JP6992468B2 - 取り替え方法 - Google Patents

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Description

この発明は、鉄塔などの構造物を構成する部材の一部をあらたな部材に取り替える取り替え方法に関する。
電気設備の改良工事の一環としておこなわれる既設の鉄塔への継込みに際し、検討段階において当該鉄塔の強度不足が発生した場合、実際の工事において、鉄塔を構成する鉄塔部材の一部を取り替えることによって強度不足を解消している。鉄塔部材の取り替え作業は、たとえば、既設の鉄塔部材の一部を取り外してから、あらたな鉄塔部材を取り付けることによっておこなっている。
このような鉄塔部材の取り替え作業に際しては、取り替え対象とする既設の鉄塔部材を取り外す前に、柱主材などに補強材を取り付けることにより、既設の鉄塔部材の一部を取り外すことによって低下する強度を補っている。補強材は仮設備であり、取り替え作業の完了後に取り外す。
従来、等辺山形鋼・単管パイプ・H形鋼など各種の鋼材の中から、経験を積んだ作業者が選定した鋼材を補強材として用いて、当該補強材をキャッチクランプやVボルトなどの各種の固定部材を用いて柱主材に取り付けていた。
関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、引掛け部材に引掛けたワイヤ対によって腕金主材を吊って腕金にかかる荷重を支えることにより、送電線を仮移線することなく腕金の構造部材を一部交換する鉄塔の腕金メンテナンス方法に関する技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
特開2012-251318号公報
しかしながら、上述した従来の技術は、補強材として用いる鋼材や固定部材の選定が作業者の経験に一任されることから、強度を検討する際に必要なデータが集めにくく、補強の確実性や信頼性を担保するためには経験を積んだ作業者がおこなわなくてはならないため、作業者に制限があるという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、取り替え作業をおこなう作業者の経験に左右されることなく、鉄塔の強度が低下することを確実に防止することができ、作業者の安全性を確保することができる取り替え方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる取り替え方法は、鉄塔を構成する複数の鉄塔部材の一部の鉄塔部材をあらたな鉄塔部材に取り替える取り替え方法であって、前記一部の鉄塔部材の近傍であって当該一部の鉄塔部材とは別の鉄塔部材に、補強材を取り付ける補強材取り付け工程と、前記補強材取り付け工程の後に、前記一部の鉄塔部材を取り外してから、前記あらたな鉄塔部材を取り付ける鉄塔部材取替工程と、前記鉄塔部材取替工程の後に、前記補強材を取り外す補強材取り外し工程と、を含み、前記補強材取り付け工程は、凹部を備えた本体部と、共通の軸心に沿って前記本体部に螺合されて前記凹部の内側において先端を対向させる一対のボルトと、を備えた挟締金具を用いて、前記別の鉄塔部材と前記補強材とを、前記凹部の深さ方向における最奥部に突き当てた状態で前記一対のボルトの先端どうしの間に挟み込むことによって、前記別の鉄塔部材に前記補強材を取り付けることを特徴とする。
また、この発明にかかる取り替え方法は、上記の発明において、前記補強材が、所定長さの形鋼であることを特徴とする。
また、この発明にかかる取り替え方法は、上記の発明において、前記補強材が、等辺山形鋼であることを特徴とする。
また、この発明にかかる取り替え方法は、上記の発明において、前記鉄塔が、形鋼を用いて構成されており、前記補強材が、前記鉄塔部材と同一種類の形鋼であることを特徴とする。
また、この発明にかかる取り替え方法は、上記の発明において、前記補強材取り付け工程は、前記別の鉄塔部材に取り付けられた前記補強材の間に前記一部の鉄塔部材が位置するように、複数の前記補強材を取り付けることを特徴とする。
この発明にかかる取り替え方法によれば、取り替え作業をおこなう作業者の経験に左右されることなく、鉄塔の強度が低下することを確実に防止することができ、作業者の安全性を確保することができるという効果を奏する。
鉄塔の模式的な構成を示す説明図である。 鉄塔部材の連結部の一例を示す説明図である。 鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図(その1)である。 鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図(その2)である。 鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図(その3)である。 鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図(その4)である。 鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図(その5)である。 鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図(その6)である。 鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図(その7)である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる取り替え方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(鉄塔の構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法の適用対象となる鉄塔の模式的な構成について説明する。図1は、鉄塔の模式的な構成を示す説明図である。図1においては、鉄塔の模式的な構成として、ブライヒ結構による鉄塔を示している。
図1において、鉄塔100は、基礎部110と、鉄塔上部構造物120と、によって構成されている。基礎部110は、鉄塔上部構造物120を支持し、当該鉄塔上部構造物120の荷重を地盤に伝える、基礎部110により鉄塔上部構造物120を支持することにより、沈下や振動などを抑制することができる。具体的に、基礎部110は、たとえば、掘削穴内に据え付けられた基礎材と、当該掘削穴内に充填されたコンクリートと、によって構成される。
鉄塔上部構造物120は、主柱材(メインポスト)121、腕金部材(アーム)122、斜材(ブレーシング)123、水平材124などの各鉄塔部材を、ボルトなどを用いて固定することによって構成されている。鉄塔100は、さらに、補助材や対角材などの鉄塔部材を含んで構成されていてもよい。各鉄塔部材は、等辺山形鋼によって実現することができる。
主柱材121は、基礎部110から起立して設けられる。主柱材121は、鉄塔100を水平方向に切断した断面がなす四角形の頂点に位置するように設けられる。主柱材121は、腕金部材122を所定の高さにおいて支持するため、長さ方向に沿って複数接合されている。腕金部材122は、主柱材121に固定され、腕金を構成する。腕金部材122は、主柱材121がなす四角形の外周側に向かって、水平方向に沿って突出している。腕金は、先端部分において、架設送電線を支持する。
斜材123は、水平方向および鉛直方向に対して傾斜させた状態で、隣接する主柱材121の間に架け渡されている。斜材123を設けることにより、鉄塔上部構造物120の強度を高めることができる。水平材124は、斜材123の交点を通り、かつ、水平方向に沿って、隣接する主柱材121の間に架け渡されている。対辺材は、鉄塔100を水平方向に切断した断面において隣り合う水平材124の中央どうしをつなぐように、当該隣り合う水平材124の間に架け渡されている。
主柱材121に対しては、架空送電線によって主柱材121どうしを相互に離間するように引っ張る外力が作用している。斜材123は、この外力に抗して、隣り合う主柱材121どうしを相互に引き寄せるように補強している。斜材123や水平材124は、水平方向および鉛直方向に対して傾斜した状態で取り付けられており、特に、斜材123による補強は、主柱材121に対して、鉛直方向において所定の幅を持った範囲に作用する。
斜材123用補助材や主柱材121用補助材などの補助材は、主柱材121と斜材123と水平材124とによって形成される三角形をさらに小さい三角形に区切るように設けられる。このような補助材を設けることにより、斜材123を太くすることなく強度を上げることができる。
対角材は、主柱材121がなす四角形の対角に位置する主柱材121の間に架け渡されている。同一水平面内において主柱材121がなす四角形の対角線が交差する位置には、対角材を支持する鋼板が設けられていてもよい。対角材は、たとえば、腕金部材122と同じ高さに設けられている。
図2は、鉄塔部材の連結部の一例を示す説明図である。図2に示すように、主柱材121、腕金部材122、斜材123などの鉄塔部材は、たとえば、主柱材121に溶接などの方法で設けられた主柱材プレート201に、腕金部材122、斜材123、水平材124、対辺材の端部をボルトで固定することによって互いに連結されている。鉄塔部材どうしを主柱材プレート201を介して連結することにより、たとえば、ブライヒ結構による鉄塔100などのように、一箇所に集中して固定される複数本の鉄塔部材のそれぞれを確実に固定することができる。
(鉄塔部材の取り替え手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法にしたがった、鉄塔部材の取り替え手順について説明する。図3~図9は、鉄塔部材の取り替え手順の一例を示す説明図である。この実施の形態においては、鉄塔100を構成する複数の鉄塔部材のうちの一部の鉄塔部材である斜材123を取り替え対象とする取り替え手順について説明する。具体的には、図3において一部を示す、鉄塔100における斜材123Aを取り替える際の取り替え手順について説明する。
