JP7009062B2 - ローラ表面の乾燥抑制装置 - Google Patents

ローラ表面の乾燥抑制装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7009062B2
JP7009062B2 JP2017001681A JP2017001681A JP7009062B2 JP 7009062 B2 JP7009062 B2 JP 7009062B2 JP 2017001681 A JP2017001681 A JP 2017001681A JP 2017001681 A JP2017001681 A JP 2017001681A JP 7009062 B2 JP7009062 B2 JP 7009062B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
humidifying
roller
temperature
duct
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017001681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018111224A (ja
Inventor
義隆 常陸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Baldwin Japan Ltd
Original Assignee
Baldwin Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Baldwin Japan Ltd filed Critical Baldwin Japan Ltd
Priority to JP2017001681A priority Critical patent/JP7009062B2/ja
Publication of JP2018111224A publication Critical patent/JP2018111224A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7009062B2 publication Critical patent/JP7009062B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Air Humidification (AREA)
  • Rotary Presses (AREA)
  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

本発明は、水性インキを使用する印刷機などで、ローラ表面の乾燥を抑制するローラ表面の乾燥抑制装置に関するものである。
印刷の方式には、いくつかの種類がある。水性インキの導入が進んでいるのは、グラビア印刷とフレキソ印刷である。水性インキは、油性インキに比べれば揮発する有機溶剤の成分が少ない。そのため、近年になって、利用が拡大している。
一方で、水性インキは、油性インキと異なり、印刷機の上で、インキ濃度が安定しにくい。油性インキは、空気に接触すると、表面から硬化する。油性インキは、インキの内部まで硬化するには、時間が必要である。油性インキの硬化は、表面部分から進行するので、全体として濃度(希釈度)は、安定である。
水性インキは、水がインキの希釈剤である。水性インキは、表面だけではなく、インキ全体で硬化が始まる。水性インキは、ローラに付着しているインキの膜の全体がほぼ同時に乾燥するため、濃度の維持が難しい。特にインキの膜厚が薄い版ローラやアニロックスローラの上では安定しない。
水性インキの濃度を安定化するには、乾燥を抑制するのがよい。すなわち、グラビア印刷機やフレキソ印刷機では、水性インキを使用する場合は、水分の乾燥を防止する手段を講じることが望ましい。画線数が多い印刷を行うときには、特に乾燥の抑制の必要性が高い。
従来は、乾燥を抑制するために、印刷機内の湿度を高くしていた。しかし、大型の印刷ユニットの乾燥を防止するのは難しい。
発明者は、水性インキを使用する印刷機のローラの表面の乾燥を抑制する手段を実験しながら検討した。
特許文献1には、オフセット印刷機の湿し水の供給機構の技術が示されている。ここに示された技術は、湿し水の供給に飽和水蒸気を利用する。往復ローラに沿って配置したダクト状のケース内を飽和湿度にする。さらに、飽和水蒸気の温度を、往復ローラの表面温度よりも高くしている。この結果、往復ローラの表面に結露が生じて、水膜が形成されるとしている。
特許文献2には、特許文献1に記載された技術とよく似た湿し水の供給機構が記載されている。ここに示された技術は、ケース内を負圧にすることにより、ケースとローラの隙間から湿った加湿用の気体が漏れないようにしている。
