JP6994739B2 - 無人配送車両による無人配送システム - Google Patents

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Description

本発明は、注文商品を商品自動集積所から集積して指定された配送先に無人配送車両により配送するための、自動集積及び無人配送車両による無人配送の一連の作業を自動化した配送システムに関するものである。
従来、宅配便等による貨物配送サービスにあっては、荷物が集積される配送センター等において作業員が配送車両に手作業により荷物を積み込む。そして、配送車両は、作業員が運転することにより個々の配送先まで移動し、各配送先まで手作業で荷物を運んで配送を行なう。従って、配送車両への荷物の積み卸し、そして配達とすべての作業が作業員による手作業で行なわれると共に、配送センター等や個々の配送先までの配送車両の運転も作業員によって行なわれている。
これに対して、貨物配送サービスの業界においては、慢性的な人手不足の問題があると共に、配送時間指定の制度が設定されているものの、配送時にユーザが指定場所にいないために、荷物の受取りを行なうことができず、荷物の再配達の発生率が高くなっており、人手不足に拍車をかける事態となっている。
また、全国的にコンビニエンスストアが広く普及し、ユーザは、近くのコンビニエンスストアで気軽に商品を購入できるようになっている。しかしながら、店頭に購入したい商品が在庫していないこともあり、このような場合には、ユーザは他の店舗に出向くか、あるいは当該商品の購入を諦めることになってしまう。これにより、当該店舗は商品販売の機会を失うことになりかねない。
他方、近年、ネットワークを介した通信販売が広く普及している。この場合、通信販売業者はユーザから注文商品の購入申し込みを受け付けると、倉庫等で当該注文商品をピックアップし、配送車両に積み込んで配送車両を配送先まで移動させることにより、当該商品をユーザに配送するようになっている。注文商品のピックアップ及び配送車両への積載は、公知のピッキングシステムを使用することにより、自動化が可能である。
さらに、通信販売における商品配送の省力化を図るものとして、本出願人による特許文献1には、無人配送車両による無人配送システムが開示されている。
特願2018-132739号公報 特願2018-197832号公報
これに対して、人手不足解消等のため、コンビニエンスストア,スーパー等の店舗を無人化した無人店舗が実用化しつつある。しかしながら、このような無人店舗の場合も、同様にしてユーザは店舗まで出向いて、店頭で在庫している商品を購入する必要がある。
本発明は、以上の点に鑑み、注文商品を指定された配送先に無人配送車両により迅速且つ効率的にしかも確実に配送するため無人配送車両による配送システムを提供することを目的としている。
上記目的は、本発明の構成によれば、少なくとも1台の無人配送車両と、少なくとも一つの商品自動集積所と、各商品自動集積所における個々の商品の在庫状態を管理すると共に、無人配送車両の状態を管理する管理センターと、無人配送車両と商品自動集積所及び前記管理センターとを相互に接続するネットワークと、から構成されており、管理センターが、ユーザからの注文商品及び配送先を含む商品注文情報に基づいて、注文商品の在庫状況及び配送先の位置に対応して、当該注文商品を配送するための商品自動集積所を選択し、待機中の一つの無人配送車両を選択して、当該無人配送車両及び商品自動集積所に対して、注文商品をピックアップすべき商品自動集積所,無人配送車両及び配送先を含む商品配送情報をネットワークを介して送信し、当該無人配送車両は、走行部と走行部を自動運転制御する制御部と注文商品を収容し得る収納部とを備え、商品配送情報に含まれる商品自動集積所まで自動走行し、当該注文商品には固有の識別情報が設けられ、当該注文商品の搬送経路に隣接して、当該注文商品の前記識別情報を識別するための識別手段が設けられ、識別手段は、搬送経路を移動する当該注文商品の識別情報を識別して、当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品であるか否かを判別し、当該無人配送車両は、積載すべき商品である場合は当該商品自動集積所にて搬送手段により注文商品を収容部に積載した後、配送先まで自動走行し、無人配送車両が、当該配送先においてユーザによる注文商品の照合及び受渡しの後に商品自動集積所又は次の配送先を巡回するように自動走行で移動することを特徴とする、無人配送車両による無人配送システムにより達成される。
上記構成によれば、ユーザからの商品の注文に基づいて、無人配送車両が選択された商品自動集積所まで移動して、当該無人配送車両の収容部内に注文商品が積載される際に、搬送経路に隣接して配置された識別手段により当該注文商品に設けられた識別情報が識別され、正しい注文商品であるか否かが判別される。よって、当該無人配送車両に積載される注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき正しい商品である、ということが確実に確認されるので、商品の無人配送車両への誤積載が確実に防止され、配送先に対して当該注文商品をより迅速に且つより確実に配送することができる。
本発明による無人配送システムは、好ましくは、搬送手段が、無人配送車両の収容部の開口部に隣接した積載位置に相対的に配置可能な搬送台と、搬送位置にて注文商品を無人搬送車両の収容部内に押し込む搬入部材と、を備えている。よって、搬送手段の搬送台を無人配送車両の収容部の開口部に隣接した状態で、搬送台上に載置した注文商品を、搬入部材により収容部内に押し込むことにより、注文商品を無人配送車両の収容部内に自動的に積載することができる。
本発明による無人配送システムは、好ましくは、識別情報が、注文商品の表面に配置された識別表示であって、識別手段が、搬送経路を移動する当該注文商品の識別表示を撮像手段により撮像し、その撮像データに基づいて画像処理部により当該識別表示を抽出することにより、判別部が、抽出された識別表示と商品配送情報とを比較して当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品であるか否かを判別する。これにより、無人配送車両による配送の前に、当該注文商品が配送先に配送されるべき商品、即ちユーザが注文した商品であるかを確認することができる。
