図1を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システムとしての医療情報管理システムについて説明する。図1には、本実施形態に係る医療情報管理システムの一例が示されている。
本実施形態に係る医療情報管理システムは、医療行為の実施が記録された実施記録文書の登録、管理等を行うシステムであり、一例として、情報処理装置としての医療情報管理装置10と、1又は複数の端末装置12と、を含む。医療情報管理装置10と端末装置12は、例えば、ネットワーク等の通信経路Nを介して互いに通信する機能を備えている。なお、医療情報管理システムにはサーバ等の他の装置が含まれてもよい。
医療情報管理装置10は、医療行為の実施が記録された実施記録文書の登録、管理等を行う機能を備えている。実施記録文書の登録指示は、医療情報管理装置10にて与えられてもよいし、端末装置12にて与えられてもよい。また、実施記録文書のデータは、医療情報管理装置10に記憶されてもよいし、端末装置12に送信されて端末装置12に記憶されてもよいし、サーバ等の他の装置に送信されて当該他の装置に記憶されてもよい。また、実施記録文書は、医療情報管理装置10、端末装置12、その他の装置等にて表示されてもよい。
端末装置12は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、等の装置である。
ここで、医療行為と実施記録文書について説明する。医療行為は、例えば、医師や看護師等の医療従事者によって行われる行為であり、例えば、他の病院からの患者の紹介状の登録、その紹介状に対する返礼、患者の来院の報告、入院診療計画の作成、手術記録、手術部位チェック、等の行為である。病院においては通常、医療行為が実施されると、医療従事者等の作業者によって、その医療行為の実施が実施記録文書に記録される。例えば、用紙としての実施記録文書や、電子化された実施記録文書のデータが用いられ、その実施記録文書に医療行為の実施が記録される。実施記録文書は、医療行為に関連する文書であり、例えば、紹介状に対する返礼状、来院報告書、入院診療計画書、手術記録書、手術部位チェック書、等である。
本実施形態においては、医療行為の属性(例えば種類)である医療行為種と、その医療行為の実施が記録されるべき実施記録文書の属性(例えば種類)である実施記録文書種と、が予め関連付けられている。通常、医療従事者等の作業者によって、ある医療行為(例えば「手術記録」)が実施されると、その医療行為の属性である医療行為種(例えば「手術記録」)と予め関連付けられた実施記録文書種(例えば「手術記録書」)を属性として有する実施記録文書に、当該医療行為の実施が記録される。上記の例では、手術記録書に手術の記録が記述される。例えば、医療従事者等の作業者が、用紙としての実施記録文書に医療行為の実施を記述したり、実施記録文書のデータに医療行為の実施を記述したりする。
一方、ある医療行為の実施が、当該医療行為の属性である医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種とは異なる実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に記録される場合がある。例えば、「手術部位チェック」という医療行為の実施が、その医療行為の属性である医療行為種(例えば「手術部位チェック」)と予め関連付けられた実施記録文書種(例えば「手術部位チェック書」)とは異なる実施記録文書種(例えば「手術記録書」)を属性として有する実施記録文書に記録される場合がある。つまり、「手術部位チェック」という医療行為の実施は、本来であれば、「手術部位チェック書」に記録されるべきところ、その「手術部位チェック書」とは異なる「手術記録書」に、「手術記録」という医療行為の実施と共に記録される場合がある。例えば、医療従事者が、「手術記録」と「手術部位チェック」という医療行為の実施を、1つの「手術記録書」に記録することが想定される。この場合、「手術部位チェック」という医療行為種に予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書(例えば「手術部位チェック書」)は実体上存在しないことになる。
上記の場合、本実施形態では、医療情報管理装置10は、その医療行為種(例えば「手術部位チェック」)を属性として有する医療行為の実施が記録された実施記録文書(「手術記録書」)を、その医療行為(「手術部位チェック」)と関連付けて保持する。その実施記録文書(例えば「手術記録書」)は、その実施記録文書の属性としての実施記録文書種と予め関連付けられた医療行為種(例えば「手術記録」)を属性として有する医療行為の実施が記録された実施記録文書(例えば「手術記録書」)として用いられると共に、その実施記録文書種とは異なる実施記録文書種と予め関連付けられた他の医療行為種(例えば「手術部位チェック」)を属性として有する医療行為の実施が記録された実施記録文書(例えば「手術部位チェック書」)としても用いられる。つまり、その実施記録文書は、他の医療行為種に予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の代用実施記録文書として用いられる。
以上のように、医療の現場においては、すべての医療行為の実施が、本来記録されるべき正規の実施記録文書(当該医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書)に記録されるとは限らず、少なくとも一部の医療行為の実施が、他の医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に記録される場合がある。
実施記録文書は、例えば医療監査に用いられる。その監査においては、例えば、医療行為が適切に実施されたか否かを評価するための監査、予め定められた医療行為が実際に実施されたか否かを評価するための監査、予め定められた順番に従って各医療行為が実施されたか否かを評価するための監査、等が実施される。監査は、例えば、監査人によって行われる。例えば、ある医療行為の実施が記録された実施記録文書の実体(例えば用紙やデータ)が存在する場合、その医療行為が実際に行われたと判断される。このように、実施記録文書の実体の存在によって、医療行為が適切に実施されたことを証明する場合がある。監査時には、例えば、実施記録文書の実体の有無を示す情報や実施記録文書自体が表示装置に表示され、監査人は、そこに表示されている情報に基づいて監査を行う。なお、監査が適切に実施されたか否かを評価するために、監査人が行った監査を対象として監査を行う場合がある。この場合も、実施記録文書の実体の有無を確認することで、その監査が行われることがある。
以下、本実施形態に係る医療情報管理システムに含まれる各装置について詳しく説明する。
図2を参照して、医療情報管理装置10について詳しく説明する。図2には、医療情報管理装置10の構成が示されている。
通信部14は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部14は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
記憶部16はハードディスクやメモリ等の記憶装置であり、各種のプログラム、各種のデータ、外部装置のアドレス情報(例えば端末装置12のアドレス情報)、等を記憶する。記憶部16は、文書記憶部18と文書種定義記憶部20と管理情報記憶部22とを含む。
文書記憶部18は、医療行為の実施が記録された実施記録文書のデータ(実施記録文書の実体としてのデータ)を記憶する。実施記録文書のデータは、後述する文書作成部24によって作成される。なお、実施記録文書のデータ自体は文書記憶部18に記憶されずに、他の記憶装置(例えばサーバ等)に記憶されてもよい。
文書種定義記憶部20は、文書種定義情報を記憶する。文書種定義情報は、医療行為の属性である医療行為種と、その医療行為の実施が記録されるべき実施記録文書の属性である実施記録文書種と、その実施記録文書の代用文書として用いられることが想定される代用実施記録文書の属性としての代用実施記録文書種と、の関連付けを示す情報である。文書種定義情報は、例えば予め作成されて文書種定義記憶部20に記憶される。
管理情報記憶部22は、実施記録文書を管理するための管理情報を記憶する。管理情報は、例えば、患者を識別するための患者識別情報(例えば患者氏名や患者ID等)と、その患者に関して実施された医療行為(又は当該医療行為の属性としての医療行為種の属性としての医療行為種)と、その医療行為の実施が記録された実施記録文書(又は当該実施記録文書の属性としての実施記録文書種)と、の関連付けを示す情報である。また、代用実施記録文書に実施が記録された医療行為には、当該医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書(又は当該実施記録文書種)と共に、当該代用実施記録文書(又は当該代用実施記録文書の属性としての代用実施記録文書種)が関連付けられる。代用実施記録文書に実施が記録されていない医療行為には、代用実施記録文書(又は代用実施記録文書種)は関連付けられない。管理情報を参照することで、代用実施記録文書に実施が記録された医療行為、及び、代用実施記録文書によって代用された実施記録文書が特定されることになる。管理情報は、これら以外の情報として、実施記録文書のデータを識別するための文書識別情報、当該実施記録文書のデータが記憶されている場所を示す情報(例えば、そのデータの格納場所を示すURL等のアドレス情報)、等を含んでもよい。例えば、実施記録文書が医療情報管理システムに登録される度に、管理情報は更新される。もちろん、管理情報自体が作業者によって編集されてもよい。