特許文献3には、水性インキを使用する水なし平版印刷機の加湿に関する技術の記載がある。ここに示された技術では、印刷ユニット全体を加湿するとしている。
特開平05-154981 特開2000-141596 特開2015-155191
従来は、水性インキを使用する印刷機などで、余分な部分への結露等を起こさないで、ローラ表面の乾燥を効果的に抑制することができず、インキ濃度が安定しないという課題があった。
例えば、特許文献1に記載された発明では、ローラの表面に水膜ができる程度の加湿が必要になるにもかかわらず、高湿度ケースの内壁への結露を防止しながら加湿することは困難である。
また、特許文献2に記載された湿し水の供給機構は、構造が複雑で、かつローラに付着する湿し水の量の制御が難しいという問題があった。また、シールドの内壁への結露は避けることができない。
更に、特許文献3に記載された発明では、印刷ユニット全体を加湿した場合は、加湿の効率が悪く加湿の不要な部分にも結露が生じるという問題があった。
本発明は、係る実情に鑑み、従来の水性インキを使用する印刷機では、ローラの表面のインキの乾燥を抑制することが難しかったという課題を解決するとともに、複雑ではない簡単な構造の装置を用いて、対象となるローラの表面の乾燥を抑制し、ローラの表面以外の周囲の結露を起こしやすいという課題も解決しようとするものである。
本発明の乾燥抑制装置は、回転するローラの表面の乾燥を抑制するための乾燥抑制装置において、長手方向に沿って、前記ローラの表面に対向する開口を備え、かつ加湿気体の導入口を備えた箱状の加湿ダクトと、前記導入口に加湿気体を供給する加湿気体供給部と、から構成され、前記加湿ダクト内の前記加湿気体の温度は、回転している前記ローラの表面の温度よりも高い温度でかつ相対湿度が70%よりも高いことを備えている。
これにより、簡単な構造でありながら、対象となるローラの表面の乾燥を抑制し、ローラの表面以外の周囲の結露を防止することができる。
また、本発明の乾燥抑制装置は、前記加湿ダクトは、前記加湿気体に面した部分が露点温度以上になるように加温されていることを備えている。
これにより、加湿ダクトの壁への結露を防止できるので、加湿ダクトの壁に結露した水滴がローラに落下することにより生じる印刷障害を防ぐことができる。
更に、本発明の乾燥抑制装置は、前記加湿ダクト内の前記加湿気体は、温度が回転している前記ローラの表面の温度よりも高く、かつ湿度は、前記ローラ表面に結露が生じる湿度であることを備えている。
これにより、ローラ表面に水がつくことにより、インキの乾燥を強く防ぐことができる。
更にまた、本発明の乾燥抑制装置は、前記加湿ダクトは、前記加湿ダクト内の前記加湿気体を前記加湿ダクト外に排気する排気部を備えている。
これにより、加湿ダクト内の加湿気体は、ローラの長手方向に沿って送られることにより、加湿気体の一部は、回転するローラの長手方向全体にわたって隙間から漏れてローラの表面全体を覆うように流れ、ローラの表面に加湿抑制効果が得られる。
また、本発明の乾燥抑制装置は、前記加湿ダクト内の前記加湿気体は、前記ローラの長手方向に沿って流れることを備えている。
これにより、上記同様加湿気体の一部は、回転するローラの長手方向全体にわたって隙間から漏れてローラの表面全体を覆うように流れ、ローラの表面に加湿抑制効果が得られる。
更に、本発明の乾燥抑制装置は、前記加湿ダクトは、前記加湿気体に接する側に、前記加湿気体の温度を均一化する熱伝導体のフィンを備えていることを備えている。
これにより、壁の温度を加湿気体に効果的に伝えることができるので、加湿気体の温度を安定化させることができる。
更にまた、本発明の乾燥抑制装置は、前記加湿ダクトは、前記加湿気体供給部と前記排気部の間に、前記加湿ダクト内の前記加湿気体が、前記ローラの回転円周方向に沿って流れ、かつ前記加湿気体は、流れの方向が前記ローラの回転と連れまわり方向に流れるように整流部を備えている。
これにより、ローラの層流の影響を受けにくくし、加湿気体の流れをローラの表面の移動速度に近づけることができるので、ローラ表面の乾燥を効果的に防止することができる。
また、本発明の乾燥抑制装置は、前記加湿ダクト内の前記加湿気体の前記ローラの回転円周方向に沿った流れの流速は、前記ローラの表面速度と略同一であることを備えている。
これにより、ローラの層流の影響を受けにくくし、ローラ表面の乾燥を効果的に防止することができる。
本発明は、水性インキを使用する印刷機などで、ローラ表面の乾燥を効果的に抑制することができるので、インキ濃度が安定するという効果がある。
