JP7008256B2 - 電波環境表示システムおよび電波環境表示方法 - Google Patents

電波環境表示システムおよび電波環境表示方法 Download PDF

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Description

本開示は、電波環境表示システムおよび電波環境表示方法に関する。
特許文献1は、推定対象のエリアを微小区間に区切り、それぞれの微小区間において、エリア内に設置された複数の基地局からの受信品質をそれぞれ把握する方法を開示している。また、この特許文献1は、各微小区間における受信品質と微小区間と隣接する微小区間との受信品質の差を参照してハンドオーバ条件を検出することによって、ハンドオーバが発生するエリアを推定する方法を開示している。
日本国特開2006-352385号公報
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、ユーザに利用可能に提供されるエリア内の無線通信サービスの通信環境が良好であるか否かを視覚的に明示し、ユーザの使い勝手の劣化を抑制する電波環境表示システムおよび電波環境表示方法を提供することを目的とする。
本開示は、無線通信サービスの対象エリアに設置された測定アンテナと、前記測定アンテナにより受信される電波の電波強度を用いて、前記無線通信サービスの通信環境を解析する電波環境表示装置と、を有し、前記測定アンテナは、それぞれの面にアンテナが配置された多面体の筐体を有し、前記無線通信サービスにより送信される第1電波の電波強度を測定し、前記対象エリア内の前記第1電波を含む複数の電波の電波強度をスキャンし、前記それぞれの面に配置された前記アンテナを、前記第1電波の電波強度の測定と、前記複数の電波の電波強度の測定とに交互に時分割に用い、前記電波環境表示装置は、前記スキャンにより得られた前記複数の電波のうち、前記第1電波の周波数と同一または近傍の周波数を有する第2電波の電波強度を選択し、前記第1電波の電波強度と選択された前記第2電波の電波強度との差に基づいて、前記無線通信サービスの通信環境を算出して表示部に表示する、電波環境表示システムを提供する。
また、本開示は、無線通信サービスの対象エリアに設置された測定アンテナと、前記測定アンテナにより受信される電波の電波強度を用いて、前記無線通信サービスの通信環境を解析する電波環境表示装置と、を有する電波環境表示システムにおける電波環境表示方法であって、前記測定アンテナは、それぞれの面にアンテナが配置された多面体の筐体を有し、前記無線通信サービスにより送信される第1電波の電波強度を測定し、前記対象エリア内の前記第1電波を含む複数の電波の電波強度をスキャンし、前記それぞれの面に配置された前記アンテナを、前記第1電波の電波強度の測定と、前記複数の電波の電波強度の測定とに交互に時分割に用い、前記電波環境表示装置は、前記スキャンにより得られた前記複数の電波のうち、前記第1電波の周波数と同一または近傍の周波数を有する第2電波の電波強度を選択し、前記第1電波の電波強度と選択された前記第2電波の電波強度との差に基づいて、前記無線通信サービスの通信環境を算出して表示部に表示する、電波環境表示方法を提供する。
本開示によれば、ユーザに利用可能に提供されるエリア内の無線通信サービスの通信環境が良好であるか否かを視覚的に明示でき、ユーザの使い勝手の劣化を抑制できる。
実施の形態1に係る測定アンテナ装置が設置される空港内のカウンターを含む対象エリアの一例を示す図 実施の形態1に係る電波環境表示システムを構成する測定アンテナ装置およびPCのそれぞれのハードウェア構成例を示すブロック図 実施の形態1に係る測定アンテナ装置の外観を示す斜視図 対象エリア内の通信環境の算出結果の表示例を示す図 対象エリア内に既定外のアクセスポイントが持ち込まれたことを示す報知画面の表示例を示す図 メイン信号、妨害波、定常波のそれぞれの信号電力の一例を示すグラフ 実施の形態1に係る電波環境表示システムを構成する測定アンテナ装置およびPCの電波環境の測定に関する動作手順の一例を時系列に説明するシーケンス図 実施の形態2に係る測定アンテナ装置がそれぞれ設置される空港内のカウンターを含む複数の対象エリアの一例を示す図 それぞれの対象エリア内の通信環境の算出結果の表示例を示す図 それぞれの対象エリア内に既定外のアクセスポイントが持ち込まれたことを示す報知画面の表示例を示す図 実施の形態2に係る電波環境表示システムを構成する測定アンテナ装置およびPCの電波環境の測定に関する動作手順の一例を時系列に説明するシーケンス図
(実施の形態1の内容に至る経緯)
例えば、空港または駅等のエリアで旅行者等にフリーに使用可能に提供されたWifi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)サービスの電波環境は、そのエリアに持ち込まれた旅行者等の所持するモバイルルータ等から送信(放射)される電波の影響を受けて劣化することがよくある。また、モバイルルータ等を所持する旅行者がそのエリア内を移動すると、その度に上述した無線LANサービスの電波環境は変動する。つまり、エリア内においてフリーに使用可能に提供された無線LANサービスの使い勝手(つまり、エリア内における通信環境が良好か否か)が視覚的に明示されないため、無線LANサービスを使用したい旅行者等のユーザの使い勝手が良くなかった。上述した特許文献1では、無線LANサービスの使用可能なエリアにおける通信環境が良好か否かを視覚的に明示することは想定されていない。
そこで、以下の各実施の形態では、ユーザに利用可能に提供されるエリア内の無線通信サービスの通信環境が良好であるか否かを視覚的に明示し、ユーザの使い勝手の劣化を抑制する電波環境表示システムおよび電波環境表示方法の例を説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る電波環境表示システムおよび電波環境表示方法を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
実施の形態1では、例えば空港または駅等で旅行者等にフリーに使用可能に提供されたWifi(登録商標)等の所望の無線LANサービスの電波環境を可視化するために、対象エリアに測定アンテナ(図3参照)が常時設置される。測定アンテナは、所望の無線LANサービスの無線識別情報(例えば、SSID(Service Set IDentifier))に対応するアクセスポイントから送信(放射)される第1電波(言い換えると、メイン信号)や、その第1電波を含む複数の電波を受信してそれぞれの電波の電波強度を測定する。測定アンテナに接続されるPC(電波環境表示装置の一例)は、測定アンテナにより受信されたそれぞれの電波の電波強度を基にして、所望の無線LANサービスの対象エリアにおける通信環境を算出してモニタ(表示部の一例)に表示する。
ここでいう電波は、例えば、所望の無線LANサービスに対応する周波数帯のメイン信号に対応する電波に限らず、その周波数帯と同一または近傍の周波数帯の(言い換えると、干渉する可能性のある)無線信号に対応する電波を含む。電波強度は、測定アンテナにより受信された電波の受信品質を示す指標である。受信品質は、例えば受信された信号の信号電力もしくは受信電界強度である。通信環境は、所望の無線LANサービスの無線通信が対象エリアにおいて良好に行えるか否かを定量的に示す指標(例えば0%~100%の割合)であり、例えば通信環境が100%であれば無線LANサービスを用いた無線通信が良好に行え、一方、通信環境が0%であれば無線LANサービスを用いた無線通信が良好に行えない。
