以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。また図2は、本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成(リールユニットを除く)を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、上部前面扉UD、および下部前面扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1~第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また収納箱BX内のリールユニット収納スペースPSの下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチES、設定変更キーシリンダKS、設定変更ボタンSB等の各種スイッチが備えられた電源ユニットEUおよびメダルの払出装置としてのホッパーユニットHPが収められている。ホッパーユニットHPは、遊技に供するメダルを貯蔵するメダル貯蔵タンクMTと、ステッピングモータからなる払出モータ(図示省略)と払出モータに軸支された回転ディスク(図示省略)とを備えており、回転ディスクが払出モータによって回転駆動されて、1枚単位でメダルを払い出すことができるように構成されている。またホッパーユニットHPは、メダル貯蔵タンクMTにおけるメダルの貯蔵量が一定に達すると、余剰メダルがキャッシュボックスCBに送り出されるようになっている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、例えば、リールユニット収納スペースPSの上方にメイン基板MAINが取り付けられているとともに、リールユニット収納スペースPSの側方にサブ基板SUBが取り付けられており、これらの制御基板(メイン基板MAIN、サブ基板SUB)には、CPU(演算手段の一例)、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM(一時記憶手段の一例)等を搭載して遊技機の動作を制御することができるようになっている。なお本実施の形態では、電源ユニットEUに設定変更キーシリンダKSや設定変更ボタンBSが設けられているが、メイン基板MAINの表面に設定変更キーシリンダKSや設定変更ボタンBSを設けるようにしてもよい。
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1~第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1~第3リールR3を回転駆動し、制御基板から全相励磁の駆動パルスが供給されると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1~第3リールR3が停止する。
上部前面扉UDと下部前面扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、上部前面扉UDには第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれの上段によって構成される有効ラインL2、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれの下段によって構成される有効ラインL3、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段によって構成される有効ラインL4、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段によって構成される有効ラインL5が有効化される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットHPからメダルの払い出し等が行われる。
また上部前面扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、メダルの投入数、1回の遊技におけるメダルの払出数等の各種遊技情報が表示される。
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDや下部前面扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカSPが複数設けられている。このスピーカSPからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また下部前面扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1~B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1~B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~B3を押下していくと、ストップボタンB1~B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~B3を解放すると、ストップボタンB1~B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1~B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
また下部前面扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがホッパーユニットHPからメダル払い出し口MOを通じてメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。なお遊技の結果に応じてメダルが払い出される場合に、メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出数の一部あるいは全部に相当するメダルを、クレジット上限枚数(本実施形態では50枚)を限度としてクレジットし、メダルのクレジット数の変化に伴って遊技情報表示部DSの7セグメント表示器からなるクレジット表示器の表示値を変化させる動作を行う。
図3は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(メイン基板MAINおよびサブ基板SUB)100によって制御される。遊技制御手段100は、電源スイッチESの作動により電源ユニットEUから電力が供給されて起動し、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250、設定変更スイッチ260等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット(払出装置)HP、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、設定変更手段103、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態制御手段170、演出制御手段180、遊技情報記憶手段190a、演出情報記憶手段190bを含む。なお本実施形態では、設定変更手段103、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、および遊技状態制御手段170は、メイン基板MAINのCPUが各種のプログラムを実行することによって実現され、演出制御手段180は、サブ基板SUBのCPUが各種のプログラムを実行することによって実現される。また遊技情報記憶手段190aは、メイン基板MAINに搭載されているメインROMおよびメインRAMによって構成され、演出情報記憶手段190bは、サブ基板SUBに搭載されているサブROMおよびサブRAMによって構成されている。またメイン基板MAINのCPUが実行する各種のプログラムは、遊技情報記憶手段190aのメインROMに記憶されており、サブ基板SUBのCPUが実行する各種のプログラムは、演出情報記憶手段190bのサブROMに記憶されている
設定変更手段103は、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた設定値記憶領域1913に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態では、電源投入時の設定変更許可スイッチ250の状態に応じて遊技モードで起動される場合と設定変更モードで起動される場合とが切り替えられるようになっており、設定変更キーシリンダKSに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに設定キーが回されると設定変更許可スイッチ250の信号状態がオン状態となり、この状態で電源スイッチESが作動することにより電源ユニットEUから電力が供給されると、設定変更手段103が、遊技機を設定変更モードで起動する。そして本実施形態では、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができ、図4に示すように、設定1~設定6において出玉率が98.0%~114.1%となるようにメダルの獲得性能が設計されており、設定1から順に設定6に向かって出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。なお本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
また設定変更手段103は、設定変更モードにおいて設定変更ボタンSBを押下することにより設定変更スイッチ260が作動すると、設定変更スイッチ260からの入力信号を受け付ける毎に、設定値を設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバーSLの押下により作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域1913に記憶させる制御を行う。そして本実施形態では、設定変更キーシリンダKSに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定変更許可スイッチ250の信号状態をオフ状態に変更し設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
