JP7003763B2 - 試薬カートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、微小なビーズ(粒子)を含む試薬が収容された試薬カートリッジに関するものである。
近年バイオ系のアッセイにおいて、様々な素材やサイズの微小なビーズ(粒子)が用いられている。例えば、ポリマービーズは通常疎水性であり、高いタンパク結合能力がある。シリカビーズは官能基付加や粒子表面変化等の修飾が容易である。また、磁性ビーズは、磁力を用いて特定の物質のみを捕捉するスクリーニングなどに適している。
例えば、磁性ビーズ表面に、ターゲット抗原に結合するように設計された抗体を固定する。抗体を表面にもつ磁性ビーズを、抗原と不純物が混在する溶液に添加し攪拌する。すると、抗原抗体反応によって、抗原と磁性ビーズが抗体を介して結合する。これらの溶液が入った容器に磁石を近づけると、磁性ビーズと結合した抗原は磁石に引き寄せられる。この状態で、容器内の溶液を、不純物を含まない溶液に入れ替えるなどの洗浄工程を加えることで、不純物の少ない抗原溶液を得ることができる。
このようなスクリーニングによって、例えば患者から採取した生体試料などの被検体から核酸を抽出して一塩基多型のような遺伝子の差異を検出することで、医薬品に対する感受性を予め予測できる可能性が示唆されている。
被検体から核酸を抽出する場合、検体間の交差汚染を防止したり、感染源の拡散を防止したりする必要がある。そのため、被検体から核酸を抽出するために必要な試薬類を試薬カートリッジ内に収容し、被検体から核酸を抽出するたびにこれら試薬類を使いきり、使用後の試薬カートリッジは廃棄される(例えば特許文献1参照)。
特許文献2には、核酸が吸着した磁性ビーズを、磁石により収容部の内壁に吸着させることで、核酸を分離抽出する検体前処理カートリッジが記載されている。検体前処理カートリッジを用いることで、核酸抽出に要する時間を短縮することができる。
国際公開第2005/118772号 特開平11-242033号公報
ポリマー系のビーズは、樹脂製からなる収容部との親和性が高く、吸着しやすい特徴をもつ。また、磁性ビーズは磁石によって収容部の内壁面に強く吸引されるため、収容部から磁石を遠ざけて収容部の内壁に吸着した磁性ビーズを内壁から分離させる際に、一部の磁性ビーズが収容部の内壁に吸着し続け、磁性ビーズを効率よく回収できない場合があった。特許文献2には、磁性ビーズを効率よく回収できる、収容部の内壁の特性については記載されていない。これらの課題に対して、収容部の内壁面の凹凸を小さくしたり、撥水性の表面処理を施したりする等の対策がとられていた。
しかしながら、内壁面の凹凸を小さくすることは、物理的な吸着は抑制するものの、化学的な吸着力が増してしまい、十分な効果が得られないことが多かった。また、材質の変更や表面処理を加えることは、コストアップや不純物混入などの原因となっていた。
このように、微小なビーズは、バイオ系の試薬として有効な素材であるが、その大きさや材質などの影響によって、容器内に吸着して残留してしまうことがあった。試薬は高価なものが多く、容器内に残留する試薬の量が多い場合、増加する使用試薬の量がコストアップの原因となる。また、容器内に残留する微小なビーズの量が多い場合、低濃度の物質の抽出をする際に、その抽出量が不足することがある。
上記事情を踏まえ、本発明は、ポリマー系のビーズや磁性ビーズ等の微小な粒子が吸着しにくい内壁を有する被検体収容部を備えた試薬カートリッジを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の試薬カートリッジは、微小な粒子を含む溶液を分注する被検体収容部を有する本体を備え、前記被検体収容部の内壁の曲線要素の平均長さからなる粗さは、前記粒子の外径に対して、1/50倍~2/3倍である。
本発明の試薬カートリッジによれば、被検体収容部の内壁に微小な粒子が吸着しにくい。
