JP7006324B2 - 光ファイバテープ心線用被覆装置、および、光ファイバテープ心線の製造方法 - Google Patents

光ファイバテープ心線用被覆装置、および、光ファイバテープ心線の製造方法 Download PDF

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本発明は、光ファイバテープ心線用被覆装置、および、光ファイバテープ心線の製造方法に関する。
光ファイバテープ心線は、一平面にそって複数本の光ファイバ心線を配列し、それらに紫外線硬化樹脂などを一括塗布し該樹脂を硬化させることにより形成される。光ファイバテープ心線の樹脂の被覆装置としては、例えば、特許文献1,2に開示されているように、ダイに形成したノズルのテーパや、ダイとニップルの間隙を工夫した被覆装置が知られている。
また、光ファイバを加入者宅等に引き落とすには、多心の光ファイバテープ心線から単心の光ファイバ心線に分離(中間分岐)する必要がある。これを容易に行うため、光ファイバテープ心線を単心分離しやすいように隣り合う光ファイバ心線の間が交互に接着された間欠テープ心線にすることが知られている。このような間欠テープ心線は、例えば共通被覆層により一体化させた光ファイバテープ心線を製造し、隣接する光ファイバ心線間の共通被覆層に長手方向に間欠的な切れ込みを入れることで得られる。
特開平10-227955号公報 特開2000-338377号公報
ところで、従来の被覆装置を用いて光ファイバテープ心線を製造する場合、製造速度、すなわち、光ファイバ心線の線速を速くするにしたがって、光ファイバテープ心線の中央部でテープ厚さが厚くなる、偏肉の現象が見られる。
図9は、従来の光ファイバテープ心線の樹脂の被覆装置における樹脂の流れを説明するための図であり、光ファイバテープ心線の配列方向から見た中央部の要部断面を示している。被覆装置は、複数本の光ファイバ心線2が通過する断面長方形状または長方形の短辺を円弧形状に形成した断面長円形状のノズル11’を中央部に形成したダイ10’と、光ファイバ心線2が通過する断面長方形状または長方形の短辺を円弧形状に形成した断面長円形状のファイバ挿通孔22’を中央部に形成したニップル20’とを備えており、ダイ10’の上面15’とニップル20’の下面23’との間には樹脂溜まり70’が形成されている。ダイ10’のノズル11’は、光ファイバ心線2の挿入口側が上面に向かって広がるテーパ12’となっている。なお、光ファイバ素線は、図9の紙面に垂直な方向に配列される。
このような製造装置で製造した光ファイバテープ心線の樹脂の厚みが偏る、偏肉の原因を解析した。その結果、光ファイバテープ心線成形時にダイ10’のノズル11’のテーパ12’において、樹脂が剪断発熱を起こし、矢印Aで示すような樹脂流動が生じて発熱した樹脂が一部逆流し、ダイ10’とニップル20’との間の樹脂溜まり70’に熱を持ち帰り、この熱を持った樹脂が中央部付近で循環するため、光ファイバテープ心線のテープ中央部の温度を高くしていることが分かった。樹脂溜まり70’の温度は、ノズル11’周辺の供給系から送られてくる矢印Bで示す新しい樹脂と混ざり合うことで全体の温度は下げられるが、テープ中央部では、矢印Cで示すような温度が高い樹脂が循環する渦が発生し、周囲の樹脂と混ざり合わず、温度が高いままとなる。樹脂の温度が高いと樹脂の粘度が下がるため、樹脂の流量が増えることにより、結果として、テープ中央部のみが厚くなってしまうと考えられる。そして、この現象は、光ファイバ心線2の線速を速くするほど顕著に現れる。
図10は、図9に示す製造装置を用いて、線速を従来よりも速くして製造した光ファイバテープ心線の一例を示す断面図である。光ファイバテープ心線1は、6本の光ファイバ心線2が並列に配置され、樹脂からなる共通被覆層3により一体化されている。個々の光ファイバ心線2は、コアとクラッドからなるガラスファイバの周囲に、例えば2層の樹脂被覆層を設けたものである。光ファイバ心線2間の共通被覆層3の厚さは、幅方向の端部よりも中央部の方が大きくなっている(d3>d2>d1)。このような光ファイバテープ心線1の光ファイバ心線2間の所定個所に切れ込みを入れて間欠テープ心線を作製する際、共通被覆層3の厚さが薄い箇所は切れ込みを容易に入れることができるが、共通被覆層3の厚い箇所では安定して切れ込みを入れることが難しいという問題があった。なお、被覆樹脂の偏肉が発生するのは、ダイのノズルに供給される樹脂に、ノズル長手方向の温度ムラができるためであり、樹脂温度がノズル長手方向で均一であれば、温度がある程度上がっても問題は生じない。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造によって、ダイのノズルの中央部の樹脂溜まりでできる温度が高い樹脂の循環を抑制し、ダイのノズルに供給される樹脂のノズル長手方向の温度ムラを解消することによって、光ファイバテープ心線の中央部の樹脂の厚みが厚くなるのを防ぐことをその目的とする。
