JP7008550B2 - インターフェース、およびガスクロマトグラフ質量分析装置 - Google Patents

インターフェース、およびガスクロマトグラフ質量分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、インターフェース、およびガスクロマトグラフ質量分析装置に関する。
ガスクロマトグラフ質量分析装置としては、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたガスクロマトグラフ質量分析装置では、マイクロシリンジ1によってGC注入口2に分析試料が注入される。そして、注入された分析試料を、分離カラム3の液相の種類及びサイズ、GCオーブン4における昇温速度、および移動相ガスの流速等の作用により、分離カラム3における測定対象化合物の溶出速度を制御する。また、ガスクロマトグラフの分離カラム3において分離された分析試料は、インターフェース6を介して、質量分析計(Mass spectrometer)などの検出器5に供給される。
特許文献1に記載されたようなガスクロマトグラフ質量分析装置のインターフェースは、ガスクロマトグラフにおいて加熱されて気化された分析試料を質量分析計に供給する。その際、インターフェースを加熱することにより、インターフェース内に分析試料が吸着することを防いでいる。
図5は、従来のガスクロマトグラフ質量分析装置におけるインターフェース100を示す断面図である。図5に示すように、インターフェース100は、質量分析計に接続されるMS接続部101と、MS接続部101にろう付け(溶着)により接合された金属パイプ102と、金属パイプ102が貫通するヒーターブロック103とを備えている。
ヒーターブロック103は、熱伝導率の高いアルミニウムなどの金属から形成された被覆部と、この被覆部に熱を加えるパイプヒーターとを有している。このヒーターブロック103は、金属パイプ102に螺合された2つの六角ナット104によってMS接続部101に押し付けられて固定されている。したがって、MS接続部101には、ヒーターブロック103から熱が伝わる。また、六角ナット104とヒーターブロック103との間には、平座金105及びばね座金106が介在されている。
特開2008-96272号公報
ところで、上述した構成のインターフェース100は、ガスクロマトグラフ質量分析装置を使用する際に加熱され、ガスクロマトグラフ質量分析装置の使用後に冷却される。このように、インターフェース100が加熱・冷却を繰り返すことにより、例えば、金属パイプ102が膨張・収縮を繰り返すことになる。
金属パイプ102が膨張・収縮を繰り返すと、六角ナット104が徐々に緩んで、ヒーターブロック103をMS接続部101に押しつける力が弱まる。その結果、ヒーターブロック103の熱がMS接続部101へ伝わり難くなり、MS接続部101の温度が低くなってしまう。
本発明は、上記従来技術における実情を考慮し、ヒーターブロックをMS接続部に押し付ける力が弱まらないようにすることができるインターフェース、およびそのインターフェースを備えたガスクロマトグラフ質量分析装置を提供することを目的とする。
本発明のインターフェースの一態様は、ガスクロマトグラフによって加熱気化された試料を質量分析計へ案内するものであり、接続部と、パイプと、ヒーターブロックと、スペーサと、螺合部材と、ばね部材と、係止部材とを備える。接続部は、質量分析計に接続され、パイプは、接続部に接合されている。ヒーターブロックは、パイプが貫通すると共に、接続部に当接する第1端面と、第1端面とは反対側の第2端面を有する。スペーサは、ヒーターブロックの第2端面に当接する。螺合部材は、パイプの周面に螺合される。ばね部材は、スペーサと螺合部材との間に介在されている。係止部材は、螺合部材の回転を係止する。
本発明のガスクロマトグラフ質量分析装置の一態様は、ガスクロマトグラフと、ガスクロマトグラフによって加熱気化された試料を検出する質量分析計と、ガスクロマトグラフによって加熱気化された試料を質量分析計へ案内する上述のインターフェースとを備える。