また本実施形態では、設定変更キーシリンダKSが初期位置にある状態で電源が投入されると、設定変更許可スイッチ260の信号状態がオフ状態であることに基づいて遊技モードで遊技機を起動する。そして本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
また設定変更手段103は、設定変更モードにおいて、遊技情報記憶手段190aのメインRAMの所定の記憶領域に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。特に本実施の形態では、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに関して、抽選フラグ記憶領域1915および遊技状態記憶領域1916に記憶されている情報を設定変更モードにおける初期化処理によって初期化する。より詳細には、遊技情報記憶手段190aのメインRAMにおける抽選フラグ記憶領域1915および遊技状態記憶領域1916以外の記憶領域を情報保持領域として指定し、メインRAMの情報保持領域以外の記憶領域に記憶されている情報を初期化する。このため、メインRAMにおいて、設定値記憶領域1913およびクレジット情報記憶領域1914については情報保持領域として指定され、これらの記憶領域に記憶されている情報は、設定変更モードにおける初期化処理によっては初期化されずに保持されるようになっている。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられたクレジット情報記憶領域1914に最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、遊技機にメダルがクレジット記憶された状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジット情報記憶領域1914にクレジット記憶されたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、0~65535までの65536個の乱数値を1周期中で重複することなく発生させる16ビット乱数回路によって発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられたメイン抽選テーブル記憶領域1910に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、メイン抽選テーブル記憶領域1910に、図4に示すような3種類の内部抽選テーブル(内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3)が記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0~65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。なお本実施形態では、6段階の設定値に対して、設定値毎に3種類の内部抽選テーブルが用意されており、設定値に応じて内部抽選で一部の当選態様が得られる確率が異なっており、設定値が高くなるほど出玉率の期待値が高くなるように役と乱数値との対応関係が設定されている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役12が用意されており、小役の当選態様として、ベルA(第1当選態様の一例)、ベルB(第2当選態様の一例)、スイカ、チェリー、特殊役、およびJACが設定されている。
各小役の当選態様について図6を参照しながら具体的に説明すると、ベルAは、小役1(第1小役の一例)、小役2(第2小役の一例)、および小役3が重複して当選する当選態様であり、ベルBは、小役1が単独で当選する当選態様であり、スイカは、小役4、小役5、および小役8~小役10が重複して当選する当選態様であり、チェリーは、小役8~小役10が重複して当選する当選態様であり、特殊役は、小役5~小役7が重複して当選する当選態様であり、JACは、小役1~小役12が重複して当選する当選態様である。
また本実施形態の遊技機では、リプレイが1種類であって、内部抽選テーブル1と内部抽選テーブル2とに関して、小役およびリプレイの当選確率が同一であって、内部抽選テーブル3では、リプレイが抽選対象とはならず、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは異なる態様で小役が当選するようになっている。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)とが用意されており、内部抽選テーブル1では、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブル2および内部抽選テーブル3では、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)がいずれも抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態(役物非作動状態の一例)、BB成立状態(役物非作動状態の一例)、BB状態(役物作動状態の一例)、RB成立状態(役物非作動状態の一例)、およびRB状態(役物作動状態の一例)が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
そして本実施形態では、ボーナス(小役と重複する場合を含む)およびリプレイの当選態様については、設定値によっては当選確率が変動しないようになっているが、小役の当選態様については設定値に応じて当選確率が変動するものが存在し、特に本実施形態では、ベルAについては設定値が高くなるほど当選確率が低くなり、ベルBについては設定値が高くなるほど当選確率が高くなるように設計されている。具体的には、図7に示すように、ベルAは、設定値が高くなるにつれて当選確率が約1/10.0~約1/40.0の範囲で変化し、ベルBは、設定値が高くなるにつれて当選確率が約1/40.0~約1/10.0の範囲で変化し、ベルAおよびベルBのいずれかを得る確率は、いずれの設定値においても約1/8.0で一定となっている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられたメイン抽選テーブル記憶領域1910に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた抽選フラグ記憶領域1915に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、例えば、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1~第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1~B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1~B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへ全相励磁の駆動パルスを供給することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1~第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1~B3の押下順序が変化すると、第1リールR1~第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1~B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態では、図8に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1~第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、黒7図柄「黒7」、BAR図柄「BAR」、特殊図柄「SP」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BLA」、ベル図柄B「BLB」、スイカ図柄「WM」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)のリールの位置である押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができるようになっている。
なお本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
またリール制御手段130は、遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられた停止制御テーブル記憶領域1911に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>ボーナス」かつ「小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合に参照される停止制御テーブルでは、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役が優先順位の低い役よりも優先的に入賞するように押下検出位置と停止位置との関係が設定されている。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合において参照される停止制御テーブルでは、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置を決定する個数優先制御と、メダルの払出数に応じて停止位置を決定する払出優先制御とが実現可能となっており、各停止制御テーブルにおいて、個数優先制御に基づき停止位置が設定されている場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるような停止位置が設定されており、払出優先制御に基づき停止位置が設定されている場合には、小役の入賞時のメダルの払出数が最も多くなるように停止位置が設定されている。
