JP7008300B2 - 電源デバイス - Google Patents

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Description

本発明は電源デバイスに関する。
近年、炭素で構成され大気中の酸素を正極活物質として取り込む正極と、負極活物質として金属を有する負極と、を備える金属空気電池の開発が行われている(例えば特許文献1を参照)。例えば従来の金属空気電池の還元電位又は還元反応による起電力は0.401Vであったが、金属空気電池の起電力のさらなる向上が望まれていた。
特開2013-243118号公報
本発明は、起電力が高い金属空気電池等の電源デバイスを提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る電源デバイスは、正極と、負極と、正極及び負極の間に介在し且つ水を含有する電解質と、を備え、正極及び負極の少なくとも一方は、水との接触により表面に塩基性官能基が生成し得る電極材料又は表面に塩基性官能基を備える電極材料を有し、水との接触により電極材料の表面に生成する塩基性官能基の量、及び、電極材料が表面に備える塩基性官能基の量は、0.036%以上であることを要旨とする。
本発明によれば、起電力が高い電源デバイスを提供することができる。
本発明に係る電源デバイスの第一実施形態である金属空気電池の構造を説明する模式的断面図である。 図1の金属空気電池の要部の構造を示す部分拡大断面図である。 図1の金属空気電池のメカニズムを説明する概念図である。 図1の金属空気電池の放電特性を示すグラフである。 本発明に係る電源デバイスの第二実施形態である燃料電池の構造を説明する模式的断面図である。 本発明に係る電源デバイスの第三実施形態である電気二重層キャパシタの構造を説明する模式的断面図である。 本発明に係る電源デバイスの第四実施形態であるコンデンサの構造を説明する模式的断面図である。
本発明の一態様に係る電源デバイスは、正極と、負極と、正極及び負極の間に介在し且つ水を含有する電解質と、を備えている。正極及び負極の少なくとも一方は、水との接触により表面に塩基性官能基が生成し得る電極材料、又は、表面に塩基性官能基を備える電極材料を有している。そして、正極及び負極の少なくとも一方が、水との接触により表面に塩基性官能基が生成し得る電極材料を有している場合は、水との接触により電極材料の表面に生成する塩基性官能基の量は、0.036%以上である。また、正極及び負極の少なくとも一方が、表面に塩基性官能基を備える電極材料を有している場合は、電極材料が表面に備える塩基性官能基の量は、0.036%以上である。電極材料の表面の塩基性官能基の量が多いため、本発明の一態様に係る電源デバイスは、起電力が高い。
電源デバイスには種々の種類があり、例えば、金属空気電池、燃料電池、電気二重層キャパシタ、コンデンサが挙げられるが、本発明はいずれの電源デバイスに対しても適用することができる。金属空気電池、燃料電池、電気二重層キャパシタ、及びコンデンサの一例について、以下に説明する。
〔第一実施形態:金属空気電池〕
図1に示す第一実施形態の金属空気電池は、酸素を正極活物質とする正極14と、金属を負極活物質とする負極16と、正極14と負極16との間に介在し且つ水を保持してゲル状をなす高分子電解質12と、を備えており、正極14、負極16、及び高分子電解質12は容器10に収容されている。
正極14は、水との接触により表面に塩基性官能基が生成し得る正極材料17、又は、表面に塩基性官能基を備える正極材料17を有する。なお、正極材料17が、本発明の構成要件である電極材料に相当する。負極16は電極材料を有していない。
そして、図1に示すように、正極14と負極16が導線21によって電気的に接続されているとともに、導線21の途中に負荷22が設けられている。負荷22の種類は特に限定されない。
第一実施形態の金属空気電池の構成についてさらに詳述すると、高分子電解質12は容器10内に装填されており、負極16は高分子電解質12内に挿入され、負極16の表面の大部分又は全部が高分子電解質12に覆われている。一方、正極14は容器10の一側壁に組み込まれ、容器10の内側を向く正極14の内側面14aが高分子電解質12に接触し、容器10の外側を向く正極14の外側面が、大気に露出する露出面14bとされている。このように、正極14は、大気に露出する露出面14bを有しており、正極材料17によって露出面14bから大気中の酸素を取り込み可能に形成されている。
以下に、第一実施形態の金属空気電池を構成する上記各構成要素について、さらに詳細に説明する。
(1)容器10について
容器10の材質は、耐食性や止水性(容器10内の水を外部に漏出させない性質)を有するならば特に限定されるものではないが、例えば、樹脂があげられる。あるいは、金属層と樹脂層との積層体であるラミネートフィルムで容器10を構成してもよい。また、容器10は、可撓性を有していてもよいし、可撓性を有していなくてもよい。