先ず、実施の形態1に係る電波環境表示システム100が配置される対象エリアについて、図1を参照して説明する。以下、対象エリアとして、例えば、多くの旅行者が集う空港ARP1内のカウンターCNT1が配置されるエリアを例示して説明するが、空港ARP1内のカウンターCNT1が配置されるエリアに限定されない。図1は、実施の形態1に係る測定アンテナ装置10が設置される空港ARP1内のカウンターCNT1を含む対象エリアRG1の一例を示す図である。
図1に示すように、対象エリアRG1には、例えば多くの旅行者が空港ARP1へのチェックインのために集うカウンターCNT1が配置される。測定アンテナ装置10は、例えばカウンターCNT1のデスクの面からポールPL1により支持され、常時設置されている。カウンターCNT1のデスク上にはPC20が配置される。なお、測定アンテナ装置10は、ポールPL1に支持されて配置されることに限定されず、例えばカウンターCNT1上方の天井面(図示略)から紐等によって吊り下げられて配置されてもよい。
対象エリアRG1では、空港ARP1内において旅行者等にフリーに使用可能に提供されたWifi(登録商標)等の所望の無線LANサービスに対応するアクセスポイントAP1から第1電波(メイン信号WV1)が送信(放射)されている。測定アンテナ装置10は、測定モード中にメイン信号WV1を受信し、メイン信号WV1の受信時におけるメイン信号WV1の電波強度を測定してPC20に出力する。また、測定アンテナ装置10は、スキャンモード時に対象エリアRG1内に存在するメイン信号WV1を含む複数の電波を受信し、それぞれの電波の受信時におけるメイン信号WV1の電波強度を測定してPC20に出力する。PC20は、測定アンテナ装置10からの各種の電波強度を用いて、対象エリアRG1における無線LANサービスの通信環境を算出してモニタDP1に出力する。モニタDP1は、例えば対象エリアRG1に配置される大型のディスプレイであり、多くの旅行者の目に触れやすい位置に配置される。
複数の電波は、例えば、アクセスポイントAP1からのメイン信号WV1以外の、信号源IF1,IF2,IF3からの電波NZ1,NZ2,NZ3である。測定アンテナ装置10は、例えばPC20からのモード切換信号(言い換えると、後述する測定コマンド)に応じて、測定モードまたはスキャンモードのいずれかに切り換える。
信号源IF1~IF3は、例えば、空港ARP1の対象エリアRG1付近内に現れた旅行者等が所持するモバイルルータ(つまり、空港ARP1内の所望の無線LANサービスに対応するアクセスポイントAP1とは異なる電波の信号源)である。つまり、信号源IF1~IF3は、無線LANの通信環境を劣化させる可能性のある妨害波としての電波NZ1,NZ2,NZ3を送信(放射)する。なお、図1では信号源および妨害波としての電波の数はそれぞれ例示的に3つ示されているが、3つに限定されないことは言うまでもない。
また、信号源IF1~IF3は、対象エリアRG1が人の立ち入り時に厳格なセキュリティが求められる場所である場合、その対象エリアRG1において使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントでないモバイルルータを含んでよく、以下の実施の形態においても同様である。
次に、実施の形態1に係る測定アンテナ装置10およびPC20の構成について、図2および図3を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係る電波環境表示システム100を構成する測定アンテナ装置10およびPC20のそれぞれのハードウェア構成例を示すブロック図である。図2に示すように、電波環境表示システム100は、測定アンテナ装置10と、電波環境表示装置の一例としてのPC20とを含む構成である。
図3は、実施の形態1に係る測定アンテナ装置10の外観を示す斜視図である。実施の形態1において、X軸,Y軸,Z軸のそれぞれの方向は、例えば図3に示す矢印の方向に従う。また例えば、+X方向および-X方向は測定アンテナ装置10の筐体の上下方向、-Y方向および+Y方向は測定アンテナ装置10の筐体の左右方向、-Z方向および+Z方向は測定アンテナ装置10の筐体の前後方向にそれぞれ相当する。
図3に示すように、測定アンテナ装置10は、四角柱形状(例えば直方体あるいは立方体)等の多面体の筐体を有し、筐体を構成する計6つの面(具体的には、前面1PL,左面2PL,後面,右面,上面5PLおよび下面)には対応してアンテナ部1,…,6が設けられている。上述したように、測定アンテナ装置10の筐体は、いずれかの面(例えば下面)がポールPLにより支持されるように配置される。これにより、測定アンテナ装置10は、カウンターCNT1の上方に常時設置され、対象エリアRG1内に存在する電波を受信可能となる。
図2に示すように、測定アンテナ装置10は、アンテナ部1~6と、MPU7aと、USB(Universal Serial Bus)ポート7bとを含む構成である。アンテナ部1~6の構成はいずれも同一であるため、ここでは説明を簡略化するために、アンテナ部1を例示して説明する。また、以下のアンテナ部1の説明において、他のアンテナ部の対応する構成に読み替えても構わない。
アンテナ部1は、水平偏波アンテナ1hと、垂直偏波アンテナ1vと、スイッチ部1sと、アンテナ制御部1mとを含む。
水平偏波アンテナ1hは、対象エリアRG1内を伝送中の所望の無線識別情報に対応するアクセスポイントAP1(図1参照)からの第1電波(メイン信号WV1)を含む各種の信号源IF1~IF3からの電波の水平偏波を受信し、具体的には、所定の周波数帯(例えば、1.9GHz~2.4GHz帯)の水平偏波を受信する。水平偏波アンテナ1hは、スイッチ部1sと導通される。
垂直偏波アンテナ1vは、対象エリアRG1内を伝送中の所望の無線識別情報に対応するアクセスポイントAP1(図1参照)からの第1電波(メイン信号WV1)を含む各種の信号源IF1~IF3からの電波の垂直偏波を受信し、具体的には、所定の周波数帯(例えば、1.9GHz~2.4GHz帯)の垂直偏波を受信する。垂直偏波アンテナ1vは、スイッチ部1sと導通される。
スイッチ部1sは、MPU7aのスイッチ切換制御部7a2から測定アンテナ装置10の筐体を構成する面毎に時分割で出力されるスイッチ切換信号に応じて、水平偏波アンテナ1hまたは垂直偏波アンテナ1vをアンテナ制御部1mに接続する。言い換えると、スイッチ部1sは、上述したスイッチ切換信号に応じて、水平偏波アンテナ1hまたは垂直偏波アンテナ1vの出力をアンテナ制御部1mに出力する。
アンテナ制御部1mは、上述した1.9GHz~2.4GHzの周波数帯を扱う各種の無線通信方式に準拠した無線信号を処理可能な回路を用いて構成される。ここでいう無線通信方式は、例えば、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、Bluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)等の無線LANである。アンテナ制御部1mは、スイッチ部1sに接続された水平偏波アンテナ1hまたは垂直偏波アンテナ1vの出力(例えば、信号電力もしくは受信電界強度)をパラレル形式のデータとして取り出し、そのパラレル形式のデータをMPU7aのデータ変換部7a1に出力する。
MPU(Micro Processing Unit)7aは、測定アンテナ装置10の制御部として機能し、測定アンテナ装置10の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、測定アンテナ装置10の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理、およびデータの記憶処理を行う。MPU7aは、データ変換部7a1と、スイッチ切換制御部7a2とを含む。
