JP7006448B2 - 熱風炉の鉄皮保温構造 - Google Patents

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Description

本発明は、熱風炉の鉄皮保温構造に関するものである。
熱風炉は、蓄熱期と送風期を繰り返すことにより、1200℃程度まで加熱した熱風を高炉に送り出す設備である。熱風炉は蓄熱室と燃焼室を有している。蓄熱室の内部には蓄熱レンガが積み上げられている。蓄熱期には、燃焼室でガス燃焼に伴い発生した高温の燃焼ガスを蓄熱室に送り込み、蓄熱室の蓄熱レンガを高温に熱することによって蓄熱する。送風期には、送風本管より蓄熱室に冷風を送り込み、冷風は高温に熱せられた蓄熱レンガを通過することによって1200℃まで加熱され、熱風として高炉に供給される。
蓄熱室は、鉄皮の内側に断熱レンガ層と耐火レンガ層が内張りされ、その内側の空間に蓄熱レンガ層が積み上げられている。蓄熱期には蓄熱室の上方から高温の燃焼ガスが送り込まれ、送風期には蓄熱室の下方から低温の冷風が送り込まれる。そのため、蓄熱室内の温度は、上部が高温であり、上部から下がるに従って温度が低下する。耐火レンガ層については、蓄熱室の上部は硅石レンガで構成された硅石レンガ層を形成し、蓄熱室の下部はアルミナレンガで構成されたアルミナレンガ層を形成している。
熱風炉の蓄熱室内では、燃焼時に高温部で発生したNOxが、鉄皮の内側に内張りされた耐火レンガ層、断熱レンガ層の目地部を通って鉄皮内面に浸透する。鉄皮内面に浸透したNOxは鉄皮温度が150℃未満であると、鉄皮内面に触れて発生した凝縮液と共に腐食性生成液を生成し、鉄皮の応力腐食割れを引き起こす。これに対し、従来より、NOx濃度が高く応力腐食割れが問題となる熱風炉の上方の鉄皮に保温対策を実施して鉄皮温度を150℃以上に保持することにより、腐食性生成液の発生防止がなされてきた。
過去には断熱材を直接鉄皮に巻きつけることにより保温を実施していたが、断熱材劣化による保温性能低下が生じること、夏季の鉄皮温度上昇に対し断熱材を取り外す手間がかかること、鉄皮に亀裂が生じた時に漏風が検知できないことより、鉄皮の外側に一定の空間を持たせて外装板を張り、空気層によって保温する方法が取られている。(例えば、特許文献1、特許文献2。)
実公昭57-18435号公報 特開2004-131773号公報
熱風炉の炉体鉄皮と外装板との間に所定の空気層を設ける方法においては、鉄皮から外装板への伝熱は、空気層内の輻射と対流によって行われる。空気層の上端と下端が開いていると、空気層の高温空気が上端から外方に抜け、下端から外気が侵入するため、十分な保温ができない。そのため、空気層の上端と下端の少なくとも一方については、外気との通気を遮断もしくは抑制することが必要である。
熱風炉の稼働中において、外装板は温度が外気温に近いのに対し、鉄皮は150℃以上の高温に熱せられている。そのため、外装板と鉄皮では稼働中の熱膨張代に相違が生じている。外装板の下端部において、鉄皮と外装板との間を封鎖して外気と遮断するに際し、外装板と鉄皮との熱膨張代の差があるため、金属製の隔壁で遮断することが困難である。そのため、伸縮性を有する充填材を通気遮断材として使用することが行われていた。しかし、長期間の使用により、下端部の充填材が劣化し、充填材と鉄皮あるいは外装板との間にすきまが生じ、外気を吸込み鉄皮温度が低下する問題があることがわかった。
さらに、長い期間使用していると、外装板の劣化により外装板からの放熱量が大きくなり、鉄皮温度低下の原因となることもわかった。
熱風炉蓄熱室の鉄皮温度は、NOxによる応力腐食割れを防止する観点からは150℃以上に保持することが必要であり、一方で、高温での鉄皮の強度を確保するためには270℃以下に保持することが必要である。
本発明は、熱風炉蓄熱室の鉄皮の外周に、空隙を介して外装板を設けた熱風炉の鉄皮保温構造において、長期間安定して熱風炉蓄熱室の鉄皮温度を150~270℃の範囲に保持することのできる熱風炉の鉄皮保温構造を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
