JP7001436B2 - 添加剤、及び、該添加剤を含む組成物 - Google Patents

添加剤、及び、該添加剤を含む組成物 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、ユーグレナ藻が細胞内に貯めた多糖類のパラミロンを繊維化した繊維化パラミロンを含有する添加剤に関する。また、本発明は、例えば、上記添加剤と、水とを混合することによって得られた組成物に関する。
従来、機械的な粉砕処理を施すことによって繊維化した多糖類を含む添加剤が知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載の添加剤は、多糖類のセルロースで構成されるパルプが、より微細に繊維化され、ダブルドラムドライヤーによって乾燥され、固形物の状態で得られたものである。特許文献1に記載の添加剤は、例えば、繊維化された繊維化セルロースによって、水に被分散物を安定的に分散させるため、あるいは繊維化セルロースを良好に復水させるために、食品分野などにおいて使用される。なお、良好な復水とは、いったん脱水した後に水に再び添加したとき、色、形状、性質などが脱水前に近い状態に比較的短時間で戻ることを指す。しかしながら、特許文献1に記載の添加剤は、乾燥によって凝集した繊維化セルロースを単に含有するため、水に添加したときに、繊維化セルロースが凝集したまま水に分散されにくいか、あるいは良好に復水されにくい。従って、特許文献1に記載の添加剤は、含有された繊維化セルロースが必ずしも十分に水に分散されにくいか、あるいは良好に復水しないという問題を有する。
特開2017-078145号公報
ところで、多糖類としては、パラミロンも知られている。そこで、上記の繊維化セルロースの代わりに、パラミロンを繊維化した繊維化パラミロンを含有する添加剤が考えられる。ところが、繊維化パラミロンを単に含む添加剤も、特許文献1に記載の添加剤と同様に、含有された繊維化パラミロンが必ずしも十分に水に分散されにくいか、あるいは良好に復水しないと考えられる。そこで、含有された繊維化パラミロンが十分に水に分散、あるいは良好に復水できる添加剤が要望されている。
本発明は、これらの点に鑑み、含有された繊維化パラミロンが十分に水に分散あるいは良好に復水できる添加剤、及び、該添加剤を含む組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る添加剤は、ユーグレナ由来の繊維化パラミロンと、オリゴ糖とを含有することを特徴とする。
上記の添加剤では、オリゴ糖が二糖類であることが好ましい。
本発明に係る組成物は、上記の添加剤と、水とを含むことを特徴とする。
上述の通り、本発明の添加剤は、含有された繊維化パラミロンが十分に水に分散あるいは良好に復水できるという効果を奏する。本発明の組成物は、含有された繊維化パラミロンが十分に水に分散あるいは良好に復水できるという効果を奏する。
パラミロン顆粒にせん断力を加える装置の一例を表した概略図。 パラミロン顆粒にせん断力を加える装置の他の例を表した概略図。 パラミロン顆粒にせん断力を加える装置の他の例を表した概略図。 パラミロン顆粒にせん断力を加える装置の他の例を表した概略図。 添加剤中の繊維化パラミロンの電子顕微鏡写真。 添加剤中の繊維化パラミロンの電子顕微鏡写真(図5の一部の拡大図)。 実施例1の添加剤を製造する途中で乾燥前の繊維化パラミロンを光学顕微鏡で観察した観察像の写真。 実施例1の添加剤を水に分散させたときの繊維化パラミロンの光学顕微鏡観察像の写真。 比較例1の添加剤を水に分散させたときの繊維化パラミロンの光学顕微鏡観察像の写真。 比較例6の添加剤を水に分散させたときの繊維化パラミロンの光学顕微鏡観察像の写真。 水中沈定体積の評価結果を表すグラフ。 復元率の算出結果を表すグラフ。
以下、本発明に係る、添加剤の一実施形態について詳しく説明する。
本実施形態の添加剤は、ユーグレナ由来の繊維化パラミロンと、オリゴ糖とを含有する。繊維化パラミロンは、ユーグレナ由来のパラミロン顆粒が繊維化されることによって、複数の繊維状物が形成されたものである。上記の繊維化パラミロンは、複数の繊維状物が集合した集合体を含む。繊維状物は、β-1,3-グルカンのミクロフィブリルを有する。パラミロン顆粒は、微細藻類のユーグレナによって細胞内に貯められたものである。パラミロン顆粒は、β-1,3-グルカンの1種であるパラミロンが細胞内で顆粒状となって産生されたものである。ユーグレナについては、後述する。
上記の繊維化パラミロンは、複数の繊維状物を含む。上記の繊維化パラミロンでは、通常、複数の繊維状物が互いに絡み合うことによって寄り集まった状態となっている。上記の繊維化パラミロンは、複数の繊維状物が集合して網状になった網目状構造を有する。上記の繊維化パラミロンは、水を含む液体に分散する性能を有する。