ただし、小役に加えてボーナスが重複して当選している場合には、個数優先制御では、小役に係る図柄組合せの個数に、当選しているボーナスを考慮して停止位置が設定され、払出優先制御でも、小役の入賞時のメダルの払出数に、当選しているボーナスを考慮して停止位置が設定されている。より具体的には、個数優先制御に基づき停止位置が設定されている場合に、押下検出位置に対する引き込み範囲内の停止位置として、小役に係る図柄組合せの個数が同数の停止位置が2つ存在し、その一方についてはボーナスに係る図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に表示可能であるが、他方についてはボーナスに係る図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に表示できない場合には、ボーナスに係る図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に表示可能とするように停止位置が設定され、払出優先制御に基づき停止位置が設定されている場合に、押下検出位置に対する引き込み範囲内の停止位置として、小役の入賞時のメダルの払出数が同数の停止位置が2つ存在し、その一方についてはボーナスを入賞可能とし、他方についてはボーナスを入賞不可能とする場合には、ボーナスを入賞可能とするように停止位置が設定されている。
そして内部抽選でベルAが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、個数優先制御によって小役1を小役2および小役3よりも優先して入賞させ、停止操作の態様に関わらずに小役1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。また本実施形態では、内部抽選でベルBが当選した場合には、内部抽選でベルAが当選した場合と共通の停止制御テーブルが参照されるようになっている。
なお本実施形態では、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)が当選している状況でベルAやベルBが当選しても、その際に参照される停止制御テーブルでは必ず小役1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、当選しているボーナスが入賞することはない。
また内部抽選でスイカが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、押下検出位置に応じて個数優先制御に基づき停止位置が設定されている場合と払出優先制御に基づき停止位置が設定されている場合とが存在し、いずれの場合においても小役4を小役5および小役8~小役10に優先して入賞させるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なお本実施形態では、スイカがビッグボーナス(BB)またはレギュラーボーナス(RB)と重複して当選する場合が存在し、その際に参照される停止制御テーブルでは、小役4を最優先に入賞させ、小役5および小役8~小役10をその次に優先し、小役4、小役5、および小役8~小役10をいずれも入賞させることができない場合に、当選しているボーナスが入賞することがあるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また内部抽選でチェリーが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、第1リールR1について有効ライン上にチェリー図柄「CH」を引き込むことができる押下検出位置であることを条件として、小役8~小役10のうち少なくとも2種類が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なお本実施形態では、チェリーがビッグボーナス(BB)またはレギュラーボーナス(RB)と重複して当選する場合が存在し、その際に参照される停止制御テーブルでは、小役8~小役10の入賞を優先し、小役8~小役10をいずれも入賞させることができない場合に、当選しているボーナスが入賞することがあるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また本実施形態では、特殊役が必ずビッグボーナス(BB)またはレギュラーボーナス(RB)と重複して当選するようになっており、特殊役が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、小役5~小役7を重複して当選しているボーナスに優先して入賞させるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また内部抽選でJACが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、小役11および小役12が他の小役に優先して入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお本実施形態では、JACの当選時において所定の手順で停止操作を行うことによって小役2や小役3が入賞する場合が存在する。
また内部抽選でリプレイが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、停止操作の態様に関わらずにリプレイが入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、ビッグボーナス(BB)またはレギュラーボーナス(RB)が当選している状況においてもリプレイが当選した場合には必ずリプレイが入賞して、当選しているボーナスが入賞しないように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられた入賞判定テーブル記憶領域1912に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かなどを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図9および図10に示すように、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、リプレイ、および小役1~小役12の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、役が入賞した場合に入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニットHP(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお本実施形態では、1の小役が複数の有効ラインにまたがって入賞している場合には、入賞した有効ラインの本数に小役の配当をかけた数がメダルの払出数として算出される。また本実施形態では、1回の遊技におけるメダルの払出数に上限が設けられており、その上限となる払出数が9枚に設定されている。このため、入賞した小役の配当に基づくメダルの払出数の合計が9枚を超える場合でも、その遊技におけるメダルの払出数は9枚に制限されるようになっている。
ホッパーユニットHPは、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニットHPには、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニットHPから実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット記憶(貯留記憶)が許可されている場合には、ホッパーユニットHPによって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられたクレジット情報記憶領域1914に記憶されているクレジット数(クレジット記憶されたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、次回の遊技を行わせるために必要な規定投入数に相当する枚数のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、規定投入数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図11に示すように、通常状態、BB成立状態、BB状態、RB成立状態、およびRB状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。本実施形態では、滞在している遊技状態を示す情報は、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた遊技状態記憶領域1916に格納される。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはBB成立状態またはRB成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態において、ビッグボーナス(BB)が当選した場合にBB成立状態へ移行し、レギュラーボーナス(RB)が当選した場合にRB成立状態へ移行する。また通常状態では、図5に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)がいずれも抽選対象として設定されている内部抽選テーブル1を参照した内部抽選が行われる。