容器10の形状は、正極14、負極16、及び高分子電解質12を収容可能であるならば特に限定されるものではないが、例えば箱状、袋状があげられる。容器10を箱状として、金属空気電池の形状を箱状としてもよい。また、容器10が袋状である場合は、金属空気電池の形状をシート状としてフレキシブル化することもできるし、袋状の容器10を捲回して金属空気電池の形状を筒状とすることもできる。
(2)高分子電解質12について
高分子電解質12は、例えば、ナトリウム、カリウム等の金属が結合したカルボキシ基を有する樹脂(例えば弱酸性陽イオン交換樹脂)によって形成することができる。ナトリウム、カリウム等の金属が結合したカルボキシ基を有する樹脂は、水を吸収してゲル状をなしゲル状物となる。高分子電解質12が弱酸性陽イオン交換樹脂を有している場合は、高分子電解質12が保持する水中には、カルボキシ基から電離したナトリウムイオン、カリウムイオン等の金属イオンが存在する。なお、高分子電解質12は、植物(例えば、木、草、竹、籾殻)から製造可能なセルロースナノファイバーや、エビ、カニ等から製造可能なキチンナノファイバーによって形成することもできる。
高分子電解質12を、スルホン酸基等を有する強酸性陽イオン交換樹脂によって形成することは好ましくない。強酸性陽イオン交換樹脂のイオン選択性は、H<Na<NH <K<Mg2+<Ca2+の順番で大きくなる。このため、強酸性陽イオン交換樹脂から水素イオン(H)が放出されることになり、負極16や正極14において水素が生じてしまうからである。この水素は、気泡となって負極16や正極14の表面を覆うこととなり、電流の流れを妨げる。また、正極14の表面近傍において、水素が電子を放出して水素イオンに戻る現象を引き起こし、電流の流れが妨げられてしまう。さらに、負極16で発生する水素は、負極16での酸化反応で放出された電子との還元反応で生成するため、電気容量も減少する(自己放電)。
一方、高分子電解質12を、ナトリウム、カリウム等の金属が結合したカルボキシ基を有する弱酸性陽イオン交換樹脂によって形成することは、負極16や正極14に水素が生じることを防止する上で好ましい。弱酸性陽イオン交換樹脂のイオン選択性は、Na<K<Mg2+<Ca2+<Hの順番で大きくなるので、水素イオンが弱酸性陽イオン交換樹脂に捕まって、負極16や正極14に水素が生じないからである。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂は減極剤として作用する。このように、高分子電解質12が水素イオンを吸着するため、水素ガスが発生しにくい。よって、第一実施形態の金属空気電池は爆発が生じにくく安全性が高い。さらに、発電後の電解液及び負極泥が中性に保たれやすいため、安全性が高く且つ廃棄時の自然環境への負荷が小さい。
ナトリウム、カリウム等の金属が結合したカルボキシ基を有する樹脂の種類は特に限定されるものではないが、水を吸収してゲル状をなすポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩が使用可能である。塩を形成する金属の種類は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムがあげられる。ポリアクリル酸塩、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムは、弱酸性陽イオン交換樹脂であり、そのイオン選択性は、Na<K<Mg2+<Ca2+<Hの順番である。
高分子電解質12が保持している水が、金属空気電池における電解液をなす。高分子電解質12は、水を保持してゲル状をなすゲル状物であるため、水を高分子電解質12自身の中に保持し続けることが可能であるとともに、正極14の全体が水中に完全に浸漬した状態になることを防ぐことが可能である。よって、正極14が、その露出面14bから大気中の酸素を取り入れることが可能である。また、高分子電解質12が水を保持するゲル状物であるため、高分子電解質12と正極14との接触部においては、高分子電解質12から正極14へ水を供給し続けることが可能である。
ゲル状をなす高分子電解質12が保持している水の量は、高分子電解質12に外部から力を加えなければ、高分子電解質12の外部に水が漏れ出すことのない量である。あるいは、高分子電解質12が保持している水の量は、高分子電解質12のみを例えば平坦なガラス板上に静置しておいても、高分子電解質12の外部に水が漏れ出すことのない量である。
高分子電解質12に保持させる水は、塩を含有する塩水溶液であってもよいし、塩を含有しない単なる水(真水)であってもよい。また、高分子電解質12に保持させる水は、中性、酸性、アルカリ性のいずれの液性でも差し支えないが、安全性や取り扱い性を考慮すると中性が好ましい。
塩水溶液の種類は特に限定されるものではないが、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン等の金属イオンを1種以上含有する塩水溶液が好ましい。塩水溶液は、マグネシウム塩、ナトリウム塩等の金属塩を真水や水道水に溶解させて製造してもよいし、海水、温泉水、尿等を用いてもよい。これらの中では、マグネシウムイオンを多量に含有する温泉水がより好ましい。また、雨水、水道水、清涼飲料水(例えば、コーヒー、ジュース、茶)等を用いることも可能である。