上記の添加剤の水中沈定体積は、通常、35mL/g以上200mL/g以下である。水中沈定体積の測定方法については、実施例で詳細に説明する。
上記の繊維化パラミロンの各繊維状物の太さは、通常、10nm以上500nm以下である。斯かる太さは、20nm以上300nm以下であることが好ましく、100nm以上200nm以下であることがより好ましい。これにより、添加剤と水と被分散物(後に詳述)とを混合したときに、被分散物が水により良好に分散、又は、より良好に復水するという利点がある。各繊維状物は、枝分かれした構造(分岐した構造)を有する。繊維状物の形状は、例えば、上記の添加剤を水に分散させた分散液を顕微鏡で観察することによって確認される。なお、上記の太さは、繊維状物を顕微鏡で観察したときに、長さ方向の任意の5点にて、各点で長さ方向に直交する方向での長さ(太さ)を平均した値によって決定される。
詳しくは、添加剤の繊維化パラミロンを以下の方法によって観察することによって、繊維状物における太さを測定する。繊維化パラミロンと水とが共存する分散液に対しては、水をt-ブタノール(tert-ブチルアルコール)に置換する処理を行う。具体的に、繊維化パラミロンが水に分散した分散液に対して、該分散液の0.5~9倍容量のt-ブタノールを加えて、ボルテックスミキサー等によって、繊維化パラミロンを分散させる。比較的多量(例えば9倍容量)のt-ブタノールを加えた場合は、その後、遠心分離などによって固液分離処理を行い、上澄液を取り除き、固形分を得て、固形分をt-ブタノールに分散させ、同様な操作を3~5回程度繰り返すことで、繊維化パラミロンがt-ブタノールに分散され、水をほとんど含まない試験液を調製する。試験液の一部を平板(例えばガラス板)上に滴下し、滴下された試験液を低温(例えば-20℃)に置いて凍結させる。さらに、減圧処理によって、t-ブタノールを揮発させる。その後、オスミウムプラズマイオンコート(厚さ20nm)を施し、走査型電子顕微鏡による一般的な観察方法によって、繊維化パラミロンを観察する。
上記の添加剤の繊維化パラミロンは、せん断力による解繊処理が施されたものである。具体的に、上記の繊維化パラミロンは、後述する製造方法において、パラミロン顆粒がせん断力によって解繊されることで形成される。このように、上記の繊維化パラミロンは、せん断力による物理的な解繊処理によって得られる。
なお、パラミロン顆粒に上記の解繊処理を施す前に、パラミロン顆粒に化学的な処理を施してもよい。この化学的な処理においては、パラミロン顆粒が完全溶解しない条件での処理(例えば0.25M NaOH水溶液による処理)をおこなうことができ、続いて、塩酸水溶液による中和処理を行うことができる。
上記の繊維化パラミロンは、pHが比較的高い水溶液に溶解しない。例えば、上記の繊維化パラミロンは、0.3MのNaOH水溶液に溶解しない。上記の繊維化パラミロンを乾燥させて粉砕した粉末250mgと、0.3MのNaOH水溶液の10mLとを混合し、20℃において1時間撹拌したあとに、混合液が懸濁している(透明でない)ことによって、繊維化パラミロンが溶解しないことを確認できる。一方、パラミロン顆粒をNaOH水溶液やジメチルスルホキシド等にいったん溶解させた後に析出させたパラミロンは、0.1MのNaOH水溶液や0.3MのNaOH水溶液に溶解する。上記の混合液が透明か懸濁状態かを目視で観察することによって、溶解したか否かを確認する。仮に、目視で確認することが困難である場合、分光光度計を用いて660nmにおける上記混合液の吸光度を測定し、測定値が0.5以下であれば、溶解したと判定することが望ましい。なお、同様の条件下で測定した純水の吸光度をブランク値とし、混合液の吸光度からブランク値を差し引くことで、混合液の最終的な吸光度を求める。
本実施形態の添加剤は、上述したように、繊維化パラミロン以外に、オリゴ糖を含有する。
前記オリゴ糖は、単糖構造単位を分子中に2以上4以下有する化合物である。単糖構造単位としては、グルコース構造単位、フルクトース構造単位などが挙げられる。オリゴ糖としては、単糖構造単位を分子中に2つ有する二糖類、単糖構造単位を分子中に3つ有する三糖類、単糖構造単位を分子中に4つ有する四糖類が挙げられる。オリゴ糖としては、添加剤に含まれた繊維化パラミロンがより十分に水に分散できる、あるいは、より良好に復水できるという点で、二糖類が好ましい。
前記二糖類としては、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、ラクチュロース、トレハロース、及び、セロビオースからなる群より選択された少なくとも1種が好ましく、スクロース(ショ糖)がより好ましい。前記オリゴ糖が二糖類であることにより、添加剤に含まれた繊維化パラミロンがより十分に水に分散できる、あるいは、より良好に復水できるという利点がある。