以上のような構成の本発明によれば、加熱・冷却を繰り返しても、螺合部材によるヒーターブロックを接続部に押し付ける力が弱まらないようにすることができる。
本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフ質量分析装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るインターフェースの断面図である。 本発明の一実施形態に係るスペーサの平面図である。 本発明の一実施形態に係る螺合部材の平面図である。 従来のインターフェースの一例を示す断面図である。
以下、本発明のインターフェースおよびガスクロマトグラフ質量分析装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
≪ガスクロマトグラフ質量分析装置≫
図1は、実施形態に係るガスクロマトグラフ質量分析装置1の概略を示す構成図である。図1に示すガスクロマトグラフ質量分析装置1は、分析対象となる混合物試料を成分毎に分離し、分離した試料成分を順次に質量分析するものである。このガスクロマトグラフ質量分析装置1は、ガスクロマトグラフ2と、質量分析計3と、インターフェース4と、制御部5とを備えている。
<ガスクロマトグラフ2>
ガスクロマトグラフ2は、分析対象となる混合物試料を成分毎に分離する部分である。このガスクロマトグラフ2は、分析対象となる混合物試料を導入するための試料導入部11と、導入された試料を成分毎に分離するための分離カラム12と、これらを収容する加熱オーブン13とを備えている。
[試料導入部11]
試料導入部11は、マイクロシリンジ15を用いて混合物試料が導入される部分である。この試料導入部11は、ヒーター(不図示)によって高温に加熱され、マイクロシリンジ15から導入された混合物試料を加熱する。この際、マイクロシリンジ15から導入される混合物試料が液体であれば、液体の混合物試料が試料導入部11においてガス化され、混合物試料が気体であればそのまま加熱される。
また試料導入部11には、任意の流速でキャリアガスが供給され、このキャリアガスを移動相として、ガス状の混合物試料を分離カラム12の一方の端部から分離カラム12内に送り込む。キャリアガスには不活性ガスが用いられる。一例として、試料導入部11に供給されるキャリアガスの流速量は、以降に説明する加熱オーブン13による加熱温度が150℃程度である場合、1.7ml/分程度であり、試料導入部11の圧力は277kPa程度である。
[分離カラム12]
分離カラム12は、試料導入部11から導入されたガス状の混合物試料を成分毎に分離するものである。この分離カラム12は、キャリアガスと共にカラム中を移動する混合物試料中の各成分を、カラム中の固定相との相互作用(吸着、分配)によって選択的に遅延させて時間的に分離する。
[加熱オーブン13]
加熱オーブン13は、試料導入部11から分離カラム12内に導入された混合物試料およびキャリアガスを加熱する。加熱オーブン13の温度は、制御部5によって制御される。すなわち、制御部5は、予め設定された温度(設定温度)に応じたプログラムにしたがって加熱オーブン13の温度を制御する。
<質量分析計3>
質量分析計3は、ガスクロマトグラフ2において時間的に分離された各成分を順次にイオン化し、イオン化した各成分のイオンをさらに質量電荷比[m/z]に応じて分離して検出する。この質量分析計3は、次のようなイオン化部、質量分離部、および検出部を備えている。また、質量分析計3は、インターフェース4を介して分離カラム12に接続された状態で加熱オーブン13の外側に配置されている。
[イオン化部]
イオン化部は、分離ガス中の成分を順次にイオン化する。このイオン化部では、それぞれの成分の分子イオンと、分子イオンが開裂した複数のフラグメントイオンとが生成される。
[質量分離部]
質量分離部は、イオン化部から供給された各イオンを質量電荷比[m/z]毎に分離し、特定の質量電荷比[m/z]のイオンのみを通過させて検出部に到達させる。質量分離部は、SIM(Selected Ion Monitoring)モード、スキャンモード、またはこれらを組み合わせたモードでの質量分離を実施する。
