JP7007072B1 - 電動包丁 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は電動包丁についての改良すべき技術課題のうち、特に次の2つの技術課題に注目するものである。
1.より固い対象物も切ることを可能にする。
2.薄く対象物を切ることを可能にする。
本発明は以上の2つの技術課題についての解決手段を提案するものである。
(1)密接して前後方向スライド結合されて前後動される一対の刃を有し、一対のいずれの前記刃のカッターについてその片面だけを刃肉が柄より減少した面にして肉厚を該刃の柄の肉厚の80%以下にした刃とし、モーター等の前後動の駆動手段により一対の前記刃を各々その刃肉が減少した面を外側にして一対を密接して前後動させて対象物を切る電動包丁
(2)前後動される一対の刃を密接して前後方向スライド結合させるについて、一方の刃のスライド保持手段と該スライド保持手段が係合する他方の刃の溝によるスライド結合を前記刃に設け、該スライド結合を前記刃の電動本体外に露出したカッター自体の前方と後方の少なくとも2ケ所に設けたモーター等の前後動の電動本体内の駆動手段により一対の前記刃を前後動させて対象物を切る電動包丁
(3)密接して前後方向スライド結合されて前後動される一対の刃を有し、一対のいずれの前記刃のカッターについてその片面だけを刃肉が柄より減少した面にして肉厚を該刃の柄の肉厚の80%以下にした刃とし、及び前後動される一対の刃を密接してスライド結合させるについて、一方の刃のスライド保持手段と該スライド保持手段が係合する他方の刃の溝によるスライド結合を前記刃に設け、該スライド結合を前記刃の電動本体外に露出したカッター自体の前方と後方の少なくとも2ケ所に設けた、モーター等の前後動の電動本体内の駆動手段により一対の前記刃を各々その刃肉が減少した面を外側にして一対を密接して前後動させて対象物を切る電動包丁
以上の電動包丁を提案するものである。
図1aは一方の刃(10)であり、図2aは他方の刃(20)であり、これらの一対の刃(10)(20)が図3に示す様にモーター等の前後動の駆動手段としての例えば電動本体(50)により密接して前後方向スライド結合されながら前後動して対象物を切るのである。
刃(10)(20)について説明するが、まず図1a、図1b、図1c、図1d、図1eに示される一方の刃(10)について説明する。
すなわち刃(10)は基部の刃の柄(11)と該刃の柄(11)から連続して先端方向に延びる刃のカッター(12)からなる。
該刃のカッター(12)の肉厚は図1bに示す様に刃の柄(11)の肉厚の80%以下にされる。
一対のいずれの前記刃(10)(20)のカッター(12)(22)について図1b、図2bに明らかな通り、その片面だけを刃肉が柄(11)(21)より減少した面にして、肉厚を該刃の柄(11)(21)の肉厚の80%以下にした刃(10)(20)とし、モーター等の前後動の駆動手段により一対の前記刃(10)(20)を図3に明らかな通り、各々その刃肉が減少した面を外側にして一対を密接して前後動させて対象物を切ることになる(詳細は後述)。
例えば刃の柄(11)の肉厚は1mmとし、刃のカッター(12)の肉厚は0.5mmとしたものが図示されている(あくまで一例であり、他の例として1mmから0.7mmに薄くする刃(10)にしてもよい)。
例えば手作業に使う普通の包丁は前後に動かして対象物を切るのであり、他方で電動包丁の一対の刃(10)(20)は自動的に前後動するのであるから、電動包丁のカッター部Eが普通の包丁の様に直線状であっても切れることになる。
また前後動される一対の刃(10)(20)を密接結合させる手段として、一方の刃(10)の刃のカッター(12)の基部方向(後方)にはスライド保持手段Nが設けられ、他方の刃(20)の基部方向(後方)には該スライド保持手段Nが係合する溝Mが設けられる。
さらに一方の刃(10)の先端方向(前方)には溝Mが設けられ、他方の刃(20)の先端方向(前方)には該溝Mが係合するスライド保持手段Nが設けられる。
次に溝Mとスライド保持手段Nの図示の実施例について説明するが、それは前後動される一対の刃(10)(20)を密接して前後方向スライド結合させる方法の一例である。