前記三糖類としては、ニゲロトリオース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、メレジトース、マルトトリウロース、ラフィノース、ガラクトシルラクトース、ラクトスクロース、及び、ケストースからなる群より選択された少なくとも1種が好ましい。
前記四糖類としては、ニストース、ニゲロテトラオース、及び、スタキオースからなる群より選択された少なくとも1種が好ましい。
前記添加剤は、前記繊維化パラミロンに対して、0.1以上5以下の質量比で前記オリゴ糖を含有することが好ましく、0.5以上2以下の質量比で前記オリゴ糖を含有することがより好ましい。特に、上記の質量比で、添加剤がオリゴ糖として二糖を含有することが好ましい。上記の範囲で添加剤が繊維化パラミロンとオリゴ糖(二糖)とを含有することにより、添加剤に含まれた繊維化パラミロンがより十分に水に分散できる、あるいは、より良好に復水できるという利点がある。
本実施形態の添加剤は、通常、固形物の状態である。本実施形態の添加剤は、粘稠な固形物であってもよく、硬直した塊状の固形物であってもよい。固形物の状態の添加剤は、繊維化パラミロンが凝集した粒子を含んだ状態であってもよい。固形物の状態の添加剤は、例えば、上記繊維化パラミロンを含有する粒子を含む少なくとも1つの錠剤で構成されてもよい。また、添加剤は、例えば、多量の粒子を含む粉体であってもよい。繊維化パラミロンが凝集した粒子や錠剤の大きさは、0.4μm以上10mm以下であってもよい。固形物の添加剤における水の含有率は、通常、10質量%未満であり、5質量%未満であってもよい。添加剤が固形物の状態であっても、水を含む液体に比較的均一且つ簡便に繊維化パラミロンが分散あるいは良好に復水されることから、前記添加剤は、水への分散性が良好である。
前記添加剤を光学顕微鏡で観察したときに、通常、粒子状のオリゴ糖は、観察されない。上記オリゴ糖は、通常、溶解してから上記繊維化パラミロンと混ざり合っていることから、光学顕微鏡の観察像において、固形物の状態の添加剤は、形状を有する上記オリゴ糖を含まない。
上記の固形物の状態の添加剤は、上記繊維化パラミロンを20質量%以上含んでもよく、50質量%以上含んでもよく、80質量%含んでいてもよい。
本実施形態の添加剤は、例えば、水を含む液体に被分散物を分散させるための用途で、使用される。被分散物については、後述する。上記の添加剤は、例えば、食品、化粧料、又は医薬品などの配合成分として使用される。上記の添加剤と、水などの液体と、被分散物とを混合して得られた組成物については、後に詳細に説明する。
次に、本発明に係る添加剤の製造方法の一実施形態について詳しく説明する。
本実施形態の添加剤の製造方法は、パラミロン顆粒をせん断力によって繊維化することによりパラミロン顆粒を繊維状に形成するせん断工程と、繊維状に形成された繊維化パラミロンとオリゴ糖とを混合して混合物を調製する混合工程と、混合物に乾燥処理を施す乾燥処理工程と、を備える。本実施形態の添加剤の製造方法は、乾燥処理が施された添加剤に粉砕処理を施して、粉体状の添加剤を得る粉砕処理工程を備えてもよい。
せん断工程では、例えば、ユーグレナが細胞内に貯めたパラミロン顆粒(1~5μm程度の大きさ)に水の存在下でせん断力を加えることによって繊維化パラミロンを得る。せん断工程を経て製造される添加剤は、アルカリや酸を用いた化学的な処理を行わなくても、物理的な処理によって、比較的簡便に製造することができる。本実施形態の添加剤は、化学処理のみによって繊維化されたパラミロンを含まず、せん断力などによる物理的な処理によって繊維化された繊維化パラミロンを含有する。なお、せん断工程は、通常、水の存在下で行うが、水以外の溶媒の存在下で行ってもよい。
せん断工程では、上記の繊維化パラミロンは、せん断力による物理的処理によって、パラミロン顆粒が解繊されて形成される。物理的処理では、パラミロン顆粒を構成するβ-1,3-グルカンの水素結合がほとんど切断されずに、解繊処理が行われる。一方で、仮に、パラミロン顆粒に化学的な処理を施すと、アルカリ水溶液やDMSO等の溶液にパラミロンを一度完全に溶解させるため、β-1,3-グルカン同士の水素結合がなくなり、1本鎖のβ-1,3-グルカンを生じさせることとなる。このことから、本実施形態の添加剤に含まれる繊維化パラミロンは、化学的な処理が施されたパラミロンよりもパラミロン顆粒本来の結晶構造を比較的保持しており、比較的化学的に安定である可能性が高い。
せん断工程において、パラミロン顆粒にせん断力を加えることにより、パラミロン顆粒が解繊される。パラミロン顆粒は、数nmの太さのミクロフィブリルを含む。パラミロン顆粒は、比較的扁平な形状を有し、顆粒内部では、長手方向が揃うようにミクロフィブリルが並んでいる。顆粒内部では、扁平形状の周方向がミクロフィブリルの長手方向となるように、ミクロフィブリルが並び、ミクロフィブリルが束になっている。このようなパラミロン顆粒にせん断力が加わると、ミクロフィブリルの長手方向に対して垂直な方向に、ミクロフィブリルの束が離間し、パラミロン顆粒が解繊される。解繊処理が施された繊維化パラミロンは、通常、寄り集まったミクロフィブリルで構成されている。
