JP6998192B2 - 結晶性樹脂成形体及び樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

結晶性樹脂成形体及び樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、結晶性樹脂成形体及び樹脂成形体の製造方法に関する。
樹脂は、金属と比較して低比重であり、錆にくく、加工性に優れる等の利点を有している。近年、射出成形技術やロボット技術による生産性の改善により、金属を樹脂に代替し、精密機器、家電機器、OA機器、自動車、工業用途及び雑貨等の部品に広範囲で用いられている。さらに樹脂の利用分野の拡大によって、樹脂成形体の実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、さらに軽量性を高める等の要求が高くなっているのが現状である。
そこで、樹脂成形体の軽量性や寸法精度を高めるために、一般には、ボス穴や貫通穴を肉盗みとして設ける試みや、全体を薄肉にしてリブで強度を補強したりする試みが成されている。
それに対して、特定の樹脂組成物を用いて樹脂自体の強度を向上させ、薄肉化や軽量化の改善を行う試みが成されている。例えば、ポリアセタール樹脂と特定の紡錘状炭酸カルシウムと脂肪酸エステルよりなるポリアセタール樹脂組成物を用いる技術(例えば、特許文献1参照。)、特定のウォラストナイトと、特定のエステル又はポリオキシアルキレングリコール化合物と、ポリオレフィン樹脂よりなるポリアセタール樹脂組成物を用いる技術(例えば、特許文献2参照。)、含まれる液晶性を保持した熱可塑性液晶樹脂を含むポリアミド樹脂成形品を用いる技術(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。
また、軽量化と強度等を改良するための技術として、特定の成形条件、成形方法を用いることによる改善の試みが成されている。例えば、強度を必要とする中実部と中空部を設けた中空成形品を用いる技術(例えば、特許文献4参照。)等が提案されている。
特開平05-051514号公報 国際公開第99/043751号 特開2002-241510号公報 特開2000-071275号公報
しかしながら、上記特許文献1~4に開示されている技術により得られる、穴を二つ以上有する射出成形された樹脂成形体において、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることに未だ改良の余地があった。
そこで、本発明においては、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めた樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の問題について鋭意研究を重ねた結果、穴を二つ以上有する射出成形された樹脂成形体において、その穴の開口部周囲の表面平滑性が特定の数値以下である樹脂成形体が、上記従来技術の問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる、結晶性樹脂成形体であって、
穴を二つ以上有し、
半数超の穴において、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが30μm以下であり、かつ穴の内壁にスキン層を有する
ことを特徴とする、結晶性樹脂成形体。
[2]
前記ポリアセタール樹脂組成物が充填材を含む、前記[1]に記載の結晶性樹脂成形体。
[3]
前記ポリアセタール樹脂組成物が外観改良剤を含む、前記[1]又は[2]に記載の結晶性樹脂成形体。
[4]
一箇所のみの樹脂流入部(ゲート部)を有する、前記[1]~[3]の何れかに記載の結晶性樹脂成形体。

前記ポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が1.5g/10分以上33.0g/10分以下である、前記[1]~[4]の何れかに記載の結晶性樹脂成形体。

ポリアセタール樹脂組成物を射出成形して樹脂成形体を成形することを含む、樹脂成形体の製造方法であって、
該射出成形において以下の工程:
ポリアセタール樹脂組成物の融点又は軟化点より5℃~80℃低い金型温度に設定した金型に、該ポリアセタール樹脂組成物を充填する工程と、
該充填したポリアセタール樹脂組成物の少なくとも中心部が溶融状態のときに、該金型内で該充填したポリアセタール樹脂組成物に穴を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、樹脂成形体の製造方法。

前記ポリアセタール樹脂組成物が、一箇所のみの樹脂流入部(ゲート部)から前記金型に充填される、前記[]に記載の樹脂成形体の製造方法。

前記金型温度が、前記ポリアセタール樹脂組成物の融点又は軟化点より10℃~75℃低い、前記[]又は[]に記載の樹脂成形体の製造方法。

前記射出成形として、エジェクタ圧縮射出成形及び/又は射出圧縮成形を用いて、穴を形成する、前記[]~[]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
10
前記穴を形成した後、射出圧により樹脂組成物の供給を継続する工程をさらに含む、前記[]~[]のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
本発明によれば、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めた樹脂成形体を得ることができる。
本実施形態の製造方法によらない樹脂成形体の一例として、肉盗みのない金型を用いた通常成形により製造したギアの一例を示す写真である。 本実施形態の製造方法によらない樹脂成形体の一例として、肉盗みのある金型を用いた通常成形により製造したギアの一例を示す写真である。 本発明の一実施形態の製造方法による樹脂成形体の一例として、型内肉盗み成形を行って製造したギアの一例を示す写真である。 本発明の一実施形態の製造方法において、型内肉盗み成形で肉盗みを行う場合の先端の一例の概略図を示す。 本発明の一実施形態の製造方法において、型内肉盗み成形で肉盗みを行う場合の先端の他の一例の概略図を示す。 本発明の一実施形態の製造方法において、型内肉盗み成形で肉盗みを行う場合の先端の他の一例の概略図を示す。 本発明の一実施形態の製造方法において、型内肉盗み成形で肉盗みを行う場合の先端の他の一例の概略図を示す。 樹脂成形体がギアの場合のウェブに設けた3点ゲートの一例を示す。 樹脂成形体がギアの場合の軸穴周辺のリブ部分に設けた3点ゲートの一例を示す。 樹脂成形体がギアの場合の軸穴周辺のリブ部分に設けたリング状フィルムゲートの一例を示す。 エジェクタ圧縮成形を応用した型内肉盗み成形の一例の概略図を示す。 射出圧縮成形を応用した型内肉盗み成形の一例の概略図を示す。 肉盗み周辺の測定部位の一例の概略図を示す。 表面粗さ測定結果の一例を示す。 表面粗さ測定結果の他の一例を示す。 結晶性樹脂を用いて、肉盗みとして型内肉盗み成形を用いて形成した穴の内壁の結晶状態の写真の一例を示す。 例にて用いた耐久試験機の写真の一例を示す。 例にて用いた耐久試験機の図の一例を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、図を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、各図面に示す位置関係に基づくものとし、さらに各構成要素の寸法及び比率は、図示された寸法及び比率に限定されるものではない。
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、結晶性樹脂組成物を成形してなり、穴を二つ以上有し、半数超の穴において、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが30μm以下であり、半数超の穴の内壁にスキン層を有する。
本実施形態の樹脂成形体の製造方法は、成形金型に樹脂組成物を充填する工程、充填した樹脂組成物の少なくとも中心部が溶融状態のときに該金型内で穴を形成する工程、を含む。
以下に本実施形態の樹脂成形体を構成する樹脂組成物、樹脂成形体の製造方法、樹脂成形体及びその使用用途について、順次詳細に説明する。
〔結晶性樹脂成形体を構成する結晶性樹脂組成物〕
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、結晶性樹脂組成物により構成される。また、本実施形態の結晶性樹脂成形体は、充填材を含むことが好ましい。さらに、前記結晶性樹脂成形体は、外観改良剤を含むことが好ましい。特には、ポリアセタール樹脂組成物から構成されることが好ましく、当該ポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、1.5g/10分以上33.0g/10以下であることが好ましい。
[樹脂]
本実施形態の結晶性樹脂成形体を構成する結晶性樹脂組成物は、必須樹脂成分として、結晶性樹脂を含む。
含まれる結晶性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。