ただし、ナトリウム、カリウム等の金属が結合したカルボキシ基を有する樹脂(例えばポリアクリル酸塩)に水を吸収させてゲル状としたゲル状物を高分子電解質12として用いる場合は、単なる水で差し支えなく、塩を含有する塩水溶液を用いる必要はない。すなわち、ナトリウム、カリウム等の金属が結合したカルボキシ基を有する樹脂に単なる水を吸収させることにより、高分子電解質12を形成することができ、高分子電解質12は電気伝導性を有することとなる。
金属空気電池において放電が起こると、負極活物質である金属のイオン(例えばマグネシウムイオン)が、高分子電解質12に保持された水中に負極16から溶出する。金属のイオンの溶出に伴って、負極16は脆くなったり、負極16の形状が崩れたりするおそれがある。例えば、外部の負荷等につながる導線によって負極が電解液中に吊り下げられている構成の従来の金属空気電池の場合であれば、負極の脆さの増大に伴って、負極が導線から切り離されてしまうおそれがある。また、切り離された負極から水素が発生してしまうおそれがある。
しかしながら、第一実施形態の金属空気電池においては、負極16が、ゲル状の高分子電解質12によって周囲から支持されているので、負極16の脆さが増大しても、外部の負荷22等につながる導線21から負極16が切り離されることが抑制される。
また、高分子電解質12は水を吸収してゲル状をなしているので、負極16や正極14に接続された導線21の近傍に電解質が析出することが防止される。これにより、導線21の近傍に析出する電解質によって導線21が損傷することが防止される。
高分子電解質12が水を吸収しておらず乾燥した状態であれば、負極16では酸化反応が生じず、正極14では還元反応が生じない。したがって、金属空気電池を使う必要がない場合(発電する必要がない場合)には高分子電解質12を乾燥した状態とし、金属空気電池を使う必要がある場合にだけ高分子電解質12に水を吸収させて、金属空気電池を放電可能な状態としてもよい。
さらに、水を吸収させてゲル状にした高分子電解質12が負極16を覆っているため、高分子電解質12が乾燥しても、負極16における酸化皮膜の形成が抑制される。したがって、従来の金属空気電池は、負極が完全腐食するまでは放電が止められないという問題を有していたが、第一実施形態の金属空気電池は、負極16を高分子電解質12から取り出すことによって放電の開始と終了を自由に制御することができるので、上記の問題は生じにくい。
(3)負極16について
負極16の負極活物質である金属としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、リチウム、ナトリウム、鉄や、これらの金属のうち1種以上を含有する合金を使用することができる。これらの金属のうち1種を単独で負極活物質として用いることもできるし、2種以上を組み合わせて負極活物質として用いることもできる。これらの金属の中では、起電力の高さと電気容量の大きさから、マグネシウム及びマグネシウム合金からなる群より選択される少なくとも1種が、負極活物質として好ましい。マグネシウム合金の例としては、AZ31Bが挙げられる。
(4)正極14について
正極14は、水との接触により表面に塩基性官能基が生成し得る正極材料17、又は、表面に塩基性官能基を備える正極材料17を有する。すなわち、正極材料17は、水と接触することにより表面に塩基性官能基が生成する性質を有する物質でもよいし、水との接触の有無に関係なく表面に塩基性官能基を備えている物質でもよい。
水との接触により正極材料17の表面に生成する塩基性官能基の量、及び、正極材料17の表面に備えられている塩基性官能基の量が多い方が、発生する電流が大きくなる。十分に高い起電力(例えば2V以上)を得るためには、水との接触により正極材料17の表面に生成する塩基性官能基の量、及び、正極材料17の表面に備えられている塩基性官能基の量(以下、これらをまとめて「表面の塩基性官能基の量」と記すこともある)は、0.036%以上とする必要があり、0.04%以上とすることがより好ましく、0.05%以上とすることがさらに好ましい。
一般に市販されている活性炭、カーボンブラック等の炭素材料は、表面に塩基性官能基をほとんど有していないし、水との接触により表面に塩基性官能基が生成する性質も有していない。一般に市販されている活性炭、カーボンブラック等の炭素材料においては、表面の塩基性官能基の量は0.019%以下である。
なお、本発明において、電極材料の表面の塩基性官能基の量とは、以下のようにして算出されたものである。すなわち、電極材料の表面を赤外分光法で分析し、炭素の吸光度に対する塩基性官能基(例えばカルボキシ基)の吸光度の比率を算出したものである。
塩基性官能基としては、例えば、カルボキシ基(-COOH)、ヒドロキシ基(-OH)、カルボニル基、キノン基、スルホン酸基(-SOH)、リン酸基(-PO)があげられる。
正極材料17としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、カーボンファイバー等の炭素材料や、シリカ等の火山堆積物や、アルミナ、酸化チタンを使用することができる。これらの材料は比表面積が大きいので、電極材料として好適である。