MPU7aは、システム運営者により指定された無線識別情報(例えば、SSID(Service Set IDentifier))の信号電力を測定するための測定コマンドがPC20から送られると、USBポート7bを介してその測定コマンドを受信する。MPU7aは、測定コマンドの受信に応じて測定モードに移行し、システム運営者により指定されたSSIDの信号(つまり、上述したメイン信号WV1)の信号電力の測定を開始するように測定アンテナ装置10の各部を制御する。例えば、MPU7aは、測定モード時に、それぞれの面に配置されたアンテナを用いて、システム運営者により指定されたSSIDの信号(つまり、上述したメイン信号WV1)を受信するように各アンテナ部1~6を制御する。
MPU7aは、上述したメイン信号WV1のアクセスポイントAP1を含む各種の信号源(図4参照)からの電波の信号電力を測定するための測定コマンド(つまり、スキャンモードの測定コマンド)がPC20から送られると、USBポート7bを介してその測定コマンドを受信する。MPU7aは、測定コマンドの受信に応じてスキャンモードに移行し、システム運営者により指定されたSSIDの信号(つまり、上述したメイン信号WV1)を含む各種の信号源IF1~IF3からの電波NZ1~NZ3の信号電力の測定を開始するように測定アンテナ装置10の各部を制御する。例えば、MPU7aは、スキャンモード時に、それぞれの面に配置されたアンテナを用いて、システム運営者により指定されたSSIDの信号(つまり、上述したメイン信号WV1)を含む各種の信号源IF1~IF3からの電波NZ1~NZ3を受信するように各アンテナ部1~6を制御する。
このように、測定アンテナ装置10において、PC20から送られる測定コマンドに応じて、測定モードとスキャンモードとが時分割に交互に切り換えられる(図6参照)。
なお、PC20は、測定アンテナ装置10における電波の電波強度の測定の迅速化のために、測定モードとスキャンモードとを併用して、測定アンテナ装置10に電波の電波強度を測定させてもよい。具体的には、PC20は、測定アンテナ装置10の筐体を構成する多面体(例えば六面体)のうち、例えばいずれかの一面(例えば前面1PL)にはメイン信号WV1)を含む各種の信号源IF1~IF3からの電波NZ1~NZ3を受信するようにアンテナ部1を制御する。さらに、PC20は、同多面体(例えば六面体)のうち、残りの五面(例えば、左面2PL、右面、上面5PL、下面、後面)にはメイン信号WV1)を受信するように対応する各アンテナ部を制御する。
データ変換部7a1は、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)回路を用いて構成され、それぞれのアンテナ制御部(例えば、アンテナ制御部1m~6m)により出力されたパラレル形式のデータをシリアル形式のデータに変換する。このデータ(例えば、アクセスポイントAP1を含む各種の信号源から送信された電波の信号電力もしくは受信電界強度)は、USBポート7bを介して、測定アンテナ装置10に接続されるPC20に入力される。なお、そのデータは、PC20の他に、USBポート7bを介して接続される測定機器(図示略、例えばスペクトラムアナライザもしくはネットワークアナライザ)に入力されてもよい。
スイッチ切換制御部7a2は、測定アンテナ装置10のそれぞれの面のうちいずれかの面の水平偏波アンテナまたは垂直偏波アンテナの出力をMPU部7に入力するためのスイッチ切換信号を時分割に生成する。スイッチ切換制御部7a2は、GPIO(General-purpose Input/Output)端子を有し、このGPIO端子を介して、上述した時分割に生成したスイッチ切換信号を、それぞれの面のスイッチ部(例えばスイッチ部1s~6s)に出力する。これにより、スイッチ切換信号により、測定アンテナ装置10が有する合計12個のアンテナのうち、所定時間毎にアンテナ部1の水平偏波アンテナ1hの出力、アンテナ部1の垂直偏波アンテナ1vの出力、…、アンテナ部6の水平偏波アンテナ6hの出力、アンテナ部6の垂直偏波アンテナ6vの出力の順に周期的に、いずれかのアンテナの出力値だけが排他的にMPU7aに入力可能となる。
USBポート7bは、測定アンテナ装置10とPC20とを接続する。
なお、上述した説明は、測定アンテナ装置10が電波を受信する場合を例示した説明であるが、測定アンテナ装置10は電波を送信するための構成を有していると考えてよい。つまり、測定アンテナ装置10は、アンテナ部1~6のうち時分割でいずれかのアンテナ部を使用するように切り換え、さらに、そのアンテナ部に設けられた水平偏波アンテナまたは垂直偏波アンテナから電波を時分割に送信してもよい。
測定アンテナ装置10は、それぞれの面を構成する面材としての積層基板と、測定アンテナ装置10の筐体内部に内方されるフレーム体とを主要な構成として有する。積層基板とフレーム体とは、多面体(例えば六面体)である、測定アンテナ装置10の筐体を構成する。測定アンテナ装置10の筐体は例えば六面体であり、図2では立方体である場合を例示している。積層基板は、立方体のそれぞれの面に、例えば固定ねじ35により貼り付けられている。
なお、測定アンテナ装置10の筐体を構成する面材は、積層基板に限定されない。また、多面体は、六面体に限定されず、例えば四面体、12面体等であってもよい。
測定アンテナ装置10は、1つの上面5PLに配置された積層基板と、4つの側面(例えば、前面1PL、左面2PL、右面、後面)のそれぞれに配置された積層基板と、1つの下面に配置された積層基板とにそれぞれアンテナ(水平偏波アンテナおよび垂直偏波アンテナ)が設けられている。これにより、測定アンテナ装置10は、到来する電波を計6つの方向から受信することが可能になる。なお、測定アンテナ装置10を所定の被載置面に固定して電波を測定する際には、測定アンテナ装置10の下面には、アンテナを備えた積層基板が省略されてもよい。
それぞれの積層基板において配置されたアンテナは、例えば、ダイポールアンテナである。ダイポールアンテナは、例えば積層基板上に形成され、表面の金属箔をエッチング等することによってダイポールアンテナのパターンが形成される。複数の層のそれぞれは、例えば銅箔やガラスエポキシ等で構成される。
測定アンテナ装置10の立方体の筐体のそれぞれの積層基板には、例えば1.9GHz~2.4GHz帯の水平偏波アンテナ1h~6hと、1.9GHz~2.4GHz帯の垂直偏波アンテナ1v~6vとが表面(上層)に設けられている。
積層基板を構成するためにAMC(Artificial Magnetic Conductor)が用いられている。AMCは、PMC(Perfect Magnetic Conductor)特性を有する人工磁気導体であり、所定の金属パターンにより形成される。AMCを利用することで、測定アンテナ装置10のアンテナを積層基板に対して平行に配置することができ、全体のサイズを小さくすることができる。また、AMCは、接地導体によって、他の方向からの電波を受けないようにすることができ、アンテナの高利得化ができる。
測定アンテナ装置10は、積層基板の四辺の縁部に、各辺に沿って複数の接地用ビア導体61が直線上に並んで設けられる。なお、接地用ビア導体61は、等間隔に並んで配置されてもよい。また、それぞれの接地用ビア導体61は、積層基板に配置されたアンテナ導体に対応した周波数帯(言い換えると、波長)に応じて、測定アンテナ装置10の外部からの電波を遮蔽可能な程度に十分なピッチ(間隔)を以て設けられてよい。接地用ビア導体61は、積層基板の上面から下面に貫通して設けられる。
測定アンテナ装置10は、積層基板が例えば四角形状に形成される。積層基板は、それぞれの辺部に、その辺部の中央に設けられた一つの段部71を境に、その辺部に沿う方向で凹部と凸部とが形成される。即ち、測定アンテナ装置10の筐体は、図3に示すように、隣接する積層基板同士の凹部と凸部とを嵌め合わせて、組み合わされている。