これらの中でも、ポリオレフィン、ポリアセタール樹脂、ポリアミド、ポリエステルが好ましい。
結晶性樹脂の含有量は、結晶性樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量100質量%に対して、70質量%~100質量%であり、75質量%~100質量%であることが好ましく、80質量%~100質量%であることがより好ましい。
これら結晶性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る結晶性樹脂組成物は、成形して得られる結晶性樹脂成形体がスキン層を有する限りは、任意樹脂成分として、非結晶樹脂及び熱硬化性樹脂から選択される1種以上を含んでもよい。具体的には、本実施形態に係る結晶性樹脂組成物が、任意樹脂成分として、非結晶樹脂を単独で含んでもよく、熱硬化性樹脂を単独で含んでもよく、非結晶樹脂と熱硬化性樹脂との組み合わせを含んでもよい。
これら任意樹脂成分の含有量は、結晶性樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量100質量%に対して、0質量%~30質量%であり、0質量%~25質量%であることが好ましく、0質量%~20質量%であることがより好ましい。
非結晶樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、アクリルニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリル樹脂(PMMA等)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、環状ポリオレフィン、フッ素樹脂(PTFE等)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶性ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。
これら非結晶樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、熱硬化性ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)、 アルキド樹脂等が挙げられる。
これら熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[充填材]
また、本実施形態の結晶性樹脂成形体を構成する結晶性樹脂組成物は、強度・剛性、耐久性を高めるため、各種充填材を含むことが好ましい。充填材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無機・有機の充填材が挙げられる。
無機系充填材としては、例えば、金属粉(アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銀等)、酸化物(酸化ケイ素/シリカ・ガラス粉・ガラスバルーン・ガラスファイバー、酸化鉄、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛等)、水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、珪酸塩(タルク、マイカ、クレイ、ベントナイト等)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等)、カーボン系物質(カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー等)、硫酸塩、窒化ホウ素、窒化珪素等が挙げられる。
有機系充填材としては、例えば、天然物系(リンター、木材、籾殻、絹、皮革等)や合成系(アラミド、テフロン(登録商標)、ビスコース、合成セルロース等)が挙げられる。
上記無機・有機の充填材の形状は、粉末状、鱗片状、板状、針状、球状、繊維状、テトラポッド状等があげられる。中でも物性のバラツキを考慮すると、粉末状、球状、板状等L/D比が0.2~5.0の粒子状のものが好ましく、L/D比は、さらに0.3~3.0が好ましく、特に0.5~2.0が好ましい。ここで、L/D比は、短径又は厚みのうち小さい方(D)に対する長径(L)の比を指す。
上記無機・有機の充填材は、樹脂との親和性を向上させるために、公知の表面処理剤を併用してもよい。表面処理剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、さらには脂肪酸(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸)、脂環族カルボン酸及び樹脂酸や金属石鹸、樹脂類等が挙げられる。
表面処理剤の添加量は、無機・有機の充填材100質量%に対して3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
上記無機・有機の充填材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
充填材の含有量は、特に限定されないが、結晶性樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量100質量部に対して、0質量部~40質量部であることが好ましく、0質量部~35質量部であることがさらに好ましく、0質量部~30質量部であることがより好ましい。充填材の含有量が前記範囲内であれば、樹脂成形体の強度・剛性、耐久性を十分高めることができる。
[外観改良剤]
また、本実施形態の樹脂成形体を構成する結晶性樹脂組成物は、意匠性を高めるため各種外観改良剤を含むことが好ましい。外観改良剤とは、着色に用いる物質のことであり、特定の波長の光を選択的に吸収、反射、散乱させたり、新たな波長の光を生み出したりすることで、樹脂成形体の外観に変化をもたらす機能を有する物質である。外観改良剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無機顔料や有機顔料、染料等が挙げることができる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、白色顔料(例えば、ルチル、アナターゼ若しくは板チタン石の3つの結晶型での二酸化チタン、鉛白、亜鉛白、亜鉛スルフィド、又はリトポン);黒色顔料(例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄、鉄マンガンブラック又はスピネルブラック);酸化クロムのようなクロム顔料、酸化クロム水和物グリーン、コバルトグリーン又はウルトラマリーングリーン、コバルトブルー、鉄ブルー、ミロリブルー、ウルトラマリーンブルー又はマンガンブルー、ウルトラマリーンバイオレット又はコバルト又はマンガンバイオレット;赤色酸化鉄、カドミウムスルホセレニド、モリブデートレッド又はウルトラマリーンレッド;褐色酸化鉄、混合ブラウン、スピネル相及びコランダム相又はクロムオレンジ;黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、カドミウムスルフィド、カドミウム亜鉛スルフィド、クロムイエロー、亜鉛イエロー、アルカリ土類金属クロメート、ナポリ黄、ビスマスバナデート;干渉顔料のようなエフェクト顔料;珪酸亜鉛や硫化ストロンチウム等の蛍光顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉等の金属粉顔料;等が挙げられる。
その他の無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、顔料ホワイト6、顔料ホワイト7、顔料ブラック7、顔料ブラック11、顔料ブラック22、顔料ブラック27/30、顔料イエロー34、顔料イエロー35/37、顔料イエロー42、顔料イエロー53、顔料ブラウン24、顔料イエロー119、顔料イエロー184、顔料オレンジ20、顔料オレンジ75、顔料ブラウン6、顔料ブラウン29、顔料ブラウン31、顔料イエロー164、顔料レッド101、顔料レッド104、顔料レッド108、顔料レッド265、顔料バイオレット15、顔料ブルー28/36、顔料ブルー29、顔料グリーン17、顔料グリーン26/50等が挙げられる。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、アニリンブラック、アントラピリミジン顔料、アゾメチン顔料、アントラキノン顔料、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、インドリノン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ピラントロン顔料、フタロシアニン顔料、チオインジゴ顔料、トリアリールカルボニウム顔料、又は金属錯体顔料等が挙げられる。