炭素材料に賦活処理を施せば、多孔質となるとともに、水と接触することにより表面に塩基性官能基が生成する性質を付与することができる。例えば、椰子殻活性炭は、賦活処理が施されているので、水と接触することにより表面に塩基性官能基が生成する性質を有しており、正極材料17として好適である。椰子殻活性炭以外の活性炭は酸処理がなされているため、水と接触しても表面に塩基性官能基が生成しにくい。よって、椰子殻活性炭以外の活性炭には、賦活処理を施して、水と接触することにより表面に塩基性官能基が生成する性質を付与することが好ましい。
賦活処理としては、例えば、750℃以上の水蒸気を接触させる水蒸気処理や、アルカリを接触させるアルカリ処理があげられる。
また、廃棄物を炭化し賦活処理を施すことによって、水との接触により表面に塩基性官能基が生成し得るとともに、生成する塩基性官能基の量が0.036%以上である活性炭を製造することができる。廃棄物の例としては、焼酎粕、酒粕、廃タイヤ等が挙げられ、焼酎粕が特に好ましい。焼酎粕とは、焼酎の製造時に発生する粕であり、原料を発酵させたものを蒸留した後に残る残渣である。この残渣を固液分離して得られた固形分を焼成して炭化させることにより、活性炭を得ることができる。焼酎の原料は特に限定されるものではなく、例としては芋(サツマイモ)、麦、米、蕎麦が挙げられるが、サツマイモが特に好ましい。廃棄物から活性炭を製造すれば、起電力が高い金属空気電池が得られることに加えて、金属空気電池を低コストで製造することができる、金属空気電池の製造による自然環境への負荷が小さいなどのメリットが得られる。
一方、表面に塩基性官能基を備える物質であれば、正極材料17として使用することができる。活性炭、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、カーボンファイバー等の炭素材料に例えば酸化処理を施して、その表面にカルボキシ基、ヒドロキシ基、カルボニル基等の塩基性官能基を生成させて、表面に塩基性官能基を備える炭素材料とすれば、正極材料17として使用することができる。また、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物は、その表面にヒドロキシ基(シリカの場合であればシラノール基)を有しているので、正極材料17として使用することができる。
(5)集電体について
第一実施形態の金属空気電池においては、正極14は、図2に示すように、正極材料17と接する集電体18を有してもよい。集電体18としては、例えば金属材料製の箔や網を使用可能である。集電体18は、酸素を還元する金属触媒として作用するが、集電体18を構成する金属材料としては、下記の条件(A)及び(B)を満たすものが好ましい。
(A)酸素は引きつけても水素は引きつけない程度の電気陰性度(2.2未満)を有する。水素を引きつけると、正極14上において、引きつけた水素イオンと酸素イオンとが反応してしまうため、高い起電力が得られにくい。
(B)耐アルカリ性を有する。
これらの条件を満たす金属としてはチタンと鉄があげられるが、集電体18は、チタン及びチタン合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属材料からなることがより好ましい。
正極14が正極材料17と集電体18を有する場合には、図2に示すように、高分子電解質12の表面上に正極材料17を配し、その上に集電体18を配して、高分子電解質12と集電体18とで正極材料17を挟む。例えば、正極材料17が粉末状又は粒状の活性炭(例えば、焼酎粕を原料とする活性炭)であり、集電体18がチタン製の網である場合は、高分子電解質12の表面上に活性炭を散布し、散布された状態の活性炭を高分子電解質12とチタン製の網とで挟む。そして、導線21を集電体18に接続する。
また、第一実施形態の金属空気電池が、後述する水供給部材19を備えている場合には、図2に示すように、高分子電解質12の表面上に配した水供給部材19の上に正極材料17を配し、その上に集電体18を配して、水供給部材19と集電体18とで正極材料17を挟む。
なお、集電体18と活性炭は、接触しているだけで接着はしていなくてもよいが、接着していてもよい。
(6)水供給部材について
負極16側において高分子電解質12を構成する弱酸性陽イオン交換樹脂等の樹脂と負極16から溶出した金属イオンとが錯体化するため、塩析が生じ、その結果、高分子電解質12の正極14側に存在する水が負極16側に移動する。そのため、高分子電解質12において正極14側の部分の水が不足して、高分子電解質12の正極14側の部分が収縮し、高分子電解質12と正極14との接触不良が生じるおそれがある。
そこで、正極14と高分子電解質12との間に、高分子電解質12のうち正極14に対向する部分に水を供給する水供給部材19を配してもよい。水を供給する方法は特に限定されるものではないが、例えば毛細管現象を利用する方法があげられる。すなわち、水は例えば水タンク(図示せず)に収容されており、毛細管現象で水供給部材19により水タンクから吸い上げられた水が、高分子電解質12のうち正極14に対向する部分に供給される。毛細管現象を利用しているため、過剰量の水が高分子電解質12に供給されることがなく、ほぼ不足分の水が高分子電解質12に供給されることとなる。
