JP6997254B2 - 伸縮性シート、及び該伸縮性シートを備えた吸収性物品 - Google Patents

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本発明は伸縮性シートに関する。また本発明は、該伸縮性シートを備えた吸収性物品に関する。
おむつ等の吸収性物品に用いられるシートとして、2枚のシート間に糸ゴム等の弾性部材を伸長状態で接合してなる伸縮性シートが知られている。例えば特許文献1には、不織布どうしの間に平行に並べた複数の弾性伸縮部材を挟み込んだ状態で、該不織布どうしを間欠的に溶着することにより、弾性伸縮部材を固定した伸縮性シートが記載されている。この弾性伸縮部材は、その直径方向の両側部近傍において、不織布どうしの溶着部分によって閉鎖された断面空間内に配され、該弾性伸縮部材の外面と前記閉鎖された空間を形成するシートとの摩擦力によって、固定されている。
特許文献2には、一対のシート状部材間に弾性部材が取り付けられた伸縮性シートが記載されている。斯かるシートは、一対のシート状部材間において伸長状態の弾性部材の端部を各シート状部材に接着剤で固定し、該一対のシート状部材の対向面同士を溶着した後、これを切断することにより得られる。この弾性部材は、前記切断に伴いCD方向に拡大して、該弾性部材の両側の溶着部分によって挟圧され、一対のシート状部材間に取り付けられる。
特開2008-154998号公報 国際公開第2018/122970号パンフレット
伸縮性シートをおむつの外面を形成する外装体に使用する場合、着用者の胴回りに対するフィット性を高める観点から、弾性部材の延びる方向と着用者の胴周り方向とを一致させた状態にすることが望ましい。一方、立位状態の着用者がおむつを着用する際、通常、レッグ開口部に脚を通した後に、おむつのウエスト開口部近傍部分をウエスト側に引っ張る動作が行われる。特許文献1及び2に記載の伸縮性シートでは、前記動作によって弾性部材の延びる方向と直交する方向に該シートが引っ張られると、溶着部分間で固定された弾性部材が外れ、伸縮性シートの伸縮性が低下し、おむつの胴周り部分のフィット性が損なわれる虞がある。
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る伸縮性シート、及び該伸縮性シートを備えた吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、繊維シートからなる第1シートと、該第1シートと対向して配置され且つ繊維シートからなる第2シートと、両シート間に伸長状態で配置され且つ一方向に延びる弾性部材とを有し、該弾性部材の延びる方向に沿って伸縮性を有する伸縮性シートであって、第1シートと第2シートとは、前記弾性部材を挟んで該弾性部材の両側に位置し且つ該弾性部材の延びる方向に沿って間隔を置いて形成された複数の融着部によって接合されており、前記弾性部材は、該弾性部材を挟んで該弾性部材の両側に位置する前記融着部、第1シート、及び第2シートによって画成された空間において、該弾性部材の表面と第1シート及び第2シートとの摩擦のみによって両シート間に固定されており、前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、第2シートが該弾性部材と接する長さよりも、第1シートが該弾性部材と接する長さの方が長くなっており、前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、第2シートが、前記弾性部材と厚み方向で重なる領域に、前記直交する方向における中央部が、該中央部を挟む両側部に比して構成繊維間の空隙率が相対的に高い空隙率変化領域を有しており、
前記空隙率変化領域では、構成繊維の一部は、繊維形態を喪失して溶融固化した状態となっており、且つ構成繊維の残部は繊維形態が維持されている、伸縮性シートを提供するものである。
また、本発明は、吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置する外装体とからなる吸収性物品であって、前記外装体が、前記伸縮性シートを含んでいる、吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、伸縮性シートの弾性部材の延びる方向と直交する方向の引張りに対し、弾性部材の固定が解除され難い伸縮性シート及び吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の伸縮性シートの一実施形態を示す一部破断平面図である。 図2は、図1に示す伸縮性シートの要部を拡大して示す平面図である。 図3は、図1に示す伸縮性シートの要部を拡大して示す、Y方向に沿う断面図である。 図4は、図1に示す伸縮性シートを外装体に用いたおむつを着用する際の着用者の動作を示す図である。 図5は、図1に示す伸縮性シートをY方向に引っ張った際の、同方向に沿う断面図である。 図6は、従来の伸縮性シートをY方向に引っ張った際の、同方向に沿う断面図である。 図7は、図1に示す伸縮性シートが弛緩した状態を示す斜視図である。 図8は、本発明に係る空隙率変化領域の一例の顕微鏡像である。 図9は、本発明の伸縮性シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。 図10は、図9に示す装置における要部拡大図である。 図11は、図10に示す第1当接部の拡大図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の伸縮性シートの一実施形態が示されている。同図は、伸縮性シート10を引き伸ばして最大伸長状態にしたときの一部破断平面図である。最大伸長状態とは、後述する各弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法)となるまで伸縮性シート10を構成する第1シート11及び第2シート12を引き伸ばした状態のことである。なお、図1に示す破断部分においては後述する第1融着部15a,15bを省略してある。
上述したとおり、伸縮性シート10は、第1シート11、及び該第1シートと対向配置される第2シート12を有する。2枚のシート11,12の間には糸ゴム等の線状の弾性部材13が複数本配置されている。具体的には、複数の弾性部材13が、所定の間隔を空けて間欠的に配されている。複数本の弾性部材13は互いに交差せずに一方向に延びている。図1には、各弾性部材13が互いに平行に延びている状態が示されている。各弾性部材13は、2枚のシート11,12の間に伸長状態で固定されている。以下の説明において、弾性部材13の延びる方向をX方向ともいう。また、弾性部材13の延びる方向と直交する方向をY方向ともいう。
第1シート11は繊維シートからなる。第1シート11は親水性の繊維シート又は疎水性の繊維シートであり得る。親水性の繊維シートは、該繊維シートの任意の箇所から採取した構成繊維の水との接触角が90度未満となるものである。疎水性の繊維シートは、該繊維シートの任意の箇所から採取した構成繊維の水との接触角が90度以上となるものである。繊維の水との接触角の測定は、例えば特開2015-142721号公報の記載の方法に従って行うことができる。後述する融着部の形成を容易にする観点から、第1シートは、熱融着性の樹脂からなる合成繊維に親水性を付与した繊維を構成繊維として含む親水性不織布であることが好ましい。熱融着性の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。繊維シートを構成する繊維は、表面のみが熱融着性の樹脂からなる芯鞘型の複合繊維等であってもよい。
第2シート12も繊維シートからなる。第2シート12は、第1シート11と同様に、親水性の繊維シートであってもよく、あるいは疎水性の繊維シートであってもよい。前記と同様の観点から、第2シート12は、前述した熱融着性の樹脂からなる合成繊維を構成繊維として含むシートであることが好ましい。第1シート11と第2シート12とでは、形成材料が同一でもよく、あるいは異なっていてもよい。