BB成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB成立状態では、図5に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、小役およびリプレイの当選確率が内部抽選テーブル1と同一に設定され、かつビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)がいずれも抽選対象から除外された内部抽選テーブル2を参照した内部抽選が行われる。
またBB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段170は、遊技状態をBB成立状態からBB状態へ移行させる。
BB状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。BB状態では、図5に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2よりも小役の当選確率が高い内部抽選テーブル3を参照した内部抽選が行われる。
またBB状態では、BB状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、300枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段170は、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。なお本実施形態では、BB状態における払出数についてのカウント情報は遊技状態記憶領域1916に記憶される。
RB成立状態は、内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。RB成立状態では、図5に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、小役およびリプレイの当選確率が内部抽選テーブル1と同一に設定され、かつビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)がいずれも抽選対象から除外された内部抽選テーブル2を参照した内部抽選が行われる。
またRB成立状態では、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまでレギュラーボーナス(RB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段170は、遊技状態をRB成立状態からRB状態へ移行させる。
RB状態は、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RB状態では、図5に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2よりも小役の当選確率が高い内部抽選テーブル3を参照した内部抽選が行われる。
またRB状態では、RB状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、150枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段170は、RB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。なお本実施形態では、RB状態における払出数についてのカウント情報は遊技状態記憶領域1916に記憶される。
演出制御手段180は、演出情報記憶手段190bのサブROMに設けられた演出データ記憶領域1925に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカSPから音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。遊技において実行される演出の内容は、演出情報記憶手段190bのサブROMに設けられたサブ抽選テーブル記憶領域1926に記憶されている演出抽選テーブルを、遊技状態、演出状態、内部抽選の結果等に応じて参照して決定される。なお本実施形態では、サブROMの演出データ記憶領域1925から遊技の進行状況等に応じた画像データをサブRAMに設けられたイメージバッファ1927に読み込んで、イメージバッファ1927に読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイLCDに出力され、サブROMの演出データ記憶領域1925から遊技の進行状況等に応じたサウンドデータをサブRAMに設けられたサウンドバッファ1928に読み込んで、サウンドバッファ1928に読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカSPから出力されるようになっている。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニットHPなどは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、図12に示すように、小役1と小役2と小役3とを含む小役の当選態様であって高設定ほど当選確率が低くなるベルAと、小役1のみを含む小役の当選態様であって高設定ほど当選確率が高くなるベルBとを設けて、ベルAおよびベルBのいずれにおいても小役1を入賞させるが、ベルAでは小役1より配当の高い小役2が重複して当選しており、ベルAの当選時において小役2の入賞を回避しつつ小役1を入賞させるようにリールの停止位置を決定する手法を採用している。
まずベルAが当選した場合において、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況で、図13(A)に示すように、第1リールR1の上段に2番のリプレイ図柄「RP」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図13(A)~図13(F)に示す通りである。
そして図13に示す例では、払出優先制御によってメダルの払出数が最も多くなる停止位置は、18番の特殊図柄「SP」を上段の位置に表示させて小役2を入賞可能とする図13(F)に示す位置であるが、本実施の形態では、個数優先制御によって停止位置を決定し、1番のベル図柄「BLA」を上段に表示するとともに、3番の赤7図柄「赤7」を下段に表示することによって、図13(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が5個となる図13(C)に示す位置を第1リールR1の停止位置として決定する。これにより小役1を入賞可能としつつ小役2の入賞を回避することができる。そして、その後に停止する第2リールR2および第3リールR3については、第1リールR1の停止時点で入賞可能性のある小役1および小役3のうちメダルの払出数が多くなる小役1を優先するように停止位置を決定することで小役1を入賞させることができる。
またベルAが当選した場合において、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況で、図14(A)に示すように、第2リールR2の上段に19番のBAR図柄「BAR」が位置するタイミングでストップボタンB2が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図14(A)~図14(F)に示す通りである。
そして図14に示す例において、個数優先制御によって停止位置を決定すると、19番のBAR図柄「BAR」を上段に表示し、0番のベル図柄A「BLA」を中段に表示し、1番のチェリー図柄「CH」を下段に表示することによって、図14(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が6個となる図14(B)に示す位置を第2リールR2の停止位置として決定する。このように図14(B)に示す位置で第2リールR2を停止させた場合においては、小役1~小役3のそれぞれの入賞可能性が残されているため、第1リールR1や第3リールR3を停止させる際に小役2の入賞を回避する必要がある。
例えば、小役1~小役3の入賞可能性が残された状態で第2リールR2が停止しており、第1リールR1および第3リールR3が回転している状況で、図15(A)に示すように、第1リールR1の上段に2番のリプレイ図柄「RP」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図15(B)~図15(F)に示す通りである。
そして図15に示す例において、個数優先制御によって停止位置を決定すると、1番のベル図柄A「BLA」を上段に表示するとともに、3番の赤7図柄「赤7」を下段に表示することによって、図15(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が3個となる図15(C)に示す位置を第1リールR1の停止位置として決定する。これにより小役1を入賞可能としつつ小役2の入賞を回避することができる。そして、その後に停止する第3リールR3については、第1リールR1と第2リールR2とが停止した時点で入賞可能性のある小役1および小役3のうちメダルの払出数が多くなる小役1を優先するように停止位置を決定することで小役1を入賞させることができる。
また例えば、小役1~小役3の入賞可能性が残された状態で第2リールR2が停止しており、第1リールR1および第3リールR3が回転している状況で、図16(A)に示すように、第3リールR3の上段に14番のチェリー図柄「CH」が位置するタイミングでストップボタンB3が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図16(B)~図16(F)に示す通りである。
そして図16に示す例において、個数優先制御によって停止位置を決定すると、11番のベル図柄B「BLB」を中段に表示するととともに、12番のBAR図柄「BAR」を中段に表示することによって、図16(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が3個となる図16(F)に示す位置を第3リールR3の停止位置として決定する。これにより小役1を入賞可能としつつ小役2の入賞を回避することができる。そして、その後に停止する第1リールR1については、第2リールR2と第3リールR3とが停止した時点で入賞可能性のある小役1および小役3のうちメダルの払出数が多くなる小役1を優先するように停止位置を決定することで小役1を入賞させることができる。