供給された水は、その一部分が正極材料17の表面を適度に濡らすとともに、残部は高分子電解質12のうち正極14に対向する部分に吸収される。そのため、塩析により高分子電解質12の正極14側の部分が収縮しても、水供給部材19を介して水が供給されて収縮が解消されるので、高分子電解質12と正極14との接触不良が生じにくい。また、過剰量の水が正極14に供給されることがないので、正極材料17が水で覆われることが防止される。
水供給部材19の材質は、毛細管現象によって水を吸い上げることが可能であれば特に限定されるものではないが、例えば紙、織布、不織布があげられる。
(7)発電のメカニズムについて
活性炭(例えば、焼酎粕を原料とする活性炭)からなる正極材料17に、高分子電解質12や水供給部材19から供給された水が接触すると、正極材料17の表面にカルボキシ基(-COOH)が生成する。このカルボキシ基は、水素イオン(H)や水酸化物イオン(OH)を生成する酸塩基触媒として作用する。すなわち、カルボキシ基は下記式1のように水素イオンを放出してカルボキシラートイオン(R-COO)となり、このカルボキシラートイオンに水が接触すると、下記式2のように水酸化物イオンが生成する。
2R-COOH → 2R-COO+2H ・・・(式1)
2R-COO+2HO → 2R-COOH+2OH ・・・(式2)
集電体18の表面上では、大気中から取り込まれた酸素の分子が酸素原子となり、負極16で生成し導線21を介して正極14に移動してきた電子と下記式3のように還元反応して、酸素イオンが生成する。
+4e → 2O2- ・・・(式3)
なお、負極16で電子が生成する酸化反応は下記式4の通りである。
2Mg → 2Mg2++4e ・・・(式4)
そして、この酸素イオンと上記式1で生成した水素イオンとの反応により、正極14において水酸化物イオン(OH)が生成する。
これらの正極14における還元反応をまとめた全反応は、下記式5のようになる。
2H+O+4e → 2OH ・・・(式5)
上記のように正極14で生成した水酸化物イオンは、高分子電解質12を構成する弱酸性陽イオン交換樹脂の鎖状分子同士の間を、イオン伝導体として移動し、高分子電解質12内に入り込んだ金属イオンと反応して金属水酸化物となる。例えば、高分子電解質12を構成する弱酸性陽イオン交換樹脂がポリアクリル酸ナトリウムで、負極活物質がマグネシウムである場合であれば、正極材料17の表面で生成した水酸化物イオンは、ポリアクリル酸ナトリウム分子同士の間を、イオン伝導体として移動し、高分子電解質12が保持する水に溶解しているマグネシウムイオン(Mg2+)と反応して水酸化マグネシウム(Mg(OH))となる。
ポリアクリル酸ナトリウム分子においては、カルボキシ基とナトリウムが解離して、カルボキシラートイオンとナトリウムイオンが生成している。そのため、電場やマグネシウムイオンによって負極16の方向に引きつけられる水酸化物イオンは、リニアモーターカーと同様の原理によって、図3に示すようにポリアクリル酸ナトリウム分子同士の間を負極16に向かって移動することとなる。ポリアクリル酸ナトリウム分子同士の界面には水素イオンが存在しないため、正極14で生成した水酸化物イオンが水素イオンと結合して水になることがなく、効率よく水酸化マグネシウムが生成される。
高分子電解質12が保持する水に溶解しているマグネシウムイオンは、上記のように水酸化マグネシウムとなって負極16に析出するので、高分子電解質12が保持する水の中のマグネシウムイオン濃度が飽和濃度に達することはない。よって、高分子電解質12が保持する水に対して、負極16からマグネシウムイオンが溶出し続けることとなる。
このような金属空気電池における全反応は下記式6の通りである。
2Mg+2HO+O → 2Mg(OH) ・・・(式6)
上記式5のような水素イオンと酸素分子との還元反応によれば、起電力が2.15Vとなり、従来の金属空気電池の起電力0.401V(従来の金属空気電池の正極における還元反応をまとめた全反応は、2HO+O+4e→4OHである)と比べて起電力が高い。このように、第一実施形態の金属空気電池は、正極材料17の表面のカルボキシ基と金属触媒(集電体18)の触媒作用により、起電力が高くなる。
また、正極が水に完全に覆われて正極に酸素が供給されない状態になると、正極で2HO+4e→H+2OHという水の還元反応が生じ、水素が生成する。水素が生成すると、爆発の危険性がある。第一実施形態の金属空気電池は、正極14が大気に露出する露出面14bを有していて、正極14が水に完全に覆われることはないので、正極14で水の還元反応は生じにくく水素が生成しにくい。
なお、第一実施形態の金属空気電池は、キャパシタ効果を有している。キャパシタ効果について、以下に説明する。負極16の表層は格子欠陥となっているため、負極16の表層には、金属と酸素が結合して生じた金属酸化物層が形成されている。また、負極16の表層が正に帯電されていることにより、正極材料17の表面に塩基性官能基が発現した際に生成された水酸化物イオンが、負極16に引き付けられる。負極16に引き付けられた水酸化物イオンは、負極16の表層に形成された金属酸化物層と結合するため、水酸化物イオンの価電子が負極16内に放出される。負極16内に電子が放出され、負極16内の自由電子が過剰となると、過剰となった電子が導線21に押し出されるため、電流が生じる。