電波環境表示装置の一例としてのPC20は、測定アンテナ装置10と有線のケーブル(例えばUSBケーブル)を介して接続され、測定アンテナ装置10により受信された電波の電波強度(例えば、信号電力もしくは受信電界強度)を入力する。PC20は、入力された電波の電波強度を用いて、対象エリアRG1内において測定アンテナ装置10が配置された地点におけるメイン信号WV1(図1参照)の電波環境(例えば、後述するSINR(Signal-to-Interference-plus-Noise Ratio))を算出する。また、PC20は、算出されたSINRに基づいて、対象エリアRG1内の通信環境を算出してモニタDP1またはディスプレイ18aに表示する。
PC20は、プロセッサ11と、ROM12と、RAM13と、キーボード14と、マウス15と、入出力インターフェース16と、HDD(Hard Disk Drive)17と、ディスプレイ18aと、スピーカ18bとを含む構成である。ROM12、RAM13、キーボード14、マウス15、入出力インターフェース16、HDD17、ディスプレイ18aおよびスピーカ18bは、それぞれプロセッサ11との間でデータもしくは情報の入出力が可能に内部バス等で接続される。
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成される。プロセッサ11は、PC20の制御部として機能し、PC20の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、PC20の各部との間のデータもしくは情報の入出力処理、データの演算処理、およびデータもしくは情報の記憶処理を行う。プロセッサ11は、HDD17に記憶されたプログラム17aに従って動作する。プロセッサ11は、処理の実行時にROM12およびRAM13を使用し、後述する演算処理により生成された演算結果データ17c、またはその演算結果データ17cに基づく表示データ17dをディスプレイ18aに出力して表示させる。
選択部の一例としてのプロセッサ11は、スキャンモードにおいて測定アンテナ装置10から得られた電波の電波強度の測定結果(以下、「第2測定結果」という)から、第1電波(メイン信号WV1)の周波数(チャネル)と同一または近傍の周波数を有する、メイン信号WV1以外の電波(図1参照)に対応する電波強度の測定結果(第2測定結果)を少なくとも1つ選択する。
制御部の一例としてのプロセッサ11は、測定アンテナ装置10が配置された地点におけるメイン信号WV1の電波強度の測定結果(以下、「第1測定結果」という)と、選択された第2測定結果との差(いわゆる、SINR)を演算処理して算出する。プロセッサ11は、その算出された差(SINR)に基づいて、対象エリアRG1内の通信環境を算出してモニタDP1および/またはディスプレイ18aに表示する。プロセッサ11は、例えばSINRと通信環境の数値とが予め対応付けられたテーブルが演算基礎データ17bに含まれる場合に、そのテーブルを参照し、算出されたSINRに対応する通信環境を算出する。
また、プロセッサ11は、対象エリアRG1が人の立ち入り時に厳格なセキュリティが求められる場所である場合、第2測定結果に基づいて、その対象エリアRG1において使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントでないモバイルルータからの電波の電波強度がしきい値以上と判断した場合、そのモバイルルータのSSIDを検知した旨の情報をディスプレイ18aに表示してよい。これにより、PC20は、例えば対象エリアRG1に、既定外のアクセスポイント(つまり、モバイルルータ)が持ち込まれたことをシステム運営者に視覚的に明示でき、対象エリアRG1に対する監視を強化できる。
ROM12は、読み出し専用のメモリであり、OS(Operating System)のプログラムおよびデータを予め格納する。このOSのプログラムは、PC20の起動に伴って実行される。
RAM13は、書き込みおよび読み出しが可能なメモリであり、SINRおよび通信環境の演算処理(図6,図9参照)の実行時にワークメモリとして用いられ、SINRおよび通信環境の演算処理の際に用いるまたは生成されるデータもしくは情報を一時的に保持する。
操作入力部の一例としてのキーボード14およびマウス15は、システム運営者との間のヒューマンインターフェースとしての機能を有し、システム運営者の操作を入力する。言い換えると、キーボード14およびマウス15は、PC20により実行される各種の処理における各種の設定に用いられる。
受信部の一例としての入出力インターフェース16は、測定アンテナ装置10との間のデータもしくは情報の入出力を行うためのインターフェースとして動作する。入出力インターフェース16は、システム運営者により指定された無線識別情報に対応するアクセスポイントAP1(図1参照)から送信されるメイン信号WV1の周波数を含む電波強度の測定結果(第1測定結果)を測定アンテナ装置10から受け取ってプロセッサ11に送る。入出力インターフェース16は、上述したメイン信号WV1を含む各種の電波の周波数を含む電波強度の測定結果(第2測定結果)を測定アンテナ装置10から受け取ってプロセッサ11に送る。
HDD17は、SINRおよび通信環境の演算処理(図6,図9参照)を実行するためのプログラム17aと、SINRおよび通信環境の演算処理に用いる演算基礎データ17bと、SINRおよび通信環境の演算処理結果に相当する演算結果データ17cと、その演算結果データ17cに基づいて生成される表示データ17dとを格納する。演算基礎データ17bは、例えばSINRおよび通信環境をそれぞれ演算する際の数式もしくはテーブルの情報、対象エリアRG1,RG2,RG3(後述参照)内の地図もしくはレイアウトのデータ、通信部19により受信される対象エリアRG1内を伝送中の各種の信号源からの電波に関する情報、システム運営者の所望の無線識別情報に対応するアクセスポイントAP1に関する情報が含まれる。
SINRおよび通信環境の演算処理を実行するためのプログラム17aは、HDD17からプロセッサ11を介してRAM13に読み出されて、プロセッサ11によって実行される。また、このプログラム17aは、HDD17以外の記録媒体(図示略、例えばCD-ROM)に記録され、対応する読取装置(図示略、例えばCD-ROMドライブ装置)によりRAM13に読み出されてもよい。
表示部または出力部の一例としてのディスプレイ18aは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)等の表示デバイスを用いて構成される。ディスプレイ18aは、システム運営者との間のヒューマンインターフェースとしての機能を有し、各種の設定の内容やPC20の動作状態、各種の演算結果および演算結果に対応する表示データ17dを表示する。
出力部の一例としてのスピーカ18bは、対象エリアRG1において使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントでないモバイルルータからの電波の電波強度がしきい値以上と判断した場合、プロセッサ11からの指示により、既定の音(例えば、警報音)を音声出力する。既定の音は、対象エリアRG1において使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントでないモバイルルータが持ち込まれたことを示す警報音である。
通信部19は、PC20が配置される対象エリアRG1内を伝送中の(言い換えると、飛んでいる)電波を受信し、例えば公知技術を用いて、その電波の電波強度(例えば、信号電力もしくは受信電界強度)と周波数と電波の信号源(例えば、アクセスポイントに対応するSSID)とに関する各情報を抽出し、抽出結果をプロセッサ11に出力する。この抽出結果は、PC20が受信した電波の電波リストとしてプロセッサ11によってディスプレイ18aに表示される。