鉄塔部材の取り替え作業に際しては、まず、鉄塔100に補強材を取り付ける補強材取り付け工程をおこなう。補強材は、所定長さの形鋼を用いる。補強材は、鋼鉄を加工することによって形成される鋼材であって長さが断面に比して著しく長い条鋼である形鋼のうち、鉄塔100を構成する鉄塔部材と同じ等辺山形鋼を用いることが好ましい。補強材の長さは、補強材を架け渡す位置における、隣り合う主柱材121どうしの水平方向における間隔より長い。
補強材は、挟締金具を用いて主柱材121に取り付ける。図4に示すように、挟締金具400は、本体部401と一対のボルト402とを備えている。本体部401は、基部401aから同一方向に略平行に突出する一対のアーム401bを備えた、略「U」字形状ないし略「C」字形状をなす。一対のアーム401bの間には、一対のアーム401bと基部401aとによって凹部403が形成されている。本体部401は、たとえば、鉄やステンレス鋼を用いて、鋳造などの加工方法によって一体に形成されている。
本体部401には、ネジ孔が設けられている。ネジ孔は、一対のアーム401bのそれぞれに設けられ、それぞれが一対のアーム401bの対向方向に沿って各アーム401bを貫通している。ネジ孔は、同一の軸心に沿って各アーム401bを貫通している。
一対のボルト402は、それぞれ、本体部401に設けられたネジ孔に螺合されている。各ボルト402は、それぞれ、ネジ孔を貫通し、先端が凹部403内に位置づけられた状態でネジ孔に螺合されている。各ボルト402は、軸心周りに回転することにともなって、同一の軸心に沿って移動する。
具体的に、ボルト402は、軸心周りに締め込む方向(時計回り)に回転した場合に、同一の軸心に沿って、対となるボルト402の先端に近づく方向に移動する。また、ボルト402は、軸心周りに緩める方向(反時計回り)に回転した場合に、同一の軸心に沿って、対となるボルト402の先端から離間する方向に移動する。
具体的に、このような挟締金具400は、たとえば、ブルマン(登録商標)金具などと称される、架設接合用途に用いられる万力によって実現することができる。ブルマン金具は、ボルトを回転させて締め付ける際に回転方向に回転させる力である「締め付けトルク」が規定されている。
補強材取り付け工程においては、主柱材121と補強材とを本体部401の凹部403内に位置付けた状態で、一対のボルト402のそれぞれを締め込む方向に回転させる。これにより、一対のボルト402の間において主柱材121と補強材とが挟持され、主柱材121に補強材を押しつけるようにして当該補強材を取り付けることができる。
また、補強材取り付け工程においては、挟締金具400における一対のボルト402を、それぞれの先端を主柱材121および補強材のいずれかに当接させた状態で、各先端が主柱材121および補強材のいずれかに食い込むようにして回転させる。挟締金具400としてブルマン金具を用いる場合、トルクレンチを用いて、規定された締め付けトルクまで締め込むことによって、補強材を主柱材121に取り付けることができる。
補強材取り付け工程においては、補強材は、斜材123を取り外すことによって低下する強度を補うように取り付ける。具体的に、主柱材121に取り付けられた補強材の間に斜材123Aが位置するように、複数の補強材を取り付ける。
より具体的には、たとえば、斜材123Aを取り替えるために、略鉛直方向に沿って起立する主柱材121に補強材を取り付ける場合、まず、図5に示すように、斜材123Aの上端の近傍であって当該上端より上側の位置に、補強材501を水平方向に沿って取り付ける。つぎに、図6に示すように、斜材123Aの下端の近傍であって当該下端より下側の位置に、別の補強材501を水平方向に沿って取り付ける。これにより、斜材123Aは、図6に示すように、一対の補強材501と、当該補強材501が取り付けられた主柱材121と、によって囲まれる枠内に位置する。
なお、補強材501取り付け工程においては、図7に示すように、斜材123Aの下端の近傍であって当該下端より下側の位置に、補強材501を水平方向に沿って取り付けた後に、斜材123Aの上端の近傍であって当該上端より上側の位置に、補強材501を水平方向に沿って取り付けるようにしてもよい(図6を参照)。
つぎに、鉄塔部材取替工程をおこなう。鉄塔部材取替工程は、補強材501取り付け工程の後におこなう。鉄塔部材取替工程においては、図8に示すように、取り替え対象とする斜材123Aを取り外してから、図9に示すように、あらたな斜材(あらたな鉄塔部材)123Bを取り付ける、すなわち斜材123の取り替えをおこなう。
上記のように、主柱材121に対しては主柱材121どうしを相互に離間するように引っ張る外力が作用している。この実施の形態においては、補強材501の間に斜材123が位置するように、一対の補強材501を取り付けているため、取り替え対象とする斜材123Aを取り外しても、一対の補強材501によって、取り替え対象とする斜材123Aが架け渡されていた隣り合う主柱材121どうしが離間しないように、鉛直方向における所定の範囲にわたって当該隣り合う主柱材121どうしを引き寄せることができる。これにより、鉄塔部材の取り替え作業中に鉄塔100の強度が低下することを確実に防止することができる。
