JP7008319B2 - ホログラム再生方法およびホログラム再生装置 - Google Patents
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Description
このようなアプリケーションの広がりの中で、記録媒体に大容量のデータ情報を記録することが可能なホログラムメモリ技術を用いたホログラム記録再生装置においても、記録されたデータ情報を高速で再生し、プロセッサに高速でダウンロードすることが要求されている。
一般的に、ホログラムメモリ技術は、二次元化されたデジタルビットパターンをホログラムとして記録再生するものであるので基本的には高速転送が可能なメモリ技術であるが、上述のようなビックデータの利活用やIoTに係る解析等を行うときに要求される転送速度は、例えば10Gbps程度と従来のホログラムメモリ技術を用いたホログラム記録再生装置における転送速度から一桁以上も高速とされる。特に、ホログラムの再生時に高速転送がなされることが要求されている。
従って、通常のホログラム記録再生用の光学ヘッドにおいては、このような高機能のレーザ光源を使用すれば、環境温度が変動してもホログラムの再生に用いられる参照光の波長が適宜に補正されたものとされるので、ホログラムの記録再生に際して問題とならない。
また、ホログラム記録再生装置の光学ヘッドには、レーザ光源の他に、空間光変調器、撮像素子、多数のレンズ群および高速スイッチングデバイスなどを備えて構成することが必要とされる。このため、光学ヘッドが高コスト化することによって、ホログラムの記録および再生を可能とするドライブ(ホログラム記録再生装置)全体の高コスト化を招くという問題がある。
また、環境温度が維持されて変動しない場合、すなわち出力されるレーザ光に波長変動が生じていない場合においても、記録媒体自体の物理的な収縮(媒体収縮)によって、ホログラムを再生することのできる波長、すなわち球面参照光にブラッグの回折条件を満たす波数ベクトルが得られる波長が変動する。
図11は、波数ベクトル間の関係を示す波数空間での概念図である。ある一つのホログラムについて、記録時の信号光の波数ベクトルKoと、記録時の参照光の波数ベクトルkrと、これらの記録時の信号光の波数ベクトルKoおよび記録時の参照光の波数ベクトルkrの干渉の結果得られたグレーティングベクトル(ホログラムの波数ベクトル)kg(kg=ko-kr)とは、ブラッグの回折条件を満たして一つの円(エバルト球k)を成す(図11において実線円で示す。)。
このホログラムの再生時は、再生時の参照光の波数ベクトルkpとホログラムの波数ベクトルkgとがエバルト球を形成する必要、すなわち参照光として照射されるレーザ光が当該エバルト球に係るブラッグの回折条件を満たす波数ベクトルを有する必要がある。ここで、参照光として照射されるレーザ光に波長変動が生じていたり、記録媒体に媒体収縮が生じていると、再生時のエバルト球k’(図11において破線円で示す。)は、記録時のエバルト球kからその大きさが変化する。例えば、k=1/λで表されるので、記録時の参照光よりも再生時の波長が長くなると再生時のエバルト球k’は小さくなる。このように、レーザ光源からのレーザ光の波長変動や媒体収縮等が生じると、期せずして再生用の参照光の波数ベクトルが再生時のエバルト球k’に係るブラッグの回折条件を満たさなくなってしまう。
しかしながら、図12に示されるように、従来の角度多重記録方式にあっては、再生用の参照光の波数ベクトルが再生時のエバルト球k’に係るブラッグの回折条件を満たさなくなったとしても、参照光として照射されるレーザ光(平面波)の入射角度をわずかに変化させることによって、ホログラムを再生することができる波数ベクトル(再生時の参照光の波数ベクトルkp)を有する平面波Rbが存在する参照光(再生可能な参照光)が得られる。図12において、Raは記録時の参照光の波数ベクトルを有する平面波である。具体的には、再生時の信号光の波数ベクトルkdは、kd=kp+kgとなるので、再生時の信号光の波数ベクトルkdの大きさと再生時の参照光の波数ベクトルkpの大きさとが一致するとき、再生時の参照光の波数ベクトルkp、ホログラムの波数ベクトルkgおよび再生時の信号光の波数ベクトルkdがブラッグの回折条件を満たしてエバルト球k’が形成されてホログラムを再生させることができる。
図13は、球面参照波シフト多重記録方式の波数ベクトル間の関係を示す波数空間での概念図である。ある一つのホログラムについて、参照光として照射されるレーザ光に波長変動が生じていたり、記録媒体に媒体収縮が生じていると、上述のように、記録時のエバルト球k(図13において実線円で示す。)から、再生時のエバルト球k’(図13において破線円で示す。)に、その大きさが変化して、再生用の参照光の波数ベクトルが再生時のエバルト球k’に係るブラッグの回折条件を満たさなくなってしまう。そして、球面参照波シフト多重方式に用いられる球面参照光(球面波Rc)は、多数の波数ベクトルの方向を有する平面波から構成されていると考えられるので、その入射角度を変化させたとしても、球面参照光の集光点(波源)r0からの光束には、ホログラムを再生することができる波数ベクトル(再生時の参照光の波数ベクトルkp)を有する平面波が存在しない。これは、波源r0からの光束には、球面の波面に対して垂直な波数ベクトルを持つ波面のみが存在するためである。すなわち、参照光として照射されるレーザ光の入射角度を変化させたとしても、再生可能な参照光は得られない。
