JP7004888B2 - 拡散防止機能を有する集油堰 - Google Patents

Description

本発明は、河川、湖沼、水路等における流出油等の回収堰に係り、更に詳しくは流出油等の油回収に用いる拡散防止機能を有する集油堰に関する。

従来、流出油等の回収堰としては、図１に示すようなＶ字形の回収堰１が知られており、また図２に示すようなＷ字形の回収堰２も知られている。これらの回収堰は例えば図３に示すように水路にＶ字形の回収堰１を展張し、流れてくる流出油を回収堰１の凹部３に流出油を溜め、ある程度溜まった時点で、サクションポンプ等によって流出油を回収していた。

しかしながら、水路等の流速が早い場合、回収堰の凹部３に溜まった流出油が、回収堰の下部から回収堰外へ流出してしまったり、また短時間に多量の流出油が溜まった場合には回収堰の上部から溢流して下流に拡散してしまう欠点があった。本発明は、この様に回収堰から漏出して下流に流出した油を拡散させることなく、再回収が容易な集油堰について種々研究した結果本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、凹部を有する集油堰において、該凹部の後方に集油フィンを設けたことを特徴とする拡散防止機能を有する集油堰に関する。

本発明の集油堰は、該堰の下部から流出しまたは上部から溢流して集油堰外に流出しても集油フィンによって該集油フィン近傍に流出した油を集油することができるので、下流側に設ける集油堰を前列の集油堰の集油フィンの近傍のみに設置することによって流出油を回収することができるので設置が簡単で、かつ設置費用も安価とすることができる。

従来のＶ字形回収堰の斜視図である。 従来のＷ字形回収堰の斜視図である。 従来のＶ字形回収堰を水路に展張した状態を示した平面図である。 本発明のＹ字形の集油堰の斜視図である。 図４に示したＹ字状の集油堰の平面図である。 本発明のＷ字状の集油堰の斜視図である。 図６に示したＷ字形の集油堰の平面図である。 本発明の円弧状の凹部を有する集油堰の斜視図である。 本発明のガイド堰の先端部の一部拡大斜視図である。 本発明に用いる固定具の側面図である。 本発明の固定具の接合部を示した側面図である。

次に本発明の集油堰について説明する。
図４は、Ｖ字形集油堰４の凹部５の先端部６に集油フィン７を設け、図５に示すようなＹ字状の集油堰を構成する。また図６に示すように凹部５を複数個所設け、例えばＷ字状の集油堰を構成することもできる。このように凹部５を複数個所設けた場合、集油フィン７は集油堰の凹部５の先端部６からその延長線上に設けてもよいが、図６に示すように中心部の集油フィン７に対し、両サイドに設けられた集油フィン７の先端部８を中心となる中央の集油フィン７の先端部に近接させることによってさらに集油効果を高めることができる。集油フィン７の形態も平板或いは波形状等の凹部を有するもの等が使用できるが、特に縦方向に凹部を有するものが好ましい。

また本発明の集油堰は、図８に示すように集油部の凹部５を円弧形９とすることもできる。このように凹部５を円弧形９にすることによって大量の流出油を溜めることができ、さらに下部からの漏出も少なくすることができる。この円弧形９の凹部５にも複数の集油フィン７を設けることができる。
さらに本発明の集油堰は各屈曲部を蝶着することによって両サイドのガイド堰１０を可動可能とすることができるので設置場所等に合わせて、広げたり、狭めたりすることができる。
また前記集油フィン７の長さは特にガイド堰１０の長さの０．１～１．５倍であることが好ましい。

両サイドのガイド堰１０の開口部を固定するには、図９に示すように、ガイド堰１０の先端部の上面に挿入口１１をそれぞれ設け、該挿入口１１に図１０にしめすような例えばコの字形の固定具１２の先端部１３を挿入口１１に挿入することによって達成される。
またこの固定具１２は横幅の長さを調整するために図１１に示すようにパイプで構成し、二分割とし、一方のパイプを他のパイプに挿入して所望の横幅とした後、該接合部１４に筒状のシュリンクフィルム１５を設け、加熱することによって収縮させ、接合部１４を固定することができる。

本発明の集油堰の素材としては、木材、比重１以下の各種合成樹脂の他、発泡体合成樹脂等が用いられる。

５・・・凹部
７・・・集油フィン
１０・・・ガイド堰

Claims (1)

1. 流れ出てくる流出油中に、凹部を有する集油堰の、該凹部の後方に集油堰外に流出した油の拡散を防止するための集油フィンを設けてなる集油堰を設置し、かつ前記集油堰の集油フィンの下流側に、前記集油フィンを有する集油堰を設けることを特徴とする流出油の回収方法。
   
   

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