本発明による無人配送システムは、好ましくは、識別手段の撮像手段が、当該無人配送車両の収容部内に積載される当該注文商品の識別表示を撮像するように、当該収容部内に配置されている。従って、当該注文商品を無人配送車両の収容部内に積載したとき、撮像手段で当該注文商品の識別表示を撮像することができる。
本発明による無人配送システムは、好ましくは、識別手段の撮像手段が、当該無人配送車両の収容部内に搬送される当該注文商品の識別表示を撮像するように、搬送手段に隣接して、あるいは搬送台上に配置されているので、当該注文商品が無人配送車両の収容部内に積載される前に、撮像手段が当該注文商品の識別表示を撮像することができ、注文商品の誤積載を未然に防止することが可能である。
本発明による無人配送システムは、好ましくは、識別手段が、当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品ではないと判別したとき、その判別結果に基づいて、当該無人配送車両は当該注文商品の配送を中止する。これにより、注文商品の誤配送が確実に排除される。
本発明による無人配送システムは、好ましくは、識別手段が、当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品ではないと判別したとき、その判別結果に基づいて当該搬送手段が、当該無人配送車両の収容部から既に積載した当該注文商品を搬出する。従って、当該注文商品が誤積載されたとき、搬送手段が既に積載された当該注文商品を当該無人配送車両の収容部から搬出することにより、誤積載時の後処理が自動的に行なわれる。
本発明に係る無人配送システムは、好ましくは、さらに、管理センターに接続され、ユーザからの商品の注文から受渡しまでの所定の情報を関連付けて記録する特定のネットワーク、好ましくは、ブロックチェーンネットワークを備えている。よって、注文受付から配送完了までの各段階における記録、例えば、注文情報、配送準備の終了時間、無人配送車両の自動走行の開始時間、無人運転車両の配送先到着時間、配送完了時間等が、特定のネットワーク、例えばブロックチェーンネットワークに記録されるので、記録したデータの改変が不可となり、また、データが改変されていないかどうかの監査が可能となるので、トレーサビリティと信頼性の高い配達サービスが可能となる。
このようにして、本発明によれば、注文商品を指定された配送先に無人配送車両により迅速に且つ効率的しかも確実に配送するための極めて優れた無人配送車両及び無人配送車両による配送システムを提供することができる。
本発明に係る無人配送車両による無人配送システムの一実施形態の全体構成を示す概略図である。 図1の無人配送システムにおける無人店舗の構成を示すブロック図である。 図2の無人店舗における商品配置及びピッキング作業の一例を示す説明図である。 図2の無人店舗における商品配置及びピッキング作業の他の一例を示す説明図である。 図4のビッキング作業における商品の配送箱への搬入路の一例の構成を示す概略側面図である。 図3又は図4のピッキング作業で商品が搬入された配送箱のパッキング作業を示す概略平面図である。 図1の無人配送システムにおける無人配送車両の構成を示すブロック図である。 図4の無人配送車両の具体的な構成を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図7の無人配送車両における識別手段の構成例を示すブロック図である。 図8の無人配送車両の収容部内へ配送箱を搬入する方法を示す概略斜視図である。 図10におけるA-A線断面図である。 無人配送車両の収容部内へ配送箱を搬入する他の方法を示す断面図である。 図1の無人配送システムにおける管理センターの構成を示すブロック図である。 ユーザがユーザ端末機器により直接に管理センターに商品を注文する場合の無人配送の作業を順次に示すフローチャートである。 本発明に係る無人配送車両による無人配送システムの変形例の全体構成を示す概略図である。 図15の無人配送システムにおいて、ユーザがユーザ端末機器により直接に管理センターに商品を注文する場合の配送の追跡作業を順次に示すフローチャートである。 管理センターにおける配送追跡用の画面であり、(A)は注文を受ける前、(B)は注文を受けたとき、(C)は配送準備中、(D)は配送中、(E)は配送完了時を示す図である。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による無人配送車両による無人配送システムの一実施形態の全体構成を示している。図1において、無人配送車両による無人配送システム(以下、無人配送システムという)10は、商品自動集積所としての無人店舗20と、無人配送車両30と、管理センター40と、ネットワーク50と、から構成されている。
ここで、無人店舗20及び無人配送車両30は、図1には一つのみが示されているが、実際には、複数の無人店舗20及び複数の無人配送車両30が配置されている。各無人店舗20は、互いにある程度離れて配置されており、顧客分散を図っている。ネットワーク50は、専用回線又は一般公衆回線であって、後述するように、各無人店舗20及び無人配送車両30と、管理センター40と、さらにはユーザ60のユーザ端末機器61と、を相互に接続することにより、各種情報を相互に送受信することができる。
無人店舗20は、例えば無人コンビニエンスストアとして構成されており、図2に示すように、多数多種の商品21が陳列されていると共に、商品の在庫管理や販売処理等を行なう店舗端末機器22を備えている。
店舗端末機器22は、例えば販売処理のための所謂セルフレジ22aを備えており、商品21の在庫管理や発注処理等を店舗における販売業務に関する種々の処理も行なうように構成されていて、ネットワーク50を介して管理センター40に接続されている。これにより、無人店舗20に来店したユーザ60は、陳列された商品21から所望の商品21を選択して、セルフレジ22aにて支払いを行なって当該商品21を購入することができる。
また、店舗端末機器22は、無人店舗20の商品21の在庫状況を商品在庫情報21aとして、ネットワーク50を介して管理センター40に送信する。
さらに、無人店舗20に来店したユーザ60は、陳列された商品21又は在庫がない商品について、自宅等の配送先62dに対して配送を依頼することもできる。この場合、ユーザ60は、店舗端末機器22又は自分のユーザ端末機器61を操作することにより、店舗端末機器22又はユーザ端末機器61は、ユーザ60の商品注文に応じて注文コード62a,ユーザ情報62b,注文商品62c及び配送先62dから成る商品注文情報62を作成し、ネットワーク50を介して管理センター40に送信すると共に、ユーザ60のユーザ端末機器61に対して当該注文に関するユーザ認証キー63を発行する。