せん断工程において、せん断力を加える装置としては、図1及び図2に示すように、互いに摺動しつつ相対移動する第1部材Y1及び第2部材Y2の間に、ユーグレナの細胞から取り出したパラミロン顆粒と水とを含む原材料液Aを入れて、第1部材Y1及び第2部材Y2を互いに摺動させるように構成された装置が挙げられる。また、せん断力を加える装置としては、図3に示すように、パラミロン顆粒を含む原材料液Aを噴射し、原材料液A同士を衝突させる装置が挙げられる。また、図4に示すように、パラミロン顆粒を含む原材料液Aを噴射し、原材料液Aを被衝突体X4に衝突させるように構成された装置が挙げられる。せん断工程においては、パラミロン顆粒が繊維化される条件下(所定の摺動部、回転数、摺動面クリアランス、圧力等)で各装置を運転する。
前記第1部材Y1及び第2部材Y2が互いに摺動しつつ相対移動する装置は、図1及び図2に示すように、第1部材Y1と、第1部材Y1と摺動する第2部材Y2とを備える。例えば、第1部材Y1及び第2部材Y2は、図1に示すように、いずれも円柱状であり且つ同じ大きさである。第1部材Y1の円柱軸方向に垂直な面の一方と、第2部材Y2の円柱軸方向に垂直な面の一方とは、互いに向き合う。斯かる装置は、第1部材Y1及び第2部材Y2が各円柱軸を回転軸として回転するように構成されている。第1部材Y1及び第2部材Y2の各回転方向は、互いに反対方向である。なお、一方の部材が回転せず固定され、他方の部材が回転するように構成されてもよい。斯かる装置は、第1部材Y1及び第2部材Y2のそれぞれの上記一方の面(摺動面)同士が、上記回転によって摺動することにより、第1部材Y1及び第2部材Y2の間に入れられた原材料液A中のパラミロン顆粒に対してせん断力を加えるように構成されている。
上記の装置として、市販されているものが採用され得る。市販されている斯かる装置としては、例えば、増幸産業社製の石臼式摩砕機 製品名「スーパーマスコロイダー」等が挙げられる。
なお、前記第1部材及び第2部材が互いに摺動しつつ相対移動する装置は、図2に示すように、第1部材Y1と、第2部材Y2とを備え、第1部材Y1及び第2部材Y2が一方向及びその反対方向に往復して互いに相対移動することによって、第1部材Y1及び第2部材Y2が互いに摺動するように構成されてもよい。斯かる装置は、第1部材Y1及び第2部材Y2が互いに反対向きに相対移動して摺動することにより、第1部材Y1及び第2部材Y2の間に入れられた原材料液A中のパラミロン顆粒に対してせん断力を加えてパラミロン顆粒を繊維化させるように構成されている。
前記原材料液A同士を衝突させる装置は、図3に示すように、内部を通る原材料液Aを噴射するための第1配管X1と、内部を通る原材料液Aを噴射するための第2配管X2とを備える。第1配管X1及び第2配管X2の下流側の各先端には、ノズルが取り付けられている。斯かる装置は、各配管を経て各ノズルから噴射される原材料液A同士を衝突させるように構成されている。斯かる装置は、原材料液A同士が互いに衝突するときの角度(一方の噴射方向と他方の噴射方向との間の角度)が調節されるように構成されている。斯かる装置は、原材料液A同士が衝突することにより、原材料液A中のパラミロン顆粒に対してせん断力を加えてパラミロン顆粒を繊維化させるように構成されている。
斯かる装置として市販されているものを用いることができる。市販されている斯かる装置としては、例えば、スギノマシン社製の「スターバースト」、みずほ工業社製の「マイクロフルイダイザー」等が挙げられる。
前記原材料液Aを被衝突体X4に衝突させる装置は、図4に示すように、内部を通る原材料液Aを噴射するための噴射用配管X3と、噴射された原材料液Aが衝突する被衝突体X4とを備える。噴射用配管X3の下流側の先端には、ノズルが取り付けられている。被衝突体X4は、噴射された原材料液Aを吸収せずに表面で跳ね飛ばす材料で形成されている。斯かる装置は、噴射用配管X3を経てノズルから噴射される原材料液Aを被衝突体X4に衝突させるように構成されている。斯かる装置は、原材料液Aが被衝突体X4に衝突することにより、原材料液A中のパラミロン顆粒に対してせん断力を加えてパラミロン顆粒を繊維化させるように構成されている。
せん断工程において、上記装置以外に使用され得る装置としては、二軸混練機、高圧ホモジナイザー、高圧乳化機、二軸押し出し機、ビーズミルなどが挙げられる。凍結粉砕を行う解繊装置なども使用され得る。
せん断工程では、パラミロン顆粒にせん断力を加えることによって上記繊維化パラミロンを作製する。従って、アルカリや酸を用いた化学的な処理を行わなくても、物理的な処理(せん断力による解繊処理)によって、比較的簡便に繊維化パラミロンを作製できる。