その他の有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.(カラーインデックス)顔料イエロー93、C.I.顔料イエロー95、C.I.顔料イエロー138、C.I.顔料イエロー139、C.I.顔料イエロー155、C.I.顔料イエロー162、C.I.顔料イエロー168、C.I.顔料イエロー180、C.I.顔料イエロー183、C.I.顔料レッド44、C.I.顔料レッド170、C.I.顔料レッド202、C.I.顔料レッド214、C.I.顔料レッド254、C.I.顔料レッド264、C.I.顔料レッド272、C.I.顔料レッド48:2、C.I.顔料レッド48:3、C.I.顔料レッド53:1、C.I.顔料レッド57:1、C.I.顔料グリーン7、C.I.顔料ブルー15:1、C.I.顔料ブルー15:3、C.I.顔料バイオレット19等が挙げられる。
染料としては、特に限定されないが、例えば、樹脂に使用される分散染料、油性染料等が挙げられる。
上述した中で、特に本実施形態の樹脂成形体に含まれる外観改良剤として効果が大きく好ましいものは、無機顔料、特に金属粉顔料である。
上記外観改良剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
外観改良剤の含有量は、特に限定されないが、結晶性樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量100質量部に対して、0質量部~15質量部であることが好ましく、0質量部~12質量部であることがさらに好ましく、0質量部~10質量部であることがより好ましい。外観改良剤の含有量が前記範囲内であれば、後述する効果を十分に発揮することができる。
外観改良剤には分散性に劣るものがあり、外観改良剤と樹脂の組合せ、配合濃度や成形条件等により、目視による外観観察で色ムラがみられることがある。よって、樹脂組成物中に外観改良剤を均一に分布させるため、分散助剤をさらに配合してもよい。また、高濃度の外観改良剤をポリマー状キャリヤー等に混合することにより得られた着色剤濃縮物(マスターバッチ)を用いてもよい。また着色時の樹脂組成物の安定性を高めるために外観改良剤に熱安定剤等を含んでもよい。
本実施形態の結晶性樹脂成形体が外観改良剤を含むことにより、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めた樹脂成形体を得ることができるだけでなく、色ムラやフローマーク等の外観が向上された樹脂成形体を得ることができる場合がある。
[その他の添加剤]
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、その他の添加剤として、以下に限定されるものではないが、例えば、酸化防止剤、安定剤、耐候(光)剤、潤滑剤・離型剤、導電剤・帯電防止剤、等を含んでもかまわない。
上記その他の添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の添加剤の合計含有量は、特に限定されないが、結晶性樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量100質量部に対して、0.01質量部~10質量部であることが好ましく、0.05質量部~8質量部であることがさらに好ましく、0.1質量部~5質量部であることがより好ましい。
[ポリアセタール樹脂組成物]
特に、本実施形態の結晶性樹脂成形体が機構部品や意匠部品に用いられる場合、その化学的特性、機械的特性、寸法安定性等から、結晶性樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂組成物であることが好ましい。
本実施形態に係るポリアセタール樹脂組成物は、必須樹脂成分として、ポリアセタール樹脂を含む。ポリアセタール樹脂は、ホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。
ポリアセタール樹脂の含有量は、ポリアセタール樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量100質量%に対して、70質量%~100質量%であり、75質量%~100質量%であることが好ましく、80質量%~100質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係るポリアセタール樹脂組成物は、成形して得られる結晶性樹脂成形体がスキン層を有する限りは、任意樹脂成分として、他の結晶性樹脂、非結晶樹脂、及び熱硬化性樹脂から選択される1種以上を含んでもよい。具体的には、本実施形態に係るポリアセタール樹脂組成物は、任意樹脂成分として、他の結晶性樹脂を単独で含んでもよく、非結晶樹脂を単独で含んでもよく、熱硬化性樹脂を単独で含んでもよく、他の結晶性樹脂と非結晶樹脂との組み合わせ、他の結晶性樹脂と熱硬化性樹脂との組み合わせ、非結晶樹脂と熱硬化性樹脂との組み合わせ、又は他の結晶性樹脂と非結晶樹脂と熱硬化性樹脂とを含んでもよい。
これら任意樹脂成分の含有量は、ポリアセタール樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量100質量%に対して、0質量%~30質量%であり、0質量%~25質量%であることが好ましく、0質量%~20質量%であることがより好ましい。
他の結晶性樹脂としては、上述した結晶性樹脂の具体例のうち、ポリアセタール樹脂を除き、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非結晶樹脂としては、上述した非結晶樹脂の具体例のうち、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂としては、上述した熱硬化性樹脂の具体例のうち、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の結晶性樹脂成形体を構成する結晶性樹脂組成物がポリアセタール樹脂組成物である場合、当該ポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、1.5g/10分以上33g/10分以下であることが好ましく、1.6g/10分以上32g/10分以下であることがより好ましく、1.7g/10分以上20g/10分以下であることがさらに好ましい。
このポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートは、ISO1133(条件D・温度190℃)に準拠して測定する。
上記範囲のメルトフローレートのポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂の重合触媒と連鎖移動剤のバランスをとったり、前記種々の添加剤の添加量を調整したりすることにより得ることができる。
本実施形態の樹脂成形体を構成する樹脂組成物がポリアセタール樹脂組成物である場合、上記好ましいメルトフローレートとすることにより、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
本実施形態に係る結晶性樹脂組成物としては、結晶性樹脂成形体を用いてもよい。例えば、既に製造した結晶性樹脂成形体を粉砕することにより得られたフレークを結晶性樹脂組成物として使用してもよく、フレークの一部を新たに得られた結晶性樹脂組成物に添加して用いてもよい。
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、上記好ましい結晶性樹脂組成物を用いることにより、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
〔樹脂成形体の製造方法〕
本実施形態の樹脂成形体の製造方法は、型内肉盗み成形を含む。型内肉盗み成形とは、射出成形の途中で、金型に充填された樹脂組成物が完全に固化する前に穴を形成する肉抜き加工を行う成形方法をいう。より具体的には、射出成形において、樹脂組成物の融点又は軟化点より5℃~80℃低い金型温度に設定した金型に樹脂組成物を充填する工程と、充填した樹脂組成物の少なくとも中心部が溶融状態のときに金型内で穴を形成する工程と、を含む。これにより、穴を二つ以上有し、半数超の穴において、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが30μm以下であり、穴の内壁にスキン層を有する樹脂成形体が得られる傾向を示す。また、本実施形態の製造方法では、一箇所のみの樹脂流入部(ゲート部)から樹脂組成物を充填することが好ましい。また、本実施形態の製造方法では、射出成形としてエジェクタ圧縮射出成形及び/又は射出圧縮成形を用いて、穴を形成することが好ましい。本実施形態の製造方法では、穴を形成した後、射出圧により樹脂組成物の供給を継続する工程を更に含むことが好ましい。
本実施形態の製造方法は、樹脂組成物を射出成形して樹脂成形体を成形することを含む。射出成形法としては、例えば、通常の射出成形(通常成形)、エジェクタ圧縮成形、射出圧縮成形、加飾成形、多色成形、ガスアシスト射出成形、発泡射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)、ホットランナー成形等の射出成形方法の何れかによって成形することができ、また幾つかを組み合わせてもよい。特に生産性の面から、エジェクタ圧縮成形、射出圧縮成形、ホットランナー成形を組み合わせて用いることが好ましい。