第一実施形態の金属空気電池は上記のようなキャパシタ効果を有しているため、初期の放電特性は物理電池の特性と同様となり、初期以降の放電特性は金属空気電池の特性と同様となる。よって、第一実施形態の金属空気電池は瞬間発電が可能である。第一実施形態の金属空気電池及び従来の金属空気電池の放電特性を、図4に示す。図4においては、第一実施形態の金属空気電池の初期の放電特性が細線で表示されており、初期以降の放電特性が太線で表示されている。
図4から分かるように、従来の金属空気電池は、放電初期の電圧は低く、瞬間発電は不可能である。これに対して、第一実施形態の金属空気電池は、キャパシタ効果を有しているため、初期の放電特性(図4において細線で表示された部分)は物理電池の特性と同様となっており、放電初期の電圧は高く、瞬間発電が可能である。初期以降の放電特性は、化学電池の特性と同様となっており、電圧が高いことを除いては、従来の金属空気電池の放電特性と同様である。
(8)充電について
第一実施形態の金属空気電池は、一次電池として使用することもできるし、充電を行うことにより二次電池として使用することもできる。充電方法としては、負極16のみ又は負極16と高分子電解質12を交換するメカニカルチャージを採用することができる。負極16のみを交換する場合、負極16と高分子電解質12の両方を交換する場合のいずれの場合であっても、交換する部材を一体にしてカートリッジ化してあれば、カートリッジを交換するのみで交換作業が完了するので、交換作業が容易、確実、且つ安全である。また、使用済みのカートリッジの廃棄も容易である。さらに、水酸化マグネシウムの回収も容易であるため、マグネシウムの再精錬も安価に行うことができる。
(9)金属空気電池の用途について
第一実施形態の金属空気電池は、種々の用途に使用可能である。例えば、電気自動車、ハイブリッド車(原動機として内燃機関と電動機を併用する自動車)、自動二輪車、電動アシスト自転車、鉄道車両等の各種車両に使用可能である。また、航空機、船舶、農業機械、建設機械、運搬用機械、電動工具、医療機器、福祉用機器、ロボット、蓄電装置、非常用電源装置等にも使用可能である。
さらに、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話端末、携帯型ゲーム機端末等の携帯機器にも使用可能である。さらに、前述したように、高分子電解質12が水を吸収しておらず乾燥した状態としておけば、水と接触することにより発電を開始するように設定できることから、水位センサー、尿漏れセンサー、救難信号発信器(ライフジャケット)等に好適に使用することができる。
なお、第一実施形態は本発明に係る金属空気電池の一例を示したものであって、本発明に係る金属空気電池は第一実施形態に限定されるものではない。また、第一実施形態の金属空気電池には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
〔第一実施形態の実施例〕
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。図1、2に示す金属空気電池とほぼ同様の構成の金属空気電池を製造した。すなわち、実施例の金属空気電池は、焼酎粕を原料とする活性炭及び集電体を有する正極と、マグネシウムからなる負極と、ポリアクリル酸ナトリウムに水を吸収させてゲル状としたゲル状物からなる高分子電解質と、水供給部材と、を備えている。
水供給部材は紙からなり、正極と高分子電解質との間に配されている。正極材料である焼酎粕を原料とする活性炭は、賦活処理としてアルカリ処理が施された粉末状の活性炭であり、水との接触により表面にカルボキシ基が生成する性質を有している。水との接触によって活性炭の表面に生成するカルボキシ基の量は、0.036%である。集電体は、チタン製の網からなる。そして、焼酎粕を原料とする活性炭の粉末は、集電体の表面に接着されている。
一方、比較例の金属空気電池は、酸処理が施された粉末状の活性炭(市販品)を正極材料として用いた点を除いては、実施例の金属空気電池と同一の構成である。酸処理が施された粉末状の活性炭は、表面にカルボキシ基を有していないし、水との接触により表面にカルボキシ基が生成する性質も有していない。
両金属空気電池を用いてそれぞれ発電を行ったところ、実施例の金属空気電池の起電力は2.15Vであり、開放電圧は1.8Vであったのに対して、比較例の金属空気電池の起電力は0.401Vであり、開放電圧は1.4Vであった。
〔第二実施形態:燃料電池〕
図5に示す第二実施形態の燃料電池は、酸素を正極活物質とする正極(酸素極)114と、水素を負極活物質とする負極(水素極)116と、正極114と負極116との間に介在し且つ水を保持してゲル状をなす高分子電解質112と、を備えている。
正極114は、正極材料117と、正極材料117に接する集電体118と、を有しており、図5に示すように、正極材料117が高分子電解質112と集電体118に挟まれている。負極116は電極材料を有していない。