スライド保持手段Nと該スライド保持手段Nが係合する溝Mによる前後方向スライド結合の具体的構造について説明する。
すなわちスライド保持手段Nは、図1eに示すものはピン状であり、刃のカッター(12)にピン状に固定されたものであるが、直径の大きい保持頭部N4とその保持頭部N4と刃のカッター(12)の間に設けられた直径の小さいスライド係止部N3を有する。
次に溝Mであるが、図2aに示す様に溝部M3と該溝部M3の一端に設けられた溝部M3より直径の大きい挿入部M4を有する。
すなわち一方の刃(10)のスライド保持手段Nの保持頭部N4が他方の刃(20)の溝Mの挿入部M4に挿入される。
この状態で保持頭部N4の直径は溝部M3の幅よりも大きくされているためスライド係止部N3と溝部M3のスライド結合は外れない。
すなわち刃(10)と刃(20)の密接された(重ねられた)状態での前後方向のスライド結合は保持される。
ここで本発明では“溝”という用語は、孔等を含む概念として用いるものであり、要するにスライド保持手段Nとスライド結合可能なものであればそれを全て“溝”と称することにする。
前述の通り、前方の溝Mと前方のスライド保持手段Nが、後方の溝Mと後方のスライド保持手段Nが、刃(10)と刃(20)の前後動可能な前後方向スライド結合手段として、電動本体(50)外に露出したカッター(12)(22)自体の前方と後方の2ケ所設けられている。
実施例においては前方の溝Mは刃(10)に、前方のスライド保持手段Nは刃(20)に、後方の溝Mは刃(20)に、後方のスライド保持手段Nは刃(10)に、各々設けられているが、MとNを刃(10)と刃(20)のいずれに設けるかは重要ではない。
すなわち図1bでは刃の柄(11)が図面上で刃のカッター(12)より左にずれており、図2bでは刃の柄(21)が刃のカッター(22)より図面上で右にずれている。
このずれは、図3の電動本体(50)内(図示せず)に設けられた前後動の駆動手段(52)からの前後動伝達機構が刃の柄(11)と刃の柄(21)に選択的に伝わる様に物理的スペースとして設けられたことに起因する。
詳細な前後動の駆動手段(52)乃至前後動伝達機構については、公知技術で構成すればよく本発明とは関係ないのであり、従って説明はしない。
但し、刃の柄(11)の係止手段Rと刃の柄(21)の係止手段Rについて付言すれば、前後動伝達機構からの前後動を刃(10)(20)に伝えるために、該機構との係止に用いられるものである(一般的な係止機構であり詳細説明は省略する)。
図3に示される通り、スイッチ(51)により刃(10)(20)に前後動の駆動が与えられると、ある時点t1では刃(10)は後退し刃(20)は前進し、次の時点t2では刃(10)は前進し刃(20)は後退し、次の時点t3では刃(10)は後退し刃(20)は前進し、以上を高速で繰り返すことになる。
その結果モーター等の前後動の駆動手段(52)により一対の刃(10)(20)が密接して前後方向スライド結合しながら前後動して対象物を切ることになる。
すなわち一対の刃(10)(20)がスライドガイド板(60)のスライドガイドスリット(61)に沿って下降される(電動包丁を持った人の手の動きをガイドして真っ直ぐ下降される)ものであり、それにより対象物の例えばパンはその厚さがむらなくきれいに切られることになる、勿論対象物としてパン以外に野菜でも厚さがむらなくきれいに切られる。
図5は図4の底上板(62)と底下板(63)の詳細を示し、すなわち底上板(62)は一対の刃(10)(20)が侵入可能な様にスライドガイドスリット(61)の位置でスリットGが設けられて、対象物の下端面までカット可能にされている。
図6は従来公知のパンカットガイド(90)の一例であり、パン切り包丁(95)により手作業で対象物の例えばパンをその厚さがむらなくきれいに切るためのものである。
図4と図5のカットガイド(59)と図6のパンカットガイド(90)はその目的が類似である。