本発明の構成の概要を示した構成図である。 図1のKで示す位置の加湿ダクトの断面図である。 加湿気体供給部の断面図である。 空気線図である。 加湿ダクトの他の構造の例を示した構成図である。 加湿ダクトの更に他の構造の例を示した構成図である。 加湿ダクトの中央に供給チューブを接続した構成の概要を示した構成図である。 加湿気体供給部の別の構成を示した構成図である。 加湿気体供給部の更に別の構造の例を示した構成図である。
図1は、本発明の構成の概要を示した構成図である。1は、ローラ表面の乾燥抑制装置である。乾燥抑制装置1は、加湿ダクト2及び加湿気体供給部3を備えている。4は、乾燥を抑制しようとするローラである。ローラ4は、例えば、矢印5に示すように、反時計方向に回転している。ローラ4は、版ローラや、アニロックスローラなどである。
加湿ダクト2は、ローラ4の長手方向に沿って配置され、内部は空洞であり、かつローラ4の表面側に対向して開口を備えている。
6は、加湿ダクト2への加湿気体の導入口としての供給チューブである。加湿気体供給部3は、加湿した気体を発生する。供給チューブ6は、加湿気体供給部3と加湿ダクト2とを接続している。加湿気体供給部3から供給される加湿気体は、供給チューブ6を通って、加湿ダクト2に供給される。
7は、排気部としての排気チューブである。排気チューブ7は、供給チューブ6から供給され、加湿ダクト2を通過した加湿気体を排気する。
図2は、図1のKで示す位置の加湿ダクト2の断面図である。加湿ダクト2は、壁8、壁9、壁10で囲まれた空洞11を備え、空洞11は、開口12を備える。開口12は、ローラ4の表面13を向いている。空洞11内の加湿気体は、表面13に接する。
図3は、加湿気体供給部3の断面図である。14は、加湿気体の湿度の元になる水である。15は、霧発生ユニットである。霧発生ユニット15は、市販の超音波を使用した霧発生装置が使用できる。16は、発生した霧である。17は、送風ファンである。18は、加湿気体供給部3の空気室である。送風ファン17は、空気室18の外部から空気を吸い込み、空気室18に送り込む。加湿気体供給部3は、供給チューブ6を介して空洞11に加湿気体を供給する。空洞11内の加湿気体は、回転しているローラ4の表面13の温度よりも高く維持される。
19は、加温部である。加温部19は、例えば電熱線等の発熱体で構成され、送風ファン17によって、空気室18に送られる空気を加温する。そうすると、空気室18の温度は、霧16とともに加温される。20は、ヒーターである。空気室18の空気は、霧16によって、加湿気体となる。加湿気体の温度が高い場合は、その温度と湿度によって、空気室18の壁に結露が生じる。ヒーター20は、空気室18の内側を加熱して、空気室18の内側の結露を抑制する。ヒーター20としては、電熱線等の様々な発熱体を採用することができるが、空気室18の内側の壁を効果的に加温するために面状発熱体を採用することができる。なお、水14の温度も、空気室18の加湿気体と同等の温度まで加温されているのが望ましい。もし、水14の温度が低い場合は、空気室18の加湿気体の水成分が水14に吸収されて、湿度が低下する。
21は、供給チューブ6を加温するヒーターである。これは、供給チューブ6を通過する加湿気体が供給チューブ6の内部で結露することを抑制する。ヒーター21は、供給チューブ6に結露が生じた場合に、水滴が加湿ダクト2に入らない構造であれば、省略することが可能である。供給チューブ6に生じた水滴が加湿ダクト2に入らないようにするには、供給チューブ6の水滴を加湿ダクト2の手前で排出する構造にしたり、供給チューブ6に生じた水滴が加湿気体供給部3に戻るように、供給チューブ6を傾けたりすることで実現可能である。
図4は、空気線図である。湿度測定法は、JIS Z 8806:2001に記載されているが、空気線図は、湿度、気温、結露温度などをグラフ化したものである。横軸は、温度の目盛りであり、縦軸は絶対湿度の目盛りである。各曲線は、それぞれ相対湿度が100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%の場合を示している。空気線図では、ローラ4の表面温度、加湿ダクト2内の空洞11の加湿気体の温度、同じく加湿気体の相対湿度の3つが分かれば、ローラ4が結露する条件を求めることができる。すなわち、グラフ全体は、100%の曲線を境に左上と右下の2つの部分に分けられ、左上側の条件が満たされればローラ4の表面13は結露し、右下側の条件では結露しない。例示すれば、A点は、加湿ダクト2の加湿気体の温度が25℃、相対湿度が75%であることを示し、ローラ4の表面13の温度が20℃より低ければ、結露する。同じく、B点で、加湿気体の温度が28.5℃、相対湿度が60%である場合も、ローラ4の表面13の温度が20℃よりも低ければ結露する。
すなわち、ローラ4の表面13を結露させるのであれば、ローラ4の表面13の温度が決まれば、加湿気体の温度及び相対湿度の組み合わせを決定することができる。