ユーザ60は、無人店舗20の店頭に出向かずに、自分の端末機器61を操作することにより、ネットワーク50を介して直接に管理センター40に対して商品注文情報62を送信して商品注文を行なうこともできる。
さらに、店舗端末機器22はネットワーク50を介して、管理センター40から後述する商品配送情報44を受け取ると、この商品配送情報44に含まれる注文コード62a及び注文商品62cに基づいて、当該注文商品62cを公知の無人ピッキング装置により無人店舗20内に在庫する商品21から選択してピッキングし、場合によっては自動パッキング装置により梱包し、当該注文商品62cの識別情報を含む配送伝票26aを貼り付けた後、注文コード62aに関連付けられた無人配送車両30への積載を指示する。その際、店舗端末機器22は、積載した商品21に関して商品在庫情報21aを修正して、ネットワーク50を介して管理センター40に送信する。
ここで、無人店舗20内において、各商品21は、例えば図3に示すように、各商品21毎に左右両側に整列して配置された複数個の傾斜した個々の商品棚23に沿って並んで載置されている。レール24上を移動可能であるピッキングロボット25は、各陳列棚23の最前に位置する商品21を吸引式グリップハンド25aにより持ち上げると共に、ピッキングロボット25がレール24に沿って移動して、レール24の端部付近に配置された配送箱26内で当該商品21を解放することにより、当該商品21のピッキングが行なわれるようになっている。このピッキングロボット25は、店舗端末機器22に送られてきた商品注文情報62に基づいて、商品注文情報62に含まれる注文商品62cに対応する商品21をピッキングして、配送箱26内に挿入することでユーザ60毎にまとめて配送箱26に注文商品62cを箱詰めすることができる。なお、各商品21には、識別のためにバーコードやRFタグが貼り付けられあるいは印刷等により設けられている。
これに対して、上述したピッキングロボット25の代わりに、他の構成のピッキング装置を使用することも可能であると共に、例えば図4及び図6に示す搬送手段を使用することも可能である。
図4において、搬送手段としてベルトコンベア27が使用されている。各商品棚23から取り出された商品21は、ベルトコンベア27により図面下方に移動され、図5に示すように、ベルトコンベア27の先端27aに隣接して配置されたスロープ27bに沿って、搬送台28上に載置された配送箱26内に滑落することにより、当該商品21のピッキングが行なわれる。
このようにして注文商品62cに対応する商品21が箱詰めされた配送箱26は、図6に示すように、パッキング装置29によって、その一対の保持部29aにより両側から保持された状態で、各商品21に設けられたバーコードやRFタグにより注文品と同じか否かを確認してもよい。バーコードやRFタグの読み取りは、図示しない配送箱26の周囲に設けたバーコードリーダーやRFタグのリーダーにより行われ、店舗端末機器22にWiFiやブルーツースのような近距離用の無線LANにより通知してもよい。
保持部29aにより両側から保持された配送箱26には、パッキング及び配送伝票26aの貼り付けが行なわれる。
ここで、配送伝票26aは、配送箱26内に箱詰めされた商品21に関して、商品注文情報62のうち、例えば注文コード62a,注文商品62c及び配送先62d等が印刷されると共に、例えば注文コード62aに対応する識別表示26bを備えている。識別表示26bは、画像認識により認識され得るものであって、例えば二次元又は三次元バーコード等により構成されていてもよい。
なお、注文商品62cに対応する商品21は、それ自体が比較的大きな梱包である場合等においては配送箱26内に収容されず、商品21単体で配送されるようにしてもよい。この場合、上述した識別情報26bを含む配送伝票26aは、直接に商品21の梱包の表面に貼り付けられる。以下の説明では、このような商品21単体で配送される場合についても、配送箱26として説明する。
無人配送車両30は、公知の無人自動運転車両、例えば特許文献1に開示されている無人配送システムの無人配送車両と同様の構成であり、図7に示すように、走行部31と、前記走行部31を自動運転制御する制御部32と、を含んでいると共に、さらに配送すべき注文商品62cを収容すべき収納部33と、注文商品62cの代金決済を行なう決済部34と、を含んでいる。無人配送車両30には、これを特定するための車両識別情報35が付されている。
ここで、無人配送車両30の制御部32は、管理センター40からネットワーク50を介して送られてくる商品配送情報44を受け取って記憶部36に記録すると共に、この商品配送情報44に基づいて、配送開始通知32a及び車両識別情報35をネットワーク50を介して管理センター40に送出し、且つ走行部31を制御して、無人配送車両30を商品配送情報44で選択された無人店舗20に移動し、収納部33を開放して当該注文商品62cを積載した後、再び収納部33を閉鎖し、走行部31を制御して配送先62dまで自律移動させる。
そして、無人配送車両30の制御部32は、配送先62dに到着したとき、到着通知32b及び車両識別情報35を、ネットワーク50を介してユーザ60の端末機器61に送信する。
ユーザ60が、配送先62dに到着した無人配送車両30の制御部32に対して、注文の際に受け取ったユーザ認証キー63を入力すると、制御部32は、商品配送情報44に含まれるユーザ情報62bとユーザ認証キー63とを照合する。照合できたときは、決済部34にて配送商品62cの代金決済を行なった後、収容部33を開放する。
その後、無人配送車両30の制御部32は、収容部33の開放及び空荷を検出することにより、注文商品62cの配送が完了したものとして、収容部33を閉鎖する。そして、配送完了通知32c及び車両識別情報35を、ネットワーク50を介して管理センター40に送信すると共に、走行部31を制御して近くの無人店舗20に向かって帰還する。
無人配送車両30は、具体的には、図8に示すように、車体37に対して、前後の下部に二対のキャスター37a及び中央の駆動輪37bを、また道路走行に必要な前照灯37cや方向指示器及びリヤコンビネーションランプ等(図示せず)を、さらに自動運転のために必要な前方監視ステレオカメラ37d,側方監視カメラ37e等を備えている。