せん断工程では、まず、パラミロン顆粒と水とを少なくとも含む原材料液Aを調製する。パラミロン顆粒は、例えば、ユーグレナによって作られたβ-1,3-グルカンを主成分とする。ユーグレナによって作られたパラミロン顆粒は、通常、粒状である。なお、原材料液Aを調製する前に、顆粒状パラミロンが溶解しない程度に、水酸化ナトリウム等のアルカリを利用した前処理を施しても良い。
ユーグレナは、大きさが概ね数マイクロメートルから数十マイクロメートル程度の微小な藻類である。ユーグレナは、自然界では、通常、水中を浮遊しつつ生息する。ユーグレナは、パラミロン顆粒を細胞内部に貯める微細藻類であれば、特に限定されない。パラミロン顆粒を細胞内部に貯めるユーグレナとしては、例えば、ユーグレナ(Euglena)属微細藻類が挙げられる。
上記のユーグレナ(Euglena)属微細藻類としては、例えば、Euglena gracilisEuglena longaEuglena caudataEuglena oxyurisEuglena tripterisEuglena proximaEuglena viridisEuglena sociabilisEuglena ehrenbergiiEuglena desesEuglena pisciformisEuglena spirogyraEuglena acusEuglena geniculataEuglena intermediaEuglena mutabilisEuglena sanguineaEuglena stellataEuglena terricolaEuglena klebsiEuglena rubra、又は、Euglena cyclopicolaなどが挙げられる。
前記Euglena gracilisとしては、例えば、Euglena gracilis NIES-48やEuglena gracilis EOD-1(後述する独立行政法人国立環境研究所微生物系統保存施設における保管株)などが挙げられる。
上記のユーグレナ属微細藻類は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(郵便番号292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)、独立行政法人国立環境研究所微生物系統保存施設(郵便番号305-8506 茨城県つくば市小野川16-2)、又は、The Culture Collection of Algae at the University of Texas at Austin, USA(http://web.biosci.utexas.edu/utex/default.aspx)などから容易に入手される。
ユーグレナは、パラミロン顆粒、ビタミン、カロテノイド、栄養価の高いタンパク質などの有価物を細胞内に含む。パラミロン顆粒は、通常、粒状の状態となって、ユーグレナの細胞内で産生されたものである。
せん断工程では、ユーグレナから単離されたパラミロン顆粒を用いて、原材料液Aを調製することが好ましい。これにより、原材料液Aにおけるパラミロン顆粒の濃度が高くなり、原材料液Aにおける不純物が比較的少なくなる。なお、原材料液Aは、培養などによって増殖されたユーグレナの細胞を含んでもよい。即ち、原材料液Aは、パラミロン顆粒が内包されたユーグレナの細胞を含んでもよい。これにより、せん断力を加えられたことによって得られる産物が、ユーグレナの細胞を構成する成分を含むこととなる。
原材料液Aにおけるパラミロン顆粒の濃度は、特に限定されないが、通常、0.1~50質量%であり、好ましくは0.5~30質量%、より好ましくは1~20質量%である。
せん断工程では、次に、例えば、互いに摺動しつつ相対移動する第1部材Y1及び第2部材Y2の間に、パラミロン顆粒を含む原材料液Aを入れて、第1部材Y1及び第2部材Y2を互いに摺動させつつ相対移動させることによって、水の存在下で原材料液A中のパラミロン顆粒にせん断力を加える。これにより、比較的大きいせん断力をパラミロン顆粒に加えることができ、比較的短時間で繊維化パラミロンを得ることができる。
上述したスーパーマスコロイダーを用いてせん断工程を行う場合、第1部材Y1及び第2部材Y2の回転数としては、例えば500~3000rpm、より好ましくは1000~2500rpmが採用される。また、第1部材及び第2部材(例えば砥石)の隙間は、特に制限されないが、スーパーマスコロイダーを利用する場合、砥石同士が軽接する隙間の状態を基準として(砥石の先端同士がわずかに接触した状態を基準として)、例えば-10μm~-800μm、好ましくは-50μm~-500μmである。
繊維化される前(粒状)のパラミロン顆粒に加えるせん断力は、少なくともパラミロン顆粒を解繊する強さのせん断力である。