図1に示すとおり、第1シート11及び第2シート12は複数の融着部によって接合されている。融着部において両シート11,12は融着している。「融着」とは、熱によって両シート11,12に溶融部分が生じ、該溶融部分どうしが混ざり合った後に冷却することで当該部分が一体的に結合することをいう。本実施形態の伸縮性シート10は、融着部として、弾性部材13を挟んで該弾性部材13の両側に位置する一対の第1融着部15a,15bと、Y方向における一対の第1融着部15a,15bどうしの間に位置する第2融着部16a,16bを複数有している。第1融着部15a,15b及び第2融着部16a,16bの各融着部は、弾性部材13の延びる方向、即ちX方向に沿って間隔を置いて形成されている。第2融着部16は、Y方向における一対の第1融着部15a,15bどうしの間に、2つ並んで配置されている。各融着部15a,15b,16a,16bは互いに離間しており、且つこれらがこの順でY方向に沿って列をなすように配置されている。このように融着部を配置することで、伸縮性シート10の各面において後述する襞を形成することができる。
弾性部材13は、該弾性部材13を挟んで該弾性部材13の両側に位置する第1融着部15a,15b間において、第1シート11及び第2シート12との摩擦のみによって両シート11,12の間に固定されている。第1融着部15a,15b間では、Y方向に沿う断面において、該第1融着部15a,15b、第1シート11、及び第2シート12によって画成された空間が形成されている。この空間において、弾性部材13は、該弾性部材13の表面と、第1シート11及び第2シート12との摩擦のみによって、これら両シート11,12間に固定されている。即ち、伸縮性シート10において弾性部材13は、接着剤や融着等の接合手段によっては第1シート11及び第2シート12に固定されていない。伸縮性シート10において、弾性部材13及び第1シート11、並びに弾性部材13及び第2シート12は、互いに融着していない。これにより、伸縮性シート10は、第1シート11及び第2シート12が本来的に有する良好な風合いや通気性が維持されて形成される。また、伸縮性シート10は伸縮性に富んだものとなる。
弾性部材13は、前述したように、一対の第1融着部15a,15b間のY方向に沿う空間において、弾性部材13の表面と、第1シート11及び第2シート12との摩擦によって両シート11,12に固定されている。詳細には、図1の要部拡大図である図2に示すとおり、一方の第1融着部15aにおける弾性部材13側の側縁151aと、他方の第1融着部15bにおける弾性部材13側の側縁151bとの間の間隔である第1融着部間隔Dを、伸縮性シート10の最大伸長状態における弾性部材13の直径d1よりも狭くして、一対の第1融着部15a,15bの挟圧によって前記空間の弾性部材13の表面に生じる摩擦のみで、弾性部材13を第1シート11及び第2シート12の間に固定している。なお、図2では、弾性部材13が一対の第1融着部15a,15bに接合されているように見えるが、実際は、弾性部材13は一対の第1融着部15a,15bと非接合状態になっている。
一対の第1融着部15a,15b間の前記空間において、弾性部材13の表面と、第1シート11及び第2シート12との摩擦のみで、弾性部材13を確実に固定する観点から、第1融着部間隔Dは、伸縮性シート10の弛緩状態における弾性部材13の直径をd2(図2参照)としたとき、d2/Dの値が1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることが更に好ましく、1.3以上であることが一層好ましい。d2/Dの値は高ければ高いほど、弾性部材13の表面と、第1シート11及び第2シート12との摩擦力が高くなる点から好ましい。伸縮性シート10の弛緩状態における弾性部材13の直径d2とは、伸縮性シート10の弛緩状態において、弾性部材13が挟圧されていない部位での該弾性部材13の直径のことである。
前記のd2を繊度で表した場合、該繊度は、伸縮性シート10の伸縮性を確実なものとする観点から、155dtex以上であることが好ましく、310dtex以上であることが更に好ましい。また1240dtex以下であることが好ましく、940dtex以下であることが更に好ましい。弾性部材13の繊度は155dtex以上1240dtex以下であることが好ましく、310dtex以上940dtex以下であることが一層望ましい。
図3に示すとおり、融着部15a,15bの形成位置において、弾性部材13の延びる方向と直交する方向、すなわち同図中のY方向に沿って伸縮性シート10を断面視したとき、第2シート12が弾性部材13と接する長さよりも、第1シート11が弾性部材13と接する長さの方が長くなっている。この理由は、同断面視の弾性部材13において、第1シート11側の部分が、該弾性部材13の第2シート12側の部分に比して、伸縮性シート10の厚み方向Z外方に向かって隆起しており、同断面視において弾性部材13を厚み方向Zに二等分したとき、該弾性部材13における第2シート12側と第1シート11側とが非対称な形状になっていることによる(図3参照)。換言すると、同断面視において弾性部材13は、一対の融着部15a,15b間において、第2シート12側に略平坦な部分を有し、第1シート11側に厚み方向外方に隆起した部分を有している。また、弾性部材13の第2シート12側は、Y方向に沿う断面視における第1融着部15a,15b間の部分が、同断面視における第1融着部15a,15b間以外の部分に比して略平坦な部分となっている。
更に図3に示すとおり、伸縮性シート10は、第2シート12が、弾性部材13と厚み方向Zで重なる領域に、空隙率変化領域20を有している。空隙率変化領域20は、Y方向の中央部Mが、該中央部Mを挟む両側部S,Sに比して構成繊維間の空隙率が相対的に高い領域である。前記中央部Mは,第2シート12と弾性部材13とが重なる領域をY方向において3等分に区分したときの中央の領域であり、前記両側部S,Sは、前記中央部Mの両側に位置する領域である。空隙率変化領域20は、中央部Mの空隙率が両側部S,Sそれぞれよりも高ければよく、Y方向の外方端部から内方に向かって、即ち側部S側から中央部M側に向かって、空隙率が段階的に増大していてもよく、空隙率が漸次増大していてもよい。空隙率変化領域20において、空隙率が段階的に変化している場合、該空隙率変化領域20は、空隙率が異なる複数の領域を有している。斯かる空隙率変化領域20において、空隙率が互いに異なり、且つY方向に隣り合う2領域間の界面は、不明瞭である。前記「2領域間の界面が不明瞭」とは、繊維形態を喪失した部分や繊維の溶融固化部分がY方向に連続して、前記2領域間の境界が不明瞭となっている状態を意味する。空隙率変化領域20において、中央部Mの空隙率は、その厚み方向全体における空隙率が、両側部S,Sそれぞれの厚み方向全体における空隙率よりも高ければよい。即ち、空隙率変化領域20の中央部Mは、その厚み方向の全体に亘って空隙率が両側部S,Sよりも高い形態であってもよく、その厚み方向において空隙率が局所的に異なる部分を有するが、厚み方向の全体としての空隙率が両側部S,Sよりも高い形態であってもよい。空隙率変化領域20の中央部Mの空隙率は、他の領域の空隙率と略同じであってもよい。他の領域とは、第2シート12における空隙率変化領域20以外の領域、即ち弾性部材13と厚み方向Zで重なる領域以外の領域であって、第1シート11及び第2シート12が接合されておらず、且つ繊維から構成されている領域のことである。したがって、繊維が溶融して元の繊維の状態を喪失した領域である第1融着部15及び第2融着部16は、他の領域に該当しない。一方、空隙率変化領域20の両側部S,Sの空隙率は、他の領域の空隙率に比して低い。即ち、空隙率変化領域20全体における構成繊維間の空隙率は、第2シート12の他の領域における構成繊維間の空隙率よりも低い。
伸縮性シートは、第2シート12に空隙率変化領域20を有している。この空隙率変化領域20は、Y方向における一対の第1融着部15a,15b間に位置する第2シート12に形成されており、且つ弾性部材13を挟んで、第1シート11と対向している。空隙率変化領域20は、両側部S,Sの空隙率が他の領域よりも低いが、該空隙率変化領域20と弾性部材13とは、互いに融着していない。図3に示す伸縮性シート10は、第1シート11が、弾性部材13と厚み方向Zに重なる領域21を有している。当該領域21は、弾性部材13を挟んで空隙率変化領域20と対向配置されたシートから構成されている。斯かる領域を、弾性部材重複領域21ともいう。
