JP6993135B2 - 糸冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紡糸ビームから紡出される糸を冷却する糸冷却装置に関する。
特許文献1には、糸を生成する溶融紡糸装置が開示されている。溶融紡糸装置は、複数の糸を紡出する紡糸ビームと、紡糸ビームから紡出された複数の糸を冷却する糸冷却装置とを備える。より詳細には、糸冷却装置は、糸に空気を吹き付けることで糸を冷却する糸冷却部と、糸冷却部に空気を送り込むための流路が形成されたダクトとを有する。
上記のような糸冷却装置においては、流路の下流側部分(糸冷却部側の部分)の幅を糸冷却部の幅と同程度にするため、ダクトの途中部に、下流側に向かうにつれて流路幅が拡大する流路拡大部が設けられる。ここで、流路拡大部内に何も配置されていないと、空気は、上流側から下流側に向かってそのまま流れようとするので、空気の速度は、流路の幅方向中央部において相対的に速く、幅方向外側端部において相対的に遅くなりやすい。このように、幅方向の位置によって空気の速度が大きく異なると、糸冷却部において複数の糸が均一に冷却されず、糸品質がばらつくおそれがある。このため、流路拡大部内を流れる空気を整流し、幅方向における空気の速度ばらつきを抑える必要がある。
これに関連して、特許文献2には、拡大ダクトにおいて空気を整流する構成が開示されている。詳細には、拡大ダクト内には、上流側端部から下流側端部にかけて放射状に延びており、拡大ダクト内の流路を複数の小流路に分割する複数の仕切板が設けられている。これにより、空気を複数の小流路に均等に流れ込ませることで、下流側における整流が図られている。
特開2011-252260号公報 特開平8-201215号公報
特許文献2に記載の構成において、単純に仕切板を配置したのでは、仕切板の上流側端部に空気が衝突することで、気流が乱れ、効果的に整流できないおそれがある。このため、仕切板による整流効果を確実に高めるための技術が求められている。
本発明の目的は、流路拡大部内を流れる気体が仕切板の上流側端部に衝突しても気流が乱れることを抑制し、気体の速度のばらつきを抑制することである。
第1の発明の糸冷却装置は、紡糸装置から紡出された糸に気体を吹き付けることで前記糸を冷却する糸冷却部と、前記糸冷却部に供給される前記気体が流れる流路が形成されたダクトと、を備え、前記ダクトは、前記流路の上流側から下流側に向かうほど前記流路の幅が大きくなるように形成された内壁面を有する流路拡大部と、前記流路拡大部内において、流路幅方向に並べて配置され、前記上流側から前記下流側に向かって放射状に延びた複数の仕切板と、を有し、各仕切板の前記上流側の端部には、膨らみ部が形成されており、 前記膨らみ部は、前記膨らみ部の前記上流側の端部から前記下流側に向かうほど前記流路幅方向におけるサイズが大きくなっている部位を含み、互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部同士の間隔が、12mm以上30mm以下であることを特徴とするものである。
本発明では、流路を流れる気体が、流路拡大部によって広がりながら糸冷却部へ流れ込む。流路拡大部内では、複数の仕切板によって、流路が複数の小流路に分けられている。これにより、気体は、いずれかの小流路を通って下流側へ流れる。本発明では、各仕切板に形成された膨らみ部が、上流側端部から下流側に向かうほど流路幅方向におけるサイズが大きくなっている部位を含む。これにより、上流側から流れてくる気体の一部が膨らみ部の表面に沿って滑らかに流れやすくなる。したがって、気流が仕切板から剥離して乱れることを抑制できる。
さらに、本願発明者による鋭意検討の結果、2つの膨らみ部同士の隙間の大きさが、気体の速度ばらつきに大きく影響することが知見された。より詳細には、本願発明者は、本発明のように、2つの膨らみ部同士の間隔を12mm以上とすることで、気体の流れが膨らみ部によって妨げられることを抑制できることを見出した。また、上記間隔を30mm以下とすることで、仕切板同士の間隔が大きくなりすぎることを抑制し、仕切板による整流効果が発揮されにくくなることを抑制することができることを見出した。
以上のようにして、流路拡大部内を流れる気体が仕切板の上流側端部に衝突しても気流が乱れることを抑制し、気体の速度ばらつきを抑制することができる。
第2の発明の糸冷却装置は、前記第1の発明において、互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部同士の間隔が、18mm以上30mm以下であることを特徴とするものである。
本発明では、2つの膨らみ部同士の間隔を18mm以上30mm以下とすることで(すなわち、上記間隔の下限値を第1の発明よりもさらに大きくすることで)、気体の流れが膨らみ部によって妨げられることをさらに抑制でき、気体の速度ばらつきを抑制できる。