また、無人配送車両30は、車体両側面に複数個、図示の場合、六個の収容部33を備えており、各収容部33は、それぞれドア33aの開閉により内部に荷物等の積み卸しができるようになっている。各収納部33内には、それぞれ配送箱26の表面に備えられた識別情報26bを識別するための識別手段38が設けられている。この識別手段38は、図9に示すように、収納部33内を撮像する撮像カメラ38aと、撮像カメラ38aの撮像情報から画像認識により識別情報26bを抽出する画像処理部38bと、画像処理部38bにより抽出された識別情報26bと商品配送情報44とを照合して、収納部33内に積載された配送箱26内の商品21が、商品配送情報44に含まれる注文商品62cと一致しているか否か、即ち当該無人配送車両30に積載されるべき商品であるか否か、を判別する判別部38cと、から構成されている。
そして、識別手段38は、収納部33内に配送箱26が積載されるとき、当該配送箱26に付された識別情報26bを識別して、配送箱26内の商品21が正しいものであるか否かを判定する。当該配送箱26内の商品21が正しい場合には、識別手段38は正の判別情報38dを、また当該配送箱26内の商品21が正しくない場合には、誤積載であるとして否の判別情報38eを、無人配送車両30の制御部32に送出する。
これにより、無人配送車両30の制御部32は、正の判別情報38dを受け取った場合には、配送作業を継続して、当該収納部33のドア33aを閉鎖した後、配送先62dに向かって移動する。無人配送車両30の制御部32が否の判別情報38eを受け取った場合には、否の判別情報38eをネットワーク50を介して管理センター40に送信すると共に、当該配送箱26の配送を中止する。
このような収納部33への配送箱26の積載は、一つの配送先62dに対して、一つの収納部33が選択されて行なわれるが、一つの配送先62dに関する配送箱26が、一つの収納部33内に収納しきれない場合には、二つ以上の収納部33が選択され、それぞれ配送箱26が積載される。
ここで、無人配送車両30の収納部33に対する配送箱26の積込みは、搬送手段により行われる。搬送手段は、図10及び図11に示すように、無人配送車両30の収容部33の開口部に隣接した積載位置に相対的に配置可能な搬送台28と、積載位置にて注文商品21を無人搬送車両30の収容部33内に押し込む搬入部材28aと、を備えている。収納部33に対する配送箱26の積み込みは図10及び図11に示すようにして行なわれる。
すなわち、図10及び図11において、指定された無人店舗20に到着した無人配送車両30は、一つの収納部33のドア33aを開放して、この開口部を、配送箱26が載置された搬送台28の前に位置するように停止する。この際、ドア33aの開口部が、搬送台28の前に正確に位置するように、無人配送車両30の制御部32が、側方監視カメラ38a(図8参照)により搬送台28とドア33aの開口部の位置関係を監視して、走行部31を制御する。この状態から、搬送台28に備えられた搬入部材28aにより配送箱26を当該収納部33内に押し込む。
これにより、配送箱26が当該収納部33内に自動的に積載される。
図12は、無人配送車両10の収容部33内への配送箱26の別の搬入状態を示す断面図である。図12に示すように、無人配送車両10の収容部33内への配送箱26の搬入は、予めベルトコンベア27により注文された商品21が配送箱26に詰められ、該配送箱26が、傾斜型のベルトコンベア27のローラーから収容部33に流しこまれて収容されるようになっている。この際、ドア33aの開口部が、傾斜型のベルトコンベア27の先端の前に正確に位置するように、無人配送車両30の制御部32は、側方監視カメラ38a(図8参照)により傾斜型のベルトコンベア27の先端とドア33aの開口部の位置関係を監視して、走行部31を制御する。これにより、配送箱26が当該収納部33内に自動的に積載される。
このとき、識別手段38が、収納部33内に積載された配送箱26の識別情報26bを識別して、当該配送箱26内の商品21が当該無人配送車両30の当該収納部33内に積載されるべき商品であるか否かを判別し、正の判別情報38d又は否の判別情報38eを無人配送車両30の制御部32に出力する。これを受けて、無人配送車両30の制御部32は、正の判別情報38dを受け取った場合には配送作業を継続し、まず当該収納部33のドア33aを閉鎖して無人配送車両30を配送先62dに向かって移動させる。また、無人配送車両30の制御部32が否の判別情報38eを受け取った場合には、誤積載情報38eをネットワーク50を介して管理センター40に送信し、当該配送箱26の取り出しを待つ。
この構成の無人配送車両30は、制御部32が、前方監視ステレオカメラ37d,側方監視カメラ37e等からの検出信号と、前もって作成されたマップデータに基づいて道路を自律走行することができるようになっている。
ここで、管理センター40は、各無人配送車両30からの車両識別情報35と共に送信される配送開始通知32a及び配送完了通知32cに基づいて、当該無人配送車両30の動作状態、即ち「待機中」,「配送中」及び「帰還中」の各状態を検知し、車両状態情報39を作成する。また、管理センター40は、無人配送車両30からの否の判別情報38eを受け取ったとき、この否の判別情報38eを当該無人店舗20へ送信する。
管理センター40は、適宜の箇所に設けられたワークステーション,サーバ,クラウドサーバ等の情報処理装置から構成されており、図13に示すように、送受信部41と記憶部42と制御部43とを有している。
なお、管理センター40での処理は、プログラムに制御されたワークステーション,サーバ,クラウドサーバ等のコンピュータにより実行され、記録媒体としては、例えば磁気ディスク,半導体メモリ,その他の任意のコンピュータで読み取り可能なものが使用される。また、記録媒体に記録されたプログラムは、記録媒体を直接コンピュータに装着して当該コンピュータに読み込ませてもよく、各種ネットワーク50を介してコンピュータに読み込ませるようにしてもよい。さらに、管理センター40のコンピュータは、無人配送車両30の配送を監視する管理者のために、入力部、ディスプレイ等を備えて構成してもよい。また、記憶部42,制御部43は、それぞれ別体のサーバとして構成され、互いに構内ネットワーク等のLANにより接続されていてもよい。
管理センター40の送受信部41は、ネットワーク50を介して、無人店舗20の店舗端末機器22と、そして各無人配送車両30の制御部32及びユーザ60のユーザ端末機器61と、相互に通信可能に接続されている。