図3に示す断面視において第2シート12は、弾性部材13と対向する面が該弾性部材13の前記略平坦な部分に密接している。これにより、融着部15a,15bの形成位置では、第2シート12における弾性部材13と対向する面が、該弾性部材13の前記略平坦な部分に沿っている。したがって、本実施形態の伸縮性シートは、一対の第1融着部15a,15b間において、第2シート側の面が略平坦である一方、第1シート側の面が厚み方向Zの外方側に隆起している。即ち、本実施形態において、空隙率変化領域20は、弾性部材13の形状に沿った形状をしている。具体的には、空隙率変化領域20は、弾性部材13における空隙率変化領域20と対向する表面と密接しており、該表面の形状に追従した形状となっている。
空隙率変化領域20では、構成繊維の一部、特に両側部S,Sにおける構成繊維の一部は、繊維形態を喪失して溶融固化した状態となっており、且つ構成繊維の残部は繊維形態が維持されている。即ち、空隙率変化領域20は、溶融固化部分を有する繊維と、溶融固化部分を有しない繊維とが混在した領域である。空隙率変化領域20の両側部S,Sは、中央部Mに比して溶融固化部分を有する繊維の存在量が多いが、中央部Mが溶融固化部分を有する繊維を有していてもよい。また、弾性部材重複領域21が、溶融固化部分を有する繊維を有していてもよい。溶融固化部分を有する繊維の存在量は、走査電子顕微鏡での観察により測定することができる。繊維の存在量や、繊維の溶融固化状態(構成繊維の状態)は後述する方法により確認することができる。
本発明の伸縮性シートは、弾性部材を具備することで伸縮性を発現するので、吸収性物品の外面を形成する外装体に好適に用いることができ、該外装体は、着用者の肌に良好にフィットする。さらに、本発明の伸縮性シートを外装体に用いた場合、外装体が弾性部材13の延びる方向と直交する方向(Y方向)に引っ張られたとしても、第1シート11と第2シート12との間に固定された弾性部材13が外れ難く、該弾性部材13によるフィット性を維持できるという利点を有する。この利点について、図4に示すとおりウエスト開口部WOとレッグ開口部LOとを有するおむつ1を例に説明する。おむつ1の着用時、着用者の脚をレッグ開口部LOに通した後、おむつ1を着用者のウエスト側、即ち上方に引き上げる際に、通常、外装体がウエスト側に引っ張られる。この際、伸縮性シート10の第1融着部15a,15bの形成位置において、図5に示すとおりY方向の一方側に引張負荷が加わるが、伸縮性シート10は空隙率変化領域20と第1融着部15a,15bとの界面が不明瞭であるので、Y方向の引張りに対し空隙率変化領域20と第1融着部15a,15bとの間は破断し難い。「空隙率変化領域20と第1融着部15a,15bとの界面が不明瞭」とは、側部Sにおける繊維形態を喪失した部分や繊維の溶融固化部分が、弾性部材13の側縁よりもY方向の外方に連続して、側部Sと第1融着部15aとの境界が不明瞭となっている状態を意味する。このような状態は、空隙率変化領域20の両側部S,Sの空隙率が中央部Mに比して低いこと、即ち両側部S,Sにおける溶融固化部分を有する繊維の存在量が中央部Mに比して多いことに起因する。一方、空隙率変化領域20の中央部Mは、両側部S,Sに比して繊維形態を維持した繊維の存在量が多いので、Y方向の引張負荷に対し同方向に伸長可能である。以上の構成を具備することにより、伸縮性シート10は、Y方向の一方側に引張負荷が加わったとしても、第2シートが第1融着部15a,15b間で破断し難いので(図5参照)、第1シート11及び第2シート間から弾性部材13が外れることが効果的に抑制され、弾性部材13による良好なフィット性を維持できる。これに対し、図6に示すとおり、第2シートにおける一対の第1融着部15a,15b間の全ての構成繊維が繊維形態を維持している従来の伸縮性シートでは、第2シートにおける第1融着部15a,15bと、弾性部材13と重なる領域との界面が明瞭であるので、Y方向の一方側に引張負荷が加わると、該界面を境に第2シートが破断し易い。前記破断が生じると、第1シートと第2シートとの間から弾性部材が外れ、弾性部材によるフィット性の維持が困難となる。
また、本発明の伸縮性シートにおいては、先に述べたとおり、第1融着部15a,15bの形成位置において、Y方向に沿って伸縮性シートを断面視したとき、第2シート12が弾性部材13と接する長さよりも、第1シート11が弾性部材13と接する長さの方が長くなっている。したがって本発明の伸縮性シートを例えば吸収性物品の外面を形成する外装体として用い、且つ第2シート12が着用者の肌に向くように該伸縮性シートを配した場合には、第2シート12に形成された空隙率変化領域20によって、弾性部材13が着用者の肌を圧迫する程度を減じることができる。したがって吸収性物品を着用した状態での違和感が発生しづらいという利点がある。逆に、第2シート12が衣類の側を向くように該伸縮性シートを吸収性物品に配した場合には、弾性部材13の横断面のうち、大部分の部位が着用者の肌側に存在することになるので、伸縮性シートが着用者の肌へ優しく当接するという利点がある。
空隙率の測定は、以下の方法により行う。
〔空隙率の測定方法〕
液体窒素等を用いて伸縮性シートを凍結した後、該伸縮性シートにおける弾性部材の伸長方向の中央部から、弾性部材が一対の第1融着部によって固定された部分を切り出す。この際、弾性部材の伸長方向に直交する方向に沿って切断し、これをサンプルとする。前述したように弾性部材は、第1シート及び第2シートとの摩擦のみによって固定されており、弾性部材と第1シート及び第2シートとは互いに融着していないので、サンプルを切り出すと、該サンプルから弾性部材が外れることがある。弾性部材がサンプルに残留した場合、該サンプルから弾性部材を取り外す。次いで、サンプルの断面を、走査電子顕微鏡(例えば、日本電子製、JSM-IT100)を用いて拡大観察する。観察時の倍率は、サンプルの厚み方向において第1シート及び第2シートが観察でき、且つ弾性部材の伸長方向において一対の第1融着部間の両端部が観察できるように、100~200倍の倍率に設定する。この観察視野において、弾性部材と接する長さが長い方のシートを第1シートとし、短い方のシートを第2シートとして区別し、第2シートにおける繊維の占める面積を画像解析によって測定する。具体的には、観察視野の画像を、ImageJなどの画像処理ソフトウェアを用いて、繊維と繊維が存在しない部分との明度境界に閾値を設定し、明度を二値化する。一般的に、白色と黒色とで二値化した場合、繊維は白色となり、繊維が存在しない部分は黒色となるため、白色部分を繊維として、且つ黒色部分を空隙として識別することができる。また、繊維の断面ではなく側面のみが観察される場合、断面以外の部分全てを空隙として識別する。次いで、観察視野において、第2シートの弾性部材と厚み方向に重なる領域の外縁を、前記の白色部分の輪郭に沿ってなぞり、空隙率変化領域の輪郭を特定する。次いで、特定した輪郭で囲まれた領域をY方向に3等分に区分し、3領域の中央を中央部、該中央部の両側を側部とする。次いで、前記画像処理ソフトウェアを用いて、中央部の面積(A)を測定するとともに、中央部の領域内において空隙として識別した部分の面積を測定し、これを空隙面積(A)とする。次いで、下記式〔1〕により、空隙率変化領域における中央部の空隙率(GR)を計算する。側部の空隙率も、中央部の空隙率と同様の方法により求める。
GR(%)=(A/A)×100・・・式〔1〕
GR:空隙率
:中央部の面積
:中央部内の空隙面積
空隙率の測定は、一対の第1融着部が形成された任意の3箇所で行い、その平均値を空隙率変化領域の空隙率とする。
空隙率変化領域全体及び他の領域の各空隙率も、前述の方法と同様にして測定することができる。空隙率変化領域全体の空隙率は、前述の観察視野の画像における第1シートから、空隙率変化領域の輪郭を特定した上で行う。他の領域の空隙率は、第2シートにおける弾性部材13と厚み方向Zで重なる領域以外の領域であって、融着部以外の領域における任意の箇所を拡大観察して行う。
空隙率変化領域20における構成繊維の状態は、前述した空隙率の測定方法と同様の方法でサンプルを観察し、弾性部材と重なる領域における第2シートについて、以下の条件(1)~(4)の全てを満たすか否かを確認する。
条件(1):弾性部材と重なる領域において全ての繊維が樹脂化していない。
条件(2):少なくとも1本の繊維が樹脂化した溶融固化部分を有し、該繊維と隣接する他の繊維と前記溶融固化部分を介して一体化している。
条件(3):繊維どうしの間、又は繊維の溶融固化部分と他の繊維との間に間隙(空隙)を有している。間隙は1μm~50μmの範囲とする。
条件(4):少なくとも1本の繊維は、溶融固化部分を有しておらず、繊維形態を維持している。
空隙率変化領域20において、両側部S,Sは、中央部Mに比して空隙率が低いので、該中央部Mよりも前記条件(2)を満たす傾向にある。
