、水および麦芽から調製された発酵前液(麦汁)に本発明の馴化方法により得られた発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液(酒下し液)を、所望により低温にて貯蔵した後、ろ過工程により酵母を除去することにより、ビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。いずれの製造方法においても、酒税法等の規定に従って、炭素源および窒素源として麦、米、とうもろこし、でんぷん等の副原料を添加することができる。また、同様に、ホップ、香料、着色料(カラメル)、水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物等を添加することができる。このビールテイスト発酵アルコール飲料を製造する際の発酵温度は、好ましくは10℃~20℃である。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
参考例1.流加培養酵母による初回発酵液の香味評価
(1)流加培養による醸造酵母細胞液の調製
特開2015-216888号公報に記載された方法により、流加培養による醸造酵母細胞液の調製を行った。
(2)発酵試験
(1)で得られた醸造酵母、および連用酵母を用いて、発酵試験は、麦汁に対して酵母細胞濃度が10×10細胞/mlとなるように添加し、温度を12℃一定にて実施した。初回発酵液をサンプリングした。
(3)官能評価
(2)で得られた初回発酵液の官能評価を行った。官能評価の評価項目として、苦味不調和、酸味不調和、甘味不調和、渋味不調和、後味不調和、その他異味の6つの項目を設定した。それぞれの評価項目について、3:とても気になる2:気になる、1:やや気になる、0:気にならない、の4段階で評価した。官能評価は、訓練された11名のパネルによって実施した。
(4)結果
表1に(3)の官能評価の結果を示す。表中の点数は、各パネラーの評点の合計をパネラー数で除した値である。
Figure 0007009196000001
表1に示された通り、流加培養酵母による初回発酵液は連用酵母と比較して酸味と渋味の不調和を強く感じるとの結果が得られた。
(5)指標物質の設定
酸味と渋味の不調和の指標となる物質を探索するために、醸造酵母3株の連用酵母と流加培養酵母を用いて発酵試験を行った。発酵試験は、麦汁に対して酵母細胞濃度が10×10細胞/mlとなるように添加し、温度を12℃一定にて実施した。各株とも初回発酵液の酒下し分析値を比較したところ、以下の表2に示すとおり、流加培養酵母サンプルは3株全てにおいて、連用酵母と比較してコハク酸濃度が高いことが明らかになった。一方、渋みに関わることが知られているポリフェノール、タンノイド等を含むその他の分析値項目については3株に共通した差異が見られなかった。そこで、コハク酸を渋味の指標物質として設定し、以下の検討に用いた。
Figure 0007009196000002
実施例1:半好気馴化による初回発酵液の分析値への影響(その1:小スケール発酵試験)
(1)流加培養による醸造酵母細胞液の調製
初発培地および流加培地を、それぞれ以下の表3に従って調製した。
Figure 0007009196000003
なお、異性化液糖としては、日本食品化工社製の異性化液糖フジフラクトF-100を用い、パン酵母エキスとしては、MCフードスペシャリティーズ社製の酵母エキスを用いた。各培地は、塩酸水を用いてpHを4.2に調整した。また、培養中の培養液については、該培養液のpHのモニタリング結果に基づき、12.5%のアンモニア水を用いてpHを4.2に調節し維持した。
まず、ジャー中の初発培地に醸造酵母として醸造酵母A株を接種し、培養は、20℃、攪拌(800rpm)および通気(1~2vvm)の条件下で行なった。また、流加培養は、連続流加培養とし、醸造酵母A株に固有の比増殖速度および対糖収率を実験的に求め、株式会社丸菱バイオエンジニアリング社製のFermExpertを用いて、酵母増殖に必要十分量の資化性糖を指数的に流加した。
(2)醸造酵母の半好気馴化