(1)本発明は、密接して前後方向スライド結合されて前後動される一対の刃を有し、一対のいずれの前記刃のカッターについてその片面だけを刃肉が柄より減少した面にして肉厚を該刃の柄の肉厚の80%以下にした刃とし、モーター等の前後動の駆動手段により一対の前記刃を各々その刃肉が減少した面を外側にして一対を密接して前後動させて対象物を切る電動包丁とした場合には、刃の電動本体への取り付け部分の強度は刃の柄の肉厚を厚くできるから十分確保でき、他方で、繰り返し述べるが、一対のいずれの前記刃のカッターについてその片面だけを刃肉が柄より減少した面にし、その刃肉が減少した面を外側にするため、刃のカッターは薄くできるのみならず一対の刃の密接面は柄からカッターへの刃肉の減少部分と無関係になるため刃の密接が保持されると共にその密接状態は柄の強度で力学的に支持されることになる、その結果一対の刃の密接した前後動が円滑に行われることになり、薄いカッターの円滑な作動で固い対象物も切ることが可能になり、また同様の理由で薄く対象物を切ることが可能になる。
(2)本発明は前後動される一対の刃を密接して前後方向スライド結合させるについて、一方の刃のスライド保持手段と該スライド保持手段が係合する他方の刃の溝によるスライド結合を前記刃に設け、該スライド結合を前記刃の電動本体外に露出したカッター自体の前方と後方の少なくとも2ケ所に設けたモーター等の前後動の電動本体内の駆動手段により一対の前記刃を前後動させて対象物を切る電動包丁にした場合には、刃のカッターが薄くても重ねた刃の結合により強固になって、具体的には左右に曲げようとする外力が作用しても2枚の刃が結合して一体のものとして抵抗することになり、その結果電動本体外に露出したカッター自体の肉厚を薄くしてもカッター自体が少なくとも2ケ所結合されているから分離しようとする力が生じても一体化した刃として、必要な強度、剛性等を発揮できるのであり、カッターの肉厚が薄くなってもカッター自体が常に一体化することになるから、固い対象物を切ることが可能になり、同様に薄く対象物を切ることも可能になる。
11 刃の柄
12 刃のカッター
20 刃
21 刃の柄
22 刃のカッター
E カッター部
R 係止手段
4 シリンダー装置
M 溝
M3 溝部
M4 挿入部
N スライド保持手段
N3 スライド係止部
N4 保持頭部
50 電動本体
51 スイッチ
52 前後動の駆動手段
53 刃の固定及び解放手段
59 カットガイド
60 スライドガイド板
61 スライドガイドスリット
62 底上板
63 底下板
G スリット
90 パンカットガイド
93 ガイド溝
94 厚み調整プレート
95 パン切り包丁
Claims (3)
- 密接して前後方向スライド結合されて前後動される一対の刃を有し、一対のいずれの前記刃のカッターについてその片面だけを刃肉が柄より減少した面にして肉厚を該刃の柄の肉厚の80%以下にした刃とし、モーター等の前後動の駆動手段により一対の前記刃を各々その刃肉が減少した面を外側にして一対を密接して前後動させて対象物を切る電動包丁
- 前後動される一対の刃を密接して前後方向スライド結合させるについて、一方の刃のスライド保持手段と該スライド保持手段が係合する他方の刃の溝によるスライド結合を前記刃に設け、該スライド結合を前記刃の電動本体外に露出したカッター自体の前方と後方の少なくとも2ケ所に設けたモーター等の前後動の電動本体内の駆動手段により一対の前記刃を前後動させて対象物を切る電動包丁
- 密接して前後方向スライド結合されて前後動される一対の刃を有し、一対のいずれの前記刃のカッターについてその片面だけを刃肉が柄より減少した面にして肉厚を該刃の柄の肉厚の80%以下にした刃とし、及び前後動される一対の刃を密接してスライド結合させるについて、一方の刃のスライド保持手段と該スライド保持手段が係合する他方の刃の溝によるスライド結合を前記刃に設け、該スライド結合を前記刃の電動本体外に露出したカッター自体の前方と後方の少なくとも2ケ所に設けた、モーター等の前後動の電動本体内の駆動手段により一対の前記刃を各々その刃肉が減少した面を外側にして一対を密接して前後動させて対象物を切る電動包丁
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JP2020160215A JP7007072B1 (ja) | 2020-09-03 | 2020-09-03 | 電動包丁 |
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