レーザ光源から出力された参照光を球面参照光に変換させる球面波生成集光レンズと、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光が記録媒体に照射されることによって得られる再生光を読み取る読取部とを備え、さらに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御する制御部を備え、
前記記録媒体には、前記球面波生成集光レンズの位置を制御するための基準となる基準ホログラムが予め記録されており、
前記制御部が、前記基準ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って、前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を制御するものであることを特徴とする。
レーザ光源から出力された参照光を球面参照光に変換させる球面波生成集光レンズと、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光が記録媒体に照射されることによって得られる再生光を読み取る読取部とを備え、さらに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御する制御部を備え、
前記制御部が、再生対象のホログラムの記録時に、当該再生対象のホログラムと共に記録された制御用ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って、前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を制御するものであることを特徴とする。
レーザ光源から出力された参照光を球面波生成集光レンズによって球面参照光に変換させ、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光を記録媒体に照射することによって得られる再生光を読み取るときに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御し、
前記記録媒体には、前記球面波生成集光レンズの位置を制御するための基準となる基準ホログラムが予め記録されており、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置が、前記基準ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って制御されることを特徴とする。
レーザ光源から出力された参照光を球面波生成集光レンズによって球面参照光に変換させ、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光を記録媒体に照射することによって得られる再生光を読み取るときに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御し、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置が、再生対象のホログラムの記録時に、当該再生対象のホログラムと共に記録された制御用ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って制御されることを特徴とする。
さらに、ホログラムの再生に用いる光学ヘッドを、外部共振器などを備えない通常の半導体レーザを用いたとしても温度制御機構などの波長変動抑制機構等を備えたものとする必要がないので、当該再生に用いる光学ヘッドを極めて小型化および軽量化されたものとして簡素な構成とすることができるため、データ情報へのアクセス速度を速めることができる。
従って、球面参照光シフト多重記録方式を採用したホログラム再生装置およびホログラム再生方法において、再生可能な参照光の波長が再生に用いるレーザ光源からのレーザ光の波長と異なっている場合にも、高い再生品質で、しかも、高速でホログラムを再生することができる。
また、ホログラムが多重記録される記録媒体が透過型のホログラムの記録方式に対応するものである場合には、図2に示されるように、記録媒体10aは、各々例えばガラス材料よりなる2枚の光透過性基板14a,14bと、これらの光透過性基板14a,14bの間に形成された、光反応性モノマーよりなるホログラム記録層11aとを備えたものとされる。
ホログラム記録層11,11aの厚みは、記録再生能の観点から、例えば0.3~2.0mmとされ、好ましくは0.5~1.0mmとされる。
このホログラム記録装置は、信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1を記録媒体10に照射する光学機構と、記録媒体10をその表面に沿った平面内において回動および平行移動させる記録媒体駆動機構とを備えている。
記録光源21と光分離手段22との間におけるレーザ光の光路L上には、シャッタ23、偏光板24およびビーム整形用レンズ25が設けられている。
一方、参照光用の光は、λ/2波長板(半波長板)31および反射ミラー33を介して参照光集光用対物レンズ32に入射され、参照光集光用対物レンズ32によって球面波に変換されて記録用球面参照光Lr1として記録媒体10の一面側から当該記録媒体10に照射される。これにより、記録媒体10においては、信号光Lsと記録用球面参照光Lr1とによる干渉縞がホログラムとして記録される。
そして、図示しない記録媒体移動機構によって記録媒体10がその径方向(図1において白抜きの矢印で示す。)に移動されて球面参照光シフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録される。
