JP6995269B2 - スクレーパー - Google Patents

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本発明は、平板状の刃によって付着物を除去するためのスクレーパーに関する。
従来より、この種のスクレーパーとしては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。特許文献1に示すスクレーパーは、刃を固定するヘッドの一端に取り付けられる把持部を備える。刃は、ヘッドに形成された固定板及び揺動板に挟持され、このうち、揺動板はヘッドと把持部に跨って設けられるロック機構によって固定板に押し付けられている。
このスクレーパーは、作業者が床などの相手材の表面に刃先を擦るようにして押し出すことで付着物を除去する際に、ヘッドから刃が外れないように、ロック機構によって刃が固定されている。
しかし、上記構成のスクレーパーは、揺動板を固定板に押し付けることによって刃の厚み方向に対して強固に締め付けられているが、刃の長手方向に対して固定されていない。そのため、スクレーパーを、床などの相手材の表面に刃先を擦るようにして押し出した場合、刃が正規の固定位置からずれてしまう可能性がある。
特開2009-167654号公報
本発明は以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、刃がヘッドからずれることを防止したスクレーパーを提供することにある。
スクレーパーの一態様は、平板状且つ平面視平行四辺形のカッター刃が取り付けられるヘッドと、このヘッドから前記カッター刃の刃先と反対方向であって前記カッター刃の平板状の面を含む平面上に延びる把持部とを備え、前記ヘッドは、一対の部材によって前記カッター刃を着脱自在に挟持する挟持部と、前記挟持部が前記カッター刃を挟持したときに、前記カッター刃の長手方向の第一側端を突き当て可能とした規制部とを備え、前記ヘッドは、前記カッター刃の刃先に向かう前記把持部の延長方向に対して傾斜する形状をなすとともに前記延長方向に対して鋭角をなす鋭角側端部を持ち、前記規制部は、前記鋭角側端部に設けられるとともに、相手材の表面に前記刃先を擦るようにして前記カッター刃が押し出された際に、前記カッター刃の前記第一側端と隙間なく当接するように前記カッター刃の平面視で前記延長方向に対して傾斜することを特徴とする。
スクレーパーの別の一態様は、平板状の刃が取り付けられるヘッドと、このヘッドから前記刃の刃先と反対方向であって前記刃の平板状の面を含む平面上に延びる把持部とを備え、前記ヘッドは、一対の部材によって前記刃を着脱自在に挟持する挟持部と、前記挟持部が前記刃を挟持したときに、前記刃の長手方向の第一側端を突き当て可能とした規制部とを備え、前記ヘッドは、前記刃の刃先に向かう前記把持部の延長方向に対して傾斜する形状をなすとともに前記延長方向に対して鋭角をなす鋭角側端部と前記延長方向に沿う軸線を挟んで前記鋭角側端部と反対側で前記延長方向に対して鈍角をなす鈍角側端部とを持ち、前記規制部は、前記鋭角側端部に設けられ前記鈍角側端部には設けられず、前記鈍角側端部の側で、前記刃の長手方向における前記第一側端の反対側の第二側端を開放し、相手材の表面に前記刃先を擦るようにして前記刃が押し出された際に、前記刃の前記第一側端と隙間なく線接触で当接するように構築された。
また、本発明において好ましくは、前記規制部は、前記挟持部に形成されることを特徴とする。
また、本発明において好ましくは、前記規制部は、前記第一側端を突き当て可能とした段差状をなすことを特徴とする。
また、本発明において好ましくは、前記一対の部材は、把持部に固定される固定部と、前記固定部に対して近接又は離隔する揺動部とを備え、前記規制部は、前記固定部と前記揺動部が互いに凹凸嵌合可能な形状となすことを特徴とする。
本発明のスクレーパーによれば、スクレーパーを擦るようにして押し出した場合、刃が正規の固定位置からずれてしまうことを防止することができる。
本発明の実施形態のスクレーパーを示す斜視図である。 本発明の実施形態のスクレーパーを示す平面図である。 図2のA-A断面図である。 本発明の実施形態のスクレーパーのヘッドを示す分解斜視図である。
次に、本発明の実施形態のスクレーパー10について、図面に基づき詳細に説明する。
本実施形態に係るスクレーパー10は、図1ないし図3に示すように、ヘッド20と、ヘッド20に挟持されるカッター刃22と、ヘッド20からカッター刃22の刃先22aと反対方向に延びる把持部21とからなる。
把持部21は、表面がゴム状弾性体に覆われた筒状部材であって、先端から後端に向けて径方向幅が徐変するテーパ状をなすとともに、後端が略球状をなすものである。これにより、把持部21は、作業者が握り易い形状をなすことになる。なお、把持部21の先端には、後述するヘッド20の首部31を固定する係合ピン31aを挿通させるための孔部21aが形成されている。