溶融固化部分を有する繊維の存在量は、前述した空隙率の測定方法と同様の方法で観察される溶融固化部分を有する繊維の総本数である。空隙率変化領域20、その中央部M、又は側部Sの各輪郭内に存在する溶融固化部分の面積が、他の領域において観察される繊維の断面積よりも大きく、繊維の輪郭が不明瞭である場合、該溶融固化部分の面積(B)と、他の領域において観察される繊維1本当りの平均断面積(B)を測定し、下記式〔2〕により、溶融固化部分当りの繊維の本数(B)を求め、これを溶融固化部分を有する繊維の総本数に加える。繊維1本当りの平均断面積(B)は、他の領域における任意に選択された3本の繊維の平均値とする。
B=B/B・・・〔2〕
B:溶融固化部分当りの繊維の本数
:繊維1本当りの平均断面積
:溶融固化部分の面積
溶融固化部分を有する繊維の存在量は、伸縮性シートにおける一対の第1融着部が形成された任意の3箇所で計測し、これらの平均値とする。
前記空隙率の測定方法において、サンプルの切断面は、例えば図8に示す顕微鏡像のような状態で観察される。図8に示す顕微鏡像の中央部の空洞は、弾性部材が配されていた部分であり、これを挟んで位置するフィルム状の部分が第1融着部である。図8に示す顕微鏡像では、空隙率変化領域を枠線で示す。空隙率変化領域における繊維の溶融固化部分は、図8に示すとおり、繊維の一部が他の繊維と一体化している部分であり、繊維同士がまとまっているので、当該部分全体が一つの塊となっている。また、図8において空隙率変化領域と前記空洞を挟んで対向する部分が、弾性部材重複領域である。同図において弾性部材重複領域は、繊維が溶融固化部分を有していないので、繊維同士がばらけて一体化していない。
後述するように、伸縮性シート10の各面において襞を形成し、肌触りや通気性を向上させる観点から、第2融着部16の接合強度は、第1融着部15よりも小さいことが好ましい。斯かる構成により、Y方向の引張りによる伸縮性シート10の同方向の伸長を抑制するとともに、引張負荷が一対の第1融着部15a,15b間に集中することを抑制できる。前記の効果をより確実に奏させる観点から、第2融着部16の接合強度は、第1融着部15の接合強度に対して好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上90%以下、更に好ましくは70%以上80%以下である。融着部の接合強度は、以下の方法により測定される。
<接合強度の測定方法>
伸縮性シートから、第1融着部又は第2融着部を含むように20mm×100mmの測定片を切り出す。次いで、測定片における測定対象の融着部以外の融着部を剥離させる。次いで、測定片の第1シートの20mm側を、テンシロン万能試験装置 RTG1310(株式会社エー・アンド・デイ)の一方のチャックに固定し、測定片の第2シートを他方のチャックに固定して、これらチャック間に測定片をセットする。チャック間の距離は、20mmとする。次いで、チャックを、180°方向に沿って300mm/minの速度で移動させ、第1シートと第2シートとを剥離させる。このときに観察される力の最大値を測定する。斯かる測定を5回繰り返し、それらの平均値を剥離強度とする。
第1融着部15の接合強度よりも、第2融着部16の接合強度を小さくする観点から、第1融着部15及び第2融着部16の寸法は以下の範囲内であることが好ましい。
Y方向に沿う第2融着部16の長さL4(図1参照)は、Y方向において隣り合う第1融着部15a,15bの外方端部間の長さL7(図1参照)に対して、好ましくは2%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは2%以上90%以下、より好ましくは10%以上80%以下である。Y方向において隣り合う第1融着部15a,15bの外方端部間の長さL7は、弾性部材13のY方向の長さと、該弾性部材13の両側に位置する一対の第1融着部15a,15bそれぞれのY方向の長さとの合計である。
X方向に隣り合う第1融着部15のピッチP1(図1参照)は、X方向に沿う第1融着部15の長さL5(図1参照)に対して、好ましくは30%以上、より好ましくは500%以上であり、また好ましくは6000%以下、より好ましくは3000%以下であり、また好ましくは30%以上6000%以下、より好ましくは500%以上3000%以下である。X方向に隣り合う第1融着部15のピッチP1は、X方向に隣り合う第1融着部15間の長さと、第1融着部15のX方向の長さとの合計である。
Y方向に沿う第2融着部16の長さL4(図1参照)は、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.4mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下であり、また好ましくは0.2mm以上5.0mm以下、より好ましくは0.4mm以上3.0mm以下である。
X方向に沿う第1融着部15の長さL5(図1参照)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.4mm以上であり、また好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下であり、また好ましくは0.1mm以上3.0mm以下、より好ましくは0.4mm以上1.0mm以下である。X方向に沿う第2融着部16の長さも、X方向に沿う第1融着部15の長さL5と同じ範囲内であることが好ましい。
X方向に隣り合う第1融着部15a,15bのピッチP1(図1参照)は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、また好ましくは6.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは1.0mm以上6.0mm以下、より好ましくは2.0mm以上4.0mm以下である。
Y方向において隣り合う第1融着部15a,15bの外方端部間の長さL7(図1参照)は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは1.4mm以上であり、また好ましくは10.0mm以下、より好ましくは5.0mm以下であり、また好ましくは1.0mm以上10.0mm以下、より好ましくは1.4mm以上5.0mm以下である。
前記と同様の観点から、Y方向において隣り合う弾性部材13のピッチP2(図1参照)は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは3.0mm以上であり、また好ましくは10.0mm以下、より好ましくは7.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上10.0mm以下、より好ましくは3.0mm以上7.0mm以下である。Y方向において隣り合う弾性部材13のピッチP2(図1参照)は、Y方向に隣り合う弾性部材13間の長さLe(図1参照)と、弾性部材13のY方向の長さとの合計である。
上述のとおり、第1シート11及び第2シート12は、Y方向に沿って配置された複数の融着部によって接合されている。伸縮性シート10の弛緩状態においては、図1に示す弾性部材13が収縮して、伸縮性シート10はX方向の幅が狭くなる。幅が狭くなることで行き場を失った第1シート11は、第2融着部16を折曲の起点にして、図7に示すとおり弾性部材13から離れる方向に突出する。即ち、伸縮性シート10では、第1シート11に、伸縮性シート10の厚み方向Zに沿って、弾性部材13から離れる方向に突出する凸部17が形成されている。
本実施形態においては、第1シート11及び第2シート12は、第2融着部16を折曲の起点にして、図7に示すとおり厚み方向に沿って互いに離れるように突出する。即ち、伸縮性シート10では、第1シート11及び第2シート12に、厚み方向Zに沿って互いに離れるように突出する凸部17がそれぞれ形成されている。前記凸部17は、伸縮性シート10において後述する襞を形成する部分であり、第1シート11及び第2シート12が、弾性部材13と重なる位置において該弾性部材13の形状に沿っている部分とは異なる部分である。
前記凸部17は、図7に示すとおり、Y方向に沿って連続して延びている。伸縮性シート10の各面には、前記凸部17によって複数の襞が形成される。図7に示す状態の伸縮性シート10は、前記襞によって柔軟な風合いと、優れた外観とを呈するものとなる。