(1)で得られた醸造酵母細胞液を、ジャーファーメンター内で通気量を1~2vvmに設定し、800rpmにて攪拌しながら、初発濃度として4%(w/v)となるようにパン酵母エキスを添加し、初発濃度として5°Pとなるように異性化液糖F-100を添加した。その後、当該細胞液中の糖濃度が5°Pを維持するように糖の流加速度を調整しながら、添加した異性化液糖の積算総量が馴化開始時の醸造酵母10細胞あたり0.25mgに到達するまで、異性化液糖F-100を連続的に流加した。その間、ジャーファーメンターを20℃に維持して、16時間インキュベーションした。馴化開始時点における当該細胞液中の醸造酵母A株の細胞濃度は8.37×10細胞/mlであったが、馴化中に細胞増殖が認められ、馴化終了時には9.22×10細胞/mlとなった。その後、遠心分離機で酵母細胞液から培養上清を取り除き、醸造酵母を回収した。
(3)小スケール発酵試験
発酵試験は、(1)および(2)で得られた醸造酵母、連用酵母を用いて、麦汁(500ml)に対して酵母A株の細胞濃度が10×10細胞/mlとなるように添加し、温度を12℃一定にて実施した。
(4)発酵液の分析
(3)の発酵試験の初回発酵液をサンプリングし、コハク酸濃度を測定した。
(5)結果
小スケール発酵試験で得られた初回発酵液の分析試験の結果は図1および図2に示される通りであった。本発明の半好気馴化の初回発酵液((2)で得られた醸造酵母を使用)は、馴化無しの初回発酵液((1)で得られた醸造酵母を使用)と比較して、酒下しコハク酸濃度が低下しており(図1)、糖消費あたりコハク酸生成量が低下している(図2)ことから、醸造酵母A株のコハク酸生成能を低減できていることが明らかとなった。さらに、この事象は、馴化中に細胞増殖が起こることに起因するものと考えられた。とすると、細胞濃度が高過ぎると酵母の細胞増殖が制限されるため、一定の範囲の細胞濃度での馴化が望ましいと考えられた。また、馴化により糖消費速度も改善しており(データ未掲載)、酵母活性も向上していることが明らかとなった。
実施例2:半好気馴化による初回発酵液の分析値への影響(その2:馴化開始時における醸造酵母の細胞濃度の影響の検討)
(1)醸造酵母の半好気馴化
実施例1(1)で得られた醸造酵母細胞液を、ジャーファーメンター内で通気量を2vvmに設定し、800rpmにて攪拌しながら、初発濃度として6%(w/v)となるようにパン酵母エキスを添加し、初発濃度として5°Pとなるように異性化液糖F-100を添加した。その後、当該細胞液中の糖濃度が5°Pを維持するように糖の流加速度を調整しながら、添加した異性化液糖の積算総量が馴化開始時の醸造酵母10細胞あたり0.37mgに到達するまで、異性化液糖F-100を連続的に流加した。その間、ジャーファーメンターを20℃に維持して、16時間インキュベーションした。馴化開始時点における当該細胞液中の醸造酵母A株の細胞濃度は5.12×10細胞/mlであったが、馴化中に細胞増殖が認められ、馴化終了時には5.81×10細胞/mlとなった。その後、遠心分離機で酵母細胞液から培養上清を取り除き、醸造酵母を回収した。
(2)小スケール発酵試験
発酵試験は、実施例1(1)および実施例2(1)で得られた醸造酵母、並びに連用酵母を用いて、麦汁(500ml)に対して酵母A株の細胞濃度が12×10細胞/mlとなるように添加し、温度を12℃一定にて実施した。
(3)発酵液の分析
(2)の発酵試験の初回発酵液をサンプリングし、コハク酸濃度を測定した。
(4)結果
小スケール発酵試験で得られた初回発酵液の分析試験の結果は図3および図4に示される通りであった。馴化開始時の細胞濃度が8.37×10細胞/mlの場合の結果(実施例1(5))と同様に、本発明の半好気馴化の初回発酵液(実施例2(1)で得られた醸造酵母を使用)は、馴化無しの初回発酵液(実施例1(1)で得られた醸造酵母を使用)と比較して、酒下しコハク酸濃度が低下しており(図3)、糖消費あたりコハク酸生成量が低下している(図4)ことから、醸造酵母A株のコハク酸生成能を低減できていることが明らかとなった。さらに、実施例1(5)の結果および考察とあわせると、細胞濃度が3×10細胞/ml以上10×10細胞/ml以下の範囲での馴化が望ましいと考えられた。
実施例3:半好気馴化による初回発酵液の分析値および香味評価への影響(その3:ミニプラント発酵試験)
(1)醸造酵母の半好気馴化
インキュベーション温度を15℃とした以外は、実施例1(2)の方法に従って、実施例1(1)で得られた醸造酵母細胞液の半好気馴化を行った。
(2)ミニプラント発酵試験
発酵試験は、実施例1(1)および実施例3(1)で得られた醸造酵母、並びに連用酵母を用いて、ミニプラントに仕込まれた麦汁(200L)に対して酵母細胞A株の細胞濃度が10×10細胞/mlとなるように添加し、温度を12℃一定にて実施した。