図1に、樹脂成形体が、軸穴を除き肉盗みのない金型を用いた通常成形によるギアの一例を示す。
また、図2に樹脂成形体が、射出成形開始時から樹脂成形体に軸穴以外にも穴を形成する、すなわち、予め肉盗みのある金型を用いた通常成形によるギアの一例を示す。
ここで、射出成形技術として、図1や図2に示すギアの製造手法である通常成形について説明する。
通常成形とは、一般的な射出成形のことで、軟化する温度に加熱した樹脂を、射出圧を加えて金型に押込み、型に充填して成形体を得る。射出成形には射出成形機を用い、これは射出ユニットと型締めユニットを有す。射出ユニットでは、ホッパーから投入された樹脂を加熱溶融させ、成形体に必要な樹脂量を計量し射出する。このとき射出ユニット先端(ノズル)を出た溶融樹脂は、スプルーから金型内に入り、ランナー・ゲートを経て、成形体の形状に空いた空洞、すなわちキャビティ内に充填される。充填は、射出速度を制御した後、射出圧力(保圧力)で制御し、キャビティ内を樹脂で満たす。型締ユニットでは、温調が可能な金型を用いて射出圧力以上の型締め力で金型を閉じ、この状態で充填された溶融樹脂を冷却し、溶融樹脂を固化させ、金型を開いた後成形体を突き出し(エジェクタ)、成形体を金型から取り出す。このようにして、金型のキャビティ形状の成形体を得ることができる。
一方、図3に、本実施形態の樹脂成形体の製造方法を用いて製造した、ギアの一例を示す。図2のような予め肉盗みのある金型を用いて軽量化を図った樹脂成形体と比べると、図3のような型内肉盗み成形による樹脂成形体の表面性は改善される傾向を示す。
以下、本実施形態の製造方法について、より具体的に説明する。
本実施形態の製造方法に用いる樹脂組成物は、必須成分として樹脂を含む。
前記樹脂組成物に含まれる樹脂としては、結晶性樹脂に限らず、非結晶樹脂を用いてもよい。例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン(PE、PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、アクリルニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリル樹脂(PMMA等)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリエステル(PET、PBT等)、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、フッ素樹脂(PTFE等)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶性ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、熱硬化性ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)、 アルキド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物に含まれる樹脂100質量%に対して、0質量%~30質量%であり、0質量%~25質量%であることが好ましく、0質量%~20質量%であることがより好ましい。
本実施形態の製造方法に用いる樹脂組成物は、任意成分として、充填材、外観改良剤、その他の添加剤などを含んでもよい。これら充填材、外観改良剤、その他の添加剤としては、特に限定されず、例えば、結晶性樹脂組成物について上述した種類のものを上述した含有量で用いてもよい。
また、本実施形態の製造方法に用いる樹脂組成物として、上述した結晶性樹脂組成物、例えば、ポリアセタール樹脂組成物などを用いてもよい。
本実施形態の製造方法では、射出成形する際の金型温度を樹脂組成物の融点(融点が存在しない樹脂組成物に関しては軟化点)より5℃~80℃低い温度として樹脂組成物を成形する。金型温度は、樹脂組成物の融点又は軟化点より、10℃~75℃低いことが好ましく、15℃~70℃低いことがよりに好ましい。
樹脂成形品を構成する樹脂組成物の融点又は軟化点は、示差式走査熱量計(DSC:例えば、Parkin Elmer社製/DSC-2C、NETZSCH社製/DSC350等)を用いて、ISO11357に準拠して求める。
従来は、生産性を高めようとすると、金型温度を常温付近にし、固化を早めゲートシール時間を短くすることで、樹脂成形体を取り出すまでの成形サイクルを短縮する傾向にあった。一方、樹脂成形体の表面性を考慮すると、融点又は軟化点近傍にすることが有効である。
そこで、本実施形態の製造方法では、金型温度を前記好ましい範囲として樹脂組成物を成形することにより、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めた樹脂成形体を得ることができる傾向を示す。樹脂組成物に含まれる樹脂の種類によっては、上記金型温度範囲を上限として金型のヒート&クール制御を併用してもかまわない。
本実施形態の製造方法では、充填した樹脂組成物の少なくとも中心部が溶融状態のときに、充填した樹脂組成物に金型内で穴を形成する工程を含む。具体的には、最終製品としての樹脂成形体(以下、「最終成形体」とも称する)を100質量%として、80質量%以上の樹脂組成物を金型に充填した後、樹脂組成物の少なくとも中心部が未だ溶融状態のときに金型内で樹脂組成物に穴を形成する型内肉盗み成形を行うことが好ましく、90質量%以上の充填後がより好ましく、95質量%以上の充填後が更に好ましい。ここで、「樹脂組成物の少なくとも中心部が未だ溶融状態のとき」とは、金型に充填された樹脂組成物がゲートシールしていない状態であり、金型内で樹脂組成物に穴を形成したときに割れが生じず、過負荷により穴の形成が困難でない状態を指す。一方、樹脂組成物の中心部で樹脂の固化が進むと、穴の形成時に割れが生じたり、穴の形成時に過負荷がかかり穴の形成が困難となる。
従来から、予め肉盗みを有する金型を用いて上述の通常成形を行う製造方法(例えば、図2のギア)が存在する。この従来の製造方法では、金型の肉盗み部(突出部分)を回り込むように樹脂組成物が充填されるため、樹脂組成物同士の合流点が発生し、この合流点が樹脂成形体における表面粗さ(最大谷深さRv)増大及び耐久性低下の原因となる。さらに、樹脂組成物がアスペクト比の大きい充填材を含む場合は、樹脂組成物同士の合流点で充填材の配向が乱れるため、表面粗さ増大及び耐久性低下の傾向はより顕著となる。
一方、本実施形態の製造方法では、射出成形の途中で、具体的には、樹脂組成物の金型への充填がある程度が進行した後に、金型内に充填した樹脂組成物に半数超の穴を形成する型内肉盗みを行うことで、上述する樹脂組成物同士の合流点を発生させず、表面平滑性及び耐久性に優れた樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態の製造方法では、何らか公知の動力を用いて、金型内で、充填した樹脂組成物を厚み方向に圧縮除去することで、穴を形成すればよい。
また、穴の形成は、一段階で行ってもよく、形成する穴の数に応じて、多段階で行ってもよい。
特に限定されないが、本実施形態の製造方法では、射出成形として、エジェクタ圧縮射出成形及び/又は射出圧縮成形を用いて、穴を形成することが好ましい。具体的には、射出成形として、エジェクタ圧縮射出成形と射出圧縮成形のいずれか一方を実施してもよく、それらの両方を併用してもよい。
例えば、エジェクタ圧縮射出成形と射出圧縮成形のいずれか一方のみを用いて一段階又は多段階で穴を形成してもよく、エジェクタ圧縮射出成形と射出圧縮成形を併用して一段階又は多段階で穴を形成してもよい
図11に、本実施形態の一例として、横型射出成形機を用い、エジェクタ圧縮成形を用い、かつ圧縮のタイミングを工夫して、型内肉盗みを行う成形イメージの例を示す。図11に示す金型は、雌型(「キャビティプレート」とも称される)と雄型(「コアプレート」とも称される)とから構成される2枚金型であり、右側が雌型で固定されており、左側が雄型で可動する。
本実施形態の製造方法におけるエジェクタ圧縮成形では、例えば、(1)で示すように、完全に閉じた金型の内部の空洞部(「キャビティ部」とも称する)に樹脂組成物を充填し、(2)で示すように、キャビティ部が完全に充填される前に、雄型に具備された穴形成用のエジェクタピンを矢印方向に突き出して、樹脂組成物に穴を形成する。次いで、(3)に示すように、保圧により樹脂組成物をキャビティ部に完全に充填させた後、(4)に示すように、エジェクタピンを戻す。
なお、本明細書中において、エジェクタピンは、閉じた金型内に突出して穴を形成する部品の例であり、同様の機能を有する部品であれば、名称、形状、配設位置等は問わない。また、エジェクタピンは、雄型と雌型のいずれか一方に具備されていてもよく、雄型及び雌型の両方に具備されていてもよい。
金型は、雌型が可動して雄型が固定される金型であってもよい。