あらたな斜材123Bは、取り替え対象とする斜材123Aと同じ位置に、取り替え対象とする斜材123Aと同じ方法で取り付ける。すなわち、取り替え対象とする斜材123Aがボルト402を用いて主柱材121に取り付けられていた場合、あらたな斜材123Bも同様に、ボルト402を用いて主柱材121に取り付ける。これにより、図9に示すように、鉄塔100は、取り替え対象とする斜材123Aを取り外す前と同じ状態(図6を参照)となる。
その後、補強材501取り付け工程において主柱材121に取り付けた補強材501を取り外す、補強材501取り外し工程をおこなう。補強材501取り外し工程は、鉄塔部材取替工程の後におこなう。補強材501取り外し工程においては、ブルマン金具などの挟締金具400におけるボルト402を緩め、補強材501を取り外す。これにより、鉄塔部材の取り替え作業が完了する。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法は、鉄塔100を構成する複数の鉄塔部材の一部の鉄塔部材(斜材123A)をあらたな鉄塔部材(斜材123B)に取り替える取り替え方法であって、一部の鉄塔部材の近傍であって当該一部の鉄塔部材とは別の鉄塔部材(主柱材121)に、補強材501を取り付ける補強材501取り付け工程と、補強材501取り付け工程の後に、一部の鉄塔部材を取り外してから、あらたな鉄塔部材を取り付ける鉄塔部材取替工程と、鉄塔部材取替工程の後に、補強材501を取り外す補強材501取り外し工程と、を含む。
そして、補強材501取り付け工程において、凹部403を備えた本体部401と、共通の軸心に沿って本体部401に螺合されて凹部403の内側において先端を対向させる一対のボルト402と、を備えた挟締金具400を用いて、別の鉄塔部材と補強材501とを、凹部403の深さ方向における最奥部に突き当てた状態で一対のボルト402の先端どうしの間に挟み込むことによって、別の鉄塔部材に補強材501を取り付けるようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の取り替え方法によれば、補強材501取り付け工程において挟締金具400を用いて補強材501を取り付けることにより、専門性の高い特殊技術を要することなく、補強材501を確実に固定することができる。これにより、取り替え作業をおこなう作業者の経験に左右されることなく、補強材501を確実に固定することができ、補強材501の取り付けが不十分であるために、鉄塔部材の取り替え作業中に鉄塔100の強度が低下することを確実に防止することができ、作業者の安全性を確保することができる。
このように、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法によれば、取り替え作業をおこなう作業者の経験に左右されることなく、鉄塔100の強度が低下することを確実に防止することができ、作業者の安全性を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法によれば、特殊技術が不要であるため、このような特殊技術を要する作業者に請け負いを依頼することなく、電力会社などのような鉄塔100の管理者の直営作業によって鉄塔部材の取り替え作業をおこなうことができる。これにより、作業計画が容易になり、工期の短縮を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法は、補強材501が、所定長さの形鋼であることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の取り替え方法によれば、平面を備える形鋼を補強材501として用いることにより、挟締金具400のボルトを安定して補強材501に当接させることができるので、挟締金具400による補強材501の固定を確実におこなうことができる。これにより、補強材501の取り付けが不十分であるために、鉄塔部材の取り替え作業中に鉄塔100の強度が低下することを確実に防止することができ、作業者の安全性を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法は、補強材501が、等辺山形鋼であることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の取り替え方法によれば、鉄塔部材として多く用いられている等辺山形鋼を用いることにより、等辺山形鋼を用いた鉄塔100の強度計算をおこなうようにプログラムされた既存の鉄塔100の強度計算ソフトウエアを用いて、補強材501に関する強度計算をおこなうことができる。