文書作成部24は、実施記録文書のデータを作成する機能を備えている。実施記録文書のデータは、文書記憶部18に記憶される。例えば、医療行為の実施が記述された用紙としての実施記録文書がスキャナによって読み取られ、文書作成部24は、その読み取りの結果に基づいて、実施記録文書のデータ(例えば画像データ)を作成する。用紙としての実施記録文書には、例えば、患者を識別するための患者識別情報(例えば患者氏名や患者ID)や、その実施記録文書の実施記録文書種を示す情報等が、コード情報(例えば1次元バーコードや2次元バーコード等)として記述されている。用紙としての実施記録文書がスキャナによって読み取られると、そのコード情報も読み取られる。文書作成部24は、そのコード情報を解析することで患者識別情報や実施記録文書種を示す情報等を取得し、それらを実施記録文書の管理情報として実施記録文書のデータに関連付ける。その管理情報は、管理情報記憶部22に記憶される。もちろん、用紙としての実施記録文書が用いられずに、実施記録文書のデータが用いられてもよい。文書作成部24は、コード情報を用いずに、患者識別情報や実施記録文書種を示す情報を取得してもよい。例えば、患者識別情報が作業者によって入力されてもよいし、他の装置から医療情報管理装置10に入力されてもよい。
文書管理部26は、実施記録文書の登録、更新、参照等の処理を行う機能を備えている。例えば、実施記録文書の登録時に、文書管理部26は、医療行為の実施が記録された実施記録文書の管理情報を管理情報記憶部22に記憶させる。これにより、実施記録文書が医療情報管理システムに登録される。また、文書管理部26は、医療行為の実施が記録された実施記録文書の実体としてのデータを文書記憶部18に記憶させる。また、管理情報の編集指示を受けた場合、文書管理部26は管理情報を編集する。例えば、実施記録文書が登録された後に、管理情報に含まれる各情報の関連付けの変更が指示された場合、文書管理部26は、その指示に従って管理情報を編集する。
以下、実体としてのデータや用紙が存在して登録された実施記録文書を「実体登録文書(登録済み文書)」と称することとし、この登録を「実体登録」と称することとする。例えば、実施記録文書の実体としてのデータが存在して文書記憶部18に記憶され、その実施記録文書の管理情報が管理情報記憶部22に記憶された場合、当該実施記録文書は医療情報管理システムに登録されたことになり、その実施記録文書は実体登録文書に相当する。
また、ある医療行為の実施が、当該医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種とは異なる実施記録文書種を属性として有する実施記録文書(代用実施記録文書)に記録されている場合、文書管理部26は、代用実施記録文書をその医療行為に関連付けて登録する。また、文書管理部26は、その代用実施記録文書によって代用された実施記録文書(上記の医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書)の管理情報を管理情報記憶部22に記憶させることで、代用実施記録文書によって代用された実施記録文書を登録する。代用実施記録文書は、実体としてのデータや用紙が存在する実体登録文書であり、代用実施記録文書の実体としてのデータは文書記憶部18に記憶される。一方、代用実施記録文書によって代用された実施記録文書の実体としてのデータや用紙は存在しておらず、そのデータは文書記憶部18に記憶されていない。以下、このようにして実体としてのデータや用紙が存在せずに登録された実施記録文書を「みなし登録文書」と称することとし、この登録を「みなし登録」と称することとする。みなし登録文書の管理情報においては、代用実施記録文書に実施が記録された医療行為と、当該医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書(又は当該実施記録文書種)(つまり、みなし登録文書又はその属性)と、当該代用実施記録文書(又は代用実施記録文書の属性としての代用実施記録文書種)と、が互いに関連付けられる。
制御部28は、医療情報管理装置10の各部の動作を制御する機能を備えている。また、制御部28は表示制御部30を含む。
表示制御部30は、実施記録文書やその他の情報の表示を制御する機能を備えている。表示制御部30は、例えば、医療情報管理装置10のUI部32(ユーザインターフェース部)や端末装置12に、実施記録文書、実施記録文書の登録画面、等を表示させてもよい。
UI部32はユーザインターフェース部であり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボード等の入力装置である。もちろん、UI部32は、表示部と操作部を兼ねたユーザインターフェース(例えばタッチ式のディスプレイ等)であってもよい。なお、医療情報管理装置10はUI部32を備えていなくてもよい。
以下、図3を参照して、端末装置12について詳しく説明する。図3には、端末装置12の構成が示されている。
通信部34は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部34は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
記憶部36はハードディスクやメモリ等の記憶装置であり、各種のプログラム、各種のデータ、外部装置のアドレス情報(例えば医療情報管理装置10のアドレス情報)、等を記憶する。
UI部38はユーザインターフェース部であり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボード等の入力装置である。もちろん、UI部38は、表示部と操作部を兼ねたユーザインターフェース(例えばタッチ式のディスプレイ等)であってもよい。
制御部40は、端末装置12の各部の動作を制御する機能を備えている。制御部40は、例えば表示制御部として機能し、各種の情報をUI部38の表示に表示させる。
端末装置12は、例えば、実施記録文書の登録時や参照時等に用いられる。例えば、実施記録文書の登録時に、実施記録文書の登録画面が端末装置12のUI部38に表示され、医療従事者等の作業者は、端末装置12を用いて実施記録文書の登録操作を行う。もちろん、作業者は、端末装置12を用いずに、医療情報管理装置10を用いて登録操作を行ってもよい。
なお、端末装置12は、文書作成部24や文書管理部26を備えて、実施記録文書のデータの作成や登録処理等を行ってもよい。また、端末装置12は、文書記憶部18や文書種定義記憶部20や管理情報記憶部22を備えて、実施記録文書のデータを記憶したり、文書種定義情報を記憶したり、管理情報を記憶したりしてもよい。
以下、図4を参照して、文書種定義情報について詳しく説明する。図4には、文書種定義情報としての文書種定義テーブルの一例が示されている。文書種定義テーブルのデータは、予め作成されて文書種定義記憶部20に記憶されている。
文書種定義テーブルにおいては、例えば、医療行為種を示す情報と、その医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されるべき実施記録文書の属性としての実施記録文書種を示す情報と、その実施記録文書の代用文書として用いられる代用実施記録文書の属性としての代用実施記録文書種を示す情報と、が互いに関連付けられている。代用実施記録文書種を属性として有する代用実施記録文書には、本来記録されるべき医療行為のみならず、その代用実施記録文書によって代用される実施記録文書に記録されるべき医療行為の実施が記録される場合がある。
例えば、「手術記録」という医療行為種と、「手術記録書」という実施記録文書種と、が互いに関連付けられている。「手術記録」という医療行為種を属性として有する医療行為は、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に記録されるべき医療行為である。換言すると、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、「手術記録」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録される文書である。
また、「手術部位チェック」という医療行為種と、「手術部位チェック書」という実施記録文書種と、「手術記録書」という代用実施記録文書種と、が互いに関連付けられている。「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為は、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に記録されるべき医療行為である。換言すると、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録される文書である。また、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為は、「手術記録書」という実施記録文書種(代用実施記録文書種)を属性として有する実施記録文書(代用実施記録文書)に記録される場合がある。つまり、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書によって代用される場合がある。換言すると、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書には、「手術記録」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されると共に、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録される場合がある。この場合、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の代用実施記録文書に相当する。
