JP6992625B2 - コークス製造用粘結材の製造方法 - Google Patents
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一方で、粘結材はある程度揮発分を有し、原料炭を混練することで溶融、膨張することも、高強度のコークスを製造するために必要である。
また、従来の粘結材は、揮発分を低下させると流動性が無くなり、コークス強度を高めることができなかった。即ち、コークス強度を高めるためには、粘結材が原料炭と均一に混練される必要があるが、粘結材の流動性が悪いと原料炭と均一に混練することが困難となり、コークス強度を十分に高めることができない。
本発明のコークス製造用粘結材の製造方法は、コールタールピッチをコークドラムにより固化させてコークス製造用粘結材を製造する際に、該コールタールピッチとして、原料コールタールピッチと、該原料コールタールピッチをコークドラムにより固化させた際にコールタールピッチの熱分解により発生した油分とを混合し、加熱して得られるものを用い、コークドラムによる固化を行う際に該コークドラム内の温度を440~460℃とすることを特徴とする。
即ち、例えば、図1に示すように、原料コールタールピッチを加熱炉1で加熱した後コークドラム2で固化させる際に、コークドラム2から排出される油分を油分回収塔3に送り、この油分回収塔3で原料コールタールピッチと混合し、油分と原料コールタールピッチとの混合物を加熱炉1に送って加熱した後、コークドラム2で固化させ、コークス製造用粘結材を得る。
本発明において原料コールタールピッチとは、コールタール(石炭を乾留した際に得られる油状物質)を蒸留した際の残渣であって、油分と混合する前のものをいう。
本発明では、原料コールタールピッチをコークドラムにより固化させた際にコールタールピッチの熱分解により発生した油分を用い、これを原料コールタールピッチと混合する。すなわち、この油分はリサイクルして用いられるものである。このように一旦原料コールタールピッチから分離された油分を回収してこれを再び原料コールタールピッチと混合して油分のリサイクルを行うことで、粘結材原料となるコールタールピッチの品質をより均一にすることが可能となり、ひいてはコークス製造用粘結材の品質も均一とすることができる。
原料コールタールピッチと油分との混合は、(油分の重量)/(原料コールタールピッチの重量)が通常0.1~3.0、特に0.3~2.0となるように混合することが好ましい。なお、混合の方法は特に制限されることはなく、原料コールタールピッチをコークドラムに送給する配管内で混合してもよく、図1に示されるように、コークドラムの前段に設けた油分回収塔3内で混合してもよい。
本発明の製造方法において、コールタールピッチをコークドラム2により固化させる際に、コークドラム2内の温度を440~460℃とする。この温度が440℃未満であるとコールタールピッチが十分に固化されなくなる恐れがあり、一方、460℃より高いと得られるコークス製造用粘結材の流動性が悪くなり、その結果として、これを用いてコークスを製造した際に十分なコークス強度が得られなくなる。
また、コーキング時間(コールタールピッチのコークドラム内滞留時間)は、通常12~48時間、好ましくは12~36時間として、コールタールピッチの熱分解・重縮合反応を繰り返して固化させる。
コークドラム2内で発生した油分、ガスはコークドラム2の塔頂から排出され、油分回収塔3にて油分が回収されると共に原料コールタールピッチと混合される。
本発明の製造方法において、得られるコークス製造用粘結材の流動温度範囲(粘結材が流動性を示す温度領域)は、200~350℃であり、好ましくは250℃以上であり、より好ましくは260℃以上、更に好ましくは270℃以上である。一方、好ましくは340℃以下であり、より好ましくは330℃以下である。コークス製造用粘結材の流動温度範囲が上記下限以上であることにより、原料炭が溶融している温度範囲である30~110℃において、粘結材も溶融し、互いに溶け合うことでコークス強度が向上する効果があり、一方、上記上限以下であることにより、原料炭が固化する温度で、コークス製造用粘結材も固化することで、コークス強度を支配するコークスの気孔構造が均質な状態となり、高強度なコークスが得られる。
最高流動度が上記下限未満であるとコークス製造用粘結材の流動性を補てんする効果が得られずコークス強度の低下を招く場合があり、上記上限超過であるとコークス製造用粘結材の流動性を補てんする効果が過多となりコークス強度の低下を招く場合がある。
図1に示すように、原料コールタールピッチをコークドラム2からの油分と混合した後、コークドラム2内が455℃となるように加熱炉1で加熱し、コークドラム2内で固化させて粘結材Aを得た。得られた粘結材Aの流動温度範囲は273℃であり、揮発分は22.1重量%であった。この粘結材Aの分析結果を表-1に示す。
コークドラム内温度が467℃となるように加熱した以外は実施例1と同様に実施した。得られた粘結材Bの流動温度範囲は133℃であり、揮発分は12.4重量%であった。この粘結材Bの分析結果を表-1に示す。
また、粘結材Aは揮発分が22.1重量%と適度な揮発分を有し、最高流動度が高くコークス強度の向上効果を十分に得ることができる。一方、粘結材Bは揮発分が12.4重量%であるが、最高流動度が低いため、コークス強度の向上効果が得られない。
2 コークドラム
3 油分回収塔
Claims (3)
- コールタールピッチをコークドラムにより固化させるコークス製造用粘結材の製造方法であって、該コールタールピッチとして、原料コールタールピッチと、該原料コールタールピッチをコークドラムにより固化させた際に該コールタールピッチの熱分解により発生した油分とを混合し、加熱して得られるものを用い、該コークドラムで該コールタールピッチの固化を行う際の該コークドラム内の温度を440~460℃とすることを特徴とするコークス製造用粘結材の製造方法。
- 得られる粘結材の流動温度範囲が200~350℃である、請求項1に記載のコークス製造用粘結材の製造方法。
- 得られる粘結材の揮発分が15~25重量%である、請求項1または2に記載のコークス製造用粘結材の製造方法。
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