上記のごとくせん断力を加えることによって、パラミロン顆粒が解繊されて繊維化され、繊維化パラミロンが得られる。上述したスーパーマスコロイダーによって繊維化されたパラミロンの各繊維状物では、太さに対する長手方向の長さの比が、通常、5~5000である。繊維化パラミロンの各繊維状物の長手方向の長さは、通常、3μm以上100μm以下である。
さらに、本実施形態の添加剤の製造方法では、上記のごとく作製された繊維化パラミロンとオリゴ糖とを混合して混合物を調製する混合工程と、混合物から固形物の状態(粉体状)の添加剤を得るために、乾燥処理工程と粉砕処理工程とを行う。
前記混合工程では、通常、作製された繊維化パラミロンと水とを含むスラリーと、オリゴ糖の水溶液とを混合することによって、繊維化パラミロンとオリゴ糖とを含水液体中で混合する。
前記乾燥処理では、分散した状態の繊維化パラミロンと、溶解したオリゴ糖とを含む含水液体に対して、乾燥処理を施して、固形物の状態の添加剤を得る。乾燥処理としては、加熱乾燥処理、減圧乾燥処理、凍結乾燥処理、噴霧乾燥処理などが挙げられる。乾燥処理後の固形物における水分量は、10質量%未満であってもよく、5質量%未満であってもよい。
前記粉砕処理工程では、乾燥処理工程で得られた添加剤に対して粉砕処理を施す。粉砕処理としては、ボールミルによる粉砕処理、石臼や乳鉢による粉砕処理などが挙げられる。粉砕処理を施すことによって、粉体状の添加剤を製造することができる。
続いて、本発明に係る組成物の一実施形態について詳しく説明する。
本実施形態の組成物は、上記の添加剤と、水とを少なくとも含む。本実施形態の組成物は、上記の繊維化パラミロンが水に分散され、オリゴ糖が溶解している組成物である。本実施形態の組成物は、水に溶解する水溶性有機溶媒をさらに含んでもよい。本実施形態の組成物は、通常、液状である。本実施形態の組成物は、粘性を有する流動性液体の状態であってもよい。
上記の組成物は、さらに被分散物を含んでもよい。被分散物を含んだ組成物においては、繊維化パラミロンの各繊維状物の間で被分散物が繊維状物に絡まることによって、被分散物が分散していると考えられる。被分散物は、水に溶解しないものであれば、特に限定されない。被分散物としては、例えば、油分又は粉体が挙げられる。
上記の油分としては、室温(20℃)にて、液状のもの、又は固体状のものが挙げられる。油分としては、例えば、エステル油、炭化水素油などが挙げられる。
上記の粉体は、粒子の集合体である。粉体は、水に溶解しないものであれば、特に限定されない。粉体としては、例えば、無機粉体、有機粉体などが挙げられる。無機粉体の材質としては、金属酸化物(シリカ等も含む)、粘土鉱物、セラミックなどが挙げられる。有機粉体の材質としては、合成樹脂、多糖類などが挙げられる。有機粉体としては、例えば、きな粉、ココアパウダー、カレー粉、ごま、緑茶パウダー、ウコンなどの食材が挙げられる。
上記の組成物は、例えば、上記の添加剤と、被分散物と、水を含む溶媒とを混合することによって製造される。上記の組成物の製造では、上記の繊維化パラミロンの存在下で、少なくとも水と被分散物とを撹拌して混合することにより、被分散物が繊維化パラミロンによって水に分散された状態の組成物を得ることができる。
上記の組成物は、例えば、食品、化粧料、又は医薬品などの用途で使用される。上記の組成物は、繊維化パラミロンを含むため、水に被分散物が分散された状態を比較的長く保つことができる。
上記の食品としては、例えば、飲料、サプリメント、菓子類、調味料などが挙げられる。上記の化粧料としては、例えば、皮膚外用化粧料、毛髪用化粧料、入浴剤などが挙げられる。上記の医薬品としては、例えば、塗り薬、貼付薬、飲み薬などが挙げられる。本実施形態の医薬品は、例えば、皮膚に塗布、または、経口投与されて使用される。
本実施形態の添加剤、組成物は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示のものに限定されない。
また、一般の添加剤、組成物において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下のようにして、繊維化パラミロンとオリゴ糖とを含有する添加剤を製造した。詳しくは、ユーグレナ属微細藻類によって産生されたパラミロン顆粒に対してせん断力を加えることにより、パラミロン顆粒を繊維化し、繊維化パラミロンを作製し、該繊維化パラミロンと、オリゴ糖とを含有する添加剤を製造した。
(実施例1)
培養後のユーグレナ属微細藻類が細胞内に貯めたパラミロン顆粒を単離した。単離したパラミロンの濃度が5質量%となるように、パラミロン顆粒と水とを混合して、パラミロン顆粒を含む原材料液を調製した。
図1に示すような装置(具体的には、増幸産業社製の石臼式摩砕機 製品名「スーパーマスコロイダー」)を用いて、第1部材(砥石)と第2部材(砥石)との間に原材料液を入れて、第1部材と第2部材とを互いに摺動させることによって、パラミロン顆粒にせん断力を加え、パラミロン顆粒を繊維化し、繊維化パラミロンを含むスラリーを製造した。