第3の発明の糸冷却装置は、前記第1又は第2の発明において、前記流路拡大部の前記内壁面と、前記内壁面に最も近接している前記仕切板の前記膨らみ部との間隔が、互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部同士の間隔の1倍以上7倍以下であることを特徴とするものである。
前記第1又は第2の発明において、さらに、流路拡大部の内壁面と、内壁面に最も近接する膨らみ部との間隔と、2つの膨らみ部同士の間隔との関係も、気体の速度ばらつきに大きく影響することが、本願発明者により知見された。前者の間隔が相対的に大き過ぎると、流路拡大部の内壁面と仕切り板との間(すなわち、流路拡大部内の流路幅方向端部)に気体が流れ込み過ぎて、気体の速度ばらつきが大きくなる。逆に、前者の間隔が相対的に小さ過ぎると、仕切板間(すなわち、流路拡大部内の流路幅方向中央部)に気体が流れ込み過ぎる。本発明では、前者の間隔を後者の間隔の1倍以上7倍以下とすることで、流路拡大部内の流路幅方向端部における気体の速度と、流路幅方向中央部における気体の速度のバランスを向上させることができ、気体の速度ばらつきを抑制できる。
第4の発明の糸冷却装置は、前記第3の発明において、前記流路拡大部の前記内壁面と、前記内壁面に最も近接している前記仕切板の前記膨らみ部との間隔が、互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部同士の間隔の1.5倍以上5.5倍以下であることを特徴とするものである。
本発明では、流路拡大部の内壁面と、内壁面に最も近接する膨らみ部との間隔を、2つの膨らみ部同士の間隔の1.5倍以上5.5倍以下とすることで、流路幅方向における気体の速度のバランスをさらに向上させることができる。
第5の発明の糸冷却装置は、前記第1~第4のいずれかの発明において、前記流路幅方向と直交する流路長さ方向において、各仕切板の長さは、前記内壁面の長さの26%以上であることを特徴とするものである。
仕切板が短すぎると、流路拡大部内において、流路幅方向外側へ気体を十分に広げることができないおそれがある。本発明では、流路長さ方向において、各仕切板の長さを内壁面の長さの26%以上とすることで、仕切板によって流路幅方向外側へ気体を十分に導き、流路幅方向端部まで気体を均等に広げることができる。
第6の発明の糸冷却装置は、前記第1~第5のいずれかの発明において、前記複数の仕切板の前記膨らみ部は、前記流路幅方向に沿って一列に並べられていることを特徴とするものである。
複数の膨らみ部が、例えば、弧状或いは千鳥状等に配置されると、2つの膨らみ部間の間隔が広がりやすいため、上記間隔を所定の大きさ以下にするために必要な仕切板の数が増えるおそれがある。本発明では、複数の膨らみ部が流路幅方向に沿って一列に、すなわち直線状に並べられている。これにより、2つの膨らみ部間の間隔を広がりにくくすることができるため、必要な仕切板の枚数が増大することを抑制することができる。また、流路拡大部の製造時に、例えば、複数の膨らみ部を弧状、或いは千鳥状等に配置する場合、膨らみ部同士の間隔を一つ一つ考慮していると、配置に手間がかかるおそれもある。本発明では、このような手間を少なくすることもできる。
第7の発明の糸冷却装置は、前記第1~第6のいずれかの発明において、前記膨らみ部の断面形状は円状であり、前記膨らみ部の直径が4mm以上20mm以下であることを特徴とするものである。
本発明では、膨らみ部の断面形状が円状であるため、上流側から流れてくる気体を滑らかに下流側へ移動させることができる。但し、膨らみ部の径が小さいと、仕切板に接触した気体を滑らかに移動させる効果が弱まるおそれがある。また、膨らみ部の径を大きくすると、膨らみ部同士の間隔を所定の範囲に収めるためには、仕切板同士の間隔を大きくする必要が生じる。そうすると、膨らみ部のすぐ下流側において流路の幅が急激に大きくなり、気流が不安定化するおそれがある。したがって、膨らみ部の径は、4mm以上20mm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。 図1のII-II断面図である。 (a)は図1の流路拡大部のIII-III断面図、(b)は(a)の仕切板の膨らみ部の拡大図である。 流路拡大部の上流側端部の拡大図である。 全ての実施例及び比較例の条件と、流体解析によって得られた空気の速度ばらつきのデータを示す図である。 一部の実施例及び比較例の条件と、流体解析によって得られた空気の速度ばらつきのデータを示す図である。 一部の実施例及び比較例の条件と、流体解析によって得られた空気の速度ばらつきのデータを示す図である。 一部の実施例及び比較例の条件と、流体解析によって得られた空気の速度ばらつきのデータを示す図である。 膨らみ部の有無依存性に関する解析結果(流路拡大部内の速度分布)を示す図である。 膨らみ部同士の間隔依存性に関する解析結果を示す図である。 膨らみ部同士の間隔依存性に関する解析結果を示す図である。 膨らみ部同士の間隔依存性に関する解析結果を示す図である。 膨らみ部に関する2種類の間隔同士の比率依存性に関する解析結果を示す図である。 膨らみ部に関する2種類の間隔同士の比率依存性に関する解析結果を示す図である。 膨らみ部に関する2種類の間隔同士の比率依存性に関する解析結果を示す図である。 仕切板の長さ依存性に関する解析結果を示す図である。 膨らみ部の直径依存性に関する解析結果を示す図である。 変形例に係る流路拡大部を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態について、図1~図17を参照しながら説明する。