医療行為種及び実施記録文書種には、1又は複数の代用実施記録文書種が関連付けられてもよい。図4に示す例では、「紹介状返礼」という実施記録文書種に、複数の代用実施記録文書種(「紹介状」、「患者アンケート」)が関連付けられている。
作業者がマニュアル操作によって、医療行為種、実施記録文書種及び代用実施記録文書種を関連付けてもよいし、文書管理部26が、その関連付けを自動的に行ってもよい。文書管理部26は、例えば、医療行為の実施記録の実際の履歴や統計資料に基づいて、医療行為種との間で関連性を有する代用実施記録文書種(例えば、医療行為種との関連性が予め定められた閾値以上となる代用実施記録文書種)を当該医療行為種に関連付けてもよい。
以下、図5を参照して、管理情報について詳しく説明する。図5には、管理情報としての文書管理テーブルの一例が示されている。文書管理テーブルのデータは、管理情報記憶部22に記憶されている。
文書管理テーブルにおいては、例えば、患者識別情報としての患者IDと、医療行為を示す情報(又は医療行為種を示す情報)と、実施記録文書を示す情報(又は実施記録文書種を示す情報)と、代用実施記録文書を示す情報(又は代用実施記録文書種を示す情報)と、実施記録文書の所在を示す情報と、実施記録文書の作成者を示す情報と、文書作成に関するコメントを示す情報と、実施記録文書の作成日を示す情報と、が互いに関連付けられている。
医療行為を示す情報は、その医療行為を示す情報に関連付けられている患者IDを有する患者に関して実施された医療行為を示す情報である。実施記録文書を示す情報は、その医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書を示す情報である。代用実施記録文書を示す情報は、医療行為の実施が代用実施記録文書に記録された場合に関連付けられる情報であり、その医療行為の実施が実際に記録された実施記録文書を示す情報である。実施記録文書の所在を示す情報は、実施記録文書のデータの格納場所(例えばURL等のアドレス情報)を示す情報である。
代用実施記録文書が関連付けられていない医療行為の実施は、その医療行為に予め関連付けられた実施記録文書に記録されており、その実施記録文書の実体としてのデータや用紙が存在して、その実施記録文書が医療情報管理システムに登録されている。例えば、その実施記録文書の実体としてのデータが存在して文書記憶部18に記憶されている。この実施記録文書は「実体登録文書」に相当する。
代用実施記録文書が関連付けられている医療行為の実施は、その医療行為に予め関連付けられた実施記録文書に記録されておらず、その代用実施記録文書に記録されている。その実施記録文書の実体としてのデータや用紙は存在しておらず、代用実施記録媒体の実体としてのデータや用紙が存在して、その実施記録文書が医療情報管理システムにみなし登録されている。この実施記録文書は「みなし登録文書」に相当する。
具体例を挙げて説明する。患者ID「PAT01」を有する患者に関して「入院治療計画」という医療行為種を属性として有する医療行為が実施されている。その医療行為には代用実施記録文書が関連付けられておらず、その医療行為の実施は、その医療行為種と予め関連付けられた「入院治療計画書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に記録されている。その実施記録文書の実体としてのデータや用紙が存在して、例えばそのデータが文書記憶部18に記憶されており、その実施記録文書の管理情報が文書管理テーブルに登録されている。つまり、「入院治療計画書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、その実体が登録された「実体登録文書」に相当する。
また、患者ID「PAT01」を有する患者に関して「入院前問診」という医療行為種を属性として有する医療行為が実施されている。その医療行為には、代用実施記録文書が関連付けられており、その医療行為の実施は、その医療行為種と予め関連付けられた「患者入院前問診票」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に記録されておらず、「入院診療計画書」という代用実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に記録されている。つまり、「入院治療計画書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書には、「入院治療計画」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されていると共に、「入院前問診」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施も記録されている。「患者入院前問診票」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の実体としてのデータや用紙は存在しておらず、「入院治療計画書」という代用実施記録文書種を属性として有する代用実施記録文書の実体としてのデータや用紙が存在して、例えばそのデータが文書記憶部18に記憶されて、「患者入院前問診票」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の管理情報が文書管理テーブルに登録されている。つまり、「患者入院前問診票」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、医療情報管理システムにみなし登録された文書であり、その実体が登録されていない「みなし登録文書」に相当する。
文書管理テーブルを参照することで、医療行為の実施が記録された文書が特定される。また、みなし登録された実施記録文書が特定される。代用実施記録文書が関連付けられていない医療行為は、その医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録種を属性として有する実施記録文書(本来記録されるべき実施記録文書)に記録されていることになる。代用実施記録文書が関連付けられていない実施記録文書は、その実体としてのデータや用紙が存在する実体登録文書(例えばそのデータが文書記憶部18に記憶された文書)に相当する。一方、代用実施記録文書が関連付けられている医療行為は、その医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録種を属性として有する実施記録文書(本来記録されるべき実施記録文書)には記録されておらず、その代用実施記録文書に記録されていることになる。代用実施記録文書が関連付けられている実施記録文書は、その実体としてのデータや用紙が存在しないみなし登録文書である。
例えば、作業者によって実施記録文書の登録指示が与えられると、文書管理部26は、その実施記録文書についての管理情報を文書管理テーブルに追加し、文書管理テーブルを更新する。実体としてのデータや用紙が存在する実施記録文書については、その実体を有する文書として登録される。実体としてのデータが存在しない実施記録文書はみなし登録される。
以下、図6を参照して、医療行為種と実施記録文書種とを関連付けるための設定画面について詳しく説明する。図6には、その設定画面の一例が示されている。
例えば、作業者が端末装置12を用いて関連付けの操作を行うものとする。この場合、作業者が端末装置12を用いて医療情報管理装置10にアクセスし、医療行為種と実施記録文書種との関連付けを要求すると、その関連付けを行うための設定画面42のデータが医療情報管理装置10から端末装置12に送信され、設定画面42が端末装置12のUI部38に表示される。もちろん、作業者は、医療情報管理装置10のUI部32を用いて関連付けの操作を行ってもよい。この場合、医療情報管理装置10のUI部32に設定画面42が表示される。
設定画面42は、文書種定義テーブルに含まれる情報を設定するための画面であり、具体的には、医療行為種入力欄44、実施記録文書種入力欄46、及び、代用実施記録文書種入力欄48を含む。医療行為種入力欄44には、医療行為種を示す情報が入力される。実施記録文書種入力欄46には、その医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されるべき実施記録文書の属性としての実施記録文書種を示す情報が入力される。代用実施記録文書種入力欄48には、その実施記録文書の代用文書として用いられる代用実施記録文書の属性としての代用実施記録文書種を示す情報が入力される。代用実施記録文書が用いられない医療行為については、代用実施記録文書種を示す情報は入力されない。
図6に示す例では、各入力欄はプルダウン形式を有しており、作業者が各入力欄を指定すると、医療行為種入力欄44には医療行為種の候補の一覧が表示され、実施記録文書種入力欄46には実施記録文書種の候補の一覧が表示され、代用実施記録文書種入力欄48には代用実施記録文書種の候補の一覧が表示される。作業者は、それらの一覧の中から、医療行為種、実施記録文書種、及び、代用実施記録文書種を指定することになる。もちろん、作業者は、文字列を入力することで、医療行為種、実施記録文書種、及び、代用実施記録文書種を指定してもよい。