本発明の一態様に係る光ファイバテープ心線用被覆装置は、一平面にそって配列された複数本の光ファイバ心線が通過するノズルが中央部に形成され、前記ノズルの前記光ファイバ心線の挿入口側がテーパ状となっているダイと、前記光ファイバ心線が通過する挿通孔を中央部に形成したニップルと、前記ノズルと前記挿通孔とが同軸状をなすように前記ダイと前記ニップルとを隙間を隔てて保持するとともに、前記光ファイバ心線を被覆する被覆樹脂が供給される樹脂溜まりを前記ダイの上面と前記ニップルの下面と共に形成する内周面を有するダイホルダとを備える光ファイバテープ心線用被覆装置であって、前記ダイが、前記ダイのノズルと前記ダイホルダの内周面との間の前記ノズルの周辺部かつ前記ダイの上面側に、前記ノズルの開口面よりも高い壁を有しているものである。
また、本発明の一対応に係る光ファイバテープ心線の製造方法は、一平面にそって配列された複数本の光ファイバ心線に樹脂を一括被覆した光ファイバテープ心線の製造方法であって、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置を用いたものである。
本発明によれば、ダイのノズルの周辺に設けた壁によって、樹脂溜まりでできる渦の発生が邪魔されるため、ノズルの中央部付近でできる温度が高い樹脂が循環する渦の発生を抑えることができる。このため、ダイのノズルに供給される樹脂のノズル長手方向の温度ムラが解消され、光ファイバテープ心線の中央部の樹脂の厚みが厚くなることが防止できる。また、製造速度を速くしても、樹脂の厚みが偏る問題は生じない。
本発明の一実施形態に係る光ファイバテープ心線の製造方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置の断面図であり、光ファイバテープ心線の配列方向から見た図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置における樹脂の流れを説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。 従来の光ファイバテープ心線用被覆装置における樹脂の流れを説明するための図である。 図9に示す光ファイバテープ心線用被覆装置を用いて製造された光ファイバテープ心線の一例を示す図である。
(本願発明の実施形態の説明)
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
本願発明の一態様(1)に係る光ファイバテープ心線用被覆装置は、一平面にそって配列された複数本の光ファイバ心線が通過するノズルが中央部に形成され、前記ノズルの前記光ファイバ心線の挿入口側がテーパ状となっているダイと、前記光ファイバ心線が通過する挿通孔を中央部に形成したニップルと、前記ノズルと前記挿通孔とが同軸状をなすように前記ダイと前記ニップルとを隙間を隔てて保持するとともに、前記光ファイバ心線を被覆する被覆樹脂が供給される樹脂溜まりを前記ダイの上面と前記ニップルの下面と共に形成する内周面を有するダイホルダとを備える光ファイバテープ心線用被覆装置であって、前記ダイが、前記ダイのノズルと前記ダイホルダの内周面との間の前記ノズルの周辺部かつ前記ダイの上面側に、前記ノズルの開口面よりも高い壁を有しているものである。
本態様によれば、ダイのノズルの周辺に設けた壁によって、樹脂溜まりでできる渦の発生が邪魔されるため、ノズルの中央部付近でできる温度が高い樹脂が循環する渦の発生を抑えることができる。このため、ダイのノズルに供給される樹脂のノズル長手方向の温度ムラが解消され、光ファイバテープ心線の中央部の樹脂の厚みが厚くなることが防止できる。また、製造速度を速くしても、樹脂の厚みが偏る問題は生じない。
本発明の一態様(2)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記ダイの上面側の前記ノズルの開口断面が、長円形または長方形であり、前記壁は、少なくとも前記ノズルの開口断面の長手方向に沿って前記ノズルの両側に配置されていることが望ましい。
本態様によれば、テープ中央部のみ温度が高くなることによる偏肉の発生を確実に抑制することができる。
本発明の一態様(3)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記壁が、前記ノズルの開口周辺を取り囲む窪みから形成されている。
本発明の一態様(4)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記ダイの上面側の前記ノズルの開口断面が、長円形または長方形であり、前記窪みが、前記ノズルの開口断面のを長軸とする楕円形状である。
本発明の一態様(5)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記窪みが、前記ノズルの中央を中心に形成した円形状である。
本発明の一態様(6)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記窪みが、前記ノズルを中心に形成した方形状である。