添加剤の製造において、上記の石臼式摩砕機を用いたせん断工程における湿式解繊処理は、下記条件にて行った。
[解繊処理]
・グラインダー種類:MKGCタイプ
・クリアランス(砥石の隙間): -100μm
・砥石回転数 : 1200 rpm
石臼式摩砕機で得られるスラリーを回収し、回収したスラリーに再度解繊処理を施すことによりスラリーを得て、同様な操作を合計20回繰り返すこと(20パス)によって、繊維化パラミロンを含むスラリーを得た。
[電子顕微鏡による観察像]
走査型電子顕微鏡によって観察した、添加剤中の繊維化パラミロンの観察像を図5及び図6に示す。図6は、図5における長方形部分の拡大図である。なお、図5及び図6において、右下のスケールの10目盛り分(一方端から他方端まで)が、各図に記載された長さである。図5及び図6では、繊維化パラミロンの各繊維状物が互いに絡み合って、各繊維状物が寄り集まった状態となり、3次元ネットワークを形成している様子が観察される。換言すると、繊維化パラミロンは、各繊維状物が互いに複雑に絡み合うことで網目状の構造となっている。
[スクロースとの混合、乾燥処理、粉砕処理]
さらに、上記の繊維化パラミロンの固形分に対する、スクロースの固形分の質量比が2となるように、繊維化パラミロンを含むスラリーと、50質量%濃度のスクロース水溶液とを混合し、さらに、凍結乾燥によって水分を昇華させることによって乾燥処理を行った。続いて、乾燥処理によって得られた塊を、乳鉢による粉砕処理によって粉砕し、固形物の状態(粉体状)の添加剤を製造した。
(実施例2)
上記の繊維化パラミロンの固形分に対する、スクロースの固形分の質量比が1となるように、繊維化パラミロンを含むスラリーと、50質量%濃度のスクロース水溶液とを混合した点以外は、実施例1と同様にして、繊維化パラミロンを含む固形物の状態の添加剤を製造した。
(実施例3)
上記の繊維化パラミロンの固形分に対する、スクロースの固形分の質量比が0.5となるように、繊維化パラミロンを含むスラリーと、50質量%濃度のスクロース水溶液とを混合した点以外は、実施例1と同様にして、繊維化パラミロンを含む固形物の状態の添加剤を製造した。
(比較例1)
・繊維化セルロースとスクロースとを含む添加剤
市販の繊維化セルロース分散液(水に繊維状セルロースが分散されたもの)と、50質量%濃度のスクロース水溶液とを混合して、混合液を調製した。繊維化セルロースの固形分に対する、スクロースの固形分の質量比が2となるように混合した。さらに、上記と同様の乾燥処理及び粉砕処理を施し、固形物の状態の添加剤を調製した。繊維化セルロース分散液の詳細は、下記の通りである。
スギノマシン社製 分散液 製品名「BiNFi-s FMa-10002」
繊維長さは約1μm 粉体状
(比較例2)
・繊維化パラミロンとグルコースとを含む添加剤
スクロース水溶液に代えてグルコース水溶液(33質量%濃度)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、固形物の状態の添加剤を製造した。ただし、乳鉢による粉砕処理では、実施例1と同程度の力と時間をかけた粉砕を行ったものの、粉体状にならなかった。
(比較例3)
・繊維化パラミロンとグルコースとを含む添加剤
スクロース水溶液に代えてグルコース水溶液(33質量%濃度)を用いた点、また、上記の繊維化パラミロンの固形分に対する、スクロースの固形分の質量比が1となるように、繊維化パラミロンを含むスラリーと、50質量%濃度のスクロース水溶液とを混合した点以外は、実施例1と同様にして、固形物の状態の添加剤を製造した。ただし、乳鉢による粉砕処理では、実施例1と同程度の力と時間をかけた粉砕を行ったものの、粉体状にならなかった。
(比較例4)
・繊維化パラミロンとグルコースとを含む添加剤
スクロース水溶液に代えてグルコース水溶液(33質量%濃度)を用いた点、また、上記の繊維化パラミロンの固形分に対する、スクロースの固形分の質量比が0.5となるように、繊維化パラミロンを含むスラリーと、50質量%濃度のスクロース水溶液とを混合した点以外は、実施例1と同様にして、固形物の状態の添加剤を製造した。ただし、乳鉢による粉砕処理では、実施例1と同程度の力と時間をかけた粉砕を行ったものの、粉体状にならなかった。
(比較例5)
・繊維化セルロースとグルコースとを含む添加剤
繊維化パラミロンに代えて比較例1の繊維化セルロースを用いた点、スクロース水溶液に代えてグルコース水溶液(33質量%濃度)を用いた点、また、上記の繊維化パラミロンの固形分に対する、スクロースの固形分の質量比が2となるように、繊維化パラミロンを含むスラリーと、50質量%濃度のスクロース水溶液とを混合した点以外は、実施例1と同様にして、固形物の状態の添加剤を製造した。ただし、乳鉢による粉砕処理では、実施例1と同程度の力と時間をかけた粉砕を行ったものの、粉体状にならなかった。