また、正極114は、大気に露出する露出面(図5においては、正極114の右側面)を有し正極材料117によって該露出面から大気中の酸素を取り込み可能に形成されている。
そして、図5に示すように、正極114(集電体118)と負極116が導線121によって電気的に接続されているとともに、導線121の途中に負荷122が設けられている。負荷122の種類は特に限定されない。
正極材料117、集電体118、及び高分子電解質112については、第一実施形態における正極材料17、集電体18、及び高分子電解質12と同様であるので、詳細な内容の説明は省略する。なお、高分子電解質112の代わりに、電解液を含浸させたセパレータを用いてもよい。セパレータの素材としては、第一実施形態における水供給部材と同様のものを用いることができ、例えば紙、織布、不織布を用いることができる。
第二実施形態の燃料電池は、正極材料117である活性炭の表面の塩基性官能基の量が多いため、起電力が高い。なお、発電のメカニズムについては、一般的なアルカリ電解質型水素燃料電池と同様であるので、説明は省略する。また、発電時に正極114及び負極116で生じている化学反応は、負極において電子を発生させる物質が金属ではなく水素である点を除いては、第一実施形態の場合とほぼ同様であるので、説明は省略する。
第二実施形態は本発明に係る燃料電池の一例を示したものであって、本発明に係る燃料電池は第二実施形態に限定されるものではない。また、第二実施形態の燃料電池には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
〔第三実施形態:電気二重層キャパシタ〕
図6に示す第三実施形態の電気二重層キャパシタは、正極214と、負極216と、正極214と負極216との間に介在し且つ水を保持してゲル状をなす高分子電解質212と、を備えている。
正極214及び負極216はそれぞれ、電極材料217と、電極材料217に接する集電体218と、を有しており、図6に示すように、正極214及び負極216のいずれにおいても、電極材料217が高分子電解質212と集電体218に挟まれている。
そして、図6に示すように、正極214(集電体218)と負極216(集電体218)が導線221によって電気的に接続されているとともに、導線221の途中に負荷222が設けられている。負荷222の種類は特に限定されない。
電極材料217、集電体218、及び高分子電解質212については、第一実施形態における正極材料17、集電体18、及び高分子電解質12と同様であるので、詳細な内容の説明は省略する。なお、高分子電解質212の代わりに、電解液を含浸させたセパレータを用いてもよい。セパレータの素材としては、第一実施形態における水供給部材と同様のものを用いることができ、例えば紙、織布、不織布を用いることができる。
第三実施形態の電気二重層キャパシタは、電極材料217である活性炭の表面の塩基性官能基の量が多いため、起電力が高い。なお、充放電のメカニズムについては、一般的な電気二重層キャパシタとほぼ同様であるので、詳細な説明は省略するが、第三実施形態の電気二重層キャパシタの場合は、塩基性官能基を表面に有する活性炭を電極材料217としているので、活性炭の塩基性官能基と水により、荷電キャリアとなる水酸化物イオンが生成する。
電気二重層は、電極材料217である活性炭と高分子電解質212とが接する界面に形成される。電気二重層キャパシタを充電すると、正極214側では、高分子電解質212のマイナスイオン及び水酸化物イオンと空孔及びカルボキシラートイオン(電極材料217である活性炭のカルボキシ基が水素イオンを放出して生成したもの)とが上記界面を挟んで配列し、負極216側では、高分子電解質212のプラスイオンと電子とが上記界面を挟んで配列することで、蓄電がなされる。
なお、第三実施形態は本発明に係る電気二重層キャパシタの一例を示したものであって、本発明に係る電気二重層キャパシタは第三実施形態に限定されるものではない。また、第三実施形態の電気二重層キャパシタには種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
〔第四実施形態:導電性高分子コンデンサ〕
図7に示す第四実施形態の導電性高分子コンデンサは、金属からなる正極314と、負極316と、正極314と負極316との間に介在し且つ水を保持してゲル状をなす高分子電解質(導電性高分子)312と、を備えている。
負極316は、電極材料317と、電極材料317に接する集電体318と、を有しており、図7に示すように、電極材料317が高分子電解質312と集電体318に挟まれている。正極314は電極材料を有していない。
そして、図7に示すように、正極314と負極316(集電体318)が導線321によって電気的に接続されているとともに、導線321の途中に負荷322が設けられている。負荷322の種類は特に限定されない。
電極材料317、集電体318、及び高分子電解質312については、第一実施形態における正極材料17、集電体18、及び高分子電解質12と同様であるので、詳細な内容の説明は省略する。