次に、実施の形態1に係る電波環境表示システム100におけるメイン信号WV1の電波強度(言い換えると、受信品質)の測定の動作概要について、図4A、図4Bおよび図5を参照して説明する。図4Aは、対象エリアRG1内の通信環境の算出結果の表示例を示す図である。図4Bは、対象エリアRG1内に既定外のアクセスポイントが持ち込まれたことを示す報知画面の表示例を示す図である。図5は、メイン信号WV1、妨害波、定常波のそれぞれの信号電力の一例を示すグラフである。
図1を参照して説明したように、測定アンテナ装置10は、対象エリアRG1内のカウンターCNT1(例えば、チェックインカウンター)の上方に配置される。測定アンテナ装置10の筐体を構成する六面体のそれぞれの面に設けられた水平偏波アンテナ1h,2h,…,5h,…6h(図示略)もしくは垂直偏波アンテナ1v,2v,…,5v,…6v(図示略)は、アクセスポイントAP1からのメイン信号WV1以外に、信号源IF1~IF3からのそれぞれの電波(つまり、妨害波である電波NZ1~NZ3)を受信する。
アクセスポイントAP1は、空港APR1内においてフリーに使用可能に提供された無線LANサービスのために配置され、システム運営者により指定される無線識別情報(例えば、SSID)に対応する周波数を有する無線信号(つまり、メイン信号WV1)を送信する無線送信機である。メイン信号WV1は、例えばWifi(登録商標)等の無線LANに準拠した信号である。信号源IF1~IF3は、メイン信号WV1の周波数と同一または近傍の周波数(言い換えると、メイン信号WV1の周波数と全部または一部が重複する周波数)を有して干渉する可能性のある信号(つまり、妨害波)を送信する無線送信機である。電波NZ1~NZ3は、例えば、対象エリアRG1に現れた旅行者が所持する無線LANに対応したモバイルルータにより送信(放射)された妨害波の電波である。
例えば、メイン信号WV1が無線LAN(例えば2.4GHz帯)の周波数を有する場合、妨害波である電波NZ1~NZ3も無線LAN(例えば、2.4GHz帯)の無線信号である。なお、電波NZ1~NZ3の組み合わせは、無線LAN以外に、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、DECTの組み合わせでもよい。
図4Aに示すように、PC20により算出された対象エリアRG1内の定量的な通信環境(例えば、80%)のメッセージMS1が、対象エリアRG1の形状を示す画像RG1icに重畳されて生成された画面データが表示データ17dの一例として、モニタDP1に表示されている。これにより、対象エリアRG1にいる旅行者等は、現在の対象エリアRG1内の無線LANサービスの通信環境が良好であるか否かを、対象エリアRG1の形状と一致した画像内に表示された画面によって一層視覚的に認識できる。言い換えると、PC20は、対象エリアRG1にいる旅行者等に、無線LANサービスの現在の通信環境が80%と良好であることをより一層視覚的に明示できるので、ユーザに無線LANサービスの利用を促すことができてユーザの利便性を向上できる。
一方、対象エリアRG1において使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントAP1でないモバイルルータからの電波の電波強度がしきい値以上とPC20により判断されたとする。この場合、図4Bに示すように、PC20により生成された、そのモバイルルータのSSIDを示すアイコンSSP1が、対象エリアRG1の形状を示す画像RG1icに重畳されて生成された画面データが表示データ17dの一例として、ディスプレイ18aに表示されている。これにより、PC20は、例えば対象エリアRG1に、既定外のアクセスポイント(つまり、モバイルルータ)が持ち込まれたことをシステム運営者に視覚的に明示でき、対象エリアRG1に対する監視を強化できる。
図5に示すように、メイン信号WV1の信号電力M1は、妨害波である電波NZ1~NZ3の信号電力のそれぞれの合算した信号電力N1や、対象エリアRG1において定常的に存在している定常波(ノイズ)の信号電力C1よりも高い。図5では、説明を分かり易くするために、信号電力はデシベル単位で示されるとしている。
ここで、図5に示すメイン信号WV1の信号電力M1の大きさがそのまま、測定アンテナ装置10が配置された対象エリアRG1内の電波強度として使用することは好ましくないと考えられる。これは、メイン信号WV1の信号電力M1の大きさが、信号電力M1が得られた測定位置(つまり、測定アンテナ装置10が恒常的に配置される位置)においてメイン信号WV1と干渉する妨害波である電波NZ1~NZ3の信号電力の影響を受けて劣化するためである。従って、実施の形態1に係るPC20は、メイン信号WV1の信号電力M1が得られた対象エリアRG1における電波環境(例えばSINR)を、メイン信号WV1の信号電力M1の大きさから、妨害波である電波NZ1~NZ3の合算値の大きさを差し引いた信号電力pw1と算出する。なお、信号電力pw1は、一定時間におけるメイン信号WV1の信号電力M1の大きさの平均値から一定時間における妨害波である電波NZ1~NZ4の合算値の大きさの平均値を差し引いたものとしてもよい。
次に、実施の形態1に係る電波環境表示システム100における電波環境の測定に関する動作手順について、図6を参照して説明する。図6は、実施の形態1に係る電波環境表示システム100を構成する測定アンテナ装置10およびPC20の電波環境の測定に関する動作手順の一例を時系列に説明するシーケンス図である。図6の説明の前提として、測定アンテナ装置10は、対象エリアRG1のカウンターCNT1のデスクの上方に配置され、PC20は、対象エリアRG1内を伝送中の電波を通信部19において受信し、受信された電波の電波強度と周波数と信号源とに関する情報の抽出結果を電波リストとしてディスプレイ18aに表示している。
図6において、PC20は、ディスプレイ18aに表示されている電波リストの中からシステム運営者のキーボード14もしくはマウス15を用いた操作により、測定モードの対象となるメイン信号WV1に対応するアクセスポイントAP1の無線識別情報(例えば、SSID)の指定を受け付ける(St1)。PC20は、ステップSt1において指定されたSSIDに対応するアクセスポイントAP1からのメイン信号WV1の信号電力を測定するための測定モード用の測定コマンドを生成し、その生成された測定コマンドを測定アンテナ装置10に送信する(St2)。
測定アンテナ装置10は、ステップSt2においてPC20から送信された測定コマンドを受信し(St3)、測定モードとして、自装置が配置された対象エリアRG1のカウンターCNT1の配置地点において、測定コマンドにより指定されたSSIDに対応するアクセスポイントAP1からのメイン信号WV1の電波強度(例えば信号電力)を測定する(St4)。測定アンテナ装置10は、ステップSt4での測定モードにおけるメイン信号WV1の信号電力の測定結果(第1測定結果)をPC20に送信する(St5)。
PC20は、ステップSt5において測定アンテナ装置10から送信された第1測定結果を受信してHDD17に保存する(St6)。
PC20は、ステップSt6の後、測定モードを終了してスキャンモードを開始すると判断する(St7)。PC20は、メイン信号WV1を含む各種の無線信号(例えば、図1に示すメイン信号WV1および妨害波である電波NZ1~NZ3)の信号電力を測定するためのスキャンモード用の測定コマンドを生成し、その生成された測定コマンドを測定アンテナ装置10に送信する(St8)。
測定アンテナ装置10は、ステップSt8においてPC20から送信された測定コマンドを受信し(St9)、スキャンモードとして、自装置が配置された対象エリアRG1のカウンターCNT1の配置地点において、測定コマンドにより指定された全ての無線信号(例えば、メイン信号WV1および妨害波である電波NZ1~NZ3)の信号電力を測定する(St10)。測定アンテナ装置10は、ステップSt10でのスキャンモードにおける全ての無線信号の信号電力の測定結果(第2測定結果)をPC20に送信する(St11)。