熱風炉蓄熱室の鉄皮の外周に、空隙を介して外装板を設けた熱風炉の鉄皮保温構造において、
前記熱風炉蓄熱室側壁は、最内層に耐火レンガ層とその外側に断熱レンガ層が内張りされ、蓄熱室の上部の耐火レンガ層は硅石レンガ層、蓄熱室の下部の耐火レンガ層はアルミナレンガ層が形成され、耐火レンガと断熱レンガの境界の温度を耐火レンガ温度と呼び、
前記外装板の外側に断熱材被覆部を有し、当該断熱材被覆部の蓄熱室上下方向設置範囲は、設置範囲下端部は前記外装板の下端部であり、
前記断熱材被覆部の設置範囲上端部は、蓄熱室側壁の耐火レンガの前記硅石レンガ層の下端から下方0.5m~前記硅石レンガ層の下端から上方2mの範囲内であって、かつ、前記耐火レンガ温度が500℃~650℃の範囲内にあり、
外装板の下端部において鉄皮と外装板の間の空隙を膜体で覆い、当該膜体は、その一部が外装板の外側の下端部に固定され、他の部分が蓄熱室の鉄皮に固定されていることを特徴とする熱風炉の鉄皮保温構造。
本発明は、熱風炉蓄熱室の鉄皮の外周に、空隙を介して外装板を設けた熱風炉の鉄皮保温構造において、外装板の外側の所定範囲に断熱材被覆部を有し、さらに外装板の下端部において鉄皮と外装板の間の空隙を膜体で覆うことにより、長期間安定して熱風炉蓄熱室の鉄皮温度を150~270℃の範囲に保持することができる。
本発明の蓄熱室表面付近を示す部分断面図であり、(B)は(A)の膜体付近拡大図である。 蓄熱室の耐火レンガ層内面温度と鉄皮温度の関係についての伝熱計算結果を示す図である。 従来の蓄熱室表面付近を示す部分断面図である。 炉頂部の排気管を示す図である。
本発明者らは、熱風炉蓄熱室の鉄皮温度を150~270℃の範囲に保持する方法について種々検討した。その結果、鉄皮温度を所定の温度範囲に保持するためには、外装板の外側の特定の範囲を断熱材で被覆することで外装板の放熱量を小さくし、鉄皮と外装板下端の間で空気の流通を遮断することで外装板の下端からの外気の吸込みを防止することが有効であることを見出した。
鉄皮温度は150℃以上に上昇させる一方で、270℃以下に抑える必要がある。そこで、伝熱計算を行い、熱風炉蓄熱室の鉄皮温度を150~270℃の範囲に保持するための条件について検討した。
熱風炉蓄熱室の側壁は図3に示すように、耐火レンガ層12の外側に順に、断熱レンガ層11、断熱フェルト10、吹付キャスタブル9、鉄皮2を有し、さらに鉄皮2の外側に空隙4を空けて外装板3が設けられている。なお、外装板3は劣化して放熱量が多くなり、外装板の下端部の充填材7も劣化してすきま16を生じた状態を想定している。この外装板3を設けて空気層によって鉄皮を保温する構造をベースとして、外装板の下端部に外気の吸込みを防止する構造とした例、外装板の外側を断熱材(熱伝導率0.02W/mK、厚さ20mm)で被覆した例、外装板の下端部を外気吸い込み防止構造とし、外装板の外側を断熱材で被覆した例について伝熱計算を実施した。外気温度は0℃とした。これは、最も温度が低くなる冬を想定したものである。蓄熱室の側壁の最も内側の耐火レンガの温度(耐火レンガと断熱レンガの境界の温度)を325℃~900℃とした。耐火レンガの温度は上方になるほど高くなり、耐火レンガ温度325℃は外装板の下端の位置を想定し、900℃は側壁の上端(マッシュルーム形のドーム下端)の位置を想定したものである。
蓄熱室上下方向各位置の鉄皮温度は、当該位置における耐火レンガの温度に応じて変化する。そこで、伝熱計算結果について、横軸を耐火レンガの温度、縦軸を鉄皮温度として図2に示した。図2において、白丸が空気層のみ(ベース)の結果、×と破線が外装板下端部の吸込みを防止した結果、黒三角と一点破線が外装板を断熱材で被覆した結果、黒菱形と実線が外装板下端部で吸込みを防止し、さらに外装板を断熱材で被覆した結果である。
まずベース条件(空気層のみ)(白丸)の場合、耐火レンガ温度が550℃未満になると鉄皮温度は150℃未満となる。