(実験準備)
実験は、グラビア印刷のセラミック製のアニロックスローラを想定したローラモデルを対象として、図1及び図2の構造で行った。ローラ4の直径は200mmとし、表面に水性フレキソインキ(大日精化工業株式会社 ハイドリックFCG(商品名))を0.01mm程度の厚さで塗布し、毎分30回転で回転させた。ローラ4の表面13の温度を、放射温度計で計測し、20℃であることを確認した。
(比較例)
まず、乾燥抑制の効果を確かめるにあたり、比較例として、室温20℃、相対湿度60%の中で、ローラ4から加湿ダクト2を取り外し、ローラ4を回転させた。そして、ローラ4の回転を止めて、インキの乾燥を観察した。そうすると、回転させた時間が5秒程度であるにもかかわらず、インキが乾燥し始めている現象が見られた。
(実施例)
次に、実施例として、加湿ダクト2を取り付けて、図3に示す加湿気体供給部3であって、霧発生ユニット15に、市販の超音波式の霧発生装置を使用して加湿気体を生成した。霧16は、送風ファン17の作用によって、霧を含んだまま空洞11まで到達した。空洞11は、加湿気体で満たされ、このときの温度は30度であった。空洞11の相対湿度は、霧発生ユニット15の出力を調整することで、ある程度変更可能である。
空洞11の加湿気体の相対湿度は、70%程度を超えると、ローラ4に塗布したインキの乾燥が遅くなることがわかった。しかし、70%を下回ると、乾燥抑制の効果はあまり見られない。一方、100%近くになると、ローラ4の表面に水がつきはじめる。この水は、結露か、又は霧の付着であると考えられた。この実験の結果、空洞11内の加湿気体は、ローラ4の表面13の温度よりも高く、相対湿度が70%よりも高いと比較例に比べて乾燥抑制効果があることがわかった。空洞11の相対湿度が高いほど、ローラ4の表面13の乾燥の抑制効果が高く、乾燥抑制の効果を長時間維持するには、90%以上が良い。
図4に示す空気線図から、原理的には、加湿ダクト2の空洞11の加湿気体は、相対湿度が70%以下でもローラ4の表面13の温度に比較して十分高温であれば、乾燥抑制の効果はある。しかし、加湿気体の温度とローラ4の表面温度13の温度差が大きい場合は、ローラ4の表面13の温度が、空洞11の加湿気体の温度によって上がるので、加湿抑制の効果が低下し、安定しない。従って、ローラ4の表面13の温度と加湿ダクト2の空洞11の加湿気体の温度差は、少ない場合でも、ローラ4の表面13の乾燥の抑制効果が得られる状態のほうが望ましい。
ローラ4が回転しているときは、表面13には層流が生じており、空洞11の加湿気体は、必ずしも表面13に直接接触するわけではない。それでも、空洞11内の加湿気体の温度と湿度の状態を所定の範囲に維持することにより、大幅に乾燥を抑制することが可能である。
また、乾燥の抑制は、必ずしもローラ4の表面13に結露又は水滴が付着することまでは必要ない。すなわち、本発明における乾燥抑制とは、表面13に水膜ができるように濡れる場合だけではなく、乾燥に時間がかかる場合を含んでいる。乾燥が抑制されて、印刷に障害が出る程度の乾燥までに時間がかかるのであれば、実用上有効だからである。
一方、印刷機によっては、表面13に、薄く結露が生じたり、水が付着したりするのが望ましい場合もある。これは、印刷中のインキの供給と水の供給による濃度調整をバランスさせる場合に有効である。この状態を実現するには、加湿ダクト2の空洞11の加湿気体の温度がローラ4の表面13の温度よりも高く、かつ湿度を高くする。これは、図4の空気線図において、ローラ4の表面13の温度が、空洞11内の加湿気体から見て、露点温度以下になるように、加湿気体の温度と湿度を設定することに他ならない。
図2に示す加湿ダクト2の壁8、9、10は、露点温度以下であると、空洞11の側に結露が生じる。露点温度とは、図4の100%の曲線上の温度のことであって、空洞11の加湿気体の温度と湿度に依存する結露が始まる温度である。図4に示すように、壁8、9、10は、露点温度よりも温度が高ければ結露しない。22、23、24は、壁8、9、10の温度をあげるヒーターである。壁8、9、10の温度が低いと結露が生じ、液化した水がローラ4に落下する。ローラ4に水が落下すると、印刷障害の原因となる。
また、図1に示す排気チューブ7は、排気ファンを追加することができる。排気チューブ7に排気ファンを追加すると、加湿ダクト2の内部の加湿気体の流れを円滑にすることができる。
図1では、ローラ4の長手方向に沿って設けた加湿ダクト2の両端に対向するように供給チューブ6及び排気チューブ7を設ける例を示した。この場合は、加湿ダクト2内の加湿気体は、ローラ4の長手方向沿って送られる。一方、加湿気体の一部は、回転するローラ4と加湿ダクト2の隙間から漏れて、ローラ4の表面13を覆うように流れる。ローラ4の表面13が加湿気体で覆われるので、加湿抑制効果が得られる。排気チューブ7からは、余った加湿気体が排気される。