(溶融紡糸装置の概略構成)
まず、溶融紡糸装置1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。図2は、図1のII-II断面図である。なお、図1及び図2に示す上下方向、前後方向、及び、左右方向を、本実施形態の溶融紡糸装置1の上下方向、前後方向、及び、左右方向とそれぞれ定義して、以下の説明を進める。溶融紡糸装置1は、紡糸ビーム2(本発明の紡糸装置)、糸冷却装置3、油剤ガイド4等を備える。
紡糸ビーム2は、溶融ポリマーからなる複数の糸Yを紡出するためのものである。紡糸ビーム2は、複数のパックハウジング11を備える。複数のパックハウジング11には、複数の紡糸パック12がそれぞれ装着される。複数のパックハウジング11(複数の紡糸パック12)は、左右方向に沿って千鳥状に2列に配列されている。各紡糸パック12には、図示しない配管等から溶融ポリマーが供給される。各紡糸パック12の下端部には、複数のノズル(不図示)が形成された紡糸口金13が配置されている。紡糸パック12は、供給された溶融ポリマーを紡糸口金13の複数のノズルからそれぞれ紡出する。複数のノズルから紡出されたポリマーは、次述の糸冷却装置3で冷却されて複数のフィラメントfとなる。つまり、1つの紡糸口金13から、複数のフィラメントfで構成された1本のマルチフィラメント糸である糸Yが紡出される。
糸冷却装置3は、複数の紡糸パック12から紡出された溶融ポリマーを冷却して固化させるためのものである。糸冷却装置3は、紡糸ビーム2の下方に配置されている。図1及び図2に示すように、糸冷却装置3は、箱体20と、箱体20内に収容された複数の冷却筒21(本発明の糸冷却部)と、複数の仕切筒22等を有する。
図1に示すように、箱体20の内部空間は、整流板23によって上下に仕切られている。整流板23は、パンチングメタルなどの整流機能を有する材料で形成された部材であり、水平に配置されている。箱体20の上部空間(整流板23よりも上側の空間)の、紡糸パック12の直下の位置には、冷却筒21が配置されている。図2に示すように、複数の冷却筒21は、複数の紡糸パック12の配列に対応して、左右方向に沿って千鳥状に配列されている。冷却筒21の壁は、整流板23と同様、パンチングメタル等の整流機能を有する材料で形成されている。箱体20の下部空間(整流板23よりも下側の空間)の、複数の冷却筒21の直下の位置には、複数の仕切筒22が配置されている。仕切筒22の壁は、冷却筒21とは異なり、空気を透過させない材料で形成されている。糸Yは、紡糸パック12の直下の冷却筒21の内部空間と仕切筒22の内部空間を順に通過する。
箱体20の下部の後側部分には、ダクト25が接続されている(図1参照)。ダクト25は、圧空源(図示省略)に接続されている。圧空源によって、糸Yを冷却するための空気がダクト25内に送られる。空気は、ダクト25内を通って箱体20の下部空間内に供給される。ダクト25の詳細については、後述する。
箱体20の下部空間に流入した冷却用の空気は、水平に配置された整流板23を通過して上向きに整流され、箱体20の上部空間へ流れる。箱体20の上部空間に流入した空気は、冷却筒21の壁を通過する際に整流されて、冷却筒21内へ流れ込む。これにより、冷却筒21内において、冷却筒21の外側全周から糸Yに空気が吹き付けられ、糸Yが冷却される。なお、仕切筒22の壁は空気を透過させないため、箱体20の下部空間から仕切筒22内へ直接空気が流れ込むことはない。
油剤ガイド4は、糸Yに油剤を付与するためのものである。油剤ガイド4は、冷却筒21及び仕切筒22の下方の位置に配置される。油剤ガイド4には、冷却筒21で冷却された糸Yが接触する。その際に、油剤ガイド4は糸Yに対して油剤を吐出して、糸Yに油剤を付与する。油剤ガイド4によって油剤が付与された糸Yは、油剤ガイド4の下方に配置された引取ローラ(不図示)によって引き取られる。さらに、糸Yは巻取装置(不図示)へ送られ、巻取装置においてボビン(不図示)に巻き取られる。
(ダクトの構成)
次に、糸冷却装置3のダクト25の構成について、図1、図3及び図4を用いて説明する。図3(a)は、図1のIII-III断面図である。図3(b)は、後述する仕切板29の膨らみ部31の拡大図である。図4は、後述する流路拡大部28の下側(上流側)端部の拡大図である。なお、以下では、流路拡大部28の説明において、上下方向を流路拡大部28の長さ方向(以下、流路長さ方向と称する)とする。上側を下流側とし、下側を上流側とする。また、左右方向を流路拡大部28の幅方向(以下、流路幅方向と称する)とする。