図2に示すように、外装板下端部で吸込みを防止する方法(×と破線)では鉄皮温度を上昇させる効果はほとんどなかった。外装板を断熱材で被覆する方法(黒三角と一点破線)では鉄皮温度を上昇させることができるが、断熱材の被覆だけでは耐火レンガ温度が400℃以下となる外装板の下側のほうでは鉄皮温度150℃以上とすることができない。外装板下端位置(耐火レンガ温度325℃位置)まで鉄皮温度150℃以上とするためには、外装板の断熱材による被覆に加え、外装板下端部での吸込み防止を行う方法(黒菱形と実線)が必要であることがわかった。
一方、外装板の断熱材による被覆と外装板下端部での吸込み防止の両方の対策を行った場合(黒菱形と実線)、耐火レンガ温度が500℃以上の高温になる位置では、鉄皮温度が270℃を超えてしまう。
そこで、外装板の断熱材による被覆と外装板下端部での吸込み防止の両方の対策を行いつつ、蓄熱室の頂上部に設けられた排気管8(図4参照)を開放する条件での温度状況について確認を行った。その結果、図2の*と実線で示すところまで温度を下げることができることがわかった。外装板間の僅かな隙間から外気を吸込み、鉄皮と外装板の間の空気層に対流を生じさせたためと考えられる。但し、図2の*と実線からわかるように、耐火レンガ温度が700℃以上になると排気管を開放しても鉄皮温度は270℃を超えてしまう。したがって、外装板を断熱材で被覆する上限は、耐火レンガ温度が700℃になる位置となる。
図2において、外装板に断熱材を被覆する条件では、外装板の下端から上端までの全範囲に断熱材を被覆している。そこで次に、断熱材被覆部の下端は外装板の下端と一致させ断熱材被覆部の上端は外装板の途中位置とした場合について検討した。この場合においても、断熱材を被覆している下部の範囲については、図2の黒三角(吸い込み防止なし)、黒菱形(吸い込み防止あり)、*(吸い込み防止あり、上部排気管開放)と同じ線に乗る。一方、断熱材を被覆していない上部の範囲については、図2の白丸、×の鉄皮温度よりも10℃程度高い鉄皮温度となることがわかった。
本発明において、外装板に断熱材を設置する範囲は、設置範囲下端は外装板の下端部である。断熱材設置範囲上端部は、当該位置において鉄皮温度が150℃未満とならないように定める必要がある。実際には上述のように、断熱材を被覆した上限位置よりも上方の被覆していない位置の鉄皮温度は、図2の白丸、×の鉄皮温度よりも10℃程度上昇することが判明したため、設置範囲の上端部は、図2の×の鉄皮温度が140℃となる、耐火レンガ温度500℃の位置と定めることとした。断熱材設置範囲の上端部の下限を耐火レンガ温度500℃とすることにより、炉頂部の排気管を開放してもしなくても、鉄皮温度を150℃以上270℃以下とすることができる。
一方、断熱材設置範囲の上端部位置が、耐火レンガ温度が650℃を超えた位置となると、たとえ炉頂部の排気管を開放としたとしても、鉄皮温度が270℃を超えてしまう。そこで、断熱材設置範囲上端の上限位置を、耐火レンガ温度が650℃となる位置とした。
即ち、断熱材設置範囲上端は、耐火レンガ温度が500℃~650℃の範囲内となる。ここで、耐火レンガ温度550℃は耐火レンガを高アルミナレンガから硅石レンガに変える位置(硅石レンガ層下端)であり、500℃は硅石レンガ層下端より約0.5m下方の位置となり、650℃は硅石レンガ層下端から約2m上方の位置となる。したがって、設置範囲上端部を硅石レンガ層下端から下方0.5m~硅石レンガ層下端から上方2mの範囲とする。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る熱風炉の鉄皮保温構造について説明する。本発明は、図1に示すように、熱風炉の蓄熱室1の鉄皮2の外周に、空隙4を介して外装板3を設け、さらに外装板3の外周に断熱材を被覆した断熱材被覆部6を有する。
本発明の断熱材として、パイロジェル、グラスウール、ロックウール、硬質ウレタンフォームを好適に用いることができる。これらの断熱材の熱伝導率は0.02~0.05W/mKであり、厚さ20~50mmを被覆することで、本発明の断熱材としての機能を発揮することができる。