これらの態様によれば、簡単な加工によって、ダイの上面側のノズルの開口周辺にノズルの開口面よりも高い壁を形成することができる。
本発明の一態様(7)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記壁が、前記ノズルの長手方向に平行に設けた凸状部から形成されている。
本発明の一態様(8)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記凸状部が、前記ノズルの中央部分近傍で分割されている。
本発明の一態様(9)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記壁が、前記ノズルの開口周辺を取り囲んで設けられた凸状部からなる。
これらの態様によれば、ダイの上面側に設ける壁の一形態を提供することができる。また、凸状部をノズルの中央部分近傍で分割したり、ノズルを取り囲んだりすることによって、ダイのノズルに供給される樹脂のノズル長手方向の温度ムラをさらに抑えることができる。
本発明の一態様(10)として、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置において、前記壁の高さは、前記ダイの上面と前記ニップルの下面との間隔の1/4から1/2の長さを有することが望ましい。
本態様によれば、ノズルの周辺に設けた壁の高さを、樹脂溜まりの軸方向高さに対して最適な値にすることができる。
本発明の一態様(11)に係る光ファイバテープ心線の製造方法は、一平面にそって配列された複数本の光ファイバ心線に樹脂を一括被覆した光ファイバテープ心線の製造方法であって、上記の光ファイバテープ心線用被覆装置を用いたものである。
本態様によれば、テープ中央部のみ温度が高くなることによりテープ中央部の樹脂の厚みが厚くなるのを防ぐことができ、製造速度を速くすることができる。
(本願発明の実施形態の詳細)
本発明の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置、および、光ファイバテープ心線の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。なお、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る光ファイバテープ心線の製造方法を説明するための図である。
光ファイバテープ心線の製造装置はサプライ装置100を有し、サプライ装置100内には、光ファイバテープ心線1の心線数に対応するn個(例えば、6本)のリール101~106、n個のダンサローラ111~116、および、ガイドローラ120が設けられている。各リール101~106には光ファイバ心線2がそれぞれ巻かれている。光ファイバ心線2は外径が240~250μmで、図10で示すような、コアとクラッドからなる標準外径が125μmのガラスファイバの周囲に、例えば2層の樹脂被覆層を設けたものである。各リール101~106からそれぞれ繰り出された光ファイバ心線2は、ダンサローラ111~116によりそれぞれ数十gf程度の張力が与えられ、ガイドローラ120を通過するときに一つの配列面上に並べられる。光ファイバ心線2は、さらに、直上ガイドローラ130で集線されて、被覆装置200へ送られる。
このような被覆装置200に光ファイバ心線2を挿通し、後段で所定の張力で引っ張る。これにより、挿通された光ファイバ心線2は、被覆装置200内のニップルでガイドされて所望の配列となり、ダイに送られ、共通被覆層3としての紫外線硬化型樹脂が、並列した光ファイバ心線2の周りに塗布される。この紫外線硬化型樹脂は、加圧式の樹脂タンク210より供給される。そして、紫外線硬化型樹脂が塗布された6本の光ファイバ心線2は、紫外線照射装置220において紫外線が照射されて、硬化される。硬化した紫外線硬化型樹脂は、共通被覆層となって、6心の光ファイバテープ心線1が形成される。
紫外線照射装置220により紫外線を照射されて硬化した光ファイバテープ心線1は、ガイドローラ230、送り出しキャプスタン310、および、巻き取り張力制御ダンサローラ320、さらに、間欠加工装置400を経て、リールを有する巻き取り装置330へ送られる。間欠加工装置400は、例えば、図示しない切断ローラによって、光ファイバテープ心線1の間欠連結部を形成するために、光ファイバテープ心線1の所定の光ファイバ心線2間の共通被覆層3に、厚さ方向に貫通する周期的な切れ込みを入れる。そして、巻き取り装置330において、間欠テープ心線となった光ファイバテープ心線1は、ガイドを経てリールに巻取られる。このときの光ファイバテープ心線全体の巻き取り張力は例えば数十gf~数百gfに設定される。
このようにして、光ファイバテープ心線を製造するが、被覆装置200は、共通被覆層3を形成するためのテープ化樹脂として、紫外線硬化型樹脂ではなく熱可塑性樹脂を被覆するものであってもよい。この場合、被覆装置200は、熱可塑性樹脂を押出す押出機と、押出された樹脂を冷却する冷却装置とを備えて構成される。いずれの場合も、ダイ10を通過後、なるべく早く樹脂を硬化させることが、光ファイバテープ心線1の形状を保持するうえで有効である。