カッター刃22は、平板状の金属からなるものであって市販のカッターの替え刃が好適に用いられ、カッター刃22の短手方向の一端に刃先22aが形成されるとともに、カッター刃22の短手方向の他端にヘッド20に挟持される刃元22cが形成されている。また、カッター刃22の刃先22aの長手方向の側端22bは、後述する規制部33と当接するものである。
ヘッド20は、図2及び図3に示すように、カッター刃22を挟持するヘッド本体30と、このヘッド本体30から延在し、把持部21に固定される首部31と、カッター刃22をヘッド本体30に強固に挟持させるための挟持力増強部32と、カッター刃22がヘッド本体30から外れることを防止する規制部33とからなる。
首部31は、把持部21の内周側に挿入するとともに、把持部21の孔部21aから首部31の孔部31bにかけて係合ピン31aを挿通することで把持部21と結合されている。
ヘッド本体30は、金属からなるものであって、首部31の軸中心を境に左右非対称の形状をなす(本実施形態においては、図2における下側の幅が大きくなっている。)ことで、首部31の軸心に対して傾斜している。そして、ヘッド本体30は、首部31から延在する固定板40と、この固定板40に揺動自在に取り付けられる揺動板50とからなる。
固定板40は、首部31の一端からその幅が徐々に広がるように延在するものである。また、固定板40の先端41は、揺動板50の先端51に近づくように所要の角度をもって傾斜する。固定板40の下面には、後述する揺動板50の係合孔52に挿入されるとともに、先端が揺動板50の係合孔52の開口端部を支持する係合突起42が形成されている。
揺動板50は、固定板40と対応する形状をなすとともに、首部31側の一端からその幅が徐々に広がるように延在するものである。揺動板50の先端51は、固定板40の先端41に近づくように所要の角度をもって傾斜する。これにより、固定板40と揺動板50は、互いに近接する方向に向けて傾斜することになる。また、揺動板50の上面には、上記固定板40の係合突起42が挿入される係合孔52が形成され、この係合孔52の開口端部に係合可能な鉤状の係合突起42の先端によって支持される。
固定板40と揺動板50は、揺動板50の係合孔52に固定板40の係合突起42が挿入され、この係合突起42の先端が係合孔52の開口端部を支持することによって、組み合わされた(係合された)状態となる。また、固定板40と揺動板50は、その先端41,51が互いに近接する方向に向けて傾斜するため、固定板40の後端側と揺動板50の後端側との間の幅が大きくなるにつれ、固定板40の先端41と揺動板50の先端51との間の幅が小さくなる。これにより、揺動板50の先端51は、係合突起42の先端を支点とし、揺動板50の後端を押圧することによって、固定板40の先端41に対して揺動変位し、固定板40の先端41と離隔可能となる。また、揺動板50の先端51が固定板40の先端41から離隔すると、固定板40の先端41と揺動板50の先端51との間には、カッター刃22を挿入可能な隙間が形成される。
挟持力増強部32は、首部31に形成されたねじ孔63と、このねじ孔63に着脱可能に螺合されるねじ体60と、このねじ体60の外周側に圧縮状態で配置されるスプリング62とからなる。
ねじ体60の先端には、突起部61が形成されており、この突起部61は、ねじ体60がねじ孔63に螺合されたときに、揺動板50の上面(図3における上側の面)と接触可能とされている。
スプリング62は、揺動板50を固定板40から離隔させる方向に弾性付勢されたものであって、このスプリング62は、固定板40の後端側と揺動板50の後端側との間に所要の反発力をもって配置されている。
上記構成の挟持力増強部32は、スプリング62が首部31に配置されることによって、揺動板50の後端側を固定板40の後端側から常に離隔させる方向に弾性付勢する。これにより、揺動板50は、揺動板50の先端51と固定板40の先端41との間の幅を小さくするように弾性付勢されることになる。
また、上記構成の挟持力増強部32は、ねじ体60を挟持力増強部32のねじ孔63にねじ込んでいくと、ねじ体60の突起部61が揺動板50の上面と当接することになる。これにより、揺動板50は、固定板40から離隔することができなくなるとともに、係合突起42を支点とする梃子の原理により、固定板40と揺動板50の先端41,51間の挟持力が増強される。
規制部33は、図4に示すように、ヘッド本体30のうち首部31に対して鋭角をなして交差する側の端部30aに形成される段差状をなすものであり、固定板40の固定側挟持面43の側端に形成される規制凸部70と、揺動側挟持面53の側端に形成される規制凹部71とからなる。