前記襞の形成をより容易にする観点から、Y方向に沿って隣り合う2本の弾性部材13間の間隔をLeとしたとき(図1参照)、間隔Leに対する、Y方向に隣り合う第2融着部16の外方端部間の長さL16(図1参照)の比であるL16/Leの値は0.25以上であることが好ましく、0.50以上であることが更に好ましく、0.70以上であることが一層好ましい。L16/Leの値は、接合強度の確保の点から、1に近づけば近づくほど好ましい。Y方向に隣り合う第2融着部16の外方端部間の長さL16は、Y方向に隣り合う第2融着部16a,16bそれぞれの長さと、該第2融着部16a,16b間の長さとの合計である。
伸縮性シート10を構成する材料について詳述する。第1シート11及び第2シート12としては、それぞれ、例えばエアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の各種製法による不織布等、及びこれら2以上を積層一体化させてなる積層体等を用いることができる。見た目に美しく、感触のよい柔軟な襞を形成させる観点から、両シート又は一方のシートとして用いられる繊維シートは、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等であることが好ましい。第1融着部15及び第2融着部の接合強度をより向上させ、おむつを着用する際に発生し得る弾性部材の固定の解除をより抑制する観点から、第1シート及び第2シートは、スパンボンド不織布層を有する積層不織布であることが好ましい。斯かる積層不織布としては、スパンボンド不織布層(S)とメルトブローン不織布層(M)との積層不織布であるSM不織布やSMS不織布などが挙げられる。
前述したように、第1シート11及び第2シート12としては好ましくは不織布が用いられる。不織布の坪量は、好ましくは5g/m2以上50g/m2以下、特に好ましくは8g/m2以上30g/m2以下である。そうした坪量の不織布の座屈強度は、好ましくは機械流れ方向と直交する方向(CD)で50cN以下、特に好ましくは30cN以下、機械流れ方向(MD)で好ましくは70cN以下、特に好ましくは50cN以下である。柔らかいシートを使用することで、前記の襞の形成性を高めることができる。座屈強度は以下の方法により測定される。
座屈強度試験法:
機械流れ方向(MD)に150mm、機械流れ方向と直交する方向(CD)に30mmの長方形の試験片を取る。試験片は、測定対象のシートから5枚切り出す。この試験片を用いて、直径45mmの円筒を作り、重なり合った部分の上端と下端とをステープラ等で留め、これを測定サンプルとする。この測定サンプルについて、テンシロン万能試験装置の圧縮試験モードにより、圧縮速度10mm/min、測定距離20mmの測定条件で、20mmに圧縮したときの最大強度の測定を行う。測定環境は、20℃、65%RHとする。斯かる測定において、各測定サンプルの前記最大強度の平均値を求め、これを前記直交する方向(CD)の座屈強度とする。
機械流れ方向(MD)の座屈強度は、機械流れ方向と直交する方向(CD)に150mm、機械流れ方向(MD)に30mmの長方形の試験片を取る点以外は、上記と同様の方法により測定される。
第1シート11及び第2シート12は、別体の2枚のシートに限られるものではなく、1枚のシートを折り曲げて相対向する2面を形成し、一方の面を構成する部分を1枚のシート、他方の面を構成する部分をもう1枚のシートとすることもできる。第1シート11及び第2シート12が1枚のシートから構成される場合、該1枚のシートは、親水性の繊維シートであることが好ましい。
弾性部材13の形成材料としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。例えば素材としては、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができ、形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状ないし紐状(平ゴム等)のもの、あるいはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。
次に、図1に示す伸縮性シート10の好適な製造方法を、図9を参照しながら説明する。同図には伸縮性シート10の製造に好適に用いられる装置が示されている。同図に示す装置100は、超音波融着部30を備えている。超音波融着部30は、超音波振動するホーン31及び該ホーン31の先端面と対向する位置に配置された受けロール32とを備えている。ホーン31は、アルミニウム合金やチタン合金などの金属製であり、使用する周波数帯で共振するように設計されている。ホーン31は、ブースター(図示せず)に接続されており、該ブースターからホーン31に伝達された超音波振動は、該ホーン31の内部において増幅又は減衰されて、溶着対象物に印加される。
受けロール32は、該受けロール32の温度を調整し得るように設計されており、これにより、該受けロール32と接触した第1シート11及び第2シート12を加温することができる。即ち、受けロール32に巻きかけられることによって、第1シート11及び第2シート12を加温することができる。受けロール32は、例えば、該受けロール32を加温するヒーターと、受けロール32の温度を測定する温度センサーとを回転軸側の内部に備えることにより、受けロール32の温度を調整することができる。第2シート12には、後述するホーン31が押し当てられ、直接超音波振動が印加される。
図10には、図9における超音波融着部30の要部が拡大して示されている。超音波融着部30は、凸部をなす当接部40,41が周面に形成された受けロール32と、該凸部に当接可能なホーン31を備えている。図10に示すY方向は受けロール32の幅方向(軸方向)であり、この方向は、製造される伸縮性シート10におけるY方向に一致している。同図に示すとおり、超音波融着部30における受けロール32の周面には、一対の凸部が軸方向に沿って配置されている。この一対の凸部間は凹部42となっている。この一対の凸部を纏めて第1当接部40ともいう。受けロール32は、ロールの回転方向R(図9参照)に沿って、第1当接部40が間欠的に設けられている。また、受けロール32の周面には複数の第2当接部41が、受けロール32の回転方向Rに沿って間欠的に設けられている。第1当接部40及び第2当接部41は、受けロールの周面上で、ホーン31側に突出した凸部をなしている。即ち、第1当接部40及び第2当接部41は、ホーン31に近い側に位置している。受けロール32は、第1当接部40どうしが回転方向Rにおいて同一線上に位置しており、第2当接部41どうしが回転方向Rにおいて同一線上に位置している。本実施形態における受けロール32は、その幅方向において、第1当接部40と、2つの第2当接部41とが交互に並んで配されている。一方、ホーン31においては、第1当接部40及び第2当接部41に当接する部位を有する面は凹凸のない平坦面になっている。
図10及び図11に示すとおり、第1当接部40には、Y方向、即ちロール幅方向の略中央部に凹部42が設けられている。凹部42は、受けロール32の幅方向に沿う断面視において矩形状をなしている。凹部42は、伸長状態の弾性部材13の少なくとも一部が収容される容積を有している。換言すれば、凹部42は、該凹部42に弾性部材13が収容された状態において、該弾性部材13が、第1当接部40の上面から一部突出し得るような容積を有している。凹部42のY方向に沿う開口幅は、目的とする伸縮性シート10における第1融着部間隔D(図2参照)に概ね相当する。
本製造方法においては、第1シート11と、第2シート12と、両シート11,12間に伸長状態で配置され且つ一方向に延びる複数本の弾性部材13とを用いて、これらを有する積層体を準備する。図9に戻ると、第1シート11の原反11aから繰り出された第1シート11は、受けロール32の周面に巻きかけられながら搬送される。第1シート11が受けロール32の周面に巻きかけられた状態で、それぞれがその巻回体13aから繰り出された複数の弾性部材13が、伸長状態で第1シート11の表面に配置される。弾性部材13は、受けロール32の周面に設けられた第1当接部40の凹部42内に一部収容された状態で搬送される。この時点では、凹部42内には、先に第1シート11が収容されている(図10参照)。