図5は、加湿ダクト2の他の構造の例である。25、26、27は、壁8、9、10に設けた放熱フィンである。放熱フィン25、26、27は、壁8、8、10の熱を、空洞11を通過する加湿気体に伝達する。この結果、壁8、9、10の温度が安定していれば、空洞11内の加湿気体の温度は安定する。
この放熱フィン25、26、27は、熱伝導性の良い熱伝導体を用いたフィンであり、熱伝導性の良い材料で構成することができる。熱伝導性の良い材料としては、アルミニウム、銅等が考えられ、これらで構成されることが好ましいが、この材料に限定されるのでは無く、金属全般を用いることができるし、各種合金を用いても良い。また、熱伝導体を含んだ樹脂材料を使用することもできるし、ヒートパイプで構成することもできる。
さらに、壁8、9、10の温度を、ローラ4の長手方向の位置によって変化させれば、加湿気体の温度の制御が容易になる。ローラ4の長さが長い場合は、加湿気体の温度は、供給チューブ6側で高く、排気チューブ7側で低くなる。この場合は、ヒーター22、23、24を分割して部分的に温度制御可能な構成にすれば、加湿気体の温度を、供給チューブ6側より排気チューブ7側で高くなるようにすることも可能である。
図6は、さらに加湿ダクト2の他の構造の例である。28は、整流部としての整流フィンである。整流フィン28は、加湿ダクト2の全長にわたって、加湿ダクト2内の空洞11を、上流空洞29と下流空洞30に分割するように、壁9に取り付けられている。上流空洞29には、加湿気体供給部3が接続され、下流空洞30には、排気チューブ7が接続される。
上流空洞29に供給された加湿気体は、下流空洞30に向けて移動する。加湿気体の流れ方向は、ローラ4の回転方向5と連れまわり方向である。これにより、加湿気体とローラ4の表面13の相対速度が低下する。その結果、加湿気体は、ローラ4の層流の影響を受けにくくなる。整流フィン28は、上流空洞29から下流空洞30に向けて移動する加湿気体の流れを整流するものであって、加湿気体の流れを、ローラ4の表面13の移動速度とほぼ同じにすることも可能である。
ローラ4の長さが長い場合は、加湿ダクト2の内部の加湿気体の温度や湿度を、ローラ4の全長にわたって均一にするのは難しいことがある。この場合は、図7に示すように、加湿ダクト2の中央に供給チューブ6を接続し、排気チューブ7を両端に設けるようにすることをできる。この場合は、加湿ダクト2の内部であって、供給チューブ6の部分に、加湿気体の流れを遮る整流板31を設けることができる。この整流板31は、供給チューブ6から加湿ダクト2に送られる加湿気体が、直接ローラ4に当たることを防止する。
また、ローラ4の長さがかなり長い場合は、加湿ダクト2の内部の加湿気体の温度や湿度を、ローラ4の全長にわたって均一にするために、複数の供給チューブ6を用意し、加湿ダクト2の複数箇所に接続しても良い。この場合も上記と同様に、供給チューブ6の部分に、加湿気体の流れを遮る整流板31を設けることが望ましい。この整流板31により、供給チューブ6から加湿ダクト2に送られる加湿気体が、直接ローラ4に当たることを防止するためである。
図8は、加湿気体供給部3の別の構成を示したものである。32は、ヒーターである。ヒーター32は、水14を加熱して、空気室18内の空気を加湿する。図3に示した加湿気体供給部3は、超音波を利用した霧発生装置を使用した例を示した。超音波霧発生装置は、霧の温度は上昇せず、冷えたままである。一方、図8のように、水14を加熱した場合は、空気室18内は、加温された湿った空気で満たされ、かつ透明である。このように、ヒーター32を使用した加湿気体供給部3は、供給チューブ6の部分で、温度及び湿度の安定性が高い。
図9は、加湿気体供給部3の別の構造の例を示したものである。33は、蒸発板である。蒸発板33は、空気に接触する表面積を広くした繊維体であり、セルロースを貼ったフレームで実現できる。蒸発板33は、毛細管現象を利用して水14を吸い上げる。蒸発板33を使用した加湿気体供給部3の利点は、構造が簡単であることである。
なお、加湿気体供給部3の構成で、供給チューブ6を通過する加湿気体は、図3のように超音波霧発生装置をしようすると、白い霧が見え、図8のように加熱ヒーターを使用したり、図9のように蒸発板を使用したりした場合は透明である。いずれの場合も、図4に示した空気線図を使用して設計することができる。
1 乾燥抑制装置
2 加湿ダクト
3 加湿気体供給部
4 ローラ
5 回転方向
6 供給チューブ
7 排気チューブ
8 壁
9 壁
10 壁
11 空洞
12 開口
13 表面
14 水
15 霧発生ユニット
16 霧
17 送風ファン
18 空気室