SIMモードの質量分離を実施する場合であれば、質量分離部は、予め測定対象となる成分に特有の質量電荷比[m/z]を設定しておき、設定した質量電荷比[m/z]のイオンだけをモニタリングする。スキャンモードの質量分離を実施する場合であれば、質量分離部は、保持時間[RT]に対応する一定時間ごとに、検出部に到達させるイオンの質量電荷比[m/z]をスキャンさせる。またこれらを組み合わせたモードの質量分離を実施する場合であれば、質量分析部は、SIMモードとスキャンモードの両方の質量分離を高速で切り替えて実施する。
このような質量分離部は、その方式が限定されることはなく、質量分離のモードとイオン化部との組み合わせによって適宜の方式のものが用いられる。
[検出部]
検出部は、質量分離部において質量電荷比[m/z]に応じて分離されたイオンの信号強度を、各保持時間[RT]において検出する。これにより、保持時間[RT]を横軸とし信号強度を縦軸としたクロマトグラムを得る。また特に、質量分離部がスキャンモードでの質量分離を実施する場合、検出部は、質量分離部において質量電荷比[m/z]に応じて分離されたイオンの信号強度を検出し、得られた信号強度を各スキャンに対応させて取り出す。これにより、クロマトグラムの各保持時間[RT]において、質量電荷比[m/z]に応じた質量スペクトルを得る。またこれと共に、質量電荷比[m/z]毎のクロマトグラム(マスクロマトグラム)や、全質量電荷比[m/z]の信号を加算したクロマトグラムを得る。
<インターフェース4>
インターフェース4は、ガスクロマトグラフ2によって分離された分離ガスを熱的に恒温に維持して、質量分析計3に供給する。このインターフェース4の構成については、後で詳細に説明する。
<制御部5>
制御部5は、質量分析計3の検出部から送信された信号に基づいて、質量分析計3で得られた検出結果を記憶し、必要に応じて表示装置などの出力装置6に出力させる。また、制御部5は、加熱オーブン13からの情報に基づいて加熱オーブン13の温度を算出し、算出した温度と、加熱オーブン13の設定温度に基づいて、加熱オーブン13の加熱温度を決定する。
≪インターフェースの構成≫
次に、インターフェース4の構成について、図2~図4を参照して説明する。図2は、インターフェース4の断面図である。図3は、インターフェース4のスペーサを示す平面図である。図4は、インターフェース4の螺合部材を示す平面図である。
図2に示すように、インターフェース4は、MS接続部21と、パイプ22と、ヒーターブロック23と、スペーサ24と、螺合部材25と、ばね部材26と、係止部材27とを備える。
<MS接続部21>
MS接続部21は、本発明に係る接続部の一具体例を示すものであり、質量分析計3(図1参照)に接続される。このMS接続部21は、例えば、耐食性を有するステンレスなどの金属を加工することにより筒状に形成されており、ガスクロマトグラフ2によって分離された分離ガスが通過する筒孔21aを有する。また、MS接続部21の一方の端面は、インターフェース4の端面を形成しており、MS接続部21の他方の端面には、ヒーターブロック23が当接する。
<パイプ22>
パイプ22は、例えば、耐食性を有するステンレスなどの金属を加工することにより筒状に形成されている。このパイプ22の外径は、MS接続部21の内径(筒孔21aの径)よりも小さい。パイプ22の一端部は、MS接続部21の他方の端面から筒孔21aに挿入されており、パイプ22とMS接続部21は、ろう付け(溶着)により接合されている。
パイプ22の他端部には、雄ねじ部22aが形成されている。この雄ねじ部22aには、螺合部材25が螺合される。また、雄ねじ部22aよりもパイプ22の一端側には、スペーサ24が係合する係合平面部22b,22cが設けられている。この係合平面部22b,22cは、外周面の一部を加工して形成されており、パイプ22の軸心を挟んで平行な平面からなっている。
<ヒーターブロック23>