本発明の一実施形態に係る試薬カートリッジと、試薬カートリッジと共に用いる分注ピペットチップの全体構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る試薬カートリッジの集磁ウェルの断面図である。 平滑面とビーズとの吸着力、重力、および水流によるビーズの抵抗力と、ビーズ粒径との関係を示したグラフである。 ビーズと容器表面との距離と、ファンデルワールス力と、の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る試薬カートリッジにおける集磁ウェルの内壁の拡大断面図である。 平滑面に接触したポリスチレンビーズの模式図である。 顕微鏡で観察した内壁に接触した磁性ビーズの模式図である。 核酸が抽出する過程における集磁ウェルを示す図である。 核酸が抽出する過程における集磁ウェルを示す図である。
本発明の一実施形態について、図1から図9を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る試薬カートリッジ100と、試薬カートリッジ100と共に用いる分注ピペットチップ201の全体構成を示す斜視図である。
試薬カートリッジ100には、被検体から核酸を抽出するための試薬などが格納されている。試薬カートリッジ100に被検体を投入し、試薬カートリッジ100を核酸抽出装置(不図示)に装着することで、分注ピペットチップ201を用いた核酸抽出作業を核酸抽出装置に機械的に実施させることができる。
試薬カートリッジ100は、開口を有する箱状に形成された本体101と、本体101の外面から側方へ突出して形成された爪部102とを有している。爪部102は、核酸抽出装置に試薬カートリッジ100を固定するためなどに用いられる。
本体101を形成する材料としては試料や試薬等に影響を与えないものであれば特に制限はないが、特にポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルのいずれかを含む樹脂材料を用いれば、良好な可視光透過性を確保することができ、溶液の状態を確認することができる。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンやポリプロピレンとポリエチレンとのランダム共重合体を使用することができる。また、アクリルとしては、ポリメタクリル酸メチル、または、メタクリル酸メチルとその他のメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレンなどのモノマーとの共重合体を使用することができる。また、これらの樹脂材料を使用する場合、本体101の耐熱性や強度を確保することもできる。
本体101の内部には、生体試料などの被検体が投入されるサンプルウェル110と、被検体から核酸を抽出するための試薬などが収容されている試薬ウェル部120と、被検体から核酸を抽出する工程で分離された不要な溶液を廃棄する廃液ウェル130と、被検体から抽出された核酸を回収する回収ウェル140とが一体に設けられている。
また、試薬カートリッジ100は、集磁ウェル128を有しており、集磁ウェル128に磁石300を隣接させることで、集磁ウェル128において拡散した磁性ビーズBを集磁することができる
試薬ウェル部120は、複数の試薬ウェル121、122、123、124、125、126と、磁性ビーズウェル127と、を有している。
試薬ウェル部120において、複数の試薬ウェル121~126の開口、磁性ビーズウェル127の開口は、図1に示す封止フィルム104によって封止されている。封止フィルム104により、試薬ウェル121~126、磁性ビーズウェル127への気体の侵入が抑制されている。封止フィルム104は、分注ピペットチップ201により突き破ることができる材質で形成される。封止フィルム104は、例えば、金属製の薄膜や、プラスチックフィルム等で形成することができる。
試薬ウェル121、122、123、124、125及び126には、細胞膜などの生体物質を溶解する溶解液121A、溶解液121Aで溶解しきれない細胞質などの生体物質を溶解する溶解液122A、担体に吸着された核酸以外の不要物を洗い流すための洗浄液123A、洗浄液124A、担体から核酸を溶出させる溶出液125A、溶出液中の核酸濃度を調整するための希釈液126Aがそれぞれ収容されている。
磁性ビーズウェル127には、核酸を吸着させるための磁性ビーズBを含む溶液である磁性ビーズ溶液127Aが収容されている。磁性ビーズBは、磁性を帯びた粒子の表面がシリカで覆われたものである。磁性ビーズBを構成する粒子は、例えば酸化鉄である。
廃液ウェル130は、不要となった溶液を廃棄するためのウェルである。