またベルAが当選した場合において、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況で、図17(A)に示すように、第3リールR3の上段に14番のチェリー図柄「CH」が位置するタイミングでストップボタンB3が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図17(A)~図17(F)に示す通りである。
そして図17に示す例において、個数優先制御によって停止位置を決定すると、11番のベル図柄B「BLB」と12番のBAR図柄「BAR」とを有効ライン上の表示位置に表示する図17(E)に示す位置と図17(F)に示す位置とが、図17(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が6個で最多となり、本実施の形態では、11番のベル図柄B「BLB」を上段に表示するとともに、12番のBAR図柄「BAR」を中段に表示する図17(E)に示す位置を第3リールR3の停止位置として決定する。なお図17(E)に示す位置と図17(F)に示す位置とは、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が同数であるため、第3リールR3の停止位置を図17(F)に示す位置としてもよい。このように図17(E)に示す位置で第3リールR3を停止させた場合においては、小役1~小役3のそれぞれの入賞可能性が残されているため、第1リールR1や第2リールR2を停止させる際に小役2の入賞を回避する必要がある。
例えば、小役1~小役3の入賞可能性が残された状態で第3リールR3が停止しており、第1リールR1および第2リールR2が回転している状況で、図18(A)に示すように、第1リールR1の上段に1番のベル図柄A「BLA」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図18(B)~図18(F)に示す通りである。
そして図18に示す例において、個数優先制御によって停止位置を決定すると、1番のベル図柄A「BLA」を上段に表示する図18(B)に示す位置と下段に表示する図18(D)に示す位置とが、図18(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が2個で最多となり、本実施の形態では、1番のベル図柄A「BLA」を上段に表示する図18(B)に示す位置を第1リールR1の停止位置として決定する。なお図18(B)に示す位置と図18(D)に示す位置とは、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が同数であるため、第1リールR1の停止位置を図18(D)に示す位置としてもよい。これにより小役1を入賞可能としつつ小役2の入賞を回避することができる。そして、その後に停止する第2リールR2については、第1リールR1と第3リールR3とが停止した時点で入賞可能性のある小役が小役1のみとなっていることで小役1を入賞させることができる。
また例えば、小役1~小役3の入賞可能性が残された状態で第3リールR3が停止しており、第1リールR1および第2リールR2が回転している状況で、図19(A)に示すように、第2リールR2の上段に19番のBAR図柄「BAR」が位置するタイミングでストップボタンB2が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図19(B)~図19(F)に示す通りである。
そして図19に示す例において、個数優先制御によって停止位置を決定すると、15番のベル図柄A「BLA」を上段に表示するととともに、16番のチェリー図柄「CH」を中段に表示することによって、図19(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が3個となる図19(F)に示す位置を第2リールR2の停止位置として決定する。これにより小役1を入賞可能としつつ小役2の入賞を回避することができる。そして、その後に停止する第1リールR1については、第2リールR2と第3リールR3とが停止した時点で入賞可能性のある小役1および小役3のうちメダルの払出数が多くなる小役1を優先するように停止位置を決定することで小役1を入賞させることができる。
以上に述べた本実施の形態では、通常状態およびボーナス成立状態での内部抽選において得られる小役の当選態様として、小役1と小役1よりも配当の高い小役2と小役1よりも配当の低い小役3とを含むベルAと、小役1が単独で当選するベルBとが設定されており、ベルAは設定値が低くなるほど当選確率が高くなっている。このため、設計上の役物比率の算出においては、ベルAを得た場合には最も配当の高い小役2を入賞させたものとされるため、低設定側での設計上の役物比率を低く抑えることができる。
また本実施の形態では、ベルAおよびベルBのいずれが当選した場合においても停止操作の態様に関わらずに小役1が入賞し、特にベルAが当選した場合には、個数優先制御によって停止位置を決定することによって小役2および小役3の入賞を回避しつつ小役1を入賞させる。そして本実施の形態では、ベルAは設定値が高くなるにつれて当選確率が低くなる一方で、ベルBは設定値が高くなるについて当選確率が高くなるようにしているため、実際の遊技において小役1が入賞しても、その遊技においてベルAおよびベルBのいずれが当選していたのかを判別できないため、設定値の推測を困難とすることができる。
このように本実施の形態では、設定値が低くなるほど通常状態およびボーナス成立状態において小役2を含むベルAの当選確率を高める一方で小役2を含まないベルBの当選確率を低くし、ベルAの当選時およびベルBの当選時のいずれにおいても小役1が入賞するようにしたことにより役物比率を好適に調整可能としつつ遊技者による設定値の看破を困難とすることができる。
なお本実施の形態では、ボーナスの当選確率は設定値によらず同一としていたが、必ずしもボーナスの当選確率を設定値に関わらず同一とする必要はなく、設定値に応じてボーナスの当選確率が異なっていてもよい。ただし、本実施の形態のように、いずれの設定値においてもボーナスの当選確率が同一である場合、もしくは設定値に応じてボーナスの当選確率に差があるが微差しかない場合などにおいては、低設定側の役物比率が高まりやすいため、低設定であるほどベルAの確率を高めることによって設計上の役物比率を低く抑える効果を期待できる。
またベルAとベルBとの合算確率は設定値によらず同一とする必要はなく、設定値に応じてベルAとベルBとの合算確率が異なっていてもよい。ただし、設定値に応じてベルAとベルBとの合算確率が異なる場合には設定値による差異が大きいと小役1の出現率によって設定値の推測が容易になってしまうため、差異を設けるとしても微差に留めて略同一となるように設計することが好ましい。
また本実施の形態では、通常状態、BB成立状態、およびRB成立状態において小役2と小役3とを含む小役の当選態様としてベルAが設定されており、ベルAの当選時には、必ず小役1が入賞して小役2および小役3については通常状態では入賞することがない。一方で、BB状態およびRB状態では小役2と小役3とを含む小役の当選態様としてJACが設定されており、JACの当選時においては所定の手順で停止操作を行うことによって小役2および小役3を入賞させることができるようになっている。
小役2を入賞させる手順としては、例えば、JACの当選時に第3リールR3を最初に停止させ、その際に13番のBAR図柄「BAR」が上段に位置するタイミングでストップボタンB3を押下し、続いて第2リールR2を停止させ、その際に18番のスイカ図柄「WM」が上段に位置するタイミングでストップボタンB2を押下し、最後に第1リールR1を停止させ、その際に16番のベル図柄B「BLB」が上段に位置するタイミングでストップボタンB1を押下する。このようにすると、図20(A)に示すように有効ラインL5において小役2を入賞させることができる。
また小役3を入賞させる手順としては、例えば、JACの当選時に第3リールR3を最初に停止させ、その際に13番のBAR図柄「BAR」が上段に位置するタイミングでストップボタンB3を押下し、続いて第1リールR1を停止させ、その際に3番の赤7図柄「赤7」が上段に位置するタイミングでストップボタンB1を押下し、最後に第2リールR2を停止させ、その際に10番のチェリー図柄「CH」が上段に位置するタイミングでストップボタンB2を押下する。このようにすると、図20(B)に示すように有効ラインL2において小役3を入賞させるとともに有効ラインL4において小役12を入賞させることができる。この場合に、小役3および小役12の入賞により、これらの配当に基づくメダルの払出数は10枚となるが、本実施の形態では、1回の遊技におけるメダルの払出数の上限が9枚となっていることから、払い出されるメダルは9枚に制限され、小役12のみが入賞した場合と同様となり、小役3の入賞がメダルの払い出しに影響を及ぼすことはない。
このように本実施の形態では、通常状態およびボーナス成立状態では当選しても入賞しない小役2および小役3をBB状態において入賞可能とすることによって、抽選対象として設定された小役が如何なる状況においても入賞しないという不都合を解消することができる。特に本実施の形態では、遊技の結果に影響を与えずに抽選対象として設定した小役の入賞形態を示す図柄組合せの表示を担保することができる。
また本実施の形態では、第1リールR1において小役4の入賞形態を構成するスイカ図柄「WM」とビッグボーナス(BB)の入賞形態を構成する赤7図柄「赤7」とがいずれも有効ライン上の表示位置に表示される停止位置が存在しており、内部抽選でスイカの当選態様を得た場合には、所定のタイミングでストップボタンB1を押下すると個数優先制御を用いてビッグボーナス(BB)の当選の有無に関わらずに同一の停止位置で停止させる手法を採用している。
