JP7005816B1 - コモンモードチョークコイル、およびそのコモンモードチョークコイルを備えたノイズフィルタ回路 - Google Patents

コモンモードチョークコイル、およびそのコモンモードチョークコイルを備えたノイズフィルタ回路 Download PDF

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Abstract

コモンモードチョークコイル(CC1)は、磁気コア(1)と磁気コア(1)に巻回される被覆導線(2a,2b)とを含むチョークコイルと、磁気コア(1)の表面に沿って延在する導電体(5)と、導電体(5)を接地するための接地導線(6)とを備える。導電体(5)は、被覆導線(2a,2b)の磁気コア(1)に対する巻き始まり部(3a,3b)に接触し、かつ巻き終わり部(4a,4b)に接触および接近しない位置に配置される。

Description

本開示は、電磁ノイズを抑制するノイズフィルタとして用いられるコモンモードチョークコイル、およびそのコモンモードチョークコイルを備えるノイズフィルタ回路に関する。
電磁ノイズを抑制するノイズフィルタには、コモンモードチョークコイルと対地間コンデンサとが用いられる場合があるが、ノイズ対策部品の点数を削減するために、対地間コンデンサの機能を兼ね備えるコモンモードチョークコイルが提案されている。
たとえば、特開2008-118101号公報(特許文献1)には、接地された導電体をコモンモードチョークコイルの磁気コアに配置することによって、対地間コンデンサと同様に機能する対地容量を形成する技術が開示されている。
特開2008-118101号公報
特開2008-118101号公報に開示された構成では、接地された導電体を磁気コアに追加することで対地容量を形成し、電磁ノイズをバイパスしている。しかしながら、導電体が配置される範囲によっては、対地容量を介して、電磁ノイズが再度コモンモードチョークコイルに伝搬する経路が生じてしまい、導電体を有しない従来のコモンモードチョークコイルよりも電磁ノイズ抑制効果が低下してしまうという問題がある。特開2008-118101号公報には、このような問題およびその対策について何ら言及されていない。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、対地間コンデンサの機能を兼ね備えるコモンモードチョークコイルの電磁ノイズ抑制効果を改善することである。
本開示によるコモンモードチョークコイルは、磁気コアと磁気コアに巻回される被覆導線とを含む少なくとも1つのチョークコイルと、磁気コアの表面に沿って延在する導電体と、導電体を接地するための接地導線とを備る。導電体は、被覆導線の磁気コアに対する巻き始まり部および巻き終わり部のどちらか一方に接触または接近し、かつ巻き始まり部および巻き終わり部の他方に接触および接近しない位置に配置される。
本開示によるコモンモードチョークコイルにおいては、対地容量を形成するための導電体の位置が、被覆導線の巻き始まり部および巻き終わり部のどちらか一方に接触または接近し、かつ巻き始まり部および巻き終わり部の他方には接触および接近しない範囲に制限される。これにより、対地容量を形成しても、電磁ノイズが再度コモンモードチョークコイルに伝搬する経路が生じないため、対地間コンデンサの機能を兼ね備えるコモンモードチョークコイルの電磁ノイズ抑制効果を改善することができる。
コモンモードチョークコイルの正面図(その1)である。 コモンモードチョークコイルの側面図(その1)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その2)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その3)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その4)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その5)である。 コモンモードチョークコイルの側面図(その2)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その6)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その7)である。 コモンモードチョークコイルの回路図(その1)である。 比較例によるコモンモードチョークコイルの正面図である。 比較例によるコモンモードチョークコイルの側面図である。 比較例によるコモンモードチョークコイルの回路図である。 電磁ノイズ低減効果の解析結果の一例を示す図である。 電磁ノイズ低減効果の解析結果の他の一例を示す図である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その8)である。 コモンモードチョークコイルの側面図(その3)である。 コモンモードチョークコイルの回路図(その2)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その9)である。 コモンモードチョークコイルの回路図(その3)である。 コモンモードチョークコイルの正面図(その10)である。 ノイズフィルタ回路の正面図(その1)である。 ノイズフィルタ回路の正面図(その2)である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1の正面図である。図2は、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1の側面図である。