伸長状態で凹部42内に一部収容される際、弾性部材13の伸長の程度は、伸縮性シート10の最大伸長状態における弾性部材13の伸長の程度よりも大きく、弾性部材13の直径は、凹部42のY方向に沿う開口幅よりも小さい。こうすることで、得られる伸縮性シート10において、一対の第1融着部15a,15bによる挟圧力を高め、弾性部材13と、第1シート11及び第2シートとの摩擦力を十分に確保することができる。
弾性部材13が凹部42内に収容された後、第2シート12の原反12aから繰り出された第2シート12が、受けロール32の周面に供給される。これによって、第1シート11と第2シート12との間に伸長した弾性部材13が配置された積層体が準備される。即ち、前記積層体は、受けロール32の凸部40,41と、シート部材の接合部位とが対向した状態下に、該積層体における弾性部材13が凹部42を通過するように供給される。積層体において第1シート11及び第2シート12は、前述したように、受けロール32に巻きかけられることによって、予熱される。積層体には、ホーン31によって超音波振動が印加される(図10及び11参照)。この際、積層体は、ホーン31によって加圧され、弾性部材13の第2シート12側に略平坦な部分が形成されるとともに、第2シート12が該弾性部材13に密接して、該略平坦となった部分に沿った状態となる。
超音波融着部30は、前記積層体における第1シート11と第2シート12とを、弾性部材13を挟む両側の位置において、且つY方向に沿って間隔を置いた複数の位置において融着させる。これにより、前述した一対の第1融着部15a,15bと、第2融着部16とが形成される。図10に示すとおり、受けロール32の周面においては、第1当接部40及び第2当接部41は、他の部分よりも突出していて、ホーン31に近い側に位置しているので、第1当接部40及び第2当接部41上に位置する第1シート11及び第2シート12が融着し、これらシートを接合する第1融着部15及び第2融着部16が形成される。このとき、弾性部材13は凹部42内に一部収容された状態になっており、該弾性部材13は第1シート11及び第2シート12のいずれにも融着されず、非接合状態が維持されている。前記超音波融着部30による融着によって、第2シート12の一対の第1融着部15a,15b間において構成繊維の一部が溶融して空隙率変化領域20が形成され、第1シート11の一対の第1融着部15a,15b間において弾性部材重複領域21が形成される。このように超音波を印加することによって、図1に示す形態の伸縮性シート10が得られる。
得られた伸縮性シート10においては、弾性部材13の伸長状態が解除されると、該弾性部材13はその長さが短くなるとともに、その直径が大きくなる。直径が大きくなった弾性部材13は、図2に示すとおり、2つの第1融着部15a,15bの間の間隔である第1融着部間隔D以上となり、好ましくは第1融着部間隔Dを超える。それによって弾性部材13は2つの第1融着部15a,15bによって挟圧され、第1シート11及び第2シート12の摩擦によってのみ固定される。また、前記融着によって、第2シート12の一対の第1融着部15a,15b間における構成繊維の一部が溶融した部分が、温度の低下によって固化する。これにより、一対の第1融着部15a,15b間において、直径が大きくなった弾性部材13の第2シート12側の形状、及び第2シート12の形状が略平坦に維持される。伸縮性シート10の製造時における弾性部材13の伸長の程度及び凹部42のY方向に沿う開口幅は、伸縮性シート10における所望の伸長状態に応じて適宜設定すればよい。
伸縮性シート10を構成する第1シート11及び第2シート12並びに弾性部材13や、凹部42内に収容される際、弾性部材13の伸長の程度は、伸縮性シート10が所望の伸張性(伸張率)や、所望の襞を有するように選択される。本製造方法では、例えば凹部42の深さや幅(第1融着部間隔D)等を適宜調整することで、弾性部材13の伸長の程度を調整できる。
空隙率変化領域20を容易に形成する観点から、本製造方法において、積層体を融着装置である超音波融着部30に供給するときに、該積層体における第1シート11、弾性部材13及び第2シート12の間に空隙が存在しないように、前記凹部42の深さや幅を調整することが好ましい。前記と同様の観点から、凹部42の寸法は以下の範囲内であることが好ましい。凹部42の幅c(図11参照)は、第1シート11と共に弾性部材13が該凹部42に収まることを前提として、伸長状態における弾性部材13の直径a(図11参照)の好ましくは1.0倍超2.0倍以下である。伸長状態の弾性部材13の直径a(図11参照)は、凹部42の深さb(図11参照)の好ましくは1.0倍以上1.2倍以下、より好ましくは1.05倍以上1.2倍以下、更に好ましくは1.1倍以上1.2倍以下である。
空隙率変化領域20を容易に形成する観点から、ホーン31の線圧、即ちホーン31を積層体に押し当てることにより該積層体に加えられる圧力が、好ましくは2N/mm以上、より好ましくは2.2N/mm以上であり、また好ましくは3N/mm以下、より好ましくは2.7N/mm以下であり、好ましくは2N/mm以上3N/mm以下、より好ましくは2.2N/mm以上2.7N/mm以下である。
前述したように、本製造方法では、第2シート12を予熱した後に、該第2シート12に超音波振動を印加する。本発明者らは、第2シート12に超音波振動を印加する前に、該第2シート12を予熱することによって、超音波振動で形成される空隙率変化領域20と弾性部材13とが融着しないことを見出した。この理由は第2シートが、予熱により熱エネルギーを得るので、より弱い超音波振動によって、弾性部材13をその両側から固定し得る程度のシールが可能となると考えられる。さらに、弱い超音波振動であるため、第2シート12の内部で生じる超音波振動による繊維同士の摩擦熱が、第2シート12と弾性部材13との界面で生じる前記摩擦熱よりも高くなるためと考えられる。
一方、予熱をしないで第2シートに超音波振動を印加すると、一対の融着部15a,15b間において、第2シートと、該第2シートと重なる弾性部材とが融着する。第2シート12と弾性部材13との融着をより抑制する観点から、第2シート12の予熱温度は、該第2シート12の構成繊維の融点よりも低いことが好ましい。前記と同様の観点から、第2シート12の予熱温度は、第2シート12の構成繊維の融点に対して、90℃~135℃低いことが好ましく、95℃~130℃低いことがより好ましく、100℃~125℃低いことが更に好ましい。例えば、第2シート12の構成繊維が、ポリプロピレン、特にプロピレンの単独重合体(例えば融点163℃)からなる単一繊維である場合、第2シート12の予熱温度は、40℃(融点に対し-123℃)~60℃(融点-103℃)の範囲内とすることが好ましい。第2シート12をより容易に予熱する観点から、受けロール32の温度は、第2シート12の構成繊維の融点に対して90℃~135℃低い範囲に設定することが好ましい。第2シート12の構成繊維の融点は、第2シート12における構成繊維の構成樹脂のうち最も融点が低い樹脂の融点を意味する。構成繊維の融点は、示差走査型熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC6200)を用いた熱分析により測定することができる。具体的には、ウエブ又は不織布の任意の10箇所から細かく裁断した繊維試料(1mg)の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、測定される繊維の構成成分の融解ピーク温度を構成繊維の融点とする。融解ピーク温度が複数存在する場合、これらのうち最も低い融解ピーク温度を構成繊維の融点とする。
このようにして得られた伸縮性シート10は、例えば、使い捨ておむつ及び生理用ナプキン等の吸収性物品の構成材料として用いることができ、吸収性物品の伸縮部形成用に特に好ましく用いられる。吸収性物品は、主として尿、経血等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。吸収性物品としては、例えば、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置する外装体とを具備するものが挙げられる。前述したように、本発明の伸縮性シートは、外装体に好適に用いられる。吸収性物品は更に、その具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、上述した実施形態において、一対の第1融着部15a,15bと、第2融着部16とは、Y方向において同一直線上に間欠的に設けられていたが、これら融着部15a,15b,16がY方向において同一直線上に連続していてもよい。