19 加温部
20 ヒーター
21 ヒーター
22 ヒーター
23 ヒーター
24 ヒーター
25 放熱フィン
26 放熱フィン
27 放熱フィン
28 整流フィン
29 上流空洞
30 下流空洞
31 整流板
32 ヒーター
33 蒸発板

Claims (6)

  1. 回転するローラの表面の乾燥を抑制するための乾燥抑制装置において、
    長手方向に沿って、前記ローラの表面に対向する開口を備え、かつ加湿気体の導入口を備えた箱状の加湿ダクトと、
    前記導入口に加湿気体を供給する加湿気体供給部と、から構成され、
    前記加湿ダクト内の前記加湿気体の温度は、回転している前記ローラの表面の温度よりも高い温度でかつ相対湿度が70%よりも高く、
    前記加湿ダクト内の前記加湿気体は、温度が回転している前記ローラの表面の温度よりも高く、かつ湿度は、前記ローラ表面に結露が生じる湿度であり、
    前記加湿気体は、前記ローラ表面に直接接触するように前記開口から送られ
    前記加湿ダクトは、前記加湿ダクト内の前記加湿気体を前記加湿ダクト外に排気する排気部を備えていることを特徴とする乾燥抑制装置。
  2. 前記加湿ダクトは、前記加湿気体に面した部分が露点温度以上になるように加温されていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥抑制装置。
  3. 前記加湿ダクト内の前記加湿気体は、前記ローラの長手方向に沿って流れることを特徴とする請求項1に記載の乾燥抑制装置。
  4. 前記加湿ダクトは、前記加湿気体に接する側に、前記加湿気体の温度を均一化する熱伝導体のフィンを備えていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥抑制装置。
  5. 前記加湿ダクトは、前記加湿気体供給部と前記排気部の間に、前記加湿ダクト内の前記加湿気体が、前記ローラの回転円周方向に沿って流れ、かつ前記加湿気体は、流れの方向が前記ローラの回転と連れまわり方向に流れるように整流部を備えていることを特徴とする請求項に記載の乾燥抑制装置。
  6. 前記加湿ダクト内の前記加湿気体の前記ローラの回転円周方向に沿った流れの流速は、前記ローラの表面速度と略同一であることを特徴とする請求項に記載の乾燥抑制装置。
JP2017001681A 2017-01-10 2017-01-10 ローラ表面の乾燥抑制装置 Active JP7009062B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017001681A JP7009062B2 (ja) 2017-01-10 2017-01-10 ローラ表面の乾燥抑制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017001681A JP7009062B2 (ja) 2017-01-10 2017-01-10 ローラ表面の乾燥抑制装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018111224A JP2018111224A (ja) 2018-07-19
JP7009062B2 true JP7009062B2 (ja) 2022-01-25

Family

ID=62911679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017001681A Active JP7009062B2 (ja) 2017-01-10 2017-01-10 ローラ表面の乾燥抑制装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7009062B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7139172B2 (ja) * 2018-07-10 2022-09-20 日本ボールドウィン株式会社 ローラ乾燥抑制装置
JP7424791B2 (ja) * 2019-10-25 2024-01-30 日本ボールドウィン株式会社 ローラ表面の乾燥抑制装置
CN114771083B (zh) * 2022-06-06 2023-09-22 如皋德宝印刷机械有限公司 一种具有喷气加湿装置的柔版印刷机

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19926749A1 (de) 1999-06-11 2000-12-14 Heidelberger Druckmasch Ag Farbwerk für eine Druckmaschine