ダクト25は、上下方向に延びる鉛直流路部分26と、前後方向に延びる水平流路部分27とを有する。鉛直流路部分26の下端(上流端)は、圧空源と接続されている。水平流路部分27は、鉛直流路部分26の上端から水平に延びて、箱体20の下部の後側壁部に接続されている。圧空源から送られた空気は、ダクト25の鉛直流路部分26と水平流路部分27を経て、箱体20へ流れる。
図3(a)に示すように、ダクト25の鉛直流路部分26の下流側端部には、流路拡大部28が形成されている。流路拡大部28は、下流側に向かうほど、流路幅が扇状に広がっている。流路拡大部28の流路幅方向両端部には、2つの側壁30が流路幅方向において対称に形成されており、流路長さ方向に対してそれぞれ斜めに延びている。2つの側壁30は、流路拡大部28の内部空間を形成する内壁面30aをそれぞれ有する。つまり、図3(a)において、2つの内壁面30a及び2本の二点鎖線に囲まれた領域が、流路拡大部28の内部空間である。流路長さ方向における内壁面30aの長さを、長さX1とする。流路拡大部28の下流側端部には、水平流路部分27が接続されている。つまり、流路拡大部28によってダクト25の流路幅が広げられており、その先の水平流路部分27は、流路幅が広がった状態で箱体20に向かって延びている。
流路拡大部28内には、複数(図3(a)においては5枚)の仕切板29が流路幅方向に並べて配置されている。複数の仕切板29は、流路拡大部28内の空気が流路幅方向に均等に広がるように、空気を整流するためのものである。複数の仕切板29は、流路幅の狭い上流側の入口部28aから、流路幅の広い下流側の出口部28bへ向けて放射状に配置されている。各仕切板29の長さは、略等しい。複数の仕切板29は、略均一な角度間隔θ1で配置されている。つまり、流路拡大部28内の流路幅方向の中央部に配置された仕切版29は、流路長さ方向に沿って配置されており、流路幅方向外側に配置された仕切板29は、流路長さ方向に対して傾きを有している。また、内壁面30aに最も近接する仕切板29は、内壁面30aに対して角度間隔θ2で配置されている。本実施形態では、角度間隔θ1と角度間隔θ2は略等しくされている。
ここで、流路長さ方向においては、流路幅方向端部に配置された(すなわち、流路長さ方向に対して最も大きな傾きを有する)仕切板29の長さが最も小さい。流路長さ方向における長さが最も小さい仕切板29の、流路長さ方向における長さを、長さX2とする。なお、他の仕切板29の流路長さ方向における長さは、X2よりも大きい。
このように構成された流路拡大部28において、空気は、入口部28aから流路拡大部28内に流入し(図3(a)の矢印101参照)、複数の仕切板29によって形成された複数の小流路33に流れ込む(図3(a)の矢印102参照)。空気は小流路33に沿って流れることで流路幅方向に広がり、さらに、流路幅の広い出口部28bへ向かって流れる(図3(a)の矢印103参照)。
ここで、仕切板29の配置や構成によっては、空気を効果的に整流できず、出口部28bの近傍において、流路幅方向における速度のばらつきが大きくなるおそれがある。速度のばらつきが大きい状態で空気が箱体20に流入すると、箱体20内の複数の冷却筒21の間で空気の速度が不均一になり、空気による糸の冷却の性能に差が生じ、糸品質がばらつくおそれがある。そこで、仕切板29による整流効果を確実に高め、空気の速度のばらつきを抑制するために、本実施形態では以下の構成が採用されている。
図3(a)、(b)に示すように、各仕切板29の上流側端部には、膨らみ部31が設けられている。膨らみ部31は、例えば、流路長さ方向に直交し、且つ、流路幅方向に直交する仕切板29の高さ方向(紙面垂直方向。以下、単に高さ方向とする)に延びる丸棒32が、仕切板29の上流側端部に取り付けられることにより形成される(図3(b)参照)。膨らみ部31の高さ方向に直交する断面の形状は、円状である。つまり、膨らみ部31の流路幅方向におけるサイズは、膨らみ部31の上流側端部から途中部にかけて、下流側に向かうほど大きくなっている。言い換えると、膨らみ部31の上流側部分31a(図3(b)に示す、二点鎖線及び太線の半円に囲まれた部分)において、上流側端部から下流側に向かうほど、膨らみ部31の流路幅方向におけるサイズが大きくなっている。さらに言い換えると、膨らみ部31は、上流側端部から下流側に向かうほど流路幅方向におけるサイズが大きくなっている部位を含む。
複数の膨らみ部31は、流路幅方向に沿って一列に、すなわち直線状に並べられている。図4に示すように、互いに隣接する仕切板29にそれぞれ設けられた2つの膨らみ部31同士の間隔を、間隔W1とする。具体的には、間隔W1は、2つの膨らみ部31同士の最小間隔(本実施形態では、2つの膨らみ部31の流路幅方向端部間の距離)である。また、内壁面30aと、内壁面30aに最も近接する仕切板29の膨らみ部31との間隔を、間隔W2とする。具体的には、間隔W2は、内壁面30aと、内壁面30aに最も近接する仕切板29の膨らみ部31の流路幅方向における端との、流路幅方向における間隔である。