次に、被覆装置200について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置の断面図であり、光ファイバテープ心線の配列方向から見た図である。図3は、この被覆装置のダイを示す図であり、図3(A)は、ダイを斜め上方から見た斜視図、図3(B)は、図3(A)に示すX-X矢視断面図、図3(C)は、ダイを上方から見た図、さらに、図3(D)は、ダイを下方から見た図である。なお、本明細書では、光ファイバ心線の搬送方向の上流側を上、下流側を下としている。
図2に示すように、被覆装置200は、ホルダ50の内側に、同軸上に外スリーブ40と内スリーブ30を有しており、内スリーブ30の内側に、ダイ10とニップル(ポイントもいう。)20を備えている。ホルダ50は、例えばカップ状をしており、ホルダ50の側面の適宜の位置には、その径方向に貫通した樹脂通路51が設けられている。また、外スリーブ40にもホルダ50に設けた樹脂通路51に連通する樹脂通路41が設けられており、さらに、樹脂通路41は、内スリーブ30と外スリーブで40とで形成される空間である樹脂貯留部32に連通している。なお、本発明のダイを保持するダイホルダは、ホルダ50、外スリーブ40、内スリーブ30から構成されるが、これに限定されることはない。
内スリーブ30、外スリーブ40、ホルダ50の上部は、リッド60で覆われており、リッド60の中央には開口61が設けられている。この開口61からニップル20の中央に形成した上部開口21が露出している。複数本の光ファイバ心線2は、ニップル20の上部開口21から被覆装置200内に入る。また、外スリーブ40とホルダ50の底部の中央位置には、それぞれ底部開口42と底部開口52が形成されており、樹脂が塗布された光ファイバテープ心線1が、底部開口42と底部開口52を通って被覆装置200から外に出る。
内スリーブ30には樹脂貯留部32の適宜の位置で径方向に貫通した樹脂通路31が設けられており、この樹脂通路31は、内スリーブ30の内周面とニップル20の外周面に形成された樹脂通路71に連通している。ニップル20の下方にはダイ10が所定間隔離れて配置されており、内スリーブ30の下方内周面、ニップル20の下面23、および、ダイ10の上面に囲まれた空間が樹脂溜まり70を形成している。図1に示す樹脂タンク210から供給される樹脂は、ホルダ50の樹脂通路51、外スリーブ40の樹脂通路41、樹脂貯留部32、内スリーブ30の樹脂通路31、および、ニップル20の外周面の樹脂通路71を通って、円周方向から樹脂溜まり70に供給される。樹脂溜まり70は、供給された樹脂を溜めることができる。
ニップル20は、リッド60側に位置し、内スリーブ30の内周面に嵌合されている。ニップル20の下部中央位置には、光ファイバ心線2を通すファイバ挿通孔22が形成される。ファイバ挿通孔22は、断面が、例えば長方形の短辺を円弧形状に形成した長円形、または長方形であり、内面が鏡面仕上げされている。複数本の光ファイバ心線2は、ファイバ挿通孔22でガイドされて所望のピッチで一平面に沿った配列となる。ファイバ挿通孔22は、樹脂溜まり70に開口している。
ダイ10は、ニップル20の下側に位置し、内スリーブ30の内周面に嵌合されている。ダイ10の中央位置には、ニップル20から出た光ファイバ心線2を通すノズル11が形成されている。ノズル11は、ニップル20のファイバ挿通孔22と同軸で鉛直方向に沿って延び、ダイ10を貫通している。ノズル11は樹脂溜まり70に開口しており、一平面に沿って配列された複数本の光ファイバ心線2は周囲に樹脂が塗布された状態でノズル11内を通過する。
次に、本実施形態の被覆装置に用いられるダイについて説明する。図3で示すようにダイ10は略円筒状をしており、中央部に光ファイバ心線2を通すノズル11が形成されている。このノズル11は、光ファイバ心線2の挿入口側、すなわち、樹脂溜まり70側の断面が、例えば長方形の短辺を円弧形状に形成した長円形、または長方形であり、内面にはテーパ12が形成されている。また、ノズル11の光ファイバ心線2の排出口側、すなわち、出口側の断面は、光ファイバ心線12の配列形状に応じた所定の形状となっている。そして、ダイ10のノズル11と内スリーブ30との間のノズル11の周辺部に、ノズル11の開口面16よりも高い壁14が設けられている。
本実施形態では、壁14は、ノズル11のノズルの開口周辺を取り囲む窪み13から形成されており、この窪み13は、ノズル11の長円形または長方形の長手方向を長軸とする楕円形状を有している。