管理センター40の送受信部41は、各無人店舗20から商品在庫情報21aを、ネットワーク50を介して受け取ってデータベースとして記憶部42に登録すると共に、この商品在庫情報21aを制御部43に送出する。これにより、管理センター40の制御部43は、管理する全ての無人店舗20における商品21に関する商品在庫情報21aを常に把握して、一元管理することができる。
さらに、管理センター40の送受信部41は、個々の無人配送車両30からは、当該無人配送車両30の状態、即ち「待機中」,「配送中」又は「帰還中」を示す車両状態情報39を、ネットワーク50を介して受け取って、データベースとして記憶部42に登録すると共に、この車両状態情報39を制御部43に送出する。これにより、管理センター40の制御部43は、管理するすべての無人配送車両30の状態を常に把握して一元管理することができる。
また、管理センター40の送受信部41は、無人店舗20の店舗端末機器22からネットワーク50を介して、ユーザ60の商品注文情報62を受け取ると、この商品注文情報62を記憶部42に登録すると共に、商品注文情報62を制御部43に出力する。これにより管理センター40の制御部43は、商品注文情報62に含まれる注文コード62a,ユーザ情報62b,注文商品62c及び配送先62dから、商品在庫情報21aに基づいて、当該注文商品62cが在庫し且つ配送先62dに近い無人店舗20を選択すると共に、車両状態情報39に基づいて、選択した無人店舗20に最も近い無人配送車両30を選択する。
そして、管理センター40の制御部43は、選択した無人店舗20,ユーザ情報62b,注文商品62c及び配送先62dを含む商品配送情報44を作成して、選択した無人店舗20と無人配送車両30に対して、それぞれ商品配送情報54をネットワーク50を介して送信する。
また、管理センター40の制御部43は、無人配送車両30からネットワーク50を介して否の判別情報38eを受け取ったとき、関係する無人店舗20に対して否の判別情報38eを送信する。これにより、無人店舗20の店舗端末機器22は当該無人配送車両30への当該配送箱26の積載を中止し、当該注文商品62cを収納部33から取り出す。
本発明による無人配送システム10は、以上のように構成されており、図14のフローチャートに示すように動作する。このフローチャートに従って、ユーザ60が自分のユーザ端末機器61により管理センター40に対して直接に商品の注文を行なう場合について説明する。
図14のフローチャートにおいて、ステップA1にて、ユーザ60が自分のユーザ端末機器61を使用して商品注文情報62を作成し、ステップA2にて、この商品注文情報62をネットワーク50を介して管理センター40に対して送信する。
これを受けて、管理センター40の制御部43はステップA3にて、この商品注文情報62に対するユーザ認証キー63を発行し、ステップA4にてこのユーザ認証キー63をネットワーク50を介してユーザ60のユーザ端末機器61に対して送信する。このとき、ユーザ60は、ステップA5にて自分のユーザ端末機器62の画面に表示されるユーザ認証キー63を視認する等により、ユーザ認証キー63を確認することができる。
その後、管理センター40の制御部43はステップA6にて、商品在庫情報21aを参照して、商品注文情報62に含まれる注文商品62cが在庫し且つ配送先62dに近いて商品自動集積所、即ち無人店舗20を選択し、続いてステップA7にて車両状態情報39を参照して、選択した無人店舗20に最も近い無人配送車両30を選択する。
次に、管理センター40の制御部43は、ステップA8にて、選択した無人店舗54a,無人配送車両30と、ユーザ情報62bと、注文商品62c及び配送先62dを含む商品配送情報44を作成する。そして、制御部43はステップA9にて、選択した無人配送車両30に商品配送情報44を送信すると共に、ステップA10にて、商品配送情報44を、選択した商品自動集積所である無人店舗20に送信する。
ここで、無人配送車両30の制御部32は、ステップA11にて、商品配送情報44を受け取ると、配送開始通知32a及び車両識別情報35を、ネットワーク50を介して管理センター40に送信すると共に、ステップA12にて、この商品配送情報44に基づいて走行部31を制御し、選択された無人店舗20に向かって自動走行により移動する。
他方、無人店舗20の店舗端末機器22は、商品配送情報44を受け取ると、ステップA13にて、商品配送情報44に基づいて、注文商品62cのピッキング及びパッキングを行ない、配送箱26に配送伝票26aを貼り付けて、注文商品62cに対応する商品21が入った配送箱26を準備し、当該注文商品62cの配送を担当する無人配送車両30の到着を待つ。無人配送車両30が当該無人店舗20に到着し、商品を積載すべき収納部33のドア33aが開放すると、無人店舗20の店舗端末機器22は、ステップA14にて、当該注文商品62cに対応する商品21が入った配送箱26を無人配送車両30の当該収容部33に積載する。
配送箱26が積載されると、ステップA15にて、無人配送車両30の識別手段38は積載された配送箱26を撮像し、配送箱26の識別情報26bを識別して、当該配送箱26内の商品21が当該無人配送車両30の当該収納部33内に積載されるべき商品であるか否かを判別し、正の判別情報38d又は否の判別情報38eを出力する。
ここで、否の判別情報38eの場合には、ステップA16にて、無人配送車両30は配送箱26の誤積載として配送作業を中止し、ステップA17にて、無人店舗20の店舗端末機器22は、この否の判別情報38eに基づいて、当該無人配送車両30の当該収納部33に積載した配送箱26を取り出す。
そして、無人搬送車両30の制御部32は、ステップA18にて、当該収納部33からの当該配送箱26の取り出しを確認した後、ステップA19にて、当該収納部33のドア33aを閉鎖し、ステップA20にて当該無人店舗20付近の待機場所に待機して、配送作業を終了する。
これに対して、正の判別情報38dの場合には、無人配送車両30の制御部33は、ステップA21にて当該収納部33のドア33aを閉鎖し、配送先62dに向かって自動走行で移動する。
ステップA22にて、無人配送車両30が配送先62dに到着すると、ステップA23にて、無人配送車両30の制御部32は、到着通知32bをネットワーク50を介してユーザ60のユーザ端末機器61に通知する。