PC20は、ステップSt11において測定アンテナ装置10から送信された第2測定結果を受信してHDD17に保存する(St12)。PC20は、ステップSt12において受信された第2測定結果のうち、ステップSt6において受信されたメイン信号WV1の周波数(チャネル)と同一または近傍の周波数(言い換えると、メイン信号WV1と干渉する周波数)を有する無線信号を送信(放射)した信号源を複数個(例えば2~3個)選定する(St13)。
また、PC20は、対象エリアRG1が人の立ち入り時に厳格なセキュリティが求められる場所である場合、第2測定結果に基づいて、その対象エリアRG1において使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントでないモバイルルータからの電波の電波強度がしきい値以上と判断した場合、そのモバイルルータのSSIDを検知した旨の情報(図4B参照)をディスプレイ18aに表示してよい(St13)。なお、PC20は、既定外のモバイルルータを検知した旨の情報を示す警報音をスピーカ18bから音声出力してもよい。
PC20は、ステップSt13において選定された複数個の信号源の信号電力を合算(具体的には、加算)し(St14)、ステップSt6においてHDD17に保存されたメイン信号WV1の信号電力とステップSt14において加算された信号電力の加算結果との差(つまり、図5に示すSINR)を、測定アンテナ装置10が配置された対象エリアRG1の電波環境として演算処理する(St15)。PC20は、ステップSt15における演算処理により算出されたSINRに基づいて、対象エリアRG1における無線LANサービスの通信環境を定量的に算出し、その算出された通信環境をモニタDP1に表示する(St16、図4A参照)。なお、PC20は、算出された通信環境をディスプレイ18aに表示してもよい。
ステップSt16の後、ユーザが対象エリアRG1内で同じメイン信号WV1のSINRの測定を継続する場合には(St17、YES)、PC20の処理はステップSt2に戻る。一方、ユーザが対象エリアRG1内でメイン信号WV1のSINRの測定を継続しない場合には(St17、NO)、図6の処理は終了する。
以上により、実施の形態1に係る電波環境表示システム100は、空港ARP1内でフリーに使用可能に提供された無線LANサービス(無線通信サービスの一例)の対象エリアRG1に設置された測定アンテナ装置10と、測定アンテナ装置10により受信される電波の電波強度を用いて、無線LANサービスの通信環境を解析するPC20と、を有する。測定アンテナ装置10は、無線LANサービスにより送信される対象エリアRG1内のメイン信号WV1(第1電波の一例)の電波強度を測定し、対象エリアRG1内のメイン信号WV1を含む複数の電波の電波強度をスキャンする。PC20は、スキャンにより得られた複数の電波のうち、メイン信号WV1の周波数と同一または近傍の周波数を有する電波(第2電波の一例)の電波強度を選択する。PC20は、メイン信号WV1の電波強度と選択された第2電波の電波強度との差(つまり、SINR)に基づいて、無線LANサービスの通信環境を算出してモニタDP1に表示する。
これにより、電波環境表示システム100では、PC20は、対象エリアRG1を伝送中のアクセスポイントAP1から送信される所望の電波(メイン信号WV1)の電波環境を測定する際、対象エリアRG1内に存在する妨害波の影響を排除して的確な電波環境(例えばSINR)を算出できる。従って、PC20は、空港や駅等において旅行者等にフリーに使用可能に提供された無線LANサービスの最新の通信環境が良好であるか否かをモニタDP1に視覚的に提示できるので、無線LANサービスに対するユーザの使い勝手の劣化を効果的に抑制できる。
例えば、メイン信号WV1の信号電力の大きさだけをそのまま対象エリアRG1の測定アンテナ装置10の配置箇所における電波環境とすると、そのメイン信号WV1と強く干渉する可能性のある妨害波が存在する場合、その妨害波の影響を受けてメイン信号WV1の信号電力が大きく劣化する可能性がある。従って、メイン信号WV1の信号電力が大きくても、妨害波の信号電力が強いとその地点におけるSINRが小さくなり、その地点において他の無線通信装置(図示略)から送信されたデータを復調できないことがあり得るため、通信品質が劣化する。実施の形態1では、測定対象の地点におけるメイン信号WV1の信号電力だけでなく、妨害波やノイズの影響を勘案したSINRを電波環境として用いるので、PC20は、その地点が無線通信の通信環境が優れているか否かを、モニタDP1に表示させた定量的な通信環境によって適正にユーザに判別させることができる。
また、PC20は、無線LANサービスの通信環境を、対象エリアRG1の形状を示す画像内に重畳して表示する。これにより、対象エリアRG1にいる旅行者等は、現在の対象エリアRG1内の無線LANサービスの通信環境が良好であるか否かを、対象エリアRG1の形状と一致した画像内に表示された画面によって一層視覚的に認識できる。言い換えると、PC20は、対象エリアRG1にいる旅行者等に、無線LANサービスの現在の通信環境が80%と良好であることをより一層視覚的に明示できるので、ユーザに無線LANサービスの利用を促すことができてユーザの利便性を向上できる。
また、PC20は、複数個の第2電波の電波強度が選択された場合、プロセッサ11において、メイン信号WV1の電波強度と複数の妨害波である電波NZ1~NZ3の電波強度のそれぞれの加算結果との差に基づいて、対象エリアRG1内の通信環境を定量的に算出する。これにより、PC20は、測定アンテナ装置10が設置された対象エリアRG1のカウンターCNT1付近にメイン信号WV1と干渉する可能性のある妨害波が複数存在している場合でも、複数の妨害波の信号電力を考慮した上で無線LANサービスの通信環境を的確に算出して表示できる。
また、測定アンテナ装置10は、それぞれの面にアンテナが配置された多面体の筐体を有し、PC20から送られた測定コマンドに従って、それぞれの面に配置されたアンテナを、メイン信号WV1の電波強度の測定と、メイン信号WV1を含む複数の電波の電波強度の測定とに交互に時分割(例えば1分毎)に用いる。これにより、測定アンテナ装置10は、それぞれ定められた周期毎にメイン信号WV1の電波強度、メイン信号WV1を含む複数の電波の電波強度の測定を交互に行うことができる。
また、測定アンテナ装置10は、それぞれの面にアンテナが配置された多面体の筐体を有し、それぞれの面に配置されたアンテナを、多面体のうち少なくとも一面に配置されたアンテナを複数の電波の電波環境の測定に用い、多面体の残りの面に配置されたアンテナをメイン信号WV1の電波環境の測定に用いる。これにより、PC20は、メイン信号WV1を含む対象エリアRG1内を伝送中の各種の電波を測定するスキャンモードによる測定を、測定モードと同期間で実行できるので、測定モードとスキャンモードとで個別に測定する必要が無く通信環境の算出を迅速に行うことができる。
また、PC20は、対象エリアRG1内に既定内のメイン信号WV1以外の電波(つまり、対象エリアRG1内において既定外(つまり、持ち込みが許されていない)の電波が存在することを検知した場合、メイン信号WV1以外の電波が存在する旨の情報をディスプレイ18aおよび/またはスピーカ18bに出力する。これにより、PC20は、例えば対象エリアRG1に、既定外のアクセスポイント(つまり、モバイルルータ)が持ち込まれたことをシステム運営者に視覚的に明示でき、対象エリアRG1に対する監視を強化できる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1に加え、例えば空港または駅等内の実施の形態1と同一の無線LANサービスが利用可能な他の対象エリアにおいても、実施の形態1に係る電波環境表示システム100が配置される。それぞれの対象エリアに配置された電波環境表示システム100のPC20は、自装置が配置される対象エリアにおける通信環境を算出するとともに、他の対象エリアに配置された電波環境表示システムのPCから送られた通信環境のデータもしくは情報を受信して自対象エリア内に配置されたモニタに表示する。