具体的には、再生用光学ヘッドは、例えば図2に示されるように、レーザ光源40と、当該レーザ光源40から出力された光を球面参照光に変換して再生用球面参照光Lr2として集光して記録媒体10aに照射する球面波生成集光レンズ41と、当該球面波生成集光レンズ41から出射された再生用球面参照光Lr2が記録媒体10aに照射されて当該記録媒体10aに記録されたホログラムに再生用球面参照光Lr2が照射されることにより当該ホログラムから発せられる再生光(回折光)Lgを読み取る例えばCCDなどの撮像素子よりなる読取部43とを備える。図2における符号48は、反射ミラーである。
制御部45において、球面波生成集光レンズ41から出射される再生用球面参照光Lr2の集光点(波源)r0の位置の移動は、記録媒体10,10aと球面波生成集光レンズ41との相対的な位置関係の調整により行うことができ、例えば固定された記録媒体10,10aに対して球面波生成集光レンズ41を移動させること、または、固定された球面波生成集光レンズ41に対して記録媒体10,10aを微小移動あるいは微小回転させることによって、行うことができる。また、記録媒体10,10aと球面波生成集光レンズ41の両者を相対的に移動させる方法を採用してもよい。
制御部45は、具体的には、球面波生成集光レンズ41を移動させるレンズ位置制御駆動部と、球面波生成集光レンズ41を移動させるための位置制御データ情報を得る制御データ取得部とを有する。
ボイスコイルアクチュエータ46によるウオブリング方向は、例えば、信号光の光軸をx軸、参照光の光軸をz軸とするとき、x軸およびz軸の2軸方向で合成されるベクトル方向に集光点が移動される方向であってもよく、x軸、y軸およびz軸の3軸方向で合成されるベクトル方向に集光点が移動される方向であってもよい。また、x軸、z軸方向にそれぞれ独立してウオブリングできるよう、複数のボイスコイルアクチュエータが備えられていてもよい。球面波生成集光レンズ41のウオブリング距離は、例えば最大でも数十μm程度とされる。
ここに、基準ホログラムとは、再生対象のホログラムの再生に係る集光点の位置制御のために作成されて記録されたホログラムである。また、制御用ホログラムとは、実際に記録・再生すべきデータに係るホログラム(実用ホログラム)を記録するときに、当該記録に係る制御を行う目的で、実用ホログラムと共に記録されたホログラムである。制御用ホログラムは、実用ホログラムと同じシフト多重ホログラム列に、例えばシフト方向の先頭に記録されていてもよく、同記録媒体中の別領域に記録されていてもよい。
この再生光の回折強度の代わりに、基準ホログラムまたは制御用ホログラムよりの再生光から得られるデータ情報の信号対雑音比、または、当該再生光から得られるデータ情報のビットエラーレートを指標として用いてもよい。また、これらの指標の複数を用いてもよい。
具体的には、球面波生成集光レンズ41をウオブリングすることによって当該球面波生成集光レンズ41から出射される球面参照光の集光点の位置を微調移動させながら、再生対象のホログラムから得られる再生光の回折強度(再生光から得られるデータ情報の信号対雑音比/再生光から得られるデータ情報のビットエラーレート)が最適化される集光点の位置を検出し、当該再生対象のホログラムとこの集光点の位置との関係を位置制御データ情報として取得し、これを再生対象のホログラム毎に行うことにより、常時、球面波生成集光レンズ41を再生可能な参照光を得られる位置に移動させてもよい。
球面参照波シフト多重方式においては、記録時の信号光の波数ベクトルKoと、記録時の参照光の波数ベクトルkrと、これらの記録時の信号光の波数ベクトルKoおよび記録時の参照光の波数ベクトルkrの干渉の結果得られたグレーティングベクトル(ホログラムの波数ベクトル)kgとから成されるエバルト球kにおいては、ホログラムの波数ベクトルkgに対して局所的なブラッグの回折条件を満たす入射角度となる波源r0の座標の集合が一つの軸(図5において軸C1)を成す。すなわち、記録時のエバルト球kにおいては、記録時の参照光の波数ベクトルkrを包含する軸C1上に参照光の集光点(波源)r0があれば再生可能な参照光が得られたが、再生時のエバルト球k’においては、当該エバルト球k’を満たす再生時の参照光の波数ベクトルkpは、記録時の参照光の波数ベクトルkrとはその向きが異なるため、再生可能な参照光の波数ベクトルkpを包含する軸も変化することになる。
従って、再生可能な参照光の波数ベクトルkpを包含する軸C2上または当該軸C2の極近傍に波源r0が存在することにより、再生用球面参照光Lr2に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトル(再生可能な参照光の波数ベクトルkp)が得られる。図5において、記録時の参照光の集光点(波源)をr0(a)、再生時の参照光の集光点(波源)をr0(b)で示す。また、再生時の参照光を構成する多数の波数ベクトルの方向を有する平面波から構成される球面波をRdで示す。
図4において、実空間における集光点の位置の移動例を示すと、記録時の記録用球面参照光Lr1の集光点r0(a)から、再生時には、再生用球面参照光Lr2の集光点r0(b)に移動する。図4において、k1およびk2は、それぞれ記録時の記録用球面参照光Lr1の伝搬方向および再生時の再生用球面参照光Lr2の伝搬方向である。