回収ウェル140は、溶出液125Aによって核酸が溶出した核酸溶液を貯留するためのウェルである。
集磁ウェル128と回収ウェル140とは、試薬カートリッジ100内で隣り合う位置関係に設けられている。この配置は、洗浄作業を集磁ウェル128で行った後、集磁ウェル128から廃液ウェル130への分注ピペットチップ201の動線を短くするためである。これにより、試薬カートリッジ100上を通過する分注ピペットチップ201が試薬カートリッジ100などを汚染する可能性を低減することができる。
図2は、集磁ウェル128の断面図である。
集磁ウェル(被検体収容部)128は、図2に示すように、本体101の上面にのみ開口を有する空洞である。集磁ウェル128の空洞は、底面部(高さ方向において上面の反対側の部分)が閉塞している。
液中の物質を吸着させる力としてファンデルワールス力がある。ファンデルワールス力は物質間の距離の-7乗に比例して引力が生じる。このように、物質間の距離が小さく、面積が大きくなると、吸着する力は急激に増加することがわかる。
形状が凸凹していない球にちかいビーズの場合、ミクロ的にはその表面は平面に近い。そのような形状のビーズが平滑性の良い容器表面に押し付けられると、そこでファンデルワールス力のような分子間力が急激に増加し、結果として容器表面に吸着してしまう。特に磁性ビーズが磁石で吸引されて強く押し付けられた場合、その影響は大きくなる。
逆に平滑性の悪い容器内の溶液に微小なビーズを混入した場合、容器表面の凹凸にビーズがトラップされてしまい、容器表面からビーズを分離できなくなってしまう。
以上のことから、(方法A)ビーズと容器表面との接触面積が小さいこと、(方法B)接触しない部分のビーズ表面と容器表面の距離が大きいこと、(方法C)ビーズのサイズより容器表面の凹凸が十分に小さいこと、を実現することで液中のビーズの容器表面への吸着を抑制することが可能になる。
ビーズと容器表面の接触面積を小さくする方法Aには、次のような方法が考えられる。
(方法A1)容器表面またはビーズ表面に接触面積を小さくするように細かな微細な凹凸をつける。
(方法A2)容器表面とビーズの両方またはいずれかかの剛性を上げる。
(方法A3)容器表面とビーズに斥力が働くようにする。
方法A2または方法A3を実現するためには素材を選択・変更する必要があり、コストが高額になる場合がある。また、表面状態は抗体の固定などに影響を及ぼす可能性があるため、バイオ面での効果を抑制してしまう恐れがある。そのため、産業的には方法A1が望ましい。
図3は、(a)平滑面とビーズとの吸着力(ファンデルワールス力)、(b)重力(比重2000kg/m)、および(c)水流によるビーズの抵抗力と、ビーズ粒径との関係を示したものである。図4に示すグラフからわかるように、ビーズの粒径が1mm以下になると重力に逆らってビーズは平滑面に吸着し、ビーズの粒径が0.1mm以下になると水流によっても吸着されたビーズを平滑面から剥がすことが困難になることがわかる。
使用するビーズの粒径は10nm以上の場合が多いため、図4に示すように、ビーズと平滑面の吸着力(ファンデルワールス力)を1/100にすれば、ビーズは攪拌などで水流を起こすことで吸着を抑制できることがわかる。
ファンデルワールス力を1/100に低減するためには、ビーズと容器表面との接触面積を、平滑面における接触面積と比較して1/100以下とすればよい(方法A1)。さらに、接触しない部分のビーズ表面と容器表面の距離を大きくし(方法B)、ビーズと容器表面とが接触していない部分に、ファンデルワールス力の効果が発生しないようにする必要がある。
図4は、ビーズと容器表面との距離と、ファンデルワールス力と、の関係を示すグラフである。ビーズと容器表面とが接触していない部分に対するファンデルワールス力の効果を十分に減らすためには、図4に示すように、ビーズと容器表面とが接触していない部分における両者の距離が10nm以上であれば良く、100nm以上であることが望ましい。例えば、ビーズや容器表面の凹凸の深さを10nm以上、もしくは、100nm以上することにより、ビーズは容器表面に対して点または線で接触することになり、ビーズと容器表面とが接触していない部分における両者の距離を大きくすることができる(方法B)。