コモンモードチョークコイルCC1は、円環形状を有するトロイダル型の磁気コア1と、被覆導線2a,2bと、導電体5と、接地導線6とを備えている。磁気コア1と被覆導線2a,2bとによってチョークコイルが形成される。
被覆導線2aは、磁気コア1の半分(図1では右半分)の範囲に巻回される。被覆導線2aは、磁気コア1に巻回される巻き始まり部3aから巻き終わり部4aまでの部分と、磁気コア1に巻回されていないリード線La,Waとを含む。
リード線Laは、巻き始まり部3aに接続され、巻き始まり部3aから磁気コア1の一方の側面(図1では表側の側面)側に引き出されて磁気コア1の外径方向(図1では下方)に向けて延在する。リード線Waは、巻き終わり部4aに接続され、巻き終わり部4aから磁気コア1の他方の側面(図1では裏側の側面)側に引き出されてリード線Laと同じ方向(図1では下方)に向けて延在する。
被覆導線2bは、磁気コア1のもう一方の半分(図1では左半分)の範囲に巻回される。被覆導線2bは、磁気コア1に巻回される巻き始まり部3bから巻き終わり部4bまでの部分と、磁気コア1に巻回されていないリード線Lb,Wbとを含む。
リード線Lbは、巻き始まり部3bに接続され、巻き始まり部3bから磁気コア1の一方の側面(図1では表側の側面)側に引き出されて磁気コア1の外径方向(図1では下方)に向けて延在する。リード線Wbは、巻き終わり部4bに接続され、巻き終わり部4bから磁気コア1の他方の側面(図1では裏側の側面)側に引き出されて、リード線Lbと同じ方向(図1では下方)に向けて延在する。
なお、リード線Wa,Wbの配置は必ずしも図1に示す配置に限定されない。たとえば、リード線Wa,Wbは、磁気コア1から見て、リード線La,Lbと同じ側(図1では表側の側面側)に引き出されて、リード線La,Lbとは異なる方向(図1では上方)に向けて延在していてもよい(後述の図16、17参照)。
接地導線6は、一方の端部が導電体5に接続され、他方の端部が接地される。接地導線6は、磁気コア1から見てリード線La,Lbと同じ側に配置されている。接地導線6は、コモンモードチョークコイルCC1を正面から見て、被覆導線2aのリード線Laと被覆導線2bのリード線Lbとの間に配置される。接地導線6は、導電体5と同じ材質でもよいし、配線あるいはバスバー、パターンとしてもよい。
導電体5は、磁気コア1の内周面に沿って延在し、磁気コア1の内周面と被覆導線2a,2bとの間に配置される。導電体5が配置される範囲は、磁気コア1の内周面の一部の範囲に制限される。具体的には、導電体5は、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bに接触し、かつ被覆導線2a,2bの巻き終わり部4a,4bには接触および接近しない位置に配置される。なお、導電体5は、必ずしも巻き始まり部3a,3bに接触していることに限定されず、巻き始まり部3a,3bに接近するものであってもよい。
また、本実施の形態1においては、導電体5が配置される範囲が、環状の磁気コア1の中心Oから見て、劣角(0°よりも大きく180°よりも小さい角)の範囲に制限されていてもよい。さらに、本実施の形態1においては、導電体5が配置される範囲が、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bからそれぞれ3回巻回された部分までの範囲に制限されていてもよい。このように導電体5の配置範囲が制限されることによって、導電体5と巻き終わり部4a,4bとの間の距離は、導電体5と巻き始まり部3a,3bと間の距離よりも大きくなっている。また、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bと巻き終わり部4a,4bとの間の距離は、導電体5と被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bと間の距離よりも大きくなっている。
さらに、図2に示されるように、導電体5とは接触および接近していない巻き終わり部4a,4bに接続されるリード線Wa,Wbと導電体5との距離が、導電体5と接触している巻き始まり部3a,3bに接続されるリード線La,Lbと導電体5との間の距離よりも大きくなるように、リード線Wa,Wbが導電体5から離れた位置に配置してもよい。
なお、導電体5は、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bおよび巻き終わり部4a,4bのどちらか一方に接触または接近し、かつ他方に接触および接近しない位置に配置されていればよい。したがって、たとえば、導電体5は、巻き終わり部4a,4bに接触または接近し、かつ巻き始まり部3a,3aに接触および接近しない位置に配置されてもよい。
図1および図2に示す磁気コア1は円環形状を有するが、磁気コア1の形状はこれに限定されない。たとえば、磁気コア1は、楕円型、矩形型、ラダー型等の他の閉ループ形状であってもよい。また、磁気コア1は、I字型、U字型、E字型等の開ループ形状であってもよい。図3は、I字型(円柱状)の磁気コア1を用いた場合のコモンモードチョークコイルCC2の正面図である。
また、図1および図2に示す磁気コア1はギャップを有しないが、磁気コア1はギャップを有していてもよい。図1および図2に示す磁気コア1は絶縁体で覆われていないが、磁気コア1の表面が絶縁体で覆われていてもよい。図1および図2に示す磁気コア1はバルク体であるが、磁気コア1はリボン、ナノクリスタル構造でもよい。
また、図1および図2に示す被覆導線2a,2bは互いに接触していないが、被覆導線2a,2bは互いに接触してもよいし、被覆導線2a,2bは互いに重なり合って磁気コア1に巻回されてもよい。