そして、制御部45において取得された位置制御データ情報に従ってボイスコイルアクチュエータ46によって球面波生成集光レンズ41の位置が制御されて固定され、この固定された球面波生成集光レンズ41から出射される再生用球面参照光Lr2の集光点(波源)r0(b)の位置が、当該再生用球面参照光Lr2に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態とされる。このようにレーザ光源40から出力された参照光が球面波生成集光レンズ41によって再生用球面参照光Lr2に変換されこの再生用球面参照光Lr2が記録媒体10,10aに照射されることにより、ホログラムから再生光Lgが発せられて読取部43の撮像素子に入射され、当該撮像素子によって再生光Lgが検出されることにより、当該ホログラムに記録されたデータ情報が再生される。
さらに、ホログラムの再生に用いる光学ヘッドを、外部共振器などを備えない通常の半導体レーザを用いたとしても温度制御機構などの波長変動抑制機構等を備えたものとする必要がないので、当該再生に用いる光学ヘッドを極めて小型化および軽量化されたものとして簡素な構成とすることができるため、データ情報へのアクセス速度を速めることができる。
従って、球面参照光シフト多重記録方式を採用したホログラム再生装置およびホログラム再生方法において、再生可能な参照光の波長が再生に用いるレーザ光源40からのレーザ光の波長と異なっている場合にも、高い再生品質で、しかも、高速でホログラムを再生することができる。
図2に従った構成を有するホログラム再生装置を作製し、ブラッグの回折条件を満たす球面参照光の波長が405nmであるホログラムに対して、波長405.5nmのレーザ光が出力されるレーザ光源を用いて、記録媒体に記録されたホログラムを再生した。
このとき、ウオブリングされた球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を微調移動させながら、基準ホログラムから得られる再生光の回折強度が最大となる球面参照光の集光点の位置を検出した。また、再生光から得られるデータ情報のビットエラーレートにエラー信号のない領域の幅が最大となる球面参照光の集光点の位置を検出した。図6に、集光点のx軸方向へのシフト量と再生光の回折効率との関係を示すグラフを示す。また、図7に、集光点のx軸方向へのシフト量とビットエラーレートとの関係を示すグラフを示す。
図6および図7の結果から、制御部によって集光点がx軸方向に+5μmシフトされるよう球面波生成集光レンズの位置が制御され、その結果、高い再生品質でホログラムが再生された。
実験例1において、波長407nmのレーザ光が出力されるレーザ光源を用いたことの他は同様にして、記録媒体に記録されたホログラムを再生した。
このとき、ウオブリングされた球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を微調移動させながら、基準ホログラムから得られる再生光の回折強度が最大となる球面参照光の集光点の位置を検出した。また、再生光から得られるデータ情報のビットエラーレートにエラー信号のない領域の幅が最大となる球面参照光の集光点の位置を検出した。図8に、集光点のx軸方向へのシフト量と再生光の回折効率との関係を示すグラフを示す。また、図9に、集光点のx軸方向へのシフト量とビットエラーレートとの関係を示すグラフを示す。
図8および図9の結果から、制御部によって集光点がx軸方向に例えば+10μmシフトされるよう球面波生成集光レンズの位置が制御されても、再生光の回折効率の最大値が低く、また、ビットエラーレートにはエラー信号のない領域が得られず、従って、集光点がx軸方向に+10μmシフトされるよう球面波生成集光レンズの位置が制御されたとしても、ホログラムの再生は困難であると予測される。
例えば、ホログラム再生装置としては、図2に係るホログラム再生装置および図3に係るホログラム再生装置以外のものを用いることができる。
また、本発明のホログラム再生方法において再生対象のホログラムを記録媒体に記録するホログラム記録装置は、図1に係るホログラム記録装置に限定されるものではない。
11,11a ホログラム記録層
12 光透過層
13 反射層
14,14a,14b 光透過性基板
21 記録光源
22 光分離手段
23 シャッタ
24 偏光板
25 ビーム整形用レンズ
26 ビームエクスパンダ
27 ピンホール
28 偏光プリズムビームスプリッタ
29 空間光変調器(SLM)
31 λ/2波長板(半波長板)
32 参照光集光用対物レンズ
33 反射ミラー
34 リレーレンズ
35 ナイキストフィルタ
38 信号光集光用対物レンズ
40 レーザ光源
41 球面波生成集光レンズ
43 読取部
45 制御部
46 ボイスコイルアクチュエータ
47 像形成用レンズ
48 反射ミラー
k,k’ エバルト球
Ko 記録時の信号光の波数ベクトル
kr 記録時の参照光の波数ベクトル
kg ホログラムの波数ベクトル(グレーティングベクトル)
kd 再生時の信号光の波数ベクトル
kp 再生時の参照光の波数ベクトル
Lg 再生光
Lr 球面参照光
Lr1 記録用球面参照光
Lr2 再生用球面参照光
Ls 信号光
Ra 記録時の参照光の波数ベクトルを有する平面波
Rb 再生時の参照光の波数ベクトルを有する平面波
Rc 記録時の参照光の波数ベクトルを有する球面波
Rd 再生時の参照光の波数ベクトルを有する球面波
Claims (6)
- データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムがシフト多重方式によって多重記録された記録媒体に対して、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム再生装置において、
レーザ光源から出力された参照光を球面参照光に変換させる球面波生成集光レンズと、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光が記録媒体に照射されることによって得られる再生光を読み取る読取部とを備え、さらに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御する制御部を備え、