設定画面42には設定ボタン画像が表示されており、作業者がその設定ボタン画像を押すと、文書管理部26は、医療行為種入力欄44に入力された医療行為種を示す情報と、実施記録文書種入力欄46に入力された実施記録文書種を示す情報と、代用実施記録文書種入力欄48に入力された代用実施記録文書種を示す情報と、を互いに関連付けて、文書種定義テーブルを作成する。なお、1又は複数の代用実施記録文書種が指定されて、1又は複数の代用実施記録文書種を示す情報が、医療行為種を示す情報及び実施記録文書種を示す情報に関連付けられてもよい。
以下、図7を参照して、実施記録文書を登録するときの処理について説明する。図7には、実施記録文書の登録画面の一例が示されている。
例えば、作業者が端末装置12を用いて実施記録文書の登録操作を行うものとする。この場合、作業者が端末装置12を用いて医療情報管理装置10にアクセスして実施記録文書の登録を要求すると、登録画面50のデータが医療情報管理装置10から端末装置12に送信され、登録画面50が端末装置12のUI部38に表示される。もちろん、作業者は、医療情報管理装置10を用いて実施記録文書の登録操作を行ってもよい。この場合、医療情報管理装置10のUI部32に登録画面50が表示される。以下では、端末装置12を用いて登録操作が行われるものとする。
登録画面50は、例えば、文書表示領域52、詳細情報表示領域54、及び、実施記録文書種選択欄56を含む。
文書表示領域52には、登録対象の実施記録文書が表示される。例えば、用紙としての実施記録文書が登録される場合、スキャナによって実施記録文書が読み取られると、文書作成部24は、その読み取りの結果に基づいて、実施記録文書の実体としてのデータ(例えば画像データやテキストデータ)を作成する。文書表示領域52には、その読み取りによって作成された実施記録文書の画像や文字列が表示される。また、電子化された実施記録文書が用いられる場合、そのデータ自体が登録される。
実施記録文書には、患者識別情報や、その実施記録文書の属性としての実施記録文書種を示す情報等が、コード情報として記述されている。スキャナによって実施記録文書を読み取ることでコード情報も読み取られ、文書作成部24は、そのコード情報を解析することで、患者識別情報や実施記録文書種を示す情報を取得する。詳細情報表示領域54には、患者識別情報や実施記録文書種を示す情報等が表示される。また、電子化された実施記録文書が用いられる場合、その実施記録文書のデータには、患者識別情報や実施記録文書種を示す情報等が付帯情報として関連付けられており、その付帯情報に含まれる患者識別情報等が、詳細情報表示領域54に表示される。
図7に示す例では、「手術記録書」という実施記録文書種を有する実施記録文書(「手術記録書」)の登録操作が行われている。文書表示領域52には、その手術記録書が表示されている。その手術記録書においては、領域58内に、「手術記録書」という実施記録文書種と予め関連付けられた「手術記録」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されており、領域60内に、「手術記録」という医療行為種とは異なる医療行為種(例えば「手術部位チェック」)を属性として有する医療行為の実施が記録されている。例えば、手術部位チェックの結果が医師によって手書きメモとして記述されている。詳細情報表示領域54には、患者情報、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種を示す情報(例えば「手術記録書」)、その実施記録文書種に予め関連付けられた医療行為種を示す情報(例えば「手術記録」)、等が表示されている。
実施記録文書種選択欄56には、みなし登録文書の属性としての実施記録文書種の候補の一覧が表示される。具体的には、その候補の一覧として、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種とは異なる実施記録文書種であって、その登録対象の実施記録文書に関連付けられる実施記録文書種の候補の一覧が表示されている。登録対象の実施記録文書の登録指示が与えられた場合、文書管理部26は、登録対象の実施記録文書を医療情報管理システムに登録すると共に、この候補の一覧の中から選択された実施記録文書種を登録対象の実施記録文書に関連付けて、その選択された実施記録文書種を属性として有する実施記録文書をみなし登録する。この場合、登録対象の実施記録文書は、自身の実施記録文書種を属性として有する実施記録文書として登録されると共に、その一覧の中から選択された実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の代用実施記録文書としても登録されることになる。
実施記録文書種選択欄56には、すべての実施記録文書種が表示されてもよいし、予め定められた実施記録文書種が表示されてもよい。例えば、文書種定義テーブルにおいて、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種が代用実施記録文書種として関連付けられている実施記録文書種が、実施記録文書種選択欄56に表示されてもよい。別の例として、医療行為の実施記録の実際の履歴や統計資料に基づいて選択された実施記録文書種が、実施記録文書種選択欄56に表示されてもよい。
図7に示す例では、登録対象の実施記録文書に関連付けられる他の実施記録文書種の候補として、「麻酔記録書」、「輸血実施記録書」、及び、「手術部位チェック書」を示す情報が表示されている。例えば、文書種定義テーブルにおいて、「麻酔記録書」という実施記録文書種に、「手術記録書」という実施記録文書種が代用実施記録文書種として関連付けられている場合、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書を登録するための登録画面50の実施記録文書種選択欄56には、「麻酔記録書」という実施記録文書種が候補として表示される。「輸血実施記録書」と「手術部位チェック書」についても同様である。
作業者は、登録対象の実施記録文書の内容を確認し、その実施記録文書に、その実施記録文書の属性としての実施記録文書種と予め関連付けられた医療行為種とは異なる医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されている場合、実施記録文書種選択欄56に表示された一覧の中から、当該異なる医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を選択する。図7に示す例では、登録対象の実施記録文書に、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されており、実施記録文書種選択欄56にて、作業者によって、「手術部位チェック書」という実施記録文書種が選択されている。
登録画面50には登録ボタン画像が表示されており、作業者がその登録ボタン画像を押した場合、文書管理部26は、登録対象の実施記録文書の管理情報を、図5に示されている文書管理テーブルに追加する。また、文書管理部26は、登録対象の実施記録文書のデータを文書記憶部18に記憶させる。これにより、登録対象の実施記録文書(実体としてのデータや用紙が存在する実施記録文書)が実体登録文書として医療情報管理システムに登録(実体登録)される。
実施記録文書種選択欄56に表示された候補の一覧の中から実施記録文書種が選択された場合、文書管理部26は、代用実施記録文書としての登録対象の実施記録文書に、その選択された実施記録文書種(つまり、選択された実施記録文書種に予め関連付けられた医療行為種、又は、その医療行為種を属性として有する医療行為自体)を関連付け、その選択された実施記録文書種を属性として有する実施記録文書をみなし登録文書として医療情報管理システムにみなし登録する。つまり、文書管理部26は、そのみなし登録対象の実施記録文書の管理情報に代用実施記録文書を示す情報を含ませて、その管理情報を文書管理テーブルに登録する。具体的には、実施記録文書種選択欄56内の一覧から選択された実施記録文書種を属性として有する実施記録文書と、その実施記録文書種と予め関連付けられた医療行為種を属性として有する医療行為と、代用実施記録文書と、が互いに関連付けられて、管理情報として文書管理テーブルに追加される。これにより、実施記録文書種選択欄56内の一覧から選択された実施記録文書種を属性として有する実施記録文書がみなし登録文書として医療情報管理システムにみなし登録される。
図7に示す例では、登録対象の実施記録文書(手術記録書)は、「手術記録」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録された実施記録文書として登録されると共に、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録された実施記録文書としても登録される。つまり、手術記録書は、手術部位チェック書の代用実施記録文書としても登録される。
文書管理テーブルにおいては、「手術記録」という医療行為種を属性として有する医療行為と、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書と、が関連付けられる。これにより、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有し、実体としてのデータや用紙が存在する実施記録文書が、実体登録文書として医療情報管理システムに登録(実体登録)される。また、その実施記録文書の実体としてのデータが文書記憶部18に記憶される。