規制凸部70は、固定板40の固定側挟持面43の側端から下側(揺動側挟持面53側)に向けて突出するものである。また、この規制凸部70は、カッター刃22の側端22bと同一方向に向けて傾斜することで、カッター刃22の側端22bと隙間無く当接可能となっている。
規制凹部71は、揺動板50の揺動側挟持面53の側端から上側(固定側挟持面43側)に向けて開口した形状をなすものである。
そして、規制凸部70は、下側に向けて突出した形状をなし、かつ、規制凹部71は、前記規制凸部70と対応した形状をなすとともに、上側に向けて開口した形状をなすことで、固定板40の先端41と揺動板50の先端51とが近接したときに、規制凸部70が規制凹部71にはめこまれる。
次に、本実施形態に係るスクレーパー10にカッター刃22を装着する手順を説明する。
まず、挟持力増強部32に螺合されたねじ体60を作業者の指先等で回転させることによって、ねじ体60を挟持力増強部32から弛める。これにより、揺動板50が固定板40から離隔する方向に向けて揺動変位が可能となる。
次に、揺動板50の後端を作業者の指先等で押圧しつづけることによって、固定板40の係合突起42を支点として、揺動板50の先端51が固定板40の先端41から離れる方向に向けて揺動変位する。これにより、揺動板50の先端51と固定板40の先端41との間にカッター刃22を挟み込める程度の隙間が形成される。
次に、図4に示す固定板40と揺動板50との間にカッター刃22を差し込みながら、このカッター刃22をヘッド本体30のうち首部31に対して鋭角をなして交差する側の端部30aへスライドさせる。そうすると、カッター刃22の側端22bが規制部33の規制凸部70に突き当たる。
次に、カッター刃22の側端22bが規制凸部70に当接したことを確認したら、揺動板50の後端に対する押圧を解除することで、固定板40と揺動板50との間に配置されたスプリング62が弾性復元力を発揮することによって、揺動板50の先端51と固定板40の先端41との間の幅を小さくする。
これにより、本実施形態のカッター刃22は、固定板40の先端41近傍に形成された固定側挟持面43と揺動板50の先端51近傍に形成された揺動側挟持面53との間に挟持されることで、ヘッド本体30に挟持される。
その後、ねじ体60を指先等で回転させることによって、挟持力増強部32にねじ体60をねじ込む。これにより、揺動板50が固定板40から離隔する方向に向けて揺動変位することができなくなる。
次に、本実施形態に係るスクレーパー10によって、付着物を除去する方法を説明する。
作業者は、把持部21を手で握った後、例えば、床面に付着した付着物に対して、カッター刃22の刃先22aを当接させる。そして、スクレーパー10を擦るように移動させ、刃先22aが付着物を剥離することによって、付着物を除去する。例えば、壁際の床面に付着した付着物を除去する場合は、カッター刃22の刃先22aを壁際に近接させ、床の表面に刃先22aが擦るようにしてスクレーパー10を押し出すことで刃先22aが付着物を削り、付着物を除去する。
ここで、上記作業では、床面に対する摩擦抵抗によってカッター刃22が、押し出し方向に対して鋭角をなすヘッド本体30の端部30a側へ移動しようとするが、カッター刃22が固定板40と揺動板50との間に挟持されることに加え、ヘッド本体30の端部30aには規制部33が存在するため、規制部33の規制凸部70にカッター刃22の側端22bが突き当たり、端部30a側へのカッター刃22の不用意なずれが阻止される。
なお、上記付着物を除去する方法は、作業者がスクレーパー10を右手で把持した場合を前提に説明したが、左手でスクレーパー10を把持する場合には、スクレーパー10を上下反転させることで、右手と同様に作業することができる。
以上により、本実施形態に係るスクレーパー10によれば、スクレーパー10を、床などの相手材の表面に刃先22aを擦るようにして押し出した際に、カッター刃22が正規の固定位置からずれることを防止することができる。特に、本実施形態に係るスクレーパー10の規制凸部70は、カッター刃22の側端22bと隙間無く当接するため、よりカッター刃22がずれることを防止することができる。
また、本実施形態に係るスクレーパー10によれば、挟持力増強部32のねじ体60を挟持力増強部32に螺合することによって、揺動板50の位置を固定板40に対して固定することができる。これにより、揺動板50が固定板40から揺動変位することを防止することができ、もって、カッター刃22がヘッド本体30から外れることを防止することができる。