(比較例6)
実施例1と同様にして繊維化パラミロンを作製し、スクロースやグルコースを含まず単に繊維化パラミロンのみを含む添加剤を製造した。ただし、乳鉢による粉砕処理では、実施例1と同程度の力と時間をかけた粉砕を行ったものの、粉体状にならなかった。
(比較例7)
比較例1と同様にして繊維化セルロースを作製し、スクロースやグルコースを含まず単に繊維化セルロースのみを含む添加剤を製造した。ただし、乳鉢による粉砕処理では、実施例1と同程度の力と時間をかけた粉砕を行ったものの、粉体状にならなかった。
分散性の評価をするために、水中沈定体積を指標として、下記のように実験を行った。なお、水中沈定体積の測定方法は、不溶性食物繊維の性能を評価する方法として一般的に知られている。下記の<分散性の評価 水中沈定体積>に測定方法の詳細を示す。
<分散性の評価 水中沈定体積>
「日本食物繊維学会監修、日本食物繊維学会編集委員会編(2008)食物繊維-基礎と応用-第3版,p.111 第一出版, 東京」に記載されている方法に準じて測定を行った。
詳しくは、上記のようにして製造した添加剤の各試験試料(固形物)を、50mL容積のプラスチックチューブに、繊維化パラミロンの乾燥質量換算で125mg計り取り、純水を10mL添加した後、プラスチックチューブを手で激しく振って、内容物を撹拌した。その後、37℃で1時間以上水平振盪(60rpm)を行った後、25mL容積のメスシリンダーに内容物を移し、25mLになるまで純水を加えた。メスシリンダー内の液体をスパチュラでよく撹拌した後、37℃で24時間静置した。
実施例1~3、並びに、比較例1~7の各試験サンプルを用いて、上記<分散性の評価 水中沈定体積>を行った。結果を表1に示す。また、「乾燥前」の実施例1のサンプルの光学顕微鏡の観察像を図7に示す。「乾燥前」とは、乾燥処理前のスラリー状の試験サンプルをそのまま用いて光学顕微鏡で観察した観察像である。なお、比較例6の添加剤を作製する途中で取り出した「乾燥前」のサンプル(繊維化パラミロンのみを含むスラリー)の観察像は、図7と同様であった。
一方、実施例1及び比較例1の試験サンプル(乾燥物を水に分散させた後)の光学顕微鏡の観察像を図8及び図9にそれぞれ示す。比較例6の試験サンプル(繊維化パラミロンのみを含む乾燥物を水に分散させた後)の光学顕微鏡の観察像を図10に示す。なお、図8~図10の各写真において、右下の線分は、100μmの長さを示す。
また、各実施例、各比較例の一部について、水中沈定体積の測定結果をグラフ化したものを図11に示す。水中沈定体積の測定結果から、下記の式によって算出した復元率の値をグラフ化したものを図12に示す。
復元率(%)=乾燥後の固形物で測定した水中沈定体積(mL/g)/
乾燥前のスラリーを用いて測定した水中沈定体積(mL/g)
Figure 0007001436000001
図11、図12から把握されるように、実施例1~3の添加剤では、比較例1などの比較例よりも、繊維化パラミロンをより均一に水中に分散させることができた。すなわち、実施例の添加剤では、含有された繊維化パラミロンがより十分に水に分散された。
なお、表1において、比較例2~4の結果から把握されるように、繊維化パラミロンをグルコース(単糖)と混合して固形物の添加剤を調製しても、斯かる添加剤では、含有された繊維化パラミロンが水に十分には分散しなかった。一方、比較例5の結果から把握されるように、繊維化セルロースをグルコース(単糖)と混合して固形物の添加剤を調製すると、斯かる添加剤では、含有された繊維化パラミロンが水に分散しやすかった。これらの結果から、繊維化パラミロンと、オリゴ糖(特に二糖)を組み合わせたからこそ、繊維化された多糖類(繊維化パラミロン)が水に十分に分散できる添加剤を得ることができたといえる。
本発明の添加剤は、例えば、食品、化粧料、医薬品などに配合されて好適に使用される。本発明の添加剤は、例えば、水を含む溶媒に被分散物を分散させるために好適に使用される。本発明の組成物は、例えば、水を含む溶媒に上記の繊維化パラミロンと被分散物とが分散した状態で、食品、化粧料、医薬品などの用途で好適に使用される。
A:原材料液、
X1:第1配管、 X2:第2配管、 X3:噴射用配管、 X4:被衝突体、
Y1:第1部材、 Y2:第2部材。

Claims (3)

  1. ユーグレナ由来の繊維化パラミロンと、単糖構造単位を分子中に2以上4以下有するオリゴ糖とを含有し、
    前記繊維化パラミロンは、複数の繊維状物を含み、各繊維状物は、分岐した構造を有する、添加剤。
  2. 前記オリゴ糖が二糖類である、請求項1に記載の添加剤。
  3. 請求項1又は2に記載の前記添加剤と、水とを含む、組成物。
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