また、図1および図2に示す導電体5は磁気コア1の内周面に沿って配置されるが、導電体5は、磁気コア1の外周面または側面、またはこれらを組み合わせた領域を含めた、磁気コアの表面に沿って配置されていればよい。図4は、導電体5を磁気コア1の側面に沿って配置した場合のコモンモードチョークコイルCC3の正面図である。
また、図1および図2に示す導電体5は磁気コア1と被覆導線2a,2bとの間に配置されるが、導電体5は、磁気コア1に巻回された被覆導線2a,2bの上に配置されてもよい。
また、図1に示す接地導線6はリード線La,Lb間に配置されるが、接地導線6の位置はこれに限定されない。図5は、接地導線6をリード線La,Lb間の外側に配置した場合のコモンモードチョークコイルCC4の正面図である。
また、図1および図2に示す接地導線6は磁気コア1から見てリード線La,Lbと同じ側に配置されているが、接地導線6は、磁気コア1から見てリード線La,Lbとは異なる側(すなわちリード線Wa,Wbと同じ側)に配置されてもよい。図6は、接地導線6をリード線Wa,Wbと同じ側に配置した場合のコモンモードチョークコイルCC5の正面図である。図7は、図6に示すコモンモードチョークコイルCC5の側面図である。ただし、コモンモードチョークコイルCC5においては、図7に示すように、導電体5と接触および接近していない巻き終わり部4a,4bに接続されるリード線Wa,Wbと接地導線6と間の距離が、導電体5と接触している巻き始まり部3a、3bに接続されるリード線La,Lbと導電体5との間の距離よりも大きくなるように、リード線Wa,Wbが接地導線6から離れた位置に配置される。
また、図1および図2には1つの導電体5を配置しているが、導電体5は複数に分割されていてもよい。
図8は、被覆導線2aの巻き始まり部3aに接触する導電体5aと、被覆導線2bの巻き始まり部3bに接触する導電体5bとに分けて配置した場合のコモンモードチョークコイルCC6の正面図である。コモンモードチョークコイルCC6においては、導電体5aを接地する接地導線6aと導電体5bを接地する接地導線6bとが磁気コア1から見てリード線La,Lbと同じ側に配置されている。
なお、接地導線6a,6bは、リード線Wa,Wbに接近しないようにリード線Wa,Wbとの距離が十分に確保されていれば、磁気コア1から見てリード線Wa,Wbと同じ側に配置されていてもよい。
図9は、被覆導線2aの巻き始まり部3aに接触する導電体5aと、被覆導線2bの巻き始まり部3bに接触する導電体5bとに分けて配置した場合の他のコモンモードチョークコイルCC7の正面図である。コモンモードチョークコイルCC7においては、導電体5aを接地する接地導線6aが磁気コア1から見てリード線La,Lbと同じ側に配置され、導電体5bを接地する接地導線6bが磁気コア1から見てリード線La,Lbとは異なる側(リード線Wa,Wbと同じ側)に配置されている。ただし、コモンモードチョークコイルCC7においては、接地導線6bがリード線Wa,Wbに接近しないように、接地導線6bとリード線Wa,Wbとの間の距離が十分に確保される。
図10は、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1の回路図である。図10において、被覆導線2a,2bと、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bに接触する導電体5と、導電体5を接地する接地導線6とにより、対地容量C1が形成される。この対地容量C1が形成されることによって、対地容量C1を通る電磁ノイズ経路Ia,Ibが形成される。
本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1では、導電体5は被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bに接触するが巻き終わり部4a,4bからは離れているため、対地容量C1が形成される範囲は巻き始まり部3a、3b周辺に制限され、巻き終わり部4a,4b周辺には対地容量は形成されない。
図11は、比較例によるコモンモードチョークコイルの正面図である。図12は、図11に示す比較例によるコモンモードチョークコイルの側面図である。図13は、図11に示す比較例によるコモンモードチョークコイルの回路図である。
図11~図13に示す比較例においては、導電体5の配置範囲が制限されておらず、導電体5が磁気コア1の内周面全体に渡って配置されている。そのため、導電体5が、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bから巻き終わり部4a,4bまでの全体に渡って延在している。これにより、比較例によるコモンモードチョークコイルにおいては、巻き始まり部3a,3b周辺だけでなく、巻き始まり部3a,3bと巻き終わり部4a,4bとの中間部分、および巻き終わり部4a,4b周辺にも、対地容量C1と接地が共通する対地容量C2、C3がそれぞれ形成される。そのため、対地容量C1を通る電磁ノイズ経路Ia,Ibに加えて、対地容量C2、C3を通る電磁ノイズ経路Ic,Idが形成され、電磁ノイズが再度コモンモードチョークコイルに伝搬する経路が生じてしまう。
これに対し、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、上述のように導電体5の配置範囲を制限することによって、対地容量C2、C3が形成されないようにし、対地容量C2、C3を通る電磁ノイズ経路Ic,Idが形成されない。これにより、比較例よりも顕著な電磁ノイズ抑制効果を得ることができる。