ヒーターブロック23は、熱伝導率が高いアルミニウムなどの金属から形成された被覆部23aと、この被覆部23aに熱を加えるパイプヒーター(不図示)とを有している。被覆部23aは、パイプ22が貫通する筒孔23bを有する筒状に形成されている。被覆部23aにおける筒孔23bを形成する内周面には、パイプ22の外周面が接触している。そのため、パイプ22には、ヒーターブロック23の熱が伝達され、その結果、パイプ22が温められる。
被覆部23aの一方の端面は、MS接続部21に当接する第1端面31であり、被覆部23aの他方の端面は、スペーサ24が当接する第2端面32である。ヒーターブロック23の第2端面32には、ねじ孔33が設けられている。このねじ孔33は、筒孔23bと同様に被覆部23aの軸方向に延びている。ねじ孔33には、係止部材27が螺合される。
<スペーサ24>
スペーサ24は、鉄、ステンレスなどの金属であり、図3に示すように、略円形の平板状に形成されている。スペーサ24の径は、ヒーターブロック23における第2端面32の径と略同一に設定されている。このスペーサ24は、係合用スリット35と、貫通孔36を有している。係合用スリット35は、スペーサ24の円周部から中心部に向かって直線状に形成されており、スペーサ24の中心を含む大きさに設定されている。
係合用スリット35は、対向する2つの平行部35a,35bと、2つの平行部35a,35bに垂直な垂直部35cを有する。係合用スリット35の2つの平行部35a,35bは、パイプ22の係合平面部22b,22cに係合する。また、係合用スリット35の垂直部35cには、パイプ22の外周面(曲面)が接触する。
スペーサ24の2つの平行部35a,35bがパイプ22の係合平面部22b,22cに係合し、垂直部35cにパイプ22の外周面(曲面)が接触した状態において、貫通孔36は、ヒーターブロック23のねじ孔33に対向する。そのため、ヒーターブロック23に対するスペーサ24の位置決めを容易に行うことができる。
スペーサ24の貫通孔36には、係止部材27が貫通する。なお、本発明に係るスペーサとしては、貫通孔の代わりに、係止部材との干渉を避ける切欠き(スリット)が設けられていてもよい。但し、貫通孔や切欠き(スリット)が占有する面積が大きい場合は、スペーサのヒーターブロックに当接する面積が減り、ヒーターブロックを均一に押圧することが難しくなる。そのため、スペーサの貫通孔や切欠き(スリット)は、係止部材に干渉しない大きさで可能な限り小さいことが好ましい。
<螺合部材25>
螺合部材25は、鉄、ステンレスなどの金属であり、図4に示すように、多角形の平板状に形成されている。螺合部材25は、パイプ22の雄ねじ部22aに螺合する雌ねじ部25aと、複数の貫通孔25bとを有している。雌ねじ部25aは、螺合部材25の中心部に形成されており、複数の貫通孔25bは、雌ねじ部25aを中心とした周方向に所定の間隔を空けて並んでいる。
複数の貫通孔25bのうちの1つは、ヒーターブロック23に設けたねじ孔33に対向する。そして、ヒーターブロック23のねじ孔33に対向する貫通孔25bには、係止部材27が貫通する。このように、螺合部材25に係止部材27が貫通する複数の貫通孔25bを設けることにより、ヒーターブロック23に対する螺合部材25の位置を変更しても、係止部材27は、螺合部材25のいずれかの貫通孔25bを貫通して、ヒーターブロック23のねじ孔33に螺合することができる。
<ばね部材26>
ばね部材26は、耐熱性、耐蝕性、耐酸化性、耐クリープ性などの高温特性に優れた合金であり、圧縮ばねである。本実施形態では、ばね部材26として、ばね座金を適用している。また、ばね部材26は、ヒーターブロック23(パイプ22)の軸方向において、ヒーターブロック23に設けたねじ孔33に重ならない外形に設定されている。
ばね部材26の全圧縮状態になる(完全に潰れてそれ以上圧縮できなくなる)までの撓み(圧縮)量は、ヒーターブロック23の熱膨張によって伸びる長さを考慮して設定する。つまり、ヒーターブロック23の熱膨張によって伸びる長さをn、ばね部材26の撓み量をmとした場合に、nおよびmは、次の関係を満たす。
n<m
<係止部材27>