正極314を構成する金属としては、表面に酸化皮膜が形成されやすい金属を使用する必要があり、例えば、アルミニウム、亜鉛、鉄を使用することができる。これらの金属のうち1種を単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの金属の中では、アルミニウムがより好ましい。第四実施形態の導電性高分子コンデンサにおいては、正極314を構成する金属の表面に形成された金属酸化物の皮膜が、本発明の構成要件である誘電体(図5では図示せず)に相当する。
なお、高分子電解質312の代わりに、電解液を含浸させたセパレータを用いてもよい。セパレータの素材としては、第一実施形態における水供給部材と同様のものを用いることができ、例えば紙、織布、不織布を用いることができる。
第四実施形態の導電性高分子コンデンサは、電極材料317である活性炭の表面の塩基性官能基の量が多いため、起電力が高い。なお、充放電のメカニズムについては、一般的な導電性高分子コンデンサとほぼ同様であるので、詳細な説明は省略するが、第四実施形態の導電性高分子コンデンサの場合は、塩基性官能基を表面に有する活性炭を電極材料317としているので、活性炭の塩基性官能基と水により、荷電キャリアとなる水酸化物イオンが生成する。
なお、第四実施形態は本発明に係るコンデンサの一例を示したものであって、本発明に係るコンデンサは第四実施形態に限定されるものではない。また、第四実施形態の導電性高分子コンデンサには種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
10 容器
12 高分子電解質
14 正極
14a 内側面
14b 露出面
16 負極
17 正極材料
18 集電体
19 水供給部材
112 高分子電解質
114 正極
116 負極
117 正極材料
118 集電体
212 高分子電解質
214 正極
216 負極
217 電極材料
218 集電体
312 高分子電解質
314 正極
316 負極
317 電極材料
318 集電体

Claims (12)

  1. 正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に介在し且つ水を含有する電解質と、を備え、前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、水との接触により表面に塩基性官能基が生成し得る電極材料又は表面に塩基性官能基を備える電極材料を有し、水との接触により前記電極材料の表面に生成する前記塩基性官能基の量、及び、前記電極材料が表面に備える前記塩基性官能基の量は、0.036%以上であり、前記塩基性官能基の量は、前記電極材料の表面を赤外分光法で分析し、炭素の吸光度に対する前記塩基性官能基の吸光度の比率を算出したものである電源デバイス。
  2. 前記正極は酸素を正極活物質とし、前記負極は金属を負極活物質とし、前記電解質は水を保持してゲル状をなす高分子電解質である金属空気電池であって、
    前記正極が前記電極材料を有し、前記負極は前記電極材料を有さず、
    さらに、前記正極は、大気に露出する露出面を有し前記電極材料によって前記露出面から大気中の酸素を取り込み可能に形成されている請求項1に記載の電源デバイス。
  3. 前記正極を酸素極とし、前記負極を水素極とする燃料電池であって、
    前記正極が前記電極材料を有し、前記負極は前記電極材料を有さず、
    さらに、前記正極は、大気に露出する露出面を有し前記電極材料によって前記露出面から大気中の酸素を取り込み可能に形成されている請求項1に記載の電源デバイス。
  4. 前記正極及び前記負極が前記電極材料を有する電気二重層キャパシタである請求項1に記載の電源デバイス。
  5. 前記正極が金属からなるコンデンサであって、
    前記負極が前記電極材料を有し、前記正極は前記電極材料を有さず、
    前記正極と前記電解質の間に誘電体が介在された請求項1に記載の電源デバイス。
  6. 前記金属は、マグネシウム及びマグネシウム合金からなる群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載の電源デバイス。
  7. 前記金属はアルミニウムである請求項5に記載の電源デバイス。
  8. 前記電極材料は、賦活処理が施された多孔質炭素材料である請求項1~7のいずれか一項に記載の電源デバイス。
  9. 前記電極材料は活性炭である請求項1~7のいずれか一項に記載の電源デバイス。
  10. 前記塩基性官能基はカルボキシ基である請求項1~9のいずれか一項に記載の電源デバイス。
  11. 前記電解質は、ポリアクリル酸塩に水を吸収させてゲル状としたゲル状物である請求項1~10のいずれか一項に記載の電源デバイス。
  12. 前記正極及び前記負極のうち前記電極材料を有する極は、前記電極材料と接する集電体を有し、前記集電体は、チタン及びチタン合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属材料からなる請求項1~11のいずれか一項に記載の電源デバイス。
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