仕切板29に膨らみ部31がない場合、流路拡大部28に空気が流れ込んだときに、空気が仕切板29の上流側端部に衝突し、仕切板29から剥離して空気の流れが乱れやすくなる。この点、本実施形態では、各仕切板29の上流側端部に膨らみ部31が設けられており、膨らみ部31の上流側部分31aにおいて、下流側に向かうほど流路幅方向におけるサイズが大きくなっている。これにより、上流側から流れてくる空気の一部が、膨らみ部31の表面に沿って滑らかに流れやすくなる。
さらに、本願発明者は、仕切板29及び膨らみ部31に関する以下の配置や構成の条件が、整流効果に大きく影響することに着目した。すなわち、以下に説明する流体解析により、(1)膨らみ部31同士の間隔W1、(2)間隔W1に対する、内壁面30aと膨らみ部31との間隔W2の比率(W2/W1)、(3)内壁面30aの流路長さ方向における長さに対する、仕切板29の流路長さ方向における長さの比率(X2/X1)、(4)膨らみ部31の断面の直径、を適切な範囲に規定することで、整流効果を向上させることができることを見出すに至った。
(解析条件)
本願発明者が行った流体解析について説明する。まず、全解析モデルの共通の条件は、以下のとおりである。すなわち、気体の種類を空気とした。角度間隔θ1及び角度間隔θ2(図3(a)参照)をともに8°とした。仕切板29の厚みを1mmとした。入口部28aへの空気の流入量を11.0m3/minとした。仕切板の数は、一部の実施例を除き5枚とした。
次に、解析条件の詳細及び解析結果について、図5~図17を用いて説明する。図5~図8は、解析条件の詳細と解析結果を示すテーブルである。図9~図17は、各実施例及び比較例の解析結果(流路拡大部28の、図3(a)に対応する断面における空気の速度分布)を示す図である。なお、図5には、全ての実施例(実施例1~11)及び比較例(比較例1~6)の解析条件及び解析結果を示しており、図6~図8には、条件振りの種類毎に分類した実施例及び比較例を示している。図6~図8においては、条件を変更したパラメータを太枠で囲んでいる。また、図9~図17の速度分布の図において、黒が濃い箇所では空気の速度が小さく、黒が薄い箇所では空気の速度が大きいことを示している。
図5~図8には、具体的な条件として、膨らみ部31の直径、間隔W1の値、間隔W2の値、W2/W1の値、X2/X1の値を記載している。なお、一部の実施例(実施例7)において仕切板29の数を変更しているため、仕切板29の数も記載している。図5~図8には、解析結果として、流路拡大部28の下流側端部における空気の速度ばらつき(速度の標準偏差。以下、単に標準偏差とする)、流路拡大部28内における渦の発生の有無、及び、判定(OK或いはNG)を記載している。
標準偏差は、流路拡大部28の下流側端部の断面(流路長さ方向に直交する断面)における空気の速度分布のデータから算出した。この標準偏差が小さいほど、空気の速度ばらつきが小さいことを示している。渦の発生の有無は、図9~図17に示す速度分布図の目視確認により判断した(図9~図17の、白い曲線で囲まれた部分において、渦が発生しているものとした)。渦が発生すると、エネルギー損失が大きくなる。また、渦は、空気の速度ばらつきの増大の原因にもなりうる。また、判定の基準としては、標準偏差が0.85以下であり、且つ、流路拡大部28内における空気の渦の発生(すなわち、気流の乱れ)が少ないものをOKとし、それ以外のものをNGとした。以下、条件振りの種類別の解析結果について説明する。
(膨らみ部の有無依存性)
まず、図6(a)に示すように、仕切板29の上流側端部に膨らみ部31が形成されている場合といない場合とで、標準偏差及び渦の発生の有無について比較を行った。膨らみ部31が形成されている条件(実施例1)、及び膨らみ部31が形成されていない条件(比較例1)のいずれにおいても、渦は発生していない(図9参照)。但し、比較例1における標準偏差は0.89と大きく、かなりの速度のばらつきが見られた。一方、実施例における標準偏差は、0.75と小さく、良好な結果となった。この解析結果は、上述したように、上流側から流れてくる空気の一部が、膨らみ部31の表面に沿って滑らかに流れやすくなることで、空気の流れの乱れが抑制され、空気の速度ばらつきが抑制されることを示すものとなっている。
(W1依存性)
また、図6(b)に示すように、空気の速度ばらつき等の間隔W1依存性に関する流体解析を行った。すなわち、間隔W1の条件を6mm~44mmの範囲で変更し、標準偏差及び渦の有無について比較を行った(実施例1~6、比較例2~5)。なお、膨らみ部31の直径についても条件振りをした(φ8mm及びφ16mm)。また、図6(b)においては、間隔W1の小さい順に実施例及び比較例を並べている。