係止部材27は、止めねじであり、螺合部材25の貫通孔25bおよびスペーサ24の貫通孔36を貫通して、ヒーターブロック23に設けたねじ孔33に螺合される。また、係止部材27の頭部27a(図2参照)は、螺合部材25の貫通孔25b内に配置される。
≪インターフェースの組み立て≫
次に、インターフェース4の組み立てについて説明する。
まず、MS接続部21の筒孔21aにパイプ22を挿入し、両者をろう付け(溶着)により接合する。そして、ヒーターブロック23の筒孔23bにパイプ22を通して、ヒーターブロック23の第1端面31をMS接続部21に突き当てる。このとき、パイプ22の係合平面部22b,22cに直交する仮想線が、ヒーターブロック23に設けたねじ孔33の中心に重なるようにする。
次に、スペーサ24の係合用スリット35をパイプ22の係合平面部22b,22cに係合させる。これにより、スペーサ24は、ヒーターブロック23の第2端面32に対向し、パイプ22およびヒーターブロック23に対して位置決めされる。そして、スペーサ24の貫通孔36がヒーターブロック23のねじ孔33に対向した状態が維持される。
次に、ばね部材26をパイプ22に通して、ばね部材26をスペーサ24に対向させる。そして、パイプ22の雄ねじ部22aに螺合部材25の雌ねじ部25aを螺合させる。これにより、螺合部材25が、ばね部材26及びスペーサ24を介してヒーターブロック23の第2端面32を押圧する。その結果、ヒーターブロック23の第1端面31がMS接続部21に接触する。
螺合部材25をさらにパイプ22に螺合させて、ヒーターブロック23の第2端面32に接近させると、スペーサ24と螺合部材25との間に介在されたばね部材26が、圧縮されて全圧縮状態になる。その後、螺合部材25によるばね部材26への締め付けを緩めて螺合部材25を移動させる。この螺合部材25の移動距離は、ヒーターブロック23の熱膨張によって伸びる長さを考慮して決定する。
ヒーターブロック23は、パイプ22よりも熱膨張率が高いため、ヒーターブロック23を加熱すると、パイプ22に対してヒーターブロック23が伸びてしまう。すなわち、ヒーターブロック23の熱膨張よって伸びる長さは、ヒーターブロック23の設定温度、およびヒーターブロック23とパイプ22の熱膨張率によって変化する。したがって、螺合部材25の移動距離は、ヒーターブロック23の設定温度、およびヒーターブロック23とパイプ22の熱膨張率に応じて決定される。
例えば、ヒーターブロック23の熱膨張によって伸びる長さがnであり、ばね部材26が全圧縮状態になった位置から螺合部材25を緩めてヒーターブロック23から離れる方向へ移動させる距離(螺合部材25の移動距離)をLとする。この場合に、nおよびLは、次の関係を満たす。
n≦L
これにより、ヒーターブロック23が熱膨張によって伸びても、その伸びた長さをばね部材26の圧縮によって吸収することができる。
また、螺合部材25の移動距離Lと、ばね部材26の全圧縮状態になるまでの撓み(圧縮)量mは、次の関係を満たす。
L<m
したがって、L、m及びnは、次の関係を満たす。
n≦L<m
これにより、螺合部材25を緩めて移動距離Lまで螺合部材25を移動させても、ばね部材26が圧縮された状態を維持することができる。その結果、ばね部材26がスペーサ24を介してヒーターブロック23の第2端面32を押圧するため、ヒーターブロック23の第1端面31がMS接続部21に接触した状態を維持することができる。
次に、螺合部材25の貫通孔25bおよびスペーサ24の貫通孔36に係止部材27を通して、ヒーターブロック23のねじ孔33に螺合する。これにより、係止部材27の頭部27aが螺合部材25の貫通孔25b内に配置され、螺合部材25の回転が係止される。これにより、インターフェース4の組み立てが完了する。
なお、インターフェース4のMS接続部21は、質量分析計3に接続され、インターフェース4におけるパイプ22の他端部(MS接続部21と反対側)は、ガスクロマトグラフ2に接続される。
≪実施形態の効果≫
以上説明した実施形態によれば、係止部材27によって螺合部材25の回転を係止する。したがって、インターフェース4におけるヒーターブロック23の加熱・冷却を繰り返すことにより、パイプ22が膨張・収縮を繰り返しても、螺合部材25が緩まないようにすることができる。その結果、ヒーターブロック23をMS接続部21に押し付ける力が弱まらないようにすることができる。