前記記録媒体には、前記球面波生成集光レンズの位置を制御するための基準となる基準ホログラムが予め記録されており、
前記制御部が、前記基準ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って、前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を制御するものであることを特徴とするホログラム再生装置。 - データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムがシフト多重方式によって多重記録された記録媒体に対して、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム再生装置において、
レーザ光源から出力された参照光を球面参照光に変換させる球面波生成集光レンズと、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光が記録媒体に照射されることによって得られる再生光を読み取る読取部とを備え、さらに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御する制御部を備え、
前記制御部が、再生対象のホログラムの記録時に、当該再生対象のホログラムと共に記録された制御用ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って、前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を制御するものであることを特徴とするホログラム再生装置。 - 前記制御部が、前記球面波生成集光レンズをウオブリングさせながら、当該球面波生成集光レンズから出射される球面参照光がホログラムに照射されることによって得られる再生光の回折強度、当該再生光から得られるデータ情報の信号対雑音比、および、当該再生光から得られるデータ情報のビットエラーレートの少なくとも1つに基づいた位置制御データ情報に従って、前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を制御するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホログラム再生装置。
- データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムがシフト多重方式によって多重記録された記録媒体に対して、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム再生方法において、
レーザ光源から出力された参照光を球面波生成集光レンズによって球面参照光に変換させ、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光を記録媒体に照射することによって得られる再生光を読み取るときに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御し、
前記記録媒体には、前記球面波生成集光レンズの位置を制御するための基準となる基準ホログラムが予め記録されており、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置が、前記基準ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って制御されることを特徴とするホログラム再生方法。 - データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムがシフト多重方式によって多重記録された記録媒体に対して、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム再生方法において、
レーザ光源から出力された参照光を球面波生成集光レンズによって球面参照光に変換させ、当該球面波生成集光レンズから出射された球面参照光を記録媒体に照射することによって得られる再生光を読み取るときに、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置を、当該球面参照光に再生対象のホログラムについてのブラッグの回折条件を満足する波数ベクトルが得られる状態に制御し、
前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置が、再生対象のホログラムの記録時に、当該再生対象のホログラムと共に記録された制御用ホログラムに前記球面参照光が照射されることによって得られる再生光から取得される位置制御データ情報に従って制御されることを特徴とするホログラム再生方法。 - 前記球面波生成集光レンズから出射される球面参照光の集光点の位置が、前記球面波生成集光レンズをウオブリングさせながら、当該球面波生成集光レンズから出射される球面参照光がホログラムに照射されることによって得られる再生光の回折強度、当該再生光から得られるデータ情報の信号対雑音比、および、当該再生光から得られるデータ情報のビットエラーレートの少なくとも1つに基づいた位置制御データ情報に従って制御されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のホログラム再生方法。
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