その結果、膨らみ部31の直径によらず、間隔W1が12mm以上30mm以下の場合(実施例1~6)において、標準偏差が0.85以下であり、且つ、渦の発生が少ない(図10及び図11参照)という良好な解析結果が得られた。特に、間隔W1が18mm以上30mm以下の場合、渦の発生が全く見られず、より良好な結果が得られた。なお、W1=12mmの場合には、一部の実施例(実施例2、5)の解析結果において、渦が少し見られた(図10(b)、(c)参照)が、標準偏差が0.85よりも小さいことと、渦が小さくエネルギー損失も小さいと推測されることから、判定OKとした。一方、間隔W1の条件が12mm以上30mm以下の範囲から外れると(比較例2~5)、標準偏差が大きくなり、さらに、流路拡大部28内の流路幅方向端部における大きな渦の発生が見られた(図10~図12参照)。
上記結果について、本願発明者は以下のように考察した。すなわち、間隔W1が小さ過ぎると、上流側からの空気の流れが膨らみ部31によって妨げられやすく、空気が仕切板29間の小流路33に流れ込みにくくなり、仕切板29による整流効果が十分に発揮されないと考えられる。一方、間隔W1が大き過ぎると、仕切板29同士の間隔も大きくなり過ぎるため、この場合も、仕切板29による整流効果が十分に発揮されにくいと考えられる。そこで、流路幅方向における空気の速度ばらつきを小さくするためは、間隔W1を最適な範囲に収める(具体的には、12mm以上30mm以下とする)ことが必要である。つまり、間隔W1を12mm以上とすることで、仕切板29間への空気の流入が膨らみ部31によって妨げられることが抑制される。また、間隔W1を30mm以下とすることで、仕切板29同士の間隔が大きくなりすぎることが抑制される。これにより、仕切板29による整流効果が発揮されにくくなることが抑制され、空気の速度ばらつきが小さくなる。より好ましくは、間隔W1を18mm以上30mm以下とすることで、空気の速度ばらつきがさらに小さくなり、且つ、渦の発生も抑制される。
(W2/W1依存性)
また、図7に示すように、空気の速度ばらつき等のW2/W1依存性について流体解析を行った。すなわち、W2/W1を0.35~15.4の範囲で変更し、標準偏差及び渦の有無について比較を行った(実施例1~7、比較例2~5)。なお、図7においては、W2/W1の小さい順に実施例及び比較例を並べている。
その結果、間隔W2が間隔W1の1倍以上7倍以下の場合(実施例1~7)において、標準偏差が0.85以下であり、且つ、渦の発生が少なかった(図13~図15参照)。さらに、間隔W2が間隔W1の1.5倍以上5.5倍以下の場合(実施例1、3、5、7)、標準偏差が0.8を下回り、より良好な結果が得られた。加えて、膨らみ部31の直径及び間隔W1が同じであっても(実施例2及び実施例7)、W2/W1を約7から約5.5に変更することで(なお、実施例7においては、併せて仕切板の枚数を5枚から7枚に変更し、且つ、枚数変更に対応して内壁面30aの傾きを変更している)、標準偏差が各段に小さくなり、渦の発生もなくなる例が見られた。一方、W2/W1が1以上7以下の範囲から外れると(比較例2~5)、空気の速度ばらつきが悪化し、大きな渦の発生が見られた(図13、図15参照)。
上記結果について、本願発明者は以下のように考察した。すなわち、間隔W1に対して間隔W2が相対的に小さ過ぎると、内壁面30aと仕切り板29との間(流路拡大部28内の流路幅方向端部)に空気が流れ込むことが妨げられて、空気の速度の流路幅方向におけるバランスが悪化する。逆に、間隔W1に対して間隔W2が相対的に大き過ぎると、流路拡大部28内の流路幅方向端部に空気が流れ込み過ぎて、やはり空気の速度の流路幅方向におけるバランスが悪化する。そこで、W2/W1を最適な範囲に収める(具体的には、1倍以上7倍以下とする)ことが好ましい。つまり、間隔W2を間隔W1の1倍以上とすることで、流路拡大部28内の流路幅方向端部に空気が流れ込みにくくなることが抑制される。また、間隔W2を間隔W1の7倍以下とすることで、流路拡大部28内の流路幅方向端部に空気が流れ込み過ぎることが抑制される。これによって、流路拡大部28内の流路幅方向端部における空気の速度と、流路幅方向中央部における空気の速度とのバランスが向上し、空気の速度ばらつきが小さくなる。より好ましくは、間隔W2を間隔W1の1.5倍以上5.5倍以下とすることで、空気の速度ばらつきがさらに小さくなる。
なお、空気の速度ばらつきが小さく抑えられるW2/W1の範囲が、1から、1よりも数倍大きな値にまで及んでいる理由は、以下のように推測される。すなわち、複数の仕切板29は、流路拡大部28内で放射状に広がっているので、流路幅方向における最も外側に配置された仕切板29は、流路長さ方向に対してある程度の大きさの角度(図4の角度θ3参照。本解析条件においては、θ3=2×θ1、すなわち16°)を有している。このため、上流側から流路幅方向外側を流れてきた空気のうち、仕切板29に接触する空気の量が多く、空気と仕切板29との間に生じる摩擦によって、流路幅方向端部の空気が減速しやすいと考えられる。これにより、流路幅方向端部を流れる空気の速度は、流路幅方向中央部を流れる空気の速度と比べて大きくなりにくいので、間隔W2が間隔W1よりも相当大きくても、空気の速度の流路幅方向におけるバランスが悪化しにくいと考えられる。