ここで、係止部材27による螺合部材25の回転の係止について、詳しく説明する。パイプ22が膨張・収縮を繰り返すことで、螺合部材25が緩もうと回転した場合に、螺合部材25における貫通孔25bの壁面が係止部材27の頭部27aに接触するため、螺合部材25は、一定以上に緩むことがない。
例えば、係止部材27における頭部27aの径が3.0mmの場合、螺合部材25の貫通孔25bの径は3.4mmに設定される。この両者のクリアランス(隙間)の範囲において、螺合部材25は、回転可能となる。しかし、両者のクリアランス(隙間)の範囲で螺合部材25が回転する距離はわずかであるため、螺合部材25の雌ねじ部25aやパイプ22の雄ねじ部22aが破壊されることはない。
ところで、本実施形態のインターフェース4では、ヒーターブロック23とパイプ22の材質が異なるため、それぞれの熱膨張率が異なる。すなわち、ヒーターブロック23は、パイプ22よりも熱膨張率が高い。したがって、ヒーターブロック23を加熱すると、パイプ22に対してヒーターブロック23が伸びてしまう。これにより、螺合部材25がヒーターブロック23に押圧され、螺合部材25の雌ねじ部25aやパイプ22の雄ねじ部22aが破壊される可能性がある。
そこで、本実施形態では、螺合部材25を全圧縮状態になるまでパイプ22に螺合した後に、その螺合部材25を緩めて、ヒーターブロック23の熱膨張によって伸びる長さを考慮した距離まで移動させた。これにより、ヒーターブロック23が熱膨張によって伸びても、その伸びた長さをばね部材26の圧縮によって吸収することができる。その結果、螺合部材25の位置を維持することができ、螺合部材25の雌ねじ部25aやパイプ22の雄ねじ部22aが破壊されることを防ぐことができる。
さらに、螺合部材25を緩めた(移動させた)状態においても、ばね部材26を圧縮した状態が維持されている。その結果、ばね部材26の弾性力(ばね力)がスペーサ24を介してヒーターブロック23の第2端面32を押圧するため、ヒーターブロック23の第1端面31をMS接続部21に接触させることができる。したがって、ヒーターブロック23の熱をMS接続部21に伝達することができる。
また、本実施形態では、螺合部材25に複数の貫通孔25bを設けた。これにより、ヒーターブロック23に対する螺合部材25の位置を細かく調整することができる。また、螺合部材25を回転させる際に、ねじ孔33に対向する貫通孔25bの数に応じて螺合部材25の移動距離Lを容易に把握することができる。そのため、螺合部材25の位置調整を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、スペーサ24の径が、ヒーターブロック23における第2端面32の径と略同一に設定されている。したがって、スペーサ24を介してヒーターブロック23の第2端面32全体を押圧することができる。その結果、ヒーターブロック23の第1端面31全体をMS接続部21に接触させることができる。
なお、本実施形態では、係止部材27として止めねじを適用した。しかし、本発明に係る係止部材としては、螺合部材の回転を係止するものであればよく、例えば、螺合部材を貫通する係止部材を、溶接やカシメによってヒーターブロックに固定するものであってもよい。また、本発明に係る係止部材としては、螺合部材に固定され、かつ、ヒーターブロックに設けた挿入孔に挿入されるものであってもよい。
また、本実施形態では、ヒーターブロック23の第2端面32にねじ孔33を設け、そのねじ孔に係止部材27を螺合させた。しかし、本発明に係るヒーターブロックとしては、外周面から突出する突部を設け、その突部に係止部材が螺合されるねじ孔を設けてもよい。
また、本発明に係る係止部材は、ヒーターブロックに取り付けることに限定されず、例えば、パイプに取り付けられて螺合部材の回転を係止するものや、ガスクロマトグラフや質量分析計に取り付けられて螺合部材の回転を係止するものであってもよい。