図12に、本実施形態の別の一例として、横型射出成形機を用い、射出圧縮成形を用い、かつ圧縮のタイミングを工夫して、型内肉盗みを行う成形イメージの例を示す。図12に示す金型も、雌型(「キャビティプレート」とも称される)と雄型(「コアプレート」とも称される)とから構成される2枚金型であり、右側が雌型で固定されており、左側が雄型で可動する。
本実施形態の製造方法における射出圧縮成形では、例えば、(1)で示すように、完全には閉じていない半閉じの金型のキャビティ部に樹脂組成物を充填し、(2)で示すように、雄型を雌型方向に移動させて型締めを行いながら、雄型の突出部分(肉盗み部)でキャビティ内の樹脂組成物に穴を形成する。次いで、(3)に示すように、保圧等により樹脂組成物をキャビティ部に完全に充填して固化した後、(4)に示すように、雄型を戻して型を開き、樹脂成形体を取り出す。
金型は、雌型が可動して雄型が固定される金型であってもよい。
また、樹脂組成物に穴を形成する突出部分は、雄型と雌型のいずれか一方に具備されていてもよく、雄型及び雌型の両方に具備されていてもよい。
エジェクタ圧縮射出成形と射出圧縮成形との併用としては、特に限定されないが、例えば、図12(1)で示すように突出部分を有する金型を半閉じにした状態で樹脂組成物を充填し、図12(2)の型締めの前に、図11(2)で示すエジェクタピンの突き出しを行う実施形態や、図12(2)の型締めを行いながら同時に図11(2)で示すエジェクタピンの突き出しを行う実施形態等が挙げられる。
また、上述するエジェクタピンや突出部分(肉盗み部)等の、充填した樹脂組成物を圧縮除去して穴を形成する部品又は部分の先端部は、図11や図12に示すような突き当て形状でも構わないが、先端形状を工夫しても構わない。例えば、図4~図6に示すように、穴を形成する凹凸を設けてもよい。
穴を形成する部品又は部分が突出する方向に位置する部分(受け部)の金型形状は、図4~図6に示すように、先端部の形状に合わせてもよく、図7に示すように、受け部が一時内部に入り込むような構造であってもよい。
樹脂成形体において、穴を形成する表面は、特に限定せず、例えば、平面、曲面、断差部、テーパー部などが挙げられる。
金型内での穴の形成には、最終成形体以外のキャビ部(捨てキャビ部)を付帯してもよい。捨てキャビ部は、金型解放後、型開き時の衝撃によって除去してもよく、3枚金型の使用や金型に捨てキャビ内樹脂排出機構を備える等により機械的に除去してもよい。
上記成形方法を活用することにより、樹脂成形体の表面性は改善され、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
本実施形態の製造方法は、射出成形する際の金型製品部への樹脂流入部(ゲート部)が一箇所であることが好ましい。ここでいう樹脂流入部とは、射出成形機ノズルから射出され溶融した樹脂組成物が、スプルー、ランナーを通り、金型製品部(製品キャビティ/樹脂成形体の金型空洞部)に入る部分のことをいう。樹脂流入部の種類には、以下に限定されるものではないが、例えば、ダイレクトゲート、サイドゲート、ピンゲート、フィルムゲート、スリーブゲート、バルブゲート等が挙げられる。タブゲートやファンゲート等についても金型製品部に樹脂組成物が流入する入口部分を指す。特には、ピンゲート、フィルムゲート、リングゲート、スリーブゲート等が好ましい。さらには金型開放時に自動でゲートが切れる金型構造が好ましい。
図8~10に、樹脂成形体がギアの場合のゲートデザインのイメージ例を示す。
図8は樹脂の流動長を短くするようにギアのウェブにゲート3点を設けた場合、図9は軸穴周辺のリブ部分に3点ゲートを設けた場合、図10は軸穴周辺のリブ部分に設けたリング状フィルムゲートを設けた場合で、図10の方がより樹脂を充填する際の流路を単純にすることができる。すなわち、本実施形態の樹脂成形体は、樹脂流入部(ゲート部)を一点に近づけていく、または一箇所とすることにより樹脂成形体の表面性は改善され、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
また、ゲートの位置としては、製造する成形体が点対称の形状であれば、成形体の中心に近い方が成形体の表面性が良好となるため好ましい。
本実施形態の製造方法では、上記穴を形成した後、さらに射出圧により樹脂組成物の供給を継続することが好ましい。前記穴を形成し、残りの樹脂組成物を射出圧により充填し形状を整える。このとき、最大射出圧力を設定し、これ以下の一次圧力で射出成形を行い、金型内で穴を形成後、一次圧力の70%以上、又は樹脂成形体の形状やゲートの形状によってはそれ以上の圧力で樹脂組成物の充填を完了し、樹脂成形体を得ることが好ましい。 従来の射出成形では、圧力を加えて溶融樹脂をある程度金型内に充填させ、保圧時は最大射出圧力から60%以下に下げて暫くその圧力を維持することで、ゲート付近の変形やクラックを抑制しながら充填を完了させることが多かった。
そこで、本実施形態の製造方法では、バリが発生していないことを確認しながら、樹脂成形体の金型転写を向上するため保圧時も高い充填圧で樹脂成形体を得ることが好ましい。本実施形態の製造方法では、上記条件にて射出成形を行うことにより、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めた樹脂成形体を得ることができる傾向を示す。
また、本実施形態の製造方法は、エジェクタ圧縮成形及び/又は射出圧縮成形を用いる場合、シャットオフ機構を有するノズルを用いて、樹脂組成物を充填することが好ましい。エジェクタ圧縮成形及び/又は射出圧縮成形では、樹脂組成物を充填し圧縮工程に入ると型内の圧力が射出圧を上回る場合があり、このようなときは樹脂組成物の逆流を防ぐためシャットオフ機構を有するノズル又は同様な機構の金型を用いることが好ましい。場合により最終成形体の100質量%以上の樹脂組成物を予め充填することとなる。また、100質量%を超える場合は、必要となる最終成形体の形状以外のキャビ部(捨てキャビ部)を設ける必要がある。本実施形態の製造方法で製造した樹脂成形体は、これらの機構を用いることにより、より高い圧力を溶融樹脂にかけることが可能となるため、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
〔結晶性樹脂成形体〕
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、穴を二つ以上有し、半数超の穴の開口部において開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが30μm以下であり、半数超の穴の内壁にスキン層を有する。また、上記樹脂成形体は、一箇所のみの樹脂流入部(ゲート部)を有することが好ましい。
穴が二つ以上の場合、上記技術を組み合わせることにより、より良好な効果が得られる傾向を示す。
以下、本実施形態の結晶性樹脂成形体について、より具体的に説明する。
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、肉盗みにより軽量性や寸法精度を高めたり、別の機能を付与したりするために、二つ以上の穴を有する。
本実施形態における穴とは、貫通穴(例えば、軸穴など)であっても、非貫通穴(例えば、ボス穴など)であってもよく、本実施形態の樹脂成形体が有する二つ以上の穴は、全てが貫通穴であってもよく、全てが非貫通穴であってもよく、貫通穴と非貫通穴との組み合わせであってもよい。
本実施形態における穴は、結晶性樹脂成形体が本来有する機能を果たすための穴も、当該機能とは無関係な穴も含む。より具体的には、軸穴等のように別の部品と接合するための穴も、肉盗み穴等のような軽量化等のための穴も含む。
穴の内部(凹み)の立体形状(三次元形状)は、特に限定されず、円柱形、直方形、その他いずれの立体形状であってもよい。穴が非貫通穴である場合、穴の底は、いかなる平面形状(二次元形状)を有していてもよい。
また、本実施形態における開口部とは、結晶性樹脂成形体の表面上に存在する、穴の入り口部分を意味する。
本実施形態における穴が、非貫通穴である場合は、開口部から穴の底までの最長深さが0.5mm以上のものを指す。ここで、最長深さとは、当該開口部の縁に任意の2点以上で接する平面から、垂直方向に穴の凹みの深さを計測した距離のうち最長のものである。
また、穴の開口部は、樹脂成形体の表面上で閉じた形状を有する。よって、例えば、ギアの歯の刻み目などは、穴から除外される。
開口部の形状(二次元形状)は、特に限定されず、円形、矩形、リング状、その他いずれの形状であってもよい。
本実施形態の樹脂成形体は、半数超の穴について、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域の表面平滑性における最大谷深さRvが30μm以下である。
ここで、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域とは、穴の開口部の縁から外側方向へ5mmの距離で囲まれる周囲領域を意味する。