JP2002254462A (ja) 2001-03-06 2002-09-11 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂溶融混練物の圧延方法とその装置
JP2006504947A (ja) 2002-10-30 2006-02-09 ライフスキャン・スコットランド・リミテッド 電気化学センサの製造のための連続工程における基板の前処理
JP2013199017A (ja) 2012-03-23 2013-10-03 Ricoh Co Ltd 被記録媒体の表面改質装置、被記録媒体ならびにインクジェット式プリンタシステム
JP2017032920A (ja) 2015-08-05 2017-02-09 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置。
JP2017035870A (ja) 2015-08-07 2017-02-16 富士ゼロックス株式会社 吐出装置、加湿装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19926749A1 (de) 1999-06-11 2000-12-14 Heidelberger Druckmasch Ag Farbwerk für eine Druckmaschine
JP2002254462A (ja) 2001-03-06 2002-09-11 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂溶融混練物の圧延方法とその装置
JP2006504947A (ja) 2002-10-30 2006-02-09 ライフスキャン・スコットランド・リミテッド 電気化学センサの製造のための連続工程における基板の前処理
JP2013199017A (ja) 2012-03-23 2013-10-03 Ricoh Co Ltd 被記録媒体の表面改質装置、被記録媒体ならびにインクジェット式プリンタシステム
JP2017032920A (ja) 2015-08-05 2017-02-09 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置。
JP2017035870A (ja) 2015-08-07 2017-02-16 富士ゼロックス株式会社 吐出装置、加湿装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018111224A (ja) 2018-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7009062B2 (ja) ローラ表面の乾燥抑制装置
KR20100014634A (ko) 조습장치, 환경시험장치 및 조온조습장치
JP2010121930A (ja) 気体加熱器並びにこれを用いた温風発生機及び過熱蒸気発生装置
JP2007190211A (ja) 加熱送風装置
JP2004116899A5 (ja)
JP2008304093A (ja) 気化冷却システム
US9441322B2 (en) Dryer with a waste heat recovery means
JP2011181348A (ja) 二次電池用電極材のロールプレス機
JP4950838B2 (ja) 髪ケア装置
BRPI0407864A (pt) refrigerador por evaporação
TWM605443U (zh) 具熱風產生功能之紅外線加熱裝置
JP2010125828A (ja) 記録装置
JP7139172B2 (ja) ローラ乾燥抑制装置
JP7424791B2 (ja) ローラ表面の乾燥抑制装置
JP4467338B2 (ja) ヒートパイプの製造方法
JP2020029030A (ja) 水性ニス印刷装置
JP2008261589A (ja) ヒートパイプ式暖房装置
JP5323544B2 (ja) 静電霧化装置を備えたヘアドライヤー
JP2015010788A (ja) ペルチェ素子を利用したスポットクーラー兼用溶接棒乾燥器
JP2001246306A (ja) 乾燥装置
JP7006095B2 (ja) 媒体処理装置
JP4877194B2 (ja) 髪ケア装置
CN116132773B (zh) 一种防雾系统、带有防雾系统的相机及其控制方法
JPWO2018139189A1 (ja) シート状非浸透性基材の表面乾燥装置並びに印刷装置及び印刷方法
TW201904472A (zh) 熱霧吹風機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7009062

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150