到着通知32bを受け取ったユーザ60は、ステップA24にて、配送先62dにて無人配送車両30の制御部32に対してユーザ認証キー63を入力すると、無人配送車両30の制御部32は、ステップA25にて、商品配送情報44に含まれるユーザ情報62bとユーザ認証キー63とを照合する。照合できたとき、ステップA26にて決済部34で当該注文商品62cの代金決済を行ない、ステップA27にて収容部33のドア33aを開放して、ユーザ60への配送箱26の受渡しを待つ。
ステップA28にて、ユーザ60が開放した収容部33から配送箱26を取り出すと、無人配送車両30の制御部32が、ステップA29にて収容部33の空荷を検出することにより、配送箱26即ち注文商品62cに対応する商品21の配送が完了したものとして当該収容部33のドア33aを閉鎖し、ステップA30にて、配送完了通知32c及び車両識別情報35を、ネットワーク50を介して管理センター40に送信し、ステップA31にて、走行部31を制御して所属する無人店舗20又は近くの無人店舗20に向かって自動走行し、ステップA32にて当該無人店舗20の車両待機所等に帰還する。
以上で、ユーザ60の注文商品62cに対応する商品21の配送先62dへの配送及び帰還が完了する。
このようにして、ユーザ60は、無人店舗20まで出向かなくても、任意の場所でネットワーク50を介して直接に管理センター40に対して商品の注文を行ない、配送先62dで注文商品62cに対応する商品21を受け取ることができる。
上記の説明においては、ただ一つの収納部33内に商品の入った配送箱26を収納して、一つの配送先62dに配送を行なう場合について説明したが、各収納部33に対して、それぞれ異なる配送先62dに関する配送箱26を収容して、複数の配送先62dを順次に巡回して配送を行なうことが可能であり、これにより、一回の配送作業で、複数の配送先62dを巡回することにより、複数組の商品注文を一度の配送作業に処理すれば、配送効率がより一層向上する。
(注文から配送までの追跡)
次に、注文から配送までの追跡を行う本発明の無人配送システムの変形例について説明する。
図15は、本発明に係る無人配送車両による無人配送システムの変形例の全体構成を示す概略図であり、図16は、図15の無人配送システム10Aにおいて、ユーザ60がユーザ端末機器61により直接に管理センター40に商品を注文する場合の配送の追跡作業を順次に示すフローチャートである。
図15に示すように、ユーザ60が使用するユーザ端末機器61は、ネットワーク50を介して管理センター40に接続される。図15に示す無人配送システム10Aが、図1に示す無人配送システム10と異なるのは、さらに、管理センター40がユーザ60からの商品21の注文から受渡しまでの所定の情報を関連付けて記録する特定のネットワーク52に接続できるように構成されている点である。特定のネットワーク52は、例えば、ローカルサーバーとネットワークを介して接続された特定のネットワークやブロックチェーンネットワークとして構成してもよい。図15では、ブロックチェーンネットワーク52が管理センター40を介してネットワーク50に接続されている。ネットワーク50は、専用回線又は一般公衆回線を用いることができる。
特定のネットワーク52は、ブロックチェーン技術を用いて構成することができる。ブロックチェーン技術を用いた特定のネットワーク52は、例えば、イーサリアム(Ethereum,特許文献2参照)、オープーンソースのHyperledger、IBM社のHyperledger Fabric、ソラミツ株式会社のHyperledger Iroha、Intel社のHyperledger Sawtooth、Monax社のHyperledger Burrow、Sovrin Foundation社のHyperledger Indy等の技術を用いて構成することができる。他の構成は、図1に示す無人配送車両による無人配送システム10と同様であるので説明は省略する。
図16のフローチャートは、図15の無人配送システムにおいて、ユーザ60がユーザ端末機器61により直接に管理センター40に商品21を注文する場合に、(a)注文受付、(b)配送準備、(c)配送中、(d)配送完了の各工程を、ブロックチェーンネットワーク52に記録する例を示している。ステップA1~A32の各ステップは、図14のフローチャートと同じであるので説明は省略する。
(注文受付)
管理センター40は、ステップA2でユーザ60から受けた商品注文情報62及びステップA3でユーザ60に通知したユーザ認証キー63に含まれる情報を関連付けて、ステップA3の終了後に、ステップB1にて、商品注文情報62をブロックチェーンネットワーク52に送信すると共に、ステップB2にて、ユーザ認証キー63をブロックチェーンネットワーク52に送信する。これにより、ブロックチェーンネットワーク52に商品注文情報62及びユーザ認証キー63等の注文情報が記録される。
ブロックチェーンネットワーク52に送信される情報は、商品注文情報62及びユーザ認証キー63に加え、さらに、ユーザ60からの注文時間、その位置情報、該位置情報から予測される配達時間等が含まれてもよい。ユーザ60の位置情報は、ユーザ端末機器61に内蔵されているGPSの位置情報により取得してもよい。
(配送準備)
管理センター40は、ステップA7で無人配送車両30が選択されてからステップA21で無人配送車両30の自動走行が開始される前に、ステップB3にて、無人配送車両60から配送準備が終了したことを、ブロックチェーンネットワーク52に通知する。次に、ステップB4にて、ブロックチェーンネットワーク52に配送準備が終了したことを送信する。これにより、ブロックチェーンネットワーク52に配送準備が終了したこと、例えば配送準備の終了時間が記録される。
上記ステップB4にて、配送準備が終了した情報にさらに、無人配送車両30の車両番号、配送箱26の識別情報配、無人配送車両30の位置情報及び該位置情報から予測される配達時間等が含まれてもよい。
(配送中)
無人配送車両30は、ステップA21の自動走行開始の後で、ステップB5で自動走行を開始したことを管理センター40に通知する。この通知には、無人配送車両30の自動走行の開始時間等が含まれる。次に、ステップB6にて、管理センター40は、配送先に向かって無人配送車両30が自動走行を開始したことを、ステップA21の自動走行開始の後で、ブロックチェーンネットワーク52に送信する。これにより、商品が配送中であることがブロックチェーンネットワーク52に記録される。
(配送完了)