(3)発酵液の分析
(2)の発酵試験の初回発酵液をサンプリングし、コハク酸濃度を測定した。
(4)発酵液の官能評価
(2)の発酵試験の初回発酵液をサンプリングし、官能評価に供した。官能評価の手法は、参考例1の「(3)官能評価」に記載された方法に従って実施した。
(5)結果
ミニプラント発酵試験で得られた初回発酵液の分析試験の結果は図5および図6に示される通りであった。小スケール発酵試験結果と同様に、ミニプラント発酵試験においても、本発明の半好気馴化の初回発酵液(実施例3(1)で得られた醸造酵母を使用)は、馴化無しの初回発酵液(実施例1(1)で得られた醸造酵母を使用)と比較して、酒下しコハク酸濃度が低下しており(図5)、糖消費あたりコハク酸生成量が低下している(図6)ことから、醸造酵母A株のコハク酸生成能を低減できていることが明らかとなった。
ミニプラント発酵試験で得られた初回発酵液の官能評価の結果は、以下の表4の通りであった。
Figure 0007009196000004
表4に示される通り、馴化無しの流加培養酵母による試醸品において指摘のあった酸味不調和・渋味不調和の評価は、半好気馴化を行った醸造酵母による試醸品(実施例3(1)で得られた醸造酵母を使用)ではほとんど指摘が無く、コントロールとして試験した連用酵母と同等の評価であった。したがって、半好気馴化を行うことで、馴化無しの流加培養酵母による初回発酵液の特徴であった「酸味、渋みの不調和感」を改善できることが明らかとなった。さらに、本試醸品を試飲評価した結果、全体の香味バランスにおいても、連用酵母とほぼ同等であると評価された。
これらの事より、半好気馴化を行うことで、流加培養酵母のコハク酸生成能を低減し、製品の酸味、渋味の不調和を低減することができることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 醸造酵母を馴化する方法であって、
    醸造酵母細胞液を、通気または攪拌による好気条件下、糖、窒素源、ミネラル源およびビタミン源の存在下においてインキュベートすることを含んでなり、
    該醸造酵母細胞液中の糖濃度が4~6°Pの範囲内に維持され
    前記醸造酵母細胞液が好気条件下における流加培養法によって得られたものであり、かつ、前記醸造酵母細胞液の馴化開始時の細胞濃度が3×10 細胞/ml以上10×10 細胞/ml以下である、方法。
  2. 前記醸造酵母細胞液が好気条件下における流加培養法によって得られたものであり、かつ、前記醸造酵母細胞液の馴化開始時の細胞濃度が×10細胞/ml以上10×10細胞/ml以下である、請求項1に記載の方法。
  3. インキュベートの温度条件が、醸造酵母細胞液を調製する際の培養温度を上限とし、発酵アルコール飲料を製造する際の発酵温度よりも2℃低い温度を下限とする範囲内である、請求項1または2に記載の方法。
  4. インキュベートの温度条件が5℃~30℃である、請求項1または2に記載の方法。
  5. インキュベート時間が16時間以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記醸造酵母細胞液中の醸造酵母の細胞濃度が1.05倍以上に増加することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の方法によって馴化された、醸造酵母。
  8. 発酵アルコール飲料の醸造に適した醸造酵母を製造する方法であって、
    醸造酵母細胞液を、通気または攪拌による好気条件下において、糖、窒素源、ミネラル源およびビタミン源の存在下においてインキュベートすることを含んでなり、
    該醸造酵母細胞液中の糖濃度が4~6°Pの範囲内に維持され
    前記醸造酵母細胞液が好気条件下における流加培養法によって得られたものであり、かつ、前記醸造酵母細胞液の馴化開始時の細胞濃度が3×10 細胞/ml以上10×10 細胞/ml以下である、方法。
  9. 請求項7に記載の醸造酵母を用いて発酵前液を発酵させる工程を含んでなる、発酵アルコール飲料の製造方法。
  10. 前記醸造酵母がビール酵母であり、製造される発酵アルコール飲料がビールテイスト発酵アルコール飲料である、請求項9に記載の製造方法。
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