また、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bと巻き終わり部4a,4bとの間の距離を、導電体5と被覆導線2a,2bとの間の距離よりも大きくしている。これにより、コモンモードチョークコイルCC1の端子間容量の形成を抑制している。すなわち、仮にコモンモードチョークコイルの端子間容量、つまり、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bと巻き終わり部4a,4bとを両端とする容量が形成されると、その端子間容量を通る電磁ノイズのバイパス経路が形成されてしまい、電磁ノイズ抑制効果が低下し得る。そこで、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bと巻き終わり部4a,4bとの間の距離を、導電体5と被覆導線2a,2bとの間の距離よりも大きくすることによって、コモンモードチョークコイルCC1の端子間容量の形成を抑制している。
図14は、電磁ノイズ低減効果の解析結果の一例を示す図である。図14において、横軸は周波数(単位:MHz)を対数で示し、縦軸は電磁ノイズ(単位:dB)を示す。図14において、曲線L1は、導電体5を備えないコモンモードチョークコイルの解析結果を示す。曲線L2は、導電体5が磁気コア1の内周面全体に渡って配置されている比較例のコモンモードチョークコイル(図11~図13参照)の解析結果を示す。曲線L3は、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1の解析結果を示す。図14から、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、導電体5を備えないコモンモードチョークコイル、および比較例のコモンモードチョークコイルと比較して、電磁ノイズ抑制効果を大きく改善していることが理解できる。
図15は、電磁ノイズ低減効果の解析結果の他の一例を示す図である。図15において、横軸および縦軸は上述の図14と同じである。図15において、曲線L4は、導電体5を備えないコモンモードチョークコイルの解析結果を示す。曲線L5は、導電体5の配置範囲を磁気コア1の中心から見て平角(180°)にした場合、または導電体5の配置範囲を被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bからそれぞれ4回巻回された部分までとした場合の解析結果を示す。曲線L6は、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1の解析結果を示す。なお、図15には、コモンモードチョークコイルCC1の一例として、導電体5の配置範囲を磁気コア1の中心から見て垂直(90°)までの範囲に制限した場合、または導電体5の配置範囲を被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bからそれぞれ3回巻回された部分までの範囲に制限した場合の解析結果を示す。
曲線L5は、導電体5を備えない曲線L4に対して、僅かな電磁ノイズ抑制効果しか得られない。これは、導電体5と被覆導線2a,2bの中間部分とを両端とする対地容量C2が発生することで、対地容量C1、C2を通る電磁ノイズのバイパス経路が形成されることに起因する。
これに対し、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、導電体5の配置範囲を、巻き始まり部3a、3bからそれぞれ3回巻回された部分までの範囲に制限することによって、対地容量C2の発生を抑制している。そのため、曲線L6に示されるように、電磁ノイズ低減効果が曲線L4,L5よりも改善していることが理解できる。なお、上述したように、導電体5の配置範囲を磁気コア1の中心から見て垂直(90°)までの範囲に制限することによっても、同様の効果を奏することができる。
以上のように、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、被覆導線2a,2bとの間で対地容量を形成するための導電体5の位置が、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bに接触し、かつ巻き終わり部4a,4bには接触および接近しない範囲に制限される。これにより、対地容量が形成される範囲を被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3b周辺に制限し、被覆導線2a,2bの巻き終わり部4a,4b周辺に対地容量が形成されることを抑制することができる。そのため、導電体5から被覆導線2a,2bの巻き終わり部4a,4bにノイズが戻る経路が形成されることを抑制することができる。その結果、対地間コンデンサの機能を兼ね備えるコモンモードチョークコイルCC1の電磁ノイズ抑制効果を改善することができる。
さらに、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、導電体5とは接触および接近していない巻き終わり部4a,4bに接続されるリード線(第2リード線)Wa,Wbと導電体5との距離が、導電体5と接触している巻き始まり部3a,3bに接続されるリード線(第1リード線)La,Lbと導電体5との間の距離よりも大きい(図2参照)。これにより、巻き終わり部4a,4bに接続されるリード線Wa,Wbと導電体5との距離を十分に確保されるため、対地容量が被覆導線2a,2bの巻き終わり部4a,4b周辺に形成されることをより適切に抑制することができる。