また、文書管理テーブルにおいては、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為と、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書と、「手術記録書」という代用実施記録文書種を属性として有する代用実施記録文書と、が関連付けられる。これにより、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有し、実体としてのデータや用紙が存在しない実施記録文書が、「手術記録書」という代用実施記録文書種を属性として有する代用実施記録文書によって代用されて、みなし登録文書として医療情報管理システムにみなし登録される。
以下、実施記録文書種選択欄56に表示される実施記録文書種の候補について詳しく説明する。実施記録文書種選択欄56には、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種と関連する(登録対象の実施記録文書との間で関連性を有する)1又は複数の実施記録文書種が、みなし登録文書の属性としての実施記録文書種の候補として一覧表示されてもよい。
例えば、文書種定義テーブルにおいて、個々の実施記録文書種毎に、その実施記録文書種との間で関連性を有する1又は複数の代用実施記録文書種が予め関連付けられている。その関連性の有無は、例えば、医療行為の実施記録の実際の履歴や統計資料に基づいて予め決定される。
例えば、ある実施記録文書Aには、その実施記録文書Aの属性としての実施記録文書種A(例えば手術記録書)と予め関連付けられた医療行為種A(例えば手術記録)を属性として有する医療行為Aの実施と共に、その医療行為種Aとは異なる医療行為種B(例えば手術部位チェック)を属性として有する医療行為Bの実施が記録されることが、一般的に認められるものとする。この場合、医療行為種Bは、医療行為種Aとの間で関連性を有する医療行為種であると認定され、医療行為種Bと予め関連付けられた実施記録文書種Bは、実施記録文書種Aとの間で関連性を有する実施記録文書種であると予め認定される。つまり、実施記録文書種Bは実施記録文書種Aによって代用されることが可能な実施記録文書種であり、実施記録文書Bは実施記録文書Aによって代用されることが可能な実施記録文書である。換言すると、実施記録文書種Aは、実施記録文書種Bに代用することが可能な実施記録文書種であり、実施記録文書Aは、実施記録文書Bに代用することが可能な実施記録文書である。
例えば、実施記録の履歴に基づき、実施記録文書Aに医療行為Bの実施が記録される頻度が、予め定められた閾値以上となる場合、医療行為Bは、医療行為Aとの間で関連性を有する医療行為であると認定され、実施記録文書種Bは、実施記録文書Aとの間で関連性を有する実施記録文書であると認定される。この場合、文書種定義テーブルにおいて、実施記録文書種Bに、代用実施記録文書種として実施記録文書種Aが予め関連付けられる。実施記録文書種Aを属性として有する実施記録文書を登録する場合、その実施記録文書種Aとの間で関連性を有する実施記録文書種Bが、実施記録文書種選択欄56に候補として表示される。このように、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種との間で関連性を有する実施記録文書種の候補を表示することで、すべての実施記録文書種を候補として表示する場合と比べて、作業者において、関連付ける実施記録文書種の選択が容易となる。また、表示制御部30は、実施記録文書種選択欄56に、上記の関連性を有する実施記録文書種と関連性を有さない実施記録文書種の両方を表示し、関連性を有する実施記録文書種の表示態様と関連性を有さない実施記録文書種の表示態様とを異ならせてもよい。例えば、表示制御部30は、関連性を有する実施記録文書種を示す情報を点灯させてもよい。
なお、文書種定義テーブルにおいて、個々の実施記録文書種毎に、代用不可能な1又は複数の実施記録文書種が予め関連付けられてもよい。この場合、代用不可能な実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の登録時には、その代用不可能な実施記録文書種と関連付けられた実施記録文書種は、実施記録文書種選択欄56に表示されない。
代用不可能な実施記録文書種は、例えば、その代用不可能な実施記録文書種と予め関連付けられた実施記録文書種との間で関連性を有さない実施記録文書種である。上述の例で説明すると、実施記録文書Aに医療行為Bの実施が記録される頻度が閾値未満の場合、医療行為Bは、医療行為Aとの間で関連性を有さない医療行為であると予め認定され、実施記録文書種Bは、実施記録文書種Aとの間で関連性を有さない実施記録文書種として予め認定される。この場合、文書種定義テーブルにおいて、医療行為種Bと実施記録文書種Bに、代用不可能な実施記録文書種Aが予め関連付けられる。
別の例として、代用不可能な実施記録文書種は、その代用不可能な実施記録文書種と予め関連付けられた実施記録文書種の代用文書種として使用されることが禁止された実施記録文書種であってもよい。
代用不可能な実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の登録時には、その代用不可能な実施記録文書種に関連付けられた実施記録文書種は、図7に示されている実施記録文書種選択欄56に表示されなくてもよいし、表示されても選択が不可能であってもよい。
また、文書管理部26は、登録対象の実施記録文書において、その実施記録文書の属性としての実施記録文書種と予め関連付けられた医療行為種とは異なる医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録された部分を抽出し、その部分に記述されている文字列に対して言語解析を適用することで、その部分に記録されている医療行為の属性としての当該異なる医療行為種を推定してもよい。この場合、表示制御部30は、当該異なる医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を候補として、実施記録文書種選択欄56に表示してもよい。文書管理部26が、その抽出を自動的に行ってもよいし、作業者によって指定された部分を抽出してもよい。以下、この点について図7を参照して詳しく説明する。
例えば、作業者が、文書表示領域52に表示された登録対象の実施記録文書において、異なる医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録された部分(例えば領域60)を指定すると、文書管理部26は、その領域60に相当する部分を抽出し、その領域60に記述されている文字列に対して言語解析を適用することで、その部分に記録されている医療行為の属性としての医療行為種(例えば手術部位チェック)を推定する。この場合、表示制御部30は、その推定された医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種(例えば手術部位チェック書)を候補として、実施記録文書種選択欄56に表示する。文書管理部26は、登録対象の実施記録文書に対して言語解析を適用することで、領域60を自動的に検知して、異なる医療行為種を推定してもよい。
文書管理部26は、言語解析の結果として推定された医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を、代用実施記録文書としての登録対象の実施記録文書に自動的に関連付けて、その実施記録文書種を属性として有する実施記録文書を自動的にみなし登録してもよい。
なお、登録画面50に実施記録文書種選択欄56が表示されずに、医療行為選択欄が表示されてもよい。その医療行為選択欄には、医療行為の候補の一覧が表示される。この場合、医療行為選択欄に表示された候補の一覧の中から医療行為が作業者によって選択されると、文書管理部26は、選択された医療行為を登録対象の実施記録文書に関連付け、選択された医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書を、医療情報管理システムにみなし登録する。登録対象の実施記録文書は代用実施記録文書としても登録される。そのみなし登録された実施記録文書の管理情報においては、作業者によって選択された医療行為と、当該みなし登録された実施記録文書と、代用実施記録文書と、が互いに関連付けられる。
図7に示す例では、実施記録文書の登録時に、他の実施記録文書又は他の医療行為が登録対象の実施記録文書に関連付けられて、みなし登録文書がみなし登録される。もちろん、実施記録文書の登録時以外のタイミングで、その関連付けが行われてもよい。例えば、実体登録文書を編集や参照するときに、その実体登録文書に他の実施記録文書や他の医療行為を関連付けることで、当該他の実施記録文書をみなし登録文書としてみなし登録してもよい。
以下、登録された実施記録文書の表示について詳しく説明する。
図8には、医療行為の実施経過画面の一例が示されている。実施経過画面62は、医療行為の実施の経過を表わす画面、つまり、医療行為の実施が記録された実施記録文書の作成の経過を表わす画面であり、患者毎に実施記録文書の管理情報に基づいて作成される。例えば、作業者が端末装置12を用いて医療情報管理装置10にアクセスして患者IDを指定すると共に実施経過画面の表示を要求すると、表示制御部30は、指定された患者IDに関連付けられている実施記録文書の管理情報に基づいて実施経過画面62のデータを作成する。その実施経過画面62のデータは医療情報管理装置10から端末装置12に送信され、実施経過画面62が端末装置12のUI部38に表示される。もちろん、医療情報管理装置10のUI部32に実施経過画面62が表示されてもよい。以下では、端末装置12のUI部38に実施経過画面62が表示されるものとする。