上述した実施形態において第1融着部15及び第2融着部16は矩形の形状をしていたが、これに代えて例えば長円形、円形又は菱形等の形状を採用してもよい。
また、前記実施形態において伸縮性シート10は、複数本の弾性部材13を有していたが、伸縮性シート10は、1本の弾性部材13を有していてもよい。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の伸縮性シート、それを備える吸収性物品、及び該伸縮性シートの製造方法を開示する。
<1>
繊維シートからなる第1シートと、該第1シートと対向して配置され且つ繊維シートからなる第2シートと、両シート間に伸長状態で配置され且つ一方向に延びる弾性部材とを有し、該弾性部材の延びる方向に沿って伸縮性を有する伸縮性シートであって、
第1シートと第2シートとは、前記弾性部材を挟んで該弾性部材の両側に位置し且つ該弾性部材の延びる方向に沿って間隔を置いて形成された複数の融着部によって接合されており、
前記弾性部材は、該弾性部材を挟んで該弾性部材の両側に位置する前記融着部、第1シート、及び第2シートによって画成された空間において、該弾性部材の表面と第1シート及び第2シートとの摩擦のみによって両シート間に固定されており、
前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、第2シートが該弾性部材と接する長さよりも、第1シートが該弾性部材と接する長さの方が長くなっており、
前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、第2シートが、前記弾性部材と厚み方向で重なる領域に、前記直交する方向における中央部が、該中央部を挟む両側部に比して構成繊維間の空隙率が相対的に高い空隙率変化領域を有しており、
前記空隙率変化領域では、構成繊維の一部は、繊維形態を喪失して溶融固化した状態となっており、且つ構成繊維の残部は繊維形態が維持されている、伸縮性シート。
<2>
前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、該弾性部材の第1シート側の部分が、該弾性部材の第2シート側の部分に比して、前記伸縮性シートの厚み方向外方に向かって隆起しており、
同断面視において前記弾性部材を厚み方向に二等分したとき、該弾性部材における第2シート側と第1シート側とが非対称な形状になっている、前記<1>に記載の伸縮性シート。
<3>
前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿う断面視において、該弾性部材の第2シート側は、該弾性部材の両側に位置する前記融着部間の部分が、該融着部間以外の部分に比して略平坦な部分となっている、前記<2>に記載の伸縮性シート。
<4>
前記融着部間において、第2シート側の面が略平坦である一方、第1シート側の面が厚み方向の外方側に隆起している、前記<2>又は<3>に記載の伸縮性シート。
<5>
前記空隙率変化領域は、前記弾性部材の形状に沿った形状をしている、前記<1>~<4>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<6>
前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、第2シートは、該弾性部材と対向する面が該弾性部材に密接している、前記<1>~<5>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<7>
前記空隙率変化領域は、前記弾性部材における前記空隙率変化領域と対向する表面と密接しており、該表面の形状に追従した形状となっている、前記<1>~<6>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<8>
前記空隙率変化領域と前記弾性部材とは、互いに融着していない、前記<1>~<7>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<9>
前記融着部の形成位置における、前記直交する方向に沿う前記伸縮性シートの断面視において、第2シートと前記弾性部材とが重なる領域を該直交する方向に3等分に区分したときの中央の領域を中央部、該中央部の両側に位置する領域それぞれを側部とした場合、前記中央部の空隙率が、前記側部それぞれよりも高い、前記<1>~<8>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<10>
前記空隙率変化領域は、空隙率が異なる複数の領域を有しており、
前記複数の領域において、空隙率が互いに異なり、且つ前記直交する方向に隣り合う2領域間の界面が、不明瞭である、前記<1>~<9>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<11>
前記弾性部材の両側に位置する前記融着部について、一方の融着部における該弾性部材側の側縁と、他方の融着部における前記弾性部材側の側縁との間の間隔をDとし、前記伸縮性シートの弛緩状態における前記弾性部材の直径をd2としたとき、d2/Dの値が1.1以上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上である、前記<1>~<10>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<12>
前記伸縮性シートの弛緩状態における前記弾性部材の繊度は、155dtex以上1240dtex以下、好ましくは310dtex以上940dtex以下である、前記<1>~<11>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<13>
隣り合う前記弾性部材の間であって、前記直交する方向において隣り合う前記融着部どうしの間に、第1シートと第2シートとを接合する他の融着部が配置されている、前記<1>~<12>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<14>
前記他の融着部は、前記融着部に比して接合強度が小さい、前記<13>に記載の伸縮性シート。
<15>
前記他の融着部の接合強度は、前記融着部の接合強度に対して50%以上95%以下、好ましくは60%以上90%以下、より好ましくは70%以上80%以下である、前記<13>又は<14>に記載の伸縮性シート。
<16>
前記直交する方向に沿う前記他の融着部の長さL4は、該直交する方向において隣り合う前記融着部の外方端部間の長さL7に対して、2%以上90%以下、好ましくは10%以上80%以下である、前記<13>~<15>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<17>
前記直交する方向に沿う前記他の融着部の長さL4が0.2mm以上5.0mm以下である、前記<13>~<16>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<18>
前記直交する方向に沿う前記他の融着部の長さL4が、0.4mm以上3.0mm以下である、前記<13>~<17>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<19>
前記弾性部材の延びる方向に隣り合う前記融着部のピッチP1は、該弾性部材の延びる方向に沿う該融着部の長さL5に対して、30%以上6000%以下、好ましくは500%以上3000%以下である、前記<1>~<18>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<20>
前記弾性部材の延びる方向に沿う前記融着部の長さL5が0.1mm以上3.0mm以下である、前記<1>~<19>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<21>
前記弾性部材の延びる方向に沿う前記融着部の長さL5が0.4mm以上1.0mm以下である、前記<1>~<20>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<22>
前記弾性部材の延びる方向に隣り合う前記融着部のピッチP1が1.0mm以上6.0mm以下である、前記<1>~<21>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<23>