さらに、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、導電体5が配置される範囲は、円環形状を有する磁気コア1の中心Oから見て、劣角(0°よりも大きく180°よりも小さい角)の範囲に制限される。これにより、導電体5が配置される範囲を磁気コア1の中心Oから見て平角(180°)あるいは優角(180°よりも大きい角)にする場合に比べて、対地容量の形成される範囲をより適切に制限することができる。
さらに、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、導電体5が配置される範囲は、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bからそれぞれ3回巻回された部分までの範囲に制限される。これにより、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bからそれぞれ4回以上巻回された部分まで導電体5が配置される場合に比べて、対地容量の形成される範囲をより適切に制限することができる。
さらに、本実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1においては、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bと巻き終わり部4a,4bとの間の距離が、導電体5と被覆導線2a,2bとの間の距離(すなわち導電体5と被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bとの距離)よりも大きい。これにより、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bと巻き終わり部4a,4bとの間に浮遊容量が形成されるのを抑制することができる。そのため、電磁ノイズが浮遊容量を介してコモンモードチョークコイルCC1の両端でバイパスされることを抑制することができる。
実施の形態2.
図16は、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8の正面図である。図17は、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8の側面図である。
コモンモードチョークコイルCC8は、上述の図1に示すコモンモードチョークコイルCC1に対して、導電体7および接地導線8を追加し、リード線Wa,Wbの配置を変更したものである。コモンモードチョークコイルCC8のその他の構成は上述のコモンモードチョークコイルCC1と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰返さない。
導電体7は、導電体5とは別に設けられる。導電体7は、磁気コア1の内周面における、導電体5と対向する位置に配置される。具体的には、導電体7は、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bには接触および接近せず、かつ被覆導線2a,2bの巻き終わり部4a,4bに接触する位置に配置される。導電体7が配置される範囲は、磁気コア1の中心Oから見て、劣角(0°よりも大きく180°よりも小さい角)の範囲に制限されていてもよい。さらに、導電体7が配置される範囲は、被覆導線2a,2bの巻き終わり部4a,4bからそれぞれ3回巻回された部分までの範囲に制限されていてもよい。なお、図16および図17に示す導電体5,7は磁気コア1の内周面に沿って配置されるが、導電体5,7は、磁気コア1の外周面または側面、またはこれらを組み合わせた領域を含めた、磁気コアの表面に沿って配置されていればよい。
接地導線8は、接地導線6とは別に設けられる。接地導線8は、一方の端部が導電体7に接続され、他方の端部が接地される。接地導線8は、磁気コア1から見て接地導線6と同じ側に配置されている。
なお、導電体7および接地導線8のその他の構成は、基本的に導電体5および接地導線6とそれぞれ同じであり、技術的に矛盾が生じない範囲で導電体5および接地導線6と同様に変形することも可能である。
さらに、本実施の形態2においては、リード線Wa,Wbが、磁気コア1から見てリード線La,Lbと同じ側に配置され、巻き終わり部4a,4bから、導電体5から遠ざかる方向(図16および図17では上方)に向けて延在する。
図18は、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8の回路図である。図18に示すように、被覆導線2a,2bと、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bに接触した導電体5と、導電体5を接地する接地導線6とにより、対地容量C1が形成される。この対地容量C1が形成されることによって、従来のコモンモードチョークコイルにはない、対地容量C1を通るノイズ経路Ia,Ib(図10参照)が形成される。
上述の実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1では、導電体5は、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a、3bに接触するが、巻き終わり部4a,4bからは離れている。そのため、コモンモードチョークコイルCC1においては、図10に示したように、対地容量C1の形成範囲は巻き始まり部3a、3b周辺に制限され、巻き終わり部4a,4b周辺には対地容量は形成されない。
これに対し、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8においては、図18に示すように、対地容量C1に加えて、被覆導線2a,2bの巻き終わり部4a,4bと導電体7と接地導線8によってコモンモードチョークコイルCC8の他方の端部に対地容量C1とは別の対地容量C3が形成される。