これにより、鉄塔100の強度計算ソフトウエアによる品質および安全性が確保された計算結果に基づき、補強材501を取り付けて鉄塔部材の取り替え作業をおこなうことができるので、作業者の経験に左右されることなく、安全かつ確実な取り替え作業をおこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法は、鉄塔100が形鋼を用いて構成されており、補強材501は、鉄塔部材と同一種類の形鋼であることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の取り替え方法によれば、鉄塔部材と同一種類の形鋼を補強材501とすることにより、等辺山形鋼に限らず、所定の鉄塔部材を用いて構成された鉄塔100の強度計算をおこなうようにプログラムされた既存の鉄塔100の強度計算ソフトウエアを用いて、補強材501に関する強度計算をおこなうことができる。これにより、鉄塔100の強度計算ソフトウエアによる品質および安全性が確保された計算結果に基づき、補強材501を取り付けて鉄塔部材の取り替え作業をおこなうことができるので、作業者の経験に左右されることなく、安全かつ確実な取り替え作業をおこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態の取り替え方法は、補強材501取り付け工程が、別の鉄塔部材に取り付けられた補強材501の間に一部の鉄塔部材が位置するように、複数の補強材501を取り付けることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の取り替え方法によれば、取り替え対象とする一部の鉄塔部材が補強材501の間に位置するように、すなわち、一部の鉄塔部材を挟み込むようにして補強材501を取り付けることにより、一部の鉄塔部材を取り外した状態の鉄塔100の強度を確保して鉄塔部材の取り替え作業中に鉄塔100の強度が低下することを確実に防止することができ、作業者の安全性を確保することができる。
以上のように、この発明にかかる取り替え方法は、鉄塔などの構造物を構成する部材の一部をあらたな部材に取り替える取り替え方法に有用であり、特に、荷重がかかる特別高圧電線を支持する鉄塔などの構造物を構成する部材の一部をあらたな部材に取り替える取り替え方法に適している。
100 鉄塔
110 基礎部
120 鉄塔上部構造物
121 主柱材(別の鉄塔部材)
122 腕金部材
123 斜材
123A 一部の鉄塔部材
123B あらたな鉄塔部材
124 水平材
400 挟締金具
401 本体部
401a 基部
401b アーム
402 ボルト
501 補強材

Claims (5)

  1. 基礎部から起立して設けられる鉄塔部材である主柱材と、水平方向および鉛直方向に対して傾斜させた状態で、隣接する第1の主柱材と第2の主柱材の間に架け渡される鉄塔部材である斜材と、により構成される鉄塔の、当該斜材をあらたな斜材に取り替える取り替え方法であって、
    前記斜材の一方の端部が取り付けられている第1の主柱材における当該斜材の端部が取り付けられている近傍と、前記斜材の他方の端部が取り付けられている第2の主柱材に、第1の補強材を水平方向に取り付け、前記第2の主柱材における当該斜材の端部が取り付けられている近傍と、前記第1の主柱材に、第2の補強材を水平方向に取り付ける補強材取り付け工程と、
    前記補強材取り付け工程の後に、前記斜材を前記第1の主柱材および前記第2の主柱材から取り外してから、前記あらたな斜材を当該第1の主柱材および当該第2の主柱材に取り付ける鉄塔部材取替工程と、
    前記鉄塔部材取替工程の後に、前記第1の補強材および前記第2の補強材を取り外す補強材取り外し工程と、
    を含み、
    前記補強材取り付け工程は、
    凹部を備えた本体部と、共通の軸心に沿って前記本体部に螺合されて前記凹部の内側において先端を対向させる一対のボルトと、を備えた挟締金具を用いて、
    前記第1の主柱材および前記第2の主柱材と前記第1の補強材および前記第2の補強材とを、それぞれ前記凹部の深さ方向における最奥部に突き当てた状態で前記一対のボルトの先端どうしの間に挟み込むことによって、前記第1の主柱材および前記第2の主柱材に前記第1の補強材および前記第2の補強材を取り付けることを特徴とする取り替え方法。
  2. 前記第1の補強材および前記第2の補強材は、所定長さの形鋼であることを特徴とする請求項1に記載の取り替え方法。
  3. 前記第1の補強材および前記第2の補強材は、等辺山形鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の取り替え方法。
  4. 前記鉄塔は、形鋼を用いて構成されており、
    前記第1の補強材および前記第2の補強材は、前記主柱材または前記斜材と同一種類の形鋼であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の取り替え方法。
  5. 前記補強材取り付け工程は、前記第1の補強材および前記第2の補強材は、前記斜材の端部が取り付けられている前記第1の主柱材の主柱材プレートおよび前記第2の主柱材の主柱材プレートまたは当該主柱材プレートの近傍に取り付けることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の取り替え方法。
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