まずスイカの当選態様は、図6に示すように、小役4、小役5、および小役8~小役10を重複して当選させるように構成されている。スイカ図柄「WM」を表示させるだけであれば、小役4のみで足りるところ、小役4以外の小役を重複して当選させるようにした理由について以下に説明する。
ここでスイカの当選態様を小役4が単独で当選するものと仮定した場合についてビッグボーナス(BB)の当選の有無が停止制御に与える影響について考える。この場合において小役4がビッグボーナス(BB)と重複して当選していない場合には、図21(A)に示すように、有効ライン上に表示させるべき図柄は、スイカ図柄「WM」だけであり、小役4がビッグボーナス(BB)と重複して当選している場合には、図21(B)に示すように、有効ライン上に表示させるべき図柄は、スイカ図柄「WM」と赤7図柄「赤7」となる。
そして第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況で、図21(C)に示すように、第1リールR1の上段に6番のベル図柄B「BLB」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下された際に、ビッグボーナス(BB)が当選していない場合には、図21(D)に示すように、5番のスイカ図柄「WM」を上段に引き込むように停止位置を設定するように設計すると、ビッグボーナス(BB)の当選時においては、図21(E)に示すように、押下検出位置に対する引き込み範囲内に3番の赤7図柄「赤7」と5番のスイカ図柄「WM」とを、同時に有効ライン上に表示可能な停止位置が存在する。このため、スイカの当選態様を小役4が単独で当選するものとした場合には、第1リールR1を6番の押下検出位置で停止操作を行った場合にビッグボーナス(BB)の重複当選の有無に応じて停止位置が異なることとなり、ビッグボーナス(BB)の当選を最初に停止するリールの停止態様によって察知されてしまうという不都合が生じる。すなわちスイカの当選態様を小役4の単独当選する場合には、第1リールR1の6番の押下検出位置に対して5番のスイカ図柄「WM」を上段に引き込むという停止制御を行うことができないことになる。
そこで本実施の形態では、図22に示すように、スイカの当選態様として小役4だけではなく、小役4よりも配当の低く、かつ図柄組合せの個数を増加させるための小役5を重複して当選させるようにして、ビッグボーナス(BB)の重複当選時には押下検出位置に応じて個数優先制御を選択的に実行する。
まずスイカがビッグボーナス(BB)と重複せずに当選した場合において、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況で、図23(A)に示すように、第1リールR1の上段に6番のベル図柄B「BLB」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図23(A)~図23(F)に示す通りである。
そして図23に示す例では、上段に5番のスイカ図柄「WM」を表示する図23(C)に示す位置を第1リールR1の停止位置として決定する。この図23(C)に示す位置は、メダルの払出数が最多であるとともに、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数も最多となる停止位置である。なお本実施の形態では、第1リールR1の上段に6番のベル図柄B「BLB」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下された場合について説明をしたが、5番のスイカ図柄「WM」が上段に位置するタイミングでストップボタンB1が押下された場合においても5番のスイカ図柄「WM」を上段に表示する停止位置で第1リールR1が停止する。
続いて、図24に示すように、スイカがビッグボーナス(BB)と重複して当選している場合について説明する。この場合には、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況で、図25(A)に示すように、第1リールR1の上段に6番のベル図柄B「BLB」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図25(A)~図25(F)に示す通りである。
そして図25に示す例では、払出優先制御に基づくメダルの払出数が最も多くなる停止位置は、5番のスイカ図柄「WM」を上段、中段、または下段の位置に表示させる図25(C)~図25(E)に示す位置であるが、ボーナスが重複して当選している場合においてメダルの払出数が同数となる停止位置の候補としてボーナスの入賞形態に係る図柄を表示する位置とボーナスの入賞形態に係る図柄を表示しない位置とが存在する場合には、ボーナスの入賞形態に係る図柄を表示する位置を優先する。すると払出優先制御によって停止位置を決定する場合には、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を構成する3番の赤7図柄「赤7」を上段に表示する図25(E)に示す位置で第1リールR1を停止させる必要がある。このように本実施の形態では、スイカがビッグボーナス(BB)と重複せずに当選した場合に停止した5番のスイカ図柄「WM」を上段に表示する停止位置がビッグボーナス(BB)と重複して当選している場合には払出優先制御では最優先の位置とはならない。
そこで本実施の形態では、図25(A)に示す押下検出位置に関しては個数優先制御によって停止位置を決定し、個数優先制御に基づく有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなる停止位置は、5番のスイカ図柄「WM」と6番のベル図柄B「BLB」とを同時に有効ライン上に表示する図25(C)に示す位置および図25(D)に示す位置となる。なお図25(E)に示す位置については、上段にビッグボーナス(BB)の入賞形態を構成する赤7図柄「赤7」を表示するとともに、下段に小役4の入賞形態を構成するスイカ図柄「WM」を表示することによって、2個の図柄組合せを有効ライン上に表示可能であるが、2個の図柄組合せのうち1個がボーナスに係る図柄組合せであり、「小役>ボーナス」の優先順位によって、2個の小役に係る図柄組合せを有効ライン上に表示可能とする図25(C)に示す位置および図25(D)に示す位置の方が図25(E)に示す位置よりも優先度が高い。そして本実施の形態では、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最多となる5番のスイカ図柄「WM」を上段に表示する図25(C)に示す位置を第1リールR1の停止位置として決定する。このように本実施の形態では、小役4の入賞形態を構成するスイカ図柄「WM」とビッグボーナス(BB)の入賞形態を構成する赤7図柄「赤7」とを同時に有効ライン上に表示可能な停止位置が第1リールR1に存在するが、小役4を含むスイカがビッグボーナス(BB)と重複して当選していても個数優先制御を利用してスイカ図柄「WM」と赤7図柄「赤7」とを同時に有効ライン上に表示する停止位置を避けてビッグボーナス(BB)と重複して当選していない場合と同じ停止位置を選択できるようになっている。なお本実施の形態では、第1リールR1の上段に6番のベル図柄B「BLB」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下された場合について説明をしたが、5番のスイカ図柄「WM」が上段に位置するタイミングでストップボタンB1が押下された場合においても個数優先制御によって停止位置を決定すると5番のスイカ図柄「WM」を上段に表示する停止位置で第1リールR1が停止する。
以上に述べた本実施の形態では、小役の当選態様として、役の取りこぼしが発生し得る小役4を含む複数種類の小役が重複して当選するスイカが設定されており、スイカがビッグボーナス(BB)と重複せずに当選する場合とビッグボーナス(BB)と重複して当選する場合とが存在し、スイカが当選した場合に、第1リールR1が最初に停止し、かつ第1リールR1を停止させるための停止操作が5番のスイカ図柄「WM」または6番のベル図柄B「BLB」が上段に位置するタイミングでストップボタンB1に対する停止操作が行われると、スイカがビッグボーナス(BB)と重複して当選しているか否かに関わらずに同一の停止位置で第1リールR1が停止する。このように本実施の形態では、ビッグボーナス(BB)の当選の有無に関わらずに同一のタイミングで行われた停止操作に関して同一の停止位置でリールを停止させることができるため、第1リールR1の停止形によってビッグボーナス(BB)と重複して当選しているか否かが容易に察知されなくなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお本実施の形態では、スイカの当選態様が小役8~小役10を含んでいる関係で、スイカとビッグボーナス(BB)とが重複して当選している場合に、第1リールR1を最初に停止させる場合に、個数優先制御ではなく払出優先制御で停止位置を求める場合が存在する。
例えば、第1リールR1の7番のリプレイ図柄「RP」が上段に位置するタイミングでストップボタンB1が押下された場合である。この場合には、9番のチェリー図柄「CH」が小役8~小役10の入賞形態を構成する図柄であるため、5番のスイカ図柄「WM」を有効ライン上に表示する場合よりも有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなる。このため第1リールR1の7番のリプレイ図柄「RP」が上段に位置するタイミングでストップボタンB1が押下された場合には、個数優先制御によってはスイカ図柄「WM」を有効ライン上に引き込むことができない。
そこでスイカとビッグボーナス(BB)とが重複して当選している場合に、第1リールR1を最初に停止させ、かつ第1リールR1の7番のリプレイ図柄「RP」が上段に位置するタイミングで押下された場合には、払出優先制御によって停止位置を決定して5番のスイカ図柄「WM」を有効ライン上に引き込む制御を行う。ただし、この場合には、スイカ図柄「WM」を赤7図柄「赤7」とともに有効ライン上に表示する必要が生じるため、3番の赤7図柄「赤7」を上段に表示するとともに、5番のスイカ図柄「WM」を下段に表示して、小役4およびビッグボーナス(BB)の入賞の可能性が残るように停止位置が決定される。