上述の図13で示した比較例では、コモンモードチョークコイルの両端にそれぞれ形成される対地容量C1,C3が、どちらも同じ導電体5の接地導線6で接地されている。そのため、対地容量C1を経由して導電体5に伝搬する電磁ノイズが、導電体5から対地容量C3を経由して、再度コモンモードチョークコイルに伝搬する経路が生じてしまう。
これに対し、本実施の形態2では、対地容量C1を形成する導電体5の接地導線6と対地容量C3を形成する導電体7の接地導線8とが、互いに別々に設けられる。そのため、対地容量C1を経由して導電体5に伝搬する電磁ノイズが、導電体5から対地容量C3を経由して、再度コモンモードチョークコイルCC8に伝搬する経路は形成されない。同様に、対地容量C3を経由して導電体7に伝搬する電磁ノイズが対地容量C1を経由して、再度コモンモードチョークコイルCC8に伝搬する経路が形成されない。そのため、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8においては、図13で示した比較例よりも顕著な電磁ノイズ抑制効果を得ることができる。
さらに、上述の図13で示した比較例では、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bと巻き終わり部4a,4bとの中間部分周辺にも、対地容量C1と接地が共通する対地容量C2が形成される。そのため、対地容量C1あるいは対地容量C3を経由して導電体5に伝搬する電磁ノイズが、導電体5から対地容量C2を経由して、再度コモンモードチョークコイルに伝搬する経路が生じてしまう。
これに対し、本実施の形態2では、各導電体5,7が配置される範囲が、磁気コア1の中心おから見て劣角(0°より大きく180°より小さい角)の範囲に制限される。これにより、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8においては、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bと巻き終わり部4a,4bとの中間部分周辺に対地容量C2が形成されるのを防止することができる。
以上のように、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8は、導電体5とは別に、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3bに接触および接近せずに巻き終わり部4a,4bに接触する他の導電体7を備える。さらに、本実施の形態2によるコモンモードチョークコイルCC8は、導電体5を接地するための接地導線6とは別に、他の導電体7を接地するための他の接地導線8をさらに備える。そのため、被覆導線2a,2bの巻き始まり部3a,3b周辺と巻き終わり部4a,4b周辺とに、互いに独立した対地容量C1,C3をそれぞれ形成することができる。
実施の形態3.
図19は、本実施の形態3によるコモンモードチョークコイルCC9の正面図である。コモンモードチョークコイルCC9は、磁気コア1aと被覆導線2aと導電体5aと接地導線6aを含む第1のチョークコイルと、磁気コア1bと被覆導線2bと導電体5bと接地導線6bを含む第2のチョークコイルとが、磁気結合することによって形成される。
被覆導線2aは、磁気コア1aに巻回される。導電体5aは、磁気コア1aの内周面に沿って延在し、磁気コア1aの内周面と被覆導線2aとの間に配置される。導電体5aは、被覆導線2aの巻き始まり部3aに接触し、かつ被覆導線2aの巻き終わり部4aには接触および接近しない位置に配置される。導電体5aが配置される範囲は、磁気コア1aの中心Oから見て90°未満の範囲に制限される。被覆導線2aの巻き始まり部3aと巻き終わり部4aとの間の距離は、導電体5aと被覆導線2aとの間の距離(すなわち導電体5aと被覆導線2aの巻き始まり部3aとの間の距離)よりも大きい。接地導線6aは、一方の端部が導電体5aに接続され、他方の端部が接地される。
被覆導線2bは、磁気コア1bに巻回される。導電体5bは、磁気コア1bの内周面に沿って延在し、磁気コア1bの内周面と被覆導線2bとの間に配置される。導電体5bは、被覆導線2bの巻き始まり部3bに接触し、かつ被覆導線2bの巻き終わり部4bには接触および接近しない位置に配置される。導電体5bが配置される範囲は、磁気コア1bの中心Oから見て90°未満の範囲に制限される。被覆導線2bの巻き始まり部3bと巻き終わり部4bとの間の距離は、導電体5bと被覆導線2bとの間の距離(すなわち導電体5bと被覆導線2bの巻き始まり部3bとの間の距離)よりも大きい。接地導線6bは、一方の端部が導電体5bに接続され、他方の端部が接地される。
なお、磁気コア1a,1b、被覆導線2a,2b、導電体5a,5b、および接地導線6a,6bのその他の構成は、基本的に上述の図1に示すコモンモードチョークコイルCC1の磁気コア1、被覆導線2a,2b、導電体5、および接地導線6と同じであり、技術的に矛盾が生じない範囲で磁気コア1、被覆導線2a,2b、導電体5、および接地導線6と同様に変形することも可能である。
図20は、本実施の形態3によるコモンモードチョークコイルCC9の回路図である。コモンモードチョークコイルCC9において、磁気コア1aから漏れた磁界と磁気コア1bから漏れた磁界とが互いに結合すると、上述の実施の形態1によるコモンモードチョークコイルCC1と同様の効果(図10参照)を得ることができる。そのため、本実施の形態3によるコモンモードチョークコイルCC9においても、上述の比較例(図11~図13参照)よりも顕著な電磁ノイズ抑制効果を得ることができる。
実施の形態4.