なお、実施の形態2に係る電波環境表示システム100の構成は実施の形態1に係る電波環境表示システム100と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付与して説明を簡略化または省略し、異なる内容について説明する。
先ず、実施の形態2に係る電波環境表示システム100が配置される対象エリアについて、図7を参照して説明する。図7は、実施の形態2に係る測定アンテナ装置10,10a,10bがそれぞれ設置される空港内のカウンターCNT1,CNT2,CNT3を含む複数の対象エリアRG1,RG2,RG3の一例を示す図である。対象エリアRG1は図1を参照して説明したので、同一の内容の説明は簡略化または省略し、異なる内容について説明する。
図7に示すように、対象エリアRG2,RG3には、例えば多くの旅行者が空港ARP1へのチェックインのために集うカウンターCNT2,CNT3が配置される。測定アンテナ装置10a,10bは、例えばカウンターCNT2,CNT3のデスクの面からポールPL2,PL3により支持され、常時設置されている。カウンターCNT2,CNT3のデスク上には実施の形態1に係るPC20と同一の構成を有するPC20a,20bがそれぞれ配置される。なお、測定アンテナ装置10a,10bは、ポールPL2,PL3に支持されて配置されることに限定されず、例えばカウンターCNT2,CNT3上方の天井面(図示略)から紐等によって吊り下げられて配置されてもよい。
対象エリアRG2,RG3でも、同様に空港ARP1内において旅行者等にフリーに使用可能に提供されたWifi(登録商標)等の所望の無線LANサービスに対応するアクセスポイントAP1から第1電波(メイン信号WV1)が送信(放射)されている。測定アンテナ装置10a,10bは、測定モード中にメイン信号WV1を受信し、メイン信号WV1の受信時におけるメイン信号WV1の電波強度を測定して対応するPC20a,20bにそれぞれ出力する。また、測定アンテナ装置10a,10bは、スキャンモード時に対象エリアRG2,RG3内に存在するメイン信号WV1を含む複数の電波を受信し、それぞれの電波の受信時におけるメイン信号WV1の電波強度を測定して対応するPC20a,20bにそれぞれ出力する。PC20a,20bは、対応する測定アンテナ装置10a,10bからの各種の電波強度を用いて、対象エリアRG2,RG3における無線LANサービスの通信環境を算出してモニタDP2,DP3にそれぞれ出力する。モニタDP2,DP3は、例えば対象エリアRG1に配置される大型のディスプレイであり、多くの旅行者の目に触れやすい位置に配置される。
それぞれの対象エリアRG1~RG3に配置されたPC20,20a,20bは、自装置が配置された対象エリアにおいて算出された電波強度を示す表示データ17dを生成して他のPCに送信する。それぞれのPC20,20a,20bは、有線LANハブHB1を介してデータもしくは情報の有線通信が可能に接続されている。測定アンテナ装置10,10a,10bは、例えば対応するPC20,20a,20bからのモード切換信号(言い換えると、後述する測定コマンド)に応じて、測定モードまたはスキャンモードのいずれかに切り換える。
次に、実施の形態2に係る電波環境表示システム100におけるメイン信号WV1の電波強度(言い換えると、受信品質)に基づく通信環境の表示例について、図8Aおよび図8Bを参照して説明する。図8Aは、それぞれの対象エリアRG1~RG3内の通信環境の算出結果の表示例を示す図である。図8Bは、それぞれの対象エリアRG1~RG3内に既定外のアクセスポイントが持ち込まれたことを示す報知画面の表示例を示す図である。
図8Aに示すように、PC20,20a,20bによりそれぞれ算出された対象エリアRG1,RG2,RG3内の定量的な通信環境(例えば、80%,20%,50%)のメッセージMS1,MS2,MS3が、対象エリアRG1,RG2,RG3の形状を示す画像RG1ic,RG2ic,RG3icに重畳されて生成された画面データが表示データ17dの一例として、モニタDP1に表示されている。なお、図8Aの画面データはモニタDP2,DP3にそれぞれ表示されてよい。これにより、対象エリアRG1,RG2,RG3にいる旅行者等は、現在の対象エリアRG1,RG2,RG3内の無線LANサービスの通信環境が良好であるか否かを、対象エリアRG1,RG2,RG3の形状と一致した画像内に表示された画面によって一層視覚的に認識できる。言い換えると、PC20,20a,20bは、対象エリアRG1における無線LANサービスの現在の通信環境が80%と良好であること、対象エリアRG2における無線LANサービスの現在の通信環境が20%と劣悪であること、対象エリアRG3における無線LANサービスの現在の通信環境が80%と少し良好であることをより一層視覚的に明示できるので、ユーザに無線LANサービスの利用を促すことができてユーザの利便性を向上できる。
一方、対象エリアRG1,RG2,RG3のそれぞれにおいて使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントAP1でないモバイルルータからの電波の電波強度がしきい値以上と、PC20,20a,20bによりそれぞれ判断されたとする。この場合、図8Bに示すように、PC20,20a,20bにより生成された、そのモバイルルータのSSIDを示すアイコンSSP1が、対象エリアRG1、RG2,RG3の形状を示す画像RG1ic,RG2ic,RG3icに重畳されて生成された画面データが表示データ17dの一例として、ディスプレイ18aに表示されている。図8Bに示す点線は、モバイルルータの時系列的な移動の軌跡を示しており、モバイルルータは例えば対象エリアRG1→対象エリアRG2→対象エリアRG3の順に移動したことが示されている。なお、PC20,20a,20bは、図8Bに示す画面をディスプレイ18aに表示する際、アイコンSSP1の付近にモバイルルータからの電波の電波強度がしきい値以上と判断された時刻を表示してもよい。これにより、PC20,20a,20bは、例えば対象エリアRG1→対象エリアRG2→対象エリアRG3の順に、既定外のアクセスポイント(つまり、モバイルルータ)が持ち込まれたことをシステム運営者に視覚的に明示でき、それぞれの対象エリアRG1~対象エリアRG3に対する監視を強化できる。
次に、実施の形態2に係る電波環境表示システム100における電波環境の測定に関する動作手順について、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態2に係る電波環境表示システム100を構成する測定アンテナ装置10およびPC20の電波環境の測定に関する動作手順の一例を時系列に説明するシーケンス図である。図9では、測定アンテナ装置10,10a,10bのうち測定アンテナ装置10の動作、PC20,20a,20bのうちPC20の動作をそれぞれ例示して説明するが、他の測定アンテナ装置10a,10b,PC20a,20bのそれぞれの動作も同様である。また、図9の説明において、図6の処理と同一の処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化または省略し、異なる内容について説明する。
図9において、PC20は、他の対象エリアRG2,RG3において使用可能に予め登録されている既定のSSIDを有するアクセスポイントAP1でないモバイルルータからの電波の電波強度がしきい値以上と他のPC20a,20bに判断された場合、そのモバイルルータに関する情報(信号源情報)を受信する(St13)。PC20は、受信されたモバイルルータに関する情報を用いて、モバイルルータのSSIDを示すアイコンSSP1を、対象エリアRG1,RG2,RG3の形状を示す画像RG1ic,RG2ic,RG3icに重畳した画面を生成してディスプレイ18aに表示する(St13、図8B参照)。