そしてスイカがビッグボーナス(BB)と重複せずに当選している場合には、ビッグボーナス(BB)の当選時と同じ停止位置となるように、第1リールR1の7番のリプレイ図柄「RP」が上段に位置するタイミングで押下された場合には、5番のスイカ図柄「WM」を下段に表示する位置で第1リールR1を停止するようにすることで、第1リールR1の停止形によってビッグボーナス(BB)の重複当選の有無を遊技者に察知されないようにすることができる。
このように本実施の形態では、スイカがビッグボーナス(BB)と重複して当選している場合に、第1リールR1の押下検出位置に応じて個数優先制御と払出優先制御とを使い分けることでビッグボーナス(BB)の重複当選の有無が遊技者に察知されないように停止位置を決定することができる。
また本実施の形態では、図26(A)に示すように、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せとして、2種類の図柄組合せが設定されており、いずれの図柄組合せが有効ライン上に表示されてもレギュラーボーナス(RB)の入賞となる。そして第1リールR1についてレギュラーボーナス(RB)の入賞形態を構成する図柄としてBAR図柄「BAR」と黒7図柄「黒7」とが4コマの間隔を空けて配列されており、BAR図柄「BAR」と黒7図柄「黒7」とをともに引き込み範囲内に含む押下検出位置が存在する。
そして本実施の形態では、レギュラーボーナス(RB)のみが当選している状況において、第1リールR1を停止させる際に、BAR図柄「BAR」と黒7図柄「黒7」との間に配置されているチェリー図柄「CH」の表示を避けつつ、BAR図柄「BAR」や黒7図柄「黒7」を表示させることを可能とする手法を採用している。
例えば、レギュラーボーナス(RB)が当選した遊技で、図26(B)に示すように、回転中の第1リールR1について、上段に11番のベル図柄A「BLA」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されると、この押下検出位置に対する引き込み範囲内には、8番のBAR図柄「BAR」と9番のチェリー図柄「CH」を同時に有効ライン上に表示する停止位置の候補が存在するが、11番のベル図柄A「BLA」が上段に位置する押下検出位置からBAR図柄「BAR」を引き込む場合には、必ず同時にチェリー図柄「CH」を有効ライン上に表示することを要する。このため、図26(B)に示す押下検出位置に対しては、図26(C)に示すように、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を構成する黒7図柄「黒7」を下段に表示する位置で第1リールR1を停止させることで、チェリー図柄「CH」の表示を回避しつつレギュラーボーナス(RB)の入賞を可能とする態様で第1リールR1を停止させることができる。
また例えば、レギュラーボーナス(RB)が当選した遊技で、図26(D)に示すように、回転中の第1リールR1について、上段に10番のスイカ図柄「WM」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されると、この押下検出位置に対する引き込み範囲内には、8番のBAR図柄「BAR」と9番のチェリー図柄「CH」を同時に有効ライン上に表示する停止位置の候補が存在するが、8番のBAR図柄「BAR」を下段まで引き込むことができる。このため、図26(D)に示す押下検出位置に対しては、図26(E)に示すように、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」を下段に表示する位置で第1リールR1を停止させることで、チェリー図柄「CH」の表示を回避しつつレギュラーボーナス(RB)の入賞を可能とする態様で第1リールR1を停止させることができる。
そして本実施の形態では、第1リールR1において、黒7図柄「黒7」はチェリー図柄「CH」と同時に有効ライン上に表示することができず、BAR図柄「BAR」はチェリー図柄「CH」と同時に有効ライン上に表示することができるような位置関係で配列されていることから、黒7図柄「黒7」を引き込み範囲に含むようにストップボタンB1が押下された場合には、黒7図柄「黒7」を上段、中段、または下段のいずれかに表示するように第1リールR1の停止位置を決定し、黒7図柄「黒7」を引き込み範囲に含まずBAR図柄「BAR」を引き込み範囲に含むようにストップボタンB1が押下された場合には、BAR図柄「BAR」を下段に表示するように第1リールR1の停止位置を決定する。これにより、レギュラーボーナス(RB)の入賞の可能性を残しつつ、チェリー図柄「CH」が有効ライン上に表示されることを避けるように第1リールR1を停止させることができる。
以上に述べた本実施の形態では、小役として小役8、小役9、および小役10が設定されており、小役8~小役10が重複して当選するチェリーの当選態様を得た遊技では、第1リールR1においてチェリー図柄「CH」を有効ライン上に表示させると、第2リールR2および第3リールR2を停止させるための停止操作が如何なる態様で行われても小役8と小役9または小役10のうち少なくとも一方とが入賞するようになっている。
また本実施の形態では、ボーナスとしてレギュラーボーナス(RB)が設定されており、レギュラーボーナス(RB)がチェリーと重複せずに当選している遊技では、第1リールR1を停止させるための停止操作がチェリー図柄「CH」を引き込み範囲に含むように行われると、BAR図柄「BAR」を有効ライン上に表示しつつチェリー図柄「CH」を有効ライン上に表示しない停止位置または黒7図柄「黒7」を有効ライン上に表示しつつチェリー図柄「CH」を有効ライン上に表示しない停止位置で第1リールR1を停止させる。
そして本実施の形態では、第1リールR1の外周面において、小役8~小役10の入賞形態を構成するチェリー図柄「CH」が、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」と黒7図柄「黒7」との間に位置するとともに、チェリー図柄「CH」をBAR図柄「BAR」とともに有効ライン上に表示可能である位置関係で各図柄が配列されているが、レギュラーボーナス(RB)がチェリーと重複せずに当選している遊技では、第1リールR1を停止させた時点で小役8~小役10の入賞形態の表示を回避することができるようになっている。このように本実施の形態では、レギュラーボーナス(RB)を入賞させるように第1リールR1を停止させる際に内部抽選で当選していない小役8~小役10が入賞の形態で表示されないように停止制御を工夫することでBAR図柄「BAR」をチェリー図柄「CH」と隣接させてもチェリー図柄「CH」を表示せずにレギュラーボーナス(RB)の入賞が可能な停止形を出現させることができ、図柄の配列自由度が向上し、遊技機の設計開発環境を向上させることができる。
なおチェリー図柄「CH」とBAR図柄「BAR」とは有効ライン上に同時表示できないがチェリー図柄「CH」と黒7図柄「黒7」とが有効ライン上に同時表示できるようにしていてもよいし、チェリー図柄「CH」とBAR図柄「BAR」との間隔を1コマとするとともに、チェリー図柄「CH」と黒7図柄「黒7」との間隔を1コマとして、チェリー図柄「CH」とBAR図柄「BAR」とが有効ライン上に同時表示される場合と、チェリー図柄「CH」と黒7図柄「黒7」とが有効ライン上に同時表示される場合とが存在していてもよいし、チェリー図柄「CH」がBAR図柄「BAR」および黒7図柄「黒7」の双方と隣接して配置されており、チェリー図柄「CH」、BAR図柄「BAR」、および黒7図柄「黒7」が有効ライン上に同時表示できるようにしてもよい。すなわちBAR図柄「BAR」と黒7図柄「黒7」との間隔が4コマ以内であって、チェリー図柄「CH」と、BAR図柄「BAR」および黒7図柄「黒7」の少なくとも一方とが有効ライン上に同時表示可能な配列であればよい。
また本実施の形態では、チェリーの当選態様が小役8~小役10を重複して当選させることにより実現させており、第1リールR1においてチェリー図柄「CH」を有効ライン上に表示させるように停止させると、第2リールR2および第3リールR3については如何なるタイミングで停止操作を行っても小役8~小役10のうち少なくとも2種類が入賞するようになっている。このように第2リールR2および第3リールR3については停止操作の内容が入賞の適否に関わらないようにするためには、図27(A)に示すように小役Xを設けることによっても実現できる。しかしながら本実施の形態のように第1リールR1においてレギュラーボーナス(RB)の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」と隣接してチェリー図柄「CH」を配置した図柄配列を採用すると、小役Xでは不都合が生じる。
この場合には、小役Xとレギュラーボーナス(RB)とが重複して当選している場合に、第1リールR1において、BAR図柄「BAR」を引き込み範囲に含むようにストップボタンB1が押下された場合に、BAR図柄「BAR」とチェリー図柄「CH」とを同時に有効ライン上に表示可能とする停止位置の優先度が高くなる。このため、第1リールR1においてBAR図柄「BAR」とチェリー図柄「CH」とを同時に有効ライン上に表示してしまうと、例えば、図27(B)に示すように、ボーナスであるレギュラーボーナス(RB)の入賞と、小役である小役Xの入賞とが同時に発生する不適切な停止形が出現し得るという不都合が生じる。
そこで、本実施の形態では、小役Xと同様の役割を小役8~小役10を重複して当選させることにより実現し、なおかつボーナスと小役の同時入賞といった不適切な停止形が出現しない停止制御を実行可能としている。