実施経過画面62においては、作業者によって指定された患者IDに関連付けられて文書管理テーブルに登録されている実施記録文書に紐付く画像(例えば文書マーク64,66,68)が、実施記録文書が作成された日時に従って時系列に沿って表示されている。このとき、実体登録された実施記録文書に紐付く画像と、みなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)に紐付く画像と、が区別されて表示される。図8に示す例では、横軸が作成日時を表わす時間に対応しており、各文書マークが、文書マークに紐付く実施記録文書の作成日時に従って時系列に沿って表示されている。
文書マーク64,66は、実体登録された実施記録文書に紐付くマーク、つまり、実体としてのデータや用紙が存在して医療情報管理システムに登録された実施記録文書に紐付くマークである。文書マーク68は、みなし登録文書(みなし登録された実施記録文書)に紐付くマーク、つまり、実体としてのデータや用紙が存在せずに、代用実施記録文書によって代用された実施記録文書に紐付くマークである。表示制御部30は、実体登録された実施記録文書に紐付くマークの表示態様と、みなし登録された実施記録文書に紐付くマークの表示態様と、を異ならせてもよい。表示制御部30は、例えば、実体登録された実施記録文書に紐付くマークと、みなし登録された実施記録文書に紐付くマークと、で表示色や形状を異ならせてもよいし、点灯や点滅の態様を異ならせてもよい。また、表示制御部30は、実施記録文書種に応じてマークの表示態様を異ならせてもよい。
作業者によって文書マークが指定されると、表示制御部30は、文書管理テーブルにおいて、その指定された文書マークに紐付く実施記録文書を特定し、その実施記録文書の表示を制御する。例えば、端末装置12のUI部38に、指定された文書マークに紐付く実施記録文書が表示される。実体登録された実施記録文書に紐付く文書マーク64が作業者によって指定された場合、表示制御部30は、その文書マーク64に紐付く実体登録された実施記録文書を端末装置12に表示させる。みなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)に紐付く文書マーク68が作業者によって指定された場合、表示制御部30は、その文書マーク68に紐付くみなし登録文書に関連付けられた代用実施記録文書を端末装置12に表示させる。もちろん、実施記録文書は、医療情報管理装置10のUI部32に表示されてもよい。
以下、図9を参照して、実体登録された実施記録文書の表示例について説明する。図9には、実施記録文書が表示される文書表示画面の一例が示されている。
例えば、作業者が端末装置12を用いて医療情報管理装置10にアクセスして患者IDを指定すると共に実施記録文書の表示を要求すると、表示制御部30は、文書表示画面70のデータを作成する。その文書表示画面70のデータは医療情報管理装置10から端末装置12に送信され、その文書表示画面70が端末装置12のUI部38に表示される。もちろん、医療情報管理装置10のUI部32に文書表示画面70が表示されてもよい。以下では、端末装置12のUI部38に文書表示画面70が表示されるものとする。
図9に示すように、文書表示画面70は、一覧表示領域72と文書表示領域74とを含む。
一覧表示領域72には、作業者によって指定された患者IDに関連付けられて医療情報管理システムに登録された実施記録文書の一覧が表示される。表示制御部30は、文書管理テーブルに登録された実施記録文書群の中から、指定された患者IDに関連付けられた1又は複数の実施記録文書を抽出し、抽出した1又は複数の実施記録文書を示す情報(例えば、文書名や実施記録文書種等)を、一覧表示領域72内に表示する。このとき、表示制御部30は、実体登録された実施記録文書とみなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)の両方を抽出して、それらを示す情報を一覧表示領域72内に表示する。
図9に示す例では、「入院診療計画書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書、「患者問診票」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書、及び、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書が、指定された患者に関する文書として医療情報管理システムに登録されており、それらの文書を示す情報が一覧表示領域72内に表示されている。各実施記録文書は、実体登録又はみなし登録された文書である。
一覧表示領域72に表示された実施記録文書の一覧の中から実施記録文書が作業者によって指定されると、表示制御部30は、その指定された実施記録文書を文書表示領域74内に表示する。図9に示す例では、実施記録文書の一覧の中から「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書が指定されている。この場合、表示制御部30は、文書管理テーブルにおいて、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に代用実施記録文書が関連付けられているか否かを判定する。「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に代用実施記録文書が関連付けられていない場合、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、実体登録された実施記録文書に該当する。この場合、表示制御部30は、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の実体としてのデータを文書記憶部18から取得し、その実施記録文書の実体を文書表示領域74に表示する。
図9に示す例では、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は実体登録された実施記録文書であり、その実施記録文書の実体(手術記録書)が文書表示領域74に表示されている。また、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書には、みなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)が関連付けられており、代用実施記録文書としても登録されている。この場合、表示制御部30は、みなし登録文書を示す情報や、みなし登録文書に関連付けられた医療行為を示す情報を、文書表示領域74に表示する。図9に示す例では、「手術記録書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書には、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されており、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の代用実施記録文書としても登録されている。従って、文書表示領域74には、手術記録書が、手術部位チェックの実施記録を兼ねていることを示す情報が表示される。
以下、図10を参照して、代用実施記録文書の表示例について説明する。図10には、実施記録文書が表示される文書表示画面の一例が示されている。
図10に示す例では、一覧表示領域72に表示された実施記録文書の一覧の中から「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書が指定されている。この場合、表示制御部30は、文書管理テーブルにおいて、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に代用実施記録文書が関連付けられているか否かを判定する。「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に代用実施記録文書が関連付けられている場合、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書は、みなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)に該当する。この場合、表示制御部30は、文書管理テーブルにおいて、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書に関連付けられている代用実施記録文書を特定し、その代用実施記録文書の実体としてのデータを文書記憶部18から取得し、その代用実施記録文書の実態を文書表示領域74に表示する。
図10に示す例では、「手術部位チェック書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書はみなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)であり、「手術記録書」という代用実施記録文書種を属性として有する代用実施記録文書に関連付けられている。この場合、その代用実施記録文書の実体(手術記録書)が文書表示領域74に表示される。これにより、「手術部位チェック」という医療行為種を属性として有する医療行為の実施が実際に記録された実施記録文書の実体(手術記録書)が、文書表示領域74に表示される。
以下、図11を参照して、実施記録文書の登録画面の別の例について説明する。図11には、実施記録文書の登録画面の一例が示されている。