PC20は、ステップSt15の後、ステップSt15における演算処理により算出されたSINRに基づいて、対象エリアRG1における無線LANサービスの通信環境を定量的に算出する(St16a)。他のPC20a,20bは、同様に他の対象エリアRG2,RG3におけるSINRに基づいて、対象エリアRG2,RG3における無線LANサービスの通信環境を定量的に算出してPC20に送信する。PC20は、他のPC20a,20bから送信された通信環境の算出結果を受信する(St16a)。PC20は、対象エリアRG1,RG2,RG3内の定量的な通信環境(例えば、80%,20%,50%)のメッセージMS1,MS2,MS3を、対象エリアRG1,RG2,RG3の形状を示す画像RG1ic,RG2ic,RG3icに重畳した画面を生成してモニタDP1に表示する(St16a、図8A参照)。ステップSt16a以降の処理の説明は図6と同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態2に係る電波環境表示システム100では、それぞれの対象エリアに配置されたPC20は、他の対象エリアで測定されたメイン信号WV1およびメイン信号WV1を含む各種の電波(例えば妨害波である電波NZ1~NZ3)の電波強度のそれぞれに基づいて算出された無線LANサービスの通信環境のデータもしくは情報を受信する。それぞれの対象エリアに配置されたPC20は、自装置が配置された対象エリア(例えば対象エリアRG1)における無線LANサービスの通信環境と、他の対象エリア(例えば対象エリアRG2,RG3)における無線LANサービスの通信環境とを並べてモニタ(例えばモニタDP1)に表示する。
これにより、PC20,20a,20bは、それぞれ対象エリアRG1,RG2,RG3を伝送中のアクセスポイントAP1から送信される所望の電波(メイン信号WV1)の電波環境を測定する際、対象エリアRG1,RG2,RG3内に存在する妨害波の影響を排除して的確な電波環境(例えばSINR)を的確に算出できる。従って、PC20,20a,20bは、空港や駅等において旅行者等にフリーに使用可能に提供された無線LANサービスの最新の通信環境が良好であるか否かをモニタDP1,DP2,DP3に視覚的に提示できるので、無線LANサービスに対するユーザの使い勝手の劣化を効果的に抑制できる。また、PC20,20a,20bは、PC20は、対象エリアRG1,RG2,RG3にいる旅行者等に、空港ARP1内のそれぞれの対象エリアRG1~RG3の無線LANサービスの現在の通信環境を網羅的かつ視覚的に明示できるので、ユーザに無線LANサービスの利用を促すことができてユーザの利便性を向上できる。
なお、本出願は、2018年4月10日出願の日本特許出願(特願2018-075634)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、ユーザに利用可能に提供されるエリア内の無線通信サービスの通信環境が良好であるか否かを視覚的に明示し、ユーザの使い勝手の劣化を抑制する電波環境表示システムおよび電波環境表示方法として有用である。
1,6 アンテナ部
1h,6h 水平偏波アンテナ
1m,6m アンテナ制御部
1s,6s スイッチ部
1v,6v 垂直偏波アンテナ
7a MPU
7a1 データ変換部
7a2 スイッチ切換制御部
7b USBポート
10 測定アンテナ装置
11 プロセッサ
12 ROM
13 RAM
14 キーボード
15 マウス
16 入出力インターフェース
17 HDD
18a ディスプレイ
18b スピーカ
20 PC
100 電波環境表示システム
DP1 モニタ

Claims (7)

  1. 無線通信サービスの対象エリアに設置された測定アンテナと、
    前記測定アンテナにより受信される電波の電波強度を用いて、前記無線通信サービスの通信環境を解析する電波環境表示装置と、を有し、
    前記測定アンテナは、
    それぞれの面にアンテナが配置された多面体の筐体を有し、
    前記無線通信サービスにより送信される第1電波の電波強度を測定し、
    前記対象エリア内の前記第1電波を含む複数の電波の電波強度をスキャンし、
    前記それぞれの面に配置された前記アンテナを、前記第1電波の電波強度の測定と、前記複数の電波の電波強度の測定とに交互に時分割に用い、
    前記電波環境表示装置は、
    前記スキャンにより得られた前記複数の電波のうち、前記第1電波の周波数と同一または近傍の周波数を有する第2電波の電波強度を選択し、
    前記第1電波の電波強度と選択された前記第2電波の電波強度との差に基づいて、前記無線通信サービスの通信環境を算出して表示部に表示する、
    電波環境表示システム。
  2. 前記電波環境表示装置は、
    前記無線通信サービスの通信環境を、前記対象エリアの形状を示す画像内に表示する、
    請求項1に記載の電波環境表示システム。
  3. 前記電波環境表示装置は、
    複数の前記第2電波の電波強度が選択された場合、前記第1電波の電波強度と複数の前記第2電波の電波強度のそれぞれの加算結果との差に基づいて前記通信環境を算出する、
    請求項1に記載の電波環境表示システム。
  4. 前記測定アンテナは、
    それぞれの面にアンテナが配置された多面体の筐体を有し、
    前記それぞれの面に配置された前記アンテナを、前記多面体のうち少なくとも一面に配置されたアンテナを前記複数の電波の電波環境の測定に用い、前記多面体の残りの面に配置されたアンテナを前記第1電波の電波環境の測定に用いる、
    請求項1に記載の電波環境表示システム。
  5. 前記電波環境表示装置は、
    前記対象エリア内に前記第1電波以外の電波が存在することを検知した場合、前記第1電波以外の電波が存在する旨の情報を出力部に出力する、
    請求項1に記載の電波環境表示システム。
  6. 前記電波環境表示装置は、
    他の対象エリアで測定された前記第1電波および前記第2電波の電波強度のそれぞれに基づいて算出された前記無線通信サービスの通信環境の情報を受信し、
    前記対象エリアにおける前記無線通信サービスの通信環境と、前記他の対象エリアにおける前記無線通信サービスの通信環境とを並べて前記表示部に表示する、
    請求項1に記載の電波環境表示システム。
  7. 無線通信サービスの対象エリアに設置された測定アンテナと、前記測定アンテナにより受信される電波の電波強度を用いて、前記無線通信サービスの通信環境を解析する電波環境表示装置と、を有する電波環境表示システムにおける電波環境表示方法であって、
    前記測定アンテナは、
    それぞれの面にアンテナが配置された多面体の筐体を有し、
    前記無線通信サービスにより送信される第1電波の電波強度を測定し、
    前記対象エリア内の前記第1電波を含む複数の電波の電波強度をスキャンし、
    前記それぞれの面に配置された前記アンテナを、前記第1電波の電波強度の測定と、前記複数の電波の電波強度の測定とに交互に時分割に用い、
    前記電波環境表示装置は、
    前記スキャンにより得られた前記複数の電波のうち、前記第1電波の周波数と同一または近傍の周波数を有する第2電波の電波強度を選択し、
    前記第1電波の電波強度と選択された前記第2電波の電波強度との差に基づいて、前記無線通信サービスの通信環境を算出して表示部に表示する、
    電波環境表示方法。
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