すなわち、ファンデルワールス力を1/100に低減するためには、ビーズと容器表面との接触面積を、平滑面における接触面積と比較して1/100以下とし、さらにビーズと容器表面とが接触していない部分における両者の距離が10nm以上とすればよい。
図5は、集磁ウェル128の内壁128sの拡大断面図である。
ビーズと容器表面との接触面積は、ビーズのサイズ、両者の硬さや接触した際の力の程度で変化する。発明者らの実験における観察において、図5に示すように、JISが規定する曲線要素の平均長さからなる粗さRSmが平均ビーズ径dの1/50以上であれば、ビーズが容器表面へ吸着することを抑制する効果が大きいことを確認した。表面粗さ(RSm)は1/20以上であることがより望ましい。
図6は、平滑面に接触したポリスチレンビーズの模式図である。
例えば、ポリスチレンビーズが平滑面に接触した場合、図6に示すように、その接触面積は弾性の影響で、ビーズ径の5~20%程度の長さの円周部が接触する。その円周部の範囲内でビーズに接触する面積を少なくするためには、接触面に対して水平方向における表面の凹凸がビーズ径と同程度以上であれば良い。
図7は、顕微鏡で観察した内壁128sに接触した磁性ビーズBの模式図である。
接触面積を1/100以下に低減することで十分であることを考慮すると、図7に示すような顕微鏡の観察などの結果から、表面粗さはビーズ径の1/50以上であれば十分であった。
以上のことから、表面粗さはビーズ径の1/50以上であればよく、表面粗さやビーズのばらつきを考慮すると、 表面粗さはビーズ径の1/20以上であることが望ましい。
容器表面の凹凸がビーズのサイズより大きくなってしまうと、凹凸にビーズがはまり込んでしまうことによって接触面積が拡大するだけでなく、構造的にビーズが容器表面にトラップされてしまう。そのため、凹凸のピッチは、ビーズのサイズより小さいことが望ましい(方法C)。粗面は一般に深さ方向の表面粗さと平面方向の凹凸のピッチには相関があり、ビーズの平均粒径の2/3以下の表面粗さ(RSm)であれば、凹凸によるビーズのはまり込みを抑制することができ、1/2以下の表面粗さ(RSm)であることが望ましい。
すなわち、集磁ウェル128の内壁128sは、表面粗さ(RSm)が、磁性ビーズBの平均ビーズ径dに対して、1/50倍~2/3倍であり、1/20倍~1/2倍であることがより望ましい。曲線要素の平均長さからなる粗さRSmが上記の範囲である内壁128sには、磁性ビーズBが内壁128sの凹凸に入り込みにくく、吸着しにくい。
容器表面に凹凸をつける方法として、容器を成型加工する際の型に予め凹凸を形成し、凹凸を転写する方法、容器を成型したのちに、ブラスト加工のような物理的に力を加えて表面に凹凸を転写する方法、化学的に容器表面を溶かすことで表面に凹凸をつける方法などがある。
なお、容器表面の凹凸構造は、粗面のようなランダムな構造でもよく、格子のような規則的な構造であってもよい。また、容器表面の凹凸構造は、点で支えるような構造であっても、線状の構造であっても良い。
一般に用いられる表面粗さの測定器は、Raなどの深さ方向の表面粗さを測定するものであり、また水平方向の粗さはばらつきが多く、さらに、水平方向の粗さと深さ方向の粗さには、一般な粗面において相関があることから、曲線要素の平均長さの粗さ(RSm)を深さ方向の表面粗さである算術的表面荒粗さ(Ra)に置き換えて表面粗さをコントロールしてもよい。
なお、上述のように、ビーズや容器表面の凹凸の深さが10nm以下であった場合には、凹凸によるファンデルワールス力の低減の効果が少なくなるため、Raは10nm以上である必要がある。
次に、以上に説明した構成の試薬カートリッジ100の作用について説明する。以下では、分注ピペットチップ201を運搬する分注運搬機能を有する核酸抽出装置に、試薬カートリッジ100を装着し、核酸を抽出する作業を例に挙げて試薬カートリッジ100の作用を説明する。図8および図9は、核酸が抽出する過程における集磁ウェル128を示す図である。
まず、試薬カートリッジ100のサンプルウェル110に、例えば被検体である生体試料をユーザーの手作業によって注入する。生体試料が投入された試薬カートリッジ100は、核酸抽出装置に装着される。
核酸抽出装置の分注搬送機構によって分注ピペットチップ201が搬送される。サンプルウェル110から生体試料が一定量吸引され、試薬ウェル121中に吐出される。次に、試薬ウェル121に貯留されている溶解液121Aと生体試料が混合され、生体試料中の細胞が溶解した細胞溶解液が得られる。