例えば、作業者が端末装置12を用いて実施記録文書の登録操作を行うものとする。この場合、作業者が端末装置12を用いて医療情報管理装置10にアクセスして実施記録文書の登録を要求すると、登録画面76のデータが医療情報管理装置10から端末装置12に送信され、登録画面76が端末装置12のUI部38に表示される。もちろん、作業者は、医療情報管理装置10を用いて実施記録文書の登録操作を行ってもよい。この場合、医療情報管理装置10のUI部32に登録画面76が表示される。以下、端末装置12を用いて登録操作が行われるものとする。
登録画面76は、例えば、患者名入力欄78、病名入力欄80、文書種入力欄82、コメント入力欄84、及び、医療行為選択欄86を含む。患者名入力欄78には、患者名が入力される。病名入力欄80には病名が入力される。文書種入力欄82には、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種が入力される。コメント入力欄84には、登録対象の実施記録文書のデータに記述されるコメントが入力される。医療行為選択欄86には、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種と予め関連付けられた医療行為種とは異なる医療行為種を属性として有する医療行為であって、登録対象の実施記録文書に関連付けられる医療行為の候補の一覧が表示されている。
文書管理部26は、登録対象の実施記録文書を、文書種入力欄82に入力された実施記録文書種を属性として有する実施記録文書として医療情報管理システムに登録すると共に、医療行為選択欄86に表示された候補の一覧の中から選択された医療行為を登録対象の実施記録文書に関連付けて、その選択された医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書をみなし登録する。この場合、登録対象の実施記録文書は、自身の実施記録文書種を属性として有する実施記録文書として登録されると共に、その一覧の中から選択された医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書の代用実施記録文書としても登録されることになる。
医療行為選択欄86には、すべての医療行為が表示されてもよいし、予め定められた医療行為が表示されてもよい。例えば、文書種定義テーブルにおいて、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種が代用実施記録文書種として関連付けられている医療行為種を属性として有する医療行為が、医療行為選択欄86に表示されてもよい。別の例として、医療行為の実施記録の実際の履歴や統計資料に基づいて選択された医療行為が、医療行為選択欄86に表示されてもよい。
図11に示す例では、登録対象の実施記録文書の属性として、「紹介状への返礼」という実施記録文書種が指定されている。また、登録対象の実施記録文書に関連付けられる他の医療行為の候補として、「患者来院報告」、「処置報告」、及び、「問診結果」を示す情報が示されている。例えば、文書種定義テーブルにおいて、「患者来院報告」という医療行為種に、「紹介状への返礼」という実施記録文書種が代用実施記録文書種として関連付けられている場合、「紹介状への返礼」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書を登録するための登録画面76の医療行為選択欄86には、「患者来院報告」という医療行為が候補として表示される。「処理報告」と「問診結果」についても同様である。
作業者は、例えば、コメント入力欄84に入力されているコメントの内容を確認し、そのコメント入力欄84に、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書と予め関連付けられた医療行為種とは異なる医療行為種を属性として有する医療行為の実施が記録されている場合、医療行為選択欄86に表示された一覧の中から、当該異なる医療行為種を属性として有する医療行為を選択する。図11に示す例では、コメント入力欄84に、来院に関するコメント(「来院しました。」というコメント)と、問診結果に関するコメント(「大きな以上はありませんでした。」というコメント)が入力されており、医療行為選択欄86にて、作業者によって、来院に関するコメントに対応する「患者来院報告」という医療行為と、問診結果に対応する「問診結果」という医療行為と、が選択されている。
登録画面76には登録ボタン画像が表示されており、作業者がその登録ボタン画像を押した場合、文書管理部26は、登録対象の実施記録文書の管理情報を、図5に示されている文書管理テーブルに追加する。また、文書管理部26は、登録対象の実施記録文書のデータを文書記憶部18に記憶させる。これにより、登録対象の実施記録文書(実体としてのデータが存在する実施記録文書)が実体登録文書として医療情報管理システムに登録(実体登録)される。
医療行為選択欄86に表示された候補の一覧の中から医療行為が選択された場合、文書管理部26は、代用実施記録文書としての登録対象の実施記録文書に、その選択された医療行為を関連付け、その選択された医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書をみなし登録文書として医療情報管理システムにみなし登録する。つまり、文書管理部26は、そのみなし登録対象の実施記録文書の管理情報に、代用実施記録文書を示す情報を含ませて、その管理情報を文書管理テーブルに追加する。具体的には、医療行為選択欄86に表示された候補の一覧から選択された医療行為と、その医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書と、代用実施記録文書と、が互いに関連付けられて、管理情報として文書管理テーブルに追加される。これにより、医療行為選択欄86に表示された候補の一覧から選択された医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書がみなし登録文書として医療情報管理システムにみなし登録される。
図11に示す例では、登録対象の実施記録文書(紹介状への返礼)は、「紹介状への返礼」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書として登録されると共に、「患者来院報告」及び「問診結果」という医療行為の実施が記録された実施記録文書としても登録される。つまり、紹介状への返礼は、患者来院報告書及び問診結果書の代用実施記録文書としても登録される。
文書管理テーブルにおいては、「紹介状への返礼」という医療行為種を属性として有する医療行為と、「紹介状への返礼」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書と、が関連付けられる。これにより、「紹介状への返礼」という実施記録文書種を属性として有し、実体としてのデータが存在する実施記録文書が、実体登録文書として医療情報管理システムに登録(実体登録)される。また、その実施記録文書の実体としてのデータが文書記憶部18に記憶される。
また、文書管理テーブルにおいては、「患者来院報告」という医療行為と、「患者来院報告書」という実施記録文書種を属性として有する実施記録文書と、「紹介状への返礼」という代用実施記録文書種を属性として有する実施記録文書と、が関連付けられる。これにより、「患者来院報告書」という実施記録文書種を属性として有し、実体としてのデータや用紙が存在しない実施記録文書が、「紹介状への返礼」という代用実施記録文書種を属性として有する代用実施記録文書によって代用されて、みなし登録文書として医療情報管理システムにみなし登録される。「問診結果」という医療行為についても同様である。
以下、医療行為選択欄86に表示される医療行為の候補について詳しく説明する。医療行為選択欄86には、登録対象の実施記録文書の属性としての実施記録文書種と関連する(その実施記録文書種との間で関連性を有する)1又は複数の医療行為種を属性として有する1又は複数の医療行為が、候補として一覧表示されてもよい。
例えば、文書種定義テーブルにおいて、個々の実施記録文書種毎に、その実施記録文書種との間で関連性を有する1又は複数の医療行為種が予め関連付けられている。その関連性の有無は、例えば、医療行為の実施記録の実際の履歴や統計資料に基づいて予め決定される。図7を参照して説明した例では、文書種定義テーブルにおいて、実施記録文書種Aに、医療行為種Aと共に医療行為種Bが関連付けられており、実施記録文書種Aを属性として有する実施記録文書Aの登録時に、医療行為種Bを属性として有する医療行為Bが、医療行為選択欄86に表示される。これにより、すべての医療行為を候補として表示する場合と比べて、作業者において、関連付ける医療行為の選択が容易となる。
また、文書管理部26は、コメント入力欄84に入力されたコメントに対して言語解析を適用することで、コメント入力欄84に記録されている医療行為を推定してもよい。この場合、表示制御部30は、その推定された医療行為を候補として、医療行為選択欄86に表示させる。図11に示す例では、コメント入力欄84に、来院に関するコメントと問診結果に関するコメントが記録されているため、そのコメントに対する言語解析の結果として、「患者来院報告」という医療行為と「問診結果」という医療行為が、医療行為選択欄86に表示される。
また、文書管理部26は、言語解析の結果として推定された医療行為を、代用実施記録文書としての登録対象の実施記録文書に自動的に関連付けて、その医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書を自動的にみなし登録してもよい。