中でも、シリカエアロジェルをグラスファイバー不織布に含浸させたエアロジェルブランケット(例えばパイロジェル(商標)XT)が、前記断熱材の中では最も熱伝導率が小さく、本発明の断熱材として最も好適に用いられる。ここでシリカエアロジェルとは、二酸化硅素をベースにゾルゲル法により製造され、個体の95%は空気で構成されており、ナノサイズ球体に空気を封じ込めているので、断熱特性に特に優れた素材である。
外装板3の下端については、上記伝熱計算で明らかになったように、外気との流通を遮断することにより、炉下部の鉄皮温度を上昇させることができる。従来、空隙4の下端において外気との通気を遮断する手段として、図3に示すように、伸縮性を有する充填材7を通気遮断材として使用することが行われていた。熱風炉の稼働中において、外装板3は温度が外気温に近いのに対し、鉄皮2は150℃以上の高温に熱せられているため、外装板3と鉄皮2では稼働中の熱膨張代に相違が生じていることから、外装板の下端部15において、金属製の隔壁を設けて通気を遮断することが困難だからである。ところが、前述のように、長期間の使用により、下端部の充填材7が劣化して伸縮性を失い、充填材7と鉄皮2あるいは外装板3との間にすきま16が生じ(図3参照)、外気を吸い込み鉄皮温度が低下する問題が生じていた。
本発明は、図1(A)に示すように、外装板の下端部15において鉄皮2と外装板3の間の空隙4を膜体5で覆い、当該膜体5は、その一部が外装板の下端部15に固定され、他の部分が蓄熱室1の鉄皮2に固定されている構造とすることで、上記問題を解決するに至った。図1(A)に示す例では、帯状の膜体の一方の幅端部17Aが外装板の下端部15に固定され、膜体の他方の幅端部17Bが鉄皮2に固定されている。膜体5としては、柔軟性を有し、通気抵抗を有していればどのような膜体でも用いることができる。膜体5は柔軟であることから、膜体5を帯状の形状とした上で、帯の長手方向を蓄熱炉の円周方向として蓄熱炉の外周に巻き付け、帯状の膜体の幅方向一方の端部(幅端部17A)を外装板の下端部15に固定し、幅方向他方の端部(幅端部17B)を鉄皮2に固定するように加工することができる。このように固定することにより、外装板の下端部15において鉄皮2と外装板3の間の空隙4が膜体5で覆われる。膜体5が通気抵抗を有しているので、鉄皮2と外装板3の間の空隙4は、外装板の下端部15において膜体5によって通気が遮断される。
膜体の通気抵抗の要件について説明する。膜体の単位表面積について、表裏面の空気圧差を1.6Paとしたとき、膜体を通じての通気量が1.0L/m/s以下であれば、本発明の膜体として用いるに十分な通気抵抗を有するものである。例えば、ベンチャークラッド(金属Alと高分子化合物の複合層)を好適に用いることができる。
膜体と断熱材を重ねて接着したものを用いて、外装板の断熱と外気の吸込み防止を兼ね備えたものとして用いてもよい。通気性の観点からは膜体の厚さは0.1~0.2mm程度と薄くても構わないが、耐久性や鉄皮や外装板との固定を考慮すると断熱材と重ねて取り付けることが好ましい。以下、膜体と断熱材を重ねたものを膜体5と称する。膜体5と外装板の下端部15との間の固定方法、膜体5と鉄皮2との間の固定方法については、スタッドで固定して隙間をシリコン樹脂系のコーティング剤で埋める方法を採用することができる。それぞれの固定部において、膜体が外装板あるいは鉄皮と固定する接着部位については、膜体の厚み断面が露出している端面ではなく、膜体5の広面において接着する。そのため、接着部の蓄熱室高さ方向接着範囲を、膜体の厚さよりも広い範囲とすることができ、接着強度を増すことができる。
熱風炉蓄熱室に本発明を適用した。蓄熱室1の鉄皮外径は10m、直胴部の高さは41mである。図1に示すように、鉄皮2の内側に順に、吹付キャスタブル9、断熱フェルト10、断熱レンガ層11、さらにその内側に耐火レンガ層12が内張りされ、耐火レンガ層12の内側空間に蓄熱レンガ層(図示しない)が構築されている。耐火レンガ層12は下層がアルミナレンガ層14、その上部に硅石レンガ層13が積み上げられる。硅石レンガ層下端20は、直胴部の下端から35mの位置である。