無人配送車両30は、ステップA22の配送先到着の後で、ステップB7にて、配送先に到着したことを、管理センター40に通知する。この通知には、配送先への到着時間等が含まれる。
次に、ステップB8にて、管理センター40は、無人配送車両30が配送先に到着したことを、ブロックチェーンネットワーク52に送信する。
無人配送車両30は、ステップA23~A30にて、ユーザ60に配送箱26を引き渡した後で、配送完了通知を管理センター40に通知する(ステップA30参照)。この通知には、無人配送車両30の照合(ステップA25参照)、決済(ステップA26参照)、配送完了時間等が含まれている。
次に、ステップB9にて、管理センター40は、無人配送車両30の配送が完了したことを、ブロックチェーンネットワーク52に送信する。これにより、注文商品の配送の完了が、ブロックチェーンネットワーク52に記録される。
上記ステップB8の後で、無人配送車両30は、ユーザ60が示すユーザ認証キー63と共に、さらに配送箱26内に備えた温度センサー及び/又は湿度センサー等で取得された温度や湿度に関する情報を、管理センター40に通知してもよい。
例えば、注文された商品の保温のために配送箱26内に保冷剤や保温剤が積載されている場合には、管理センター40は、配送箱26内の温度や湿度に関する情報をブロックチェーンネットワーク52に通知してもよい。
管理センター40においては、配送箱26内の温度や湿度に関する情報から、配送箱26内の注文商品をユーザ60に配送するか否かを判断してもよい。管理センター40は、配送箱26内の注文商品の配送中の温度等が配送中に所定の設定温度よりも高くなった場合等には、ユーザ60に配送できないと判断する。この場合には、ユーザ60への配送を中止するように無人配送車両30に通知し、かつ、ユーザ60には、再配送をする旨の通知や再配送の予想時間を通知してもよい。
(注文から配送までの可視化)
図17は、管理センター40における配送追跡用の画面であり、(A)は注文を受ける前、(B)は注文を受け付たとき、(C)は配送準備中、(D)は配送中、(E)は配送完了を示す図である。
図17(A)に示すように、画面の上方には、配送工程の進捗を示すために、画面の上方の左側から右側の表示として、1の「注文受付」、2の「配送準備付」、3の「配送中」、4の「配送完了」が表示され、「注文受付中」の表示だけが明るく、他は暗く表示される。これにより、配送工程は「注文受付」の段階であることが、管理者により把握できるように可視化される。可視化された内容の詳細は、管理センター40の記憶部42に保管し、必要に応じてディスプレイやユーザ60が所有しているユーザ端末機器61等で閲覧できるようにしてもよい。
図17(B)に示すように、注文を受けた場合には、配送工程の進捗の内、「注文受付」の箇所において、丸印中にチェックマークが入り、明るく表示されると共に、「注文の受付」と、その説明である「注文の受付が完了しました。配送の準備を行っています。」との表示がされる。
配送準備中の場合には、図17(C)に示すように、配送工程の進捗の内、2の「配送準備」の箇所に、丸印中にチェックマークがさらに追加され、明るく表示されると共に、さらに、「配送準備中」と、その説明である「商品を無人配送車に積載しています。」との表示がされる。これにより、配送工程は1の「注文受付」から2の「配送準備」に移行したことが分かる。
配送中の場合には、図17(D)に示すように、配送工程の進捗の内、3の「配送中」の箇所に丸印中にチェックマークがさらに追加され、明るく表示されると共に、さらに、「配送中」と、その説明である「商品を配送中です。」との表示がされる。これにより、配送工程は2の「配送準備」から3の「配送中」に移行したことが分かる。
配送が完了した場合には、図17(E)に示すように、配送工程の進捗の内、4の「配送完了」の箇所に丸印中にチェックマークがさらに追加され、明るく表示されると共に、さらに、「配送中」と、その説明である「商品を配送中です。」との表示がされる。これにより、配送工程は完了したことが分かる。
図17に示すように、可視化された内容の詳細は、管理センター40の記憶部42に保管し、必要に応じてディスプレイ等で閲覧できるようにしてもよい。これにより、ブロックチェーンネットワーク52に通知した注文受付から配送完了までの各段階における記録を可視化できると共に、管理者やユーザ60が容易に配送状態を把握することが可能となる。
この無人配送システム10Aによれば、注文受付から配送完了までの各段階における記録、例えば、商品注文情報、配送準備の終了時間、無人配送車両30の自動走行の開始時間、無人運転車両の配送先到着時間、配送完了時間等が、ブロックチェーンネットワーク52に記録される。ブロックチェーンネットワーク52による記録は、強力な暗号化によりデータの改変が不可となり、また、改変されているか否かの監査が可能であるので、信頼性の高い配達サービスが可能となる。
さらに、ブロックチェーンネットワーク52による記録は改変が不可能であるので、仮に注文受付から配送が完了しない場合等は、ブロックチェーンネットワーク52に保管された記録によりその原因の追跡が可能となる。これにより、無人配送車両による無人配送システム10Aの配送サービスの追跡の可能性(トレーサビリティ)と信頼性を高めることができる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、注文商品62cに対応する商品21を収容した配送箱26に、識別情報として識別表示26bが付されており、この識別表示26bを識別手段38の撮像手段により撮像し、画像処理により識別表示を抽出するようになっているが、これに限らず、例えば識別情報は、ICタグ等の電子的識別情報であってもよく、この場合、識別手段は、電子的に識別情報を読み取ることにより、注文商品の識別を行なうことが可能である。
上述した実施形態においては、無人配送車両30は、何れかの無人店舗20の近くで待機するようになっているが、これに限らず、例えば適宜に設けられた車両待機所に所属して、注文商品62cに対応する商品21を配送先62dに配送した後、所属する車両待機所に帰還するようにしてもよく、また配送終了後に、最寄りの車両待機所又は待機中の無人配送車両30が少ない車両待機所に移動するようにしてもよいことは明らかである。
上述した実施形態においては、商品自動集積所として、無人コンビニエンスストアの場合について説明したが、他の形態の無人店舗、例えば無人スーパーであってもよく、また店舗に限らず、多種多様な商品21の在庫を有する無人倉庫であってもよい。