図21は、本実施の形態4によるコモンモードチョークコイルCC10の正面図である。コモンモードチョークコイルCC10は、実施の形態1に示したコモンモードチョークコイルCC1において、導電体5と、被覆導線2a,2bとの間の少なくとも一部分に誘電体15が挿入されたものである。
このような構造でも、実施の形態1に示すコモンモードチョークコイルと同様の効果を得ることができる。さらに、本構成により、導電体5と、被覆導線2a,2bとの間に生じる対地容量C1を大きくすることができるため、対地容量C1による電磁ノイズのバイパス効果をより高めることができる。そのため、本実施の形態4によるコモンモードチョークコイルCC10においても、上述の比較例(図11~図13参照)よりも顕著な電磁ノイズ抑制効果を得ることができる。
実施の形態5.
図22は、本実施の形態5によるノイズフィルタ回路F1の正面図である。ノイズフィルタ回路F1は、上述の実施の形態1におけるコモンモードチョークコイルCC1と、基板12とを備える。基板12は、入力端子9a、9bと、出力端子10a、10bと、接地端子11とを備える。
コモンモードチョークコイルCC1のリード線La,Lbは基板12の入力端子9a、9bにそれぞれ接続され、リード線Wa,Wbは基板12の出力端子10a、10bにそれぞれ接続される。
コモンモードチョークコイルCC1の接地導線6は基板12の接地端子11に接続される。なお、図22に示す接地端子11は、入力端子9a、9bと平行に配置されているが、入力端子9a、9bと平行でなくてもよい。また、接地端子11を基準電位となっている筐体に設けるようにしてもよい。
本実施の形態4によるノイズフィルタ回路F1においては、対地容量がコモンモードチョークコイルCC1に付加されているため、ノイズフィルタの部品である対地間コンデンサの点数を削減しつつ、優れた電磁ノイズ抑制効果を得ることができる。
なお、上述のノイズフィルタ回路F1は対地間コンデンサを有しないが、入力端子9a、9bと接地端子11との間に対地間コンデンサを追加してもよい。同様に、出力端子10a、10bと接地端子11との間に対地間コンデンサを追加してもよい。
また、ノイズフィルタ回路F1に備えられるコモンモードチョークコイルを、コモンモードチョークコイルCC1に代えて、他のコモンモードチョークコイルCC2~CC8のいずれかに変更してもよい。この場合、変更後のコモンモードチョークコイルの被覆導線および接地導線の位置に合わせて、基板12の入力端子9a、9b、出力端子10a、10b、および接地端子11の位置を変更するようにすればよい。
図23は、本実施の形態4による他のノイズフィルタ回路F2の正面図である。ノイズフィルタ回路F2は、上述の実施の形態2におけるコモンモードチョークコイルCC8と、基板13とを備える。基板13は、上述の図22に示す基板12に対して、コモンモードチョークコイルCC8の接地導線8に接続される接地端子14を追加したものである。このようなノイズフィルタ回路F2においても、対地容量がコモンモードチョークコイルCC1に付加されているため、ノイズフィルタの部品である対地間コンデンサの点数を削減しつつ、優れた電磁ノイズ抑制効果を得ることができる。
なお、入力端子9a,9bおよび接地端子11と、出力端子10a,10bおよび接地端子14との少なくとも一方が、互いに近接して対向するように配置されていてもよい。
被覆導線2a,2bと接地端子11,14の間のインピーダンスは、対地容量C1,C2の容量成分が支配的な周波数領域と、接地導線6,8および接地端子11の誘導成分(寄生インダクタンス)が支配的な周波数領域とに分かれている。したがって、接地導線6,8および接地端子11の寄生インダクタンスが小さいほど、被覆導線2a,2bと接地端子11,14の間のインピーダンスを小さくすることができ、誘導成分が支配的な周波数領域において、対地容量C1,C2による電磁ノイズのバイパス効果をより高めることができる。
本構成により、入力端子9a,9b、出力端子10a,10bに伝搬する電磁ノイズと、接地端子11,14に伝搬する電磁ノイズの電流方向が互いに逆向きとなる。そのため、接地端子11,14に生じる寄生インダクタンスを低減することができ、対地容量C1による電磁ノイズのバイパス効果をより高めることができる。同様に、リード線La,Lbおよび接地導線6と、リード線Wa,Wbおよび接地導線8との少なくとも一方が、互いに近接して対向するように配置されてもよい。このようにすることで、接地導線6,8の寄生インダクタンスを低減することができ、対地容量C1による電磁ノイズのバイパス効果をより高めることができる。