次に、本実施形態の被覆装置における樹脂の流れについて説明する。図4は、本実施形態の光ファイバテープ心線用被覆装置における樹脂の流れを説明するための図であり、光ファイバテープ心線の配列方向から見た中央部の要部断面を示している。光ファイバテープ心線成形時にダイ10のノズル11のテーパ12において、樹脂が剪断発熱を起こし、矢印Aで示すような樹脂流動が生じて温度が高くなった樹脂が樹脂溜まり70に一部逆流するが、本実施形態のダイ10では、ノズル11の開口周辺部に壁14が形成されているため、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、矢印Cで示す温度が高い樹脂が循環する渦の発生を抑えることができる。このため、ダイのノズルに供給される樹脂にノズル長手方向の温度ムラができるのが防止され、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、樹脂が厚くなるのを防ぐことができる。
ここで、壁14の高さh、本実施形態では、ノズル11の開口面16からダイ10の上面15までの高さhは、ダイ10の上面15とニップルの下面23との間隔d、すなわち、樹脂溜まり70の間隔dの1/4から1/2の長さを有することが、樹脂の温度ムラの発生を防止するために好適である。また、壁14の高さについては、後述する他の実施形態についても同様である。
以上、本実施形態では、図3に示すように、壁14を、ノズル11の開口周辺を取り囲む楕円形状の窪み13から形成したが、窪みの形状としては、ノズル11の中央を中心に形成した円形状であってもよい。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。本実施形態では、略円筒状のダイ10の中央部に設けたノズル11の開口を取り囲むように、方形状の窪み13を設けている。これにより、ダイ10のノズル11と内スリーブ30との間のノズル11の周辺部に、ノズル11の開口面16よりも高い壁14を形成している。本実施形態の壁14は、第1の実施形態で説明した壁14と同様の機能を有し、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、温度が高い樹脂が循環する渦の発生を抑えることができる。このため、ダイのノズルに供給される樹脂にノズル長手方向の温度ムラができるのが防止され、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、樹脂が厚くなるのを防ぐことができる。なお、方形状の角部における樹脂の滞留を防ぐために、角部を丸く形成しておいてもよい。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。本実施形態では、略円筒状のダイ10の中央部に、断面が、例えば長方形の短辺を円弧形状形成した長円形、または長方形のノズル11を設け、ノズル11の長手方向に沿って平行な両側に、ダイの上面から突出する凸状部17を設けている。この凸状部17によって、ノズル11の開口面となる上面15よりも高い壁14が形成される。
本実施形態の壁14は、第1の実施形態のように、ノズル11の周辺部全体を取り囲むものではないが、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、温度が高い樹脂が循環する渦の発生を抑えるための邪魔板として作用する。このため、ダイのノズルに供給される樹脂にノズル長手方向の温度ムラができるのが防止され、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、樹脂が厚くなるのを防ぐことができる。本実施形態においても、壁14の高さは1mm以上とし、ダイ10の上面15とニップルの下面23との間隔、すなわち、樹脂溜まり70の間隔の1/4から1/2の長さにすることが望ましい。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。本実施形態では、略円筒状のダイ10の中央部に、断面が、例えば長方形の短辺を円弧形状形成した長円形、または長方形のノズル11を設け、ノズル11の長手方向に沿って平行な両側に、ダイの上面から突出する分割された凸状部17a、17bを設けている。この凸状部17a、17bによって、ノズル11の開口面となる上面15よりも高い壁14が形成される。
第3の本実施形態では、ノズル11の長手方向の全長両側にわたって凸状部17を形成しているが、このように全長にわたって凸状部17があると、逆にノズル11の中央部に供給される樹脂の温度が端部よりも低く抑えられることがある。本実施形態では、凸状部17a、17bとしてノズルの中央部分近傍で分割しているため、ダイのノズルに供給される樹脂の温度をより均一にすることが可能になる。
(第5の実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係る光ファイバテープ心線用被覆装置のダイを示す図である。本実施形態では、略円筒状のダイ10の中央部に、断面が、例えば長方形の短辺を円弧形状形成した長円形、または長方形のノズル11を設け、ノズル11の開口周辺を取り囲んで凸状部18を設けている。この凸状部18によって、ノズル11の開口面となる上面15よりも高い壁14が形成される。本実施形態の壁14は、第1の実施形態で説明した壁14と同様の機能を有し、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、温度が高い樹脂が循環する渦の発生を抑えることができる。このため、ダイのノズルに供給される樹脂にノズル長手方向の温度ムラができるのが防止され、光ファイバテープ心線のテープ中央部において、樹脂が厚くなるのを防ぐことができる。なお、方形状の角部における樹脂の滞留を防ぐために、角部を丸く形成しておいてもよい。