(X2/X1依存性)
また、図8(a)に示すように、流路長さ方向における内壁面30aの長さX1に対する、流路長さ方向における長さが最も短い仕切板29の、流路長さ方向における長さX2の比率(X2/X1)を変更し、空気の速度ばらつき等のX2/X1依存性について流体解析を行った。すなわち、X2/X1を13%~78%の範囲で変更し、標準偏差及び渦の有無について比較を行った(実施例1、8、9、比較例6)。その結果、X2/X1が26%以上の場合(実施例1、8、9)において、標準偏差が0.85以下であり、且つ、渦の発生は見られなかった(図16(b)~(d)参照)。特に、X2/X1の条件が最大(78%)である実施例9において、標準偏差が最も低くなった。一方、仕切板29が短いと(比較例6)、標準偏差の値が実施例と比べて高く、流路拡大部28内の流路幅方向端部における渦の発生も顕著に見られた(図16(a)参照)。
上記の結果となった理由は、仕切板29が流路拡大部28内において長ければ長いほど、空気が仕切板29によって流路幅方向外側へ導かれやすいためであると考えられる。仕切板29が短すぎると、流路幅方向外側へ空気が十分に広がるよりも前に、流路長さ方向において仕切板29が配置されていない領域に空気が流れ出てしまい、空気が流路幅方向外側に十分均等に広がりにくいと考えられる。そこで、流路長さ方向において、各仕切板29を所定以上の長さ(内壁面30aの長さの26%以上)とすることが好ましい。基本的には、仕切板29が長ければ長いほど好ましいと考えられる。したがって、より好ましくは、流路長さ方向において、各仕切板29の長さを内壁面30aの長さの50%以上とすると良く、さらに好ましくは、75%以上とすると良い。
(膨らみ部の直径依存性)
また、図8(b)に示すように、膨らみ部の直径をφ4mm~φ20mmの範囲で変更し、標準偏差及び渦の有無について比較を行った(実施例1、6、10、11)。その結果、いずれの条件においても、標準偏差が0.85以下であり、且つ、渦の発生は見られなかった(図17参照)。
膨らみ部31が小さ過ぎると、仕切板29に接触した空気を滑らかに移動させる効果が弱まるおそれがある。逆に、膨らみ部31が大き過ぎると、上述したように、間隔W1をある範囲内に維持するためには、仕切板29同士の間隔を大きくする必要が生じる。そうすると、膨らみ部31のすぐ下流側において小流路33の幅が急激に大きくなるため、気流が不安定化するおそれがある。そこで、膨らみ部31の断面の直径は、4mm以上20mm以下とすることが好ましい。
以上のように、流路拡大部28において、各仕切板29に形成された膨らみ部31が、上流側端部から下流側に向かうほど流路幅方向におけるサイズが大きくなっている部位を含むため、上流側から流れてくる空気の一部が膨らみ部31の表面に沿って滑らかに流れやすくなる。したがって、気流が仕切板29から剥離して乱れることを抑制できる。
さらに、2つの膨らみ部31同士の間隔W1を12mm以上とすることで、空気の流れが膨らみ部31によって妨げられることを抑制することができる。また、間隔W1を30mm以下とすることで、仕切板29同士の間隔が大きくなりすぎることを抑制し、仕切板29による整流効果が発揮されにくくなることを抑制することができる。
以上のようにして、流路拡大部28内を流れる空気が仕切板29に衝突しても気流が乱れることを抑制し、空気の速度のばらつきを抑制することができる。
より好ましくは、間隔W1を18mm以上30mm以下とすることで(すなわち、間隔W1の下限値を大きくすることで)、空気の流れが膨らみ部によって妨げられることをさらに抑制でき、空気の速度ばらつきをさらに抑制できる。
また、流路拡大部28の内壁面30aと、内壁面30aに最も近接している仕切板29との流路幅方向における間隔W2を、間隔W1の1倍以上7倍以下とすることで、流路拡大部28内の流路幅方向端部における空気の速度と、流路幅方向中央部における空気の速度のバランスを向上させることができ、空気の速度ばらつきを抑制できる。より好ましくは、間隔W2を間隔W1の1.5倍以上5.5倍以下とすることで、流路幅方向における空気の速度のバランスをさらに向上させることができる。
また、流路長さ方向において、各仕切板29の大きさが、内壁面30aの大きさの26%以上であるため、仕切板29によって流路幅方向外側へ空気を十分に導き、流路幅方向端部まで空気を均等に広げることができる。
また、複数の膨らみ部31が流路幅方向に沿って一列に並べられている。すなわち、複数の膨らみ部31が流路幅方向に沿って直線状に並べられている。これにより、例えば、複数の膨らみ部31を弧状或いは千鳥状等に配置する場合と比べて、2つの膨らみ部31間の間隔W1を広がりにくくすることができる。したがって、間隔W1を所定の大きさ以下にするために必要な仕切板の枚数が増大することを抑制できる。また、製造時に、間隔W1を考慮しつつ膨らみ部31を並べる手間を少なくすることもできる。