次に、細胞溶解液(図示しない)が試薬ウェル121から分注ピペットチップ201によって吸引され、集磁ウェル128へと分注される。
次に、磁性ビーズウェル127から磁性ビーズBを含む磁性ビーズ溶液127Aを分注ピペットチップ201で吸引し、集磁ウェル128に分注する。これにより、図8に示すように、磁性ビーズBと細胞溶解液とが混合し、核酸は磁性ビーズBに吸着する。
核酸抽出装置は、図9に示すように、集磁ウェル128の外周部に磁石300を近づける。集磁ウェル128の内部の磁性ビーズBは、集磁ウェル128の内壁128sに、磁石の磁力により集磁される。
核酸抽出装置は、集磁ウェル128に投入された生体試料中の細胞や磁性ビーズBを含む溶液を、分注ピペットチップ201により吸い取り、その溶液を廃液ウェル130に廃棄する。内壁128sに集磁された磁性ビーズBは集磁ウェル128に残留している。
次に、核酸抽出装置は、溶解液122Aを集磁ウェル128に分注し、集磁ウェル128の外周部に配置した磁石300を、集磁ウェル128から遠ざける。
集磁ウェル128の内壁128sは、磁性ビーズBと分子間力(ファンデルワールス力)が弱くなるように、表面粗さが調整されているため、内壁128sに吸着していた磁性ビーズBは、混濁しやすい。
磁性ビーズBが混濁した後、洗浄工程をへて、磁性ビーズBは回収ウェル140に移され、さらに溶出液125Aを回収ウェル140に分注することにより、磁性ビーズBに吸着した核酸が回収される。
(一実施形態の効果)
本実施形態の試薬カートリッジ100によれば、収容部の内壁に磁性粒子が吸着しにくく、効率よく磁性粒子に吸着した核酸を回収することができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
(変形例1)
なお、上記実施形態ではビーズを収容部の内壁に集める手段として磁力によって磁性ビーズBを集めた例を示したが、ビーズを集める手段は上記実施形態に限られるのものではない。例えば、遠心力、静電気力、万有引力などの様々な引力、静電気力、磁力などによる斥力、ピンセットや光圧力による光ピンセットによるビーズの移動など、細菌の光走性などの生物的動きを利用するなど、ビーズに何らかの力を加えて収容部内壁近傍にビーズを集める手段を適用することができる。
(変形例2)
さらに、上記実施形態ではビーズは球形の例を示したが、楕円形、多角形、繊維状など様々な粒子に適応可能である。この場合、使用する粒子径は、粒子の最も短い径を粒子径として採用すればよい。
本発明は、粒子を収容部に収容する試薬カートリッジに適用することができる。
100 試薬カートリッジ
101 本体
102 爪部
104 封止フィルム
110 サンプルウェル
120 試薬ウェル部
121 試薬ウェル
122 試薬ウェル
123 試薬ウェル
124 試薬ウェル
125 試薬ウェル
126 試薬ウェル
127 磁性ビーズウェル
128 集磁ウェル(被検体収容部)
128s 内壁
130 廃液ウェル
201 分注ピペットチップ
B 磁性ビーズ

Claims (5)

  1. 粒子を含む溶液を分注する被検体収容部を有する本体を備え、
    前記被検体収容部の内壁の曲線要素の平均長さからなる粗さは、前記粒子の外径に対して、1/50倍~2/3倍である、
    試薬カートリッジ。
  2. 前記被検体収容部の前記内壁の曲線要素の平均長さからなる粗さは、前記粒子の外径に対して、1/20倍~1/2倍である、
    請求項1に記載の試薬カートリッジ。
  3. 前記粒子と前記内壁との接触面積が、平滑面における接触面積と比較して1/100以下である、
    請求項1または請求項2に記載の試薬カートリッジ。
  4. 前記粒子と前記内壁とが接触していない部分における両者の距離が10nm以上である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の試薬カートリッジ。
  5. 前記粒子は磁性ビーズである
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の試薬カートリッジ。
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