1個の穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域内では、当該開口部に対して極力同じ平面上で最大谷深さRvを測定する。例えば、図2に示すようなギアにおいて、1個の穴の開口部がウェブにある場合は、ウェブ表面上の当該開口部の周囲領域内で測定位置を選定する。穴が軸穴の場合は、軸穴の開口部の周囲に位置するリブ表面上の周囲領域内で測定位置を選定する。
本実施形態の樹脂成形体の穴の半数超とは、穴が二か所であれば二つ、四か所であれば三つ以上である。例えば、図2のようなギアの場合、穴はウェブに18か所と軸穴とで19か所あるので、この半数超、すなわち10か所以上の穴が本実施形態では表面平滑性の条件を満たすこととなる。
穴が非貫通穴である場合には、全ての穴の開口部について縁から5mm以内の周囲領域内の最大谷深さRvを測定する。
穴が貫通穴である場合には、2つの開口部のうち、任意の一方の開口部について、縁から5mm以内の周囲領域内の最大谷深さRvを測定すればよい。
開口部の周囲領域の表面平滑性についての最大谷深さRvは、JIS B 0601:2013で定義されている「粗さ曲線の最大谷深さRv」である。その評価には、接触型の表面粗さ計(例えば、(株)東京精密社製「サーフコムシリーズ」や(株)ミツトヨ社製「サーフテストシリーズ」等)やレーザー顕微鏡タイプ非接触型表面粗さ計(例えば、(株)キーエンス社製「VRシリーズ」やレーザーテック(株)社製「オプテリクスシリーズ」等)を用いることができる。これら表面粗さ計により、開口部の縁から5mm以内の周囲領域内において、縁からの距離が同程度の任意位置の表面粗さを測定して、得られた断面曲線から求められる粗さ曲線の平均線に対して最大谷深さRvが30μm以下であり、16μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがより更に好ましい。最大谷深さRvは、下限値が0μmである。
図13に樹脂成形体の肉盗み周辺の測定部位の例を示す。
図13左図から1個の穴を選択し、図13右図で示すように、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvを測定した。白抜きの六角形は、表面粗さ計の測定子(プローブ)が直線的に移動する場合の測定部位を示す。六角形の頂点から穴の開口部の縁までの垂直距離が5mm以下である。
また、図13右図中、白抜き矢印で示された2辺についての測定例を図14及び図15に示す。
図14は、図13右図の六角形の左上斜辺部分を測定した粗さ曲線である。この測定部分には、筋状のフローマークが含まれているため、粗さ曲線にはフローマーク箇所に対応する30μm超の大きな谷が認められる。
一方、図15は、図13右図の六角形の上辺部分を測定した粗さ曲線である。この測定部分には、フローマークが含まれないため、粗さ曲線には目だった谷が認められない。
また、図1に示すギアの軸穴や、図2に示すギアの軸穴や肉盗み穴のように、予め肉盗みを有する金型を用いて形成される穴では、金型の肉盗み部(突出部分)を回り込むように樹脂組成物が充填されるため、穴の周囲に樹脂組成物同士の合流点が発生して、穴の開口部の周囲領域の最大谷深さRvを30μm超に増大させる。さらに、樹脂組成物がアスペクト比の大きい充填材を含む場合は、樹脂組成物同士の合流点で充填材の配向が乱れるため、最大谷深さRvの増大及び耐久性低下の傾向はより顕著となる。
一方、図3に示すギアのように、射出成形の途中で金型内に充填した樹脂組成物に半数超の穴を形成する型内肉盗みを行うことで、肉盗み穴の周囲に樹脂組成物同士の合流点を発生させず、穴の開口部の周囲領域の最大谷深さRvを30μm以下とすることができる。
つまり、本実施形態の結晶性樹脂成形体において、開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが30μm以下である穴は、予め肉盗みを有する金型を用いて形成された穴ではなく、型内肉盗みによって形成された穴か、又は後加工によって形成された穴であるといえる。
このように、樹脂成形体の開口部から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが前記範囲であることにより、本実施形態の樹脂成形体は、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる。
結晶性樹脂成形体の穴の開口部が存在する表面の状態は、光沢を有したものでも、各種シボ加工を施したものでもよく、その状態は結晶性樹脂成形体の全体または一部であってもかまわない。そして、結晶性樹脂成形体がデザインや機能性付与によりシボ部分や段差部分等を有する場合、実質的にこの影響を排除して行う。よって、断面曲線からカットオフ0.2~1.2でうねりを除去した粗さ曲線を使用したり、段差部分は高低部を別々に測定したりする。
また、本実施形態の結晶性樹脂成形体は、前記半数超の穴の内壁にスキン層を有する。スキン層とは射出成形を行った際、樹脂組成物に含まれる溶融した樹脂が金型に接触して急冷されることにより、樹脂の結晶の成長が抑制されて形成された部位のことをいう。
図16に、肉盗みとして型内肉盗み成形を用いて形成した穴の断面の結晶状態を、偏光顕微鏡にて50倍で観察した結果を示す。スキン層は、図16のように、金型に触れた穴の内壁の表層部に縁取りしたような層として10μmから数百μm程度の厚みで観察される。
スキン層は、上述するように、穴の断面の結晶状態を偏光顕微鏡にて拡大観察することによって、確認することができる。また、スキン層は樹脂の結晶の成長が抑制されることにより、樹脂の結晶が成長した部分(例えば、ゆっくり冷却された成形体の中心部分)と比べて、融点が低かったり、密度が低かったりするため、これらを測定することでも確認することができる。
なお、従来技術において、射出成形により樹脂成形体を得た後、軽量化のための肉盗み穴を機械的な後加工等により設けることがあるが、一般に後加工品により設けられた穴の内壁では、溶融した樹脂と金型との接触がないため、樹脂の溶融及び急冷により形成されるスキン層はみられない。
すなわち、結晶性樹脂成形体において、内壁にスキン層を有する穴は、後加工等により設けられた穴ではなく、型内肉盗みによって形成された穴か、又は予め肉盗みを有する金型を用いて形成された穴であるといえる。
つまり、本実施形態の結晶性樹脂成形体において、開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが30μm以下であり、かつ、内壁にスキン層を有する、半数超の穴は、型内肉盗みによって形成された穴であるといえる。
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、機械加工による痕跡がなく、バリが低減される傾向がある。さらに、後加工品は通常の射出成形を行った樹脂成形体を得た後に穴を設けるため、一回の射出成形に比べ生産性が低下する。
また、本実施形態の結晶性樹脂成形体は、一箇所のみの樹脂流入部(ゲート部)を有することが好ましい。樹脂流入部(ゲート部)が一箇所のみであることにより、結晶性樹脂成形体の表面性は改善され、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
また、本実施形態の結晶性樹脂成形体は、最薄部の厚みが0.5mm以上であることにより、本発明の軽量性を高める効果がより発現される傾向にある。さらに最薄部の厚みは0.8mm以上であることがより好ましく、1.0mm以上であることが特に好ましい。樹脂成形体の最薄部の厚みが前記であることにより、本実施形態の結晶性樹脂成形体は、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
本実施形態の結晶性樹脂成形体は、特に限定されないが、上述する樹脂成形体の製造方法において、樹脂組成物として上述の結晶性樹脂組成物を用い、半数超の穴を型内肉盗みによって形成することにより、好適に製造することができる。
〔使用用途〕
本実施形態の樹脂成形体は、機構部品及び/又は意匠部品に用いることにより、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示すという効果がより発現される。
本実施形態の樹脂成形体が用いられる機構部品としては、機械的運動を伴う部品、運動を伝達・変換する部品、接合する部品等が挙げられる。機械的運動を伴う部品、運動を伝達・変換する部品とは、回転運動、又は直線運動することによりその機能を発する部品であり、その形状は限定されるものではない。ここでの運動とは、回転運動、正転・反転運動、間欠回転運動、直線運動は、連続運動、間欠運動、往復運動、又はこれらを組合せた運動等が挙げられる。接合する部品とは、部品の一部又は全体が変形をすることで生じる反力を利用する等した嵌合機構を有する部品が挙げられる。本実施形態の樹脂成形体は、機構部品全体であってもよく、また機構部品の一部であってもよい。
本実施形態の樹脂成形体が用いられる意匠部品としては、主として製品の外側に装備され使用される部品、及び外部から視認できる箇所に装備される部品のことをいうが、またこれに準じて部品の色やフローマークが部品や製品の品位に影響を与えたり、これらの検査を行ったりしている部品を含む。本実施形態の樹脂成形体は、意匠部品全てであってもよく、またその一部であってもよい。