まず本実施の形態におけるチェリーの当選態様は、小役8~小役10を重複して当選させるように構成され、図28に示すように、小役8~小役10は、いずれも第1リールR1にチェリー図柄「CH」が割り当てられている小役であって、小役8については第3リールR3の停止態様が入賞判定に影響を与えない小役であって、小役9および小役10が第2リールR2の停止態様が入賞判定に影響を与えない小役となっている。
そして本実施の形態では、図8に示すように、第2リールR2において、いずれのタイミングでストップボタンB2が押下されても引き込み範囲内にベル図柄B「BLB」、特殊図柄「SP」、またはチェリー図柄「CH」のいずれかを含んでいるため、第1リールR1の有効ライン上の表示位置にチェリー図柄「CH」を表示させれば、第2リールR2および第3リールR3についてはストップボタンB2,B3が如何なるタイミングで押下されても小役8を入賞させる態様で停止させることができる。
また本実施の形態では、図8に示すように、第3リールR3において、いずれのタイミングでストップボタンB3が押下されても引き込み範囲内にリプレイ図柄「RP」またはベル図柄A「BLA」を含んでいるため、第1リールR1の有効ライン上の表示位置にチェリー図柄「CH」を表示させれば、第2リールR2および第3リールR3についてはストップボタンB2,B3が如何なるタイミングで押下されても小役9を入賞させる態様で停止させることができる。
また本実施の形態では、図8に示すように、第3リールR3において、いずれのタイミングでストップボタンB3が押下されても引き込み範囲内に白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、スイカ図柄「WM」、または黒7図柄「黒7」を含んでいるため、第1リールR1の有効ライン上にチェリー図柄「CH」を表示させれば、第2リールR2および第3リールR3についてはストップボタンB2,B3が如何なるタイミングで押下されても小役10を入賞させる態様で停止させることができる。
このように小役8~小役10は、図27(A)に示した小役Xと同様に、第1リールR1を停止させる際にチェリー図柄「CH」を引き込み範囲内に含むようなタイミングでストップボタンB1が押下されれば入賞が確定するようになっている。
そして本実施の形態では、小役8~小役10を含むチェリーと、レギュラーボーナス(RB)とが重複して当選している場合には、小役とボーナスとが同時に入賞するような停止態様を避けることができるように停止位置を決定する手法を採用している。
まずチェリーとレギュラーボーナス(RB)とが重複して当選した場合において、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況で、図29(A)に示すように、第1リールR1の上段に7番のリプレイ図柄「RP」が位置するタイミングでストップボタンB1が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図29(A)~図29(F)に示す通りである。
そして図29に示す例では、払出優先制御によってメダルの払出数が最も多くなる停止位置は、8番のBAR図柄「BAR」を中段に表示させてレギュラーボーナス(RB)を入賞可能とするとともに、9番のチェリー図柄「CH」を下段に表示させて図29(G)に示すように小役8~小役10を入賞可能とする図29(B)に示す位置である。また個数優先制御によって有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなる停止位置も、図29(H)に示すように、有効ライン上に表示可能となる小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数が9個であって、レギュラーボーナス(RB)の入賞可能性を残すことができる図29(B)に示す位置である。このように図29(A)に示す押下検出位置については、払出優先制御と個数優先制御とのいずれによって停止位置を決定しても図29(B)に示す位置の優先度が高くなり、この位置を第1リールR1の停止位置として決定する。そして図29(B)に示す位置で第1リールR1を停止させた場合においては、小役8~小役10およびレギュラーボーナス(RB)のそれぞれの入賞可能性が残されているため、第2リールR2や第3リールR3を停止させる際に小役とボーナスの同時入賞を回避する必要がある。
例えば、小役8~小役10およびレギュラーボーナス(RB)の入賞可能性が残された状態で第1リールR1が停止しており、第2リールR2および第3リールR3が回転している状況で、図30(A)に示すように、第2リールR2の上段に18番のスイカ図柄「WM」が位置するタイミングでストップボタンB2が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図30(B)~図30(F)に示す通りである。
そして図30に示す例では、払出優先制御によってメダルの払出数が最も多くなる停止位置は、15番のベル図柄A「BLA」を中段に表示させるとともに、16番のチェリー図柄「CH」を下段に表示させて図30(G)に示すように小役8~小役10を入賞可能とする図30(F)に示す位置である。また個数優先制御によって有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなる停止位置も、図30(H)に示すように、有効ライン上に表示可能となる小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数が7個である図30(B)に示す位置である。このように図30(A)に示す押下検出位置については、払出優先制御と個数優先制御とのいずれによって停止位置を決定しても図30(F)に示す位置の優先度が高くなり、この位置を第2リールR2の停止位置として決定する。これにより小役8~小役10については入賞の可能性を残しつつレギュラーボーナス(RB)の入賞を回避することができる。
また例えば、小役8~小役10およびレギュラーボーナス(RB)の入賞可能性が残された状態で第1リールR1が停止しており、第2リールR2および第3リールR3が回転している状況で、図31(A)に示すように、第3リールR3の上段に11番のベル図柄B「BLB」が位置するタイミングでストップボタンB3が押下されたとすると、この押下検出位置に対して0コマ~4コマの計5コマ分の引き込み範囲内の停止位置の候補は、図31(B)~図31(F)に示す通りである。
そして図31に示す例では、払出優先制御によってメダルの払出数が最も多くなる停止位置は、10番のリプレイ図柄「RP」を上段に表示させるとともに、12番のBAR図柄「BAR」を下段に表示させて図31(G)に示すように小役8~小役10を入賞可能とする図31(C)に示す位置である。また個数優先制御によって有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなる停止位置も、図31(G)に示すように、有効ライン上に表示可能となる小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数が5個である図31(C)に示す位置である。このように図31(A)に示す押下検出位置については、払出優先制御と個数優先制御とのいずれによって停止位置を決定しても図31(C)に示す位置の優先度が高くなり、この位置を第3リールR3の停止位置として決定する。なお図31(A)に示す押下検出位置に対しては、払出優先制御と個数優先制御とのいずれによって停止位置を決定しても優先度の高い位置として、8番の黒7図柄「黒7」を上段に表示させるとともに、10番のリプレイ図柄「RP」を下段に表示させる図31(D)に示す位置も該当し、この位置で第3リールR3を停止させてもよい。これにより小役8~小役10については入賞の可能性を残しつつレギュラーボーナス(RB)の入賞を回避することができる。
このように本実施の形態では、小役8~小役10によってチェリーの当選態様を構成することにより、第1リールR1においてBAR図柄「BAR」と隣接してチェリー図柄「CH」を配置するようにしても、第2リールR2または第3リールR3を停止させる際に、小役とボーナスの同時入賞が発生することを防ぐことができる。
また本実施形態のようにチェリーの当選態様を、第3リールR3を「ANY」とする小役8と第2リールR2を「ANY」とする小役9,10との重複する当選態様とすることは、入賞割合の調整の観点からもメリットが存在する。この入賞割合は、遊技機を市場に提供するために満たさなければならぬ技術上の規格で定められた小役に係る図柄組合せの割合に関する指標であり、内部抽選で抽選対象となる小役の種類を減らすと、小役の入賞に係る図柄組合せの数が減少する関係で入賞割合の下限を満たすことが難しくなるため、入賞割合の下限を満たすために、従来から「ANY」を割り当てた小役を設けることが慣用されている。
そして従来では、図32(A)に示す小役Xのように第1リールR1についてはチェリー図柄「CH」を指定しておき、第2リールR2および第3リールR3については「ANY」としていずれの図柄でも入賞が達成できるような小役に係る図柄組合せを用意して入賞割合の下限を満たすようにしていた。この場合、本実施の形態の図柄配列では、小役Xに係る図柄組合せの数は800となり、全ての図柄組合せの数である8000(20×20×20)に対する小役Xの入賞割合は、10.0%となる。
一方で、本実施の形態のチェリーの当選態様に含まれる小役8~小役10でも、図32(B)に示すように、小役に係る図柄組合せの数を760として、入賞割合を9.5%として小役Xと遜色ない数値を確保できる。さらに、この手法を応用すると、小役Xよりも入賞割合を大きくすることも可能であり、例えば、小役8について、第2リールR2について、黒7図柄「黒7」と赤7図柄「赤7」とを追加して割り当てれば、小役8~小役10に係る図柄組合せの数を840として入賞割合を10.5%まで引き上げることができる。このように第2リールR2に「ANY」を指定する小役と第3リールR3に「ANY」を指定する小役とを組み合わせることで、従来から慣用されてきた手法よりも入賞割合の調整がし易くなり、遊技機の設計開発環境を大きく向上させることができる。