また、本実施形態では、制御部5が加熱オーブン13の加熱温度を制御する構成にした。しかし、本発明に係る加熱オーブンとしては、温度制御機能を備えたものであってもよい。この場合は、制御部による指令に応じて、加熱オーブン13の温度制御機能が加熱温度を制御する。
1…ガスクロマトグラフ質量分析装置、 2…ガスクロマトグラフ、 3…質量分析計、 4…インターフェース、 5…制御部、 6…出力装置、 11…試料導入部、 12…分離カラム、 13…加熱オーブン、 15…マイクロシリンジ、 21…MS接続部、 21a…筒孔、 22…パイプ、 22a…雄ねじ部、 22b,22c…係合平面部、 23…ヒーターブロック、 23a…被覆部、 23b…筒孔、 24…スペーサ、 25…螺合部材、 25a…雌ねじ部、 25b…貫通孔、 26…ばね部材、 27…係止部材、 27a…頭部、 31…第1端面、 32…第2端面、 33…ねじ孔、 35…係合用スリット、 35a,35b…平行部、 35c…垂直部、 36…貫通孔

Claims (6)

  1. ガスクロマトグラフによって加熱気化された試料を質量分析計に案内するインターフェースであって、
    前記質量分析計に接続される接続部と、
    前記接続部に接合されたパイプと、
    前記パイプが貫通すると共に、前記接続部に当接する第1端面と、前記第1端面とは反対側の第2端面とを有するヒーターブロックと、
    前記ヒーターブロックの前記第2端面に当接するスペーサと、
    前記パイプの周面に螺合される螺合部材と、
    前記スペーサと前記螺合部材との間に介在されたばね部材と、
    前記螺合部材の回転を係止する係止部材と、を備える
    ことを特徴とするインターフェース。
  2. 前記螺合部材は、前記ばね部材を全圧縮状態になるまで前記パイプの周面に螺合された後に、前記ヒーターブロックの熱膨張によって伸びる長さを考慮した距離まで緩められており、
    前記ばね部材は、前記螺合部材と前記スペーサに当接して圧縮されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインターフェース。
  3. 前記係止部材は、前記ヒーターブロックの前記第2端面に設けられたねじ孔に螺合する止めねじであり、
    前記螺合部材は、前記止めねじが貫通するねじ貫通孔を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインターフェース。
  4. 前記螺合部材の前記ねじ貫通孔は、複数設けられており、前記パイプに螺合するねじ孔を中心とした周方向に所定の間隔で並んでいる
    ことを特徴とする請求項3に記載のインターフェース。
  5. 前記パイプは、当該パイプの軸心を挟んで平行な平面からなる2つの係合平面部を有し、
    前記スペーサは、前記パイプの前記係合平面部に係合するスリットと、前記係止部材との干渉を避ける貫通孔又は切り欠きと、を有する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のインターフェース。
  6. ガスクロマトグラフと、
    前記ガスクロマトグラフによって加熱気化された試料検出する質量分析計と、
    前記ガスクロマトグラフによって加熱気化された試料を前記質量分析計に案内するインターフェースと、を備え、
    前記ンターフェースは、
    前記質量分析計に接続される接続部と、
    前記接続部に接合されたパイプと、
    前記パイプが貫通すると共に、前記接続部に当接する第1端面と、前記第1端面とは反対側の第2端面とを有するヒーターブロックと、
    前記ヒーターブロックの前記第2端面に当接するスペーサと、
    前記パイプの周面に螺合される螺合部材と、
    前記スペーサと前記螺合部材との間に介在されたばね部材と、
    前記螺合部材の回転を係止する係止部材と、を備える
    ことを特徴とするガスクロマトグラフ質量分析装置。
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