本実施形態の樹脂成形体が用いられる機構部品及び/又は意匠部品としては、車両部品(例えば、鉄道や自動車等の部品)、電気・電子部品(例えば、OA機器や音楽・映像、情報機器、通信機器等に備えられる部品)、工業部品(例えば、搬送や組み付け等のFA機器等に備えられる部品やその周辺部品)、医療機器や健康器具や美容機器の部品、家具やデザインインテリア設備・住宅設備機器等の部品、生活雑貨(服や靴や帽子等の衣料品、化粧品類、玩具や文具やスポーツ用品等の部品)の部品が挙げられる。
以下、本発明を、実施例と比較例を挙げて説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において、樹脂成形体を構成する樹脂組成物として、機構部品や意匠部品に用いられるポリアセタール樹脂を用いた。以下に評価に使用したポリアセタール樹脂組成物、樹脂成形体の製造方法、樹脂成形体の基礎評価、樹脂成形体の性能評価について順次説明する。
〔ポリアセタール樹脂組成物(P)〕
ポリアセタール樹脂組成物(P)を調製するための原料としては、下記の(A)ポリアセタール樹脂、(B)充填材又は顔料、(C)その他の添加剤を用いた。
((A)ポリアセタール樹脂)
(重合工程)
熱媒を通すことのできるジャケット付セルフ・クリーニングタイプの二軸パドル型連続混合反応機(スクリュー径3インチ、径に対する長さの比(L/D)=10)を80℃に調整した。主モノマーとしてトリオキサンを3750g/hr、コモノマーとして1,3-ジオキソランを約135g/hr連続混合反応機に連続的にフィードし、オキシメチレン基に対しオキシエチレン基が1.35mol%となるようにした。また連鎖移動剤(メチラール)は、1~20g/hrの範囲で表1に示すメルトフローレート(MFR)の樹脂組成物が得られるように調整を行い、連続混合反応機に連続的にフィードした。重合触媒として三フッ化ホウ素ジ-n-ブチルエーテラートの1質量%シクロヘキサン溶液を、当該触媒がトリオキサン1molに対して2.0×10-5molとなるように、連続混合反応機に添加して重合を行い、重合フレークを得た。
(末端安定化工程)
得られた重合フレークを粉砕した後、トリエチルアミン1質量%水溶液中に、前記粉砕物を投入して1時間撹拌し、重合触媒を失活させた。その後、この重合フレークを含むトリエチルアミン水溶液を遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥し、乾燥ポリマーを得た。
次に、得られた乾燥ポリマーを用いて末端安定化を以下のとおり実施した。ベント付きスクリュー型二軸押出機((株)プラスチック工学研究所製、BT-30、L/D=44、設定温度200℃、回転数80rpm)の前段部分に、得られた乾燥ポリマーを添加し、さらに当該乾燥ポリマー100質量部に対して0.5質量部の水を添加し、ポリマー末端を安定化させつつ減圧脱気を行って、安定化ポリアセタール樹脂(A)を得た。
(造粒工程)
得られた安定化ポリアセタール樹脂(A)は、窒素雰囲気下のギアオーブン(105℃設定)にて品温が100℃以上を確認して12時間乾燥を行った。
その他の添加剤として下記(C1)、(C2)を2:1でヘンシェルミキサーにて1分間混合した。得られた混合物を、安定化ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.4質量部となるように、真空ベント付きスクリュー型二軸押出機((株)プラスチック工学研究所製、BT-30、L/D=44、L:二軸押出機の原料供給口から排出口までの距離、D:二軸押出機の内径)にてスクリュー回転数100rpmとし、22アンペア以下でダイスからの溶融した樹脂温度が205±2℃となるように溶融混練し、表1に示すような(C)その他の添加剤を含むポリアセタール樹脂のペレットを得た。
原料投入からポリアセタール樹脂ペレット採取まで、酸素の混入を避けるように操作を行った。
((B)充填材又は顔料)
(B)充填材又は顔料として、以下の(B1)~(B3)を用いた。
(B1):電気化学工業社製窒化ホウ素 デンカボロンナイトライド(SP-2平均粒径5μm/充填材)
(B2):電気化学工業社製カーボンブラック デンカブラック(無機顔料/黒色顔料)
(B3):旭化成メタルズ社製アルミニウム シルビーズ(登録商標)M050-AP(無機顔料/金属粉顔料)
((C)その他の添加剤)
(C)その他添加剤として、以下の(C1)及び(C2)を用いた。
(C1):酸化防止剤/イルガノックス245(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)
(C2):熱安定剤/H-3(旭化成ファインケム(株)社製)
<ポリアセタ-ル樹脂組成物(P)の製造>
実施例と比較例に用いたポリアセタール樹脂組成物(P)の製造工程について説明する。 上記(C)その他の添加剤を含むポリアセタール樹脂のペレットと、(B)充填材又は顔料を表1の割合で混合した後、ベント付きスクリュー型二軸押出機((株)プラスチック工業研究所製:BT-30、L/D=44、設定温度=200℃、回転数=100rpm)を用いて、24アンペアで前記混合物を溶融混練して、ポリアセタール樹脂組成物(P)のペレット状サンプルを得た。
なお、樹脂組成物P1は、(C)その他の添加剤を含むポリアセタール樹脂(A)のペレットのみから製造し、(B)充填材又は顔料を混合しなかった。
樹脂組成物P2~P4は、ポリアセタール樹脂(A)の重合時に連鎖移動剤(メチラール)の添加量を調整して得た、樹脂組成物P1とメルトフローレートが異なる(C)その他の添加剤を含むポリアセタール樹脂(A)のペレットのみを用いて製造し、(B)充填材又は顔料を混合しなかった。
樹脂組成物P5~P7は、樹脂組成物P1で使用したものと同じ(C)その他の添加剤を含むポリアセタール樹脂(A)のペレットを用い、表1に示す(B)充填材又は顔料を混合して製造した。
得られたペレットの融点を、示差式走査熱量計(NETZSCH社製/DSC350)を用いて、ISO11357に準拠して求めた。すべてのポリアセタール樹脂組成物は、融点が165~166℃の間であった。
〔樹脂成形体の製造方法〕
樹脂成形体の製造は、上記ポリアセタール樹脂組成物(P)を用いて、射出成形機(FANUC Roboshot(登録商標) i50B型、ファナック(株)製)にて、シリンダー温度200℃、最大射出圧力500kgf/cm2とし、金型温度としては、表1に示す設定温度にて実施した。保圧時間及び冷却時間としては、30sec迄目安に樹脂組成物が十分に充填され、バリが発生していないことを確認しながら実施した。
用いた樹脂成形体の形状、射出成形方法、金型ゲートデザインについて以下に説明する。 また、〔実施例〕及び〔比較例〕の各樹脂成形体を製造した際の成形体形状、製造方法(成形方法・金型温度)、ゲートデザインについて下記表1に示す。
(成形体形状)
成形体形状A・・・図1に示すような平歯車(緒元:モジュールm=0.8、歯数Z=50、歯厚b=5mm、ウェブ厚み=2mm、軸穴径=8mm、軸穴周辺リブ=2mm)
成形体形状B・・・図2示すような肉盗みを施した形状の平歯車(緒元:モジュールm=0.8、歯数Z=50、歯厚b=5mm、ウェブ厚み=2mm、軸穴径=8mm、軸穴周辺リブ=2mm、直径3mm×14か所と直径2.5mm×4か所を円形に肉盗み)
(射出成形方法)
成形方法A-1・・・肉盗みのない金型を用いた通常成形(射出・射出圧力の95%で保圧・冷却)
成形方法A-2・・・肉盗みのある金型を用いた通常成形(射出・射出圧力の95%で保圧・冷却)
成形方法B・・・図11に示すような型内肉盗み成形(エジェクタ圧縮成形:射出・重量で98%充填したところでエジェクタピンによる肉盗み実施・射出圧力の95%で保圧・冷却)
(金型ゲートデザイン)
ゲートA・・・図8に示すようなギア軸穴中心から直径20mmの位置に1.2Φ×3個のピンゲート
ゲートB・・・図9に示すようなギア軸穴中心から直径10mmの位置(軸受のリブ部中央)に1.2Φ×3個のピンゲート
ゲートC・・・図10に示すようなギア軸穴中心から直径10mmの位置(軸受のリブ部中央)にリング状の0.5mmフィルムゲート
〔樹脂成形体の基礎評価〕
得られた樹脂成形体の基礎評価として、樹脂成形体の表面性、樹脂成形体を構成する樹脂組成物のメルトフローレート、開口部のスキン層の有無について、以下の通り評価を行った。
(樹脂成形体の表面性の評価 最大谷深さRv)
樹脂成形体の表面性の評価は、図13に示すように、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvを測定することで行った。Rvの測定は、接触型の表面粗さ計((株)東京精密社製サーフコム)を用いた。測定は10か所の穴について実施し、得られた10のRv測定値の中での最大値を測定結果として下記表1に示す。
(樹脂成形体を構成する樹脂組成物のメルトフローレートの評価 MFR)