なお、実施記録文書の登録時以外のタイミングで、実体登録文書に、当該実体登録文書の属性としての実施記録文書種と予め関連付けられた医療行為種とは異なる医療行為種を属性として有する医療行為が関連付けられてもよい。例えば、実体登録文書を編集や参照するときに、その実体登録文書に、当該異なる医療行為種を属性として有する医療行為が関連付けられてもよい。また、電子化された実施記録文書の登録時においても、上述した登録時の操作と同じ操作によって、実体登録文書に、異なる医療行為種を属性として有する医療行為が関連付けられる。
以上のように、本実施形態によれば、医療行為の実施が代用実施記録文書に記録されている場合、その医療行為が代用実施記録文書に関連付けられて、その医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書がみなし登録される。これにより、その医療行為の実施が記録された文書が、システムに実体として存在しないという状態が防止される。
以下、図12を参照して、実施記録文書の登録状況を示す画面(以下、「登録状況画面」と称する)について説明する。図12には、登録状況画面の一例が示されている。
例えば、作業者が端末装置12を用いて医療情報管理装置10にアクセスして文書の登録状況の表示を要求すると、登録状況画面のデータが、医療情報管理装置10から端末装置12に送信されて、端末装置12のUI部38に表示される。もちろん、登録状況画面は、医療情報管理装置10のUI部32に表示されてもよい。登録状況画面のデータは、例えば、医療情報管理装置10の表示制御部30によって作成される。登録状況画面は、例えば医療監査を行うときに表示され、その登録状況画面に表示された情報に基づいて監査が行われる。監査時においては、医療情報管理装置10は、医療監査用装置として機能する。
登録状況画面は、例えば、入退院属性表示領域と文書分類表示領域とを含む。
入退院属性表示領域においては、例えば、患者毎に、患者ID、患者氏名を示す情報、入科日(特定の診療科に入科した日)を示す情報、退科日(特定の診療科から退科した日)を示す情報、及び、利用した診療科を示す情報が、互いに関連付けられて表示される。
文書分類表示領域には、患者毎に、各実施記録文書の登録の有無を示す情報が表示される。また、実施記録文書種の分類が定められており、実施記録文書は、例えば、入院に関する実施記録文書群、手術に関する実施記録文書群、退院に関する実施記録文書群、又は、その他の実施記録文書群に分類されている。例えば、入院に関する実施記録文書群には「入退院診療計画書」が含まれており、手術に関する実施記録文書群には「手術記録書」が含まれており、退院に関する実施記録文書群には「退院証明書」が含まれており、その他の実施記録文書群には「紹介状」が含まれている。
登録の有無を示す情報として、例えば、登録の有無を表わす画像が表示される。例えば、みなし登録されずに実体登録された実施記録文書(実体登録文書)に対応する表示欄には、登録済み画像が表示される。みなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)に対応する表示欄には、みなし登録画像が表示される。登録されていない実施記録文書に対応する表示欄には、未登録画像が表示される。各画像は、例えば、医療情報管理装置10の表示制御部30によって作成される。
実施記録文書の登録の有無は、管理情報記憶部22に記憶されている管理情報(文書管理テーブル)に基づいて判断される。
文書管理テーブルにおいて、代用実施記録文書が関連付けられていない実施記録文書は、みなし登録されずに実体登録された実施記録文書(実体登録文書)である。それ故、その実施記録文書に対応する表示欄には、登録済み画像88が表示される。登録済み画像88と同じ模様を有する画像も、登録済み画像である。例えば、患者氏名が「A川A男」の「一般内科」についての「入院診療計画書」に対応する表示欄には、登録済み画像が表示されている。これは、その「入院診療計画書」がみなし登録されずに実体登録されたことを示している。
文書管理テーブルにおいて、代用実施記録文書が関連付けられている実施記録文書は、その代用実施記録文書によって代用されてみなし登録されたみなし登録文書である。それ故、その実施記録文書に対応する表示欄には、みなし登録画像90又はみなし登録画像92が表示される。
みなし登録画像90は、マニュアル操作によってみなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)を表わす画像である。例えば、図7に示されている実施記録文書種選択欄56に表示された実施記録文書種の候補の一覧の中から作業者が実施記録文書種を選択することで、選択された実施記録文書種を属性として有する実施記録文書(みなし登録文書)がマニュアル操作によってみなし登録される。また、図11に示されている医療行為選択欄86に表示された医療行為の候補の一覧の中から作業者が医療行為を選択することで、選択された医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書(みなし登録文書)がマニュアル操作によってみなし登録される。みなし登録画像90は、このようにしてマニュアル操作によってみなし登録されたみなし登録文書を表わす画像である。みなし登録画像90と同じ模様を有する画像も、マニュアル操作によってみなし登録されたみなし登録文書を表わす画像である。例えば、患者氏名が「A川A男」の「一般内科」についての「診療情報提供書」に対応する表示欄には、みなし登録画像90が表示されている。これは、その「診療情報提供書」が、マニュアル操作によってみなし登録されたことを示している。
みなし登録画像92は、自動的にみなし登録された実施記録文書(みなし登録文書)を表わす画像である。例えば、文書管理部26が、代用実施記録文書に言語解析を適用することで推定された医療行為を代用実施記録文書に自動的に関連付けることで、その医療行為の属性としての医療行為種と予め関連付けられた実施記録文書種を属性として有する実施記録文書(みなし登録文書)をみなし登録する。みなし登録画像92は、このようにして自動的にみなし登録されたみなし登録文書を表わす画像である。みなし登録画像92と同じ模様を有する画像も、自動的にみなし登録されたみなし登録文書を表わす画像である。例えば、患者氏名が「B水B女」の「形成外科」についての「診療情報提供書」に対応する表示欄には、みなし登録画像92が表示されている。これは、その「診療情報提供書」が、自動的にみなし登録されたことを示している。
もちろん、マニュアル操作と自動みなし登録とを区別せずに、みなし登録を表わす画像を表示してもよい。
文書管理テーブルに登録されていない実施記録文書は、登録されてない実施記録文書である。それ故、その実施記録文書に対応する表示欄には、未登録画像94が表示される。未登録画像94と同じ模様を有する画像も、未登録を表わす画像である。例えば、患者氏名が「A川A男」の「一般内科」についての「退院証明書」に対応する表示欄には、未登録画像94が表示されている。これは、「退院証明書」が登録されていないことを示している。また、未登録画像94は、登録することが必須の実施記録文書が登録されていないことを示す画像である。上記の例では、登録が必須の「退院証明書」が登録されていないことになる。
空欄部分96は、未登録を表わしている。例えば、患者氏名が「A川A男」の「一般内科」についての「患者アンケート」に対応する表示欄は空欄になっている。これは、「患者アンケート」が登録されていないことを示している。また、空欄部分96は、登録することが任意の実施記録文書が登録されていないことを示している。上記の例では、登録が任意の「患者アンケート」が登録されていないことになる。
もちろん、登録が必須の実施記録文書と登録が任意の実施記録文書とを区別せずに、未登録を表わす画像を表示してもよい。
管理外画像98は、登録が予定されていない実施記録文書を表わす画像である。例えば、手術を行う予定のない患者については、手術に関する実施記録文書は登録される予定がないため、そのような実施記録文書に対応する表示欄には、管理外画像98が表示される。管理外画像98と同じ模様を有する画像も、登録が予定されていない実施記録文書を表わす画像である。
以上のように、各実施記録文書の登録状況が提示される。登録状況が提示されない場合と比べて、例えば監査時に、監査人による実施記録文書の登録状況の判断が容易となる。また、登録済み画像とみなし登録画像とを区別して表示することで、それらを区別せずに表示する場合と比べて、実施記録文書がみなし登録された文書か否かの判断が容易となる。
上述した実施形態及び変形例では、実施記録文書のデータは例えば1つの文書ファイルに相当するが、これは一例に過ぎず、実施記録文書のデータは複数の文書ファイルを含むデータであってもよいし、電子カルテシステム等にて提供される情報等であってもよい。
上記の医療情報管理装置10と端末装置12はそれぞれ、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、医療情報管理装置10と端末装置12のそれぞれは、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、医療情報管理装置10と端末装置12の各部の機能が実現される。上記プログラムは、例えばCDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、医療情報管理装置10と端末装置12の各部は、例えばプロセッサや電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源によって実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、医療情報管理装置10と端末装置12の各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。