なお、本実施の形態では、入力端子9a,9b、接地端子11、出力端子10a,10b、および接地端子14を基板13の同一平面で近接して対向するように配置しているがこの限りではなく、基板13を多層基板として、基板平面に対して垂直方向に近接して対向するように配置してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1a,1b 磁気コア、2a,2b 被覆導線、3a,3b 巻き始まり部、4a,4b 巻き終わり部、5,5a,5b,7 導電体、6,6a,6b,8 接地導線、9a,9b 入力端子、10a,10b 出力端子、11,14 接地端子、12,13 基板、15 誘電体、C1,C2,C3 対地容量、CC1~CC10 コモンモードチョークコイル、F1,F2 ノイズフィルタ回路、La,Lb,Wa,Wb リード線。

Claims (11)

  1. 磁気コアと前記磁気コアに巻回される被覆導線とを含む少なくとも1つのチョークコイルと、
    前記磁気コアの表面に沿って延在する導電体と、
    前記導電体を接地するための接地導線とを備え、
    前記導電体は、前記被覆導線の前記磁気コアに対する巻き始まり部および巻き終わり部のどちらか一方に接触し、かつ前記巻き始まり部および前記巻き終わり部の他方に接触しない位置に配置される、コモンモードチョークコイル。
  2. 前記被覆導線は、前記巻き始まり部および前記巻き終わり部の前記一方に接続される第1リード線と、前記巻き始まり部および前記巻き終わり部の前記他方に接続される第2リード線とを備え、
    前記第2リード線と前記導電体との間の空間的な最短距離は、前記第1リード線と前記導電体との間の空間的な最短距離よりも大きい、請求項1に記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 前記少なくとも1つのチョークコイルは、磁気結合された複数の前記チョークコイルを含む、請求項1または2に記載のコモンモードチョークコイル。
  4. 前記磁気コアは、環形状を有し、
    前記導電体が配置される範囲は、前記磁気コアの中心から見て劣角の範囲に制限される、請求項1~のいずれか1項に記載のコモンモードチョークコイル。
  5. 前記導電体が配置される範囲は、前記被覆導線の前記巻き始まり部から3回巻回された部分までの範囲に制限される、請求項1~のいずれか1項に記載のコモンモードチョークコイル。
  6. 前記巻き始まり部と前記巻き終わり部との間の空間的な最短距離が、前記導電体と前記被覆導線との間の空間的な最短距離よりも大きい、請求項1~のいずれか1項に記載のコモンモードチョークコイル。
  7. 前記導電体と前記被覆導線との間の少なくとも一部分に配置される誘電体をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載のコモンモードチョークコイル。
  8. 前記導電体とは別に設けられ、前記巻き始まり部および前記巻き終わり部の前記一方には接触および接近せず、前記巻き始まり部および前記巻き終わり部の前記他方に接触または接近する他の導電体と、
    前記接地導線とは別に設けられ、前記他の導電体を接地するための他の接地導線とをさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載のコモンモードチョークコイル。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載のコモンモードチョークコイルと、
    入力端子と出力端子と接地端子とを備えた基板とを備え、
    前記入力端子および前記出力端子は前記被覆導線の一方の端部および他方の端部にそれぞれ接続され、
    前記接地端子は前記接地導線に接続される、ノイズフィルタ回路。
  10. 前記入力端子および前記出力端子の少なくとも一方は、前記接地端子と近接して対向するように配置される、請求項に記載のノイズフィルタ回路。
  11. 前記被覆導線は、前記巻き始まり部および前記巻き終わり部にそれぞれ接続される2本のリード線を備え、
    前記2本のリード線の少なくとも一方は、前記接地導線と近接して対向するように配置される、請求項または10に記載のノイズフィルタ回路。
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