樹脂成形体を構成する樹脂組成物のメルトフローレートの測定には、上記得られたポリアセタール樹脂成形体を粉砕することにより得られるフレークを用いた。このフレークを80℃、2時間ギアオーブン(エスペック(株)社製、GPH-102)にて乾燥した。乾燥したフレークをメルトインデクサ(東洋精機(株)社製、F-W01)を用いて、ISO1133(条件D・温度190℃)に準拠して、ポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを測定した。得られた結果を表1に示す。
(樹脂成形体の穴の内壁のスキン層の有無)
樹脂成形体の半分超の穴の内壁のスキン層の有無は、図16に示すように、樹脂成形体の穴断面の結晶性を偏光顕微鏡にて観察することにより行った。穴断面の結晶性の観察は、ミクロトーム(LEICA社製RM2245)を用いて、開口部に対して垂直に薄片を切り出し、これを偏光顕微鏡(LEICA社製DM4000B)にて50倍~100倍の倍率で観察して、穴の内壁のスキン層の有無を評価した。結果を下記表1に示す。
〔樹脂成形体の性能評価〕
上記により得られた樹脂成形体について、以下のとおり樹脂成形体の生産性、樹脂成形体の耐久性(ギア耐久性)、樹脂成形体の軽量性(成形体の質量)の評価を行った。
評価結果を、下記表1に示した。
(樹脂成形体の生産性の評価)
樹脂成形体の生産性の評価を、以下の参考例1の成形機への原料である樹脂組成物の投入から最終形状の成形体の入手までに要した時間と比較して、以下のように規定した。以下の評価基準に従って生産性評価を行った。
評価基準
◎:参考例1と比して、大変良好の場合(時間短縮が10%以上)
○:参考例1と比して、良好の場合(時間短縮が5%以上10%未満)
◇:参考例1と比して、同等(50秒)のレベルであった場合(時間短縮が5%未満又は延長が10%未満/47.5~55秒)
△:参考例1と比して、低下した場合(時間延長が10%以上20%未満)
×:参考例1と比して、大きく低下した場合(時間延長が20%以上80%未満)
(樹脂成形体の耐久性の評価)
樹脂成形体の耐久性の評価には、ギア耐久性試験により実施した。試験には、図17に示すような軸間を調整できる歯車耐久試験機で、試験条件により適当な駆動用のモータ、トルクを負荷する動力吸収式(電磁クラッチ/ブレーキ)の歯車耐久試験機(高トルクギア耐久試験機NS-1、(有)中川製作所製)を用いて、評価を行った。試験機は図18の概略図に示すように駆動モータ(a1)に軸(a2)を介して、平歯金属歯車(A)(モジュール:0.8、Z:48mm、歯幅:10mm)が設置され、任意の回転速度で運転できるようになっている。この金属歯車(A)と試験歯車(B)は、軸間として各歯車半径に0.02mmの遊びをとり噛み合わされている。試験歯車(B)は軸(b2)を介して動力吸収装置(b1)に接続し任意の負荷トルクを与えられる構造となっている。試験は、室温23℃、湿度50%の恒温室で行った。
樹脂成形体の耐久性については、トルク25kgfcmを負荷し477rpmで回転させたときの寿命時間(歯が破壊する等で回転が継続できず、動力を伝達できなくなるまでの時間)を測定し、以下の基準で評価した。評価はn=3で行ない、その平均値を評価値とした。
AAA:参考例1と比して、非常に大変良好の場合(寿命時間が170%以上)
AA:参考例1と比して、大変良好の場合(寿命時間が150%以上170%未満)
A:参考例1と比して、良好の場合(寿命時間が130%以上150%未満)
B:参考例1と比して、やや良好の場合(寿命時間が110%以上130%未満)
C:参考例1と比して、同等(51時間)のレベルであった場合(寿命時間が80%以上110%未満)
D:参考例1と比して、低下した場合(寿命時間が80%未満)
(樹脂成形体の軽量性(成形体の質量)の評価)
樹脂成形体の軽量性の評価は、樹脂成形体の質量(参考例4は軸穴部に加えて開口部を機械加工により設けた後加工品の質量)を測定し行った。得られた樹脂成形体を23℃、湿度50%の恒温室で48時間状態調整を行った後秤量し、以下の基準で評価した。評価はn=3で行ない、その平均値を評価値とした。
◎:参考例1と比して、良好の場合(質量が参考例1の95%未満)
◇:参考例1(5.08g)と比して、同等の場合(質量が参考例1の95%以上105%未満)
×:参考例1と比して、低下した場合(質量が参考例1の105%以上)
Figure 0006998192000001
表1中の記号*、**、***は、以下を意味する。
*:成形体の形状がAで、開口部は軸穴部一つのため、軸穴周辺部の谷深さは測定せず。軸穴部の開口は通常成形の為、スキン層は確認された。
**:射出成形を実施後、後加工にて開口部を設けたため最終形状の成形体の入手までに参考例1と比較し大幅に時間を要した。
***:成形体の金型からの離型不良が頻発し、安定したサンプル採取が困難であった。
〔実施例1~6、比較例1~5、参考例1~4〕
実施例1~6及び比較例1~5、参考例1~4で得られた樹脂成形体の性能評価を表1に示す。これより本願が規定する最大谷深さRvとすることで、樹脂成形体は実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる。また、本願が規定する製造方法により得られた樹脂成形体は、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる。
参考例1~4は、穴が軸穴部だけの樹脂成形体の評価結果であるため軽量性は高められていないが、ゲート種類により耐久性を高めることができる傾向を示す。参考例4は、参考例3で得られた穴を2か所以上有していない樹脂成形体を機械加工により二か所以上の穴とした後加工品である。これは耐久性を維持し軽量性を高めることができるが、実用上十分な生産性を維持することができない。
〔実施例5、7~9〕
実施例5及び7~9で得られた樹脂成形体の性能評価を表1に示す。これより樹脂組成物がポリアセタール樹脂の場合、本願の好ましいメルトフローレート(MFR)とすることにより、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
〔実施例10~12、比較例6~8〕
実施例10~12及び比較例6~8で得られた樹脂成形体の性能評価を表1に示す。これより樹脂組成物が充填材や顔料を含む場合でも、実用上十分な生産性と耐久性のバランスを維持し、軽量性を高めることができる傾向を示す。
(a1)・・・駆動モータ
(a2)・・・軸受支持台
(a3)・・・回転計
(b1)・・・軸受支持台
(b2)・・・動力吸収装置
(b3)・・・トルク計
(A)・・・・金属歯車
(B)・・・・試験歯車

Claims (10)

  1. ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる、結晶性樹脂成形体であって、
    穴を二つ以上有し、
    半数超の穴において、穴の開口部の縁から5mm以内の周囲領域の最大谷深さRvが30μm以下であり、かつ穴の内壁にスキン層を有する
    ことを特徴とする、結晶性樹脂成形体。
  2. 前記ポリアセタール樹脂組成物が充填材を含む、請求項1に記載の結晶性樹脂成形体。
  3. 前記ポリアセタール樹脂組成物が外観改良剤を含む、請求項1又は2に記載の結晶性樹脂成形体。
  4. 一箇所のみの樹脂流入部(ゲート部)を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の結晶性樹脂成形体。
  5. 前記ポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が1.5g/10分以上33.0g/10分以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の結晶性樹脂成形体。
  6. ポリアセタール樹脂組成物を射出成形して樹脂成形体を成形することを含む、樹脂成形体の製造方法であって、
    該射出成形において以下の工程:
    ポリアセタール樹脂組成物の融点又は軟化点より5℃~80℃低い金型温度に設定した金型に、該ポリアセタール樹脂組成物を充填する工程と、
    該充填したポリアセタール樹脂組成物の少なくとも中心部が溶融状態のときに、該金型内で該充填したポリアセタール樹脂組成物に穴を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、樹脂成形体の製造方法。
  7. 前記ポリアセタール樹脂組成物が、一箇所のみの樹脂流入部(ゲート部)から前記金型に充填される、請求項6に記載の樹脂成形体の製造方法。
  8. 前記金型温度が、前記ポリアセタール樹脂組成物の融点又は軟化点より10℃~75℃低い、請求項又はに記載の樹脂成形体の製造方法。
  9. 前記射出成形として、エジェクタ圧縮射出成形及び/又は射出圧縮成形を用いて、穴を形成する、請求項のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
  10. 前記穴を形成した後、射出圧により樹脂組成物の供給を継続する工程をさらに含む、請求項のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
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