上述した実施形態においては、管理センター40と接続される特定ネットワーク52として、例えばブロックチェーンネットワークの場合を説明したが、記録を閲覧するのは管理センターやユーザ60だけではなく無人店舗20の担当者、さらには、無人店舗20に関係する会社として、商品を供給する製造会社、製造会社の製品を販売する販社や商社、食品納入会社、商品を無人店舗20に配送する運送会社等で利用してもよい。
10、10A 無人配送車両による無人配送システム
20 無人店舗(商品自動集積所)
21 商品
21a 商品在庫情報
22 店舗端末機器
22a セルフレジ
23 商品棚
24 レール
25 ピッキングロボット
25a 吸引式グリップハンド
26 配送箱
26a 配送伝票
26b 識別表示
27 ベルトコンベア
27a ベルトコンベアの先端
27b スロープ
28 搬送台
28a 搬入部材
29 パッキング装置
29a 保持部
30 無人配送車両
31 走行部
32 制御部
32a 配送開始通知
32b 到着通知
32c 配送完了通知
33 収容部
33a ドア
34 決済部
35 車両識別情報
36 記憶部
37 車体
37a キャスター
37b 駆動輪
37c 前照灯
37d 前方監視ステレオカメラ
37e 側方監視カメラ
38 識別手段
38a 撮像カメラ
38b 画像処理部
38c 判別部
38d 正の判別情報
38e 否の判別情報
39 車両状態情報
40 管理センター
41 送受信部
42 記憶部
43 制御部
44 商品配送情報
50 ネットワーク
52 特定のネットワーク(ブロックチェーンネットワーク)
60 ユーザ
61 ユーザ端末機器
62 商品注文情報
62a 注文コード
62b ユーザ情報
62c 注文商品
62d 配送先
63 ユーザ認証キー

Claims (9)

  1. 少なくとも1台の無人配送車両と、少なくとも一つの商品自動集積所と、前記商品自動集積所における個々の商品の在庫状態を管理すると共に、前記無人配送車両の状態を管理する管理センターと、前記無人配送車両と前記商品自動集積所及び前記管理センターとを相互に接続するネットワークと、から構成されており、
    前記管理センターは、ユーザからの注文商品及び配送先を含む商品注文情報に基づいて、前記注文商品の在庫状況及び前記配送先の位置に対応して当該注文商品を配送するための商品自動集積所を選択し、待機中の一つの無人配送車両を選択して、当該無人配送車両及び商品自動集積所に対して注文商品をピックアップすべき商品自動集積所,無人配送車両及び配送先を含む商品配送情報をネットワークを介して送信し、
    当該無人配送車両は、走行部と、前記走行部を自動運転制御する制御部と、前記注文商品を収容し得る収納部と、を備え、前記商品配送情報に含まれる商品自動集積所まで自動走行し、
    当該注文商品には固有の識別情報が設けられ、
    当該注文商品の搬送経路に隣接して、当該注文商品の前記識別情報を識別するための識別手段が設けられ、
    前記識別手段は、搬送経路を移動する当該注文商品の識別情報を識別して、当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品であるか否かを判別し、
    当該無人配送車両は、積載すべき商品である場合は当該商品自動集積所にて搬送手段により前記注文商品を収容部に積載した後、前記配送先まで自動走行し、
    前記無人配送車両が、当該配送先において前記ユーザによる注文商品の照合及び受渡しの後に前記商品自動集積所又は次の配送先を巡回するように自動走行で移動することを特徴とする、無人配送車両による無人配送システム。
  2. 前記搬送手段が、前記無人配送車両の収容部の開口部に隣接した積載位置に相対的に配置可能な搬送台と、前記積載位置にて前記注文商品を前記無人搬送車両の収容部内に押し込む搬入部材と、を備えていることを特徴とする、請求項に記載の無人配送車両による無人配送システム。
  3. 前記識別情報が、前記注文商品の表面に配置された識別表示であって、
    前記識別手段が、搬送経路を移動する当該注文商品の識別表示を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した撮像データに基づいて前記識別表示を抽出する画像処理部と、前記画像処理部で抽出された識別表示に基づいて前記商品配送情報と比較して当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品であるか否かを判別する判別部と、から構成されていることを特徴とする、請求項又はに記載の無人配送車両による無人配送システム。
  4. 前記識別手段の撮像手段が、当該無人配送車両の収容部内に積載される当該注文商品の識別表示を撮像するように、当該収容部内に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の無人配送車両による無人配送システム。
  5. 前記識別手段の撮像手段が、当該無人配送車両の収容部内に搬送される当該注文商品の識別表示を撮像するように、前記搬送手段に隣接して、あるいは前記搬送台上に配置されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の無人配送車両による無人配送システム。
  6. 前記識別手段は、当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品ではないと判別したとき、その判別結果に基づいて当該無人配送車両が当該注文商品の配送を中止することを特徴とする、請求項からの何れかに記載の無人配送車両による無人配送システム。
  7. 前記識別手段は、当該注文商品が当該無人配送車両に積載されるべき商品ではないと判別したとき、その判別結果に基づいて当該搬送手段が当該無人配送車両の収容部から既に積載した当該注文商品を搬出することを特徴とする、請求項に記載の無人配送車両による無人配送システム。
  8. さらに、前記管理センターに接続され、前記ユーザからの商品の注文から受渡しまでの所定の情報を関連付けて記録する特定のネットワークを備えたことを特徴とする、請求項からの何れかに記載の無人配送車両による無人配送システム。
  9. 前記特定のネットワークは、ブロックチェーンネットワークであることを特徴とする、請求項に記載の無人配送車両による無人配送システム。
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