また、膨らみ部の径が4mm以上20mm以下であるため、仕切板29に接触した空気を確実に滑らかに移動させるとともに、膨らみ部31のすぐ下流側において小流路33の幅が急激に大きくなることを抑制し、気流が不安定化することを抑制することができる。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)前記実施形態においては、複数の仕切板29の長さが略等しいものとしたが、これには限られない。例えば、図18に示すように、ダクト25aにおいて、流路拡大部28内に配置された仕切板の長さが、互いに異なっていても良い。例えば、内壁面30aに最も近接した仕切板29aが最も長く、流路幅方向中央部に配置された仕切板29bが最も短くても良い。このように、流路幅方向端部に配置された仕切板29aを長くすることで、空気を流路幅方向においてさらに効率よく広げることができる。
(2)前記までの実施形態においては、複数の仕切板29が流路拡大部28内の上流側端部(すなわち、入口部28aの近傍)から下流側に延びているものとしたが、これには限られない。複数の仕切板29の上流側端部は、必ずしも、流路拡大部28内の入口部28aの近傍に配置されていなくても良い。
(3)前記までの実施形態においては、膨らみ部31の断面形状が円状であるものとしたが、これには限られない。例えば、膨らみ部の断面形状が楕円状でも良く、或いは、上流側に向けて角が突出した三角形状等でも良い。つまり、膨らみ部は、上流側の端部から下流側に向かうほど流路幅方向におけるサイズが大きくなっている部位を含んでいれば良い。
(4)前記までの実施形態においては、膨らみ部31が流路幅方向に沿って直線状に並べられているものとしたが、これには限られない。例えば、膨らみ部31は弧状に配置されていても良い。
(5)ダクト25内には、空気以外の気体を送り込んでも良い。
2 紡糸ビーム(紡糸装置)
3 糸冷却装置
21 冷却筒(糸冷却部)
25 ダクト
28 流路拡大部
29 仕切板
30a 内壁面
31 膨らみ部
W1 間隔
W2 間隔
X1 長さ
X2 長さ
Y 糸

Claims (6)

  1. 紡糸装置から紡出された糸に気体を吹き付けることで前記糸を冷却する糸冷却部と、
    前記糸冷却部に供給される前記気体が流れる流路が形成されたダクトと、を備え、
    前記ダクトは、
    前記流路の上流側から下流側に向かうほど前記流路の幅が大きくなるように形成された内壁面を有する流路拡大部と、
    前記流路拡大部内において、流路幅方向に並べて配置され、前記上流側から前記下流側に向かって放射状に延びた複数の仕切板と、を有し、
    各仕切板の前記上流側の端部には、膨らみ部が形成されており、
    前記膨らみ部は、前記膨らみ部の前記上流側の端部から前記下流側に向かうほど前記流路幅方向におけるサイズが大きくなっている部位を含み、
    互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部の前記流路幅方向における端部間の、前記流路幅方向における距離が、12mm以上30mm以下であり、
    前記流路幅方向と直交する流路長さ方向において、各仕切板の長さは、前記内壁面の長さの26%以上であることを特徴とする糸冷却装置。
  2. 互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部の前記流路幅方向における端部間の、前記流路幅方向における距離が、18mm以上30mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の糸冷却装置。
  3. 前記流路拡大部の前記内壁面と、前記内壁面に最も近接している前記仕切板の前記膨らみ部の前記流路幅方向における端との前記流路幅方向における距離が、互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部の前記流路幅方向における端部間の、前記流路幅方向における距離の1倍以上7倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の糸冷却装置。
  4. 前記流路拡大部の前記内壁面と、前記内壁面に最も近接している前記仕切板の前記膨らみ部の前記流路幅方向における端との前記流路幅方向における距離が、互いに隣接する2つの前記仕切板に形成された2つの前記膨らみ部の前記流路幅方向における端部間の、前記流路幅方向における距離の1.5倍以上5.5倍以下であることを特徴とする請求項3に記載の糸冷却装置。
  5. 前記複数の仕切板の前記膨らみ部は、前記流路幅方向に沿って一列に並べられていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の糸冷却装置。
  6. 前記膨らみ部の断面形状は円状であり、前記膨らみ部の直径が4mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の糸冷却装置。
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