蓄熱室直胴部の鉄皮2の外周に、鉄皮2からの距離100mmの位置に薄鋼板製の外装板3を設けている。鉄皮2と外装板3との間が空隙4となる。外装板の下端部15は、直胴部の下端から27mm上方に位置している。また、外装板3は、蓄熱室をマッシュルーム形のドーム上端まで覆っており、頂上部には排気管8が設けられている(図4参照)。
外装板3の断熱材被覆について説明する。従来例(図3)は断熱材被覆部6を有さず、薄鋼板製の外装板3が露出したままとしている。本発明例については、蓄熱室直胴部の下方の外装板表面に断熱材被覆部6を有している。断熱材被覆部6を構成する断熱材としては、シリカエアロジェルをグラスファイバー不織布に含浸させたエアロジェルブランケット(パイロジェル(商標)XT)を用いた。厚さは20mmである。断熱材の熱伝達率は0.02W/m2K程度である。断熱材被覆部6の蓄熱室上下方向設置範囲は、設置範囲下端部18は前記外装板の下端部15であり、設置範囲上端部19は、蓄熱室の硅石レンガ層下端20から下方200mmとした。
外装板の下端部15における空隙4と外気との遮断状況について説明する。従来例においては、図3に示すように、外装板の下端部15において、外装板3と鉄皮2との間に充填材7を充填している。充填材7は変成シリコン系シーリング材であり、施工から12年を経過し、すきまを生じている。本発明例、図1に示すように、外装板の下端部15において鉄皮2と外装板3の間の空隙4を膜体5で覆い、膜体5は、その一部(幅端部17A)が外装板の下端部15に固定され、他の部分(幅端部17B)が鉄皮2に固定されている。膜体5としては、ベンチャークラッドを断熱材として用いているエアロジェルブランケット(パイロジェル(商標)XT)に重ね合わせたものを用いた。ベンチャークラッドの膜厚は0.15mmである。膜体の単位表面積について、表裏面の空気圧差を1.6Paとしたとき、膜体を通じての通気量が1.0L/m/秒以下である。膜体5を幅150mmの帯状とし、外装板の下端部15において空隙4を覆うように蓄熱室外周部に巻き付けて固定した。膜体5と外装板の下端部15との間の固定方法、膜体5と鉄皮2との間の固定方法については、スタッドで固定して隙間をシリコン樹脂系のコーティング剤で埋める方法を採用した。
蓄熱室の直胴部高さ方向6箇所の鉄皮温度を計測した。高さ方向の計測位置は表1に記載する。従来例、本発明例それぞれについて鉄皮温度計測結果を表1に示す。
Figure 0007006448000001
従来例では、鉄皮温度計測位置1~3で150℃未満の温度であったが、発明例では、何れの計測位置でも鉄皮温度150~270℃の範囲に入っており、発明の効果が確認できた。
1 蓄熱室
2 鉄皮
3 外装板
4 空隙
5 膜体
6 断熱材被覆部
7 充填材
8 排気管
9 吹付キャスタブル
10 断熱フェルト
11 断熱レンガ層
12 耐火レンガ層
13 硅石レンガ層
14 アルミナレンガ層
15 外装板の下端部
16 すきま
17 幅端部
18 設置範囲下端部
19 設置範囲上端部
20 硅石レンガ層下端

Claims (1)

  1. 熱風炉蓄熱室の鉄皮の外周に、空隙を介して外装板を設けた熱風炉の鉄皮保温構造において、
    前記熱風炉蓄熱室側壁は、最内層に耐火レンガ層とその外側に断熱レンガ層が内張りされ、蓄熱室の上部の耐火レンガ層は硅石レンガ層、蓄熱室の下部の耐火レンガ層はアルミナレンガ層が形成され、耐火レンガと断熱レンガの境界の温度を耐火レンガ温度と呼び、
    前記外装板の外側に断熱材被覆部を有し、当該断熱材被覆部の蓄熱室上下方向設置範囲は、設置範囲下端部は前記外装板の下端部であり、
    前記断熱材被覆部の設置範囲上端部は、蓄熱室側壁の耐火レンガの前記硅石レンガ層の下端から下方0.5m~前記硅石レンガ層の下端から上方2mの範囲内であって、かつ、前記耐火レンガ温度が500℃~650℃の範囲内にあり、
    外装板の下端部において鉄皮と外装板の間の空隙を膜体で覆い、当該膜体は、その一部が外装板の外側の下端部に固定され、他の部分が蓄熱室の鉄皮に固定されていることを特徴とする熱風炉の鉄皮保温構造。
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