また、本実施形態に係るスクレーパー10によれば、規制部33の規制凸部70にカッター刃22の側端22bを隙間無く突き当て、ヘッド本体30にカッター刃22を挟持させることができる。これにより、規制部33は、カッター刃22を正規の固定位置に固定させるためのガイドとしても機能し、カッター刃22をヘッド本体30に容易に挟持させることができる。
なお、カッター刃22がヘッド20からずれることを防止する構成は、上記実施形態として挙げたものに限られず、例えば、固定側挟持面43及び揺動側挟持面53にローレット加工等を施すことで、固定側挟持面43及び揺動側挟持面53に複数の凹凸を形成してもよく、また、一方の固定側挟持面43又は揺動側挟持面53に設け、ボスに対応するボス穴を他方の固定側挟持面43又は揺動側挟持面53に設け、一端に穴が設けられたカッター刃22をボスに挿入した後に、カッター刃22を固定側挟持面43及び揺動側挟持面53に挟持してもよい。
固定側挟持面43及び揺動側挟持面53に複数の凹凸を形成することで、カッター刃22の表面に対する固定側挟持面43及び揺動側挟持面53の摩擦係数が増加し、これにより、カッター刃22がヘッド本体30からずれることを防止することができる。
また、一端に穴が設けられたカッター刃22をボスに挿入した後に、カッター刃22を固定側挟持面43及び揺動側挟持面53に挟持することで、カッター刃22の一端がボスに固定され、これにより、カッター刃22がヘッド本体30からずれることを防止することができる。
また、平板状のカッター刃22の形状については、刃先22aを正面から見たときに平坦形状をなすものに限られず、例えば、凹凸形状をなしてもよい。
10 スクレーパー
20 ヘッド
21 把持部
21a 孔部
22 カッター刃
22a 刃先
22b 側端
22c 刃元
30 ヘッド本体
30a 端部
31 首部
31a 係合ピン
31b 孔部
32 挟持力増強部
33 規制部
40 固定板
41 先端
42 係合突起
43 固定側挟持面
50 揺動板
51 先端
52 係合孔
53 揺動側挟持面
60 ねじ体
61 突起部
62 スプリング
63 ねじ孔
70 規制凸部
71 規制凹部

Claims (5)

  1. 平板状且つ平面視平行四辺形のカッター刃が取り付けられるヘッドと、このヘッドから前記カッター刃の刃先と反対方向であって前記カッター刃の平板状の面を含む平面上に延びる把持部とを備え、
    前記ヘッドは、一対の部材によって前記カッター刃を着脱自在に挟持する挟持部と、前記挟持部が前記カッター刃を挟持したときに、前記カッター刃の長手方向の第一側端を突き当て可能とした規制部とを備え、
    前記ヘッドは、前記カッター刃の刃先に向かう前記把持部の延長方向に対して傾斜する形状をなすとともに前記延長方向に対して鋭角をなす鋭角側端部を持ち、
    前記規制部は、前記鋭角側端部に設けられるとともに、相手材の表面に前記刃先を擦るようにして前記カッター刃が押し出された際に、前記カッター刃の前記第一側端と隙間なく線接触で当接するように前記カッター刃の平面視で前記延長方向に対して傾斜することを特徴とするスクレーパー。
  2. 平板状の刃が取り付けられるヘッドと、このヘッドから前記刃の刃先と反対方向であって前記刃の平板状の面を含む平面上に延びる把持部とを備え、
    前記ヘッドは、一対の部材によって前記刃を着脱自在に挟持する挟持部と、前記挟持部が前記刃を挟持したときに、前記刃の長手方向の第一側端を突き当て可能とした規制部とを備え、
    前記ヘッドは、前記刃の刃先に向かう前記把持部の延長方向に対して傾斜する形状をなすとともに前記延長方向に対して鋭角をなす鋭角側端部と前記延長方向に沿う軸線を挟んで前記鋭角側端部と反対側で前記延長方向に対して鈍角をなす鈍角側端部とを持ち、
    前記規制部は、
    前記鋭角側端部に設けられ前記鈍角側端部には設けられず、
    前記鈍角側端部の側で、前記刃の長手方向における前記第一側端の反対側の第二側端を開放し、
    相手材の表面に前記刃先を擦るようにして前記刃が押し出された際に、前記刃の前記第一側端と隙間なく線接触で当接するように構築されたスクレーパー。
  3. 請求項1又は2に記載のスクレーパーにおいて、
    前記規制部は、前記挟持部に形成されることを特徴とするスクレーパー。
  4. 請求項に記載のスクレーパーにおいて、
    前記規制部は、前記第一側端と突き当て可能とした段差状をなすことを特徴とするスクレーパー。
  5. 請求項に記載のスクレーパーにおいて、
    前記一対の部材は、把持部に固定される固定部と、前記固定部に対して近接又は離隔する揺動部とを備え、前記規制部は、前記固定部と前記揺動部が互いに凹凸嵌合可能な形状をなすことを特徴とするスクレーパー。
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