以上に説明したように、壁14は、少なくともノズル11の長手方向に沿ってノズル11の両側に配置されておれば、ノズル11の中央部に供給される樹脂の温度が高くなるのを防止することができ、その形状については種々の変更が可能である。
1…光ファイバテープ心線、2…光ファイバ心線、3…共通被覆層、10,10’…ダイ、11、11'…ノズル、12、12'…テーパ、13…窪み、14…壁、15、15'…上面、16…開口面、17、17a、17b、18…凸状部、20、20'…ニップル、21…上部開口、22、22'…挿通孔、23、23'…下面、30…内スリーブ、31、41、51、71…樹脂通路、32…樹脂貯留部、40…外スリーブ、42、52…底部開口、50…ホルダ、60…リッド、61…開口、70、70'…樹脂溜まり、100…サプライ装置、101~106…リール、111~116…ダンサローラ、120,230…ガイドローラ、130…直上ガイドローラ、200…被覆装置、210…樹脂タンク、220…紫外線照射装置、310…送り出しキャプスタン、320…巻き取り張力制御ダンサローラ、330…巻き取り装置、400…間欠加工装置。

Claims (11)

  1. 一平面にそって配列された複数本の光ファイバ心線が通過するノズルが中央部に形成され、前記ノズルの前記光ファイバ心線の挿入口側がテーパ状となっているダイと、
    前記光ファイバ心線が通過する挿通孔を中央部に形成したニップルと、
    前記ノズルと前記挿通孔とが同軸状をなすように前記ダイと前記ニップルとを隙間を隔てて保持するとともに、前記光ファイバ心線を被覆する被覆樹脂が供給される樹脂溜まりを前記ダイの上面と前記ニップルの下面と共に形成する内周面を有するダイホルダとを備える光ファイバテープ心線用被覆装置であって、
    前記ダイが、前記ダイのノズルと前記ダイホルダの内周面との間の前記ノズルの周辺部かつ前記ダイの上面側に、前記ノズルの開口面よりも高い壁を有している光ファイバテープ心線用被覆装置。
  2. 前記ダイの上面側の前記ノズルの開口断面が、長円形または長方形であり、
    前記壁が、少なくとも前記ノズルの開口断面の長手方向に沿って前記ノズルの両側に配置されている請求項1に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  3. 前記壁が、前記ノズルの開口周辺を取り囲む窪みから形成されている請求項1または2に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  4. 前記ダイの上面側の前記ノズルの開口断面が、長円形または長方形であり、
    前記窪みが、前記ノズルの開口断面の長手方向を長軸とする楕円形状である請求項3に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  5. 前記窪みが、前記ノズルの中央を中心に形成した円形状である請求項3に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  6. 前記窪みが、前記ノズルを中心に形成した方形状である請求項3に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  7. 前記壁が、前記ノズルの長手方向に平行に設けた凸状部から形成されている請求項1または2に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  8. 前記凸状部が、前記ノズルの中央部分近傍で分割されている請求項7に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  9. 前記壁が、前記ノズルの開口周辺を取り囲んで設けられた凸状部からなる請求項1または2に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  10. 前記壁の高さが、前記ダイの上面と前記ニップルの下面との間隔の1/4から1/2の長さを有する請求項1から9のいずれか一項に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置。
  11. 一平面にそって配列された複数本の光ファイバ心線に樹脂を一括被覆した光ファイバテープ心線の製造方法であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の光ファイバテープ心線用被覆装置を用いた、光ファイバテープ心線の製造方法。
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