前記弾性部材の延びる方向に隣り合う前記融着部のピッチP1が2.0mm以上4.0mm以下である、前記<1>~<22>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<24>
前記直交する方向において隣り合う前記融着部の外方端部間の長さL7が1.0mm以上10.0mm以下である、前記<1>~<23>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<25>
前記直交する方向において隣り合う前記融着部の外方端部間の長さL7が1.4mm以上5.0mm以下である、前記<1>~<24>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<26>
隣り合う前記弾性部材のピッチP2が0.5mm以上10.0mm以下である、前記<1>~<25>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<27>
隣り合う前記弾性部材のピッチP2が3.0mm以上7.0mm以下である、前記<1>~<26>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<28>
第1シート及び第2シートが、スパンボンド不織布層を有する積層不織布である、前記<1>~<27>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<29>
第1シート及び第2シートとして不織布が用いられており、
該不織布の坪量が、5g/m以上50g/m以下、好ましくは8g/m以上30g/m以下である、前記<1>~<28>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<30>
前記不織布の座屈強度が、機械流れ方向と直交する方向で50cN以下、好ましくは30cN以下であり、また機械流れ方向で70cN以下、好ましくは50cN以下である、前記<29>に記載の伸縮性シート。
<31>
第1シート及び第2シートには、厚み方向に沿って、前記弾性部材から離れる方向に突出する凸部がそれぞれ形成されている、前記<1>~<30>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<32>
隣り合う前記弾性部材の間であって、前記直交する方向において隣り合う前記融着部どうしの間に、第1シートと第2シートとを接合する他の融着部が配置されており、
前記凸部では、前記他の融着部を折曲の起点にして、第1シート及び第2シートそれぞれが厚み方向に沿って互いに離れるように突出している、前記<31>に記載の伸縮性シート。
<33>
前記凸部は、第1シート及び第2シートが、前記弾性部材と重なる位置において該弾性部材の形状に沿っている部分とは異なる部分であり、前記直交する方向に沿って連続して延びており、該凸部によって複数の襞が形成されている、前記<31>又は<32>に記載の伸縮性シート。
<34>
第1シートは、熱融着性の樹脂からなる合成繊維に親水性を付与した繊維を構成繊維として含む親水性不織布である、前記<1>~<33>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<35>
前記伸縮性シートにおいて第1シート及び第2シートは、別体の2枚のシートである、前記<1>~<34>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<36>
前記伸縮性シートにおいて第1シート及び第2シートは、1枚のシートを折り曲げて相対向する2面を形成したものであり、一方の面を構成する部分が第1シート、他方の面を構成する部分が第2シートである、前記<1>~<34>のいずれか1に記載の伸縮性シート。
<37>
吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置する外装体とからなる吸収性物品であって、
前記外装体が、前記<1>~<36>のいずれか1に記載の伸縮性シートを含んでいる、吸収性物品。
<38>
前記伸縮性シートにおける第2シートが、着用者の肌に向くように配されている、前記<37>に記載の吸収性物品。
<39>
前記伸縮性シートにおける第2シートが、衣類の側を向くように配されている、前記<37>に記載の吸収性物品。
10 伸縮性シート
11 第1シート
12 第2シート
13 弾性部材
15a,15b 第1融着部
16 第2融着部
17 凸部
20 空隙率変化領域
21 弾性部材重複領域

Claims (10)

  1. 繊維シートからなる第1シートと、該第1シートと対向して配置され且つ繊維シートからなる第2シートと、両シート間に伸長状態で配置され且つ一方向に延びる弾性部材とを有し、該弾性部材の延びる方向に沿って伸縮性を有する伸縮性シートであって、
    第1シートと第2シートとは、前記弾性部材を挟んで該弾性部材の両側に位置し且つ該弾性部材の延びる方向に沿って間隔を置いて形成された複数の融着部によって接合されており、
    前記弾性部材は、該弾性部材を挟んで該弾性部材の両側に位置する前記融着部、第1シート、及び第2シートによって画成された空間において、該弾性部材の表面と第1シート及び第2シートとの摩擦のみによって両シート間に固定されており、
    前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、第2シートが該弾性部材と接する長さよりも、第1シートが該弾性部材と接する長さの方が長くなっており、
    前記融着部の形成位置において、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に沿って前記伸縮性シートを断面視したとき、第2シートが、前記弾性部材と厚み方向で重なる領域に、前記直交する方向における中央部が、該中央部を挟む両側部に比して構成繊維間の空隙率が相対的に高い空隙率変化領域を有しており、
    前記空隙率変化領域では、構成繊維の一部は、繊維形態を喪失して溶融固化した状態となっており、且つ構成繊維の残部は繊維形態が維持されている、伸縮性シート。
  2. 隣り合う前記弾性部材の間であって、前記直交する方向において隣り合う前記融着部どうしの間に、第1シートと第2シートとを接合する他の融着部が配置されている、請求項1に記載の伸縮性シート。
  3. 前記他の融着部は、前記融着部に比して接合強度が小さい、請求項2に記載の伸縮性シート。
  4. 前記直交する方向に沿う前記他の融着部の長さが0.2mm以上5.0mm以下である、請求項2又は3に記載の伸縮性シート。
  5. 前記弾性部材の延びる方向に沿う前記融着部の長さが0.1mm以上3.0mm以下である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の伸縮性シート。
  6. 前記弾性部材の延びる方向に隣り合う前記融着部のピッチが1.0mm以上6.0mm以下である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の伸縮性シート。
  7. 前記直交する方向において隣り合う前記融着部の外方端部間の長さが1.0mm以上10.0mm以下である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の伸縮性シート。
  8. 隣り合う前記弾性部材のピッチが0.5mm以上10.0mm以下である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の伸縮性シート。
  9. 第1シート及び第2シートが、スパンボンド不織布層を有する積層不織布である、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の伸縮性シート。
  10. 吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に位置する外装体とからなる吸収性物品であって、
    前記外装体が、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の伸縮性シートを含んでいる、吸収性物品。
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